JP3723007B2 - 万年筆 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管状のインク室と、前端にペン先が取り付けられ、インク室内に配置されたインクガイドと、インクガイドの後端に固定されたインクカートリッジの形状のインク貯蔵部とを有し、インクガイドが、その前端領域がインク室の前端から突出する筆記位置と、インクガイドの前端領域および該前端領域に取り付けられたペン先がインク室に後退する保管位置との間で置き換え移動可能である万年筆に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の公知の万年筆(フランス特許出願公開第1539276号、米国特許第3,203,403号)では、新しいインクカートリッジの固定および空のカートリッジの除去は、インクカートリッジにアクセスでき、インクカートリッジをつかんで引っぱり出すことができるように、管状のインク室の後部がその前部から除去され、新しいインクカートリッジがインクガイドの後端領域に固定されるように行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インクカートリッジを容易に交換できるように、後退可能なインクガイドおよびインクガイドと共に後退可能なペン先を有する万年筆を設計することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
管状のインク室(1)と、該インク室(1;101)内に配置され、前端にペン先(10、110)が取り付けられたインクガイド(5、5’;105)と、該インクガイド(5,5’;105)の後端に配置されたインクカートリッジ(23;123)の形状のインク貯蔵部(23;123)とを有し、該インクガイド(5,5’;105)は、その前端領域が該インク室(1;101)の前端から突出する筆記位置と、該インクガイド(5、5’;105)の該前端領域および該インクガイド(5、5’;105)に取り付けられた該ペン先(10、110)が該インク室(1;101)に後退する保管位置との間で置き換え移動可能であり、該インクガイド(5,5’;105)が、該保管位置から、該インクガイド(5,5’;105)に固定された該インクカートリッジ(23;123)の後端領域が、該インク室(1;101)の後端から突出する交換位置に置き換え移動され得る、万年筆が提供される。
【0005】
1つの実施態様において、位置決めスリーブ(14;114)が、前記インク室(1;101)内で回転可能であるが、軸上で置き換え移動できないように配置され、前記インクガイド(5、5’;105)に置き換え移動できないように接続された少なくとも1つのキャッチ(12、13;112、113)が係合するねじ状のトラック(15、16;115、116)を有する。
【0006】
1つの実施態様において、前記トラック(15、16;115、116)が二重ねじの形状を有し、2つのキャッチ(12、13;112、113)が前記インクガイド(5、5’;105)上で互いに直径方向に対向して配置されている。
【0007】
1つの実施態様において、前記少なくとも1つのキャッチ(12、13;112、113)がブッシュ部(11;111、111’)上に設けられ、該ブッシュ部(11;111、111’)が前記インクガイド(5、5’;105)の前記後端に取り付けられている。
【0008】
1つの実施態様において、前記少なくとも1つのキャッチ(12、13)のための支持面が、前記トラック(15、16)の前端(15b、16b)に設けられている。
【0009】
1つの実施態様において、前記インク室(1;101)が、該インク室(1;101)の前記前端を取り囲むカバーキャップ(135)を収容するための前部外側ねじ(4;104)を有する。
【0010】
1つの実施態様において、前記カバーキャップ(135)を収容するための後部外側ねじ(131)が、前記位置決めスリーブ(114)の後端に設けられている。
【0011】
1つの実施態様において、前記後部外側ねじ(131)のコア径および/または前記カバーキャップ(135)の内側ねじの外径が、前記位置決めスリーブ(114)と該位置決めスリーブ(114)にねじ込まれた該カバーキャップ(135)との間で確立されるクランプ力が前記インクガイド(105)を前記筆記位置から前記保管位置に置き換え移動されるために該カバーキャップ(135)上にかけられる力よりも大きくなるように、軸方向に変化する。
【0012】
1つの実施態様において、前記カバーキャップ(135)の前記内側ねじの前記外径が、10゜と16゜との間(好ましくは、12゜)の円錐形開口角の進路が現れるように、前部から後部へと低減し、前記後部外側ねじ(131)の前記コア径が一定である。
【0013】
