JP3722802B2 - 吸収性摩擦増加材の散布方法および使用方法 - Google Patents

吸収性摩擦増加材の散布方法および使用方法 Download PDF

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Description

この発明は、雪または氷で覆われた滑りやすい表面、濡れ落ち葉で覆われた表面、もしくは水で覆われた舗装されて間もない表面に散布される媒体に関するものである。さらにこの発明は、その媒体を雪または氷で覆われた表面へ散布するための方法に関するものである。
滑りやすい表面に散布される種々の摩擦増加材、特に雪または氷で覆われた表面に対して使用される摩擦増加材が当該技術分野において知られている。
この領域において、いくつか周知の問題が存在する。摩擦増加材が散布される表面の状態が多岐にわたること、例えば0℃より数度低い硬い氷、0℃以上の温度下において水で覆われた氷、地上に到着した瞬間に氷結する過冷却された雨、数ミリから数センチまで変化する氷と雪の層などである。
このように、全ての状況に対して有効な摩擦増加材を見つけることは困難であり、むしろ不可能である。この点に関して、冬期の間にこのような摩擦増加材を必要とする現場は、私有地、私道及び車道、公道、空港およびその関連領域等のように異なる範疇に属するものであり、また要求される事項が異なるのみならず、摩擦増加材を収容して散布するための機材も、また大きく異なるということに留意する必要がある。空港においては非常に高い安全性が要求され、加えて腐食の原因となる物質の許容度が極めて低い。通常、私有地においては摩擦増加材の散布は手動により行うか、もしくは非常に簡素な機械的な装置により行うことが要求される。
一般的な道路及び私有地においては、摩擦を向上させるという目的において、滑りやすい表面に対して砂粒子を使用することが通常である。これはある条件下においては有効であるが、有効に機能しない条件もある。例えば寒冷下において表面が硬い場合、砂は表面にうまく付着せず、車両の通行に伴い生じる風により吹き飛ばされてしまう。砂に替わるものとして、重量があり、簡単に吹き飛ばされない小石(砂利)が使用される。一方、小石には車両に対してより大きな損傷を与えるという不都合がある。近年における傾向として、砂と比較して小石の砂利がより多く使用されている。
しかしながら、例えば砂を加熱後に散布したり、熱蒸気や熱湯と共に散布する等、砂を散布する技術はさらに向上している。この技術は砂の表面への付着をより良いものにし、それにより摩擦もより向上するが、この方法を使用するにあたりより高価な機材が必要になり、加えて加熱に費用がかかり、水分が蒸発するなどの不都合も生じる。この種の散布はむしろ分厚い氷層に対してのみ有効である。さらに、粗い砂と鋭利な氷の先端に起因するタイヤの高い偏摩耗についても指摘されている。
0℃に近い温度下において、特に都市部においては、一般的に凝固点を下げ雪や氷を完全に溶解させるために塩が散布され、それによりタイヤがその下にある舗装部分と接触するようになる。その不都合としては、比較的多量の塩を必要とすることであり、それは環境的な観点において疑問であり、また狭い温度範囲においてのみ有効に機能するということが挙げられる。より分厚い雪や氷の層の場合、もしくは気温がより低い場合の状況下においては、この方法は除去すべき層の一部を溶かすのみであって、その表面をむしろ滑りやすくし、その意図とは反対に作用することになる。加えて、塩の使用は車両の腐食を促進することに繋がる。
