JP3698979B2 - 校正装置および校正方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、印刷物を構成する画像や文字などをレイアウトして得た画像データに基づいて感光材料に対し記録を行って校正印刷を得る校正装置および校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の印刷物の作成工程には、製版が指示通りに仕上がっているかどうかを検査して修正を行う校正作業があり、最終印刷物が仕上がるまでには何回かの校正作業が行われていた。この校正作業のために校正用のカラー印刷物を作成する校正装置が種々公知であり、例えばY(イエロー)M(マゼンタ)C(シアン)K(ブラック)に色分解したデジタル的な画像データを用いて感光材料上に画像を記録する校正装置がある。
【0003】
このような校正装置の一つに、YMCの各色版に対応する3層の発色層を備えた感光材料上に対し3波長のレーザ光源等により画像を記録するものがある。なお、このような3層の発光層を備えた感光材料では、K色(ブラック)の発色としてはYMC3色未露光(ポジの場合)、もしくはYMC3色全露光(ネガの場合)を行うことにより達成している。
【0004】
ところで上述した校正印刷は、印刷物の色の具合などを確認するためには校正画像を本印刷に合わせて忠実に再現するのが好ましいが、一方では製版作業が指示通り正確に完了しているかどうかを確認するためにも用いられる。一つの製版作業例として、印刷物の見当ずれを見越して「トラップ処理」や「のせ処理」を行う場合がある。これは「毛抜き合わせ」等と称されるような2以上の画像の正確な接合において見当ずれが生じても画像間に隙間が露見しないように予め一部の画像を他方の画像にかぶせておく処理や、「文字のせ」等と称されるように文字画像を他の画像上にのせる処理などである。校正作業においては、このような「トラップ処理」や「のせ処理」が正確になされているかどうかも確認できるのが好ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような「トラップ処理」や「のせ処理」は印刷物上では画像が重なっている。ここで一般的なオフセット印刷機やオフセット校正機であれば、例えばK色の画像が他色の画像に重なった領域の色とK色単色のみの領域の色とは、例え同じ黒色であっても微妙に発色が異なる。これによって熟練した作業者であれば上述したような「トラップ処理」や「のせ処理」なども確認することができる。
【0006】
ところが上述したようなYMCに対応した3発色層を有する感光材料を用いた場合、K色はYMC3色の未露光もしくは全露光で表現するため、出力物上ではK色単色領域もK色に他の色が重なった領域も同じ発色になってしまい、K色による「トラップ処理」や「のせ処理」などは確認することができなかった。このため指示された製版処理が未処理の場合であっても見逃してしまう可能性があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、K色が他の色に重なる領域を確認することが容易な校正方法および校正装置を提供することを目的とし、特にYMCに対応する3層の発色層を備えた感光材料を用いる場合に最適な校正装置および校正方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくともYMCの各色版に対応する3層の発色層を有する感光材料に対し各色毎の露光を行って校正印刷を得る校正装置であって、所定のRIP処理手段によって一の画像データを2値化することにより得られる画像データの間において、K版の画像データと他の色版の画像データとを画素毎に比較して、K版の画素が他の色版のいずれかの画素と重なるかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段において重なると判断された場合に前記K版の画素を所定の割合で画素値が0である抜け画素になるように画素変換する抜け画素変換手段と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の校正装置において、主走査方向に沿って定められた画素間隔で前記画素変換を行うようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の校正装置において、前記画素間隔は、予め定められた値から選択可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の校正装置において、前記判断手段は、副走査方向に対し前記画素間隔と略同一の間隔を空けた主走査ライン毎に前記判断を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の校正装置において、前記抜け画素変換手段は、所定のアドレス長を有するラインメモリと、前記ラインメモリの各アドレスに対応して抜け