JP3719663B2 - 電気式ディスクブレーキ - Google Patents
電気式ディスクブレーキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3719663B2 JP3719663B2 JP2002089294A JP2002089294A JP3719663B2 JP 3719663 B2 JP3719663 B2 JP 3719663B2 JP 2002089294 A JP2002089294 A JP 2002089294A JP 2002089294 A JP2002089294 A JP 2002089294A JP 3719663 B2 JP3719663 B2 JP 3719663B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball screw
- harness
- screw shaft
- length
- hollow portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
- Transmission Devices (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車や自動二輪車等の各種車両に搭載され、電動モータの駆動力でボールねじ機構のボールねじ軸を進退させ、ディスクロータに摩擦パッドを押圧摺動して制動を行う電気式ディスクブレーキに係るものであり、前記ボールねじ軸に摩擦パッドの荷重を検知する荷重センサを設け、この荷重センサのハーネスがボールねじ軸の進退時に、断線等を生じにくくするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車や自動二輪車等の各種車両に於いて、特開平10−281191号公報記載の発明の如く、電動モータの駆動力でボールねじ機構を作動し、摩擦パッドの押圧部材に押圧力を発生させて制動を行うとともに、摩擦パッドに掛かる荷重を検知するための荷重センサを設けた電気式ディスクブレーキが存在する。前記ボールねじ機構は、電動モータにより回動するボールねじナットと、このボールねじナット内に進退可能に螺合するボールねじ軸とから成る。このボールねじ軸の先端に、摩擦パッドの押圧部材を接続するとともに、この接続側に前記荷重センサを配置固定している。
【0003】
そして、この荷重センサのハーネスが、押圧部材やボールねじ軸等の進退部品間や、ボールねじナット等の回動部品間に入り込んで断線される事のないよう、本従来発明では、ボールねじ軸を中空形状に形成し、この中空部内にハーネスを挿通させ、中空部の後端からキャリパボディの外部にハーネスを突出させている。また、荷重センサとハーネスは、ボールねじ軸の進退に追随してキャリパボディ内を進退するため、この進退移動距離に対応した長さ分、余裕を設けてキャリパボディの外部にハーネスを配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このハーネスの余裕部が、キャリパボディの外部で弛みを生じるため、車両に配置した各種部品にハーネスが絡まったり、車両の走行中に障害物に引っ掛かる等の不具合を生じる事があり、ハーネスの断線を生じ易くなるとともに、ボールねじ機構等の作動不良を生じる虞がある。
【0005】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、ボールねじ軸に設けた荷重センサのハーネスを、ボールねじ軸の進退移動長さに対応した余裕を持った長さとする。そして、このハーネスの余裕部を、ボールねじ軸の進退や、他の回動部品の回動の妨げにならない位置に配置して、ハーネスの断線や絡まりの防止効果を高めるとともに、ボールねじ機構及び各種回動部品の円滑な作動を可能とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の如き課題を解決するため、第1の発明は電動モータの駆動力で回動するボールねじナットと、このボールねじナット内に螺合し摩擦パッドを押圧する押圧部材に押圧力を発生させるボールねじ軸とから成るボールねじ機構と、前記ボールねじ軸の押圧部材側の先端に、摩擦パッドの荷重を検知する荷重センサを設けた電気式ディスクブレーキに於いて、前記ボールねじ軸の内部を軸方向に貫通形成して中空部を設け、この中空部に前記荷重センサのハーネスを挿通させるとともに、中空部に配置するハーネスの長さを、中空部の形成長さとボールねじ軸が進退する最大移動長さの和以上の長さとすると共に中空部に配置するハーネスは、中空部の形成長さよりも長尺とした余裕部を、伸縮可能な保持具で締結して弛み部を設けるとともに、この弛み部以外を、弛む事のないよう緊張させて成るものである。
