JP3698246B2 - コネクタの端子位置決め構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコネクタハウジング内に樹脂材を充填して防水や防油等を図る樹脂充填コネクタ等における端子の位置決め及びアライメント出しを容易に行わせ得るコネクタの端子位置決め構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12〜図16は従来の樹脂充填コネクタを示すものであり、図12は斜視図、図13はX方向の縦断面図、図14は平面図、図15は図13のE部拡大図、図16はY方向の縦断面図である。
【0003】
この樹脂充填コネクタ51は、合成樹脂製の雌型のコネクタハウジング52と、コネクタハウジング52内に挿着される合成樹脂製の端子ホルダ(インナプレート)53と、端子ホルダ53に固定される雄型の端子54と、コネクタハウジング52の電線導出部55内に嵌着されるゴム栓56と、コネクタハウジング52内に充填されるエポキシ樹脂材57とで概ね構成される。
【0004】
図14の如くコネクタハウジング52のコネクタ嵌合室58内には複数の端子54のタブ部59が等ピッチで複数列に配置されている。コネクタハウジング52は一体にインサート成形された金属ブラケット71(図12)で機器や車両のギヤボックス等のケース(図示せず)に固定される。
【0005】
図15の如く、端子54はそのタブ部59を端子ホルダ53の基壁60の孔部61に圧入されている。タブ部59の両側に一対の突起62が形成され、突起62が孔部61に締まり嵌めで圧入されている。突起以外の部位は隙間嵌めで孔部61に挿入されている。それによって端子54の固定が低挿入力で容易に行われている。
【0006】
図16の如く、端子ホルダ53は可撓性の枠状の係止アーム72を有し、コネクタハウジング52は係止アーム72に対する係合突起73を有しており、係止アーム72が係合突起73に係合することで、端子ホルダ53がコネクタハウジング52に固定されている。
【0007】
図13,図16の如く、端子54は端子ホルダ53への圧入とエポキシ樹脂材57の硬化とによってコネクタハウジング52に固定されている。端子54に接続された電線70はエポキシ樹脂材57の内部を通ってゴム栓56の孔部(図示せず)から導出されている。電線70は例えば前記ケース内に導入され、コネクタハウジング52の外周のシールリング63がケースの孔部に密着し、樹脂充填コネクタ51によってケースの内外が電気的に接続される。
【0008】
樹脂充填コネクタ51にはワイヤハーネス等の相手側の雄型のコネクタ(図示せず)が嵌合接続される。エポキシ樹脂材57は端子54を強固に固定させると共に、ケースと外部との間の防水や、ケースからの油等の洩れ出しを防止する。
【0009】
図17は、上記樹脂充填コネクタの製造過程における端子ホルダ53への端子54の組付工程を示すものである。
樹脂充填コネクタ51の製造方法としては、先ず図16の如く端子ホルダ53に電線付きの端子54を圧入して固定させる。端子ホルダ53と電線付きの端子54とで端子ホルダ組立体64が構成される。
【0010】
端子ホルダ53は、端子54のタブ部59と電線接続部65とを隔絶する前記基壁60と、基壁60と直交して電線接続部側に延びる複数の区画壁66と、コネクタ嵌合室58(図13)側に突出して各タブ部59を区画する区画壁67とを有している。基壁60の孔部61(図15)にタブ部59の突起62が圧入される。
【0011】
次いで、図13の如く、コネクタ嵌合室58の上部開口68からコネクタハウジング52内に端子ホルダ組立体64を組み付ける。端子ホルダ53はコネクタハウジング52の図示しない係止部に係合して固定される。電線70は予め導出部55側の下部開口69からコネクタハウジング52内に挿通させておく。さらに、ゴム栓56をコネクタハウジング52の導出部55に嵌着させる。電線70はゴム栓56の図示しない孔部に予め挿通させておく。
【0012】
そして、上部開口68からコネクタハウジング52内に溶融したエポキシ樹脂材57を注入して硬化させる。エポキシ樹脂材は硬化材を含んでいる。エポキシ樹脂材57はコネクタハウジング52と端子ホルダ53との隙間から端子54の電線接続部65側と電線70側に注入されて下側のゴム栓56まで達する。
