JP3707724B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば鉄鋼用熱間圧延ライン等のような搬送ラインの途中に配設され、搬送される被加熱部材を連続的に加熱する誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は例えば特開平10−134949号公報等に示されたこの種従来の誘導加熱装置の構成を示す側断面図、図10は図9における誘導加熱装置を示す正面図、図11は図9における鉄心の端部の磁束の分布状態を示す側面図、図12は図9における鉄心の端部の磁束の分布状態を示す斜視図である。
【0003】
図において、1は例えば鉄鋼用熱間圧延ラインにおいて、前段の粗圧延機で粗圧延され、テーブルローラ2により搬送される被加熱部材としての鋼帯、3はこの鋼帯1の幅方向を周回するように長円形状に銅管を巻回して形成されるソレノイドコイルであり、コイル端子部4を介して電源供給装置(図示せず)から高周波電流が供給されるようになっている。5はソレノイドコイル3を支持するコイル支持架台、6はソレノイドコイル3の内側に配設され、鋼帯1の通路7を形成する耐熱部材、8はソレノイドコイル3の外側の磁路に沿って、鋼帯1の幅方向に複数個並設されたコ字形状の鉄心、9はソレノイドコイル3の磁束10が外部に漏れるのを防止するシールド銅板部材である。
【0004】
一般に、粗圧延された板状の被加熱部材としての鋼帯1は、テーブルローラ2によって搬送され次工程に送られる間に放熱して温度が低下する。そして、途中に上記のように構成される誘導加熱装置を配置し、ソレノイドコイル3の内側に形成される通路7内を通過させることにより、鋼帯1を誘導加熱して搬送中の温度低下を補償するように成されている。
【0005】
又、ソレノイドコイル3に高周波電流が流れると、鋼帯1の搬送方向に沿って交番磁束10が発生し鋼帯1が加熱されるが、この時、この磁束10が外部に漏れると、この漏れ磁束によりテーブルローラ2が加熱され、鋼帯1とテーブルローラ2の接触位置においてスパークが発生する恐れがあるため、鉄心8およびシールド銅板部材9により磁束10が外部に漏れるのを遮蔽し、スパークが発生するのを防止している。
さらに又、図から明らかなように鉄心8がコ字形状をしているのは、図11に示すように磁束10の流れを変えることにより、ソレノイドコイル3を形成している銅管への鎖交磁束を減らすためで、銅管自体の誘導加熱を低減して過加熱を防止するのが目的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の誘導加熱装置は以上のように、鉄心8およびシールド銅板部材9を設けることにより、磁束10が外部へ漏れるのを遮蔽してスパークの発生を防止し、又、鉄心8をコ字形状とすることにより、鉄心8を形成する銅管への鎖交磁束を減らして銅管自体の過加熱を防止している。
しかしながら、鉄心8を鋼帯1の幅方向に複数個並設した構成としているので、図12に示すように磁束10が鉄心8の位置に集中されるため、ソレノイドコイル3の最端部の銅管に鎖交する磁束10は、鉄心8が無い部位より鉄心8と対応する部位の方が多くなり、この部位において局所発熱が大きくなる。このため、鉄心8をコ字形状としても銅管の過加熱を十分に低減できないという問題がある。
【0007】
そして、この問題はソレノイドコイル3の周長に対する鉄心8の配置割合が小さくなるほど顕著となるが、コイル端子部4やコイル支持架台5等の存在により、鉄心8をソレノイドコイル3の周囲全域に配置することも実質的に困難であるため、銅管の鉄心8と対応する部位の局所発熱を小さくすることができず、場合によっては銅管の劣化から水漏れが起きる。すると、ソレノイドコイル3への通電電流を制限せざるを得なくなるため、通電電流を大きくして加熱電力密度を高めることができず、誘導加熱装置1台当りの加熱容量を大きくすることができないという問題もある。
【0008】
この発明は上記のような問題を解消するためになされたもので、ソレノイドコイルを形成する銅管の局所発熱を低減することにより加熱容量の大きい誘導加熱装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る誘導加熱装置は、ラインを搬送される被加熱部材を内側に通過させて誘導加熱するソレノイドコイルの外側の磁路に沿って複数の鉄心が平行に配設された誘導加熱装置において、
