JP3717295B2 - 麺移載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、室で熟成させた麺を麺延伸装置に自動的に掛け込む麺移載装置に関し、特に、麺延伸装置への掛け込みの前に麺を所定の長さに延伸できるようにした麺移載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば素麺の製造工程では、原料粉を捏ねて生地を造り、この生地を例えば直径5cm程度の太い紐状に形成し、更に1cm程度の太さの紐状に練り伸ばして1対の管に8字状に多数回巻き掛けてから熟成させ、この後、1対の管のうちの一方を上管として上管受けに支持させ、他方を下管として上管受けの下方に配置された下管受けに支持させて、上下両管受けの間隔を段階的に拡大することにより麺を延伸している。
【0003】
熟成が終わる前の麺は延伸すると切れてしまうので、熟成時には、1対の管を例えば前後方向に並べて室(むろ)に設けた管受け枠に支持させ、両管の間に麺が垂れ下がるようにして、麺に自重以外の荷重が掛からないようにしている。
【0004】
熟成が終了すると、両管を管受けから手作業で掛け外し、次段の処理装置、即ち、麺延伸装置に手作業で掛け込んでいる。
麺延伸装置には、上管が掛け込まれる上管取り枠と、上管取り枠に上管及び麺を介して懸垂支持された下管を押し下げる下管取り枠と、これらの間隔を拡縮する拡縮手段が設けられ、必要に応じ、上管取り枠に上管を搬入する搬入コンベアが設けられ、熟成させた麺は順にその上管を麺延伸装置の搬入コンベアあるいは上管取り枠に掛け込まれる。
【0005】
ところで、一般に、室には例えば前後方向に延びる管受け枠が上下に5〜7段に、かつ、前後対をなして設けられ、前後対をなす管受け枠にはそれぞれ40〜80の麺が掛け込まれる。又、麺延伸装置に掛け替える作業は作業員が入れ替わり立ち替わり室の中に入ることができないので、1回に1組の上下両管とこれらに巻き掛けられた麺を掛け替えることができるに過ぎない。従って、上述のように室に掛けられた多量の麺を麺延伸装置に移載する作業は非常に多くの労力と時間とを必要とする。
【0006】
このため、この室から麺延伸装置への麺の掛け替え作業を機械化することが切望されているのであるが、この作業は微妙で複雑なために手作業でもかなりの熟練を要する作業であり、この作業の勘所として次のような問題がある。
【0007】
即ち、前後に並べて支持されている上管と下管とをそのまま麺延伸装置に搬入することができず、その中の上管だけを選別して麺延伸装置の搬入コンベアあるいは上管取り枠に掛け込む必要があるという問題、上管に巻き掛けられた麺に急激に下管の重量が作用すると麺が千切れることを防止するため、麺に自重以外の重量が作用しないように室の管受け枠から上管と下管とを取り上げる必要があるという問題、室から麺延伸装置に掛け込むまでに麺が密着することを防止するために上管と下管との間に適当な間隔を保持しなければならないという問題などがある。
【0008】
しかしながら、これらの勘所となる問題を有効に、かつ、一挙に解決することは非常に困難であると考えられ、この室から麺延伸装置への麺の掛け替え作業を処理する麺移載装置(以下、先願発明という。)を本発明者が提案するまではこの種の機械装置は全く提案されていなかったのである。
【0009】
この先願発明に係る麺移載装置は、室から麺延伸装置への麺の掛け替え作業を処理する機械装置を提供するという目的を達成するため、まず、室1内に前後に並べて掛け込んだ上下両管A,Bをその前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げた後、室1から引き出す掛け外し機構2を備えている。
【0010】
この掛け外し機構2によれば、麺Cが巻き掛けられた上下両管A,Bを室1の中で所定の前後間隔を置いて支持する管受手段11から、その前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げられるので、麺Cに自重以外の重量を作用させずに上下両管A,Bを取り上げることができる。
【0011】
又、麺Cが巻き掛けられた上下両管A,Bがその前後関係及び上下関係を維持したまま室1の外に引き出されるので、管受手段11から上下両管A,Bを掛け外して室1外に引き出す際に麺Cどうしが密着するおそれはない。
【0012】