画素の位置を設定可能な抜け画素位置設定手段と、前記判断手段が判断するタイミングに同期して、前記ラインメモリ内の値をアドレス順に読み出すラインメモリ読出手段と、を備え、前記ラインメモリ読出手段で読み出した値に応じて前記K版の画素を画素変換することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の校正装置において、前記ラインメモリ読出手段は、前記ラインメモリをサイクリックに読み出すようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の校正装置において、前記ラインメモリ読出手段は、該当する主走査ライン毎に読出開始アドレスを変更するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の校正装置において、前記抜け画素位置設定手段は、乱数によって抜け位置を配置するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の校正装置において、前記抜け画素変換手段は、前記判断手段によってK版の画素が他版の画素と重なると判断した回数を計数し、当該計数が所定の値に達する毎に該当するK版の画素を抜け画素に変換するようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、画像データに基づいてカラー校正印刷を行う校正装置であって、所定のRIP処理手段によって一の画像データを2値化することにより得られる画像データの間において、K版の画像データと他の色版の画像データとを画素毎に比較してK版の画素が他の色版のいずれかの画素と重なるかどうかを判断するとともに、重なると判断された場合には前記K版の画素を所定の割合で画素値が0である抜け画素になるように画素変換する第1のモードと、前記判断を行わず、K版の画像データに対し前記画素変換を行わない第2のモードとを備え、いずれかのモードを選択的に実行可能である。
【0018】
請求項11に記載の発明は、画像データに基づいてカラー校正印刷を行う校正装置を使用しK版と他の色版との重なり状態を確認することができる校正方法であって、所定のRIP処理手段によって一の画像データを2値化することにより各色版の画像データを準備する工程と、前記各色版の間において、K版の画像データと他の色版の画像データとを画素毎に比較して、K版の画素が他の色版のいずれかの画素と重なるかどうかを判断する判断工程と、前記判断工程において画素が重なると判断された場合は、前記K版の画素を所定の割合で画素値が0である抜け画素になるように画素変換する抜け画素変換工程と、からなる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の校正方法において、前記校正装置はYMCの3色に対応する3層の発色層を有する感光材料に対し露光を施すものであって、K色はYMC色の3色未露光もしくは3色全露光で表現するものであることを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の校正方法において、前記抜け画素変換工程は、予め選択的に定められた一定の画素間隔毎に画素変換を行うようにしたことを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の校正方法において、前記抜け画素変換工程は、主走査方向に沿って一定の画素間隔毎に画素変換を行うとともに、副走査方向には前記画素間隔と略同じ間隔を開けて前記判断工程を行うようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項11または12に記載の校正方法において、前記抜け画素変換工程は、予め設定された確率に応じて乱数的に画素変換を行うようにしたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
[本発明の原理]
まず本発明におけるK版と他の色版との重なり状態を確認する原理について説明する。なお以下の説明では、画像を形成する感光材料としてYMCに対応した3層の発色層を有するポジの感光材料を用いた例で説明する。また各画像は2値画像で形成されている。図6(A)はM版の50%の網点からなる網領域mに対しK版の文字「E」をのせた例を示す図である。従来例では網領域m上にある文字「E」の左半分と、紙白領域h(他の色版の画像がない領域)上にある文字「E」の右半分とは、同一のK色となる。
【0024】
これに対し本発明では、図6(B)のように網領域m上の網点が存在する箇所ではK版の画像は4画素毎に抜け画素を形成する。すなわちK版の画像は4画素間隔で画素がない状態(画素値が0、以下「抜け画素」という)であり、その部分では重なったM版の画素を視認することができる。この実施の形態に係る校正装置では、前記1画素が2400dpiの解像度で約10μm程度の大きさである。従って人間の目では図6(C)で示すようにM版が下地のように透けて視認される。
