JP3710029B2 - 光情報通信システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ローカルネットワークシステムに利用される、アクセスステーション(サテライト装置)を介した情報通信システムに関するものであり、アクセスステーションと端末機間の通信の信頼性を向上させ、同通信の高速化、簡易化を図ることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
図1に従来の光空間伝送システムを示してある。この種の従来の光空間伝送システムでは、基本的には天井に据え付けるアクセスステーション(又はサテライト。以下「光AS」という)側の発光は、通信エリアを確保するために、たくさんの光源を図のように配置して,できるだけ下方周囲に投光されるようにしている。このような構成では、伝送される光パワーの分散化による伝送効率の悪化と多光路(マルチパス)による時間遅延の点から信頼性の高いデータ伝送(ダウンリンク)は不可能となり、通信中にデータが途切れるなどの不具合が生じ易い。このようなシステムで、より効率よく通信を行うために、アップリンクの方位をできるだけ合わせる必要があり、図2に示すような方法が採られている。すなわち、光ASからは常時ダウンリンク光が投光されつつ、端末側でその受光パワーが最大になるような方向になるまで、端末側の光送受信部をサーチさせる方法である。最適な方向になった時点でその状態を表示する手段について記述したものがあり、これが特開平5−191357号公報に記載されている。このものは、天井に設置するサテライト装置と机上に設置する送受信装置間での1 対多通信の光軸合わせを行うものであって、光軸合わせ時に連続的な光信号を送信する連続信号送信手段をサテライト装置に設け,光軸調整モードにおいて前記光信号の受信レベルを判定して光信号の受信状態を表示する受信状態表示手段を各送受信装置に設けてある。この方法によれば,送受信装置側で光軸を合わせるためのモード設定を個別に行う必要は無く、送受信装置側では方向の調整だけを行えばよい、という利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在、オフィスにおけるパーソナルコンピュータの普及と共にローカルエリアネットワーク(LAN)が普及しており、あらゆる情報、データがネットワークを介してやりとりされている。従来から端末装置をネットワークへ接続するためには、有線のケーブルを用いていたので、このように端末装置の数が増えてくると接続するケーブルがオフィス内に溢れてしまったり、設置の自由度がない等の問題が出てきている。そこで、このような問題を解決するためにケーブルを使用しないワイヤレスな方式が、美観を損なわず、設置の自由度が大きいとの理由から要望されている。特に光を伝送媒体とする方式は電波を用いる方式に比ベ、高速化、低コスト化、秘話性,人体への影響防止等の点で優位である。「光空間伝送システム」では、基本的に、端末装置がある範囲の机上のどこにあろうとも、天井に設置するサテライト装置(光アクセスステーション)が通信できるようなシステムであり、サテライト装置には複数個の発光素子が360度にわたって発光できるような構成にして(図1(b)参照)、サテライト装置からの送信(ダウンリンク)はそれら発光素子群を同時に駆動させて行われている。これは,広い通信エリアと同時速報性を確保するためであり、この場合、ダウンリンクの光軸合わせは不必要となり、ここで述べているようなアップリンクの光軸合わせのみが課題となる。ところが、ここでは周囲360度方向に発光させているので,周囲環境からのマルチパス(多光路干渉)の問題が発生し、例えば、周囲環境の乱反射から受信信号が不安定になり、通信が途中で途切れてしまい、通信のプロトコル上、再送/再送を繰り返すあまり通信の信頼性を大きく損なうという問題がある。また、端末の受光部で高速化のための十分な受光パワーが確保できないために必然的に高速化には不利となる。高速化については発光素子の発光ビームを絞り、指向性を強め光パワーの伝送効率を上げる方法があるが、上述したような周囲360度にわたって均一な投光状態にするためにはたくさんの発光素子が必要となり、消費電力の増大やコスト増、熱の発生等の問題が生じ、またマルチパス(多光路干渉)の問題も避けられない。一方、高速化で有利な方法として、ビーム光を用いる1対1の通信方式があるが、サテライト装置が複数の端末装置(携帯型も含む)と実用的な通信を行うために、サテライト装置と個々の端末装置との1対1の光軸合わせが双方向から可能とならなければならない。特に、本発明における天井型のアクセスステーション(サテライト装置)を中心とする1対多数の通信においては,端末の方は手動で合わせることとしても,天井に据え付けるアクセスステーション(サテライト装置)については、下方に位置する各端末装置との位置合わせ、即ち光軸合わせが必須となり、端末装置の数よりも多い多数の発光素子を含む光学系ユニットを搭載しているので光アクセスステーション(サテライト装置)側が過大な装置構成になってしまい実用的ではない。
