JP3703323B2 - インクタンクおよびその作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に用いられるインクタンクおよびその作製方法に係り、特にインクタンクの包装形態に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置における記録ヘッド等の記録素子に対して供給されるインクはインクタンクに収容されている。新しいインクを補充するときには、交換用のインクタンクが開封され、その内部に収容されているインクが使用される。従来のインクタンクとしては、上記記録ヘッド等にインクを供給するための供給口をキャップで塞いだ構造のものが知られている。
【0003】
図5は上述のキャップ付きインクタンクの構成を示す概略断面図であり、図6(a)は図5に示したインクタンクのうちインク容器のみを拡大して示す概略断面図であり、図6(b)は図6(a)に示したインク容器の要部をさらに拡大して示す概略断面図である。
【0004】
図中符号100はインクタンクである。このインクタンク100は、内部にインク101を保持するインク容器102と、このインク容器102の底部に形成され記録ヘッド等の記録素子(不図示)に対してインク101を供給するための供給口103と、この供給口103の外縁部に相当するインク容器102の底部に押し当てられて供給口103を塞ぐ弾性板部材104と、この弾性板部材104をインク容器102の底部に押圧し固定するキャップ外装部材105とから概略構成されている。キャップ外装部材105はインク容器102の底部を覆う形状を有しており、インク容器102の側壁部に形成された凹部102aに係合する複数のクリック爪106を有している。このようなキャップ外装部材105は、そのクリック爪106をインク容器102の凹部102aに係合することで、インク容器102の底部に弾性板部材104を押圧して供給口103の閉塞を維持することができるものである。
【0005】
上記インク容器102の供給口103をさらに説明すると、図6(a)および図6(b)に示すように、供給口103の外周縁部には鋭角に尖った突起部107が形成されている。この突起部107に上記弾性板部材104が押し当てられた際に突起部107が弾性板部材104に食い込むことによって供給口103と弾性板部材104との接触面でシール効果が発生し、インク容器102が密閉される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5および図6(a)および図6(b)に示したインクタンクの構造において、水密性、気密性を一層、高めるためには、インクタンク100の供給口103に対する弾性板部材104の圧接力を増加させることが必要となるが、弾性板部材を押さえる応力を増加させることによって、キャップ外装部材105をインクタンク100の底部から取り外すときには、より大きな外力が必要となり、開封時の操作性が低下するという問題点がある。
【0007】
また、インク容器102からキャップ外装部材105を取り外す際に、キャップ外装部材105の複数のクリック爪106のうち、その一部をインク容器102の凹部102aに対して浮かせ、他部を当接する凹部102aにさらに強く押し付けることになるため、インク容器102の内部に圧力をかけた状態でそのままインク容器102を開封すると、開封時にインク101が供給口103から外部に飛散するという問題点もある。
【0008】
本発明は、インクジェット記録装置用のインク等の液体をインクタンク内に保持する際に、水密性の高いキャップおよび気密性の高い被覆部材を有するインクタンクおよびその作製方法を提供することを課題とする。
【0009】
また、本発明は、内部に収容されたインク等の液体を飛散させずに、簡単に開封することができる操作性のよいインクタンクおよびその作製方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を達成するために、本発明のインクタンクは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドに供給するインクを貯留するインク容器と、該インク容器に形成され前記インクジェット記録ヘッドへインク供給を行うための供給口と、該供給口を密閉するキャップ部材と、該キャップ部材および前記インク容器を一緒に覆う被覆部材と、を備えるインクタンクにおいて、前記インク容器の供給口は外方端側から内方に向かって徐々に縮径する形状を有しており、前記キャップ部材は略円錐形をなしており、前記供給口内に押圧挿入されて前記供給口を密閉する弾性を備えた構造体であり、前記被覆部材は前記キャップ部材を前記供給口に対して押し付ける方向に押さえ込むことで前記キャップ部材が前記供給口内に押圧挿入されて作用するキャップ部材の弾性力に基づく力によって前記押し付け方向と逆の方向に押されていることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、弾性キャップ部材が被覆部材による張力と弾性キャップ部材による反力との均衡により供給口に保持されるので、インク容器の水密性および気密性を一層、高めることができる。
