JP3695703B2 - 電気めっき方法、電気めっき装置及び半導体装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき方法及びめっき装置と、該方法を用いる電気めっき用プログラム及び該プログラムを保持する記憶媒体、並びに、半導体装置の製造方法及び製造装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高集積化及び高機能化を達成するために、デバイス動作速度の向上が要求されている。しかし、デバイス動作速度が高速になるほど、配線の遅延時間によりその高速化が制限される。そこで、層間絶縁膜を低誘電率化して配線間容量を抑えるとともに、低抵抗の配線材料を用いることにより配線抵抗を減じることで動作速度の向上が図られている。
【0003】
このため、比抵抗が1.7μΩcmと低い銅を用いてダマシン法により配線を形成することが検討されている。ダマシン法は、従来のスパッタ法によるアルミ配線などの形成とは異なり、初めに配線用の溝や孔を形成した後、銅を電気めっきによりその溝や孔に埋め込むことにより配線を形成する方法である。なお、電気めっきを行うには電気めっきを施す箇所を通電可能とするために導電膜が必要とされる。この導電膜は、通常、スパッタ法によって銅を成膜することにより形成される。しかし、銅はそれ自体が酸化しやすくかつ不導体被膜を形成しないため、大気に曝されると容易に酸化が進行する。
【0004】
一方、導電膜を有するウエハへの電気めっきは、通常、一回のめっき処理毎にめっき液を排出及び供給するバッチ式処理により行われる。カップ式のめっき装置ではカソード電極となるウエハはめっき槽上端に設置され、アノード電極はこれに対向してめっき槽下部に設置される。このため、導電膜を有するウエハは、めっき槽にめっき液が充填されると同時にめっき液と接することになる。そこで、例えば、めっき液充填後、ウエハが十分にめっき液に濡れ気泡が表面になくなるまでの一定時間、電気めっきを行わないままウエハをめっき液中に保持するといったことにより、めっきが不均一になるのを回避する必要がある。
【0005】
しかし、一般に、銅めっき液は硫酸を含む硫酸銅溶液であり、pHが1〜4と極めて強い酸性溶液である。このような酸性水溶液に、電圧を印加しないまま、表面が酸化した導電膜を有するウエハを浸漬すると、表面の酸化銅は容易に溶解してしまう。
【0006】
また、銅よりもイオン化傾向の大きいニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金などを導電膜に用いると、図20(a)に示すように、絶縁膜46表面にバリア膜48を介して形成された下地導電膜47は、容易に溶解してしまう。ここで、導電膜47のステップカバレッジが小さい場合、膜厚が薄い部分で局部的に導電膜が溶出してしまい、電気めっきを行った際に、図20(b)に示すように、得られる銅めっき膜49が不均一又は不完全になってしまったり、膜49内にボイド50が残ってしまったりする可能性がある。
【0007】
半導体ウエハ表面に形成された微細な溝又は孔の壁面では、ウエハ表面に比較し導電膜は薄くなる傾向があり、導電膜厚さも1nm〜50nmと極めて薄い。半導体デバイスは、今後さらに微細化されていくことが予想されることから、この下地導電膜の膜も、さらに薄膜化していくことが予想される。このような超薄膜においては、導体膜又はその酸化物の溶出は、わずかな量であっても、膜厚の不均一化や局所的な導電膜の欠損を生ずることとなり、結果として、めっき膜厚の不均一化や断線、ボイドなどの原因となる。
【0008】
そこで、例えば特開平10−152799号公報では、導電膜の溶解を抑制するために「めっき槽内で陽極と陰極を対向させるとともに、上記陰極の近傍に補助陰極が配置され、めっき電源を備える電気めっき装置において、陰極と陽極の間にめっき液が満たされていない期間は、補助陰極から陰極に電流を供給することで、めっき液による陰極の下地膜の溶解を実質的になくす」ことが提案されている。この手法では、補助陰極を対極として陰極との間に電流を印可するため、陰極である被めっき体及び補助陰極の両方がともにめっき液に触れて導通した後に、導電膜の溶解が抑制される。
【0009】
ここで、この電流を印可する際、補助陰極はアノード電極として作用し、陰極はカソード電極として作用する。この結果、陰極及び補助陰極の両者がめっき液に濡れるまでの一定時間、導電膜の溶解が抑制されないまま被めっき体がめっき液に触れることとなり、導電膜の表面に形成された酸化膜は一部溶解してしまう。このため、下地膜の不均一性を増長させてしまう。
【0010】
また、被めっき体がめっき液に接した瞬間に導電膜の溶解を抑制するためには、被めっき体がめっき液にふれた瞬間に通電を行わなければならない。しかし、ウエハ表面におけるめっき液への浸漬のタイミングは、一様ではない。通常のカップ式めっき装置では、めっき液はめっき槽下部中央の流入口から噴流となってめっき槽に導入されるため、めっき液の液面は、めっき槽壁面近傍に比べてめっき槽中央部のほうが盛り上がることから、ウエハは中央部からめっき液に濡れることになる。例えば被めっき体の一部がめっき液と触れた瞬間に通電を行った場合、めっき液に触れた箇所のみに電流が集中するため局部的に電気めっきが開始してしまうなどして、膜厚のばらつきが大きくなる原因となる。
【0011】
さらに、被めっき体がめっき液に触れると微小電流が流れるように、めっき液に触れる前から電圧を印可しておくこともできるが、この場合も、被めっき体の一部がめっき液に触れて補助電極との導通が可能になると、めっき液に濡れた局所領域に電流が集中するため、めっきが進行するに充分な電流が流れてしまい、均一なめっき膜を得ることは困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、電気めっき処理における下地導電膜の溶解を抑制し、ボイドのない均一めっき膜を形成することのできるめっき方法と、該方法を用いた電気めっき用プログラム及び該プログラムを保持する記憶媒体、並びに、半導体装置(半導体素子を含む)の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、めっき液内に浸漬されたアノード電極と被めっき体であるカソード電極との間に電流を流すことにより、カソード電極表面に導体からなるめっき膜を形成する電気めっき方法において、カソード電極がめっき液に接触するより前にめっき液に接触する予備電解電極を設け、この予備電解電極とアノード電極との間に予備電解電流を流しながら、カソード電極をめっき液に接触させた後、めっきを行う電気めっき方法が提供される。
【0014】
また、本発明では、めっき液内に浸漬されたアノード電極と被めっき体であるカソード電極との間に電流を流すことにより、カソード電極表面に導体からなるめっき膜を形成する電気めっき方法において、アノード電極と予備電解電極とがめっき液に接触した後、アノード電極とカソード電極との間に電流を流して電気めっきを開始するまでの間、予備電解電極とアノード電極との間に予備電解電流を流し、カソード電極がめっき液に触れた後、電気めっきを開始するまでの間は、カソード電極及び予備電解電極の間で電流を分配する電気めっき方法が提供される。この方法においても、予備電解電極とカソード電極とがこの順でめっき液に浸漬されるようにすることが望ましい。