1つの実施態様において、前記前部外側ねじ(104)のコア径が、前記カバーキャップ(135)の前記内側ねじの前記外径と実質的に同じピッチで後部から前部に低減する。
【0014】
1つの実施態様において、前記トラック(15、16)が、低減されたピッチを有し、前記保管位置を規定する少なくとも1つのセクション(15a、16a)を有する。
【0015】
1つの実施態様において、旋回可能な閉塞キャップ(20;120)が、前記インク室(1)の前記後端に設けられている。
【0016】
1つの実施態様において、前記閉塞キャップ(20;120)が、前記位置決めスリーブ(14;114)の前記後端に固定されている。
【0017】
1つの実施態様において、前記保管位置が、前記インクカートリッジ(123)の後端の前記閉塞キャップ(120)の前面に対する当接によって規定される。
【0018】
1つの実施態様において、同軸上に延びる支持ピン(137)が、前記カバーキャップ(135)の基部に設けられ、該支持ピン(137)の自由端が、該カバーキャップ(135)が前記後部外側ねじ(131)にねじ込まれるとき、前記閉塞キャップ(120)の後面のすぐ脇に配置され、前記インクカートリッジ(123)の後端を介して該閉塞キャップ(120)にかけられる圧力によって該閉塞キャップ(120)が開くのを防止する。
【0019】
1つの実施態様において、前記カバーキャップ(135)が前記前部外側ねじ(104)にねじ込まれるとき、前記支持ピン(137)の前記自由端は、前記インクガイド(105)がさらに前方に置き換え移動されないように突っ張って、該インクガイド(105)の支持面と係合し、該インクガイド(105)が前記筆記位置の方向に置き換え移動されるとき、前記ペン先(110)の先端は、該カバーキャップ(135)の基部からある距離をおいて保持される。
【0020】
1つの実施態様において、前記支持面が、前記インクガイド(105)に設けられためくらボアの底面によって形成される。
【0021】
以下、本発明の作用を説明する。
【0022】
上記目的を達成するために、冒頭で言及したこの種の万年筆は、インクガイドが、保管位置から、インクガイド内またはインクガイド上に固定されたインクカートリッジの後端がインク室の後端から突出する交換位置に置き換え移動され得るように、本発明により設計される。
【0023】
従って、本発明による万年筆には、今日通例のように、インクカートリッジが固定されている。インクカートリッジは、インク貯蔵部を形成し、通例の様式では、インクカートリッジからのインクが、インクガイドの中央開口部からインクガイドに入り、ペン先に向かって前方に通過し得るように、インクガイドの後端に交換可能に配置されている。しかし、インク室を解体せずに(従って、特に簡単な方法で)インクカートリッジの交換を可能にするために、インクガイドは、固定されたインクカートリッジ全体がインク室内に配置される保管位置から後方に向かって置き換え移動され得る交換位置を有する。この交換位置では、インクカートリッジの後端は、インク室の後端から突出するので、ユーザは、インクカートリッジをつかみ、インクガイドの後端から引っ張り出して、新しい完全なインクカートリッジと交換することができる。
【0024】
好ましい設計において、旋回可能な閉塞キャップは、インク室の後端に設けられ、通常の動作では、インク室の開口部は、この閉塞キャップによって覆われる。これに対して、インクガイドが保管位置から交換位置に置き換え移動される場合、閉塞キャップはその開口位置に移動され、インク室の後端は、インクカートリッジが通過できるように開口する。
【0025】
筆記位置、保管位置、および交換位置間のインクガイドの置き換え移動を容易にするために、位置決めスリーブは、インク室内で回転可能であるが、軸上で置き換え移動されないように配置され得、ねじ状のトラックを有し、このトラックには、インクガイドに置き換え移動できないように接続された少なくとも1つのキャッチが係合する。このように、位置決めスリーブが回転すると、キャッチは、位置決めスリーブに対してらせん状に置き換え移動し、これに対応して、インクガイドは軸上で置き換え移動する。
【0026】
トラックが二重ねじの形状を有し、2つのキャッチがインクガイド上で直径方向に互いに対向して配置される場合、特に均一な置き換え移動がなされる。
【0027】
インクガイドの簡単な構築を成し遂げるために、この少なくとも1つのキャッチは、インクガイドの後端に取り付けられたブッシュ部上に設けられ得る。これによって、インクガイドは通例の要件に従って開発され、製造され得る。一方、ブッシュ部は、個別の手法において、完成したインクガイドに接続される。
【0028】
使用中に保管位置が達成されたことをユーザが知り、1つまたは他の方向への置き換え移動を中断することができるように、トラックは、低減されたピッチを有し、保管位置を規定する少なくとも1つのセクションを有し得る。
