JP3702013B2 - 車載負荷遠隔制御用電波送信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、車両のオーナー等が携帯する装置であって、車両の近傍から車両側受信装置に対して電波信号を送信し、車両に搭載したドアロックアクチュエータ等の各種負荷を遠隔制御する車載負荷遠隔制御用電波送信装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術は、例えば実開平5−82699号公報に示した技術が有った。この従来技術は、本願発明における車載負荷遠隔制御用電波送信装置と同様に、車両の近傍から車両側受信装置に対して電波信号を送信し、車両に搭載した各種負荷を遠隔制御する装置を示したものであり、必要となる操作スイッチ数を減らし、操作性の向上、外観デザインの自由度の向上等を図ることを目的として提案していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の車載負荷遠隔制御用電波送信装置では、電波法上の規制により電界強度が微弱な、例えば発信地点から3m離れた地点で計測した電界強度が500μV以下の発信電波を使用しなければならず、そのため発信電波の指向性が顕著で有ると次の様な問題を発生していた。すなわち、装置の姿勢をある方向に向けて電波を発信した場合には車両から比較的離れていても車両側受信装置において発信電波を受信することが出来るが、別の方向に向けて電波を発信した場合には車両にかなり近付かないと車両側受信装置において発信電波を受信することが出来ない問題があった。
また、発信電波の指向性が顕著で有る場合に、指向性が強い方向で測定した電界強度が電波法の規制値から外れないよう、電波送信装置の出力を設定しなければならず、電波送信装置の出力を最大限まで大きくすることができない問題があった。
この発明は、上記した課題を解決するものであり、電波送信装置が発信する発信電波の指向性を少なくすることにより、装置の姿勢によって車両側受信装置が発信電波を受信しなくなる問題や、指向性方向の電界強度が電波法の規制値以内に収まるようにするために電波送信装置の出力を最大限に大きくすることができない問題を解消した車載負荷遠隔制御用電波送信装置を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、まず請求項1記載の発明は、車両側受信装置に対して電波信号を送信する電波送信装置が、発振回路を載置した基板と、前記発振回路に電気的に接続するとともに基板上に曲線状に連ねた略鋸歯形状のパターンアンテナとを備え、前記パターンアンテナを、それぞれが一定長を有する第1導電パターンであって基板の第1の面に列設した該第1導電パターンと、それぞれが一定長を有する第2導電パターンであって基板の第2の面に列設した該第2導電パターンと、該第2導電パターン及び前記第1導電パターンの各端部同志を基板を貫いて電気的に接続したスルーホールとで構成し、これらの第1導電パターン、第2導電パターン及びスルーホールによって前記略鋸歯形状のパターンアンテナを形成した車載負荷遠隔制御用電波送信装置を提供する。
【0005】
また、請求項2記載の発明は、前記略鋸歯形状のパターンアンテナを略U字状に連ねた車載負荷遠隔制御用電波送信装置を提供する。
【0007】
【実施例】
当該実施例は、この発明の技術を使用した電波キーを例示したものである。尚電波キーとは、電波信号を車両側受信装置に送信することにより、車両のドアロック機構に設けたドアロックアクチュエータを遠隔制御し、車両ドアをロック(施錠)及びアンロック(解錠)するものである。
図1は基板3の斜視図、図2は電波送信装置1の斜視図、及び図3は電波送信装置1に内蔵した発振回路2等の電気回路図をそれぞれ示している。同図において1は電波送信装置、2は発振回路、3は基板、4はパターンアンテナ、5はケース、61,62,63は第1、第2、第3押し釦、および7は電池であり、以下、これら各構成について説明する。
【0008】
まず電波送信装置1は、車両のオーナー等が携帯し、車両側受信装置に対して電波信号を送信する装置である。該電波送信装置1のケース5は、手のひらに収まる程度の大きさに形成している。ケース5は合成樹脂製であり、上面に第1、第2、第3押し釦61,62,63を設けている。この第1、第2、第3押し釦61,62,63は、電波信号を送信する際に操作する押し釦であり、裏面に電極(図示せず)を有した所謂ラバーコンタクトの形態を成している。
この実施例の場合、第1押し釦61は全てのドアをロックすべく操作するドアロック釦、第2押し釦62は運転席のドアのみをアンロックすべく操作する運転席ドアアンロック釦、第3押し釦63は全てのドアをアンロックすべく操作する全席ドアアンロック釦として設定している。
【0009】
上記ケース5の内部には基板3を内蔵している。該基板3は、前記第1、第2、第3押し釦61,62,63の裏面に有した電極が接触することにより橋絡する対向電極64,65,66を有するとともに、図3で示すごとき回路構成の発振回路2を載置し、更に該発振回路2に電気的に接続したパターンアンテナ4、及び発振回路2に電源を供給する所謂ボタン電池7を有している。尚、発振回路2の回路構成については後述する。