【0004】
本発明はかかる不具合を解消することを目的とし、ネットワークからのダウンリンク手段として、信頼性が高くて、ある程度の高速化と受発信エリアの確保に対応すると共に、簡易な構成で実用的なシステムを提供するものである。そのための本発明の課題は次ぎのとおりである。
(a)高信頼性の通信エリアを確保するとともに高速化を可能とすること、
(b)光アクセスステーションにアクセスする複数のエリアに所在する端末装置から光アクセスステーションヘのアクセスの際の衝突を防止すること、
(c)光アクセスステーションと端末装置間における通信の安定性を図ること、
(d)各端末装置から光アクセスステーションへのアクセス機会の均等化を図ること、
(e)通信の信頼性を向上させること、
(f)通信機会へのアクセスの高速化を図ること。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】
上記課題解決のために講じた手段は、机上に設置される複数の端末装置と、有線で構成された有線LANに接続される光アクセスステーション間における情報伝達を光を介して行う光情報通信システムを前提として、次ぎのように構成されるものである。
【0006】
【解決手段1】
〔課題(a)に対する解決手段〕
上記有線LANとデータの授受を行うトランシーバーと、上記端末装置側から送信されてくる光信号を受信する光受信部と、当該端末装置が設置されるエリアを2個以上に分割し、当該分割されたエリアを円弧状に回転しながら投光する光送信部とを有する光アクセスステーションと、当該光アクセスステーションヘ光信号を送信しかつ受信する光送受信部と、他の端末装置とのデータの授受を行うトランシーバーとを有する端末装置とを具備すること。
【0007】
【解決手段2】
〔課題(b)に対する解決手段〕(請求項1に対応)
解決手段1に加えて、有線LANから前記光アクセスステーションを介して前記各端末装置へのデータ伝送を行う(ダウンリンク)際に、前記トランシーバーに設置したバッファメモリ内に蓄えた当該有線LANから送られてくるフレーム信号(データ信号)のうち1つ目のフレーム信号を、前記分割されたエリアごとに前記端末装置が設置されるエリアを1回転するまで上記端末装置が設置されるエリアに投光させ、2つ目以降のフレーム信号も、フレーム信号ごとに前記端末装置が設置されるエリアに投光させること。
【0008】
【解決手段3】
〔課題(c)に対する解決手段〕
解決手段1または解決手段2に加えて、前記各端末装置から前記光アクセスステーションヘデータ伝送をアップリンクする際に、前記有線LANから当該光アクセスステーションヘフレーム信号が来ていないことを知らせる光リンクパルス信号を光アクセスステーションの光送信部が投光し、当該リンクパルス光信号を受信した端末装置がアップリンク用のフレーム信号を送信し、当該フレーム信号を光アクセスステーションで折り返して、次の分割エリアから順次投光させること。
【0009】
【解決手段4】
〔課題(d)に対する解決手段〕
解決手段3に加えて、前記フレーム信号を送信した端末装置が所在するエリアから1 回転と1つの分割エリア分だけの間、当該フレーム信号を光アクセスステーションで折り返して順次投光させること。
【0010】
【解決手段5】
〔課題(e)に対する解決手段〕
解決手段1乃至解決手段4のいずれかに加えて、同一送信先アドレスに基づく前記端末装置から前記光アクセスステーションヘの連続する送信データフレーム信号の個数、又は同一送信先アドレスに基づく前記有線LANから送信されてくる連続するデータフレーム信号の個数が、最低でも2個以上であることを前記光アクセスステーションで検知して、当該複数のデータフレーム信号を光アクセスステーションから同一エリアに連続して投光すること。
【0011】
【解決手段6】
〔課題(d)に対する解決手段〕
解決手段1乃至解決手段5のいずれかに加えて、前記エリア光の回転を左回りと右回りで交互に行うこと。
【0012】
【解決手段7】
〔課題(f)に対する解決手段〕
解決手段1乃至解決手段6のいずれかに加えて、前記分割個数を2n個(n≧1 、nは整数)とし、投光する分割エリア数mを、nを超えない偶数個(m≦n)とすること。
【0013】
【作用】