【0015】
なお、本発明の電気めっき方法では、予備電解電流は0.001〜0.1A/dm2とすることが望ましい。また、本発明の電気めっき方法は、特に銅めっきに適しているが、Fe、Ni、Pt、W、Ti等の金属、又はそれらを主原料とする合金などのめっきに適用してもよい。
【0016】
また、本発明では、これら本発明の電気めっき方法を用いて配線用導体膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法が提供される。本発明は、特にダマシン法により配線を形成する場合に適している。なお、配線用導体膜形成工程以外の工程は、特に制限されるものではなく、適宜定めることができる。例えば、ウエハ表面に絶縁膜を形成する工程、該絶縁膜に配線形成用凹部を形成する工程、この凹部を充填するように本発明のめっき方法により導体膜を形成する工程、該導体膜表面を絶縁膜又は表面保護膜により覆う工程などを本発明の半導体装置の製造方法に設けることができる。
【0017】
さらに本発明では、めっき槽と、該めっき槽内に配置されたアノード電極及び予備電解電極とを備え、予備電解電極は、被めっき体であるカソード電極と電流経路として並列になるように配線されており、めっき槽へのめっき液の導入に際して、カソード電極より前にめっき液に接する位置に配置されている電気めっき装置が提供される。この本発明のめっき装置では、予備電解電極とアノード電極との間の導通を電気的に開閉するスイッチを有することが望ましい。
【0018】
また、本発明では、めっき槽と、該めっき槽内に配置されたアノード電極及び予備電解電極と、電源とを備え、予備電解電極は被めっき体であるカソード電極と電流経路として並列になるように電源と電気的に接続されており、予備電解電極と電源との間にはスイッチが設けられている電気めっき装置が提供される。
【0019】
なお、これら本発明のめっき装置では、予備電解電極のめっき液に触れる面の面積が、カソード電極のめっき液に触れる面の面積の半分以上であることが望ましい。また、本発明のめっき装置は、カソード電極と電流経路として並列になるように配線された補助カソード電極をさらに備え、カソード電極へのめっきは、めっき液中で、カソード電極及び補助カソード電極と、アノード電極との間に電圧を印加することにより行われるようにしてもよい。
【0020】
さらに本発明では、この本発明の電気めっき装置を用いて配線用導体膜を形成する手段を有する、半導体装置の製造装置が提供される。
【0021】
また、本発明では、めっき液内に浸漬されたアノード電極と被めっき体であるカソード電極との間に電流を流すことにより、上記カソード電極表面に導体からなるめっき膜を形成する電気めっき方法に用いるためにコンピュータを、
めっき液の液面が所定の高さに達したことを検出すると、予備電解電極とアノード電極との間に予備電解電流を流す予備電解電圧印加手段、及び
カソード電極とアノード電極との間にめっきのための電圧して電気めっきを行うめっき電圧印加手段、
として機能させるための電気めっき用プログラムと、該プログラムを保持するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
上述したように、導電膜の溶解によって生じる不具合を解決するため、本発明では、半導体ウエハの表面に設けた微細な溝や孔を電気めっきする際に、めっき槽内に設置されたアノード電極と、カソード電極となる被めっき体とに加え、予備電解電極を設け、電流経路として並列に被めっき体と予備電解電極とを配置し、予備電解電極とアノード電極との間に微小電流を印加しながら被めっき体を電気めっき液に浸漬させることによりめっきを行う。
【0023】
まず、各実施例において用いた半導体装置の製造装置及び薬液処理装置(特にめっき装置)について、具体的に説明する。
【0024】
A.めっき装置の構成
本発明の半導体装置製造装置に設けられためっき装置の一例として、後述する各実施例において用いた自動ウエハめっき装置を例にとって説明する。
【0025】
各実施例において用いた自動ウエハめっき装置の本体は、図1に示すように、搬送機構(搬送ロボット)26、ロードステージ27、プレめっきステージ28、めっきステージ29、洗浄ステージ30、乾燥ステージ31及びアンロードステージ32を備える。また、本体の他に、薬液供給システム及び薬液回収システムが設けられている(図示せず)。
【0026】
ロードステージ27にはウエハカセット33が、プレめっきステージ28にはめっき前処理槽34が、めっきステージ29にはめっき槽35が、洗浄ステージ30には洗浄槽36が、乾燥ステージ31には乾燥機37が、アンロードステージ32にはウエハカセット38がそれぞれ設けられている。これらのうち、めっき前処理槽34、めっき槽35及び洗浄槽36は薬液処理槽である。これらの薬液処理槽には、それぞれ、薬液用配管、温度調節器などが備えられている(図示せず)。
【0027】
なお、各ステージ27〜32は、処理枚数を向上することができるため、それぞれ複数設置してもよい。また、プレめっきステージ28又は洗浄ステージ30は省略することができるが、めっき膜を平坦にするためには、これらを設置することが好ましい。搬送ロボット26は、図2に示すように、ウエハ担持アーム40とウエハ担持部39とを備え、ウエハ3を担持して所定の位置(例えば、薬液処理槽17)まで搬送するための機構である。
【0028】
この本実施例の自動ウエハめっき装置の薬液処理槽17には、例えば、図3に示すようなカップ式処理槽1を用いることができる。このカップ式処理槽1は、カップ状の処理槽1の上部開口に沿ってウエハ支持部10が設けられるとともに、この支持部10の下側位置に処理槽1の外部から内部へと貫通する薬液供給部7が設けられ、薬液供給部7から噴流として供給された薬液11は処理槽1外部へ薬液排出口8から流出するようになっている。処理槽1の側壁には水位計6が設けられており、供給された薬液11の水位を計測することができる。支持部10に載置され、ウエハ押さえ治具9によって固定されたウエハ3の被処理面4がこの薬液に接触することにより、薬液処理が施される。
【0029】
この薬液処理がめっき処理の場合は、図3に示すように、処理槽1内部にアノード電極2と、カソード導電膜の溶解を抑制するための予備電解電極5とが設けられる。なお、ここで用いた例では、処理槽1内に予備電解電極5が予め設置されているが、本発明はこれに限られるものではなく、処理槽1内に予備電解電極5を着脱可能に保持するための保持部材が設けられ、使用時にこの保持部材に予備電解電極5を取り付けるようにしてもよい。
【0030】
めっき処理を行うための薬液処理槽17であるめっき槽は、めっきステージ29に設けられる。めっきステージ29はめっき槽を複数備えていてもよい。なお、このようなカップ式処理槽の他、例えば図4に示すような縦型の薬液処理槽44なども、薬液処理槽17として用いることができる。この場合も、めっき処理を行う場合は、槽内にアノード電極2及び予備電解電極5を設ける。なお、いずれの図においても、各電極に電圧を印加するための配線及び電源は、図示を省略した。
【0031】