更に、先願発明に係る麺移載装置は、室1から引き出された上下両管A,Bのうち、掛け外し機構2に高く支持させた上管Aを掛け外し機構2から受け取り、この後、掛け外し機構2を下降させて前記上管Aに麺Cを介して下管Bを懸垂支持させてから、上管Aを麺延伸装置4の搬入コンベア41に掛け込む掛け込み機構3を備える。
【0013】
この掛け込み機構3によれば、掛け外し機構2から上管Aのみを受け取り、この上管Aに麺Cを介して下管Bを懸垂支持させるので、前後に並べて支持されている上下両管A,Bの中の上管Aだけを選別して麺延伸装置4に掛け込むことができるようになる。
【0014】
又、この掛け込み機構によれば、上管Aを掛け外し機構2から受け取った後に掛け外し機構2を下降させることにより上管Aに麺Cを介して下管Bを懸垂支持させるので、下管Bが麺Cを介して上管Aに懸垂支持されるまでは麺Cに自重以外の力が作用せず、上管Aに巻き掛けられた麺Cに急激に下管Bの重量が作用して麺Cが千切れることを防止できる上、麺Cどうしを密着させることなく、麺C及び下管Bを上管Aに懸垂支持させることができる。
【0015】
ところで、この先願に係る麺移載装置によれば、室1から麺延伸装置4に麺Cを移載する間に、麺Cには麺Cと下管Bとの自重以外の荷重がかからないので、麺Cが延伸されることはなく、後続の麺延伸装置4のみにおいて麺Cが所定の長さに延伸されることになっている。
【0016】
しかしながら、未延伸の麺Cを一挙に所定の長さまで延伸すると、麺Cの張力が麺Cの粘りを越えて一挙に大きくなり、麺が切断してしまう。この麺の切断を防止するために、従来では麺延伸装置4においては麺Cを数段階にわたって段階的に延伸するか、長時間をかけて連続的に延伸するかしている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このように、麺延伸装置4における麺Cの延伸を段階的に行うことや、連続延伸に時間をかけることは、明らかに、製麺工程全体の工程時間を短縮する上で不利になる。
【0018】
しかし、この麺延伸装置4における麺Cの延伸の段階を減らしたり、連続延伸の時間を短縮することは麺Cの切断を防止するために限界がある。
一方、室1から出された麺Cは延伸可能な程度に熟成されているにもかかわらず、麺移載装置においては全く延伸されないので、この麺移載装置により麺Cを室1から麺延伸装置4に移載する間の時間は麺Cの延伸を行う工程時間という観点からは利用可能であるにかかわらず利用されないロスタイムとなっている。
【0019】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、室1から麺延伸装置4への麺Cの移載の間に麺Cをある程度延伸でき、もって、延伸工程における麺Cの切断を防止すると同時に、製麺工程全体の工程時間の短縮を図ることができる麺移載装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、室1内に前後に並べて掛け込んだ上下両管A、Bをその前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げた後、室1から引き出す掛け外し機構2と、室1から引き出された上下両管A、Bのうち、掛け外し機構2に高く支持させた上管Aを掛け外し機構2から受け取り、この後、前記掛け外し機構2を下降させて前記上管Aに麺Cを介して下管Bを懸垂支持させてから、上管Aを麺延伸装置4に掛け込む掛け込み機構3とを備える麺移載装置において、以下のような技術的手段を採用する。
【0021】
即ち、前記掛け外し機構2は、上向きのくし歯状に形成された管取り枠21と、この管取り枠21を室1の内外にわたって往復させる進退機構22と、前記管取り枠21を上下に往復させる昇降機構23とを備え、前記管取り枠21は各くし歯の上端に形成された上管受部21aと各くし歯の間の溝底に形成された下管受部21bと、各下管受部21bに支持された下管Bの上方に出没する管押さえ27と、この管押さえ27を駆動する管押さえ駆動手段28とを備え、前記管取り枠21を下降させる際に前記管押さえ27を下管Bの上方に進出させて下管Bを上側から受け止め、下管Bを前記管取り枠21とともに下降させることにより麺Cを延伸する、という手段を講じている。
【0022】
これにより、室1から麺延伸装置4に麺Cを自動的に移載する間に、その移載の工程時間を延長することなく麺Cを所定の長さに延伸することができ、その結果、麺延伸装置4において麺Cを延伸する際に麺が切断することを防止できると共に、麺延伸装置4における延伸の段階数や連続延伸の時間を削減して、製麺工程全体の工程時間を短縮することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。