多種におよぶ私的(個人)使用目的の摩擦増加材および融雪材が市販されている。公道に使用される摩擦増加材に加え、粉砕された発泡煉石や貝砂も広範囲に使用されている。融雪材として、その種類により異なる副作用を持つ多種の塩が使用されている。硬質で滑らかな氷に対しては、乾燥型の砂や小石の砂利は表面に付着しないのでうまく機能せず、ゴムタイヤに対する摩擦力は得られない。最も安価な塩(すなわちNaCl)に関する問題としては、コンクリートを浸食し、鉄筋および鉄骨構造を損傷し、履き物を浸食し、そしておしなべて環境に対して有害である、ということが挙げられる。
(発明の目的)
このように、本発明の目的は、氷及び硬質の雪に適し、極度にタイヤを摩耗することなく、車両が走行するために充分高い摩擦と好ましい安全限界を実現でき、また歩行者に対しても有益であり、さらに、散布された摩擦増加材が、道路の表面に長期間にわたって留まる摩擦増加材の散布方法および使用方法を提供することである。
上記の目的は、請求項1あるいは5に記載されている方法により達成される。
本発明の好ましい実施形態は従属する請求項において開示されている。
ここにおいて定義されているタイプの吸収物質は、その内部の多孔性もしくは微小孔性の空間を覆う堅固な構造をその外側に持つという特徴を示す。本発明の吸収物質は耐久性があり、これは液体に曝された場合においても簡単に砕けて小片化しないということを意味する。
粒状吸収物質は一般的に焼成された珪藻土(CDE)である。セピオライト、膨張パーライト(急激に焼成されたライオライト/ピッチストーン)、もしくは天然ゼオライトも使用可能である。か焼/焼成により、粒状吸収物質に、圧壊することなく機械的な圧縮荷重に耐え得る強度と、水分のある環境に置かれても腐敗することなく耐え得る強度が付与される。本発明による摩擦増加材は環境にやさしく、また、車両や橋梁等の浸食を促進することもない。
本発明の摩擦増加材を正しく使用することによりスパイクタイヤの需要が低下するので、道路沿いの空気中に滞留する埃の量が低減し、きめの細かい砂の使用もまた低減する。
吸収素材の混合物と少量の水(液体)は滑りやすい表面に対し、特に氷と硬質の雪に対して非常に好適である。実際に行われた試験の大部分において、CDEと添加水が使用された。
この試験により、本発明の摩擦増加材は氷と硬質の雪に対して必要な摩擦を実現するということが証明された。特に、適切な量の真水が加えられた場合、摩擦増加材は即座に氷に氷着し、紙ヤスリのような表面を形成する。これにより、気温に関係なく非常に均一でかつ充分な摩擦が得られる。車両の通行に関して、得られる摩擦力は、安全面の観点から、全ての温度状況に対して完全に許容され、しかもタイヤの摩耗が不均衡なほどに大きくならない高さの水準である。
本発明の摩擦増加材は、その吸収能力により、油や重油の流出、油脂や落ち葉(樹木の樹液)等その他の理由により滑りやすくなった表面に対してもまた有効である。
摩擦増加材の水分の限界が、吸収材の表面が乾燥外面(粒状吸収物質の外表面の感触はドライで、粒状吸収物質に触れた場合にも水分が剥離することはない)から湿潤外面に移行するまで吸収材に加えることができる液体の量の限界を定義する。この限界は、摩擦増加材の吸収限界と比較して3分の1から2分の1の範囲にある。
Figure 0003722802
本発明によるその他いくつかの素材の吸収能力(限界)の簡単な測定を実施した。天然ゼオライトの数値はセピオライトの数値に匹敵することが判明した。パーライトと焼成ベントナイトの数値は、セピオライトの数値と比較してそれぞれ幾分低いことと、幾分高いことが判明し、測定された素材の中ではCDEが最も高い数値を持つ。
特定の用途に対して摩擦増加材は、例えばアルコール、プロピレングリコール、酢酸カリウム等の不凍液と併用することができる。適用の範囲とそれぞれの使用の条件は、本発明の摩擦増加材を単独で使用したほうがより好ましいかどうかにより判断される。