図3に示すカップ式のめっき槽では、予備電解電極5をめっき槽中央に設置したが、被めっき体となるカソード電極3がめっき液11に触れる前に、予備電解電極5がめっき液11に触れるように、めっき液吐出管7内やその吐出口近傍などに設置すればよい。さらに、予備電解電極5はめっき処理槽1の外に設置してもよく、例えばめっき液供給システムのめっき液タンク内など、被めっき体とめっき液とを介して液絡がとれる箇所に設置すればよい。
【0032】
予備電解電極5として、図3に示すめっき槽では円筒状の電極を用いたが、板状、線状、円盤状、環状、球状など、その形状は問わない。また、じゃま板など他の機能を有するめっき冶具を予備電解電極5として併用してもよい。予備電解電極5の材質としては、図3に示した装置では銅を用いているが、Fe、Ni、Pt、W、Ti等の金属、又はそれらを主原料とする合金など、導電性材料であればいずれの電極材料を用いてもよい。
【0033】
予備電解電極のめっき液に触れる面積は、めっきを行う面積(すなわちめっき液に触れる面の面積)の半分以上が好ましく、同等かそれ以上が好適である。予備電解電極はめっき槽に固定されていてもよいが、可動式で着脱可能な方が、メンテナンスが容易になるため好ましい。
【0034】
めっき槽1内のアノード電極2は、ウエハ支持部10に保持された状態でのカソード電極となる被めっき体3と対向するような位置に配置されている。カソード電極3及びアノード電極1は、めっき膜の均一析出性を得るために平行に設置されていることが望ましい。なお、図3においては、アノード電極2を装置下部、カソード電極3を装置上部にそれぞれ設置したが、これに限らず、設置場所は選ばない。
【0035】
アノード電極材2の材質としては、銅、ニッケル、鉄、白金、金など、導電性材料であればよい。また、アノード電極の形状は、図3に示した装置では環状(ドーナツ型)としたが、円盤状など他の形状でもよく、大きさはカソード電極3と同程度であることが望ましい。
【0036】
ダマシン法による配線の形成に本実施例のめっき装置を用いる場合、めっき対象のシリコンウエハであるカソード電極3には、図5(a)に示すように、絶縁膜46の表面に銅配線形成用の凹部(溝や孔など)が形成され、その溝や孔の表面に銅の拡散防止膜48及びめっき下地導電膜47が形成されている。図5に示した例では、下地膜47はスパッタにより銅を成膜したものを用いたが、銅以外の導電性膜でもよく、また下地膜の形成法も特に限定されるものではない。
【0037】
アノード電極1とカソード電極3とは、図6に示すように、めっき液11を介し回路を形成しており、これらの間には電源13により電圧を印可することができる。なお、電源13としては、直流、交流、パルス電流などのいずれの電流の電源であってもよいが、直流電源が望ましい。
【0038】
また、電流経路としてカソード電極3と並列に予備電解電極5が配置されており、予備電解電極5はスイッチ14により回路との切離しが可能である。また、図7に示すように、補助アノード電極42を構成に加え、スイッチ43を介して補助アノード電極42と予備電解電極5との間で回路を構成して、予備電解電極5とカソード電極9とが電流経路として並列に配置するようにしてもよい。
【0039】
また、図8に示すように、電源13に加えてさらに微小電流用直流電流源15を設け、予備電解電極(予備電解電流のためのカソード電極)5とアノード電極5との間に配置してもよい。
【0040】
薬液の処理システムとしては、例えば、図9に示すように、薬液処理槽17(めっきステージ29の薬液処理槽17の場合はめっき処理槽1)、薬液タンク20、薬液の管理システム80(分析部23、管理用情報処理装置(パーソナルコンピュータ)25、補給液槽18、電磁弁24など)を備えるものを用いることができる。めっき液タンク20には液成分を補充できるように、補給機構を備える管理用システム80を設けることが望ましい。薬液タンク20及び管理システム80は、めっき装置本体とは異なる場所に設置してもよい。
【0041】
図9に示すように、めっき液タンク20に保持されているめっき液11は、供給ポンプ21により、めっき液吐出口7からめっき槽1へ流入し、めっき液排出口8からめっき液タンク20へと流入する。なお、めっき液中のゴミを除去するため、めっき液タンク20からめっき槽1へのめっき液配管81、及び/又は、めっき槽1からめっき液タンク20へのめっき液配管82に、フィルタ22を設置することが望ましい。
【0042】
B.装置の動作
つぎに、各実施例のめっき装置における処理の流れについて、図1を用いて説明する。なお、以下の処理は管理用情報処理装置25により制御される。管理用情報処理装置25は、中央演算処理装置(CPU)、主記憶装置、外部記憶装置、入出力装置を備える情報処理装置であり、以下の管理用情報処理装置25による処理は、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの記憶媒体に予め保持され、主記憶装置に読み込まれたプログラムをCPUが実行することにより実現されるが、本発明はこのようなプログラムによる実現手段に限定されるものではない。
【0043】
まず、搬送ロボット26が、ロードステージ27に載置されたウエハ供給用カセット33からウエハ3を一枚ずつ取り出し、プレめっきステージ28へ搬送してめっき前処理槽34へウエハ3を配置する。めっき前処理槽34では、ウエハ3に対してめっき前処理が行われる。次に、搬送ロボット26は、ウエハ3をめっきステージ29へと搬送してめっき槽35の支持部10へセットする。このめっき槽35においてめっき膜が形成される。続いて、ウエハ3は、搬送ロボット26により洗浄ステージ30へ送られて洗浄処理を施された後、乾燥ステージ31における乾燥処理を経て、アンロードステージ32にて回収用カセット38に収納される。なお、乾燥用ステージ31にて回収用カセット38にウエハ3を収納し、回収用カセット38をアンロードするようにすれば、装置を小型化できる。
【0044】
つぎに、めっきステージ29におけるめっき手順について、図3及び図10を参照しながら説明する。
【0045】
管理用情報処理装置25は、プレめっきステージ28でめっき前処理を終えたウエハ3を、搬送ロボット26によりめっきステージ29へ搬送し、めっき槽開口部のウエハ支持部10にセットする(ステップ901)。その後、管理用情報処理装置25は、非めっき面へのめっき液11の回り込みが制限されるように、ウエハ3をウエハ押さえ用冶具9により支持部10に固定した後、めっき槽1へのめっき液11の流入を開始する(ステップ902)。
【0046】
めっき液11がめっき槽1に溜まり始め、水位計6が設置された深さまでめっき液11が流入した(ただし、被めっき体であるカソード電極3及び4はめっき液11にまだ触れていない)ことを検出すると、管理用情報処理装置25は、予備電解電圧印加手段251(図6)により、予備電解電極5とアノード電極2の間に補助電流を印可する(ステップ903)。なお、アノード電極2がカソード電極3の後にめっき液に触れるような構造のめっき槽を用いる場合には、予備電解電極5と補助アノード電極42との間に微小補助電流が流れるように微小電圧を印可すればよい。また、カソード電極3と予備電解電極5との間のスイッチ14は、カソード電極3がめっき液に触れる前であればいつ入れてもよい。
【0047】