【0007】
また、第2の発明は、電動モータの駆動力で回動するボールねじナットと、このボールねじナット内に螺合し摩擦パッドを押圧する押圧部材に押圧力を発生させるボールねじ軸とから成るボールねじ機構と、前記ボールねじ軸の押圧部材側の先端に、摩擦パッドの荷重を検知する荷重センサを設けた電気式ディスクブレーキに於いて、前記ボールねじ軸の内部を軸方向に貫通形成して中空部を設け、この中空部に前記荷重センサのハーネスを挿通させるとともに、中空部に配置するハーネスの長さを、中空部の形成長さとボールねじ軸が進退する最大移動長さの和以上の長さとすると共に中空部に配置するハーネスは、中空部の形成長さよりも長尺とした余裕部を、軟弾性材で形成して弛み部とするとともに、この弛み部以外を、剛性材で形成するか又は剛性材で被覆して弛む事のないよう緊張させて成るものである。
【0008】
【作用】
本発明は上述の如く構成したものであるから、運転者がブレーキペダルを踏み込んで制動操作を行うと、電動モータが駆動し、ボールねじ機構のボールねじナットが回動する。この回動によりボールねじナットに螺合したボールねじ軸が摩擦パッド方向に摺動し、摩擦パッドの押圧部材を介して摩擦パッドをディスクロータに押し付け、制動が行われる。このボールねじ軸の摺動に伴って、荷重センサも摩擦パッド方向に移動するが、荷重センサのハーネスの長さを、中空部の形成長さと前記ボールねじ軸が進退する最大移動長さの和以上の長さとして、余裕を持たせて中空部内に配置している。従って、ボールねじ軸の摺動を円滑に行う事が可能となるとともに、ハーネスの断線も生じにくいものとなる。
【0009】
また、前記ハーネスの余裕部を中空部内に配置しているので、キャリパボディ内に於いて、中空部以外でハーネスが弛む事がなく、ボールねじナット等の回動部品へのハーネスの絡まりや引っ掛かりを生じにくくなるから、ハーネスの断線防止効果が高く、回動部品の円滑な作動も可能となる。また、本発明はハーネスの余裕を中空内に設け、従来発明の特開平10−281191号の如く、キャリパボディの外部に弛みが形成されないから、キャリパボディ外部に於いても、絡みや引っ掛かりによるハーネスの断線が生じにくいものとなる。
【0010】
また、上記中空部に配置するハーネスは、中空部の形成長さよりも長尺とした余裕部を、中空部にて伸縮可能な保持具で締結し、余裕部を中空部内で弛ませておけば、この弛み部以外では、ハーネスが弛む事なく緊張状態を保つ。そして、制動時にボールねじ軸が摩擦パッド方向に摺動すると、この移動距離の長さに応じて保持具が伸張するので、ハーネスの断線防止効果が高く、ボールねじ軸の摺動も円滑に行える。また、制動解除によりボールねじ軸がボールねじナット内部方向に後退すると、前記保持具が収縮して、ハーネスの緊張状態を保つので、中空部の弛み部以外でハーネスが弛む事がない。従って、進退部品や回動部品間へのハーネスの絡まりや引っ掛かりが生じにくくなり、ハーネスの断線防止効果を高める事ができる。また、前記ハーネスを締結する保持具は、伸縮可能であれば、引張り発条、ゴム材等、何れのものを使用しても良い。
【0011】
また、中空部に配置するハーネスは、中空部の形成長さよりも長尺とした余裕部を、軟弾性材で形成して弛み部を形成可能とするとともに、この弛み部以外を、剛性材で形成するか又は剛性材で被覆して中空部内で弛む事のないよう緊張させても良い。このように形成した場合も、保持具を用いなくても、弛み部を常に中空部に配置可能となり、ボールねじ軸の進退に支障を来しにくいものとなるし、ハーネスの断線防止効果も高い。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に於いて説明すると、(1)は自動車の車輪に接続して一体に回動するディスクロータで、両側の摩擦面(2)に臨ませて、図1に示す如く、タイヤホイール(5)の内側に於いて、一対の摩擦パッド(3)(4)を配置している。また、前記ディスクロータ(1)に臨ませて、車両本体にブラケット(6)を固定し、この固定側からディスクロータ(1)の外周を跨いで反対側に掛けて突設したキャリパ支持腕(7)に、前記摩擦パッド(3)(4)を摺動可能に配置している。
【0013】