本発明は、端末装置がローカルエリアネットワーク(LAN)から、光を伝送媒体としてフリーにいろいろなデータを伝送する光空間伝送システムをその対象とするものである。
【0014】
【解決手段1による光空間伝送システム】
解決手段1による光空間伝送システムでは、従来天井等に配置する光アクセスステーションのダウンリンク用の送信用光源が投光照射するエリア、つまり光ASから端末装置側にダウンリンクするエリアを複数に分割して、分割されたエリアを回転で順次投光することによってダウンリンクの信号を伝送させるシステムである。そのために、光ASには、従来のデータの授受を行うトランシーバーに加えて、投光エリアを分割する光送信部と端末装置から送られてくるアップリンク用光受信部を、他方、端末装置側には、光ASとのデータ伝送のやりとりを行うトランシーバーと光送受信部とを具備している。このように通信エリアを分割することにより投光エリアを小さくすることができ、従来のマルチパス環境が改善されるとともに、投光するエリアにおける光利用効率を向上させることもできる。
【0015】
【解決手段2による光空間伝送システム】
(請求項7に対応)
解決手段2による光空間伝送システムでは、LANから送られてくるダウンリンク用データフレーム信号をいったんバッファリングし、そのフレーム信号のうち1つ目のフレーム信号を、前記分割されたエリアごとに前記端末装置が設置されるエリアを1回転するまで上記端末装置が設置されるエリアに投光させ、2つ目以降のフレーム信号も、フレーム信号ごとに前記端末装置が設置されるエリアに投光させる。
【0016】
【解決手段3による光空間伝送システム】
解決手段3による光空間伝送システムでは、光ASが、回線が空いている状況を端末装置へ知らせるとともに、光ASに通信をしたい端末装置から通信要求された場合(端末装置から光ASへのアクセス権請求)に、その信号を折り返して次の分割エリアから直接各端末装置へ順次投光させる。
【0017】
【解決手段4による光空間伝送システム】
解決手段4による光空間伝送システムでは、解決手段3による光空間伝送システムにおける折り返しの投光を通信すべき全エリア分の1回転と分割エリア1つ分行う。
【0018】
【解決手段5による光空間伝送システム】
解決手段5による光空間伝送システムでは、LANから伝送されてくるフレーム信号が同一の送信先アドレスを有し、かつ使用しているLANの通信上の基本データフレーム長より長く複数個にわたる場合のみ、同一エリア内でそれらのフレームを連続的に投光させる。
【0019】
【解決手段6による光空間伝送システム】
解決手段6による光空間伝送システムでは、エリア光の回転を左回りと右回りとで交互に行う。
【0020】
【解決手段7による光空間伝送システム】
解決手段7による光空間伝送システムは、通信すべきエリアを分割する数を偶数個として、1回に投光する分割されたエリアの個数を、前記偶数個の半分を超えない数にするものである。
【0021】
【実施例】
次いで、図面を参照しつつ実施例を説明する。対応する図面を参照して各実施例を理解されたい。
まず、現在一般的に使用されているネットワークシステムに実施させた例を主にブロック図を用いて説明する。このLANシステムは、図3に示すように、通信機能を備えたLANへ接続する装置と、複数のLAN接続装置間を相互に接続させる、有線ケーブル(Wired Cable )とで構成されている。ここでは、以下、本図のような構成ブロック図では、左側が実際のオフィス内での天井側で、右側が地上側(机上)である。各LAN接続装置は、有線ケーブルを介してデータフレーム信号を伝送させることによって通信を行なう。ここでは、リピータ型のハブ(Hub 、集線装置)を接続し、各端末装置がケーブルによってこのハブに接続したシステムに適応させている。このシステムにより、ハブに接続された端末装置は、同じハブに接続された他の端末装置やネットワークを介して他の端末装置との通信を行なうことができる。図中MAUは、トランシーバーに該当しトランシーバ・ケーブル周りのインターフェイス規格(AUI=Attachment Unit Interface )を提供する通信メディア・アクセス装置のことで、MDIは通信メディアへの直接接続に関するインターフェイス部分で、通信メディアに依存する。これらの構成中、MAUからの入出力を光に変換するE/O部または光信号を電気信号に変換するO/E部に置き換えて光リンク部分を設定して光学的にワイヤレスなシステム構成とする。この時、ダウンリンク光について、従来のような十分広がりのあるエリアやビーム光のような極めて狭いエリアを想定して投光するのではなく、端末装置の設置自由度がある程度確保できかつ通信の信頼性と高速化が可能なエリアを実現できるようにしている。
【0022】