この操作の後カソード電極3とめっき液11が接触し、めっき液11の充填が完了すると同時にめっき槽1からめっき液の排出が始まる(ステップ904)。めっき液11の流入と排出は、ウエハ3へのめっきが完了するまで継続して行われる。カソード電極3は、めっき液11を介してアノード電極2又は補助アノード電極5と導通が得られ、また、予備電解電極5と電流経路として並列である。このため、めっき液11との接触と同時に微小電流がカソード電極3に流れる。
【0048】
めっきを行う瞬間までこの微小電流を流し続けた後、管理用情報処理装置25のめっき電圧印加手段252(図6)は、カソード電極3とアノード電極2との間にめっき電圧を印加してめっきを開始すると同時に、予備電解電極5を回路から切り離して微小電流が流れるのを止める(ステップ905)。この後、ウエハ表面に形成された溝や孔に銅が充填されるまでの所定時間めっきを行い、電気めっきを終了した後(ステップ906)、めっき液11のめっき槽1内への流入を止め、めっき槽1内のめっき液を排出し(ステップ907)、ウエハ3の固定を解除して搬送ロボット26により洗浄ステージ30へと運ぶ(ステップ908)。以上により、めっき膜の形成が終了する。
【0049】
<実施例1>
本実施例では、図3に示したカップ式めっき槽1を備えるめっき装置をめっきステージ29に有する半導体装置製造装置を用い、めっき処理毎にめっき液を排出及び供給して行うバッチ処理によって電気銅めっきを行って、半導体装置を製造した。なお、めっき液11の組成は、硫酸銅(CuSO4・5H2O)200 g/dm3(0.4mol/dm3)、硫酸(H2SO4)100 g/dm3(2.0mol/dm3)、塩素イオン:30 mg/ dm3(1.5×10-3mol/dm3)、添加剤適量(ミクロファブCu2100(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース社)10×10-3dm3/dm3)とし、溶媒には水を用いた。また、めっき液11の液温は25℃とした。アノード電極には面積300 cm2の環状含リン銅板を用い、予備電解電極5には面積1400 cm2の円筒状含リン銅板を用いた。
【0050】
被めっき体はつぎのようにして作製した。まず、20.32cm(8インチ)のシリコンウエハ基板上に、スパッタ法によりSiO2絶縁膜46を膜厚300nm堆積させ、その表面に、フォトリソグラフィ法により配線用の凹部(溝や孔)51を形成した(図5(a))。この配線用の凹部51の幅は、配線幅が0.10オm〜1オmとなるようした。続いて、スパッタ法により、TiNからなるバリア膜48を形成した後、下地導電膜47として銅を成膜した。得られたバリアメタルの膜厚は、凹部51の壁面で15nmであり、底面では30nmであった。また、下地導電膜47は、凹部51の壁面で10nmであり、底面で30nmであった。
【0051】
このようにして作製しためっき対象のウエハ3を、プレめっきステージ28において前処理した後、搬送ロボット26によりめっきステージ29へ搬送して、被めっき面4を下(すなわちめっき槽1内部)に向けてめっき槽1の支持部10に載置し、ウエハ押さえ冶具9により支持部10に固定した。
【0052】
その後、めっき液11を、10dm3/分の流量でめっき槽1へ導入した。めっき液11の導入初期はめっき液11がめっき槽1の下部よりめっき液が溜まっていくため、まずアノード電極2、続いて予備電解電極5がめっき液11に触れることになる。本実施例では、めっき液11の液面が水位計6の位置に達した時に、予備電解電極5と回路との間のスイッチ14を入れ、アノード電極2から予備電解電極5に微小電流を流した。ここで流す電流は、電気めっきが進行しない程度の微小電流とすることが望ましく、具体的には、予備電解電極5に対して0.0001A/dm2〜0.2A/dm2程度とするのがよい。本実施例では、30mA(予備電解電極5に対して約0.002A/dm2)とした。
【0053】
アノード電極2と予備電解電極5との間に微小電流が流れている状態で、めっき液11が徐々にめっき槽1に充填されカソード電極3とめっき液11とが接触すると、それと同時に、予備電解電極5とアノード電極2との間で流れていた微小電流がカソード電極3と予備電解電極5とに分割され、カソード電極3にも並列に電流が流れることになる。これは、カソード電極3と予備電解電極5が電流経路として並列に配置されているため、両電極3,5の電位が等しいからである。このため、めっき液11に触れる前からカソード電極3は還元電位となり、めっき液11に触れて導通可能になると、予備電解電極5とカソード電極3との面積比に応じて電流が分配され、両電極3,5とアノード電極2との間に微小電流が流れる。したがって、カソード電極3に瞬間的なめっき電流が流れないようにするため、予備電解電極5の面積をカソード電極3に比べて大きくすることが望ましい。
【0054】
なお、本実施例のめっき装置では、めっき液11がめっき槽1下部より槽1内に噴出するため、めっき槽1中央部のめっき液面11aが、めっき槽1壁面近傍のめっき液面11bよりも高くなっている。そのため、被めっき体であるカソード電極3の中央部がまずめっき液に触れる。しかし、カソード電極3は予備電解電極5と比べて面積が小さいため、カソード電極3の中央部がめっき液11に触れた瞬間も、電気めっきが開始するほどの電流はカソード電極3には流れない。実際、カソード電極3における電流は約0.5mAの還元電流であり、カソード電極3の電位は約−0.3V(vs. N.H.E)であった。このとき、予備電解電極5の面積がカソード電極3の半分よりも小さい場合には、カソード電極3に電気めっきが開始するほどの電流が流れる可能性がある。そこで、予備電解電極5の面積はカソード電極3の半分よりも大きくすることが望ましい。
【0055】
その後、めっき液11がめっき槽1内を満たし、カソード電極3全面がめっき液11に触れた。この状態でのカソード電極3に流れる還元電流は7mA(カソード電極3に対して約0.002A/dm2)であり、カソード電極3の電位は約−0.3V(vs. N.H.E)であった。この結果、被めっき体であるカソード電極3に形成された下地膜47表面の銅酸化物が溶解することなく還元されて銅となった。この状態での下地導電膜47の膜厚は、凹部51の壁面で10nm、底面で30nmであった。また、局所的に下地膜47が溶解した箇所はなかった。
【0056】
この後、めっき液11はめっき槽1上部のめっき液排出口8から溢れ出して排出され始めた。なお、めっき液11の流入及び排出は、めっき液11の成分を一定に保つために、めっき膜の形成が終わるまで継続した。カソード電極3表面の気泡などが排出されるまで約20秒間待った後、予備電解電極5と直流電源13との間のスイッチ14を切り、それと同時にアノード電極2とカソード電極3との間に約3A(1A/dm2)の電流を流し、図5(b)に示すように、配線用凹部51を銅で充填した。これより、配線となる銅膜49を形成できた。形成された銅膜49は、均一な下地膜47の上に成膜されたため、内部にボイド等を残すことなく、凹部51を完全に充填することができた。
【0057】
この後、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥した後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。
【0058】