個人向け(私的な)市場の範囲内における用途に対して、異なる種類の流出した液体を吸収することを含むよう、その機能を拡張することは妥当だと思われる。そのような目的において吸収容量を可能な限り高く維持するため、摩擦増加材は粉塵を固めるために必要な量以上に水分を含むべきではない。CDEに対するこの数値は体積のおよそ4%から12%である。
上述の通り、摩擦増加材は用途に応じて(完全な)乾燥状態でもよく、もしくは一定量の水分を含んでもよい。液体の量は、摩擦増加材の水分量の限界を下回らねばならず、そうでない場合摩擦増加材は互いに氷結する傾向にあり、気温が0℃以下に下がった場合、“塊”を形成する。
専門市場向けのものに関しては、生産時に加えられる水分量と散布時に加えられる水分量は、その輸送と散布の状態により決定される。試験は、総水分量と摩擦増加材との比率が、可能な限り最適な摩擦を達成するという目的においての最も重要なパラメーターである、ということを示している。その散布/施工に続いて、表面に対しては、水分量が水分限界と吸収限界の間の範囲内でなければならないという若干の条件が存在する。
個人向け市場用のものに関しては、流出した油、もしくはその他の液体の吸収に対する実用性を確保するために、水分量をできるだけ少なく、粉塵を固めるのに充分なだけ含ませることが好ましい。
評定かつ/または試験された素材は、焼成珪藻土(CDE)、セピオライト、膨張パーライト、天然ゼオライトである。CDEは実際の試験において主要な未加工の素材として使用された。
試験が行われた種々の条件に関して、本発明の摩擦増加材は“段階”に応じて多少異なる特性を持つことに留意しなければならない。摩擦増加材の“使用法”はドライ段階、ウェット段階、凍結段階、そしてドライ復帰段階というように4つの段階に分けられる。摩擦増加材がウェットな状態で散布された場合(特に専門市場向けの場合)、ウェット段階、凍結段階、ドライ段階の3つの段階を通過する。
ドライ段階:ドライ段階において摩擦は比較的高く、そして−0℃から5℃までの温度範囲のほとんどにおける乾燥したきめの細かい砂と比較して著しく高い。それは多くの場合において砂と比較して良好に機能する(表3e及び3g参照)。摩擦増加材がドライな場合、強風(車両による乱流)が粒状吸収物質を移動させるが、それはこの状態では車両の通行量が多い道路においては摩擦増加材が実用的ではないということを意味する。私道、歩道、階段等に対しては、摩擦増加材は非常によく機能する。
ウェット段階:増加材の散布時に加水すること、氷の溶解、またはその他の方法で加水されることにより、摩擦増加材をウェット状態にすることができる。ウェット段階において摩擦増加材は、湿った砂の摩擦力の規模の摩擦力を発生させる。これはドライ状態に比べて著しく劣るが、砂の摩擦には劣らないことを意味する(表3b、c、及びd参照)。一方、ウェット状態において摩擦増加材はドライ状態と比較して表面によく付着する。
凍結段階:(サンドペーパー段階)摩擦増加材が真水のみにより加水されて湿り気を帯び、更に気温が0℃以下であれば、粒状吸収物質は即座に凍結し氷になる(気温が0℃付近の場合最大30秒要し、気温が−10℃から−15℃の範囲内である場合5秒から10秒かかる)。この段階における摩擦は、最も低い気温に対応する、氷と氷結した砂の摩擦に匹敵し得るものであるが、0℃付近の気温において本発明の摩擦増加材による摩擦は著しく高く(砂の粒子は0℃付近において弛緩するように見受けられる)、そしてこれは−0℃以下の温度スケールにおける場合よりも高い(表3b参照)。乾燥した摩擦増加材と比較すると、−0℃における値を除きほぼ2倍程度高い(表3b及び3c参照)。摩擦は加水された量により変化し(表3の試験に加えて実施された試験)、そしてそれは表面積/散布量当たりの粒状吸収物質の量とともに増加する(表3b参照)。
