JP3714908B2 - ウスユキソウ属植物の抽出物と該抽出物を含有する組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、その最も一般的な記載では、少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物、少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなる紫外線を遮蔽する薬剤、少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物を含有する組成物、紫外線を遮蔽する薬剤としての該抽出物の使用、及び該抽出物を含有する組成物に関連した美容処理方法に関する。
【0002】
ウスユキソウ(Leontopodiumu)属の植物の抽出物は、紫外線から保護するための薬剤として従来技術において提供されている。さらに、アルバン・ミュラー・インターナショナル(Alban Muller International)(仏国)は、このような抽出物を市販している。供給者によれば、それは、インビボで栽培したエーデルワイス植物の葉及び花(高山区域)から、水とプロピレングリコールとからなる溶剤を使用して得られた抽出物である。
【0003】
非常によく知られているエーデルワイスはウスユキソウ植物属に属する。ウスユキソウ属の植物は、2000メートルを超える標高、特にアルプス及び/又はネパールの山々で自生する希有の植物である。その希少性のために、これらの植物は保護されており、その採集は極度に厳しい規制の対象になっている。これらの植物の天然の成長条件が特別であるといった事実に加えて、妥当な開発コストを維持した上で、使用する種を絶滅の危機にさらすこともない条件下でそれらを産業的に生育させることは、控えめに言っても困難である。
よって、ウスユキソウ属の植物の脱分化細胞を培養することは、上述した問題を解決できるものと思われ、とりわけ、使用できる植物材料がもはや季節性なのものではなく、一年中、いかなる天候であっても入手可能で、よって工業的な量的基準を満たすといった事実を付加するので、特にしかりである。さらに、このような培養物は、完全に制御された温度、pH及び培養培地条件下で成長させるために完全に再生可能で、工業的な量的基準を満たす。
【0004】
「脱分化植物細胞」なる用語は、特定の特化特性を示さず、それ自身で生存可能で、他の細胞に依存する状態ではないあらゆる植物細胞を意味することを意図している。これらの脱分化植物細胞は、場合によっては、誘導の影響下において、それらのゲノムに従い、任意の分化が可能である。
選択される培養方法、特に選択される培養培地に応じて、同一の外植片から、異なる特徴を有する脱分化植物細胞を得ることができる。特に、インビトロで得られる植物細胞のオリジナリティーの一つは、培養において自然発生的に確立される非常に大きな変異性である。この変異性は生理学及び生化学の点から表現される。事実上、インビトロで培養することにより、インビボ組織に存在する細胞ネットワークが破断することになる。徐々に、二次培養の過程で、インビトロで培養されたこれらの細胞とその新しい環境との間の相互作用の新規なネットワークが無作為に確立される。これらの新規な相互作用は、植物に存在する代謝産物の発現の調節及び/又は新規な代謝産物の源である。
【0005】
しかし、従来技術では、脱分化植物細胞の抽出物が、インビボで栽培された植物から得られる植物細胞の抽出物の特性を保持するということは示されていない。特に、ウスユキソウ属の植物に関して、そのバイオトープのために多量の紫外線にさらされた植物細胞に自然に発達した遮蔽特性が、それらが培養される条件のために、多量の紫外線にはさらされず、天然細胞の特化特性を喪失した脱分化細胞によっても保持されるであろうことについては記載も示唆もされていない。
【0006】
「インビボ栽培(culturing in vivo)」なる用語は通常のタイプのあらゆる栽培、すなわち土壌、戸外又は温室中での栽培、あるいは無土壌栽培を意味することを意図している。
「インビトロ培養(culturing in vitro)」なる用語は、人工的に植物又は植物の一部を得ることを可能にする当業者に公知の全ての技術を意味することを意図している。インビトロでの植物細胞の成長中に物理化学的条件により課される淘汰圧により、インビボで培養される植物とは異なり、一年中を通じて入手可能な標準化された植物物質を得ることができる。
【0007】
しかして、本出願人は、少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物を得ることができ、このような抽出物が紫外線を遮蔽する特性を有し、紫外線を遮蔽する薬剤として使用可能な選択品とすることができることを示した。 よって、本発明の第1の主題は、新規な生成物としての、少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物にある。
【0008】
ウスユキソウ属は、1300の属、21000種を越えるキク科に属する。
ウスユキソウ属には約10種が含まれ、レオントポディウム・アルピナム(Leontopodium alpinum:西洋ウスユキソウ)、レオントポディウム・ストラチェイ(Leontopodium stracheyi)、レオントポディウム・ニヴァレ(Leontopodium nivale)、レオントポディウム・パリビニアナム(Leontopodium palibinianum)(又はレオントポディウム・シビリカム(Leontopodium sibiricum))、レオントポディウム・ソウリエイ(Leontopodium souliei)、レオントポディウム・リネアリフォリウム(Leontopodium linearifolium)及びレオントポディウム・グナファリオイデス(Leontopodium gnaphalioides)を挙げることができる。