【0025】
このように本発明の校正装置では、K版の画素が他の色版の画素と重なる場合は、K版の画素を所定の割合で抜け画素にすることによってK版と重なった他の色版を視認することができる。以下、図6(A)のように通常状態で出力する場合を通常モード、図6(C)のようにK版に抜け画素を形成してK版の重なり状態を確認可能にするモードを確認モードと称する。
【0026】
[校正装置の実施の形態]
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は校正装置の側面方向断面図である。図1において、校正装置は、感光材料をその周面に保持可能なドラム1と、このドラムに対し感光材料を供給および排出する供給手段2および排出手段3と、ドラム1上の感光材料に対しカラー画像を記録する記録手段4と、上記各部を制御するとともに画像データを処理するための制御手段(図2の5)とからなる。
【0027】
ドラム1は、その周面にシート状の感光材料を保持可能な円筒状部材であり、図示しない駆動モータにより回転可能に構成されている。供給手段2は、幅サイズの異なる2種のロール状感光材料を備えたカセット10、11と、各々のカセット10、11から引き出した感光材料をシート状に切断し、ドラム1まで搬送するシート搬送手段12とからなる。ここで感光材料はYMCに対応する3層の発色層を備える感光材料である。排出手段3は、ドラム1から記録済みの感光材料を剥離して後段の現像装置(図示しない)へ排出するものである。本実施の形態における排出手段3では、感光材料は記録面が下向きになって排出されるため、現像装置へ送り込む前に感光材料の表裏を反転する反転手段13が備えられている。記録手段4は、RGBの3波長の光源を備えたカラー画像を記録するための記録ヘッド14と、この記録ヘッド14をドラム1の軸線方向に沿って駆動するための送り手段15とからなる。なお、以後の説明では、前記ドラム1の回転方向を主走査方向、記録ヘッド14の移動方向を副走査方向とする。
【0028】
制御手段5は、CPUおよびメモリ、CRTなどの表示手段、マウスやキーボードなどの入力手段、およびハードディスクなどの記憶手段やバッファメモリなどを備えたコンピュータシステムであって、この実施の形態では、校正装置自体の制御と画像データの処理とを行うようにプログラムされている。
【0029】
この制御手段5の画像機能に係る構成については、図2のブロック図を用いて説明する。図において制御手段5は、前段の図示しないDTP(desk-top-publishing)装置などにより作成された画像データD0をRIP処理(Raster-Image-Processing)するためのRIP処理手段20と、処理された2値画像データD1を記憶するための記憶手段21と、記憶された2値画像データD1からK版の画像データに抜け画素を形成するための抜け画素変換手段22と、前記抜け画素変換手段22で変換した画像データD2をRGB変換するためのRGB変換手段23と、RGB変換手段23で生成した2値画像データD3を一時貯留するためのデータバッファ24と、データバッファ24に格納した2値画像データD3に基づいて前記記録ヘッド14を駆動するドライバー25とからなる。
【0030】
RIP処理手段20は、画像データをYMCKの各色版毎にビットマップ形式で表された2値画像データD1に変換するものである。このRIP処理後の2値画像データD1は各色版毎の画像データとして送出される。なお、この実施の形態では、校正装置側においてRIP処理するようにしているが、前段の画像データ作成装置などで処理してもよい。記憶手段21は、前記色版毎の2値画像データD1を4色分記憶可能な記憶容量を有したハードディスク装置などからなる。なお記憶手段21は、画像データを圧縮して記憶し、展開して読み出す圧縮展開手段を備えるものであってもよい。
【0031】
抜け画素変換手段22は、K版確認モードにおいてK版の画像データに対し抜け画素を形成するものである。この詳細については図3を用いて後述する。なお、通常のモードであればK版の画像データはそのまま何も変換を行わない。RGB変換手段23は、前記YMCKの各色版の画像データを記録ヘッド14の3波長光源に合わせてRGB変換してRGB画像データD3を生成するものである。なおRGB変換については公知の技術であり、YMCKの所定色の画像データの組み合わせにより対応するRGB色の画像データを生成するものであって、例えば特公平7−22346号などに記載されているため、ここでの説明は省略する。
【0032】
データバッファ24は、前記RGB変換された2値画像データD3を所定のブロック毎にバッファリングするためのメモリ装置であり、本実施の形態では主走査128ライン毎の画像データD3がRGB変換手段23からデータバッファ24に送出されてバッファリングされる。次の ドライバー25は前記データバッファに貯えられた画像データD3に基づき前記記録ヘッド14内の各光源をon/off制御する手段であり、これによってドラム1上の感光材料に対し画像を記録することができる。