ドライ復帰段階:摩擦増加材がウェットな、もしくは凍結している状態である場合、天候や気温により、徐々に乾燥してゆき乾燥状態に復帰する。また、乾燥状態において摩擦増加材は降雨時に容易に雨に流される。試験された吸収物質は環境的に無害なものであり、有毒な液体が加えられない限り環境に対して有害ではない。
完全な摩擦曲線/すべり曲線を得るための摩擦の最大測定限界の測定方法(ASTM(材料試験協会)規格E1859−97(米国))に関して以下に説明する。本発明の摩擦増加材の実施例を試験するために使用された、小規模の試験のための簡略化された方法に関しても説明する。
上記ASTM方式はノルウェー道路庁の規格として採用されている。測定の基準となるのは、水平摩擦力(例えば車輪とその下の地面の間の摩擦=Fh)と総重量/車輪により地面に対して加えられる力(垂直力)との比率である一般摩擦係数(μ=Fh/Fv)である。摩擦係数μは通常0から1の数値の間にあり、0は摩擦なし、1は最大摩擦を意味する(1のμは水平と垂直の力が同等の大きさであるということを意味する)。いくつかの事例において、摩擦係数は1以上のものがあるが、それは“歯車”効果もしくは“サンドペーパー”効果が現れているということを意味する(表3h参照)。
その方式により、車輪が制動(車輪の、その下にある表面に対する速度が直線的に減速されること)を開始してから停止位置に到達するまでの全てのμ数値である、いわゆる滑り曲線が測定される。すべり曲線の最大値(μmax)は一般的に尺度として使用され、摩擦力の数値として表される。ASTM方式による測定に使用される機材は非常に高価なものであり、現在使用されている機材は屋外の道路/路線の測定のみを行うためのものである。
夏期用の車両用の長方形のタイヤ片(約8cm×12.5cm=200cm2)が用意され、そのタイヤ片を平らに保つために重りがのり付けされた。総重量は約0.8kgである。そして、前記タイヤ片には0から12hg(12hg=1.2kg)まで目盛りが付けられ、使用に適したバネ秤に繋がれた。読み出された数値はμ=xhg/8であるμ数値に変換され、読み出された数値には±10%の公差があると仮定された。読み出しの大部分は、室温が調節された寒冷な倉庫内における氷の表面でおこなわれた。
摩擦スケール:いくつかの基準値
上述の通り、摩擦の一般的な定義は、公式μ=Fh/Fvにより定義され、ここで、Fhは水平摩擦力(水平の表面においてテストされたもの)、Fvは表面に対する垂直圧(力)、μは摩擦の係数である。ノルウェー道路庁は、表2に示されるように、異なる路面のμの数値を試算した。それらの数値は“Temahefte til handbok−111. Vedlikeholdsstandard for riksveier(1993) Statens Vegvesen,Vegdirektoratet,driftsavdelingen,Vedlikeholdskontoret”に著されている。
(制動距離は時速50kmの走行時において約14mの反応距離を含まない)
Figure 0003722802
異なる作用媒体の混合物のために、発明者の冷蔵室においての測定と、Teknologisk Institutt(すなわちノルウェーの技術研究所)による測定の2種類の摩擦測定が実施された。
温度調節された室内および屋外におけるいくつかの状況に対する簡略化された方式による測定
表3の内容を以下に説明する。気温は氷の表面において℃で規定され、−0とは−0.1から−0.5℃の範囲内であることを意味し、+0とは+0.1から+0.5℃の範囲内であることを意味する。表面とは、使用された摩擦材および土台もしくは地面のタイプについて定義する。量/m2とは1m2の表面に対してどれだけの量の摩擦増加材がcm3で使用されたかを示す。静止摩擦係数とは、ゴム片が滑り始める直前に測定された摩擦係数(μ)である。この因数の目的は、例えば異なる摩擦増加材を使用した場合に直面しうる、静止摩擦に関する問題の指標を提供することにある。この数値は他の基準においても含まれる。μ数値の測定の公差は1つの数値のみが示され、±0.05と評定された。静止摩擦係数は、ASTMの標準測定による摩擦曲線の最大値と比較され、一定の数値を示す。滑り摩擦係数は、ゴム片が表面上を一定の速度で滑っている時点において測定された摩擦の係数を示すものである。これはASTMの標準測定の滑り曲線の最終値を示すべきものであり、ノルウェー道路庁に保証された。