【0013】
エポキシ樹脂材57が硬化することで、前述の如く端子54が固定される。相手側のコネクタ(図示せず)を嵌合させることで、端子54に相手側の雌型の端子(図示せず)が電気的に接続される。樹脂材はエポキシ樹脂材57に限らず、他の硬化性の樹脂材であれば使用可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の樹脂充填コネクタにあっては、端子ホルダ53への端子54の固定はほぼ突起62のみによって行っているために、安定性が悪く、端子ホルダ53に端子54を組み付けた後、端子54や電線70に軸方向以外の方向の力が加わった場合に、端子54が傾いてしまう(アライメントが狂う)ことがあった。
【0015】
また、端子54の圧入後に端子ホルダ組立体64をコネクタハウジング52内に挿着し、エポキシ樹脂材57を充填する訳であるが、エポキシ樹脂材57が硬化するまでの間に何らかの力が端子54や電線70に加わった場合に、アライメント(複数の端子の配列)が狂った状態で端子54が固定されてしまい、アライメントの修正が不可能となり、その端子54を含むワイヤハーネス全体を廃棄しなければならないという問題を生じた。ワイヤハーネス(図示せず)は複数のコネクタ51と複数の電線70の集合体である。
【0016】
これを防ぐためには、エポキシ樹脂材57が硬化するまでの間で、端子54のアライメントを矯正する治具(図示せず)をコネクタ嵌合室58内に挿入して、端子54の倒れを防止する方法があるが、この矯正治具をセットする手間や矯正治具71の作製コストや管理の手間がかかり、生産性やコスト面で問題があった。
【0017】
また、矯正治具と同様の形状の検査治具(図示せず)を用いて端子54のアライメントを検査するが、その頻度も全数に近い検査としなければならず、多くの検査工数が必要であった。検査治具は、端子54のタブ部59を挿入孔(図示せず)に挿入した状態で検査治具の自重でコネクタ嵌合室58内に落とし込むようにしたものであり、取り扱いや操作もなかなか面倒なものであった。
【0018】
本発明は、上記した点に鑑み、矯正治具等を用いることなく、比較的容易な構造で安価に端子の位置出し(アライメント出し)を精度良く且つ簡単に行うことができ、樹脂材が硬化するまでの間等において端子に曲げ方向等の力が加わっても、位置やアライメントが狂うことのないコネクタの端子位置決め構造を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、端子の長手方向中間部をコネクタハウジング内の端子ホルダの挿通孔に圧入するコネクタの端子位置決め構造において、前記端子の基部側の両側に、断面略コの字状に突出した一対の挿入部を設け、前記端子ホルダに、該一対の挿入部に対する収容部を設け、該挿入部の三方の壁部を該収容部の三方の壁部で囲んで保持したことを特徴とする(請求項1)。
前記挿入部の三方の壁部又は前記収容部の三方の壁部に押接用の突条を設けたことも有効である(請求項2)。
また、前記突条の先端側に、前記端子に対する摺接ガイド用の傾斜面が形成されたことも有効である(請求項3)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るコネクタの端子位置決め構造の第一の実施形態を示すものである。樹脂充填コネクタの外部形状すなわちコネクタハウジングの形状は従来と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0021】
図1はコネクタハウジング内に装着される合成樹脂製の端子ホルダ(インナプレート)1を示すものである。端子ホルダ1は、端子2(図2)のタブ部3を圧入する挿通孔4を有する厚肉の基壁5の下側に、端子2の基部側を圧入させるXY方向の直交する区画壁(壁部)6,7を有し、X方向(端子ホルダ横幅方向)の幅広の区画壁6とY方向(端子ホルダ厚さ方向)の対向する幅狭な一対の区画壁7,7とで略凹字状の収容壁を構成し、さらにY方向の各区画壁7に直交し、且つX方向の区画壁6に平行に対向して幅狭な覆い壁(壁部)8が一体に形成されている。