このように形成されたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、図5(b)に示すように、ボイドなどの不良はほとんど認められず、配線用凹部51を信頼性良く充填することができ、さらに膜厚の均一なめっき膜が得られたことがわかった。評価結果について表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
<実施例2>
本実施例では、図11に示すように、めっき槽1内に、円筒状の予備電解電極5に代えて、貫通孔を有する円盤状の予備電解電極41を備えるカップ式めっき装置を用いて、実施例1と同様にして銅めっきを行った。なお、本実施例で用いた予備電解電極41は、20.32cm(8インチ)の大きさの含リン銅の円盤に直径2cmの貫通孔を15個あけた円盤であり、じゃま板としても機能する。本実施例で用いためっき液の組成及びめっき条件は、実施例1と同様である。本実施例では、アノード電極2として面積300cm2の環状含リン銅板を用い、予備電解電極(じゃま板)41としては、面積530cm2の円盤状含リン銅板を用いた。
【0061】
この本実施例のめっき装置は、図12に示すように、カソード電極であるウエハ3及びじゃま板41と、アノード電極2とが、めっき液11を介して回路を形成しており、じゃま板41と電源13との間に設けられたスイッチを閉じた状態では、ウエハ3とじゃま板41とが電流経路として並列になっている。
【0062】
被めっき体3は、実施例1と同様に、ウエハ表面へのSiO2絶縁膜46の堆積、配線用凹部51の加工、バリア膜48の形成、下地導電膜47である銅の成膜を順次行うことにより作製した。得られたバリアメタル48及び下地導電膜47の膜厚は、実施例1と同様であった。
【0063】
得られた被めっき体3を、プレめっきステージ28において前処理した後、搬送ロボット26によりめっきステージ29へ搬送して、被めっき面4を下(すなわちめっき槽1内部)に向けてめっき槽1の支持部10に載置し、ウエハ押さえ冶具9により支持部10に固定した。
【0064】
その後、めっき液を10dm3/分の流量でめっき槽1へ導入した。本実施例においても、めっき液の導入初期はめっき液がめっき槽1の下部より溜まっていくため、まずアノード電極2が、続いてじゃま板兼予備電解電極41がめっき液11に触れることになる。本実施例では、めっき液11の液面が水位計6の位置に達した時に、じゃま板兼予備電解電極41と回路との間のスイッチ14を入れ、アノード電極2から予備電解電極41に10mA(予備電解電極に対して約0.002A/dm2)の微小電流を流した。
【0065】
続いて、実施例1と同様にめっき液11がめっき槽1内を満たしてから約20秒経過後に、予備電解電極41と直流電源13との間のスイッチ14を切り、それと同時にアノード電極2とカソード電極3の間に約3A(1A/dm2)の電流を流した。これにより、銅めっきが行われて、配線用凹部51に銅が充填された。本実施例においても、実施例1と同様、ボイドを残すことなく、均一な配線用銅膜を形成することができた。
【0066】
次に、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥させた後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。
【0067】
得られたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、実施例1と同様、図5(b)に示すようにボイドなどの不良は認められず、配線用凹部51が銅49により信頼性良く充填されたことがわかった。また、本実施例では、じゃま板41を用いたことにより、被めっき体であるウエハ3の面内でのめっき膜厚のばらつきも低減できた。本実施例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0068】
<実施例3>
本実施例では、図13に示すカップ式めっき装置130を用い、実施例1と同様にして電気銅めっきを行った。めっき液11の組成及びめっき条件、アノード電極2及び被めっき体であるカソード電極3は、実施例1と同様である。
【0069】
本実施例のめっき装置130では、予備電解電極5として予備アノード電極42と予備カソード電極43とが両方設けられている。予備アノード電極42には、面積300cm2の含リン銅製円筒を用い、予備カソード電極43としては面積500cm2の含リン銅製円筒を用い、めっき液導入用配管7内の吐出口7b近傍に、吐出口7bの側から予備アノード電極42、予備カソード電極43の順になるように配置した。なお、本実施例では、予備アノード電極42及び予備カソード電極43をそれぞれ一つずつ設けたが、平坦なめっき面を得ることができることから、それぞれ複数設けても構わない。
【0070】
本実施例のめっき装置130では、図14に示すように、予備アノード電極42はアノード電極2と、予備カソード電極43はカソード電極3と、それぞれ電流経路として並列に設置されている。なお、予備アノード電極42及び予備カソード電極43は、めっき液タンク内など、めっき液11を介してアノード電極2及び被めっき体であるウエハ3と液絡が得られる場所であれば、任意の場所に設置することができる。
【0071】
本実施例では、めっき槽1へのめっき液11の導入前に、予備アノード電極42及び予備カソード電極43がめっき液11に触れることになる。そこでまず、予備カソード電極43と回路との間のスイッチ14、及び、予備アノード電極42と回路との間のスイッチ14aをそれぞれ入れ、予備アノード電極42から予備カソード電極43に10mA(予備カソード電極43に対して約0.002A/dm2)の微小電流を流した。
【0072】
続いて、めっき液11を10dm3/分の流量でめっき槽1へ流入し、実施例1と同様にめっき液11がめっき槽1内を満たしてから約20秒経過後に、スイッチ14及び14aをそれぞれ切り、それと同時にアノード電極2とカソード電極3との間に約3A(1A/dm2)の電流を流した。これより、均一な膜厚を保ったままの下地膜47の表面に配線となる銅膜49が形成することができた。このため、本実施例では、ボイドを残すことなく、配線用凹部51を均一に充填することができ、短絡や断線のない信頼性の高い配線を形成することができた。
【0073】
次に、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥させた後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。
【0074】
得られたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、実施例1と同様、ボイドなどの不良は認められなかった。本実施例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0075】
<実施例4>