【0033】
上述したように、前記制御手段5はマイクロコンピュータを備えたシステムであるが、各手段を各々別のコンピュータシステムにより構成するようにしてもよい。なお制御手段5は上記画像処理以外にも校正装置の各部の制御処理や後段の現像装置との通信制御処理なども行うが、ここでは説明を省略する。
【0034】
なお、上記実施の形態では、RGB変換手段23の後段にデータバッファ24を配置したが、この順序を逆にしてもよい。すなわち、まずデータバッファ24により適宜のブロックサイズの2値画像データD2(またはD1)を読み出し、それに応じてRGB変換手段23で順次画像データをRGB変換するようにしてもよい。
【0035】
次に本発明に係る抜け画素変換手段22の構成について図3の機能的ブロック図を用いて説明する。まず前記抜け画素変換手段22は、所定のアドレス長を有するラインメモリからなる配列メモリ30と、前記配列メモリ30に対しビット情報を書き込むための抜け画素位置設定手段31とを有する。前記配列メモリ30は、例えば図6(D)に示すようなラインメモリであって、各アドレスには「0」または「1」のビット情報が書き込まれる。また前記ラインメモリのアドレス長は、記録する最大画像データの主走査方向長と同じか、それよりも小さく設定されている。
【0036】
前記抜け画素位置設定手段31は、前記配列メモリ30の各アドレス上に、「0」または「1」のビット情報を設定するものである。例えば、前述したK版画像データ上に形成する抜け画素の割合を主走査方向および副走査方向に各々1/4とすると、この抜け画素位置設定手段31は前記配列メモリ30の4アドレス毎に「1」のビット情報を設定するものである。なお、前記抜け画素の割合は作業者が予め複数の数値から選択することができるものである。また主走査方向および副走査方向の割合は、画像処理の均一性から考えて同一が好ましいが、異なる割合を設定してもよい。
【0037】
また、抜け画素変換手段22は、前記YMCKの各2値画像データD1を記憶手段21から送出する画像データ送出手段32と、送出された画像データD1に基づいて画素の重なりを判断する判断手段33と、前記判断結果に基づき前記配列メモリ30からビット情報を読み出して変換指令信号を発生する配列メモリ読出手段34と、前記変換指令信号に基づいてK版の画像データの画素を抜け画素に変換する画素変換手段35とを有する。
【0038】
画像データ送出手段32は、前記抜け画素位置設定手段31で設定された抜け画素の割合に応じて抜け画素変換処理する主走査ラインを副走査方向にスキップするものである。例えば、前述のように抜け画素の割合が主走査方向および副走査方向とも1/4の場合、図6(B)で示すように副走査方向では4主走査ライン間隔で抜け画素変換を行なえばよい。すなわち変換を行う主走査ライン間の3本の主走査ラインでは抜け画素画素変換が不要なため、変換を行わずそのままK版の画像データを図のア方向で示すようにデータバッファ24へ送出する。一方、変換を行う主走査ラインの場合は、画像データ送出手段32がYMCKの各画像データD1を判断手段33に送出するとともに、K版の画像データを図のイ方向で示すように画素変換手段35へ送出する。なお、上記いずれであってもYMCの画像データは変換されずに図のア方向で示すようにデータバッファ24へ送出される。
【0039】
このようなスキップ動作は、例えば、画像データ送出手段32内に図示しないカウンターを備えておいて、主走査ラインの処理毎に当該カウンターを計数し、計数値が前記割合に達する毎に前記抜け画素変換を行なうよう画像データを送出すればよい。もしくは抜け画素位置設定手段31などが、前記割合に応じたタイミングでスキップを指令するようにしてもよい。なお通常モードのように抜け画素変換が全くない場合は、前記抜け画素位置設定手段31が前記画像データ送出手段32に対し、YMCKの全画像データを抜け画素変換せずに図のア方向で示すようにデータバッファ24へ送出するように指令する。
【0040】
この実施の形態のようなスキップ処理を行えば、画像データの変換に係る時間を短縮することができるという利点がある。しかしながら全ての場合において全画像データを判断手段33へ送出し、抜け画素変換を行わない主走査ラインでは判断手段33の判断結果を常に「画素の重なりがない」とすることで、同一処理ルーチンで処理するようにしてもよい。
【0041】
判断手段33では、YMCKの画像データD1に基づいてK版の画素とYMCの画素とが重なるかどうかを判断する。この判断は主走査方向に順次1画素づつ行われる。K版の画素値が「1」であり、かつYMCのいずれかの画素値が「1」の場合には重なりがあると判断して、配列メモリ読出手段34に読出指令信号を出力する。一方、重なりがないと判断された場合は前記画素変換手段35へ変換不要信号を出力する。
【0042】