各鉄心の両端近傍に、ソレノイドコイルの巻回領域に沿った額縁状に形成され最外側に配設される第1の銅板部材、ソレノイドコイルの巻回領域に沿った周上に少なくとも1箇所切断部を有した額縁状に形成され第1の銅板部材と所定の間隙を介して配設される第2の銅板部材、および磁性板状部材を積層して形成され両銅板部材間の間隙内に配設される積層鉄心部材を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1における誘導加熱装置の構成を示す側断面図、図2は図1における誘導加熱装置を示す正面図、図3は図1に示す第1の銅板部材の構成を示す斜視図、図4は図1に示す第2の銅板部材の構成を示す斜視図、図5は図4におけるとは異なる第2の銅板部材の構成を示す斜視図、図6は図1に示す積層鉄心部材の構成を示す斜視図、図7は図1に示す誘導加熱装置の鉄心の端部近傍における磁束の分布状態を示す断面図、図8は図1における誘導加熱装置の最端部銅管各部の表面局所最大昇温値を従来装置におけると比較して示す図である。
【0011】
図において、11は例えば鉄鋼用熱間圧延ラインにおいて、前段の粗圧延機で粗圧延され、テーブルローラ12により搬送される被加熱部材としての鋼帯、13はこの鋼帯11の幅方向を周回するように長円形状に銅管を巻回して形成されるソレノイドコイルであり、コイル端子部14を介して電源供給装置15から高周波電流が供給されるようになっている。16はソレノイドコイル13を支持するコイル支持架台、17はソレノイドコイル13の内側に配設され、鋼帯11の通路18を形成する耐熱部材である。そして、これまでの構成は従来の誘導加熱装置とほぼ同様である。
【0012】
19はソレノイドコイル3の外側の磁路に沿って、鋼帯11の幅方向に複数個並設された直方体状の鉄心、20は図3に示すように一側に切欠き21a、およびこの切欠き21aの両端部に90゜折曲された折曲縁部21bがそれぞれ形成された一対の銅板21を、両切欠き21aが一致するように組み合わせて窓部21cを形成し、折曲縁部21b同士を例えばボルト22で締結することにより額縁状に一体化された第1の銅板部材で、耐熱部材17の両端に窓部21cが通路18と一致するように配設されており、外縁部で各鉄心19の両端を支持している。
【0013】
23は図4に示すように銅板24の中央部に窓部24aを形成して額縁状に成し、その周上の少なくとも1個所に切断部24bを形成した第2の銅板部材で、窓部24aが耐熱部材17の外周に嵌合され、第1の銅板部材20の内側に所定の間隙を介して配設されている。25は例えば図6に示すように、珪素鋼板等のような磁性板状部材を積層して形成された複数の鉄心ブロック26を、組み合わせることによって窓部25aを形成して額縁状とした積層鉄心部材で、窓部25aが耐熱部材17の外周に嵌合され、第1および第2の銅板部材20、23間の間隙内に装着されている。
【0014】
上記のように構成された実施の形態1における誘導加熱装置においても、従来装置と同様にソレノイドコイル13に電源供給装置15から高周波電流が流れると、鋼帯11の搬送方向に沿って交番磁束27が発生し鋼帯11が加熱されるが、この時、交番磁束27の装置端部における流れは図7に示すような状態となっている。すなわち、第1の銅板部材20は額縁状に形成され、鋼帯11が搬送される通路18に対して電気的に1ループを形成しているため、磁束27が外部へ漏れるのを防止する遮蔽効果を有しているのに対し第2の銅板部材23は額縁状の周上に切断部24bが形成され、電気的に1ループを形成していないため、磁束27が外部へ漏れるのを防止する遮蔽効果はないが、磁束27が第2の銅板部材23自身を貫通するのは防止して遮蔽することができるので、磁束27の大部分が積層鉄心部材25内を流れて鉄心19に至る磁路を形成し、図からも明らかなように磁束27が最端部の銅管を鎖交するのは防止される。又、積層鉄心部材25はコイル端子部14やコイル支持架台16に遮られることなく、ソレノイドコイル13の巻回領域全周にわたって配置されているため、磁束27が鉄心19と対応する部位のみに集中することもなく均等となり、局所的に発熱が増減することもなくなる。
【0015】
図8は上記のように構成された実施の形態1における誘導加熱装置と、図9ないし図12で説明した従来の誘導加熱装置とにおけるソレノイドコイルの最端部に配置された銅管各部位の最大昇温値を比較した実験結果を示す図である。
まず、幅25mm×高さ25mm、厚み3mmの角銅管を、巻回寸法が幅2000mm×高さ210mmとなるように形成されたソレノイドコイル3、13に、本実施の形態1においては厚みが50mmの積層鉄心部材25、および幅が200mmの棒状の鉄心19を搬送される鋼帯11の幅方向に300mmの間隔で上、下に6個ずつ配置した構成とし、又、従来例においては幅が200mmのコ字形状の鉄心8を鋼帯の幅方向に300mmの間隔で上、下に6個ずつ配置した構成としたものに、それぞれ銅管内を流れる冷却水の流量は2.2m/sec、ソレノイドコイル3、13への投入電力は5000KWとして比較したもので、図中、横軸は最端部銅管表面の温度測定部位、縦軸は各部位における最大昇温値をそれぞれ示すものである。