【0029】
上記の少なくとも1つのキャッチに対する支持面がトラックの前端に存在し得、この支持面を介して、使用中に発生し、インクガイドに作用する筆圧が吸収される。
【0030】
特に好ましい設計において、閉塞キャップは、位置決めスリーブの後端に固定され、ユーザは、開口位置に移動した閉塞キャップをつかむことができ、これによって、位置決めスリーブを回転させ、インクガイドを所望の位置に置き換え移動されることができる。
【0031】
万年筆に関して通例のように、インク室は、前端を閉塞するカバーキャップを収容するための前部外側ねじを有し得る。しかし、必要に応じて、カバーキャップはまた、カバーキャップを前端に対して簡単に押すだけで取り付けられ得る。
【0032】
ねじ込み可能なカバーキャップが設けられる場合、後部外側ねじは、カバーキャップを収容するための位置決めスリーブの後端領域に設けられ得る。このように、カバーキャップは、回転可能な位置決めスリーブと連結され得、位置決めスリーブは、カバーキャップを回転させることによって回転し得る。
【0033】
カバーキャップおよび位置決めスリーブが、インクガイドを筆記位置から保管位置に置き換え移動する方向に回転されるときに、保管位置が達成される前に、カバーキャップが位置決めスリーブからはずれないようにするため、後部外側ねじのコア直径および/またはカバーキャップの内側ねじの外径は、位置決めスリーブと位置決めスリーブにねじ込まれたカバーキャップとの間で確立されるクランプ力がインクガイドを筆記位置から保管位置に置き換え移動されるためにカバーキャップにかけられる力よりも大きくなるように、軸延長方向に変化し得る。後部外側ねじのコア径は好ましくは一定で、カバーキャップの内側ねじの外径は、円錐形開口角が10゜と16゜との間(好ましくは12゜)で、前部から後部へのテーパリングがなされるように変化する。この場合、前部外側ねじは、好ましくは、後部から前方へと実質的に同じピッチで形成され、この領域でクランプ力が増加するのを防止している。
【0034】
後部外側ねじとカバーキャップの内側ねじとの間で確立されたクランプ力によって、カバーキャップと位置決めスリーブが連結され、これによって、カバーキャップを回転させて、筆記位置から保管位置にインクガイドを置き換え移動することが確実にでき、インクガイドが保管位置に到達したときのみ、カバーキャップは位置決めスリーブからねじ解除される。次に、取り外されたカバーキャップは、ペン先およびインクガイドからその内部またはその上のインクが乾燥するのを防止するために、前部外側ねじにねじ込まれ得る。
【0035】
前述のように、トラックは、低減されたピッチを有し、保管位置を規定する少なくとも1つのセクションを有し得、インクガイドが筆記位置から保管位置に置き換え移動されるとき、ユーザは、保管位置が達成されたことを検出することができ、位置決めスリーブがカバーキャップを収容およびクランプ留めするための後部外側ねじを有する場合、カバーキャップが後部外側ねじからはずれるようにさらに置き換え移動する抵抗力を発生する。
【0036】
閉塞キャップが位置決めスリーブの後端に旋回可能に固定されている場合、トラック内の低減されたピッチを有するセクションによる保管位置の規定または確立はなしで済まされ得、保管位置は、インクカートリッジの後端が閉塞キャップの前面に対して当接することによって規定され得る。
【0037】
インクカートリッジの後端が閉塞キャップに当接することによって、インクガイドをさらに後方に置き換え移動されることに対してある抵抗力が発生される場合、カバーキャップは、通常、後部外側ねじから分離されるが、インクカートリッジが閉塞キャップに対する当接にもかかわらず、カバーキャップと後部外側ねじとの間のクランプ力は特有の場合に非常に大きくなり、ユーザがインクガイドおよびインクカートリッジをさらに後部に置き換え移動され、それによって閉塞キャップが開口されることも可能である。このようなことを防止し、規定の保管位置を成し遂げるために、同軸上に延びる支持ピンは、カバーキャップの基部に設けられ得、その自由端は、カバーキャップが後部外側ねじにねじ込まれるとき、閉塞キャップの後面のすぐ脇に配置され、インクカートリッジの後端を介して閉塞キャップにかけられる圧力の結果、閉塞キャップが開口するのを防止する。このように、支持ピンは、位置決めスリーブ上にかけられるトルクによって、インクガイドおよびインクカートリッジがさらに後方に置き換え移動される方向に力が発生するとき、閉塞キャップが開口するのを阻止する。この結果、閉塞キャップは開口することができなくなり、むしろ、ユーザによってカバーキャップにかけられるトルクによって、カバーキャップは後部外側ねじからはずされる。
【0038】
