JP3710165B2 - ポンプ式流体分与容器 - Google Patents

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    • B05B11/1001Piston pumps

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はポンプ式流体分与容器に関する。更に詳述すると、この発明は、容器本体内に収容する内容物が高粘度の流体であっても内容物を確実に分与排出することのできるポンプ式流体分与容器に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、たとえば、容器本体内に充填された内容物たとえば粘性物質などの減少とともに容器本体内で上昇する摺動遊動底と、容器本体内の内容物を排出するポンプ式排出機構とを備えたポンプ式流体分与容器がある。
【0003】
前記摺動遊動底は、前記ポンプ式排出機構の下部を含む容器本体の内部における天井部分に一致した形状を有している。この摺動遊動底はもともとポンプ式流体分与容器の容器本体における内部底面に配置されている。この摺動遊動底は、内容物の減少と共に容器本体の内部底面から上昇し、内容物が費消されたときには容器本体の前記天井部分に到達する。その結果、この摺動遊動底は前述したようにポンプ式流体分与容器の容器本体における天井部分に一致した形状を有しているから、摺動遊動底が前記天井部分に到達したときには、容器本体内では内容物を充填していた空間が実質的に消失した状態になる。
【0004】
この遊動遊動底を有するポンプ式流体分与容器は、前記摺動遊動底の上昇運動を妨げないようにするために、充填物を吸い上げる吸い上げ管の存在しないポンプ式排出機構を備える。
【0005】
前記ポンプ式排出機構は、ポンプ式流体分与容器の容器本体の開口頚部に装着される。このポンプ式排出機構は、シリンダー、ピストン、ボール弁、付勢部材を有する。
【0006】
前記シリンダーは、容器本体内に臨んで開口する排出開口部を有する。ボール弁は、このシリンダー内であって、前記排出開口部に臨む位置に、この排出開口部を開閉可能に、収容されている。前記ピストンは、前記シリンダー内に摺動しつつ上下動可能にシリンダーに装着される。前記付勢部材は、たとえばコイルスプリングである。この付勢部材は、その一端を、シリンダー内の前記ボール弁の配置位置よりは上側の適宜の位置に結合し、その他端を、前記ピストンの下端に結合し、これによってピストンをシリンダーの下部から上部へと付勢する。
【0007】
このような構造のポンプ式排出機構においては、手動により付勢部材の付勢力に抗して前記ピストンを押し下げると、前記ボール弁は前記排出開口部を閉塞し、シリンダー内の充填物を排出する。その後に付勢力により前記ピストンを上昇させると、シリンダー内が負圧になり、これによってボール弁が排出開口部を開放し、排出開口部を通じて容器本体内の内容物がシリンダー内に浸入する。ピストンが上昇し切ると、容器本体内の内容物がシリンダー内に排出開口部を通じて浸入するのが停止する。そして、それまで排出開口部上に浮き上がっていたボール弁が排出開口部に向かって下降し、排出開口部はボール弁で閉塞される。
【0008】
このような従来のポンプ式流体分与容器にあっては、前記ポンプ式排出機構におけるシリンダー内に、容器本体内の内容物を、収容した後に、排出開口部上に浮き上がっているボール弁が直ちに下降して排出開口部が閉鎖状態にならないと言う問題点があった。特に容器本体内に充填されている内容物が粘稠物、粘度の高い液状物あるいは発泡物であるときには、シリンダー内に内容物が完全に収容された後に、排出開口部から浮き上がっているボール弁と排出開口部の間には前記のような内容物が介在するので、浮き上がっているボール弁が排出開口部に向かって容易に、かつ迅速に下降しなかった。浮き上がっているボール弁が排出開口部に向かって容易に下降しないという事態、換言すると、シリンダー内に内容物が完全に収容された後においても、ボール弁が排出開口部よりも上側に浮き上がった状態になっているという事態は、次のような問題点を引き起こす。すなわち、シリンダー内に収容された内容物を排出するべく、ピストンを強制的に下降させても、ボール弁が排出開口部を閉塞していないので、シリンダー内の所定量の内容物を容器本体外に排出することができなくなるという問題を引き起こす。