図2の側面図に示すように、本発明の一実施例に係る麺移載装置は、室1内に設けた管受手段11に前後に並べて掛け込んだ上下両管A,Bをその前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げた後、室1から引き出す掛け外し機構2と、室1から引き出された上下両管A,Bのうち、掛け外し機構2に高く支持させた上管Aを掛け外し機構2から受け取り、この後、この上管Aに麺Cを介して下管Bを懸垂支持させてから上管A、下管B及びこれらに巻き掛けられた麺Cを麺延伸装置4に掛け込む掛け込み機構3とを備えている。
【0024】
前記管受手段11は室1内の左右両側部に上下多段(ここでは7段)に設けられ、互いに同期運転されるチェーンコンベアで構成されている。各管受手段11を同期させる方法は特に限定されず、例えば各管受手段11にそれぞれモータを設け、これらモータを電気的に同期制御する方法を採ることも可能であるが、この実施例では、図3の側面図に示すように、1台のモータ14に同期伝動機構13を介して各管受手段11のコンベアチェーン11cを連動連結させることにより機械的に同期させている。
【0025】
即ち、室1のフレーム12の前後にはそれぞれ左右に適当な間隔を置いて隅柱12aが立設され、各隅柱12aに上下方向に適当な間隔を置いて各管受手段11の端部回転軸11aが回転自在に支持される。
【0026】
後側(図3上、右側)の隅柱12aに支持させた各端部回転軸11aの外端部には前記同期伝動機構13のファイナルスプロケット13aが固定され、各隅柱12aのすべてのファイナルスプロケット13aにわたってファイナルチェーン13bが巻き掛けられる。又、各ファイナルスプロケット13aとファイナルチェーン13bとの噛み合いを確実にするために、各隅柱12aにはファイナルチェーン13bを案内する多数のアイドラ13c(スプロケットでもよい。)と、ドライブスプロケット13dをそれぞれ回転自在に支持させている。
【0027】
これにより、後側の隅柱12aに支持させた各回転軸11aが互いに機械的に同期することになるが、この実施例では、更に、前側の隅柱12aに支持させた各回転軸11aどうしも同様にして互いに同期させている。
【0028】
後側の隅柱12aに支持された端部回転軸11aの後方に配置された左右1対の前記ドライブスプロケット13dは共通の同期伝動軸13eの前後両端部に固定され、この同期伝動軸13eをイニシャルチェーン13fを介して1台のモータ14に連動させることにより、前後左右の全ての端部軸11aが前記モータ14に同期することになる。
【0029】
図8の側面図に示すように、前記管受手段11は、各端部回転軸11aの両端部に固定されたスプロケット11bと前後に対をなすスプロケット11bに巻き掛けられたコンベアチェーン11cを備え、コンベアチェ−ン11cには適当な間隔を置いて外向きに突出するラグ11dが設けられる。そして、このコンベアチェーン11cの上周部の1つのラグ11dの両側に、麺Cを巻き掛けた1対の上管Aと下管Bとが手作業で掛け込まれ、この上下両管A,Bの両外側のラグ11dの更に両外側に別の麺Cを巻き掛けた下管B又は上管Aが掛け込まれる。
【0030】
なお、コンベアチェーン11cの上周部は上管A、下管B及び麺Cの重量及びこのコンベアチェーン11cの自重によって下方に湾曲しないように、図示しないチェーンガイドで下側から受け止められている。
【0031】
この室1によれば、前面で各段の管受手段11に上から下、あるいは下から上に順に、麺Cが巻き掛けられた上管両管A,Bを前後に並べて乗せ、フレームの前面に設けたインチング操作ボタン15(図2に示す。)を押すことにより前記モータ13を作動させて管受手段11をその上周部が前から後に進む方向に適当なピッチだけ回動させ、この後、同じようにして各段の管受手段11に上から下、あるいは下から上に順に、麺Cが巻き掛けられた上管A及び下管を前後に並べて乗せ、管受手段11を所定のピッチだけ回動させるというように、上管両管A,B及び麺Cの掛け込みと、管受手段11のインチング操作という手順を繰り返すことにより多量の麺Cを能率良く掛け込むことができる。
【0032】