カバーキャップの基部に支持ピンを設けるとさらに以下のような利点がある。即ち、カバーキャップが前部外側ねじにねじ込まれると、その自由端は、インクガイドがさらに前方へ置き換え移動しないように突っ張って、インクガイドの支持表面と係合し、インクガイドが筆記位置の方向に置き換え移動するとき、ペン先の先端は、カバーキャップの基部からある距離を置いて保たれる。支持表面は、インクガイド中のめくらボアの底面からなり得る。
【0039】
カバーキャップが前部外側ねじにねじ込まれるとき、ユーザが例えば閉塞キャップの領域において位置決めスリーブをつかむことによって位置決めスリーブを回転させる場合、これによってユーザは、ペン先の先端がカバーキャップの基部壁に接触するほどペン先を保管位置から筆記位置の方向にさらに移動するのが防止される。さもなければ、先端は損傷し得る。特に、ペン先の先端と基部壁との間の接触によって、得られる毛管効果のために、インクがインクガイドからペン先の先端を介してカバーキャップの内部に放出されるという危険が伴う。言うまでもなく、これはかなりのインクのしみにつながる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、実施態様を示す図面を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0041】
図示する万年筆は、前端に開口部2を有する管状のインク室1を有し、開口部の直径は、インク室1の近傍セクションの正味の直径に対していくぶんか低減されている。前部領域では、外側ねじ4が開口部2からある距離をおいてインク室1上に形成され、外側ねじ4上には、カバーキャップ(図示されない)が通常の様式でねじ込まれ得る。
【0042】
インク室1の前部には、通例のインクガイドが配置されている。インクガイドは、インクガイドスリーブ5’とインクガイドスリーブ5’に固定されたインクガイド固定具5とからなる。図1から図3において、インクガイド固定具5の前端領域に形成されたひれ状部6が観察できる。ひれ状部6は、毛管作用によってインクを保持し、通例の圧力等化システムの一部を示す。ひれ状部6から半径方向に対向する側では、ペン先10が、通例のように、インクガイド固定具5とインクガイドスリーブ5’との間で取り外し可能にクランプ留めされ、その前端は、インクガイド固定具5の前端を超えて突出している。インクガイドスリーブ5’の前端領域には、管状の肩部8がある。肩部8は、図1による筆記位置では、開口部2を取り囲むインク室1の後退領域に対して位置し、それによって、インクガイドおよびペン先10の前端位置を規定する。環状肩部8と、それよりさらに後ろに位置する近傍の環状肩部との間には、インクガイドスリーブ5’がシーリングリングを保持している。
【0043】
インクガイドスリーブ5’の後端では、軸上の円筒形の突出部7が、通例の様式で形成されている。突出部7には、通例のインクカートリッジ23(例えば、いわゆるヨーロッパカートリッジ(Euro cartridge)のネックセクションが固定され、インクカートリッジ23のネックセクションは、突出部7にクランプ留めされるように保持され、突出部7はまた、インクカートリッジが固定されると、そのシールを開口する、即ち、突き通す。インクカートリッジ23の内部は、インクガイドスリーブ5’の同軸上の内部ボア(図示されない)に突出部7を介して接続されているので、このようなインクガイドの通例の様式では、ペン先10への接続は、インクガイド固定具5およびとりわけひれ状部6を含む圧力等化システムを介してなされる。
【0044】
ブッシュ部11は、インクガイドスリーブ5’の後部領域9に固定され、その前部は、突出部7に接合し、例えば、ねじによってインクガイドスリーブ5’に接続されている。ブッシュ部11の後部領域は、インクカートリッジ23の前部領域に対して円筒状のガイドセクションを形成している。ブッシュ部11の後端では、2つのキャッチ12、13が直径方向に互いに対向するように形成され、放射状に外側に突出し、例えば、円形断面を有する。キャッチ12、13の機能については後述する。
【0045】
円筒形位置決めスリーブ14は、後部からインク室1に挿入され、その前端をインク室1の内部環状肩部に置いて、この領域で金属リングによって取り囲まれている。さらに後部に位置する領域では、位置決めスリーブ14は環状肩部を有し、この環状肩部には、後ろからインク室1に固定され、外側に方向づけられた環状肩部をその後端に置いて位置するスリーブ部17の環状肩部が位置する。インク室1およびスリーブ部17は、例えば、ねじによって互いに強く接続されている。このように、位置決めスリーブ14は、インク室1の内部環状肩部と、スリーブ部17の環状肩部との間で軸上に置き換え移動可能ではないが、回転可能に位置している。
【0046】