【0009】
この発明の目的は、上述した従来の課題を解決することにある。この発明の目的は、容器本体内の内容物がどのような粘度を有する液体であっても、ポンプ排出機構におけるシリンダーに設けられた排出開口部の開放状態および閉鎖状態を適切に実現することのできるポンプ式流体分与容器を提供することにある。この発明は、容器本体内の内容物がどのような粘度を有する液体であっても、シリンダー内に容器本体内の内容物を収容した後に、ボール弁が直ちに排出開口部に落下して迅速に排出開口部の閉鎖状態を実現することのできるポンプ式流体分与容器を提供することにある。この発明の目的は、ボール弁の復帰不全による内容物の排出不全のないポンプ式流体分与容器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ピストン体をポンプシリンダーから引き抜くように稼働させることにより、ポンプシリンダー内に設けられた弁室の排出開口部からポンプシリンダー内に容器本体内の内容物を収容し、ピストン体をポンプシリンダー内に押し込むように稼働させることにより前記排出開口部をボール弁で閉塞し、ポンプシリンダー内の内容物を排出するポンプ式排出機構を備えたポンプ式流体分与容器において、
弁室内で排出開口部から浮き上がったボール弁を排出開口部に向かって強制復帰させるボール弁強制復帰手段を備えてなり、
前記ボール弁強制復帰手段が、弁室内でボール弁が過度に浮き上がるのを阻止する規制片と、この規制片の内側面に設けられ、弾性力によりボール弁を排出開口部に向かって弾発的に跳ね戻す弾発片とを有することを特徴とするポンプ式流体分与容器であり、
請求項2に記載の発明は、前記弾発片が、弁室の中心線方向に向かって斜め下方に延在する片持ち舌片状に形成されてなる前記請求項1に記載のポンプ式流体分与容器であり、
請求項3に記載の発明は、前記弾発片が、その基部から先端部にかけて凹状に、かつ弓なりに反った上面を有する前記請求項1又は2に記載のポンプ式流体分与容器であり、
請求項4に記載の発明は、前記弾発片が少なくとも3個設けられてなる前記請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ式流体分与容器である。
【0011】
【作用】
この発明のポンプ式流体分与容器は、ピストン体をポンプシリンダー内に押し込むことにより排出開口部をボール弁で閉塞し、ポンプ式シリンダー内の内容物を排出する。ピストン体をポンプシリンダーから引き抜くようにピストン体を稼働させると、ポンプシリンダー内が負圧になり、弁室内のボール弁が浮き上がって排出開口部を開放状態にする。排出開口部が開放状態になることにより、容器内の内容物が、排出開口部を通じてポンプシリンダー内に浸入し、収容される。ピストン体の稼働が終了すると、弁室内で浮き上がっているボール弁がボール弁強制復帰手段により、強制的に排出開口部に向かって跳ね返される。その結果、迅速に排出開口部をボール弁が閉塞するように、ボール弁が迅速に復帰する。
【0012】
特にこのボール弁強制復帰手段が、弁室内に設けられた弾発片を有するように形成されていると、弁室内で浮き上がってボール弁を、弾発的に跳ね返して、排出開口部を閉塞するように迅速に元の位置に復帰させる。
【0013】
前記ボール弁強制復帰手段が、弁室内でボール弁が過度に浮き上がるのを阻止する規制片と、この規制片の内側面に設けられた弾発片とを有することにより、弁室内で浮き上がってくるボール弁により弾発片が弾発不能に陥ることが、規制片により防止され、弾発片によりボール弁が確実に弾発的に跳ね返される。よって排出開口部にボール弁を確実に復帰させることができる。
【0014】
前記弾性片が、弁室の中心線方向に向かって斜め下方に延在する片持ち舌片状に形成されてなると、方持ち舌片状の弾性片は、弁室内で浮き上がってくるボール弁を受け止め、弾発的にボール弁を跳ね返し、ボール弁を強制的に元の位置に復帰させる。
【0015】