前記掛け外し機構2は、例えば図1に示すように、左右1対の管取り枠21と、これを支持するフレーム24とを備える。このフレーム24はガイドバー25が付設され、このフレーム24及びガイドバー25を案内にして昇降可能に設けられた昇降枠26に各管取り枠21が前後方向に進退可能に支持させてある。
【0033】
前記管取り枠21は、図4及び図5に模式的に示し、又、図1、図6ないし図12に具体的に示すように、上向きのくし歯状に形成され、各くし歯の上端に形成され、上管Aを下側から受け止める上管受部21aと、各くし歯の間の溝底に形成され、この上管受部21aから前後方向に前記管掛け枠11に支持させた上下両管A,Bと同じ間隔だけ後方に離れて上管受部21aよりも低い位置で下管Bを下側から受け止める下管受部21bとを有している。
【0034】
この上管受部21a及び下管受部21bの数は特に限定されず、例えば麺延伸装置4の処理能力、室1、麺移載装置及び麺延伸装置4の設置スペースなどを考慮して設定すればよく、この実施例では、例えば図1に示すように、8つの上管受部21a及び下管受部21bが形成されている。
【0035】
又、これらの上管受部211a及び下管受部21bは上管A及び下管Bを位置決めして支持できるようにU字溝形(V字溝形でもよい。)に形成される。
前記掛け外し機構2は、管取り枠21、フレーム24、ガイドバー25及び昇降枠26の他に、各管取り枠21を室1の内外にわたって往復させる左右1対の進退機構22と、各管取り枠21を昇降させる昇降機構23とを備えている。
【0036】
前記各進退機構22は、対応する管取り枠21を室1の内外にわたって往復させるように構成してあればよく、例えば油圧、空気圧あるいは電動のシリンダ、スクリュー及びナット、ラック及びピニオン、チェーンなど任意の公知の直線往復駆動機構や、ピン・レバーなどの往復揺動駆動機構を用いればよい。
【0037】
この実施例では、例えば図1に示すように、前記進退機構22は、前記管取り枠21に固定したラック22aと、前記ガイドバー25に昇降摺動可能に、かつ、回転自在に支持させたピニオン22bと、前記昇降枠26に支持され、前記ピニオン22bを駆動するモータ22cとよって構成される。
【0038】
左右の両管取り枠21は、同期して移動させることが必要であり、例えばこれらを連結枠で連結して機械的に同期させることも可能であるが、この場合には、上、下両管A、B及びこれに巻き掛けた麺線C、並びに室1の管受手段11と連結枠とが干渉しないように連結枠の形状を設計する必要がある。又、この連結枠の移動空間を確保するために、室1の管受手段11の上下間隔を大きくする必要があるので、室1の麺収納容量が小さくなるという問題もある。
【0039】
この実施例では、連結枠の形状設計の煩雑さや、室1の麺収納容量の減少を避けるために、連結枠を用いずに、左右の進退機構22のモータ22cを電気的に同期させることにより、両管取り枠21が同期して進退するようにしている。
【0040】
前記昇降機構23は、対応する管取り枠21及びこれを支持する昇降枠26を所定の範囲にわたって上下に同期して往復させるように構成してあればよく、例えば油圧、空気圧あるいは電動のシリンダ、スクリュー及びナット、ラック及びピニオン、チェーン、ワイヤー、ピン・レバー機構、スライダー・クランク機構などを用いればよい。
【0041】
この実施例では、例えば図2に示すように、フレーム24の上下に左右軸の回りに回転自在に支持させた左右各1対のスプロケット23a,23bと、これら上下対をなすスプロケット23a,23bに巻き掛けられ、前記昇降枠26に連結された各チェーン23cと、上側のスプロケット23bに連動連結されたモータ23dとで構成され、左右のチェーン23cの同期は上側のスプロケット23bを同期伝動軸23eで機械的に連動させることにより得られている。
【0042】
前記掛け外し機構2には、先端がその摺動方向の一方に鉤状に曲げられた、下管受部21bと同数の歯を備え、各歯の鉤先が各下管受部21に支持された下管Bの上方に出没するように各管取り枠21に前後方向に摺動可能に支持される管押さえ27と、この管押さえ27を往復駆動する、例えばソレノイドからなる管押さえ駆動手段28とが設けられる。
【0043】
次にこの掛け外し機構2が上下両管A、B及び麺Cを室1から取り出す掛け外し動作の動作プログラムを図面に基づき具体的に説明する。
前記管取り枠21は、初期状態では、麺Cを巻き掛けた上下両管A,Bの室1内への掛け込みを妨げないようにするため、図1、図3(a)及び図5に示すように、室1の後外側に位置させてあり、又、ここでは、最上段の管掛け枠11からの上下両管A,Bの掛け外しに備えて、最上段の管掛け枠11に支持された上下両管A,Bよりも低く位置させてある。