また、前記ブラケット(6)のキャリパ支持腕(7)に、摩擦パッド(3)(4)をディスクロータ(1)に押し付けるキャリパボディ(8)を、図2に示す如く、一対のスライドピン(9)を介して進退可能に連結している。このキャリパボディ(8)は、図1に示す如く、ディスクロータ(1)を挟んで、一方の摩擦パッド(3)の背面に配置する作用部(10)と、他方の摩擦パッド(4)の背面に配置する反力爪(11)を設けた反作用部(12)と、ディスクロータ(1)の外周を跨いで作用部(10)及び反作用部(12)とを連結するブリッジ部(13)とで構成されている。
【0014】
そして、前記作用部(10)は、図1に示す如く、シリンダ(14)内に、ブラシレス型の電動モータ(15)と、摩擦パッド(3)(4)の押圧力を発生させるボールねじ機構(16)と、このボールねじ機構(16)に電動モータ(15)の駆動力を減速して伝達する減速ギア機構(17)とを収納している。この減速ギア機構(17)は、電動モータ(15)の駆動力により回動可能な遊星腕(18)と、この遊星腕(18)に回動可能に軸支した遊星歯車(23)と、この遊星歯車(23)を回動させる太陽歯車(26)とから構成されている。
【0015】
前記遊星腕(18)は、前記電動モータ(15)の回転子として作用するマグネット(39)を外周に配置した円筒部(20)と、この円筒部(20)よりも径大で、摩擦パッド(3)とは反対側の後部に設けた径大部(21)とから成り、電動モータ(15)の駆動力により、軸受部(57)を介してシリンダ(14)内を回動可能としている。そして、径大部(21)の外周三ヶ所に、等間隔で遊星歯車(23)を回動可能に軸支し、図2、図3に示す如く、各遊星歯車(23)を、径大部(21)外周に開口した切欠窓(22)から外部に突出させている。また、径大部(21)は、図2に示す如く、隣接する遊星歯車(23)間の外周を三角形状にカットして、遊星腕(18)の軽量化を図るとともに、後述の回転角センサ(19)のロータとしての使用を可能としている。
【0016】
また、遊星歯車(23)は、第1歯車部(24)と、この第1歯車部(24)よりも歯数の少ない第2歯車部(25)とを、軸方向の前後に分離して一体に形成し、前記第1歯車部(24)を、キャリパボディ(8)に回動不能に固定された太陽歯車(26)に噛合し、この太陽歯車(26)により遊星歯車(23)の回動を可能としている。
【0017】
また、上記太陽歯車(26)の固定は、図1、図3に示す如く、キャリパボディ(8)の後部に配置したバックプレート(27)に、等間隔で挿通穴(29)を複数開口し、各挿通穴(29)に挿通した固定ピン(28)を、太陽歯車(26)の背面に凹設した固定穴(30)に挿入する事により行っている。前記固定ピン(28)は、バックプレート(27)の装着孔(32)に装着したキャップ(33)にて頭部を押圧され、固定穴(30)への挿入状態が保たれている。そして、キャップ(33)を外すと、固定ピン(28)の頭部とバックプレート(27)間に装着した押圧発条(31)の付勢力により、固定ピン(28)が固定穴(30)から離脱し、太陽歯車(26)の固定が解除可能となる。
【0018】
そして、前記遊星腕(18)内に、軸受部(58)を介してボールねじ機構(16)のボールねじナット(34)を、回動可能で進退不能に収納している。このボールねじナット(34)は、遊星腕(18)の径大部(21)側に配置した後端外周に、太陽歯車(26)よりも歯数の少ない減速歯車(35)を固定している。この減速歯車(35)を、前記遊星歯車(23)の第2歯車部(25)に噛合し、遊星歯車(23)の回動によってボールねじナット(34)の回動を可能とし、このボールねじナット(34)の内径側に設けたボール溝(36)に、複数のボール(37)を介してボールねじ軸(38)を進退可能に螺着している。
【0019】
また、前記ボールねじ軸(38)は先端に、摩擦パッド(3)の押圧部材として、平板状のパッド押圧板(40)を互いに分離不能に接続している。このパッド押圧板(40)にて、摩擦パッド(3)を、広い面積で一部に押圧力を集中する事なく押圧して、ディスクロータ(1)に平行に押し付け可能としている。尚、上記ボールねじ軸(38)とパッド押圧板(40)との接続のため、図1に示す如く、ボールねじ軸(38)は、摩擦パッド(3)側に取付ねじ(42)を固定する固定壁(49)を設けた中空形状に形成し、内部に中空部(41)を設ける。また、パッド押圧板(40)の背面に、袋穴状の取付穴(43)を凹設する。
【0020】