本実施例の半導体装置製造装置では、めっきステージ29に、図15に示すカップ式めっき槽1aを備えるめっき装置150を設けた。本実施例の装置150では、アノード電極2がめっき槽1a上部に設置されており、被めっき体であるウエハ3はめっき槽1aの底部に設けられた開口部から被めっき面4がめっき槽1a内に露出するように、被めっき面4を上にして、ウエハ押さえ治具9によりめっき槽1a底部に押し付けられて固定される。また、本実施例のめっき装置150は、めっき槽1a内に、予備電解電極5として予備アノード電極42及び予備カソード電極43を備える。予備カソード電極43には、面積400cm2の含リン銅板を用い、予備アノード電極42には面積300cm2の含リン銅板を用いた。
【0076】
本実施例の半導体装置製造装置を用い、実施例1と同様のめっき液11の組成及びめっき条件にて、ウエハに配線用銅膜を形成した。なお、図15に示すように、本実施例では予備カソード電極43と予備アノード電極42とを、めっき液11の導入口に設けられためっき液溜まり7a内にそれぞれ設置した。本実施例のめっき装置150では、めっき液11はまずこのめっき液溜まり7aに導入され、このめっき液溜まり7aに満ちて溢れ出ためっき液11がめっき槽1aに導入されるようになっている。
【0077】
本実施例においても、めっき槽1aへのめっき液11の導入を開始すると、カソード電極3がめっき液11に触れる前に、予備カソード電極43及び予備アノード電極42がめっき液11に触れることになる。本実施例では、両予備電解電極42,43の間がめっき液11により導通された後、カソード電極3がめっき液11に触れる前に、予備アノード電極42から予備カソード電極43へ8mA(予備カソード電極43に対して約0.002A/dm2)の電流を流した。このように両予備電解電極42,43間に微小電流が流れている状態でめっき液11が徐々にめっき槽に流入しカソード電極3とめっき液11とが接するため、本実施例では、カソード電極3がめっき液11に触れると同時に予備電解電極42,43間で流れていた微小電流がカソード電極3と予備カソード電極43とに分割されカソード電極3にも並列に電流が流れることになる。
【0078】
この後、めっき液11がめっき槽1a内に十分溜まると、アノード電極2がめっき液11に浸漬し、めっき液11はめっき槽1a上部のめっき液排出口8aからオーバーフローして、排出配管8から排出される。
【0079】
続いて、予備アノード電極42とアノード電極2との間のスイッチ、及び、予備カソード電極43とカソード電極3との間のスイッチをそれぞれ切り、それと同時にアノード電極2とカソード電極3との間に約3A(1A/dm2)の電流を流した。これより、下地膜の厚さを均一に保ったまま、配線用凹部を完全に充填した配線用銅めっき膜を形成することができた。
【0080】
次に、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥させた後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。得られたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、実施例1と同様、ボイドなどの不良は認められなかった。本実施例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0081】
<実施例5>
本実施例では、めっきステージ29に図4に示す縦型めっき槽44を備えるめっき装置140を用い、実施例1と同様にしてウエハに銅めっきを施した。めっき液11の組成及びめっき条件、用いたアノード電極2及びめっき対象ウエハ3は、実施例1と同様である。
【0082】
本実施例の縦型めっき槽44では、めっき槽44底部に、上部に複数のめっき液流出口を有するめっき液導入用配管7がコの字型に配管されており、その上に予備電解電極5が設けられている。本実施例では、予備電解電極5には、面積500cm2の含リン銅板を用いた。図16に示すように、本実施例の予備電解電極5は、予備電解電流のためのカソード電極として機能する。
【0083】
また、本実施例に縦型めっき槽44は、めっき液11を満たしたとき該めっき液に完全に浸る位置に、縦にアノード電極2が設けられており、このアノード電極2に対向する位置に、カソード電極となる被めっき物(ウエハ)3を保持するための支持部(めっき治具)10を取り付けることができるようになっている。
【0084】
なお、本実施例では、アノード電極2及びカソード電極3は、めっき槽44内に縦に(すなわち、電極面及びめっき面がめっき液11の液面に対して垂直になるように)配置されるが、両者を横に(すなわち、電極面及びめっき面がめっき液11の液面に対して平行になるように)配置しても構わない。
【0085】
本実施例では、まず、めっき液11をめっき槽44に導入して、アノード電極2及び予備電解電極5がめっき液11に既に浸漬されている状態で、予備電解電極5と回路との間のスイッチ14を入れ、アノード電極2から予備電解電極5へ10mA(予備電解電極に対して約0.002A/dm2)の微小電流を流した。一方、被めっき体であるウエハ3は、プレめっきステージ28からめっきステージ29へ搬送ロボット26により搬送し、めっき治具10に固定しておいた。
【0086】
続いて、微小電流を流したまま、めっき槽44内へめっき冶具10に取り付けられた被めっき体3を投入して、めっき液11内でアノード電極2と対向する所定の位置に固定した。その後、予備電解電極5とアノード電極2との間のスイッチ14を切り、それと同時にアノード電極2とカソード電極3の間に約3A(1A/dm2)の電流を流した。これより、下地膜の厚さを均一に保ったまま、配線用凹部を完全に充填した配線用銅めっき膜を形成することができた。
【0087】
次に、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥させた後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。得られたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、実施例1と同様、ボイドなどの不良は認められなかった。本実施例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0088】
<実施例6>
本実施例では、下地導電膜47を無電解めっき法により形成したコバルト合金膜とした他は、実施例1と同様にして銅めっき膜48を形成した。
【0089】
下地導電膜は、つぎのようにして形成した。まず、実施例1と同様にして基板表面に絶縁膜及び配線用凹部、バリア膜を順次形成した後、無電解めっきの触媒層として、湿式法によりパラジウム層を形成した。すなわち、基板を50%の塩酸に2分浸漬させた後、パラジウム錯体タイプの増感剤(日立化成工業株式会社製HS-202B)に常温で5分間浸漬させ、次いで純水で水洗した。次に、基板を活性化処理液(日立化成工業株式会社製ADP-601)に常温で5分間浸漬させ、純水で洗浄した。
【0090】
続いて、塩化コバルトを0.1 mol/dm3、クエン酸三ナトリウムを0.3 mol/dm3、ジメチルアミンボランを0.06 mol/dm3、タングステン酸ナトリウム0.03 mol/dm3及び東邦化学製界面活性剤RE610を0.05 g/dm3含むめっき液11を用いて、実施例1と同様にしてめっき処理を行った。なお、めっきは、pHを9.5(KOHで調整)、液温を65℃、めっき時間を7分として行った。これにより、コバルト合金からなる下地導電膜47が形成された。