よって、本発明の少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物は、レオントポディウム・アルピナム(Leontopodium alpinum)、レオントポディウム・ストラチェイ(Leontopodium stracheyi)、レオントポディウム・ニヴァレ(Leontopodium nivale)、レオントポディウム・パリビニアナム(Leontopodium palibinianum)(又はレオントポディウム・シビリカム(Leontopodium sibiricum))、レオントポディウム・ソウリエイ(Leontopodium souliei)、レオントポディウム・リネアリフォリウム(Leontopodium linearifolium)及びレオントポディウム・グナファリオイデス(Leontopodium gnaphalioides)から選択される種に属する少なくとも1つの植物から誘導された脱分化細胞から調製される抽出物である。
本発明において好ましくは、抽出物はレオントポディウム・アルピナム(西洋ウスユキソウ)種又はレオントポディウム・ストラチェイ種に属する植物から誘導された脱分化細胞から調製される。
【0009】
少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物が紫外線の遮蔽特性を有しているといった事実に加えて、脱分化細胞の上述した利点以外の他の利点として、可視光線を吸収することなく、UV線に厳密に限定した光吸収スペクトルを有することを挙げることができる。抽出物を着色させ、特に化粧品への直接の使用を困難にさせる、可視領域の吸収性を有する植物全体で得られた抽出物と比較すると、上述のことは些細な利点というものではない。少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物は、植物全体の抽出物は一般には完全には脱色されない、不十分な結果を得るのに長時間かつ高額なコストがかかることが分かっている脱色工程を何ら施すことなく、直接使用することができる。
【0010】
本明細書では、以後、「ウスユキソウの脱分化細胞」なる用語は、「少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞」と理解すべきものである。同様に、「ウスユキソウの抽出物」なる用語は、「ウスユキソウの脱分化細胞の抽出物」、よって「少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物」として理解すべきものである。
【0011】
少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物は、当業者に知られている任意の抽出方法により調製することができる。
特に、アルコール抽出、中でもエタノール抽出及びメタノール抽出、水性-アルコール抽出又は水性抽出、例えば仏国特許第95-02379号に記載されている調製方法を挙げることができる。
本発明においては、エタノール抽出が好ましく使用される。
抽出物の調製方法が何であろうとも、抽出物はついで任意段階の保管のために凍結乾燥されうる。
本発明で使用可能な抽出物の調製方法の具体例は実施例に示す。
【0012】
太陽光線は、とりわけ320nm〜400nmの波長を有するA型紫外線(UV-A)、280〜320nmの波長を有するB型紫外線(UV-B)、及び200〜280nmの波長を有するC型紫外線(UV-C)からなる。
UV-Bは高エネルギーで比較的非透過性であり、日光の少ない割合を構成するもので、気候的変化(天候、曇り(cloudy)、曇天(overcast)等)に依存し、それらの存在は一日の時間に応じて変化する(ピーク(天頂)の概念)。
UV-AはUV-Bよりエネルギーが低いがより透過し、日光中に多量(最小量で、UV-AはUV-Bより100倍多い)に存在し、比較的気候的変動に依存せず、一日のうち何時でも存在する。
UV-Cは高エネルギーで比較的透過しない。それらは理論的にはオゾン層で止められる。しかしながら、それらは核酸ダメージの原因となる可能性がある。
【0013】
太陽光線は、皮膚に有益な効果、例えば黒化をもたらす原因であるが、皮膚、特に「敏感肌」又は絶えずこれにさらされている皮膚にダメージを誘発する原因でもある。
恩恵の点では、一般的にはサンタン状態と称される黒化は、皮膚の防御システムに必須の要素である。特に、紫外線に対し、表皮上層のメラノサイトがメラニンを合成し、一度ケラチノサイトに取り込まれれば、皮膚の表面に位置する遮蔽物を構成し、該遮蔽物が紫外線を吸収する。この目的は、紫外線が深層に到達し、皮膚に有害なダメージを与えることを防止するために、皮膚層を通過する紫外線の量を低減させることにある。
【0014】
有害な影響の点では、皮膚が紫外線、特に太陽光線に過度にさらされると、皮膚の弾性及びある種の化合物の含有量が変化し、よって皮膚加齢の自然なプロセスの加速が促進されることが知られている。紫外線により加速した、又は時期尚早の加齢プロセスは、一般的に光加齢又は化学線加齢又は皮膚日射病と称されている。
弱い透過性のUV-Bは、主として表皮に到達する。UV-Bの役割はUV-誘発性皮膚癌の誘発において明確に実証されている。それらの主たる発色団は実は核酸、特にデオキシリボ核酸であり、それがダメージ又は変異を誘発する(Eller M.S., 1995, Photodamage, 26-56, Blackwell編)。