【0010】
該パターンアンテナ4は、図1に示すごとく曲線状、例えば略U字状に連ねた鋸歯形状を成している。詳述すると、パターンアンテナ4は、それぞれが一定長を有する第1導電パターン41であって基板3の第1の面31に列設した該第1導電パターン41と、それぞれが一定長を有する第2導電パターン42であって基板3の第2の面32に列設した該第2導電パターン42と、該第2導電パターン42及び前記第1導電パターン41の各端部同志を基板3を貫いて電気的に接続したスルーホール43とで構成している。そして、これらの第1導電パターン41、第2導電パターン42及びスルーホール43によって前記鋸歯形状のパターンアンテナ4を形成している。この実施例で示したパターンアンテナ4は、10〜100nH(ナノヘンリー)程度の小さいインダクタンスしか有していないが、UHF帯の電波を発信するには充分な値である。
【0011】
次に発振回路2の回路構成について図3を用いて説明する。発振回路2は、約300MHzの固有振動数を有した表面弾性波素子(Surface Acoustic Wave Device)21と、該表面弾性波素子21をベースに接続した高周波用のトランジスタ22と、該トランジスタ22のエミッタに接続したフィードバック用抵抗23と、トランジスタ22のコレクタ・エミッタ間及び抵抗23の両端に各々接続したコンデンサ24,25と、エンコーダ26と、該エンコーダ26ないしトランジスタ22のベース間に接続した抵抗27とで接続構成している。この発振回路2は、いわばハートレー発振回路とコルピッツ発振回路とが複合した回路構成となっており、表面弾性波素子21が有するフィルタ特性を使用することにより発振周波数成分が約300MHzの近辺に収束した発振信号を取り出せる回路構成と成っている。尚、図3において表面弾性波素子21は抵抗21a、コイル21b、コンデンサ21c,21dからなる等価回路で図示しているが、実際の素子は圧電媒体の結晶片上にすだれ状電極を蒸着した素子である。
【0012】
エンコーダ26は、第1押し釦61を押操作することによって対向電極64が橋絡するときIDコードとドアロック制御を示す制御コードとを組み合わせた第1のコード化パルス信号を導出し、同様に、第2押し釦62を押操作することによって対向電極65が橋絡するときIDコードと運転席ドアアンロック制御を示す制御コードとを組み合わせた第2のコード化パルス信号を導出し、第3押し釦63を押操作することによって対向電極66が橋絡するときIDコードと全席ドアアンロック制御を示す制御コードとを組み合わせた第3のコード化パルス信号を導出するものであり、当該実施例ではマイクロコンピュータを採用している。
【0013】
このエンコーダ26が導出するコード化パルス信号は、前記押し釦61,62,63を押操作する間、ハイレベルパルス信号とロウレベルパルス信号とを各コード毎に予じめ設定した順序と組み合わせで繰り返し導出されるものであり、1つのパルス長は前記表面弾性波素子21の固有振動の周期に比べて充分長く設定している。前記表面弾性波素子21は、エンコーダ26からハイレベルパルス信号が導出されるときトランジスタ22、フィードバック用抵抗23、コンデンサ24,25等の素子と共働して約300MHzのUHF帯の周波数で振動をすることができ、結局、発振回路2は約300MHzの発振信号に前記エンコーダ26が導出するコード化パルス信号を乗せたUHF帯の搬送波を形成することとなる。
【0014】
上記発振回路2は、トランジスタ22のコレクタをパターンアンテナ4の一方端に接続し、エンコーダ26の電源端部をパターンアンテナ4の他方端とともに電池7に接続し、エンコーダ26の入力端部を各対向電極64,65,66に接続している。
【0015】
次に、上記した実施例の作動を説明する。
例えば、乗員が車両から降り、携帯した電波送信装置1を使用してドアをロックする場合、第1押し釦61を押し操作する。すると、対向電極64が橋絡してエンコーダ26に信号が入力し、エンコーダ26がIDコードとドアロック制御を示す制御コードとを組み合わせた第1のコード化パルス信号を導出する。
【0016】
これにより、発振回路2は約300MHzの発振信号に前記エンコーダ26が導出する第1のコード化パルス信号を乗せたUHF帯の搬送波を形成し、パターンアンテナ4から電波として車両側受信回路に送信する。この車両側受信回路はデコーダ(図示せず)を有しており、上記搬送波からコード化パルス信号を検波し、このコード化パルス信号とデコーダにあらかじめ記憶しているデータとを比較し、その結果、このコード化信号が第1のコード化パルス信号であることを検出すると、車両側受信回路はアクチュエータを制御して車両の全席のドアロック機構をロック側に駆動する。
【0017】