前記弾性片が、その基部から先端部にかけて凹状に、かつ弓なりに反った上面を有すると、ボール弁を跳ね返す力が一層大きくなり、また、浮き上がってくるボール片の勢いによって過度に折り曲げられることもない。
【0016】
前記弾発片が少なくとも3個設けられていると、個々の弾発片の弾発力が小さくても、3個の弾発片によって大きな弾発力が発揮され、ボール弁を元の位置に確実に復帰させる。
【0017】
【実施例】
以下、図面を参照しつつ、この発明の一実施例を説明することによりこの発明をより具体的に説明する。
【0018】
図1に示されるように、この発明の一実施例であるポンプ式流体分与容器1は、容器本体10と、上蓋20と、ノズルヘッド30と、ポンプシリンダー40、ピストン体50、コイルスプリングS、環状支持体90、および第1ボール弁B1を備えるポンプ式排出機構100と、摺動遊動底(図示せず。)とを有する。
【0019】
容器本体10は、円筒体であり、その上部に、容器本体10の直径よりも小さな直径を有する筒状の頚部11を有する。この頚部11の内部には、ポンプシリンダー40を支承する支承部材12が設けられる。なお、この実施例では容器本体10の形状は円筒体であるが、液体、泡状体などの流体を収容することのできる限りその形状に制限がなく、たとえば、容器本体10の中心線に直交する断面(多くの場合、水平断面である。)が楕円形である形状を有していても良い。
【0020】
上蓋20は、容器本体10の頚部11に装着される頚部装着部21と、ノズルヘッド30の下降時にこれを受容するヘッド受容部22とを有する。この実施例においては、前記頚部11への頚部装着部21の装着は、嵌着により実現されているが、この発明においては、頚部11と頚部装着部21とは強固に結合することのできる限りその装着手段に制限がなく、装着手段としてたとえば螺合手段を採用することもできる。
【0021】
繰り返して言うと、ポンプ式排出機構100は、ポンプシリンダー40、ピストン体50、コイルスプリングS、環状支持体90、および第1ボール弁B1を備えて構成される。なお、第1ボール弁B1がこの発明におけるボール弁に相当する。
【0022】
ポンプシリンダー40は、円筒体であり、その先端部(図1中、下端部である。)に、円形の開口を有する排出開口部41を有し、その後端部に、環状に広がる鍔部42を有する。このポンプシリンダー40は、頚部11の内部に装着された支承部材12でその先端部が支承され、スペーサGを介してその鍔部42を頚部11の先端部に配置し、前記上蓋20を前記頚部11に装着することにより、容器本体10に固定される。
【0023】
ポンプシリンダー40の先端部内には、環状支持体90が装着固定され、この環状支持体90と前記排出開口部41との間に弁室43が形成される。この弁室43内には、球形の第1ボール弁B1が収容される。
【0024】
この環状支持体90は、筒状に形成されたコイルスプリング装着固定部91と、そのコイルスプリング装着固定部91の下端に設けられた環状の鍔状部92と、前記コイルスプリング装着固定部91の下端から下方に延在する3個の規制片93とを有する。
【0025】
この規制片93は、図3に示されるように、等間隔をもって、かつこの環状支持体90の中心軸を中心にする円周上に配置される。この規制片93とこれに隣接する他の規制片93との間隙は流通路を形成する。この3個の環状支持体90それぞれの内周面には、弾発片94が設けられる。
【0026】
この弾発片94は、前記規制片93の内周面であって前記環状の鍔状部92に近接する位置から環状支持体90の中心軸に向かって斜め下方に延在するように、舌片状に形成されている。
【0027】
この弾発片94は、その上面が弾発片94の基部から先端部に向かって凹状にかつ弓なり状に湾曲して形成され、この弾発片94の厚みがその先端部から付け根部分に向かうにつれて増大するように形成され、これによって、弁室43内で浮き上がる第1ボール弁B1を受け止め、かつこの第1ボール弁B1を排出開口部41に向かって弾き戻すことができるように形成されている。この発明においては、片持ち梁状の弾発片94を設けることにより、この発明の目的を良く達成することができるのであるが、この実施例におけるようにこの弾発片94の付け根部分の上面を弓なり状に湾曲して形成してなることは、特に好ましいことである。弾発片94の付け根部分の上面を弓なり状に形成しておくと、第1ボール弁B1がこの弾発片94に当接したときに、第1ボール弁B1の勢いにより弾発片94がその付け根で折損する恐れがなく、また、第1ボール弁B1を押し戻す弾性力が一段と強力になっているので、第1ボール弁B1を排出開口部41に迅速かつ確実に押し戻すことができるからである。