【0015】
しかして、それらが成長する標高のために、ウスユキソウ属植物はかなりの紫外線にさらされている。事実、それらが消失するという恐れがあるので、それらは紫外線により誘発されるダメージに対する保護システムを有するべきである。
ここで再度、長期にわたる研究を行った後、本出願人は、上述した少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物が紫外線の遮蔽特性を有していることを発見した。
本発明において、「紫外線を遮蔽する」といった表現は、特にA型及び/又はB型及び/又はC型の紫外線を部分的又は全体的に停止させる力を意味することを意図している。
よって、本発明の第2の主題は、上述した少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする、紫外線を遮蔽する薬剤にある。
【0016】
さらに本出願人は、西洋ウスユキソウ(Leontopodium alpinum)属植物の脱分化細胞から得られた抽出物が、全紫外線スペクトル(UV-A、UV-B及びUV-C)をカバーする吸収スペクトルを有していることを示した。
よって、本発明の第3の主題は、少なくとも1種の西洋ウスユキソウ種の植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする、A型、B型及びC型の紫外線を遮蔽する薬剤にある。
【0017】
また本出願人は、レオントポディウム・ストラチェイ(Leontopodium stracheyi)属植物の脱分化細胞から得られた抽出物が、 B型及びC型の紫外線に相当するスペクトルの一部のみを特異的にカバーする吸収スペクトルを有していることを示した。
よって、本発明の第4の主題は、少なくとも1つのレオントポディウム・ストラチェイ種の植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする、B型及びC型の紫外線を遮蔽する薬剤にある。
【0018】
本発明の第5の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、上述したウスユキソウ属の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物を含有してなる組成物にある。
本発明の第6の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、紫外線を遮蔽するための少なくとも1つの薬剤を含有してなる組成物において、該薬剤が上述した少なくとも1種のウスユキソウ属の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする組成物にある。
本発明の第7の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、A型、B型及びC型の紫外線を遮蔽するための少なくとも1つの薬剤を含有せしめてなる組成物において、該薬剤が少なくとも1種の西洋ウスユキソウ種の植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする組成物にある。
本発明の第7の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、B型及びC型の紫外線を遮蔽するための少なくとも1つの薬剤を含有せしめてなる組成物において、該薬剤が少なくとも1種のレオントポディウム・ストラチェイ種の植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする組成物にある。
【0019】
「生理学的に許容可能な媒体」という表現は、皮膚、粘膜、爪及び毛髪を融和性のある媒体を意味すると理解されるものである。
その形態がどうであれ、本発明の組成物は化粧品用又は皮膚科学的組成物であってよい。
本発明において好ましくは、組成物は化粧品用組成物である。
もちろん、本発明の組成物の形態がどうであれ、組成物に含有される少なくとも1種のウスユキソウ属植物の抽出物の量は所望する効果に依存し、広範囲で変えることができる。
目安を述べると、組成物に含有される少なくとも1種のウスユキソウ属植物の抽出物の量は、組成物の全重量に対して0.001%〜20%の量、好ましくは組成物の全重量に対して1%〜10%の量である。
【0020】
もちろん、本発明の組成物は、上述した少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなる遮蔽剤に加えて、紫外線を遮蔽する薬剤として認識されている少なくとも1つの他の化合物を含有する。
よって、本発明の第8の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物、及び紫外線遮蔽剤として認識されている少なくとも1つの他の化合物を含有せしめてなることを特徴とする遮蔽用組成物にある。
少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物とは、本明細書において上述した抽出物である。
【0021】
紫外線遮蔽剤として認識されている他の化合物は、好ましくは有機遮蔽剤及び/又は無機遮蔽剤から選択される。
挙げることのできる有機遮蔽剤には、特に、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリラート誘導体、p-アミノ安息香酸誘導体、国際公開93/04665号遮蔽に記載されている遮蔽シリコーン及び遮蔽ポリマー、又は欧州特許出願公開第0487404号に記載されている有機遮蔽剤が含まれる。