位置決めスリーブ14は、後部セクションがスリーブ部17の後端を超えるように突出し、スリーブ部材18は、このセクションに固定され、例えば、位置決めスリーブ14にねじ込まれている。閉塞キャップ20は、スリーブ部材18の周りで旋回できるように、旋回軸19によってスリーブ部材18に固定されている。閉塞キャップ20は、内部に設けられた環状溝に、固定状態においていくぶん弾性的に圧縮されるスナップリング22を保持する。閉塞キャップ20が閉じているとき、旋回軸19の近傍のスナップリング22の領域は、スリーブ部材18の後方に突出した領域に形成されたくぼみに係合するので、閉塞キャップ20は規定の閉塞位置となる。
【0047】
上記の環状肩部間の領域では、位置決めスリーブ14は、同じピッチを有し、180゜オフセットした2つのねじ形状のカット15、16を有し、その前端には、直線上の導入セクション15b、16b(図5)が形成されている。ねじ形状のカット15、16は、約360゜にわたって形成され、その端部には、周囲方向に延びる端部セクション15c、16cを有する。カット15、16の中央領域では、ほぼ周囲方向にわたる短い中間セクション15a、16aが形成されている。2つの中間セクション15a、16aおよび2つの端部セクション15c、16cは、それぞれ、同じ軸上の高さにある。
【0048】
図1から図3に示すように、ブッシュ部11の円形円筒形突出肩部12、13は、カット15、16へ延び、これらのカットへのキャッチ12、13の導入は、位置決めスリーブ14の前端に形成され、前部に開口した導入セクション15b、16bを介して行われる。図1から図3に示す金属リングは、カットセクション15b、16bの領域で位置決めスリーブ14を取り囲み、万年筆が組み立てられたときに、キャッチ12、13が、カット15、16の前端から飛び出さないようにしている。即座に理解できるように、キャッチ12、13は、位置決めスリーブ14をスリーブ部1内で回転させることによって、ねじ形状のカット15、16に沿って置き換え移動され、インクガイド5、5’およびペン先10もまた、インク室1に対する軸上の移動を行っている間に置き換え移動される。
【0049】
図1から図3において、異なる位置に移動させると、ペン先10が常に図示する位置に維持されるように、位置決めスリーブ14は、インクガイド5、5’およびブッシュ部11の周りを回転することが想定されていると言ってもよい。
【0050】
図1による筆記位置では、キャッチ12、13は、使用中に発生する最も前端位置に位置し、インクガイドスリーブ5’は、その環状肩部8を、インク室1の前端に形成された開口部2のくぼみに置いて位置する。これによって、インクガイド5、5’はさらに前方に置き換え移動されることはできない。この位置では、キャッチ12、13は、導入セクション15b、16bと、導入セクション15b、16bに接続するカット15、16との間の移行領域に位置する。この移行領域では、図5に示すように、各導入セクション15b、16bの後縁部または支持表面は、周囲方向にわたり、図1による筆記位置では、導入セクション15b、16bは、キャッチ12、13を支持する。従って、ペン先10に作用する筆記圧力は、これらの周囲縁部または表面でキャッチ12、13を支持することによって吸収される。
【0051】
インクガイド5、5’を図2による保存位置に移動させるために、ユーザは、シーリングキャップ20を開けて、シーリングキャップ20をつかんで、それによって、インク室1内で位置決めスリーブ14を回転させることができる。それによって、キャッチ12、13は、周囲方向にわたる中間セクション15a、16aの領域に到達するまで、カット15、16に沿って後方に置き換え移動され、位置決めスリーブ14が回転したときのわずかな「アイドリング」がユーザによって検出され、ペン先10の前端が、スリーブ部1の前端を超えてこれ以上突出しない図2による保管位置が達成されたことがユーザに示される。次に、ユーザは、図2に示す位置が得られるように再びシーリングキャップ20を閉め、対応するカバーキャップ(図示していない)を外側ねじ4にねじ込むことができる。
【0052】
対応する逆の移動シーケンスによって、図示する万年筆は、再び、図1による筆記位置に戻され得る。
【0053】
インクカートリッジ23が空であるか、または他の理由で交換される場合、ユーザは再びシーリングキャップ20を開き、インクガイド5、5’を筆記位置(図1)から保管位置(図2)に置き換え移動するときと同じ方向に位置決めスリーブ14を回転させ、キャッチ12、13は、周囲方向にわたる端部セクション15c、16c(この端部は置き換え移動を制限する)に入るまでカット15、16に沿って中間セクション15a、16aからさらに後部に置き換え移動される。これによって、インクカートリッジ23の後端領域がインク室1の後端およびインク室1に接続した構成要素、即ち、スリーブ部17、位置決めスリーブ14およびスリーブ部材18から突出する図3による交換位置が達成され、この後端領域をつかんで、インクカートリッジ23を除去することが可能になる。新しいインクカートリッジ23が固定された後、位置決めスリーブ14を回転させることによって、インクガイド5、5’は前方に向かって図2の保管位置または即座に図1の筆記位置に置き換え移動される。