【0044】
この状態で、前記掛け外し機構2を始動すると、先ず、進退機構22が作動して、図4(b)及び図6の実線で示すように、上管受部21aが上管Aの真下に、下管受部21bが下管Bの真下にそれぞれ位置する位置まで、管取り枠21を室1内に進入させる。
【0045】
前記昇降枠26には、管取り枠21の位置を検出するために、例えばホトインタラプタからなる進退センサS1が設けられ、管取り枠21が前記の位置まで室1内に進入すると、管取り枠21の後端に設けた進入端インタラプタP1がこの進退センサS1を駆動し、前記進退機構22を停止させると共に、前記昇降機構23を作動させる。
【0046】
昇降機構23の作動により、図4(c)、図6の仮想線及び図7の実線で示すように、下管受部21bが下管Bを管掛け枠11の上側の所定の高さに持ち上げるまで管取り枠21を上昇させる。これにより、管掛け枠11に前後に並べて掛け込んだ上下両管A,Bが、管取り枠21によって、その前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げられることになる。
【0047】
管取り枠21がこの高さまで上昇すると、前記昇降枠26に支持させた、例えばホトインタラプタからなる昇降センサS2がフレーム24に固定した上昇インタラプタP2によって駆動され、前記昇降機構23の作動が停止されると共に、前記進退機構22の逆作動が開始される。
【0048】
この進退機構22の逆作動により、管取り枠21が室1外まで退行し、上下両管A,B及びこれらに巻き掛けられた麺Cが室1から引き出される。
次に、前記掛け込み機構3は、図7に示すように、上管受け31を所定の間隔を置いて連鎖させた左右1対のチェーン32と、両チェーン32の下周部が前後方向に位置するように両チェーン32が巻き掛けられる前後対をなすスプロケット33と、両チェーン32を同期伝動機構34を介して同期駆動するモータ35とを備える。
【0049】
前記上管受け31の前後間隔は管取り枠21に支持された上管A又は下管Bの前後間隔と同じにしてあり、各上管受け31の間には少なくとも上管Aの直径よりも幅が大きい間隙が形成される。又、各上管受け31はチェーン32の外側に突出させてあり、その先端部にははチェーン32の下周部に位置するときに上側が開かれる逆ハ字形(V字形、U字形あるいはJ字形でもよい。)に形成された小片31a(図1参照)が設けられる。
【0050】
前記掛け外し機構2からこの掛け込み機構3への上下両管A、B及び麺Cの移載は、以下のようにして行われる。
即ち、前記進退機構22の逆作動により、図5(a)に、又、図7に仮想線で、図8に実線で示すように、管取り枠21がこれに支持した上管Aが上管受け31の間の間隙の下方に位置する位置まで退出すると、進退センサS1が管取り枠21に設けた後退端インタラプタP4によって駆動され、進退機構22が停止されると共に、昇降機構23が更に作動する。
【0051】
この昇降機構23の作動により、図5(b)に、又、図8に仮想線で、図9に実線で示すように、管取り枠21が、上管Aが高く、下管Bが上管受け31よりも低くなるまで上昇すると、フレーム24に設けた上限インタラプタP3により昇降センサS2が駆動され、昇降機構23が停止される。
【0052】
この昇降機構23の停止と同時に、両チェーン32をその下周部が後方に移動するように回動させ、図9に仮想線で示すように、各上管Aの真下に各上管受け31の小片31aを移動させる。
【0053】
この後、前記昇降機構23が逆作動され、これにより、管取り枠21が下降して、図5(c)に、又、図10に示すように、上管Aが管取り枠21の上管受部21aから上管受け31に乗せ替えられる。
【0054】
一方、この昇降機構23の逆作動の開始と同時に管押さえ駆動手段28を作動させ、管押さえ27の鉤先を各下管Bの上側に進出させ、この管押さえ27の鉤先で各下管Bを上側から受け止めることにより、管取り枠21の下降と共に下管Bを下降させる。
【0055】
図5(d)及び図11に示すように、管取り枠21が下降するに連れて、上下両管A、Bの間隔が拡大され、麺Cが上下両管A、B間で緊張される。
管取り枠21が更に下降して、昇降センサS2が原点インタラプタP0により駆動されると、管押さえ駆動手段28の作動が停止され、管押さえ27の鉤先が各下管Bの上側から退出し、これよも管取り枠21が下降し続けると下管Bが下管受部21bから浮上する。即ち、麺Cは昇降センサS2が原点インタラプタP0を通過するまで延伸されることになる。