【0022】
覆い壁8は凹状の収容壁の間で一対対称に形成され、一対の覆い壁8,8の間に、端子2(図2)の電線圧着部9の先端側ないしは電線10の導体部11の先端を挿通可能な隙間が構成されている。従来の端子ホルダには覆い壁8は形成されていない。図2の如く覆い壁8の基端は基壁5に直交し、覆い壁8は区画壁6,7よりもZ方向に短く形成されている。X方向の区画壁6とY方向の一枚の区画壁7と一枚の覆い壁8とで端子2の基部に対する保持用の断面横凹字状(略コの字状)の収容部13が構成され、一つの端子2に対して一対の収容部13が対称に配置されている。
【0023】
図2〜図4に示す如く、収容部13には各区画壁6,7と覆い壁8の各内面に、端子挿入方向(Z方向)に延びる三本の突条14が一体に形成されている。各突条14は断面略半円状を呈し、各突条14の先端には、端子2をスムーズに案内する傾斜面15(図3)が形成されている。覆い壁8側の突条14(図4)はX方向の区画壁6側の突条14に対向して位置し、Y方向の区画壁7側の突条14は区画壁7の高さ方向中央に位置している。
【0024】
図1のX方向の区画壁6とY方向の一対の区画壁7とX方向の一対の覆い壁8とで端子2の基部に対する収容部13が構成され、図2の如く各収容部13ごとに基壁5に、端子2のタブ部3を挿通させる矩形スリット状の挿通孔4が形成されている。挿通孔4内には従来と同様にタブ部3を圧入するための一対の突起(図示せず)が形成されている。
【0025】
図2の如く、端子2の基部側には、各収容部13に対する横凹字状の挿入部20が左右対称に形成されている。挿入部20はタブ部3と同一平面に続く基板部16の両側に突出形成され、基板部16から同一平面に突出したX方向の支持壁(壁部)17と、支持壁17から直交方向に折り曲げられたY方向(基板部板厚方向)の折曲げ壁(壁部)18と、折曲げ壁18から直交方向に折り返されて支持壁17と平行に位置する折返し壁(壁部)19とで構成されている。
【0026】
折返し壁19は支持壁17と同程度の幅に形成され、折曲げ壁18は折返し壁19よりも幅狭に形成されている。支持壁17と折返し壁19とはY方向(基板部板厚方向)の弾性を有し、中間の折曲げ壁18はX方向(端子幅方向)の弾性を有している。挿入部20すなわち各支持壁17や折曲げ壁18や折返し壁19は弾性を有してはいるが、剛性は比較的高く、撓みにくくなっている。
【0027】
図4の如く、区画壁6側の突条14は端子2の挿入部20の折返し壁18の中央に接し、Y方向の区画壁7側の突条14は折曲げ壁19の中央に接する。図3の如く突条14は挿入部20よりも長く形成されている。
【0028】
端子2の未挿入時において、図4でX方向の区画壁6の突条14と覆い壁8の突条14との各頂点間の距離は、挿入部20の支持壁17と折返し壁19との各外面の間隔よりも若干短く設定されている。また、Y方向の一対の区画壁7(図1)の各突条14の頂点間の距離は、両側の一対の挿入部20の折曲げ部18の外面間の距離よりも若干短く設定されている。これらにより挿入部20が収容部13内に圧入されて確実に固定される。また、図2で一対の支持壁17が基板部16の両側に突出していることで、一対の折曲げ壁18の間の距離がタブ部3の幅よりも長くなり、挿入部20による端子2の傾き防止性が高まる。
【0029】
端子2の基板部16は電線圧着部9に続いている。電線圧着部9は一対の圧着片で構成され、電線10の端末の露出導体部11を圧着接続している。他の図示しない一対の圧着片で電線10の絶縁被覆を圧着することも可能である。
【0030】
図1において各収容部13は前後二列に配置され、且つ各列の収容部13はX方向の区画壁6に連結壁21を介して背中合わせに対称に配置されている。両端の収容部13もY方向の区画壁7を有していることは言うまでもない。
【0031】
基壁5の周部には、コネクタハウジング(図示せず)に対する支持用の突出部22と、突出部22の間の樹脂材注入用の切欠部23と、コネクタハウジングに対する可撓性の枠状の係止アーム24とが形成されている。基壁5の上側には、各端子2のタブ部3を隔絶する区画板25が突出形成されている。なお、本明細書で「上側」とはコネクタハウジング内に樹脂材を充填する際の上側であり、樹脂充填コネクタの実装方向とは必ずしも一致するものではない。