【実施例1】
解決手段1による光空間伝送システムの実施例を図4、図5を用いて、通信したいエリアを6分割させた例で説明する。各端末装置T1〜T5は分割された各エリアにあるとする。この時、LANから送られてきたデータフレーム信号は光ASを経由して、まず、T1があるエリアにある一定時間投光される(図4 ( a ) 参照)。次に、この投光状態を回転させて隣のエリアを投光し端末装置T2ヘダウンリンクする(図4(b)参照)。各端末装置は送られてきたデータフレーム信号の送り先アドレスが自分のアドレスと一致しているかどうか確認した後、一致していれば自装置内に取り込み、一致していなければ破棄する。このエリア内に存在するすべての端末装置に対してダウンリンクさせるために、最小1回回転し、図4(d)で最後になる。ダウンリンク光は図5のブロック図に示したように走査光学系を用いてエリア光を回転させる。反射鏡の回転を使用するものであれば例えば、ポリゴンミラー、ガルバノミラーを使用した光学系が使用でき、また、走査機能を実現させるものとして、ホログラムを用いたホロスキャナーなども良い。いずれにしろ、E/O部で変換された光を走査光学系で回転するように走査する。また、LANからフレーム信号が伝送されていない場合には、後述するような光リンクパルス信号を投光しておく。
以上の図4に示す実施例の動作フローは、図13に示すとおりである。
【0023】
解決手段2による光空間伝送システムの実施例が図6に示されている。ここでは、T3宛てのフレーム信号FT3とT5宛てのフレーム信号FT5がネットワークを経由して光ASへ伝送されてきた場合を想定している(図6(a)参照)。つまり、この2つのフレーム信号は連続しているので、解決手段1のようにそのまま光ASからダウンリンクすると、フレーム送信先として関係のないT1のエリアに投光している時間が長くなってしまい、実際に送信先となっているT3へ到達するまで時間がかかってしまうので、まず、T3宛てのフレーム信号FT3のみをいち早くすべての分割エリアへ送信してしまい(図6(b),(c),(d)参照)、それから次のT5宛てのフレーム信号FT5を同じようにダウンリンクさせる(図6(e),(f)参照)。この間、これらのフレーム信号を光ASでバッファリングして伝送する。一方、この方法では、各端末装置が他の各端末装置からの送信を要求する場合、回線の使用状況を短い時間間隔で知ることが可能となり、ダウンリンクしている間は各端末装置から送信させないようにして、各端末装置からアップリンクする際に生じる伝送フレーム信号の衝突(collision )の発生を少なくすることができる。
以上の図6に示す実施例の動作フローは、図14に示すとおりである。
【0024】
【実施例2】
解決手段3による光空間伝送システムの実施例が図7に示されている。ここでは、各端末装置から光ASへのアップリンクの際に、端末装置間の衝突を防止する。データフレーム信号が伝送されていないときは回線が空いているということを示す光リンクパルス信号を光ASから各端末装置へ伝送しておく。これも回転分割光で行い、T1のあるエリアに来たとき(図7(a)参照)、T1は回線が空いていることを検知してすぐに送信要求してFT1というフレーム信号をアップリンクで光ASへ伝送する(図7(b)参照)。この場合は、図では矢印で記述しているが、前述したように光ASへの方向合わせを簡単に行うためにやや広がりのある投光状態で良い。その後、エリア光が次のエリアへ回転して行くと同時に、そのフレーム信号FT1を光ASで折り返して投光する。端末装置T2は、FT1というフレーム信号を受信することによって、回線が使われていることを検知することができる(図7(c)参照)。同じようにエリア光が回転するにしたがって、他の端末装置も回線が使われていることを検知できる(図7(d)参照)。もし各端末装置が送信を要求したい場合は、1回転するのを待って、その時に受信する信号がリンクパルス信号になっていることを確認してから送信する(アップリンクする)ことができる。この実施例ではT1が再び該当することになる(図7(e)参照)。
以上の図7に示す実施例の動作フローは、図15に示すとおりである。
【0025】
【実施例3】