【0056】
ところで、前記昇降枠26には管受手段11の最後部の管を検出する管検出センサS3が設けてあり、昇降枠26及び管取り枠21が上限の位置から下降する間に、昇降枠26に支持させた管検出センサS3が上から2段目の管受手段11に支持された最後部の管を検出し、更にこの後にフレーム24に固定した第2段インタラプタP6が昇降センサS2を駆動すると昇降機構23の逆作動が停止される。
【0057】
管取り枠21がこの位置まで下降すると、下管Bは管取り枠2よりも高く位置して、麺Cを介して上管Aに懸垂支持される。
昇降機構23の逆作動を停止させるタイミングは、特に限定されないが、この実施例では、前記第2段インタラプタP6を上昇インタラプタP2から管受手段11の上下ピッチ分低く位置させて、第2段インタラプタP6が昇降センサS2を駆動し、管取り枠21が上から2段目の管受手段11の下側に進入する高さで昇降機構23が停止され同時に進退機構22を作動させるようにしいる。これにより、昇降機構23の停止と同時に次の段、即ち、この場合には上から2段目の管受手段11からの麺Cの取り出し作業が開始されるので、作業時間を短縮することがてきる。
【0058】
そして、最上位の管受手段11からの麺Cの取り出し作業と同様の手順で上から2段目の麺Cの取り出しが行われ、これと並行して最上位の管受手段11から掛け込み機構3に乗せ替えられた麺Cが次のようにして麺延伸装置4の搬入手段41に掛け込まれる。
【0059】
即ち、上管受け31に支持された上管Aに下管Bが麺Cを介して懸垂支持され、昇降センサS2が第2段インタラプタP6を検出すると(或いは管検出センサS3が上から2段目の管受手段11に支持された管を検出すると)、駆動機構34がチェーン32をその下周部が後方に移動するように駆動する。各上管受け31は、麺延伸装置4の搬入コンベア41の始端部の上方で180°反転し、この反転によって上管Aが上管受け31から搬入コンベア41に落下することにより、順に上管Aが麺延伸装置4に乗せ替えられ、図12に示すように麺Cの麺延伸装置4への掛け込みが終了する。
【0060】
なお、この実施例では、搬入コンベア41は管受手段11と同様のラグ付きコンベアチェーンを有し、隣合うラグの間に1本の上管Aが落下するようにチェーン32の搬送速度と搬入コンベア41の搬送速度とを調和させるために、搬入コンベア41を前記同期伝動機構34を介してモータ35で駆動している。
【0061】
もっとも、上管受け31から搬入コンベア41の始端部への上管Aの乗せ替えは、前述したように上管受け31からの上管Aの落下によることは必要ではなく、例えば搬入コンベア41の搬送ラインを掛け込み機構31の搬送ラインよりも高く位置させると共に掛け込み機構31の搬送先端部に搬入コンベア41の搬送元端部を重複させることにより、搬入コンベア41で上管Aを上管受け31から持ち上げるようにしたり、又、周囲部に所定の間隔を置いて上管Aが嵌まり込む溝を形成した回転板によって上管受け31から上管Aを持ち上げ、この回転板から上管Aを搬入コンベア41に乗せ替えるようにしたりしてもよい。
【0062】
ところで、既に2段目の管受手段11の後端側の所定数の上下両管A,B及びこれらに巻き掛けられた麺Cが既に掛け込み機構3に乗せ替えられた後であれば、上限位置から昇降枠26及び管取り枠21が下降する時に、前記管検出センサS3が第2段の管受手段11の最後部の管を検出することはない。
【0063】
この場合には、この直後の昇降センサS2による第2段インタラプタP6の検出が無効とされ、昇降センサS3が第2段インタラプタP6を検出する高さから更に下方に昇降枠26の下降が続けられる。そして、上から3段目以下で、管検出センサS3が上から3段目以下の管受手段11の最後端の管を検出し、この直後に昇降センサS2が第3段ないし第7段のインタラプタP7〜P11を検出した時に昇降枠26が停止され、その段の麺Cの取り出しが開始される。
【0064】
第7段までのすべての段の麺Cが取り出され、管取り枠21から掛け込み機構3に乗せ替えられた後に、管取り枠21及び昇降枠26が第7段の麺Cを取り出す高さ、即ち、下限位置まで下降し、昇降センサS2が第7段インタラプタP11を検出すると、昇降機構23の作動方向が反転され、昇降センサS2が初期高さインタラプタP0を検出すると、昇降枠26及び管取り枠21の上昇が停止され、初期位置に戻ることになる。
【0065】
昇降枠26及び管取り枠21が下限位置から初期状態に復帰する間に、室1の各管受手段11が駆動され、この後、最後端の管が所定の位置に位置すると各管受手段11が停止され、同時に、麺移載装置の初期状態以後の動作が繰り返され、この繰り返しの結果室1内の上下両上管A,B及びこれらに巻き掛けられた麺Cが全て取り出された後、管取り枠21及び昇降枠26が初期状態に戻ると、麺移載装置の動作プログラムが終了される。
【0066】
なお、本発明において、前記管取り枠21の上管受部21aと下管受部21aとの上下間隔を十分に大きくした場合には、掛け込み機構3のチェーン32を室1の管受手段11と同様のラグ付きチェーンで構成し、このチェーン32の上周部に上管Aの端部を乗せるように構成することができるが、麺移載装置の高さを低くするためには、前記の一実施例のように掛け込み機構3がチェーン32の下周部で上管Aの左右両端部を吊り込むようにすることが有利である。
【0067】
又、前記一実施例においては、掛け込み機構3の構成及びその制御を簡単にするために、掛け込み機構3に上管受け31を連鎖させた左右1対のチェーン32と、これらをスプロケット33及び同期伝動軸34を介して駆動するモータ35とを設けているが、この構成に代えて、上縁に上管を位置決めして支持する上管受部を有する板状又は棒状の上管受けと、所定の初期位置に位置する上管受けに管取り枠21から上管Aを受け取らせた後、上管受けを搬入コンベア41の始端部上に移動させてから下降させ、更にこの後、所定の初期位置に復帰させる駆動手段とを設け、初期位置で上管受けに乗せられた上管Aを上管受けから搬入コンベア41の始端部に乗せ替えるように構成することもできる。
【0068】
更に、前記一実施例では、管押さえ駆動手段28が管取り枠21が下降を開始下時から管取り枠21が原点高さに下降するまでの間作動するように構成しているが、前記管押さえ駆動手段28は、前記室1内で前記掛け外し機構2の各下管受部21aに下管Bが受け止められてから、上管Aを掛け外し機構2より掛け込み機構3に受け取らせた後、上管Aに麺C及び下管Bが自然に懸垂支持される高さまで管取り枠21を下降させるまでの間に、前記管押さえ27を各下管受部21bに支持された下管Bの上方に進出させ、この後、管取り枠21を上管Aに麺C及び下管Bが自然に懸垂支持される高さよりも低い所定の高さに下降させた時に管押さえ27を各下管受部21bに支持された下管Bの上方から退出させるように構成してあればよい。
【0069】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は室内に前後に並べて掛け込んだ上下両管をその前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げた後、室から引き出す掛け外し機構を備えるので、麺を巻き掛けられた上下両管が、室の中でこれらを所定の前後間隔を置いて支持する管受手段から、その前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げられ、麺に自重以外の重量が作用しないように室の管受手段から上下両管を取り上げることができる。
【0070】
又、麺が巻き掛けられた上下両管がその前後関係及び上下関係を維持したまま室の外に引き出されるので、管受手段から上下両管を掛け外して室外に引き出す際に麺どうしが密着するおそれはない。
【0071】
本発明は、更に、室から引き出された上下両管のうち、掛け外し機構に高く支持させた上管のみを掛け外し機構から受け取り、この後、掛け外し機構を下降させて前記上管に麺を介して下管を懸垂支持させてから、上管を麺延伸装置に掛け込む掛け込み機構を備えるので、掛け外し機構から上管のみを受け取り、この上管に麺を介して下管を懸垂支持させて、前後に並べて支持されていた上下両管の中の上管だけを選別して麺延伸装置に掛け込むことができる。
【0072】
又、上管を掛け外し機構から受け取った後に掛け外し機構の管取り枠を下降させる時に、管押さえを下管の上側に進出させ、この管押さえで下管を上側から受け止めながら管取り枠を下降させることにより、麺が延伸される。これにより、予め一定量延伸された麺が麺延伸装置に送り込まれることになり、延伸工程において麺が切断され難くなると共に、延伸工程における延伸の段数を削減したり、連続延伸時間を短縮したりすることができ、製麺工程全体の工程時間を短縮できる。
【0073】