【0016】
図から明らかなように、実線で示す本実施の形態1における最端部銅管表面の各部位の最大昇温値がほぼ均一であるのに対して、破線で示す従来例における最大昇温値は、鉄心8と対応する部位が他の部位より高く、特に幅方向最端部の部位の昇温値が一番高く、実施の形態1における昇温値と比較して約30%程度昇温値が高くなっている。
【0017】
このように上記実施の形態1によれば、ソレノイドコイル13の巻回領域に沿った額縁状に形成される第1の銅板部材20、ソレノイドコイル13の巻回領域に沿った円周上に、少なくとも1箇所切断部24bを有した額縁状に形成された第2の銅板部材23、および磁性板状部材を積層して形成され両銅板部材20、23間に配設される積層鉄心部材25を装置端部側に配置することにより、磁束27の大部分を積層鉄心部材25内に通し鉄心19へ流れるようにしたので、ソレノイドコイル13を形成する銅管の局所発熱を低減して銅管の劣化を抑制し、加熱容量の増大を図ることが可能になる。
【0018】
なお、上記構成では、一対の銅板21を組み合わせることにより第1の銅板部材20を形成するようにしているが、必ずしも分割構造とする必要はなく一枚の銅板で形成するようにしても良く、又、一枚の銅板24に窓部24aおよび切断部24bを加工して第2の銅板部材23を形成するようにしているが、図5に示すようにコ字形状に形成された2枚の銅板28を組み合わせることにより、窓部29aおよび切断部29bを形成して第2の銅板29とするようにしても良く、それぞれ上記実施の形態1におけると同様の効果を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、ラインを搬送される被加熱部材を内側に通過させて誘導加熱するソレノイドコイルの外側の磁路に沿って複数の鉄心が平行に配設された誘導加熱装置において、
各鉄心の両端近傍に、ソレノイドコイルの巻回領域に沿った額縁状に形成され最外側に配設される第1の銅板部材、ソレノイドコイルの巻回領域に沿った周上に少なくとも1箇所切断部を有した額縁状に形成され第1の銅板部材と所定の間隙を介して配設される第2の銅板部材、および磁性板状部材を積層して形成され両銅板部材間の間隙内に配設される積層鉄心部材を備えたので、ソレノイドコイルを形成する銅管の局所発熱を低減して劣化を抑制し、加熱容量の大きい誘導加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における誘導加熱装置の構成を示す側断面図である。
【図2】 図1における誘導加熱装置を示す正面図である。
【図3】 図1に示す第1の銅板部材の構成を示す斜視図である。
【図4】 図1に示す第2の銅板部材の構成を示す斜視図である。
【図5】 図4におけるとは異なる第2の銅板部材の構成を示す斜視図である。
【図6】 図1に示す積層鉄心部材の構成を示す斜視図である。
【図7】 図1に示す誘導加熱装置の鉄心の端部近傍における磁束の分布状態を示す断面図である。
【図8】 図1における誘導加熱装置の最端部銅管各部の表面局所最大昇温値を従来装置におけると比較して示す図である。
【図9】 従来の誘導加熱装置の構成を示す側断面図である。
【図10】 図9における誘導加熱装置を示す正面図である。
【図11】 図9における鉄心の端部の磁束の分布状態を示す側面図である。
【図12】 図9における鉄心の端部の磁束の分布状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 鋼帯、13 ソレノイドコイル、17 耐熱部材、18 通路、
19 鉄心、20 第1の銅板部材、21,24,28 銅板、
21c,24a,25a,29a 窓部、24b,29b 切断部、
23,29 第2の銅板部材、25 積層鉄心部材、27 磁束。
Claims (1)
- ラインを搬送される被加熱部材を内側に通過させて誘導加熱するソレノイドコイルの外側の磁路に沿って複数の鉄心が平行に配設された誘導加熱装置において、
上記各鉄心の両端近傍に、上記ソレノイドコイルの巻回領域に沿った額縁状に形成され最外側に配設される第1の銅板部材、上記ソレノイドコイルの巻回領域に沿った周上に少なくとも1箇所切断部を有した額縁状に形成され上記第1の銅板部材と所定の間隙を介して配設される第2の銅板部材、および磁性板状部材を積層して形成され上記両銅板部材間の間隙内に配設される積層鉄心部材を備えたことを特徴とする誘導加熱装置。
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