【0032】
図3は端子ホルダ1に端子2を挿着した状態、図4は図3の矢視B平面図をそれぞれ示すものであり、タブ部3の突起(図示せず)が挿通孔4に圧入されると同時に、両側の挿入部20が各収容部13内に圧入される。挿入部20はその先端で収容部13の各突条14の頂部側を削りながら、あるいは各突条14の高さを低くする方向に弾性的に圧縮変形させながら圧入される。
【0033】
これにより挿入部20が各突条14に隙間なく密着し、且つ突条14の合成樹脂材であるが故の復元力と挿入部20の弾性とで弾力的に接触し、端子2の挿入部20が端子ホルダ1の収容部13に確実に固定される。突条を削るように、あるいは圧縮させるように寸法設定したのは、挿入部20や突起14等の寸法のばらつきがあっても、確実に圧入できるようにするためである。
【0034】
しかも、挿入部20の支持壁17は収容部13の覆い壁8に対面し、折曲げ部18はY方向の区画壁7に対面し、折返し壁19はX方向の区画壁6に対面して、挿入部20の三方の壁部(17〜19)が収容部13の三方の壁部(6〜8)で囲まれて保持され、且つ挿入部20と収容部13とは両側に一対配置されているから、端子2の基部側が前後左右の四方向に不動に固定される。タブ部3は突起(図示せず)により挿通孔4内に圧入固定されているから、端子2が突起と挿入部20とにより長手方向の二点で固定され、端子幅方向や板厚方向の曲げ力が作用しても、端子2が傾いたり、ガタつきたりすることがなく、端子2の位置やアライメントが正確に規定される。
【0035】
なお、上記断面半円形に突条14に代えて、断面三角形状の突条(図示せず)を用いることも可能である。また、前記補強壁8の板厚を区画壁7と同一にして剛性を高めることも可能である。
【0036】
図5〜図6は、前記第一の実施形態を変形させた第二の実施形態を示すものである。便宜上、第一の実施形態と同一の部分には同一の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0037】
この構造は、図5の如く端子ホルダ27側に突条を設けずに、端子ホルダ27の収容部28に対して端子29の挿入部30の外面に断面円弧状の突条31を設けたことを特徴とする。
【0038】
突条31は、挿入部30を構成する支持壁17と折曲げ壁18と折返し壁19とにそれぞれ設けられて、端子長手方向に延びている。各突条31は、端子29をプレス金型で金属板から打ち抜く際に、プレス金型で外側に膨出させることで容易に形成可能であり、第一の実施形態の端子ホルダ1側に突条14を樹脂材で一体成形する場合に較べて、突条31の形成が容易であり、コスト的にも有利である。突条31の挿入方向先端側には、収容部28に対する案内用の傾斜面(図示せず)を設けることが好ましい。
【0039】
図6で、端子29の未挿入時において、挿入部30の支持壁17の突条31と折返し壁18の突条31との各頂点間の距離は、端子ホルダ27の収容部28のX方向の区画壁6の内面と覆い壁8の内面との間隔よりも若干長く設定されている。また、図5の左右の一対の挿入部30の各突条31の頂点間の距離は一対の収容部28のY方向の区画壁7の内面の間隔よりも若干長く設定されている。
【0040】
そして、挿入部30は板厚方向にある程度の弾性を有しているから、各突条31は収容部28内に圧入され、各壁部6〜8に隙間なく密着し、且つ弾性的に接触する。これにより、挿入部30が収容部28内にしっかりと固定され、第一の実施形態と同様にタブ部3の突起(図示せず)による圧入とで端子29が長手方向の二点で位置ずれなく固定され、端子29の傾きやガタつきが防止される。
【0041】
図7〜図10は、本発明に係るコネクタの端子位置決め構造の第三の実施形態を示すものである。便宜上、前記第一の実施形態と同一の部分には同一の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0042】
図7はコネクタハウジング(図示せず)内に挿着される合成樹脂製の端子ホルダ(インナプレート)33を示すものであり、基壁5から垂下形成されたY方向の対向する各区画壁7に突条34が端子挿入方向に一体に形成されている。