【0054】
図6から図8による万年筆は、図1から図5からの万年筆と同様に構築され、図1から図5のパーツと同じパーツ、または図1から図5に示すパーツと同じ機能を有するパーツおよび部材には、図6から図8に示すように、「100」を足した同じ参照符号が付してある。これらについては、再び記載しない。
【0055】
図6から図8による実施態様において、図1から図5による実施態様であって、図5に示す実施態様において設けられている、インクガイド5、5’の保管位置を規定する位置決めスリーブ14におけるトラック15、16の中間セクション15a、15bはない。さらに、図6から図8による実施態様では、インクガイド105は、簡略化された形態で示され、インクガイド105に固定されたブッシュ部は、インクガイド105の後端107を取り囲み、インクカートリッジ123を収容するための突出部を形成する内部ブッシュ部111と、内部ブッシュ部111に強固に接続され、互いに対向し、放射状に外側に突出するキャッチ112、113が形成されている外部ブッシュ部111’とからなる。外部ブッシュ部111’はまた、インクカートリッジ123の前部領域に対して円筒状のガイドセクションを形成する。
【0056】
図6から図8において、インクガイド105は、図1から図5を参照しながらすでに記載した保管位置において示される。この位置では、インクカートリッジ123の後端は、旋回軸119の周りで旋回し得る閉塞キャップ120に固定された固定具または挿入部130の端部に対して配置される。この当接によって、保管位置が規定され、インクガイド105が筆記位置から保管位置に置き換え移動されるとき、保管位置が達成されたことを知らせる、ユーザによって検出され得る抵抗が生じる。
【0057】
図6から図8による万年筆は、そのインク室101の前端領域において、図1から図5による万年筆の外側ねじに対応する前部外側ねじ104だけでなく、さらに、後端領域、即ち、閉塞キャップ120が旋回可能に接続するスリーブ部材118上に、後部外側ねじ131を有する。スリーブ部材118は、図1から図5による万年筆のスリーブ部材18と同様に、回転可能であるが、置き換え移動できないようにインク室101に配置されている位置決めスリーブ114に回転できないように接続されている。従って、スリーブ部材18の回転によって、位置決めスリーブ114が回転し、それによって、インクガイド105は、図1から図5による万年筆に関連して記載したように、置き換え移動される。
【0058】
図6から図8による万年筆は、クリップ136が通常の様式で取り付けられ、同様に通例のシーリング固定具138が固定されたカバーキャップ135を有する。カバーキャップ135は、前端領域に設けられた内側ねじによってインク室101の前部外側ねじ104にねじ込まれ得る(図7)。図8から理解できるように、内部ねじの外径は、前から後ろへと減少し、このように形成された円錐台の開口角度は12゜である。前部外側ねじ104のコア径は、これに従って、後ろから前にテーパー状になっているのに対して、後部外側ねじ131のコア径は一定である。
【0059】
筆記時にユーザに快適な長さを万年筆に与えるために、カバーキャップ135は、後部外側ねじ131にねじ込まれる。これは、通常、カバーキャップ135がインク室101の前端から除去された直後、従って、インク供給部105が図示する保管位置にあるときに行われる。カバーキャップ135が後部外側ねじ131にねじ込まれると、カバーキャップ135の内側ねじの「円錐台」の設計の結果、ねじ込みに対する抵抗は、スリーブ部材118がカバーキャップ135と共に回転し、それによって、位置決めスリーブ114がねじられ、インク供給部105が筆記位置に向かって前方に置き換え移動される程度に増加するまで増加し続ける。図1から図5を参照しながら記載した筆記位置が達成されると、即ち、インク供給部105がさらに前方に置き換え移動されなくなると、通常依然としてユーザによってかけられる力によって、カバーキャップ135は、後部外側ねじ131にさらにわずかにねじ込まれ、カバーキャップ135の「円錐台」の内側ねじと、後部外側ねじ131との間のクランプ留めはさらに増強する。
【0060】