挙げることのできる無機遮蔽剤には、特に、被覆又は非被覆金属酸化物からなる顔料又はナノ顔料類(一次粒子の平均粒径:一般的に5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、UV線を物理的にブロック(反射及び/又は散乱)することにより作用する、全てそれ自体よく知られている光保護剤である、酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料類をさらに含有してもよい。また、アルミナ及び/又はステアリン酸アルミニウムは常套的なコーティング剤である。このような被覆又は非被覆金属酸化物のナノ顔料類は、特に、欧州特許出願公開第0518772号及び欧州特許出願公開第0518773号に開示されている。
【0022】
挙げることのできるUV-A及び/又はUV-B領域に活性のある付加的な遮蔽剤の例には:
p-アミノ安息香酸、
オキシエチレン化(25モル)されたp-アミノベンゾアート、
p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、
N-オキシプロピレン化されたp-アミノ安息香酸エチル、
p-アミノ安息香酸グリセリル、
ホモメンチルサリチラート、
サリチル酸2-エチルヘキシル、
トリエタノールアミンサリチラート、
サリチル酸4-イソプロピルベンジル、
4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、
4-イソプロピルジベンゾイルメタン、
アントラニル酸メンチル、
2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリラート、
2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリル酸エチル、
2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩類、
3-(4'-トリメチルアンモニオ)ベンジリデンボルナン-2-オン-メチルスルファート、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホナート、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、
2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、
α-(2-オキソボルン-3-イリデン)トルエン-4-スルホン酸及びその塩類、
3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及びその塩類、
3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-ショウノウ、
3-ベンジリデン-d,l-ショウノウ、
ベンゼン-1,4-ジ(3-メチリデン-10-ショウノウスルホン酸)及びその塩類、
ウロカニン酸、
2,4,6-トリス[p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、
2-[(p-(tertブチルアミド)アニリノ]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、
2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)]-2-ヒドロキシフェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、
N-[(2及び4)-[(2-オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドのポリマー、
4,4-ビス(ベンゾイミダゾリルフェニレン)-3,3',5,5'-テトラスルホン酸及びその可溶化塩類、
2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、
マロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン類、
が含まれる。
【0023】
もちろん、本発明の組成物に含有される、紫外線遮蔽剤として認識されている化合物の量は所望する効果に依存し、よって広範囲で変えることができる。
目安を述べると、組成物に含有される少なくとも1種のウスユキソウ属植物の抽出物以外の紫外線を遮蔽するための薬剤の量は、組成物の全重量に対して0.1%〜20%の量、好ましくは組成物の全重量に対して0.5%〜10%の量である。
また、本発明の組成物は、人工的に皮膚をサンタン状態にする、及び/又は黒化するための薬剤(自己サンタン剤)、例えばジヒドロキシアセトン(DHA)をさらに含有してもよい。
【0024】
また、本発明の組成物は、特に、脂肪物質、有機溶媒、増粘剤、柔軟剤、酸化防止剤、乳白剤、安定剤、エモリエント、ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン類、香料、防腐剤、界面活性剤、フィラー、金属イオン封鎖剤、噴霧剤、塩基性又は酸性化剤、染料、又は化粧品、特にエマルションの形態の抗日光組成物の製造に通常使用されている任意の他の成分から選択される従来からの化粧品用アジュバントをさらに含有してもよい。
【0025】