凍った摩擦増加材は、水道水を手動により散水し(1リットルのペットボトル)、加えられた水の量を記録し、かつ調節しながら製造された。水が多すぎる場合は摩擦を低下させ(粒状吸収物質を覆う水/氷層)、水が少なすぎる場合もまた、粒状吸収物質を弛緩させて表面上へと移動させ、摩擦の低下を招くことになる。いずれの種類の砂に対する水の量も、砂の量に対して30から50%の量が最適と証明され、また本発明の摩擦増加材に対する数値は50から80%である。−15℃において摩擦増加材は10秒から20秒の間に表面に氷結し、−0℃においてサンドペーパー効果が現れるのに20秒から30秒要した。
表3(a−h)は簡略化された方法による関連する摩擦増加材と表面の摩擦の測定結果を示す。
Figure 0003722802
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本物のサンドペーパーの数値は、1より大きい摩擦の係数を得ることが可能であるということと、その少なくとも目の粗いサンドペーパーと近似した状態は不要なゴムタイヤの摩耗を引き起こしかねない、ということを示すために記載されている。
表3に関するコメント及び結論
“サンドペーパー状の表面”。摩擦増加材は0℃から15℃までの全ての温度範囲において0.4から0.45の均一で充分な滑り摩擦を発揮し、充分満足な運転状態を実現した(表2参照)。また、静止摩擦の数値に関しても均一である。砂を用いた試験においてはより多様な結果を示した。温砂の使用(後述のノルウェー道路庁により行われた試験を参照のこと)は、より高い摩擦の係数を示した。
“ドライ散布”。摩擦増加材は満足かつ均一な静止摩擦(約0.5)と滑り摩擦(0.25−0.)を示した。摩擦増加材の量(1m2当たり0.5/1.5dl)は摩擦には影響しないということを発見したこともまた重要である。最も驚くべき、また興味深い発見としては、0℃における摩擦の滑り係数(0.45)は、それより低い温度での数値と比較してほぼ2倍近く高いということである。表3e参照。この数値は車両を使用してマイナス1℃からマイナス3℃の条件下において実際行われた試験により実証されている。
技術研究所(Teknologisk Institutt)により行われた試験
本発明の摩擦増加材はこれらの試験において“氷殻”と名付けられ、専門的には5%の水を含むCDEである(水分限界の充分な範囲内)。
測定は2種類の温度条件下で、3本のレーンにおいて、ドライの摩擦増加材と加水された摩擦増加材の両方を使用して実験測定により行われた。比較用のデータとして砂を使用し、容量分析において同等の量の砂と氷殻を使用した。氷殻の密度が砂に比べて著しく低いため、1dlの氷殻の重量は、体積的に同量の砂の重量が154gなのに対し56gにすぎない。試験に先立ち、摩擦増加材は23±2℃で50±5%RH(相対湿度)の温度室の温度に順応させられている。
試験用レーンは全長3.6メートルで幅0.5メートルである。一連のテスト1から4は約−8℃の温度の氷を使用して行われ、一連のテスト5から8は約−1℃の温度の氷を使用して行われた。結果は表4に示される。
Figure 0003722802