【0028】
前記規制片93は、この弾発片94が適正に機能するための助けをなす。というのは、もしこの規制片93が存在しない場合には、排出開口部41より浮き上がって来る第1ボール弁B1により弾発片94が上方に折り曲げられ過ぎて弾発片94の機能が十分に発現しないことが生じる。ところが、この規制片93が存在すると、この規制片93は、浮き上がって来る、換言すると上昇して来る第1ボール弁B1の上昇運動を、第1ボール弁B1により弾性的に折り曲げられた弾発片94がこのボール弁Cを弾発的に跳ねかえすことが十分にできる程度に、規制することができる。別言すると、この発明においては、弾発片94の弾発力により、浮き上がって来る第1ボール弁B1を弾発的に跳ねかえして迅速に第1ボール弁B1を排出開口部41を閉塞することができるのであるが、この規制片93が存在すると、この弾発片94の機能をより一層確実に実現させることができるのである。
【0029】
なお、上記説明から明らかなように、この実施例においては、この発明におけるボール弁強制復帰手段が弾発片を備えて構成され、より好ましくは前記規制片と弾発片とを備えて構成される。
【0030】
コイルスプリング装着固定部91はコイルスプリングSを装着する。すなわち、コイルスプリングSは、その一端を、コイルスプリング装着固定部91の下部にある環状の鍔状部92に係止し、その他端を、ピストン体50に結合していて、ピストン体50を上方に向かう方向(換言すると、第1ボール弁B1からノズルヘッド30に向かう方向)に付勢している。
【0031】
このピストン体50は、第1ステム60と第2ステム70と弾性摺動弁部材80とを有する。
【0032】
第1ステム60は、貫通孔を有する管状体であり、上蓋20を貫通し、かつ上下動可能に上蓋20に装着される。この第1ステム60の上部には第2ボール弁B2が設けられ、かつこの第1ステム60の上端部にノズルヘッド30が装着される。なお、このノズルヘッド30には流体流出口31が形成され、この流体流出口31と第1ステム60の貫通孔61と連通している。
【0033】
第2ステム70は、その一端から他端近傍まで穿設された穿設孔71を有する環状体であり、その上端部を前記第1ステム60の下端部に装着することにより、前記第1ステム60と一体に固着される。第2ステム70と第1ステム60とを固着することにより、第1ステム60の貫通孔61と第2ステム70の穿設孔71とが連通状態になっている。この第2ステム70の下端部には、その中央部の直径よりも大きな直径を有する拡大部72が、形成される。第2ステム70の中央部から拡大部72に至る部分に肩部73が、形成される。第2ステム70の周側面であってこの肩部73の直上には、この第2ステム70の穿設孔71と第2ステム70の外部とを連通する第1流体流通口74が、開設される。第2ステム70における拡大部72の内部は空洞になっていて、拡大部72の周側面には、この内部空洞と拡大部72の外部とを連通する第2流体流通口75が、開設される。この拡大部72の前記第2流体流通口75の下部外周面は、前記ポンプシリンダー40の内周面に近接するように形成されている。この拡大部72との下端には、その内部空洞が外部に通じる開口を備えた開口部76が設けられている。
【0034】
弾性摺動弁部材80は、円筒環状の基部81に内側スカート82と外側スカート83,83’とを有し、環状の基部81に前記第2ステム70を挿通することにより第2ステム70に装着される。
【0035】