【0091】
得られた下地導電膜47を有する基板を、実施例1と同様にして電気銅めっき処理したところ、下地導電膜47の溶解は観察されず、下地膜の厚さを均一に保ったまま、配線用凹部を完全に充填した、ボイドのない配線用銅膜49を形成することができた。
【0092】
次に、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥させた後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。得られたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、図5(b)に示すように、ボイドなどの不良は認められなかった。本実施例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0093】
<実施例7>
本実施例の半導体装置製造装置では、めっきステージ29に、図17に示すカップ式めっき槽1bを備えるめっき装置170を設けた。本実施例のめっき槽1bは、補助カソード電極60が設けられている他は、実施例1で用いためっき槽1とほぼ同様の構成を有している。すなわち本実施例のめっき槽1bには、図18に示すように、内周部に絶縁部61を有する環状の補助カソード電極60が設けられており、被めっき体であるウエハ3は、絶縁部61を介してこの補助カソード電極60中央部の貫通孔内に嵌め込まれた状態で、ウエハ支持部10に載置され、押さえ治具9により固定される。この補助カソード電極60は、図18に示すように、被めっき体3と電流経路として並列に電源13接続されている。
【0094】
なお、この補助カソード電極60を用いれば、被めっき体であるカソード電極3のめっき膜厚のばらつきを低減することができる。このため、補助カソード電極60はカソード電極と同一平面に設置することが望ましい。これに対して、予備電解電流のためのカソード電極である予備電解電極5は、被めっき体より先にめっき液に触れる必要があるため、被めっき体のめっき面と同一平面にしないことが望ましい。なお、本実施例では、電極2,3,5及び60を、図18に示す回路構成で配置したが、例えば図19に示すように、補助カソード電極60用の電源62を別途設ける構成としてもよい。
【0095】
本実施例では、補助カソード電極60として、中心部に直径20.3cm(8インチ)の貫通孔を有する直径25.4cm(10インチ)の含リン銅製円盤を用い、カソード電極との間の絶縁部61にはエポキシ樹脂を用いた。めっき液11の組成及びめっき条件は実施例1と同様である。また、アノード電極2としては、面積300 cm2の含リン銅板を用い、予備電解電極5としては面積1400 cm2の含リン銅を用いた。補助カソード電極60の面積は、175 cm2である。
【0096】
本実施例の半導体装置製造装置を用い、実施例1と同様のめっき液11の組成及びめっき条件にて、ウエハ3に配線用銅膜を形成した。なお、被めっき体3は、シリコンウエハ表面に、実施例1と同様にしてSiO2絶縁膜、配線用凹部、バリア膜、下地導電膜である銅膜をこの順に形成することにより作製した。得られたバリアメタル及び下地導電膜の膜厚は実施例1と同様であった。この被めっき体3を用い、つぎのようにして配線用銅膜を形成し、半導体装置を作製した。
【0097】
まず、被めっき体3を、搬送ロボット26によりプレめっきステージ28からめっきステージ29に搬送し、補助カソード電極60付きめっき冶具に固定し、めっき装置開口部のウエハ支持部10に被めっき面4を下向きにして載置してウエハ押さえ冶具9により固定した後、めっき液11を10dm3/分の流量でめっき槽1bへ導入した。
【0098】
本実施例においても、実施例1と同様、めっき液11はめっき槽1bの下部より溜まっていくため、まずアノード電極2、続いて予備電解電極5が、それぞれめっき液11に触れることになる。そこで、めっき液面が水位計6に達した時点で、予備電解電極5と回路との間のスイッチ14を入れ、アノード電極2から予備電解電極5に実施例1と同様に30mA(補助カソード電極に対して約0.002A/dm2)の予備電解電流を流した。
【0099】
続いて、実施例1と同様にめっき液11がめっき槽1b内を満たしてから約20秒経過後に、予備電解電極5と直流電源13との間のスイッチ14を切り、それと同時にアノード電極2とカソード電極3及び補助カソード電極60との間に電圧を印加して約4.75A(1A/dm2)の電流を流して銅めっき膜を形成し、配線用凹部を銅で埋めた。得られた銅めっき膜は、下地膜の均一性が保たれたため、ボイドを残すことなく、配線用凹部を均一に充填することができた。
【0100】
次に、洗浄ステージ30により被めっき体3表面に残留するめっき液の除去洗浄を行い、乾燥ステージ31で乾燥させた後、アンロードステージ32からアンロードされたウエハ3を取り出した。得られたウエハ3の断面を電子顕微鏡で観察した結果、実施例1と同様、図5(b)に示すように、ボイドなどの不良は認められなかった。本実施例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。また、補助カソード電極を用いた結果、被めっき体であるウエハ面内での膜厚のばらつきも低減できた。本実施例により得られたウエハの評価結果を、表1に示す。
【0101】
<比較例1>
本比較例では、予備電解電極5を有さない以外は図3に示したものと同様のカップ式めっき処理槽を用い、実施例1と同様にして配線層用銅膜を形成した。
【0102】
まず、被めっき体3を搬送ロボット26によりプレめっきステージ28からめっきステージ29へ搬送し、めっき装置開口部のウエハ支持部に被めっき面を下向きにして載置した後、ウエハ押さえ冶具により支持部に固定した。その後、めっき液を10dm3/分の流量でめっき槽へ流入させた。
【0103】
本比較例においても、実施例1と同様、めっき液はめっき槽下部より噴出する。このため、めっき液の液面は、めっき槽中央部の方がめっき槽壁面近傍より高くなることから、めっき液は、被めっき体であるカソード電極の中央部にまず触れた後、カソード電極全面がめっき液に触れることになる。この結果、下地膜表面の銅酸化物が一部溶解し、配線用凹部の壁面などにバリア層が露出した箇所が見られた。
【0104】
この後、アノード電極とカソード電極との間に電圧を印加して約3A(1A/dm2)の電流を流し、ウエハ表面に銅膜を形成した。形成された銅膜は、下地膜47の膜厚が不均一であったため、図20に示すように、配線用凹部内にボイドが多数存在した。特にウエハ中央部は、めっき液に長く触れていたため、下地膜47が完全に溶解してしまい、その結果めっき膜内にボイドが残ってしまった箇所が多数見られた。本比較例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0105】
<比較例2>
本比較例では、予備電解電極5を有さない以外は図4に示したものと同様の縦型めっき処理槽を用い、実施例1と同様にして配線層用銅膜を形成した。
【0106】
