JP3721432B2 - 海藻を原料とする飲料用食品の製造方法 - Google Patents

海藻を原料とする飲料用食品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、理化学的に異なる性状を有するこんぶ、わかめおよびひじきの有効成分を保持するよう製造されたこれら3種の混合微粉末に、青のりおよびスピルニナの粉末を添加混合した後、混合粉末を造粒して顆粒状とする飲料用食品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、こんぶ等の海藻を原料とした海藻ジュース、あるいは海藻飲料の原料とするため、海藻を粉末化する方法が公知である。例えば、藻体を軟化させるために加熱時間と関係なく軟化するまで加熱したり、搾汁機を用いてエキス成分を搾り出したり、あるいはアルカリ等の薬品類を使用したり、更には酵素を用いて原料海藻を軟化させたりして、粉末化する方法が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の粉末化方法では、海藻特有の有効成分、例えば粘質多糖類、ミネラル、ビタミン等を意識しての製造方法は全く存在せず、従って従来の粉末化方法で得られた海藻の粉末には有効成分がほとんど含まれておらず、これらを青のりおよびスピルニナの粉末とを混合して、飲料用食品として水に溶かして飲用しても、栄養飲料としての効果がないという課題があった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、粘質多糖類、ミネラル、ビタミン等のような有効成分を喪失することのないこんぶ、わかめおよびひじきの有効成分を保持するよう製造されたこれら3種の混合微粉末に、青のりおよびスピルニナの粉末を添加混合した後、造粒して顆粒状とする飲料用食品の製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、こんぶ、わかめおよびひじきを荒く破砕して、これに3倍量程度の水を加え3分程度脱塩して、塩分を含んだ水分を水切りして除去する脱塩工程と、
前記脱塩工程を経たこんぶ、わかめおよびひじきに2倍量程度の水を加え、室温から約50〜60℃/hの昇温速度で1時間加熱し、1時間後に70℃になるよう加熱した後、直ちに加熱を停止する加熱工程と、
前記加熱工程で加熱されたこんぶ、わかめおよびひじきを、60〜80℃で16〜18時間程度乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥したこんぶ、わかめおよびひじきを粉砕機で粗粉砕して粗粉末とする粗粉砕工程と、
前記粗粉砕工程によって得られたこんぶ、わかめおよびひじきの粗粉末を蒸気滅菌する殺菌工程と、
前記殺菌工程を経たこんぶ、わかめおよびひじきの粗粉末を粉砕機で微粉末に粉砕する微粉末工程により製造されたこんぶ、わかめおよびひじきの微粉末に、青のりおよびスピルニナの粉末を添加して混合して混合粉末とする混合工程と、
前記混合工程により得られた混合粉末を造粒して顆粒状とする造粒工程とにより製造するという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】
飽食時代といわれている現在、アンバランスな食生活によって、生活習慣病である高血圧症、動脈硬化、糖尿病などが若年層にまで及んできている。これらの生活習慣病は、毎日の食生活を適切に保てば防ぐことのできることも知られている。
【0007】
その一つとして、海藻類を毎日摂ることにより予防できるともいわれている。海藻類は、地球上に存在するすべての元素を含む海水中で生育するため、その藻体内にミネラル、ビタミン類を多く含んでいることは勿論、特に褐藻類中、こんぶ、わかめおよびひじきには、これらにしか存在しないアルギン酸やフコイダンなどの粘質多糖類を豊富に含有している。また、これらの粘質多糖類は、水溶性の食物繊維としても働き、不溶性の食物繊維とともに人間の体内で様々な健康的な働きをすることが知られている。
【0008】
そして、前記のことから、本発明は、前記こんぶ、わかめおよびひじきの持つ物理化学的性状と栄養的価値を可能な限り破壊しないようにして有効成分を保持して製造された粉末に、青のりおよびスピルニナの粉末を添加混合した後、造粒して顆粒状とすることにより、多くの有効成分が水に溶けやすく、且つ水に溶けると青汁状を呈する飲料用食品を得ることを目的としている。
【0009】