そして、ボールねじ軸(38)の中空部(41)側から、前記パッド押圧板(40)の取付穴(43)に、ボールねじ軸(38)の固定壁(49)を介して取付ねじ(42)を螺着し、ボールねじ軸(38)とパッド押圧板(40)とを接続するものである。このような構成とする事により、パッド押圧板(40)とボールねじ軸(38)の接続部からのシリンダ(14)内への塵埃や水分の侵入を防止している。また、このようにパッド押圧板(40)とボールねじ軸(38)との接続を、キャリパボディ(8)の後部側から行う事ができるので、組み付け性やメンテナンス性も向上するものである。また、本実施例では、パッド押圧板(40)の外周とシリンダ(14)の内周との間に、伸縮可能なダストシール(47)を接続して、シリンダ(14)の開口部(45)を閉塞し、シリンダ(14)内への塵埃や水分、小石等の侵入を防止可能としている。
【0021】
また、キャリパボディ(8)には、遊星腕(18)の回転角を検出して、ブラシレス型の電動モータ(15)の駆動を制御したり、ボールねじ軸(38)の進退距離を推定するための回転角センサ(19)を設けている。この回転角センサ(19)は、図2、図3に示す如く、シリンダ(14)の内周面に、遊星腕(18)の三角形状の径大部(21)の外周に臨ませて、磁気コイルを円周状に配置してステータとし、遊星腕(18)の径大部(21)をロータとした構成である。この三角形状の径大部(21)が回転角センサ(19)の内周を回動する事により、波形の出力電圧を発生するので、遊星腕(18)の回転角を検知可能となるものである。このように、遊星腕(18)の径大部(21)をロータとして兼用できるので、遊星腕(18)とは別個に回転角センサ(19)用のロータを設ける必要がなく、部品点数や組み付け工数の増加を防ぐ事ができる。
【0022】
また、キャリパボディ(8)には、図1、図3に示す如く、遊星腕(18)の径大部(21)の後端面に臨ませて、前記バックプレート(27)に、パーキング機構のソレノイド(54)を設けている。そして、車両の駐車時に、摩擦パッド(3)(4)により制動を行って、ソレノイド(54)を作動すると、係止ピン(55)が、遊星腕(18)の径大部(21)端面に設けた係止穴(56)に係合する。この係合により、遊星腕(18)が回動不能に固定され、摩擦パッド(3)(4)による制動を維持する事ができる。また、バックプレート(27)外周に、被覆カバー(44)を装着して、ソレノイド(54)やバックプレート(27)、その他を外的衝撃から保護している。
【0023】
また、本実施例では、前述の如く減速ギア機構(17)を、電動モータ(15)を介して摩擦パッド(3)(4)とは反対側に配置しているので、制動熱が減速ギア機構(17)に伝達されにくいものとなり、減速ギア機構(17)の高温化を防ぐ事ができる。このような制動熱の伝達による部品の高温化を防止するため、本実施例では、キャリパボディ(8)を、電動モータ(15)の摩擦パッド(3)側と減速ギア機構(17)側で3分割可能に形成し、各パーツ間に、図1に示す如く、キャリパボディ(8)よりも熱伝導率の低い断熱材製の断熱リング部材(46)を挿入配置して、キャリパボディ(8)の断熱性を高めている。この断熱リング部材(46)により、摩擦パッド(3)(4)の制動熱が、キャリパボディ(8)の外表面を介して、電動モータ(15)、回転角センサ(19)、ソレノイド(54)等の電気部品、及び減速ギア機構(17)に伝達されるのを良好に防ぐ事ができる。また、電動モータ(15)の駆動熱が、減速ギア機構(17)に伝達されるのも防ぐ事ができる。
【0024】
従って、電動モータ(15)、回転角センサ(19)、ソレノイド(54)等の電気部品、減速ギア機構(17)等の高温化を良好に防ぎ、前記各部品の作動の正確性と耐久性が向上し、電気式ディスクブレーキの円滑な制動が長期に持続可能なものとなる。尚、前記断熱リング部材(46)は、キャリパボディ(8)の本体を分割形成して、各パーツ間に挿入配置しているので、キャリパボディ(8)内部の部品に設ける場合と比較して、組み付けが容易であり、生産性に影響を与える事はない。また、分割形成によりキャリパボディ(8)の内部への各種部品の組み付け性やメンテナンス性も向上するものとなる。
【0025】
更に、前述の如く、電動モータ(15)をキャリパボディ(8)に内蔵し、更に前記遊星歯車(23)等の減速ギア機構(17)を電動モータ(15)の内側ではなく、電動モータ(15)よりも後部側に配置しているので、キャリパボディ(8)が長尺にも径大にもならず、コンパクトな形成が可能となる。そのため、電気式ディスクブレーキをタイヤホイール(5)の内側に設置する際のレイアウトの自由度が増すものとなる。