表4に示されるように、本発明の摩擦増加材の摩擦係数は、一連の全ての試験に使用された砂の摩擦係数より高い。その差は摩擦増加材の物質量が少ない場合に最も大きく、新しい摩擦増加材は満足な摩擦増加効果に到達するために使用される量が従来の摩擦増加材よりも少量でよいという理論をより確かなものにした。
砂と本発明の摩擦増加材のいずれに関しても、表面に対して氷結を達成するために少量の加水がなされた場合にはその摩擦が向上する(サンドペーパー効果)。しかしながら、例外的に、−8℃においてよりも−1℃においての方が一貫してより高い摩擦が計測されたが、研究所においての事例と実際の自然環境では若干異なる可能性があることに関して留意しておかなければならない。
試験は、加熱された砂を使用してサンドペーパー状に形成した表面において行われたことは既に述べた。その一例として、ノルウェー東部の寒冷地にある実験用レーンにおいてノルウェー道路庁により実施された試験が挙げられる。試験には鋭利な先端(粉砕岩)を持つ砂粒(0−4mm)が使用され、−10℃から−15℃の温度下において3日間行われた。試験に使用された個人用の試験車両の一台は、試験の行われた3日間の期間中に一日3〜4時間連続で走行した。1時間に約50回、すなわち合計でおよそ500回の制動試験(摩擦測定)が行われた。車両には新品のオールシーズンタイヤが装着され、試験終了後にはタイヤのパターンの溝は新品時に比べ半分になっていた。このことはタイヤの摩耗が驚くほど激しいということを示している。そのような激しい摩耗の原因としては、比較的鋭利な砂粒とその粒径との複合が考えられる。摩擦係数は試験前には0.72まで計測され、試験の終了時には0.57まで減少しており(砂粒が使用された表面の摩耗)、表2に示すように、それは夏期の走行状態と一致する。
実地試験(摩擦測定を除く)
本発明の摩擦増加材の実地試験を、個人用車両を使用して1〜5%の傾斜で短い車両用道路と私道で実施した。その試験は、−1℃から−3℃の温度下において裸氷/硬質の雪上で登坂方向で行われた。
裸氷/硬質の雪上における走行開始試験
乾燥状態において、乾燥した粗い砂を使用した試験が数回実施された。車両の車輪は空転し、氷中に浅く沈み込んだ。そこに少量の砂を使用したが、空転を続ける車輪により飛散してしまった。数回にわたり砂を増量したことにより、車輪は最終的に窪みから脱出することができた。ごく少量の本発明の摩擦増加材を使用した場合には、1、2分放置した後に車輪は即座に走行開始に必要な摩擦が得られた。
裸氷/硬質の雪上における走行試験
走行試験は2%の登坂傾斜がある50mの私道において、500kgのトレーラーが後部に連結された個人用の車両を使用して実施された。摩擦増加材を使用しなかった場合、車輪は空転するのみであった。砂を使用してもさほど事態を好転させるには至らなかったが、本発明の摩擦増加材を使用した場合、車両とトレーラーは最初の試みにおいて坂を登りきった。
歩行試験
(本発明による)乾燥した摩擦増加材を使用した場合の主観的な印象は、傾斜上を歩行する場合においても安全であるというものであった。増加材が水分を含んできた場合、摩擦は著しく低下したが、靴がもはや充分なグリップを得ることが出来ないというような程度のものではなかった。
“サンドペーパー”への転移
0℃以下の全ての気温において、サンドペーパー効果を得ることができ、そのほとんどが1分以内であり、時として20秒以内である。
乾燥状態への転移
摩擦増加材が使用された範囲において、春になり氷が溶けた後においても摩擦増加材の使用痕は見られず、あった場合でも微少なものである。
試験により、本発明の摩擦増加材が、加水量を調節することにより全ての凍結温度において摩擦増加材が相対的に強力に氷結した表面を形成し得る、ということが立証された。このことはおそらく粒状吸収物質中およびその周辺の水分が、多孔度の低い粒状吸収物質の周辺の水分に比べて、凍結した場合に氷に対して粒状吸収物質をよりよく付着させるためと思われる。このように摩擦係数は、関連する温度範囲の全域においてほぼ一定である。粒状吸収物質の“毛管効果”は、粒状吸収物質が最初から多少の水分を含んでいる場合により早く生じる。