本発明の原材料としては、前記のように海藻類の中で褐藻類にしか含まれていない粘質多糖類のアルギン酸とフコイダンを有効に利用するため、褐藻類中、こんぶ、わかめおよびひじきの3種類を採用すると共に、これらに緑藻類と藍藻類とをそれぞれ1種類ずつ加えた。緑藻類は、抗潰瘍成分やストレスから解放されて爽快な気分になる「磯の香り」を含む青のりを、藍藻類にはタンパク質を豊富に含み、ビタミン類やミネラルにも恵まれ、細胞壁が薄いことから消化吸収率の高いスピルニナをそれぞれ採用した。前記青のりおよびスピルニナを採用することにより、水に溶けると視覚的にも美しい青汁状を呈するのである。
【0010】
本発明は、先ずこんぶ、わかめおよびひじきに含まれているアルギン酸やフコイダン等の粘質多糖類やミネラル、ビタミン類、食物繊維等を可能な限り破壊しないように、酸やアルカリ等の薬品類を一切使用することなく、加水量と加熱温度並びに加熱時間をコントロールすることによって、これらの粉末を製造し、その後これら粉末に青のりおよびスピルニナを添加混合した後、造粒して顆粒状とする海藻を原料とする飲料用食品を製造する方法に関する。以下更に本発明方法につき詳細に説明する。
【0011】
本発明における前記各原材料の配合比率は、特に限定する必要はないが、好ましくは、わかめ20〜70重量%、こんぶ20〜70重量%、ひじき5〜15重量%、青のり1〜10重量%およびスピルニナ1〜10重量%、賦型材となる還元麦芽糖や澱粉3〜53重量%であり、特に好ましくは、わかめ35重量%、こんぶ30重量%、ひじき8重量%、青のり1重量%、スピルニナ1重量%および還元麦芽糖や澱粉25重量%とすることが推奨される。
【0012】
本発明では、前記のように褐藻類であるこんぶ、わかめおよびひじきの粘質多糖類の有効利用を図ることを主眼としているので、ある程度の粘度を維持して、粘質多糖類が分解しない製品とする必要がある。そのため、先ず加熱の前後によるその物性の変化を粘度の測定によって行うこととし、オストワルド粘度計によって粘度の測定を行った。なお、後述の図2において、粘度は見掛けの値を示したが、真の値に換算できる。
【0013】
本発明方法における原材料である、こんぶ、わかめおよびひじきは、そのまま利用するには多すぎる塩分が含まれている。そのため脱塩が必要となるので、後述する方法で粉末化したこんぶ、わかめおよびひじき(図1においては「製品」と表示されている)の粘度と脱塩水の粘度から適切な脱塩時間を調べた。その結果、図1に示したように、脱塩時間が10分以上になると、そのこんぶ、わかめおよびひじきの粉末の粘度が大きく低下するので、脱塩時間は3分以内で行う必要がある。脱塩水の粘度は、時間の経過と共に増加するが、これはこんぶ、わかめおよびひじきに含まれる冷水可溶性物質が溶出するためで、比較的低分子のアルギン酸やフコイダンなども含まれているものと考えられる。また、脱塩水の量は、多いほど脱塩効率は良いと思われるが、原料重量の3倍程度が適切である。
【0014】
脱塩後の加熱温度と加熱時間を決定するための予備的な実験として、原材料であるこんぶ、わかめおよびひじきを予め200〜250μmに粉末化したものを、オートクレープを用いて120℃に温度を上昇させてから、加熱時間と粘度との関係について調査したところ図2のような結果が得られた。すなわち、加熱時間が長くなると粘度の低下が見られた。これは、高温、長時間の加熱により、粘質多糖類が分解されるためであると推定された。
【0015】
次に、加熱時の加水量については、脱塩後、脱水してから加熱のためにニーダーに原料を移し、原料に対して2倍量の水を加える。前記原料重量と水量との適切な比率はいくつかの実験の結果得られたものである。前記比率であると、その後の工程のオープン型乾燥機に移すときと、移した後に、最も重要視している粘質多糖類がほとんど滴下せず、本発明の目的に合致するからである。すなわち、前記水量よりも少ないと、いわゆるこげたような状態になり、水量が多いと粘質成分を含む有効成分が流出してしまうのである。
【0016】
更に、加熱温度と加熱時間との関係については、前記のように120℃よりも低い温度で処理することの必要性が考えられたので、前記原材料であるこんぶ、わかめおよびひじきを予め200〜250μmに粉末化したものを、80〜100℃で加熱して粘度との関係を調べたところ、図3のように、加温する温度が高くなればその分粘度が低下するという結果が得られた。このような結果と、食物繊維の熱による変化などの実験結果などから70℃以下で加熱することが望ましいと考えられる。
【0017】
次に、前記原材料であるこんぶ、わかめおよびひじきを予め200〜250μmに粉末化したものを、70℃で加熱した場合の加熱時間と粘度との関係を見たのが図4である。図4に示すように、70℃になってから5分程度で粘度は急激に低下するという結果が得られた。このことから、70℃にまで温度が上昇したら、速やかに加熱を止め、自然冷却することが必要である。
【0018】