ユーザが、後部外側ねじ131に位置するカバーキャップ135を回転させることによって、インクガイド105を保管位置に移動させる場合、カバーキャップ135の内部ねじと、後部外側ねじ131との間で優勢なクランプ力によって、インクガイド105は、筆記位置から保管位置に置き換え移動されるだけで、カバーキャップ135は、スリーブ部材118から分離されず、インクガイド105を筆記位置と保管位置との間の位置で放置することが確実にされる。カバーキャップ135は、インクカートリッジ123の後端が閉塞キャップ120の固定具130に当接することによって、保管位置が達成されたときに、インクガイド105のさらなる置き換え移動に対する抵抗が、カバーキャップ135の内側ねじと後部外側ねじ131との間のクランプ力が克服され、カバーキャップ135がはずれるように増加する場合にのみ、後部外側ねじ131から分離される。
【0061】
クランプ作用が、カバーキャップ135の内側ねじと、後部外側ねじ131との間で比較的大きい場合に、インクガイド105が保管位置に移動するときに、インクカートリッジ123の後端が閉塞キャップ120の固定具130に力をかけ、閉塞キャップ120が、旋回軸119の周りで開口位置方向に置き換え移動される(即ち、正確に規定された保管位置がない)のを防止するために、同軸上に延びる支持ピン137は、シーリング固定具138に位置する。図6において理解され得るように、カバーキャップ135が後部外側ねじ131にねじ込まれるとき、支持ピン137は、自由端を閉塞キャップ120の後面に直接隣接して配置される。このように、支持ピン137は、シーリングキャップ120が開口位置方向に旋回することを防止し、インクガイド105に対する規定された保管位置を確実にする。
【0062】
支持ピン137はまた、カバーキャップ135が前部外側ねじ104にねじ込まれるとき、前方の置き換え移動に対してインクガイド105を固定するようにも作用する(図7)。このため、同軸上のめくらボアはインクガイド、または底面が支持ピン137の自由端と対向して位置する切り出しセクション139に配置される。ユーザが、カバーキャップ135が前部外側ねじ104にねじ込まれるとき、閉塞キャップ120を回転させることによって、インクガイド105を前方に置き換え移動される場合、めくらボアの底面は、支持ピン137の自由端に当接するようになり、ペン先110の先端がカバーキャップ135の基部(この場合、シーリング固定具138の基部)と接触し得る前に、インクガイド105が筆記位置の方向にさらに置き換え移動するのを阻止する。これによって、ペン先110の先端への損傷が回避され、特に、毛管路が形成され、この毛管路を介してペン先110からのインクがカバーキャップ135の内部に一定して入ることになる、長期にわたるペン先110の先端とシーリング固定具138の基部との間の接触が防止される。
【0063】
【発明の効果】
インクカートリッジを容易に交換できるように、後退可能なインクガイドおよびインクガイドと共に後退可能なペン先を有する万年筆が設計される。
【図面の簡単な説明】
【図1】筆記位置にある万年筆の部分断面および部分平面図である。
【図2】保管位置にある万年筆の図1に対応する図である。
【図3】交換位置にある万年筆の図1および図2に対応する図である。
【図4】図1から図3に示す万年筆の位置決めスリーブの断面図である。
【図5】図4に示す位置決めスリーブのねじ配置の展開図である。
【図6】インクガイドが保管位置にあり、カバーキャップが後端にねじ込まれた他の万年筆の断面図である。
【図7】カバーキャップが前端にねじ込まれた図6からの万年筆を示す図である。
【図8】図6に示す万年筆の後部外側ねじのまわりの領域を拡大して示す図である。
【図9】インクカートリッジの後端が閉塞キャップ上に設けられた固定具に当接している、図6からの部分拡大図である。
【符号の説明】
1 インク室
2 開口部
4 外側ねじ
5 インクガイド固定具
5’インクガイドスリーブ
6 ひれ状部
7 突出部
8 管状肩部
9 後部領域
10 ペン先
11 ブッシュ部
12 キャッチ
13 キャッチ
14 位置決めスリーブ
15 カット
16 カット
17 スリーブ部
18 スリーブ部材
19 旋回軸
20 閉塞キャップ
22 スナップリング

Claims (17)

  1. 管状のインク室(1)と、
    該インク室(1;101)内に配置され、前端にペン先(10、110)が取り付けられたインクガイド(5、5’;105)と、
    該インクガイド(5,5’;105)の後端に配置されたインクカートリッジ(23;123)の形状のインク貯蔵部(23;123)とを有し、
    該インクガイド(5,5’;105)は、その前端領域が該インク室(1;101)の前端から突出する筆記位置と、該インクガイド(5、5’;105)の該前端領域および該インクガイド(5、5’;105)に取り付けられた該ペン先(10、110)が該インク室(1;101)に後退する保管位置との間で置き換え移動可能であり、
    該インクガイド(5,5’;105)が、該保管位置から、該インクガイド(5,5’;105)に固定された該インクカートリッジ(23;123)の後端領域が、該インク室(1;101)の後端から突出する交換位置に置き換え移動され得る、万年筆。