【0043】
X方向とY方向の各区画壁(壁部)6,7で凹字状の収容部35が構成され、一つの収容部35内で一対の突条34が対向して位置している。各突条34はY方向の各区画壁7の中央に位置している。突条34は横断面矩形状に形成され、先端側に端子36(図8)をスムーズに案内する傾斜面37(図8)を有している。端子ホルダ33は第一の実施形態の端子ホルダ1(図1)から覆い壁8を除いた形状にほぼ等しく、突条34はY方向の区画壁7にのみ形成されている。
【0044】
図8に図7のC部拡大図と端子36の要部を示す如く、端子36にはタブ部3に続く基板部16と、基板部16の両側に突出した支持壁17と、各支持壁17から直角に折り曲げられた折曲げ壁(弾性部)38とが形成されている。折曲げ壁38はその板厚方向の可撓性及び弾性を有している。基板部16の両側に支持壁17が突出し、支持壁17の先端に折曲げ壁38が設けられているから、一対の折曲げ壁38の間の距離がタブ部3の幅よりも長くなり、折曲げ壁38による端子36の傾き防止性すなわち端子36の位置決め性が高まる。
【0045】
折曲げ壁38の幅はY方向の区画壁7の幅と同程度であり、折曲げ壁38の長さは区画壁7の長さよりも短い。端子36の未挿入状態において、一対の折曲げ壁38の外面間の距離は、一対のY方向の区画壁7,7の内面間の距離よりも短く、且つ一対の突条34の頂点34a間の距離よりも長い。図8で、9は電線圧着部、4は挿通孔であり、タブ部3には、挿通孔4に対する圧入用の突起(図示せず)が形成されている。
【0046】
図9の如く、端子36のタブ部3が端子ホルダ33の挿通孔4内に挿入され、タブ部3の突起が挿通孔4に圧入されると同時に、端子36の折曲げ壁38が傾斜面37に案内されつつ突条34に摺接し、突条34の頂部34aに弾性的に押接する。図10の如く、折曲げ壁38は支持壁17との境を支点として内向きに撓み、そのばね反力で突条34に押接する。その状態で折曲げ壁38の先端38aがX方向の区画壁6にほぼ接する。
【0047】
タブ部3の突起(図示せず)が挿通孔4内に圧入され、且つ端子36の両側の一対の折曲げ壁38がその外側の一対の突条34に弾性的に押接することで、端子36の特に幅方向の倒れやガタつきが防止される。折曲げ壁38と突条34とが弾性的に接触し、突条34に対する折曲げ壁38の幅方向の摺動抵抗が増大することで、端子36のタブ部板厚方向の倒れやガタつきもかなり抑制される。
【0048】
なお、区画壁7の突条34に代えて、端子36の折曲げ壁38に第一の実施形態と同様な突条を形成することも可能である。
【0049】
図11は、上記第三の実施形態の端子36(図8)の両側の各折曲げ壁38に弾性片(弾性部)40を一体に形成した第四の実施形態の端子45を示すものである。端子ホルダ33は図7のものを適用可能である。弾性片40は、例えば図8の折曲げ壁38と支持壁17との境に切れ目41(図11)を入れ、折曲げ壁38を外側に略くの字状に屈曲させることで形成される。
【0050】
図11で折曲げ壁42は支持壁17と直交して短く形成され、折曲げ壁42の折曲げ直交方向に弾性片40が一体に続いている。弾性片40は傾斜部43と真直部44とで構成され、真直部44は折曲げ壁42とほぼ平行である。端子45の未挿入状態で、一対の弾性片40の外面間の距離は図9の一対の突条34の内面間の距離よりも長く、一対の折曲げ壁42の外面間の距離は突条34の頂部間の距離と同等ないしはそれよりも短く設定されている。この点で折曲げ壁42は第三の実施形態と相違している。
【0051】
図8の端子ホルダ33の挿通孔4に端子45(図11)のタブ部3の突起(図示せず)を圧入すると同時に、弾性片40がY方向の区画壁7の突条34に接触して内側に撓み、ばね力で突条34を押圧付勢する。それにより、第三の実施形態と同様に端子45の位置決めが行われ、同様の作用効果が奏せられる。
【0052】
なお、弾性片40を用いた場合は突条37がなくても、Y方向の区画壁7に弾性片40を直接接触させることで、第三の実施形態と同様の効果を得ることができる。その場合、端子45の未挿入状態において、一対の弾性片40の外面間の距離は一対のY方向の区画壁7の内面間の距離よりも長く設定する。また、自由端を有する片持ち支持の弾性片40に代えて、図8の折曲げ壁38の中間部に両持ち支持の弾性片(図示せず)を切り起こし形成することも可能である。