この内側スカート82は、その上端部が第2ステム70の外周面に環状に接する環状の弾性片であり、上方に向かう外側スカート83はその上端部がポンプシリンダー40の内周面に環状に接する環状の弾性片であり、下方に向かう外側スカート83’はその下端部がポンプシリンダー40の内周面に環状に接する環状の弾性片である。内側スカート82は第2ステム70の外周面を摺動し、外側スカート83,83’は、ポンプシリンダー40の内周面を摺動するように、形成される。また、この内側スカート82および外側スカート83,83’は、ポンプシリンダー40と第2ステム70との間をシールする。
【0036】
ピストン体50が無負荷状態であるときに、この弾性摺動弁部材80は、基部81の下端が拡大部72の肩部73に接触し、内側スカート82の上端と第1ステム60の下端とが所定の間隔を有して離隔した状態に、配置されている。この配置状態では、第2ステム70の第1流体流通口74が、基部81により閉鎖された状態になっている。しかも、この状態において、内側スカート82の上端部と第1ステム60の下端とが有する所定の間隔は、負荷がかかって下降する第1ステム60の下端部が内側スカート82の上端部に接触するときに、第2ステム70の第1流体流通口74が開放されるような寸法に設定されている。
【0037】
摺動遊動底は、容器本体10内に上下動可能に収容され、かつ容器本体10の底面から摺動遊動底までの空間と摺動遊動底から容器本体の天井部までの空間都に隔絶し、それ自体公知の構成を有し、容器本体10内の内容物が費消されるにつれて、容器本体10の底面から天井部に向かって上昇するように形成される。
【0038】
次に以上構成のポンプ式流体分与容器1の作用について説明する。
【0039】
このポンプ式流体分与容器1を何回か使用することにより、ポンプシリンダー40内に、容器本体10内に充填されていた内容物が収容されているとする。
【0040】
そこで、ノズルヘッド30を押し下げると、第1ステム60および第2ステム70が、ポンプシリンダー40内に押し込まれるように、稼働すなわち下降する。第1ステム60が下降して第1ステム60の下端部が弾性摺動弁部材80の内側スカート82に到達するまでは、弾性摺動弁部材80は下降せずに環状の基部81の中を第2ステム70が下降していく。
【0041】
第1ステム60の下端部が内側スカート82の上端部に到達すると、それまで基部81により閉鎖されていた第1流体流通口74が開放状態になる。その結果、ポンプシリンダー40内は、拡大部72の開口部76、第2流体流通口75、拡大部72の肩部73とポンプシリンダー40の内周面との間隙、第1流体流通口74、穿設孔71および貫通孔61が連通状態になる。
【0042】
なおもノズルヘッド30を押し下げると、第1ステム60の下端部は内側スカート82を押し下げる。第1ステム60の下降と共に弾性摺動弁部材80が下降する。第1ステム60の下降と共に第2ステム70が下降することにより、ポンプシリンダー40内の内容物が開口部76、第2流体流通口75、拡大部72の肩部73とポンプシリンダー40の内周面との間隙、第1流体流通口74、および穿設孔71を通って貫通孔61に流入する。第1ステム60においては、第2ボール弁B2が、流入してくる内容物に押し上げられる。押し上げられた第2ボール弁B2により開放状態となった貫通孔61からノズルヘッド30の流体流出口を通じてノズルヘッド30外に、内容物が排出される。
【0043】
内容物が排出された後に、ノズルヘッド30に負荷されている押圧力を除去すると、コイルスプリングSの付勢力により勢い良く第1ステム60および第2ステム70が、ポンプシリンダー40内から引き抜かれるように、稼働すなわち上昇する。
【0044】
弾性摺動弁部材80は、この急激な第2ステム70の上昇に追随することができないように形成されているので、第2ステム70は環状基部81をすり抜けていく。そして第2ステム70の上昇に伴ってただちに拡大部72の肩部73に基部81の下端が当接する。この状態では環状の基部81が第2流体流通口75を閉鎖する。第2流体流通口75を閉鎖した状態のまま、第2ステム70が更に上昇すると、ポンプシリンダー40内の拡大部72から排出開口部41までの空間が増大することによりこの空間が負圧になる。この空間が負圧になることにより第1ボール弁B1が浮き上がり、容器本体10内に充填されていた内容物が排出開口部41を通じてポンプシリンダー40内に浸入する。内容物の浸入は第1ステム60および第2ステム70が上昇し終わるまで継続する。