まず、被めっき体を搬送ロボット26によりプレめっきステージ28からめっきステージ29に搬送し、めっき冶具に固定した後、めっき治具ごとめっき槽に投入して、所定の位置に固定した。その後、アノード電極とカソード電極との間に電圧を印加して約3A(1A/dm2)の電流を流してウエハ表面に銅膜を形成したところ、本比較例においても、比較例1と同様に、下地導電膜表面の酸化膜が部分的に溶解して下地膜が不均一であったため、配線形成用凹部に充填された配線用めっき膜にはボイドが多数存在した。本比較例により得られたウエハの評価結果を表1に示す。
【0107】
【発明の効果】
本発明によると、電気銅めっき処理における下地導電膜の溶解を抑制及び均一なめっき膜の形成ができ、ボイドなく銅配線の形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における半導体装置の製造装置を示す模式図である。
【図2】 実施例における半導体装置の製造装置を示す模式図である。
【図3】 実施例1におけるカップ式めっき装置の断面を示す模式図である。
【図4】 実施例5における縦型めっき装置の断面を示す模式図である。
【図5】 実施例におけるめっき処理を示す説明図である。
【図6】 めっき装置における電極の形状例及び電流回路の構成例を示す説明図である。
【図7】 めっき装置における電極の形状例及び電流回路の構成例を示す説明図である。
【図8】 めっき装置における電極の形状例及び電流回路の構成例を示す説明図である。
【図9】 薬液処理システムの構成及び薬液の流れを示す図である。
【図10】 実施例におけるめっき処理を示す流れ図である。
【図11】 実施例2におけるカップ式めっき装置の断面図である。
【図12】 実施例2のめっき装置における電極の形状例及び電流回路の構成例を示す説明図である。
【図13】 実施例3で用いたカップ式めっき装置の断面図である。
【図14】 実施例3のめっき装置における電極の形状及び電流回路の模式図である。
【図15】 実施例4で用いたカップ式めっき装置の断面図である。
【図16】 実施例5で用いた縦型めっき装置における電極の形状及び電流回路模式図である。
【図17】 実施例7で用いたカップ式めっき装置の断面図である。
【図18】 実施例7のめっき装置における電極の形状及び電流回路の模式図である。
【図19】 実施例7のめっき装置における電極の形状及び電流回路の他の例を示す模式図である。
【図20】 従来技術のめっき処理によるボイドの発生原因を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…カップ式めっき槽、2…アノード電極、3…被めっき体となるカソード電極、4…被めっき面、5…予備電解電極、6…水位計、7…めっき液導入配管、7a…めっき液溜まり、7b…めっき液吐出口、8…めっき液排出配管、8a…めっき液排出口、9…ウエハ押さえ冶具、10…ウエハ支持部、11…めっき液、13…電源、14…予備電解電極とカソード電極との間のスイッチ、14a…補助アノード電極とアノード電極間のスイッチ、15…微小電流用直流電源、16…薬液、17…薬液処理槽、18…補給液層、19…補給液、20…薬液タンク、21…ポンプ、22…フィルタ、23…分析部、24…電磁弁、25…管理用パソコン、26…搬送ロボット、27…ロードステージ、28…プレめっきステージ、29…めっきステージ、30…洗浄ステージ、31…乾燥ステージ、32…アンロードステージ、33…ウエハカセット、34…めっき前処理槽、35…めっき槽、36…洗浄槽、37…乾燥機、38…ウエハカセット、39…搬送ロボットウエハ担持部、40…搬送ロボットウエハ担持アーム、41…じゃま板兼予備電解電極、42…予備アノード電極、43…予備カソード電極、44…縦型めっき槽、46…絶縁膜、47…下地導電膜、48…バリア膜、49…銅めっき膜、50…ボイド、60…補助カソード電極、61…絶縁部、251…予備電解電圧印加手段、252…めっき電圧印加手段。
Claims (11)
- めっき槽と、該めっき槽内に配置されたアノード電極及び予備電解電極と、電源とを備え、
上記予備電解電極は、
被めっき体であるカソード電極と電流経路として並列になるように配線されており、
上記電源は、上記並列に配線された予備電解電極とカソード電極とに対して所定の電流値に制御された電流を通電する手段であり、
上記予備電解電極が、上記めっき槽へのめっき液の導入に際して、上記カソード電極より前にめっき液に接する位置に配置されていることを特徴とする電気めっき装置。 - 上記予備電解電極と上記アノード電極との間の導通を電気的に開閉するスイッチを有することを特徴とする請求項1記載の電気めっき装置。
- めっき槽と、該めっき槽内に配置されたアノード電極及び予備電解電極と、該アノード電極及び予備電解電極とに対して所定の電流値に制御された電流を通電する電源とを備え、
上記予備電解電極は、被めっき体であるカソード電極と電流経路として並列になるように、電源と電気的に接続されており、
上記予備電解電極と上記電源との間にはスイッチが設けられていることを特徴とする電気めっき装置。 - 上記予備電解電極のめっき液に触れる面の面積が、上記カソード電極のめっき液に触れる面の面積の半分以上であることを特徴とする請求項1又は3記載の電気メッキ装置。
- 上記カソード電極と電流経路として並列になるように配線された補助カソード電極をさらに備え、
上記カソード電極へのめっきは、
めっき液中で、上記カソード電極及び上記補助カソード電極と、上記アノード電極との間に電圧を印加することにより行われることを特徴とする請求項1又は3記載の電気めっき装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の電気めっき装置を用いて配線用導体膜を形成する手段を有することを特徴とする、半導体装置の製造装置。
- めっき液内に浸漬されたアノード電極と被めっき体であるカソード電極との間に電流を流すことにより、上記カソード電極表面に導体からなるめっき膜を形成する電気めっき方法において、
上記カソード電極がめっき液に接触するより前にめっき液に接触する予備電解電極を設け、
上記予備電解電極と上記アノード電極との間に予備電解電流を流しながら、上記カソード電極を上記めっき液に接触させることを特徴とする電気めっき方法。 - めっき液内に浸漬されたアノード電極と被めっき体であるカソード電極との間に電流を流すことにより、上記カソード電極表面に導体からなるめっき膜を形成する電気めっき方法において、
上記アノード電極と上記予備電解電極とがめっき液に接触した後、上記アノード電極と上記カソード電極との間に電流を流して電気めっきを開始するまでの間、上記予備電解電極と上記アノード電極との間に予備電解電流を流し、
上記カソード電極がめっき液に触れた後、電気めっきを開始するまでの間は、上記カソード電極及び上記予備電解電極の間で電流を分配することを特徴とする電気めっき方法。 - 上記予備電解電極と、上記カソード電極とは、この順でめっき液に浸漬されることを特徴とする請求項8記載の電気めっき方法。
- 上記予備電解電流は、0.001〜0.1A/dm2であることを特徴とする請求項7又は8記載の電気めっき方法。
- 請求項6〜10のいずれかに記載された電気めっき方法により配線用導体膜を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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