脂肪物質類は、油又はロウ又はそれらの混合物からなるものであってよく、脂肪酸、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル類が含まれる。油は、動物性油、植物性油、鉱物性油及び合成油、特に、流動ワセリン、流動パラフィン、揮発性又は非揮発性のシリコーン油、イソパラフィン類、フッ化及び過フッ化油類から選択することができる。同様に、ロウは、それ自体公知である動物性ロウ、化石ロウ、植物性ロウ、鉱物性ロウ、又は合成ロウから選択することができる。
【0026】
有機溶媒としては低級アルコール類及びポリオール類を挙げることができる。 増粘剤は、特に、架橋したアクリル酸ホモポリマー、変性又は未変性のグアーガム及びセルロース、例えば、ヒドロキシプロピル化グアーガム、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロースから選択することができる。
【0027】
もちろん、当業者であれば、本発明の遮蔽剤の2つの組合せに固有の有利な特性、特に光保護レベルが、考慮される添加において、悪影響を受けないか又は実質的に受けないように留意して、これら任意の付加的な化合物及び/又はそれらの量を選択するであろう。
【0028】
本発明の組成物は、当業者によく知られた技術、特に、水中油型又は油中水型エマルション、又は水性組成物の調製を意図した技術により調製することができる。
この組成物は、特に単一又は複合(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W)エマルション、例えばクリーム、ミルク、ゲル又はクリーム-ゲル、固形組成物又は柔軟なペーストの形態であってよく、エアゾールとして包装されてもよく、またムース又はスプレーの形態であってもよい。
【0029】
エマルションの場合、その水相は、公知の方法[バングハム(Bangham)、スタンディッシュ(Standish)及びワトキンス(Watkins)の、J. Mol. Biol.,13,238(1965)、仏国特許第2315991号及び仏国特許第2416008号]により調製される非イオン性の小胞体分散液を含有してもよい。
【0030】
本発明の化粧品用組成物は、抗日光組成物又はメークアップ用製品のような、紫外線からヒトの表皮又は毛髪を保護するための組成物として使用することができる。
本発明の化粧品用組成物が、UV線からヒトの表皮を保護するため、すなわち抗日光組成物として使用される場合、それは、脂肪物質又は溶媒に分散又は懸濁した形態、非イオン性の小胞体分散液の形態、又はエマルション、好ましくは水中油型エマルションの形態、例えばクリーム又はミルク、又は膏薬、ゲル、クリームゲル、棒状体、柔軟なペースト、エアゾールムース又はスプレーの形態であってよい。
【0031】
本発明の化粧品用組成物が、毛髪の保護用に使用される場合、それは、シャンプー、ローション、ゲル、エマルション又は非イオン性の小胞体分散液の形態であってよく、また、例えばシャンプーの前又は後、染色又は脱色の前又は後、パーマネントウエーブ又は毛髪のストレート化の前、処理中又は後に適用されてすすがれる組成物、スタイリング又はトリートメント用のローションもしくはゲル、ブロー乾燥又は毛髪のセット用のローション又はゲル、パーマネントウエーブ、毛髪のストレート化、染色又は脱色用の組成物を構成することもできる。
【0032】
組成物が、まつげ、眉毛又は皮膚のメークアップ用製品、例えば、表皮のトリートメントクリーム、ファンデーション、棒状口紅、アイシャドウ、フェイスパウダー、マスカラ又はアイライナーとして使用される場合、それは、無水又は水性、固体状又はペースト状の形態、例えば、水中油型又は油中水型のエマルション、非イオン性の小胞体分散液又は懸濁液であってよい。
【0033】
目安を示すと、水中油型エマルション型の支持体を有する本発明の抗日光組成物において、水相(特に親水性の遮蔽剤を含有する)は、組成物の全重量に対して一般的に50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%、油相(特に親油性の遮蔽剤を含有する)は、組成物の全重量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、(共)乳化剤(類)は、組成物の全重量に対して0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0034】
本発明の第9の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、上述した少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物を含有せしめてなる組成物において又は該組成物の調製に使用され、該抽出物又は組成物が紫外線を遮蔽することを意図したものである、該抽出物の使用にある。
本発明の第10の主題は、生理学的に許容可能な媒体における、上述した遮蔽剤の、紫外線を遮蔽することを意図した組成物又は該組成物の調製における使用にある。
好ましくは、これらの組成物は、紫外線、特に太陽光線から皮膚及び/又は毛髪を保護するために使用される。
本発明の主題は、上述した化粧品用組成物を有効量、皮膚又は毛髪に適用することからなる、紫外線の影響からそれらを保護することを意図した皮膚又は毛髪の美容処理方法にある。
【0035】
次の実施例及び組成物は、本発明を例証するものであって、何ら限定するものではない。組成物において示した割合は重量によるパーセンテージである。
実施例1:レオントポディウム・ストラチェイの脱分化細胞の調製
レオントポディウム・ストラチェイの葉を取り除き、室温において数分間、次亜塩素酸カルシウム又は次亜塩素酸ナトリウムの飽和溶液で除洗する。組織を滅菌蒸留水ですすぎ、20%に希釈したエタノール溶液に配した。除洗の終わりに、滅菌蒸留水で3回洗浄した。葉を層流フードの下で滅菌的に切断し、ムラシゲ&スクーグ栄養寒天培地の入ったペトリ皿に置いた。リットル当たりのその組成は次の通りである:
スクーグ多量要素 100.0ml
スクーグ微量要素 1.0ml
スクーグビタミン類 2.0ml
鉄EDTA 10.0ml
10−4Mの2,4-D* 10.0ml
10−4Mのキネチン 0.6ml
スクロース 30.0g
寒天 8.0g
蒸留水 1リットルにする量
滅菌前のpH pH5.8以上
*:10−4Mの2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(すなわち10−4Mの2,4-D)
【0036】
リットル当たりのスクーグ多量要素の組成:
NKO3 1900mg
NH4NO3 1650mg
MgSO4・7H2O 370mg
CaCl2・2H2O 440mg
KH2PO4 170mg
リットル当たりのスクーグ多量要素の組成:
CuSO4・5H2O 0.025mg
MnSO4・1H2O 16.900mg
KI 0.830mg
Na2MoO4・2H2O 0.250mg
ZnSO4・7H2O 10.600mg
H3BO3 6.200mg
CoCl2・6H2O 0.025mg
リットル当たりのスクーグビタミン類の組成:
ミオイノシトール 100.0mg
ニコチン酸 0.5mg
ピリドキシン 0.5mg
チアミン 0.1mg
FeSO4・7H2O 27.8mg
Na2EDTA 37.3mg
【0037】
最初のカルスは2〜5週の間に出現する。二次培養中、細胞は安定し(外観、色等)、フェメンター(fementer)において同様の液体培養培地(寒天なし)に移す:
液体培地で得られた細胞を、細胞凝集物の大きさに応じて50〜100μmゴーズの濾過により回収する。
これらの細胞を、細胞破壊を可能にする大きな細胞内結晶の形成が促進されるように、−20℃に配してゆっくりを凍結する。
【0038】
実施例2:西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム:Leontopodium alpinum)の脱分化細胞の調製:
西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)の脱分化細胞を、実施例1で使用したものと同様のプロトコールに従い、西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)の葉から得た。
【0039】
実施例3:エタノール抽出物の調製:
抽出物A:新鮮重が1.85gである凍結した西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)の葉を18.5mlのエタノール中で粉砕した(粉砕機、ポーター等);
抽出物B:新鮮重が2.2gである凍結した西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)のカルスを22mlのエタノール中で粉砕した(粉砕機、ポーター等);
抽出物C:新鮮重が2.2gである凍結したレオントポディウム・ストラチェイのカルスを22mlのエタノール中で粉砕した(粉砕機、ポーター等)。
【0040】
懸濁液中の凝集物を除去するために、各抽出物をプラット・デュマス(Prat Dumas)No.5濾紙で濾過する。
各抽出物を真空下で乾燥させ(50mbar/50℃)、4.4mlのエタノール(西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)のカルス及びレオントポディウム・ストラチェイのカルス)、又は西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)の葉は3.7mlのエタノール、すなわち植物物質の約2倍の量のエタノールに溶解する。この操作により、とりわけ新鮮な細胞により導入された水相に抽出された多糖類を除去することができる。
植物全体の抽出物は、カルスから得られた細胞抽出物の場合にはない、鮮やかなピュアグリーンである。この特徴は、植物全体の抽出物のその化粧品的な使用における障害となる。さらにクロロフィルの除去は、工業的レベルにおいては複雑な操作である。
【0041】
実施例4:実施例3の抽出物の、可視及び紫外線領域における吸収能力の測定:
得られた抽出物を、エタノールに対し、パーキン・エルマー・ラムダ(Perkin Elmer Lambda )2分光光度系、石英キュベットで、可視及び紫外線領域の吸収能力を評価する。
西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)の葉の抽出物(抽出物A、Fig1)は、良好な連続性を有し、200〜400nm(370〜400nm以外)でUV-A、-B及び-Cの吸収スペクトルを示したことを記しておく。
また、強い吸収が400〜480nmで見られ、570nmを越えると弱い吸収であった。可視領域におけるこの吸収は、このような抽出物の工業的な使用には不利である。
西洋ウスユキソウ(レオントポディウム・アルピナム)の脱分化細胞の抽出物(抽出物B、Fig2)の吸収スペクトルは、約360nmまでのUV-A、UV-B及びUV-Cをカバーしている。
レオントポディウム・ストラチェイの脱分化細胞の抽出物(抽出物C、Fig3)の吸収スペクトルは、UV-B及び-Cのみをカバーしている。
よって、ウスユキソウ属植物の脱分化細胞のエタノール抽出物は紫外線を吸収する能力を示し、400〜480nmの吸収、570nmを越えての吸収を示さず、工業的使用、特に化粧品工業における、紫外線を遮蔽するための薬剤として良好な候補となる。