  2. 位置決めスリーブ(14;114)が、前記インク室(1;101)内で回転可能であるが、軸上で置き換え移動できないように配置され、前記インクガイド(5、5’;105)に置き換え移動できないように接続された少なくとも1つのキャッチ(12、13;112、113)が係合するねじ状のトラック(15、16;115、116)を有する、請求項1に記載の万年筆。
  3. 前記トラック(15、16;115、116)が二重ねじの形状を有し、2つのキャッチ(12、13;112、113)が前記インクガイド(5、5’;105)上で互いに直径方向に対向して配置されている、請求項2に記載の万年筆。
  4. 前記少なくとも1つのキャッチ(12、13;112、113)がブッシュ部(11;111、111’)上に設けられ、該ブッシュ部(11;111、111’)が前記インクガイド(5、5’;105)の前記後端に取り付けられている、請求項2または3に記載の万年筆。
  5. 前記少なくとも1つのキャッチ(12、13)のための支持面が、前記トラック(15、16)の前端(15b、16b)に設けられている、請求項2から4の1つに記載の万年筆。
  6. 前記インク室(1;101)が、該インク室(1;101)の前記前端を取り囲むカバーキャップ(135)を収容するための前部外側ねじ(4;104)を有する、請求項から5の1つに記載の万年筆。
  7. 前記インク室(1;101)が、該インク室(1;101)の前記前端を取り囲むカバーキャップ(135)を収容するための前部外側ねじ(4;104)を有し、該カバーキャップ(135)を収容するための後部外側ねじ(131)が、前記位置決めスリーブ(114)の後端に設けられている、請求項2から5の1つに記載の万年筆。
  8. 前記後部外側ねじ(131)のコア径および/または前記カバーキャップ(135)の内側ねじの外径が、前記位置決めスリーブ(114)と該位置決めスリーブ(114)にねじ込まれた該カバーキャップ(135)との間で確立されるクランプ力が前記インクガイド(105)を前記筆記位置から前記保管位置に置き換え移動されるために該カバーキャップ(135)上にかけられる力よりも大きくなるように、軸方向に変化する、請求項7に記載の万年筆。
  9. 前記カバーキャップ(135)の前記内側ねじの前記外径が、10゜と16゜との間(好ましくは、12゜)の円錐形開口角の進路が現れるように、開口端から閉鎖端へと低減し、前記後部外側ねじ(131)の前記コア径が一定である、請求項8に記載の万年筆。
  10. 前記前部外側ねじ(104)のコア径が、前記カバーキャップ(135)の前記内側ねじの前記外径と実質的に同じピッチで後部から前部に低減する、請求項9に記載の万年筆。
  11. 前記トラック(15、16)が、低減されたピッチを有し、前記保管位置を規定する少なくとも1つのセクション(15a、16a)を有する、請求項から10の1つに記載の万年筆。
  12. 旋回可能な閉塞キャップ(20;120)が、前記インク室(1)の前記後端に設けられている、請求項1から11の1つに記載の万年筆。
  13. 旋回可能な閉塞キャップ(20;120)が、前記インク室(1)の前記後端に設けられおり、該閉塞キャップ(20;120)が、前記位置決めスリーブ(14;114)の前記後端に固定されている、請求項2から11の1つに記載の万年筆。
  14. 前記保管位置が、前記インクカートリッジ(123)の後端の前記閉塞キャップ(120)の前面に対する当接によって規定される、請求項12または13に記載の万年筆。
  15. 同軸上に延びる支持ピン(137)が、カバーキャップ(135)の基部に設けられ、該支持ピン(137)の自由端が、該カバーキャップ(135)が前記後部外側ねじ(131)にねじ込まれるとき、前記閉塞キャップ(120)の後面のすぐ脇に配置され、前記インクカートリッジ(123)の後端を介して該閉塞キャップ(120)にかけられる圧力によって該閉塞キャップ(120)が開くのを防止する、請求項12から14の1つに記載の万年筆。
  16. 前記カバーキャップ(135)が前記前部外側ねじ(104)にねじ込まれるとき、前記支持ピン(137)の前記自由端は、前記インクガイド(105)がさらに前方に置き換え移動されないように突っ張って、該インクガイド(105)の支持面と係合し、該インクガイド(105)が前記筆記位置の方向に置き換え移動されるとき、前記ペン先(110)の先端は、該カバーキャップ(135)の基部からある距離をおいて保持される、請求項15に記載の万年筆。
  17. 前記支持面が、前記インクガイド(105)に設けられた、支持ピン(137)の自由端に当接するためのボアの底面によって形成される、請求項16に記載の万年筆。
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