配列メモリ読出手段34は、判断手段33からの読出指令信号に応じて前記配列メモリ30のビット情報を読み出すものであって、「1」のビット情報を読み出した場合は変換指令信号を画素変換手段35に出力し、「0」のビット情報を読み出した場合は変換不要信号を画素変換手段35へ出力する。なお、この読み出しは順次配列メモリ30のアドレスが順次インクリメントされて行われ、読み出しが最終アドレスに至った場合は開始アドレスにサイクリックに復帰するようにしている。これにより配列メモリ30のアドレス長を主走査ライン長よりも短く設定することができる。なお当然のことながら配列メモリ30のアドレス長が主走査ライン長以上であれば、上記のようなサイクリックな使用をしなくてもよい。
【0043】
画素変換手段35は、前記変換不要信号または変換指令信号の入力にともないK版の画像データを各画素毎に処理するものであって、変換指令信号が入力された場合は画素値を「1」から「0」に変換し、変換不要信号が入力された場合は画素値を変換しない。
【0044】
この抜け画素変換手段22では、前記配列メモリ30に設定されたビット情報に基づいて抜け画素を設定することができる。なお上記の例では前記配列メモリ30に設定されたビット情報は、一定画素間隔に配置されているが、設定された割合に応じてランダムな配置にしてもよい。例えば、抜け画素の一定配列によりモアレパターンなどが生じる可能性があるときに有効である。また前記配列メモリ30の読み出し開始アドレスを各主走査ライン毎に適宜オフセット変更してもよい。
【0045】
次に前記校正装置における動作について図4および図5のフローチャートを用いて説明する。なお図4は校正出力を行う全体作業のフローを示すフローチャートであり、図5は前記抜け画素変換に伴う画像データ変換のフローを示すフローチャートである。まずステップS1では、校正作業を行うにあたっての初期設定が行われる。この初期設定では、K版を通常どおり出力する通常モードとK版の重なり状態を確認する確認モードとの出力モードの切替設定や、前記確認モードにおける抜け画素の割合を設定することができる。また、他の設定として、印刷する画像データの選定や出力枚数や出力サイズなどの設定も行なわれる。
【0046】
ステップS2では感光材料がドラム1に対し供給される。すなわち前記カセットマガジン10または11から出力サイズに応じて感光材料が切り出されてドラム1に巻回される。ステップS3では前記出力モードが確認され、通常モードの場合はステップS4に進み通常の画像データ変換が行われる。すなわち画像データD0がRIP処理されてYMCKの2値の画像データD1に変換され、ついでRGB変換によって画像データD3に変換される。確認モードの場合はステップS3からステップS5へ進み、抜け画素変換を含む画像データ変換が行われる。すなわち画像データD0がRIP処理されてYMCKの2値の画像データD1に変換され、ついで抜け画素変換により画像データD2に変換され、最後にRGB変換によって画像データD3に変換される。
【0047】
ステップS6では、前記ステップS4またはS5により変換された画像データに基づいて露光が行われる。そして露光が終了すれば、ステップS7で感光材料がドラム1より排出され、ついでステップS8では後段の現像処理装置によって現像処理される。
【0048】
上記フローでは理解しやすいように各工程を直列に示しているが、可能であれば各工程を並行に処理したり所定の工程を前後させてもよい。一例として、例えばステップS2の感光材料の供給に先駆けて画像データの変換を行ってもよい。また画像データの変換を行いつつ順次変換が終了した画像データにより並行して露光を行っても良い。
【0049】
続いて、前記ステップS5における画像データ変換の中から抜け画素変換の工程だけを説明する。まずステップP1では配列メモリ30が準備される。すなわち設定された抜け画素の割合に応じて前記配列メモリ30上に抜け画素を設定するタイミングを表すビット情報「1」を書き込む。ステップP2からは、該当する主走査方向に順次K色の画素とYMCの画素との重なりを判断する。ここで該当する画素に重なりがあった場合はステップP3へ進み、ない場合は該当するK版の画素の変換を行わずにステップP6へ進む。
【0050】
ステップP3では、前記配列メモリ30を順次読み出す。そしてステップP4では読み出したビット情報が「1」であれば抜け画素変換位置であると判断してステップP5へ進み、「0」であれば該当するK版の画素の変換を行わずにステップP6へ進む。ステップP5では該当するK版の画素を「1」から「0」に変換して抜け画素を形成する。ステップP6では該当する主走査ライン上の全ての画素に対し処理が終了したかどうかを判断し、処理が終了した場合はステップP7へ進み、処理が終了していない場合はステップP8で処理を行う画素のアドレスを次画素にインクリメントしてステップP2へ戻る。
【0051】