また、乗員が車外から携帯した電波送信装置1を使用して運転席のみのドアをアンロックする場合、第2押し釦62を押し操作する。すると、対向電極65が橋絡してエンコーダ26に信号が入力し、エンコーダ26がIDコードと運転席ドアアンロック制御を示す制御コードとを組み合わせた第2のコード化パルス信号を導出する。
【0018】
これにより、発振回路2は前記同様に約300MHzの発振信号に前記エンコーダ26が導出する第2のコード化パルス信号を乗せたUHF帯の搬送波を形成し、パターンアンテナ4から電波として車両側受信回路に送信する。車両側受信回路は、検波したコード化パルス信号が第2のコード化パルス信号であることを検出すると、アクチュエータを制御して車両の運転席のみのドアロック機構をアンロック側に駆動する。
【0019】
また、乗員が車外から携帯した電波送信装置1を使用して全席のドアをアンロックする場合、第3押し釦62を押し操作する。すると、対向電極66が橋絡してエンコーダ26に信号が入力し、エンコーダ26がIDコードと全席ドアアンロック制御を示す制御コードとを組み合わせた第3のコード化パルス信号を導出する。
【0020】
これにより、発振回路2は前記同様に約300MHzの発振信号に前記エンコーダ26が導出する第3のコード化パルス信号を乗せたUHF帯の搬送波を形成し、パターンアンテナ4から電波として車両側受信回路に送信する。車両側受信回路は、検波したコード化パルス信号が第3のコード化パルス信号であることを検出すると、アクチュエータを制御して車両の全席のドアロック機構をアンロック側に駆動する。
【0021】
このように電波送信装置1は、車両側受信回路にコード化パルス信号を乗せたUHF帯の電波を送信するが、電波を放出するパターンアンテナ4の形状が曲線状、例えば略U字状に連ねた鋸歯形状を成しているので、指向性が無くなり、電波送信装置1の姿勢を車両側に向ける向けないに拘らず、車両側受信回路においておおよそ一定の感度で電波送信装置1からの電波を受信することができる。
【0022】
【その他の実施例】
尚、この発明は上記した実施例に限定するものでなく、各種の変形が可能である。例えばパターンアンテナは略鋸歯形状のパターンを曲線状に連ねたものであればよく、略U字状に連ねる以外に所望により各種の形態に連ねるようにするとよい。また上記した実施例ではパターンアンテナの形状を鋸歯形状にしているが、パターンアンテナの形状は略鋸歯形状であればよく、すなわち鋸歯形状のパターンアンテナと同等の機能を有した形状であれば鋸歯形状にこだわらない。例えば、図4に示すごとき鋸歯形状にするとか、サイン波形状や矩形波形状であってもよい。
【0023】
【発明の効果】
この発明は、上記した構成及び作用を有するので、車両に搭載したドアロックアクチュエータ等の負荷を電波で遠隔制御する為の電波送信装置において、その電波送信装置が発信する発信電波の指向性を少なくすることができ、電波送信装置の姿勢を車両側に向ける向けないに拘らず、車両側受信回路においておおよそ一定の感度で電波送信装置からの電波を受信することができ、電波送信装置の姿勢によって車両側受信装置が発信電波を受信しなくなる問題が発生しない。
また、電波送信装置の出力を大きくしても、指向性が無いために特定の方向で電界強度を測定した場合に電波法の規制値から外れる問題が発生せず、電波送信装置の出力を電波法の規制枠内で最大限まで大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の好適な実施例を示す基板の斜視図である。
【図2】この発明の好適な実施例を示す電波送信装置の斜視図である。
【図3】この発明の好適な実施例を示す電波送信装置に内蔵した発振回路等の電気回路図である。
【図4】この発明に係るパターンアンテナの形状について別の実施例を示した平面図である。
【符号の説明】
1 電波送信装置
2 発振回路
3 基板
4 パターンアンテナ
5 ケース
61 第1押し釦
62 第2押し釦
63 第3押し釦
7 電池

Claims (2)

  1. 車両側受信装置に対して電波信号を送信する電波送信装置(1)が、発振回路(2)を載置した基板(3)と、前記発振回路(2)に電気的に接続するとともに基板(3)上に曲線状に連ねた略鋸歯形状のパターンアンテナ(4)とを備え、前記パターンアンテナ(4)を、それぞれが一定長を有する第1導電パターン(41)であって基板(3)の第1の面(31)に列設した該第1導電パターン(41)と、それぞれが一定長を有する第2導電パターン(42)であって基板(3)の第2の面(32)に列設した該第2導電パターン(42)と、該第2導電パターン(42)及び前記第1導電パターン(41)の各端部同志を基板(3)を貫いて電気的に接続したスルーホール(43)とで構成し、これらの第1導電パターン(41)、第2導電パターン(42)及びスルーホール(43)によって前記略鋸歯形状
    のパターンアンテナ(4)を形成した車載負荷遠隔制御用電波送信装置。
  2. 前記請求項1記載の発明において、
    前記略鋸歯形状のパターンアンテナ(4)を略U字状に連ねた車載負荷遠隔制御用電波送信装置。
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