又、上管を掛け外し機構から受け取った後に掛け外し機構を下降させることにより上管に麺を介して下管を懸垂支持させるので、下管が麺を介して上管に懸垂支持されるまでは麺に自重以外の力が作用せず、上管に巻き掛けられた麺に急激に下管の重量が作用して麺が千切れることを防止できる上、麺どうしを密着させることなく、麺及び下管を上管に懸垂支持させることができる。
【0074】
要するに、本発明によれば、熟練者が行うのと同様にして室から麺延伸装置への麺の掛け替えが自動的にでき、室から麺移載装置への麺の掛け替えに要していた多大の労力が不要になる効果が得られる上、延伸工程における麺の切断を防止できると共に、製麺工程全体の工程時間を短縮できるのである。
【0075】
本発明において、特に前記管押さえが、前記管取り枠に摺動可能に支持されると共に、先端をその摺動方向の一方に鉤状に曲げた所定数の歯を備え、各歯の鉤先が各下管受部に支持された下管の上方に出没するように管押さえ駆動手段で駆動されると、単一の管押さえで所定数の下管を上側から受け止められるので部品点数の削減を図ることができると共に、構成を簡単にできる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】初期状態における本発明の要部の側面図である。
【図2】本発明の側面図である。
【図3】本発明に連繋させる室の側面図である。
【図4】本発明の管取り枠の室からの掛け外す動作の動作説明図である。
【図5】本発明の掛け外し機構から掛け込み機構への掛け替えの動作説明図である。
【図6】室内で管取り枠が上下両管を取る直前の本発明の要部の側面図である。
【図7】室内で管取り枠が上下両管を取った直後の本発明の要部の側面図である。
【図8】管取り枠が後退位置に後退した時の本発明の要部の側面図である。
【図9】管取り枠が後退位置で上限位置まで上昇した時の本発明の側面図である。
【図10】掛け込み装置の上管受けが管取り枠に支持された上管の下側に移動した時の本発明の側面図である。
【図11】上管が掛け込み装置の上管受けに移された後、管取り枠が初期高さまで下降した時の本発明の側面図である。
【図12】管取り枠が上から2段目の管受手段に対応する位置に下降した時の本発明の側面図である。
【符号の説明】
1 室
2 掛け外し機構
3 掛け込み機構
4 麺延伸装置
21 管取り枠
21a 上管受部
21b 下管受部
22 進退機構
23 昇降機構
27 管押さえ
28 管押さえ駆動手段

Claims (3)

  1. 室内に前後に並べて掛け込んだ上下両管をその前後間隔を維持したまま上下2段の高さに支持して持ち上げた後、室から引き出す掛け外し機構と、室から引き出された上下両管のうち、掛け外し機構に高く支持させた上管を掛け外し機構から受け取り、この後、前記掛け外し機構を下降させて前記上管に麺を介して下管を懸垂支持させてから、上管を麺延伸装置に掛け込む掛け込み機構とを備える麺移載装置において、
    前記掛け外し機構は、上向きのくし歯状に形成された管取り枠と、この管取り枠を室の内外にわたって往復させる進退機構と、前記管取り枠を上下に往復させる昇降機構とを備え、前記管取り枠は各くし歯の上端に形成された上管受部と各くし歯の間の溝底に形成された下管受部と、各下管受部に支持された下管の上方に出没する管押さえと、この管押さえを駆動する管押さえ駆動手段とを備え、前記管取り枠を下降させる際に前記管押さえを下管の上方に進出させて下管を上側から受け止め、下管を前記管取り枠と共に下降させることにより麺を延伸することを特徴とする麺移載装置。
  2. 前記管押さえが、前記管取り枠に摺動可能に支持されると共に、先端をその摺動方向の一方に鉤状に曲げた所定数の歯を備え、各歯の鉤先が各下管受部に支持された下管の上方に出没するように管押さえ駆動手段で駆動される請求項1に記載の麺移載装置。
  3. 前記管押さえ駆動手段が、前記室内で前記掛け外し機構の各下管受部に下管が受け止められてから、上管を掛け外し機構より掛け込み機構に受け取らせた後、上管に麺及び下管が自然に懸垂支持される高さまで管取り枠を下降させるまでの間に、前記管押さえを各下管受部に支持された下管の上方に進出させ、この後、管取り枠を上管に麺及び下管が自然に懸垂支持される高さよりも低い所定の高さに下降させた時に管押さえを各下管受部に支持された下管の上方から退出させる請求項1又は2に記載の麺移載装置。
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