【0026】
また、ボールねじ軸(38)は、図1に示す如く、先端に荷重センサ(48)を設けて、摩擦パッド(3)に掛かる荷重を検知可能としている。そして、本発明では、該荷重センサ(48)と検知器本体(図示せず)とを接続するハーネス(50)の断線防止効果を高めるため、図1に示す如く、ハーネス(50)をボールねじ軸(38)の中空部(41)に挿通させている。そして、この中空部(41)に挿通したハーネス(50)を、ボールねじナット(34)内に挿通させ、更に該ボールねじナット(34)及び太陽歯車(26)、バックプレート(27)のキャップ(33)の中央に各々設けた工具穴(61)(62)(63)を介して、キャリパボディ(8)の外部に突出させている。尚、前記工具穴(61)(62)(63)は、ボルトや工具等を挿入して各種部品の組み付けや分解等を行うためのものである。
【0027】
そして、前記中空部(41)の摩擦パッド(3)側の先端からキャップ(33)の工具穴(63)の端部までを、ハーネス(50)の挿通間隔(60)としている。この挿通間隔(60)は、ボールねじ軸(38)の進退によって、長さが伸縮するため、挿通間隔(60)に配置するハーネス(50)の長さに余裕を持たせる必要がある。そのため、本実施例では、ハーネス(50)を折曲可能な軟弾性材(65)で形成するともに、中空部(41)に配置するハーネス(50)の長さを、該中空部(41)の形成長さと前記ボールねじ軸(38)が進退する最大移動長さの和以上の長さとしている。このように、中空部(41)にハーネス(50)の余裕部を設ける事により、ボールねじ軸(38)の進退を支障なく行おうとしている。
【0028】
ところが、前記ハーネス(50)の余裕部が中空部(41)以外の位置で弛みを生じると、この弛みがボールねじナット(34)とボールねじ軸(38)間、ボールねじナット(34)と太陽歯車(26)間等、部品相互の隙間に入り込み、絡まりや切断を生じる虞がある。この不具合を解消するため、本実施例では、図1に示す如く、中空部(41)内に於いて、ハーネス(50)を引張り発条(51)にて引張り付勢する事により、前記余裕部を弛み部(53)として常に中空部(41)内に配置可能としている。この引張り発条(51)の作用により、弛み部(53)以外では、挿通間隔(60)内のハーネス(50)が弛む事がなく、図1、図3に示す如く、緊張状態を保つものとなる。また、本実施例では、ハーネス(50)の保持具として引張り発条(51)を使用しているが、伸縮可能であれば、ゴム材等を保持具として使用しても良い。
【0029】
また、前述の如く、ハーネス(50)をボールねじナット(34)の工具穴(61)に挿通しているので、ボールねじナット(34)の回動にハーネス(50)が巻き込まれる虞がある。従って、図1、図3に示す如く、太陽歯車(26)に固定したガード筒(64)を、ボールねじナット(34)の工具穴(61)に挿通し、該ガード筒(64)内にハーネス(50)を挿通する事により、ボールねじナット(34)の回動によるハーネス(50)の絡まりや断線を生じにくくしている。また、図示はしないが、中空部(41)内周にリング状のフック等を配置固定し、このフックにハーネス(50)を進退自在に挿通すれば、中空部(41)内でのハーネス(50)の挿通安定性や弛み防止効果が高まるものとなる。
【0030】
上述の如く構成された電気式ディスクブレーキでは、自動車の運転者がブレーキペダルを踏み込んで制動操作を行うと、この踏み込み量に応じて電動モータ(15)が駆動し、遊星腕(18)がシリンダ(14)内を回動する。この遊星腕(18)の回動により、径大部(21)に軸支され、太陽歯車(26)に第1歯車部(24)を噛合する遊星歯車(23)が、太陽歯車(26)の外周を回動する。この遊星歯車(23)の回動により、第2歯車部(25)に減速歯車(35)を噛合するボールねじナット(34)が回動される。
【0031】
そして、ボールねじ機構(16)の作用により、回動力がボールねじ軸(38)の摺動力に変換され、ボールねじ軸(38)が摩擦パッド(3)(4)方向に前進し、パッド押圧板(40)を介して作用部(10)側の摩擦パッド(3)を押圧摺動して、ディスクロータ(1)に押し付ける。更に、ボールねじ軸(38)の摺動の反力で、キャリパボディ(8)が後退し、反作用部(12)の反力爪(11)が、反作用部(12)側の摩擦パッド(4)を押圧摺動し、ディスクロータ(1)に押し付ける事により、制動が行われる。