【0053】
また、上記各実施形態において、タブ部3に代わる他の電気接触部としてピン状部や雌型の箱状部等を用いることも可能である。また、端子ホルダ1,33をコネクタハウジングに一体に形成することも可能である。さらに、樹脂充填式ではないコネクタに上記各実施形態の構成を適用することも可能である。
【0058】
請求項1,2記載の発明によれば、端子の基部が四方すなわち前後左右にガタつきなく位置決め固定され、端子の位置出し精度及びアライメント出し精度が向上する。従って、コネクタ内に樹脂材を充填した場合に、樹脂材が硬化するまでの間で端子に曲げ方向等の力が作用しても、端子が傾くことがなく、従来のように端子が傾いて固定された場合にワイヤハーネス全体を廃棄するという無駄がなくなり、且つ従来の矯正治具を使用せずに、簡単且つ確実に端子の位置及びアライメント出しを行うことができる。特に、端子と端子ホルダ以外の位置決め用の部品を必要としない簡単な構造であるから、製品コストが安く抑えられ、経済的である。
【0059】
また、請求項3記載の発明によれば、端子の挿入部が端子ホルダの収容部内にスムーズに圧入され、端子の圧入作業が容易に且つ確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコネクタの端子位置決め構造の第一の実施形態で用いる端子ホルダを示す斜視図である。
【図2】図1の端子ホルダのA部(収容部)に端子の基部を圧入する状態を示す分解斜視図である。
【図3】端子の基部を端子ホルダに圧入した状態を示す断面図である。
【図4】図3の矢視B平面図である。
【図5】コネクタの端子位置決め構造の第二の実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】端子の基部を端子ホルダに圧入した状態を示す平面図である。
【図7】コネクタの端子位置決め構造の第三の実施形態で用いる端子ホルダを示す斜視図である。
【図8】図7の端子ホルダのC部(収容部)に端子の基部を圧入する状態を示す分解斜視図である。
【図9】端子の基部を端子ホルダに圧入した状態を示す断面図である。
【図10】図9の矢視D平面図である。
【図11】コネクタの端子位置決め構造の第四の実施形態で用いる端子を示す斜視図である。
【図12】従来の樹脂充填コネクタを示す外観斜視図である。
【図13】同じく樹脂充填コネクタを示す図12のX−X相当断面図である。
【図14】同じく樹脂充填コネクタの平面図である。
【図15】図13のE部拡大図である。
【図16】同じく樹脂充填コネクタを示すY−Y相当断面図である。
【図17】端子ホルダに端子を圧入する状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1,33 端子ホルダ
2,29,36,45 端子
4 挿通孔
6,7 区画壁(壁部)
8 覆い壁(壁部)
13,28 収容部
14,31,34 突条
15,37 傾斜面
16 基板部
17 支持壁(壁部)
18 折曲げ壁(壁部)
19 折返し壁(壁部)
20,30 挿入部
38 折曲げ壁(弾性部)
40 弾性片(弾性部)
Claims (3)
- 端子の長手方向中間部をコネクタハウジング内の端子ホルダの挿通孔に圧入するコネクタの端子位置決め構造において、前記端子の基部側の両側に、断面略コの字状に突出した一対の挿入部を設け、前記端子ホルダに、該一対の挿入部に対する収容部を設け、該挿入部の三方の壁部を該収容部の三方の壁部で囲んで保持したことを特徴とするコネクタの端子位置決め構造。
- 前記挿入部の三方の壁部又は前記収容部の三方の壁部に押接用の突条を設けたことを特徴とする請求項1記載のコネクタの端子位置決め構造。
- 前記突条の先端側に、前記端子に対する摺接ガイド用の傾斜面が形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタの端子位置決め構造。
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