【0045】
内容物が排出開口部41を通じてポンプシリンダー40内に浸入している間、排出開口部41を通過する内容物により第1ボール弁B1が排出開口部41から浮き上がり、上昇する。第1ボール弁B1の上昇は無制限ではなく、第1ボール弁B1が規制片93に当接することにより第1ボール弁B1の上昇が規制される。しかも第1ボール弁B1が規制片93に規制されることにより、弾発片94が過度に折り曲げられることがない。排出開口部41から内容物がポンプシリンダー40内に流入している期間中、第1ボール弁B1は、図3に示されるように、斜め下方に向かっていた弾発片94を押し上げ、しかも規制片93により第1ボール弁B1の上昇が規制された状態を維持し続ける。
【0046】
第1ステム60および第2ステム70が完全に上昇し終わった状態では、ポンプシリンダー40内に内容物が充満している。そして、それまで規制片93に当接していた第1ボール弁B1が排出開口部41に向かって落下を開始する。このとき、弾発片94の弾性力により第1ボール弁B1が排出開口部41に向かって弾発的に押し戻される。すなわち、この実施例においては第1ボール弁B1は、弁室43内の内容物中を自然落下するのではなく、弾発片94の弾性力により弾発的に、かつ強制的に跳ね戻されるのである。それ故に、第1ステム60および第2ステム70が上昇し終わって初期状態に戻った後に、それまで弁室43内で浮き上がった状態になっていた第1ボール弁B1が迅速に、かつ確実に排出開口部41に戻されるのである。
【0047】
この実施例においては、浮き上がった第1ボール弁B1が排出開口部41に復帰するのを、内容物の充満する弁室43内で第1ボール弁B1が自然落下するのにまかせず、弾発片94で強制的に第1ボール弁B1を跳ね戻すことによっている。したがって、この実施例にかかるポンプ式流体分与容器1は、粘性がどのような内容物であっても第1ボール弁B1を迅速かつ確実に復帰させることができ、特に、第1ボール弁B1が自然落下するのに時間がかかるような内容物たとえば粘性の高い内容物を収容するポンプ式流体分与容器1について、この第1ボール弁B1の復帰が確実に、かつ迅速に達成される。
【0048】
以上、この発明の一実施例について詳述したが、この発明は前記実施例に限定されるものではない。
【0049】
この実施例においてはピストン体50が第1ステム60、第2ステム70および弾性摺動弁部材80で形成されているが、この発明においては、ノズルヘッド30を押し下げるとポンプシリンダー40内の内容物をノズルヘッド30から排出され、押し下げたノズルヘッド30を元の状態に戻すとポンプシリンダー40内が負圧になって容器本体10内の内容物をポンプシリンダー40内に流入させることのできる限り、その構造については特に制限がなく種々の構造を有するピストン体50を採用することができる。
【0050】
この実施例においては、3個の規制片93とこれら規制片93の内周面に弾発片94が設けられているが規制片93および弾発片94の数については特に制限がない。要は、規制片93は、浮き上がって来る第1ボール弁B1により弾発片94が過度に折り曲げられることを防止する機能を有する限り、その形状、構造および取り付け数に制限はない。また、弾発片94は、浮き上がってくる第1ボール弁B1を弾性力により跳ね返すことができる限りその形状、構造および取り付け数に制限はない。
【0051】
前記弾発片94、ポンプシリンダー40、環状支持体90を形成するには諸種のプラスチック材料が使用可能であるが、好ましいものはポリプロピレン、硬質のポリエチレン(中低圧法ポリエチレン)、ABS樹脂(比較的ブタジエンの多いもの)である。これらはポンプシリンダー40または環状支持体90と弾発片94とを一体に成形することができる。第1ボール弁B1は通常はステンレス鋼製であるが、耐食性があり、相当の比重を有する材料であれば何でもよい。
【0052】
容器本体10は透明でも不透明でも、無色でも、着色されていても良い。
【0053】