【0042】
実施例5:本発明を例証する組成物の具体例。これらの組成物は種々の成分を単に混合することにより得られた。量は組成物の全重量に対するパーセンテージで示す。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】 西洋ウスユキソウ属植物を使用し、植物全体から作製された、本発明の抽出物による、紫外線吸収スペクトルを示す。
【図2】 西洋ウスユキソウ属植物を使用し、脱分化細胞から作製された、本発明の抽出物による、紫外線吸収スペクトルを示す。
【図3】 レオントポディウム・ストラチェイ属植物を使用し、脱分化細胞から作製された、本発明の抽出物による、紫外線吸収スペクトルを示す。
Claims (18)
- 少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とする紫外線を遮蔽するための薬剤。
- 脱分化細胞が、レオントポディウム・アルピナム(Leontopodium alpinum)、レオントポディウム・ストラチェイ(Leontopodium stracheyi)、レオントポディウム・ニヴァレ(Leontopodium nivale)、レオントポディウム・パリビニアナム(Leontopodium palibinianum)(又はレオントポディウム・シビリカム(Leontopodium sibiricum))、レオントポディウム・ソウリエイ(Leontopodium souliei)、レオントポディウム・リネアリフォリウム(Leontopodium linearifolium)及びレオントポディウム・グナファリオイデス(Leontopodium gnaphalioides)種から選択される植物種由来の細胞であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤。
- 脱分化細胞がレオントポディウム・アルピナム(Leontopodium alpinum)及びレオントポディウム・ストラチェイ(Leontopodium stracheyi)種から選択される植物種由来の細胞であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤。
- アルコール抽出物、又は水性-アルコール抽出物、又は水性抽出物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の薬剤。
- アルコール抽出物がエタノール又はメタノール抽出物であることを特徴とする請求項4に記載の薬剤。
- アルコール抽出物がエタノール抽出物であることを特徴とする請求項4又は5に記載の薬剤。
- 少なくとも1種のレオントポディウム・アルピナム(Leontopodium alpinum)種植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とするA型、B型及びC型の紫外線を遮蔽するための薬剤。
- 少なくとも1つのレオントポディウム・ストラチェイ(Leontopodium stracheyi)種植物の脱分化細胞の少なくとも1つの抽出物からなることを特徴とするB型及びC型の紫外線を遮蔽するための薬剤。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の紫外線を遮蔽するための薬剤を生理学的に許容可能な媒体に含有してなる、紫外線を遮蔽するための組成物。
- 紫外線遮蔽剤として公知の少なくとも1つの他の化合物をさらに含有してなることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
- 紫外線遮蔽剤が、有機遮蔽剤及び/又は無機遮蔽剤から選択されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
- 少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物以外の紫外線遮蔽剤の量が、組成物の全重量に対して0.1%〜20%の量であることを特徴とする請求項10又は11に記載の組成物。
- 少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の紫外線を遮蔽するための薬剤の量が、組成物の全重量に対して0.5%〜10%の量であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
- 組成物に含有される少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物の量が、組成物の全重量に対して0.001%〜10%の量であることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物に含有される少なくとも1種のウスユキソウ属植物の脱分化細胞の抽出物の量が、組成物の全重量に対して0.1%〜5%の量であることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
- 化粧品用途を意図したものであることを特徴とする請求項9ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
- 紫外線から皮膚及び/又は毛髪を保護するための、請求項16に記載の組成物。
- 請求項17に記載の組成物を有効量、皮膚及び/又は毛髪に適用することからなる、紫外線の影響から皮膚及び/又は毛髪を保護することを意図した、皮膚及び/又は毛髪の美容処理方法。
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