該当する主走査ラインにおける変換が終了すれば、ステップP7では前記割合に応じて主走査ラインがスキップされる。そしてステップP9では全主走査ラインに対し処理が終了したかどうかを判断する。全てのラインが終了したと判断されれば本フローは終了する。まだ処理されていない主走査ラインが残存する場合は、主走査方向の画素アドレスや配列メモリの読み出しアドレスなどをリセットしてステップP2へ戻る。
【0052】
[その他の実施の形態]
(1)前記配列メモリ30に設定するビット情報とK版の画像データの画素値とを論理演算して抜け画素変換を行うようにしてもよい。例えば前記配列メモリ30に設定するビット情報を、抜け画素の有る場合に「0」、ない場合に「1」と設定し、前記配列メモリ読出手段34で読み出したビット情報とK版の画像データの画素値との論理積をとればよい。
【0053】
(2)前記配列メモリ30のアドレスは、K版の画素が重なった場合に順次インクリメントされるよう構成されているが、各画素を判断する毎にインクリメントされるように構成しても巨視的には同一の効果がある。
【0054】
(3)前記配列メモリ30にはライン状のアドレス設定をしたメモリを用いたが、2次元のアドレス設定をしたメモリを用いてもよい。また配列メモリ30を用いずに、所定のカウンタを用いて抜け画素を設定する間隔を計数するようにしてもよい。例えば、K版の画素が他版の画素と重なる回数をカウンターにより計数し、所定の回数毎に抜け画素に変更する構成などが考えられる。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、K版の画素と他の色版の画素とが重なる場合に適宜の割合でK版の画素を抜け画素に変更するため、作業者が目視した場合にK版を透かしたように他色の画像を視認することができる。これによりトラップ処理や文字のせなどの製版作業を確認することができる。
【0056】
請求項2に記載の発明では、定められた一定の画素間隔で抜け画素への変換を行うことができるため、変換作業を簡易にすることができる。
【0057】
請求項3に記載の発明は、画素間隔を可変することができるので、K版に重なる他の色版の透過の具合を可変することができる。
【0058】
請求項4に記載の発明では、副走査方向に所定数の主走査ラインをスキップするようにしているので、画像変換工程を短縮することができる。
【0059】
請求項5に記載の発明は、ラインメモリに抜け画素位置を設定する用にしているので、種々の抜け画素配置パターンを容易に設定することができる。
【0060】
請求項6に記載の発明は、ラインメモリをサイクリックに使用することで小さなラインメモリを使用することができる。
【0061】
請求項7に記載の発明は、主走査方向の抜け画素位置を適宜変更することにより、簡単な手法で抜け画素の配置パターンが均一になることを防止することができる。
【0062】
請求項8に記載の発明は、抜け画素の配置を乱数設定することによりモアレパターンの発生の可能性を少なくすることができる。
【0063】
請求項9に記載の発明は、抜け画素の配置を設定するラインメモリを備えなくてもよいという効果がある。
【0064】
請求項10に記載の発明は、K版の重ね状態を観察可能な第1のモードと通常の第2のモードとを切替可能としているので、例えば製版作業の確認が主であれば第1のモード、色具合などを確認するのが主であれば第2のモードというように目的にあって切り替えることができる。
【0065】
請求項11および12に記載の発明では、K版の画素と他の色版の画素とが重なる場合に適宜の割合でK版の画素を抜け画素に変更するため、作業者が目視した場合にK版を透かしたように他色の画像を視認することができる。これによりトラップ処理や文字のせなどの製版作業を確認することができる。特にYMC上に重ねられたK色の重ね状態が判別しにくい3層の発色層を備える感光材料では効果が大きい。
【0066】
請求項13に記載の発明では、定められた一定の画素間隔で抜け画素への変換を行うことができるため、変換作業を簡易にすることができる。
【0067】
請求項14に記載の発明では、副走査方向に所定数の主走査ラインをスキップするようにしているので、画像変換工程を短縮することができる。
【0068】
請求項15に記載の発明は、抜け画素の配置を乱数設定することによりモアレパターンの発生の可能性を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における校正装置の側面概要図である。
【図2】同校正装置において画像データ処理関係の制御を行う制御手段のブロック図である。
【図3】同制御手段における抜け画素変換手段の機能的なブロック図である。
【図4】同校正装置の作業工程を表すフローチャートである。
【図5】抜け画素変換の工程を表すフローチャートである。
【図6】抜け画素に係る説明図である。
【符号の説明】
1 ドラム
2 供給手段
3 排出手段
4 記録手段
5 制御手段
14 記憶ヘッド
22 抜け画素変換手段
30 配列メモリ