【0032】
上記ボールねじ軸(38)の摺動によって、ハーネス(50)の挿通間隔(60)の長さが長尺となるが、ハーネス(50)に取り付けた引張り発条(51)が伸張するので、ハーネス(50)が断線しにくくなるし、ボールねじ軸(38)の円滑な摺動が可能となる。また、上記制動の際には、前述の如く、遊星歯車(23)は、太陽歯車(26)と噛合する第1歯車部(24)よりも、ボールねじナット(34)の減速歯車(35)と噛合する第2歯車部(25)の歯数を少なくし、この第2歯車部(25)にて、太陽歯車(26)よりも歯数の少ない減速歯車(35)を回動している。これらの作用により、電動モータ(15)の駆動力は、効率的に減速されて、摩擦パッド(3)(4)の強い押圧力に変換可能となり、効果的な制動が可能となる。
【0033】
そして、ブレーキペダルの踏み込みを解除すると、電動モータ(15)の制御により遊星腕(18)が逆回転し、遊星歯車(23)を介してボールねじナット(34)が、先の回転とは逆方向に回転するので、ボールねじ軸(38)がボールねじナット(34)内部方向に後退し、摩擦パッド(3)の押圧が解除される。また、このボールねじ軸(38)後退の反力により、キャリパボディ(8)も復元方向に摺動し、反作用部(12)側の摩擦パッド(4)の押圧が解除されるので、制動が解除されるものである。
【0034】
上記ボールねじ軸(38)の後退により、ハーネス(50)の挿通間隔(60)の長さが短尺となるが、引張り発条(51)が復元収縮するので、ハーネス(50)は、中空部(41)内の弛み部(53)以外の部分で弛む事はなく、緊張状態が保たれる。従って、キャリパボディ(8)の内外での、各種部品や障害物へのハーネス(50)の絡まりや引っ掛かりが生じにくくなり、断線防止効果を高める事ができる。
【0035】
また、上記実施例では、荷重センサ(48)のハーネス(50)を引張り発条(51)やゴム材等の保持具で締結しているが、他の異なる第2実施例では、図4に示す如く、ハーネス(50)は、中空部(41)内に配置する余裕部を軟弾性材(65)で形成し、余裕部以外を剛性材(66)で形成している。この構成では、軟弾性材(65)で形成した余裕部が中空部(41)内で弛んで弛み部(53)を形成可能となるとともに、挿通間隔(60)に於いて、弛み部(53)以外ではハーネス(50)が弛む事がなく、緊張状態を保つ事ができる。
【0036】
更に、他の異なる第3実施例では、図5に示す如く、ハーネス(50)全体を軟弾性材(65)で形成し、長尺とした余裕部を中空部(41)に配置するとともに、余裕部以外に剛性材(66)を溶着したり、剛性材(66)製のパイプを装着している。このようなハーネス(50)では、剛性材(66)で被覆していない余裕部が、中空部(41)内で弛んで弛み部(53)となるとともに、弛み部(53)以外では、剛性材(66)により、弛む事がなく緊張状態を保つものとなる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したもので、ボールねじ軸を中空形状とし、この中空部に荷重センサのハーネスを挿通するとともに、中空部に配置するハーネスの長さを、中空部の形成長さと前記ボールねじ軸が進退する最大移動長さの和以上の長さとしている。このハーネスの余裕部により、ボールねじ軸の進退によるハーネスの断線防止効果が向上するとともに、ボールねじ機構の円滑な作動も可能となる。更に、ハーネスの余裕部を中空部に配置する事により、キャリパボディ内に於いてハーネスが中空部以外で弛む事がなく、ボールねじナット等のキャリパボディ内の回動部品への絡まりや引っ掛かりを防ぎ、ハーネスの断線防止効果を高める事ができる。また、キャリパボディの外部にハーネスの余裕を設ける必要もないから、キャリパボディ外部でのハーネスの断線防止効果も高まるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例で、ディスクロータに臨ませて設置した電気式ディスクブレーキの横断面図。
【図2】 図3のA−A線断面図で、太陽歯車の固定ピンとハーネスとを省略してある。
【図3】 図1のバックプレート側の部分拡大断面図。
【図4】 本発明の第2実施例で、ハーネスの弛み部付近の拡大断面図。
【図5】 本発明の第3実施例で、ハーネスの弛み部付近の拡大断面図。
【符号の説明】
3 摩擦パッド
4 摩擦パッド
15 電動モータ
16 ボールねじ機構
34 ボールねじナット
38 ボールねじ軸
41 中空部