解決手段4による光空間伝送システムの実施例が図8に示されている。図7に示す実施例(解決手段3による光空間伝送システムの実施例)の場合は、他の端末装置より先にT1が再び送信要求しかつ送信(アップリンク)する権利を得ることができるので、例えば、ネットワークへのアクセス権をT1にもっとも優先的に付与したいシステムには有効であるが、各端末装置へ均等なアクセス機会を与えたい場合は問題がある。ここでは、前述したエリア光が端末装置から送出されるフレーム信号を光ASから折り返し伝送する時間を1回転ではなく、1回転プラス分割エリア1個分に(つまり元の位置へ戻るまで)設定する(図8(a),(b)参照)。そうすれば、そのフレーム伝送はT1のいるエリアで終わるので、T1は回線が使用中であるということを検知してしまうので再び送信を要求することができず、実際に可能となるのは、光リンクパルスを受信する次のエリアにいるT2となり(図8(c),(d)参照)、アクセス優先権がT2へ移行することになる。そしてT2がアップリンクすると同様にして折り返し伝送される(図8(e)参照)。このようにして、優先権がT1→T2→T3→T4→T5と巡るのでアクセス機会の均等なシステムが実現される。
以上の図8に示す実施例の動作フローは、図16に示すとおりである。
【0026】
【実施例4】
解決手段5による光空間伝送システムの実施例が図9に示されている。これは、フレーム単位でダウンリンクさせるのではなく、連続して送られてくる複数のデータフレーム信号の先頭に付与されている相手先アドレスが同じ場合に、アドレスが同じ分のフレーム信号を連続して1つのエリアに投光し通信させるものである。今、端末装置T2を送信相手先として2つのフレームF1T2,F2T2がネットワークから送られてくるとする(図9(a)参照)と、一度光ASにバッファリングされてからまずF1T2を、続いてF2T2をT1ヘダウンリンクする(図9(b)参照)。ここではT1は送信先ではないのでフレームを破棄する。次のエリアではT2が同様にF1T2を、続いてF2T2を受信して自装置へ取り入れる(図9(c)参照)。そして次も同様に行われる(図9(d)参照)。1周したらまた光リンクパルスを投光させる。このようなシステムは、例えば動画データ等の連続したデータ伝送を実現したい場合、ネットワークを伝送する最小フレームフォーマット長より長いデータで、複数のフレームに分割して伝送しなければならない場合でも、端末装置側で途切れることなくデータを受信させることができる。
以上の図9に示す実施例の動作フローは、図6に示す実施例の動作フローと同じ図14に示すとおりである。
【0027】
【実施例5】
解決手段6による光空間伝送システムの実施例が図10に示されている。このものは、ネットワーク回線上にフレーム信号がないときに流す光リンクパルスをまずT1のあるエリアから右回りで回転して(図10(a)参照)、順次各エリアへ伝送させて1 周させた後に(図10(b)参照)、今度は反対周りで回転させるものである(図10(c),(d)参照)。このように回転を左右逆に交互に行うことによって、ここでいうT1とT5の端末装置が、1 周する間に回線の使用状況を把握する優先順位が変わるので、アップリンクする際のアクセス機会を端末装置の位置に依らないで公平に設定することができる。
以上の図10に示す実施例の動作フローは、図17に示すとおりである。
【0028】
【実施例6】
最後に、解決手段7による光空間伝送システムの実施例が図11,図12に示されている。このものにおいては、投光する分割されたエリアが回転対象であるので、光学的に対称性を利用してエリアを同時に2つ以上投光させて回転させる。この場合、同時に2つ以上のエリアヘ伝送するので、全端末への伝送を完了させる時間を短くでき、1つの場合より高速化が可能となる。まず分割する個数は偶数とする。そして、同時に投光するエリア数は分割する個数の半分以下にする。図11(a)の場合は6分割、同時に投光するエリアが2個の場合、図11(b)の場合は12分割、同時に投光するエリアが4個の場合である。このような対称性を利用した構成は、例えば図12に示すような簡単な光路分割型の光学系と回転系で実現することができる。ただし、Sは光源、Lはレンズ系、HMはハーフミラー、Mはミラーである。
【0029】
【効果】
解決手段1による光空間伝送システムを用いた光情報通信システムにおいては、光ASから端末装置側にダウンリンクするエリアを複数に分割して回転させるようにダウンリンクの信号を伝送させているので、信頼性の高いデータ伝送アクセスシステムが確保される。
解決手段2による光空間伝送システムを用いた光情報通信システムにおいては、LANから送られてくるダウンリンク用データフレーム信号をいったんバッファリングし、そのフレーム信号のうち1つ目のフレーム信号を、分割されたエリアごとに端末装置が設置されるエリアを1回転するまで上記端末装置が設置されるエリアに投光し、2つ目以降のフレーム信号も、フレーム信号ごとに端末装置が設置されるエリアを投光するので、信号の衝突が少なく、通信システムの信頼性を向上させることができる。(請求項1及び請求項7に係る発明)