31 抜け画素位置設定手段
32 画像データ送出手段
33 判断手段
34 配列メモリ読出手段
35 画素変換手段
Claims (15)
- 少なくともYMCの各色版に対応する3層の発色層を有する感光材料に対し各色毎の露光を行って校正印刷を得る校正装置であって、
所定のRIP処理手段によって一の画像データを2値化することにより得られる画像データの間において、K版の画像データと他の色版の画像データとを画素毎に比較して、K版の画素が他の色版のいずれかの画素と重なるかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段において重なると判断された場合に前記K版の画素を所定の割合で画素値が0である抜け画素になるように画素変換する抜け画素変換手段と、を備える校正装置。 - 主走査方向に沿って定められた画素間隔で前記画素変換を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の校正装置。
- 前記画素間隔は、予め定められた値から選択可能であることを特徴とする請求項2に記載の校正装置。
- 前記判断手段は、副走査方向に対し前記画素間隔と略同一の間隔を空けた主走査ライン毎に前記判断を行うようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載の校正装置。
- 前記抜け画素変換手段は、
所定のアドレス長を有するラインメモリと、
前記ラインメモリの各アドレスに対応して抜け画素の位置を設定可能な抜け画素位置設定手段と、
前記判断手段が判断するタイミングに同期して、前記ラインメモリ内の値をアドレス順に読み出すラインメモリ読出手段と、を備え、
前記ラインメモリ読出手段で読み出した値に応じて前記K版の画素を画素変換することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の校正装置。 - 前記ラインメモリ読出手段は、前記ラインメモリをサイクリックに読み出すようにしたことを特徴とする請求項5に記載の校正装置。
- 前記ラインメモリ読出手段は、該当する主走査ライン毎に読出開始アドレスを変更するようにしたことを特徴とする請求項5または6に記載の校正装置。
- 前記抜け画素位置設定手段は、乱数によって抜け位置を配置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の校正装置。
- 前記抜け画素変換手段は、前記判断手段によってK版の画素が他版の画素と重なると判断した回数を計数し、当該計数が所定の値に達する毎に該当するK版の画素を抜け画素に変換するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の校正装置。
- 画像データに基づいてカラー校正印刷を行う校正装置であって、
所定のRIP処理手段によって一の画像データを2値化することにより得られる画像データの間において、K版の画像データと他の色版の画像データとを画素毎に比較してK版の画素が他の色版のいずれかの画素と重なるかどうかを判断するとともに、重なると判断された場合には前記K版の画素を所定の割合で画素値が0である抜け画素になるように画素変換する第1のモードと、
前記判断を行わず、K版の画像データに対し前記画素変換を行わない第2のモードとを備え、いずれかのモードを選択的に実行可能な校正装置。 - 画像データに基づいてカラー校正印刷を行う校正装置を使用してK版と他の色版との重なり状態を確認することができる校正方法であって、
所定のRIP処理手段によって一の画像データを2値化することにより各色版の画像データを準備する工程と、
前記各色版の間において、K版の画像データと他の色版の画像データとを画素毎に比較して、K版の画素が他の色版のいずれかの画素と重なるかどうかを判断する判断工程と、
前記判断工程において画素が重なると判断された場合は、前記K版の画素を所定の割合で画素値が0である抜け画素になるように画素変換する抜け画素変換工程と、からなる校正方法。 - 前記校正装置はYMCの3色に対応する3層の発色層を有する感光材料に対し露光を施すものであって、K色はYMC色の3色未露光もしくは3色全露光で表現するものであることを特徴とする請求項11に記載の校正方法。
- 前記抜け画素変換工程は、予め選択的に定められた一定の画素間隔毎に画素変換を行うようにしたことを特徴とする請求項11または12に記載の校正方法。
- 前記抜け画素変換工程は、主走査方向に沿って一定の画素間隔毎に画素変換を行うとともに、副走査方向には前記画素間隔と略同じ間隔を開けて前記判断工程を行うようにしたことを特徴とする請求項13に記載の校正方法。
- 前記抜け画素変換工程は、予め設定された確率に応じて乱数的に画素変換を行うようにしたことを特徴とする請求項11または12に記載の校正方法。
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