前記のように、本発明においては、原材料であるこんぶ、わかめおよびひじきに水を加えて原料を加熱するが、そのときの加熱時間は55〜60分が粘度の変化などからみて良い。すなわち、図5のように、徐々に温度を上昇させ、70℃程度で加熱を停止することが望ましい。
【0019】
前記図1〜図5に示すテストの結果、本発明におけるこんぶ、わかめおよびひじきを粉末化する方法は以下の工程により構成される。第1工程として、こんぶ、わかめおよびひじきを2cm程度に荒く破砕したものに、3倍量程度の水を加えて3分程度脱塩した後、脱塩した後の塩分を含んだ水分を水切りして除去して脱塩工程を完了する。
【0020】
第2工程として、前記脱塩工程を経た後、前記脱塩後のこんぶ、わかめおよびひじきに2倍量程度の水を加えて加熱する加熱工程に入る。この加熱工程は、室温から約50〜60℃/hの昇温速度で1時間加熱し、1時間後に70℃になるよう加熱して、この70℃になった状態で直ちに加熱を停止する。
【0021】
次に、第3工程として、前記加熱工程で加熱されたこんぶ、わかめおよびひじきを熱風乾燥させる乾燥工程に入る。この乾燥工程は、前記原料を60〜80℃で16〜18時間程度乾燥させる。
【0022】
そして第4工程として、前記乾燥工程により乾燥したこんぶ、わかめおよびひじきを粉砕機で粗粉砕する粗粉砕工程に入る。この粗粉砕工程により、前記こんぶ、わかめおよびひじきを5mm〜8mm程度の粗粉末とする。
【0023】
第5工程として、前記粗粉砕工程により粗粉末に粉砕されたこんぶ、わかめおよびひじきの粗粉末を蒸気滅菌する殺菌工程に入る。
【0024】
第6工程として、前記殺菌工程を経たこんぶ、わかめおよびひじきの粗粉末を、粉砕機で100メッシュ程度に微粉砕する微粉砕工程により微粉末として、こんぶ、わかめおよびひじきの有効成分を保持した粉末を製造するのである。
【0025】
第7工程として、前記微粉末工程を経たこんぶ、わかめおよびひじきの微粉末に、青のりおよびスピルニナの粉末を添加混合して混合する混合工程に入る。この混合工程により、前記こんぶ、わかめおよびひじきの微粉末と、青のりおよびスピルニナの粉末を充分撹拌混合して混合粉末を得る。
【0026】
そして、最後に第8工程として、前記混合工程により得られた混合粉末に還元麦芽糖または澱粉等の賦型材を加えて造粒し、顆粒状とする造粒工程とにより、本発明飲料用食品を製造する。
【0027】
【発明の効果】
本発明は上述のようであるから、こんぶ、わかめおよびひじきの有効成分であるアルギン酸やフコイダン等の粘質多糖類やミネラル、ビタミン類、食物繊維等を可能な限り破壊することなく製造され、且つ有効成分が水に溶けやすいので、本発明により製造された顆粒状食品を水に投入することにより、迅速に水に溶融すると共に、青のりおよびスピルニナの色彩が出て青汁状となり、視覚的にも美しく、また健康飲料として極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】原材料であるこんぶ、わかめおよびひじきの脱塩時間と脱塩水並びに粘度との関係図である。
【図2】原材料であるこんぶ、わかめおよびひじき粉末の加熱時間と粘度との関係図である。
【図3】原材料であるこんぶ、わかめおよびひじき粉末の加熱温度と粘度との関係図である。
【図4】原材料であるこんぶ、わかめおよびひじき粉末の70℃での加熱時間と粘度との関係図である。
【図5】原材料であるこんぶ、わかめおよびひじきの加熱時間と水温との関係図である。

Claims (1)

  1. こんぶ、わかめおよびひじきを荒く破砕して、これに3倍量程度の水を加え3分程度脱塩して、塩分を含んだ水分を水切りして除去する脱塩工程と、
    前記脱塩工程を経たこんぶ、わかめおよびひじきに2倍量程度の水を加え、室温から約50〜60℃/hの昇温速度で1時間加熱し、1時間後に70℃になるよう加熱した後、直ちに加熱を停止する加熱工程と、
    前記加熱工程で加熱されたこんぶ、わかめおよびひじきを、60〜80℃で16〜18時間程度乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥したこんぶ、わかめおよびひじきを粉砕機で粗粉砕して粗粉末とする粗粉砕工程と、
    前記粗粉砕工程によって得られたこんぶ、わかめおよびひじきの粗粉末を蒸気滅菌する殺菌工程と、
    前記殺菌工程を経たこんぶ、わかめおよびひじきの粗粉末を粉砕機で微粉末に粉砕する微粉末工程により製造されたこんぶ、わかめおよびひじきの微粉末に、青のりおよびスピルニナの粉末を添加して混合して混合粉末とする混合工程と、
    前記混合工程により得られた混合粉末を造粒して顆粒状とする造粒工程とにより製造することを特徴とする海藻を原料とする飲料用食品の製造方法。
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