解決手段3による光空間伝送システムを用いた光情報通信システムにおいては、各端末装置から光ASへのアクセスの際の信号の衝突を防止するので、通信システムの信頼性を向上させることができる。(請求項2及び請求項8に係る発明)
解決手段4または解決手段6による光空間伝送システムを用いた光情報通信システムにおいては、ある端末装置に優先的にアクセスさせることがないようにしているので、偏りのない平等な通信システムを実現することができる。(請求項3、請求項5、請求項9及び請求項11に係る発明)
解決手段5による光空間伝送システムを用いた光情報通信システムは、端末側でフレーム単位より長いデータを連続して受信するようにしてあるので、高品位なデータ伝送が可能なシステムとなっている。(請求項4及び請求項10に係る発明)
解決手段7による光空間伝送システムを用いた光情報通信システムにおいては、分割するエリアを光学的な対称性を利用できるようにしてあるので、これにより、解決手段1による通信システムにおける伝送の高速化と簡易化を図ることができる。(請求項6及び請求項12に係る発明)
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来の光空間伝送システムの模式図、(b)は同光空間伝送システムのサテライト装置の模式図である。
【図2】は他の従来の光空間伝送システムの模式図である。
【図3】(a)はLANシステムの概念図、(b)はLANシステムにおける光空間伝送システムの概念図である。
【図4】(a)乃至(d)は解決手段1による光空間伝送システムの実施例の模式図である。
【図5】は図4の光空間伝送システムにおける投光回転装置の模式図である。
【図6】(a)乃至(f)は解決手段2による光空間伝送システムの実施例の模式図である。
【図7】(a)乃至(e)は解決手段3による光空間伝送システムの実施例の模式図である。
【図8】(a)乃至(e)は解決手段4による光空間伝送システムの実施例の模式図である。
【図9】(a)乃至(e)は解決手段5による光空間伝送システムの実施例の模式図である。
【図10】(a)乃至(d)は解決手段6による光空間伝送システムの実施例の模式図である。
【図11】(a)は解決手段7による光空間伝送システムの実施例の模式図、(b)は同伝送システムの他の実施例である。
【図12】は図11(a)(b)の実施例に使用する、簡単な光路分割型の光学系と回転系で実現した投光回転装置の模式図である。
【図13】は図4の実施例の動作フロー図である。
【図14】は図6、図9の実施例の動作フロー図である。
【図15】は図7の実施例の動作フロー図である。
【図16】は図8の実施例の動作フロー図である。
【図17】は図10の実施例の動作フロー図である。
Claims (13)
- 机上に設置される複数の端末装置と、有線で構成された有線LANに接続される光アクセスステーション間における情報伝達を光を介して行う光情報通信システムであって、
上記有線LANとデータの授受を行うトランシーバーと、上記端末装置側から送信されてくる光信号を受信する光受信部と、当該端末装置が設置されるエリアを2個以上に分割し、当該分割されたエリアを円弧状に回転しながら投光する光送信部とを有する光アクセスステーションと、
上記光アクセスステーションヘ光信号を送信しかつ受信する光送受信部と、他の端末装置とのデータの授受を行うトランシーバーとを有する端末装置とを具備する光情報通信システムにおいて、
上記有線LANから上記光アクセスステーションを介して上記各端末装置へのデータ伝送を行う際に、上記トランシーバーに設置したバッファメモリ内に蓄えた当該有線LANから送られてくるフレーム信号のうち1つ目のフレーム信号を、上記分割されたエリアごとに上記端末装置が設置されるエリアを1回転するまで上記端末装置が設置されるエリアに投光させ、2つ目以降のフレーム信号も、フレーム信号ごとに上記端末装置が設置されるエリアに投光させることを特徴とする光情報通信システム。 - 前記各端末装置から前記光アクセスステーションヘデータ伝送をアップリンクする際に、前記有線LANから当該光アクセスステーションヘフレーム信号が来ていないことを知らせる光リンクパルス信号を光アクセスステーションの光送信部が投光し、当該リンクパルス光信号を受信した端末装置がアップリンク用のフレーム信号を送信し、当該フレーム信号を光アクセスステーションで折り返して、次の分割エリアから順次投光させることを特徴とする上記請求項1の光情報通信システム。
- 前記フレーム信号を送信した端末装置が所在するエリアから1 回転と1つの分割エリア分だけの間、当該フレーム信号を光アクセスステーションで折り返して順次投光させることを特徴とする上記請求項2の光情報通信システム。