48 荷重センサ
50 ハーネス
53 弛み部
Claims (2)
- 電動モータの駆動力で回動するボールねじナットと、このボールねじナット内に螺合し摩擦パッドを押圧する押圧部材に押圧力を発生させるボールねじ軸とから成るボールねじ機構と、前記ボールねじ軸の押圧部材側の先端に、摩擦パッドの荷重を検知する荷重センサを設けた電気式ディスクブレーキに於いて、前記ボールねじ軸の内部を軸方向に貫通形成して中空部を設け、この中空部に前記荷重センサのハーネスを挿通させるとともに、中空部に配置するハーネスの長さを、中空部の形成長さとボールねじ軸が進退する最大移動長さの和以上の長さとすると共に中空部に配置するハーネスは、中空部の形成長さよりも長尺とした余裕部を、伸縮可能な保持具で締結して弛み部を設けるとともに、この弛み部以外を、弛む事のないよう緊張させた事を特徴とする電気式ディスクブレーキ。
- 電動モータの駆動力で回動するボールねじナットと、このボールねじナット内に螺合し摩擦パッドを押圧する押圧部材に押圧力を発生させるボールねじ軸とから成るボールねじ機構と、前記ボールねじ軸の押圧部材側の先端に、摩擦パッドの荷重を検知する荷重センサを設けた電気式ディスクブレーキに於いて、前記ボールねじ軸の内部を軸方向に貫通形成して中空部を設け、この中空部に前記荷重センサのハーネスを挿通させるとともに、中空部に配置するハーネスの長さを、中空部の形成長さとボールねじ軸が進退する最大移動長さの和以上の長さとすると共に中空部に配置するハーネスは、中空部の形成長さよりも長尺とした余裕部を、軟弾性材で形成して弛み部とするとともに、この弛み部以外を、剛性材で形成するか又は剛性材で被覆して弛む事のないよう緊張させた事を特徴とする電気式ディスクブレーキ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002089294A JP3719663B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 電気式ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002089294A JP3719663B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 電気式ディスクブレーキ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003287065A JP2003287065A (ja) | 2003-10-10 |
| JP3719663B2 true JP3719663B2 (ja) | 2005-11-24 |
Family
ID=29234914
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002089294A Expired - Fee Related JP3719663B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 電気式ディスクブレーキ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3719663B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2869168B1 (fr) * | 2004-04-14 | 2006-06-23 | Transrol Soc Par Actions Simpl | Verin d'actionnement a capteur associe a sa tige |
| JP5116147B2 (ja) * | 2007-11-13 | 2013-01-09 | パラマウントベッド株式会社 | 荷重センサ内蔵アクチュエータ |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09137841A (ja) * | 1995-11-13 | 1997-05-27 | Akebono Brake Res & Dev Center Ltd | ブレーキ装置 |
| DE19652230A1 (de) * | 1996-12-16 | 1998-06-18 | Teves Gmbh Alfred | Elektromechanisch betätigbare Scheibenbremse |
-
2002