温度間隔−0℃から−5℃の乾燥状態において摩擦増加材を使用、又は散布することにより、それより低い気温に比べて比較的高い摩擦と十分満足な運転状態を得ることが出来る。この効果は従来知られていない。
本発明の摩擦増加材の重要な利点として、氷と氷結した場合滑り摩擦係数が0.4から0.5の範囲になり、また濡れた氷の場合には滑り摩擦係数が0.25から0.3の範囲になるというように、得られる摩擦係数が摩擦増加材が使用される条件と比較的無関係である、ということがいえる(表3b)。砂はより大きな変動を示し、一部の温度において摩擦は不必要な高さといえる(タイヤの激しい摩耗を引き起こすおそれがある)0.75までにも上昇し(先端が鋭く粗い砂)、先端が丸くきめの細かい砂の場合、摩擦は0.3から0.5の範囲内である。
限られた数の吸収物質が試験された。鉱物を含む他の珪酸塩を基礎にした粒状吸収物質が同程度の吸収特性を有し、かつ水分にさらされた場合に対する耐久性とを有する場合、近似した特性を持つであろうことを理解しておく必要がある。粒状吸収物質は往々にして“生”の状態では耐久性がなく、焼成の後に耐久性がもたらされる。故に、そのような鉱物の粒状吸収物質は、もしそれらが要求される吸収容量を発揮した場合には本発明の範囲内として考慮されるべきである。吸収容量は少なくとも0.3以上あることが好ましい(水1リットル/吸収物質1リットル)。
より過酷な条件下においてさらなる摩擦の向上を得るために、貝砂や粉砕岩等、その他の素材と本発明の摩擦増加材とを機械により配合することは十分可能である。これは個人向け市場に好適と思われる。しかしながら、そのような配合は何らかの相乗効果が期待されるものではなく、それゆえ本発明の好ましい実施形態を構成するものではないと思われる。

Claims (5)

  1. 摩擦増加材を、氷、または雪で覆われた表面に散布する方法において、
    焼成珪藻土(CDE)、およびか焼ベントナイト、およびセピオライト、および膨張パーライトおよび天然ゼオライトに属するグループより選択され、好ましくは少量の水分を含んだ耐水性の珪酸吸収素材の無塩摩擦増加材の顆粒が、表面に散布され、同時に、もしくは直後に許容され得る量の水分が前記表面に対して噴霧されることを特徴とする摩擦増加材の散布方法。
  2. 前記許容され得る水分量は、少なくとも吸収素材の水分限界に相当するものであり、好ましくは、前記吸収素材の吸収限界に相当するものであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦増加材の散布方法。
  3. 前記吸収素材として、粒状吸収物質1リットルにつき0.3から0.5リットルの範囲の液体の吸収限界を持つ粒状吸収物質が使用されることを特徴とする請求項1に記載の摩擦増加材の散布方法。
  4. 前記吸収素材として、粒状吸収物質の外表面が水分を帯びる前に、粒状吸収物質1リットルにつき0.1から0.25リットルの範囲の液体を吸収することができる粒状吸収物質が使用されることを特徴とする請求項1に記載の摩擦増加材の散布方法。
  5. 無塩摩擦増加材を、氷、もしくは雪で覆われた道路、空港、駐車場、歩道等の表面に散布する方法において、
    前記無塩摩擦増加材として、焼成珪藻土(CDE)、か焼ベントナイト、セピオライト、膨張パーライト及び天然ゼオライトに属するグループより選択された耐水性の珪酸吸収素材の顆粒を含み、
    好ましくは前記顆粒に少量の水分が含まれる、
    化学製品が使用されることを特徴とする使用方法。
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