【0013】
また、本発明では、従来の比較的剛性を有していたキャップ外装部材と異なり、弾性キャップ部材をインク容器の供給口内に保持して外部からの衝撃を吸収する構成としており、開封前のインクタンクが落下したとしても、その衝撃を緩和することができ、これにより弾性キャップ部材の脱落を確実に防止するのみならず、弾性キャップ部材の水密性を維持することができることからインク等の液体の飛散、漏れを防止することができる。
【0014】
さらに、本発明では、被覆部材の一部を破断させることにより、弾性キャップ部材に対する押圧力を解放することができ、これにより弾性キャップ部材による弾性力の分力である反力により弾性キャップ部材が若干押し上げられ、供給口からの弾性キャップ部材の取り外しが容易となる。
【0015】
また、本発明のインクタンクの作成方法は、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドに供給するインクを貯留するインク容器と、該インク容器に形成され前記インクジェット記録ヘッドへインク供給を行ない、内部形状が外方端側から内方に向かって徐々に縮径する形状である供給口と、弾性を備えた構造体で構成され該供給口内に押圧挿入されて該供給口を密閉する略円錐形の形状であるキャップ部材と、該キャップ部材および前記インク容器を一緒に覆う被覆部材と、を備えるインクタンクの作製方法において、保持具によって前記キャップ部材を前記供給口近傍の位置L3に押圧挿入する工程と、押圧挿入状態を維持した状態で前記キャップ部材、インク容器を前記被覆部材によって覆う工程と、前記保持具による押圧を解除することで、前記キャップ部材を前記位置L3から前記供給口の外方側に移動した位置L2とする工程と、を含み、前記キャップ部材は、前記供給口内に押圧挿入された前記キャップ部材の弾性力Feに基づき発生する前記供給口の外方向に向かう分力Fefによって押された前記被覆部材が有する張力Tsと均衡を保って前記供給口内に押圧保持されることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係るインクタンクの実施形態を説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は本発明に係るインクタンクの一実施形態の構成を示す概略斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。図中符号1はインクタンクである。インクタンク1は、内部にインクのみを収容するインク室を有するインク容器3と、このインク容器3の一部(本実施形態では上部)に形成され記録ヘッド等の記録素子(不図示)に対してインク2を供給するための供給口4と、この供給口4内に保持されて閉塞する弾性キャップ部材としてのキャップ5と、このキャップ5およびインク容器3の全体を一括して被覆する被覆部材6とから概略構成されている。
【0019】
上記供給口4の外部は略円筒形状をなし、その内部は先端側から徐々に縮径する形状をなす。この供給口4の内部形状に対して、上記キャップ5は、略円錐形をなしており、キャップ5が供給口4内に挿入された際には、キャップ5の外周面が供給口4の内周面に均一に接触するように構成されている。このため、キャップ5は押圧力により変形して密閉構造を形成し易いエラストマであることが好ましい。このエラストマとしては、例えば、アロン化成株式会社AR540N、三菱化学株式会社T3460Cなどを挙げることができる。
【0020】
また、上記被覆部材6は上記キャップ5に対して押圧力を与えると共に、インク容器3の全体をコンパクトに被覆することを考慮すると、熱処理により体積を収縮させてインク容器3の外縁をなぞる形状に変形するシュリンクフィルムであることが好ましい。特に、熱収縮後でも弾性を有する材料で形成されているのが好ましい。あるいは、上記被覆部材6としては、弾性材料で形成されているものも勿論、使用可能である。
【0021】
次に、図3(a)〜図3(c)を参照して上述のインクタンクにおける供給口へのキャップの装着方法を説明する。
【0022】
図3(a)は、キャップ5を供給口4の上端部に載置した状態を示す概略断面図であり、図3(b)はキャップ5を供給口4に押し付けて供給口4内にキャップ5を保持した状態を示す概略断面図であり、図3(c)は被覆部材6で被覆し、熱収縮させた後にキャップ5に対する押付け保持を解放した状態を示す概略断面図である。なお、後述の変位量Δx1は図3(a)に示すキャップの位置L1に対する図3(c)に示すキャップの位置L2の変位を示し、変位量Δx2は図3(b)に示すキャップの位置L3に対する図3(c)に示すキャップの位置L2の変位を示す。
【0023】
まず、図3(a)に示すように、キャップ5を供給口4内に挿入すると、キャップ5の上部は位置L1に留まる。その後、図3(b)に示すように、保持具(不図示)により押し付けて保持する。このときのキャップ5の上部は供給口4の上端部近傍の位置L3まで下がっている。保持具としては、押付けによりエラストマであるキャップ5に損傷を与えなければ、どのような構成のものも使用可能である。次に、上述の保持具による押付けを維持しながら、シュリンクフィルムである被覆部材6をキャップ5およびインク容器3の全体に被せた後、図3(c)に示すように、熱処理を施して被覆部材6を熱収縮させ、上記保持具による押付けを解放する。このときのキャップ5の上部は若干上昇して位置L2となっている。ここで、キャップ5が位置L3に下がっている状態で押付けを解除することで、図3(c)に示すように、被覆部材6の弾性に基づく張力Tsに平行な成分であり、かつ、変位量Δx1の関数で示されるキャップ5の弾性力Feに基づく分力Fefにより、被覆部材6が上記押付け方向とは逆方向に押し上げられ、上記分力Fefが変位量Δx2の関数で示される被覆部材6の弾性力に基づく張力Tsと均衡を保つような位置でキャップ5は供給口4に保持される。
【0024】
このようなインクタンク1が落下し、衝撃を受けるときには、キャップ5が外れる方向に力が働くことが考えられる。その場合、変位量Δx1が減少し、変位量Δx2が増加することになり、分力Fefが減少し、張力Tsが増加することにより、キャップ5は被覆部材6により供給口4側に一層強く圧接されることになるため、キャップ5が供給口4から外れることを防止できる。
【0025】
なお、上記インクタンク1に対する開封作業では、被覆部材6を破断することで、キャップ5は上記張力Tsから解放され、分力Fefにより供給口4から容易に離脱することが可能である。
【0026】
本実施形態では、上記インク容器3を、インクのみを収容するインク室を有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、インクのみを収容するインク室の他に、供給口側に位置し、上記インク室に連通し、内部に負圧発生部材を収容した構成のインクタンクであってもよい。このような構成のインク容器を有するインクタンクでは、記録ヘッドに対してインクを安定に供給できると共に、インクを無駄なく消費することができる。
【0027】
(実施形態2)
図4は本発明に係るインクタンクの他の実施形態における要部を示す概略断面図である。なお、本実施形態の構成要素のうち、先の実施形態1と共通するものについては、同一の符号を付し、その部分の説明を省略する。
【0028】
本実施形態の特徴は、図4に示すようにキャップの形状にある。すなわち、図4に示すキャップ10は、図3(a)〜図3(c)に示した略円錐形状のキャップ5の上部を拡径した拡径部11と、この拡径部11の下部に形成され、かつ、供給口4の上外縁部を嵌合する溝部12とを有している。
【0029】
このような構成によれば、キャップ10の溝部12に供給口4の上端縁部が嵌合されることにより、先の実施形態の場合よりも強いシール性を発揮することが可能となる。ここで、シール性とは水密性、気密性を含む広い概念である。また、上記構成によれば、インク容器3の供給口4の上端縁部が上記キャップ10の溝部12の内周部13および外周部14に挟まれることにより、供給口4の半径方向外方への抗力Fが働き、これによりキャップ5と供給口4との間で摩擦力が一層、増大し、上述の落下衝撃に対するキャップ外れを確実に防止することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、弾性キャップ部材が被覆部材による張力と弾性キャップ部材による反力との均衡により供給口に保持されるので、インク容器の水密性および気密性を一層、高めることができる。
【0031】
また、本発明によれば、従来の比較的剛性を有していたキャップ外装部材と異なり、弾性キャップ部材をインク容器の供給口内に保持して外部からの衝撃を吸収する構成としており、開封前のインクタンクが落下したとしても、その衝撃を緩和することができ、これにより弾性キャップ部材の脱落を確実に防止するのみならず、弾性キャップ部材の水密性を維持することができることからインク等の液体の飛散、漏れを防止することができる。
【0032】
さらに、本発明によれば、被覆部材の一部を破断させることにより、弾性キャップ部材に対する押圧力を解放することができ、これにより弾性キャップ部材による弾性力の分力である反力により弾性キャップ部材が若干押し上げられ、供給口からの弾性キャップ部材の取り外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクタンクの一実施形態の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】(a)は、キャップを供給口の上端部に載置した状態を示す概略断面図であり、(b)はキャップを供給口に押し付けて供給口内にキャップを保持した状態を示す概略断面図であり、(c)は被覆部材で被覆し、熱収縮させた後にキャップに対する押付け保持を解放した状態を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係るインクタンクの他の実施形態における要部を示す概略断面図である。
【図5】従来のキャップ付きインクタンクの構成を示す概略断面図である。
【図6】(a)は図5に示したインクタンクのうちインク容器のみを拡大して示す概略断面図であり、(b)は(a)に示したインク容器の要部をさらに拡大して示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 インクタンク
2 インク
3 インク容器
4 供給口
5 キャップ(弾性キャップ部材)
6 シュリンクフィルム(被覆部材)
10 キャップ(弾性キャップ部材)
11 拡径部
12 溝部
13 溝部の内周部
14 溝部の外周部
100 インクタンク
101 インク
102 インク容器
102a 凹部
103 供給口
104 弾性板部材
105 キャップ外装部材
106 クリック爪
107 突起部
Claims (4)
- インクを吐出するインクジェット記録ヘッドに供給するインクを貯留するインク容器と、該インク容器に形成され前記インクジェット記録ヘッドへインク供給を行うための供給口と、該供給口を密閉するキャップ部材と、該キャップ部材および前記インク容器を一緒に覆う被覆部材と、を備えるインクタンクにおいて、
前記インク容器の供給口は外方端側から内方に向かって徐々に縮径する形状を有しており、前記キャップ部材は略円錐形をなしており、前記供給口内に押圧挿入されて前記供給口を密閉する弾性を備えた構造体であり、前記被覆部材は前記キャップ部材を前記供給口に対して押し付ける方向に押さえ込むことで前記キャップ部材が前記供給口内に押圧挿入されて作用するキャップ部材の弾性力に基づく力によって前記押し付け方向と逆の方向に押されていることを特徴とするインクタンク。 - 前記キャップ部材は、前記供給口内に押圧挿入された前記キャップ部材の弾性力Feに基づき発生する前記供給口の外方向に向かう分力Fefによって押された前記被覆部材が有する張力Tsと均衡を保つ位置で、前記供給口内に押圧保持されることを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
- 前記キャップ部材は、前記供給口内に挿入される第1部分と、前記供給口を外側から覆うように拡径された第2部分とを備えるとともに、該第1部分と該第2部分との連結領域に前記供給口外端縁が嵌合される凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
- インクを吐出するインクジェット記録ヘッドに供給するインクを貯留するインク容器と、該インク容器に形成され前記インクジェット記録ヘッドへインク供給を行ない、内部形状が外方端側から内方に向かって徐々に縮径する形状である供給口と、弾性を備えた構造体で構成され該供給口内に押圧挿入されて該供給口を密閉する略円錐形の形状であるキャップ部材と、該キャップ部材および前記インク容器を一緒に覆う被覆部材と、を備えるインクタンクの作製方法において、
保持具によって前記キャップ部材を前記供給口近傍の位置L3に押圧挿入する工程と、押圧挿入状態を維持した状態で前記キャップ部材、インク容器を前記被覆部材によって覆う工程と、
前記保持具による押圧を解除することで、前記キャップ部材を前記位置L3から前記供給口の外方側に移動した位置L2とする工程と、を含み、
前記キャップ部材は、前記供給口内に押圧挿入された前記キャップ部材の弾性力Feに基づき発生する前記供給口の外方向に向かう分力Fefによって押された前記被覆部材が有する張力Tsと均衡を保って前記供給口内に押圧保持されることを特徴とするインクタンクの作製方法。
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| JP34187098A JP3703323B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | インクタンクおよびその作製方法 |
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| JP34187098A JP3703323B2 (ja) | 1998-12-01 | 1998-12-01 | インクタンクおよびその作製方法 |
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| JP3703323B2 true JP3703323B2 (ja) | 2005-10-05 |
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Country Status (1)
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|---|---|---|---|---|
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1998
- 1998-12-01 JP JP34187098A patent/JP3703323B2/ja not_active Expired - Fee Related
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