この発明は、摺動遊動底のあるポンプ式流体分与容器に限定されず、摺動遊動底のあるなしにかかわらず、ピストン体をポンプシリンダーから引き抜くように稼働させることにより、ポンプシリンダー内に設けられた弁室の排出開口部からポンプシリンダー内に容器本体内の内容物を収容し、ピストン体をポンプシリンダー内に押し込むように稼働させることにより前記排出開口部をボール弁で閉塞し、ポンプシリンダー内の内容物を排出するポンプ式排出機構を備えたポンプ式流体分与容器に好適に適用される。
【0054】
【発明の効果】
この発明によると、容器本体内の内容物がどのような粘度を有する液体であっても、ポンプ排出機構におけるシリンダーに設けられた排出開口部の開放状態および閉鎖状態を適切に実現することのできるポンプ式流体分与容器を提供することができる。この発明によると、容器本体内の内容物がどのような粘度を有する液体であっても、シリンダー内に容器本体内の内容物を収容した後に、第1ボール弁が直ちに排出開口部に落下して迅速に排出開口部の閉鎖状態を実現することのできるポンプ式流体分与容器を提供することができる。この発明によると、第1ボール弁の復帰不全による内容物の排出不全のないポンプ式流体分与容器を提供することができる。この発明は、粘性の高い流体を収容するポンプ式流体分与容器に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例であるポンプ式流体分与容器を示す断面図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例であるポンプ式流体分与容器に組み込まれている、規制片および弾発片を有する環状支持体を示す縦断面図である。
【図3】図3は、この発明の一実施例であるポンプ式流体分与容器におけるポンプシリンダーの先端部とこの先端部に装着された環状支持体と第1ボール弁とを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・ポンプ式流体分与容器、10・・・容器本体、11・・・頚部、12・・・支承部材、20・・・上蓋、21・・・頚部装着部、22・・・ヘッド受容部、30・・・ノズルヘッド、40・・・ポンプシリンダー、41・・・排出開口部、42・・・鍔部、43・・・弁室、50・・・ピストン体、S・・・コイルスプリング、60・・・第1ステム、61・・・貫通孔、70・・・第2ステム、71・・・穿設孔、72・・・拡大部、73・・・肩部、75・・・第2流体流通口、76・・・開口部、80・・・弾性摺動弁部材、81・・・基部、82・・・内側スカート、83,83’・・・外側スカート、90・・・環状支持体、91・・・コイルスプリング装着固定部、92・・・鍔状部、93・・・規制片、94・・・弾発片、B1・・・第1ボール弁、B2・・・第2ボール弁、S・・・コイルスプリング、100・・・ポンプ式排出機構。

Claims (4)

  1. ピストン体をポンプシリンダーから引き抜くように稼働させることにより、ポンプシリンダー内に設けられた弁室の排出開口部からポンプシリンダー内に容器本体内の内容物を収容し、ピストン体をポンプシリンダー内に押し込むように稼働させることにより前記排出開口部をボール弁で閉塞し、ポンプシリンダー内の内容物を排出するポンプ式排出機構を備えたポンプ式流体分与容器において、
    弁室内で排出開口部から浮き上がったボール弁を排出開口部に向かって強制復帰させるボール弁強制復帰手段を備えてなり、
    前記ボール弁強制復帰手段が、弁室内でボール弁が過度に浮き上がるのを阻止する規制片と、この規制片の内側面に設けられ、弾性力によりボール弁を排出開口部に向かって弾発的に跳ね戻す弾発片とを有することを特徴とするポンプ式流体分与容器。
  2. 前記弾発片が、弁室の中心線方向に向かって斜め下方に延在する片持ち舌片状に形成されてなる前記請求項1に記載のポンプ式流体分与容器。
  3. 前記弾発片が、その基部から先端部にかけて凹状に、かつ弓なりに反った上面を有する前記請求項1又は2に記載のポンプ式流体分与容器。
  4. 前記弾発片が少なくとも3個設けられてなる前記請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ式流体分与容器。
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