- 同一送信先アドレスに基づく前記端末装置から前記光アクセスステーションヘの連続する送信データフレーム信号の個数、又は同一送信先アドレスに基づく前記有線LANから送信されてくる連続するデータフレーム信号の個数が、最低でも2個以上であることを前記光アクセスステーションで検知して、当該複数のデータフレーム信号を光アクセスステーションから同一エリアに連続して投光することを特徴とする上記請求項1乃至請求項3のいずれかの光情報通信システム。
- 前記エリア光の回転を左回りと右回りで交互に行うことを特徴とする上記請求項1乃至請求項4のいずれかの光情報通信システム。
- 前記分割個数を2n個(n≧1 、nは整数)とし、投光する分割エリア数mを、nを超えない偶数個(m≦n)とすることを特徴とする上記請求項1乃至請求項5のいずれかの光情報通信システム。
- 机上に設置される複数の端末装置と、有線で構成された有線LANに接続される光アクセスステーション間における情報伝達を光を介して行う光情報通信方法であって、
上記有線LANと光アクセスステーションのトランシーバーとでデータの授受を行い、
光アクセスステーションの光送信部により、上記端末装置が設置されるエリアを2個以上に分割して当該分割されたエリアを円弧状に回転しながら投光し、
上記端末装置の光送受信部により、上記光アクセスステーションヘ光信号を送信しかつ受信し、端末装置のトランシーバーにより、他の端末装置とのデータの授受を行う光情報通信方法において、
上記有線LANから上記光アクセスステーションを介して上記各端末装置へのデータ伝送を行う際に、上記トランシーバーに設置したバッファメモリ内に蓄えた当該有線LAN から送られてくるフレーム信号のうち1つ目のフレーム信号を、上記分割されたエリアごとに上記端末装置が設置されるエリアを1回転するまで上記端末装置が設置されるエリアに投光させ、2つ目以降のフレーム信号も、フレーム信号ごとに上記端末装置が設置されるエリアに投光させることを特徴とする光情報通信方法。 - 前記各端末装置から前記光アクセスステーションヘデータ伝送をアップリンクする際に、前記有線LANから当該光アクセスステーションヘフレーム信号が来ていないことを知らせる光リンクパルス信号を光アクセスステーションの光送信部が投光し、当該リンクパルス光信号を受信した端末装置がアップリンク用のフレーム信号を送信し、当該フレーム信号を光アクセスステーションで折り返して、次の分割エリアから順次投光させることを特徴とする請求項7の光情報通信方法。
- 前記フレーム信号を送信した端末装置が所在するエリアから1回転と1つの分割エリア分だけの間、当該フレーム信号を光アクセスステーションで折り返して順次投光させることを特徴とする請求項8の光情報通信方法。
- 同一送信先アドレスに基づく前記端末装置から前記光アクセスステーションヘの連続する送信データフレーム信号の個数、又は同一送信先アドレスに基づく前記有線LANから送信されてくる連続するデータフレーム信号の個数が、最低でも2個以上であることを前記光アクセスステーションで検知して、当該複数のデータフレーム信号を光アクセスステーションから同一エリアに連続して投光することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかの光情報通信方法。
- 前記エリア光の回転を左回りと右回りで交互に行うことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかの光情報通信方法。
- 前記分割個数を2n個(n≧1 、nは整数)とし、投光する分割エリア数mを、nを超えない偶数個(m≦n)とすることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかの光情報通信方法。
- 請求項7乃至請求項12のいずれかの光情報通信方法のソフトウエアーを格納した記録媒体。
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| JP13426098A JP3710029B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 光情報通信システム |
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| JPH11317708A JPH11317708A (ja) | 1999-11-16 |
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| JPH11317708A (ja) | 1999-11-16 |
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