- 2002-03-27 JP JP2002089294A patent/JP3719663B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003287065A (ja) | 2003-10-10 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3750933B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキの配置構造 | |
| JP3797481B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| US6510934B2 (en) | Parking lock device for a saddle riding type vehicle | |
| JP5488909B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
| JP7040287B2 (ja) | 車両用ブレーキ装置 | |
| WO2015083802A1 (ja) | ドラム式電動駐車ブレーキ装置用アクチュエータユニット | |
| JP6257804B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
| WO2018139306A1 (ja) | ディスクブレーキ | |
| JP2003329070A (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP7257302B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
| JP3795420B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP3880427B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP4170089B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JPWO2020004057A1 (ja) | ディスクブレーキ | |
| KR100819087B1 (ko) | 주차기능을 갖춘 디스크 브레이크 | |
| JP2003287065A (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP5387830B2 (ja) | 電動ディスクブレーキ | |
| JP3719662B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP4060200B2 (ja) | 電気式ディスクブレーキのパッドクリアランス調整方法 | |
| JP2003254364A (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP4335375B2 (ja) | モータ駆動ドラムブレーキ用アクチュエータ | |
| JP2003287064A (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP2003287067A (ja) | 電気式ディスクブレーキ | |
| JP2004262350A (ja) | ブレーキ操作量検出装置 | |
| JP2025065811A (ja) | 電動制動装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050512 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050517 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050713 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050901 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050902 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916 Year of fee payment: 8 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |