JP3723877B2 - ダブルブロー成形装置の一次ブロー金型 - Google Patents

ダブルブロー成形装置の一次ブロー金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性および耐圧性の高い2軸延伸ブロー成形壜容器を成形するダブルブロー成形装置の一次ブロー金型の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート樹脂製壜容器に代表される2軸延伸ブロー成形壜容器の内、特に耐熱性の高い壜容器を得る手段としてダブルブロー成形手段が知られている。
【0003】
このダブルブロー成形手段は、予め所望形状に成形されたプリフォームを、目的成形物である壜容器の形状および大きさに従って、形状および大きさが設定された中間成形品に2軸延伸ブロー成形し、次いでこの中間成形品を加熱して自由に熱収縮変形させた後、熱収縮変形した中間成形品を目的とする壜容器に2軸延伸ブロー成形するものである。
【0004】
このダブルブロー成形手段にあっては、プリフォームを大きく延伸変形させて成形される中間成形品を、自由に熱収縮変形させるので、この自由な熱収縮変形により発生した内部歪が完全に消滅するので、成形された壜容器には、中間成形品から壜容器への少ない延伸量による僅かな内部歪が生じるだけであり、このため壜容器に発生する熱変形を小さな範囲内に抑制することができ、これにより耐熱性および耐圧性の高い壜容器を得ることができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、図8および図9に示すように、2軸延伸ブロー成形した中間成形品sを、加熱して自由に熱収縮変形させると、その胴部s1の熱収縮変形形態が不均一となり、特に周方向に沿った熱収縮変形形態は、図に示すように、パーティングライン位置p1に対して一定の傾斜角度(略30度)で傾斜した仮想される直線aiを長軸とした楕円状となり、このため中間成形品sを完成品である壜容器に2軸延伸ブロー成形する際に、同一周箇所の部分間で径方向の延伸量が大きく相違し、この延伸量の相違により、壜容器に不正熱変形が発生するか、もしくは発生し易くなる、と云う問題があった。
【0006】
このように中間成形品sの胴部s1の平断面形状が、楕円状に不均一熱収縮変形する原因は不明であるが、この不正変形形状が、成形空間内の気体の排気口として機能するパーティングラインに対して、略一定した位置関係を持つ傾向にあることから、成形空間内の気体の排気形態と何らかの関連性が有るものと思われる。
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、中間成形品を2軸延伸ブロー成形する一次ブロー金型の成形空間内の気体の、中間成形品に対する周方向に沿った影響を、できる限り偏りのない状態とすることを技術的課題とし、もって中間成形品の胴部に発生する熱収縮変形が、周方向に沿ってできる限り均一となるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
ダブルブロー成形において、中間成形品をプリフォームから2軸延伸ブロー成形するのに使用される、一対の割金型と一つの底金型とから構成される一次ブロー金型であること、
割金型の成形型面に、高さ方向の延伸方向に沿って略全高さ範囲にわたって形成され、型空間内の気体の排気路の排気口を形成する複数のスリット部を設けること、
このスリット部を、成形型面の周方向に沿った排気能力分布に、できる限り偏りを少なくするように、並列に配設すること、
にある。
【0009】
一対の割金型の成形型面に、排気機能部分である複数のスリット部を、周方向に並列に設けたので、一次ブロー金型は、一対の割金型の型合わせスリットを含めて、複数の排気機能部分を成形型面の周方向に沿って分散位置させることになり、この複数の排気機能部分の分散形態は、成形型面の周方向に沿った排気能力分布ができる限り偏りの少ないものとなるように、設定されている。
【0010】
それゆえ、プリフォームを中間成形品に2軸延伸ブロー成形する際に、このブロー成形に伴うプリフォームと成形型面との間の気体(空気)の排気を、周方向に沿って略均一に達成することができ、これによりブロー成形時の中間成形品に対する排気の影響が、全周にわたって略等しくなる。
【0011】
このように、ブロー成形時の中間成形品に対する排気の影響、すなわち成形空間内の気体の影響を、全周にわたって略等しくなるようにして中間成形品を2軸延伸ブロー成形したところ、成形後、中間成形品の胴部発生した熱収縮変形は、周方向に沿って偏りなく発生し、熱収縮変形後の胴部平断面形状は、延伸成形時の形状と略同じものとなった。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、パーティングラインを成形することになる型合わせスリットを含めて、複数のスリット部を、成形型面の周方向に沿って略等間隔に配置した、ことを加えたものである。
【0013】
この請求項2記載の発明にあっては、型合わせスリットをスリット部と同等の排気能力を発揮する排気機能部分として取り扱う構成となっており、複数のスリット部の配置設定が簡単にかつ適正に行うことが容易となる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に、6個以上のスリット部を、成形型面の周方向に沿って略等間隔に配置した、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項3記載の発明にあっては、型合わせスリットを排気機能部分として利用する考えはなく、専用に設けたスリット部を主体として排気機能部分を構成したので、個々のスリット部の排気能力を自由に設定することができると共に、安定して一定の排気能力を発揮させることができる。
【0016】
また、型合わせスリットを排気機能部分として利用する考えがなく、スリット部だけで、周方向に沿ってできる限り偏りのない排気能力分布を得ることができるように、スリット部の数は6個以上と比較的大きい数となっている。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に、スリット部を、近接して平行配置された複数のスリットで構成した、ことを加えたものである。
【0018】
この請求項4記載の発明にあっては、近接して平行配置された複数のスリットで一つのスリット部を構成するので、一つのスリット部が発揮し得る排気能力を広い範囲で自由に設定することが可能であると共に、スリットを成形するための割金型に対する機械加工が簡単となる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に、スリット部を、高さ方向の延伸方向に沿って断続形成した、ことを加えたものである。
【0020】
この請求項5記載の発明にあっては、高さ方向の延伸方向に沿った長さの大きくない、複数のスリット部分の組合せによりスリット部を構成するので、割金型に対するスリット部成形のための機械加工が容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
本発明のダブルブロー成形における一次ブロー金型は、従来と同様に、一対の割金型1と一つの底部金型10との組合せで構成され、両割金型1の成形型面2に、この成形型面2の略全高さ範囲にわたって開設形成された複数のスリット部5を、周方向に並列に設けている。
【0022】
このスリット部5は、型締めされた一次ブロー金型の成形空間内の気体を、プリフォームの中間成形品sへの2軸延伸ブロー成形時に、金型外に排気する部分であって、図2および図3に示すように、割金型1内の成形型面2間近に予め穿設されている排気孔6に接続されている。
【0023】
このスリット部5とは別に、両割金型1をその型合わせ面3で型合わせした際に形成される、パーティングラインの成形部分である型合わせスリット4も、成形空間内の気体に対して排気能力を発揮するが、この型合わせスリット4が発揮する排気能力は、一定不変に設定されるものではない。
【0024】
図2は、型合わせスリット4を、排気機能部分として利用すべく構成した例を示すもので、二つの型合わせスリット4と四つのスリット部5とを、周方向に沿って略等間隔に配置して構成したので、型合わせスリット4およびスリット部5を中心角60度毎に配置した構成となっている。
【0025】
この図2図示実施例にあっては、各スリット部5の排気能力を型合わせスリット4が発揮する排気能力と略等しくする必要があるが、型合わせスリット4が発揮する排気能力は、必ずしも予め正確に設定することのできる一定不変のものではないと共に、その形成される排気通路構造上、発揮される排気能力は小さめとなる傾向がある。
【0026】
このため、得られる排気能力は、余裕のある大きさではないものの、型合わせスリット4を排気機能部分として機能させる分、成形するスリット部5の数を少なくすることができ、その分、割金型1に対するスリット部5成形のための面倒な機械加工量が少なくなる。
【0027】
図3は、型合わせスリット4を排気機能部分として利用する考えはなく、複数のスリット部5で所望する排気能力を得るべく構成したもので、周方向に沿った排気能力分布に、できる限り偏りが生じないようにするために、多くの実験結果の基づいて、スリット部5は6個以上(図示実施例は6個)設けられ、各スリット部5は、周方向に沿って略等間隔(中心角60度間隔)に配置されている。
【0028】
この図3図示実施例にあっては、各スリット部5の排気能力を、型合わせスリット4が発揮する排気能力に拘束されることなく、所望する大きさに正確に設定することができるので、要求される排気能力を確実に得ることができる。
【0029】
なお、各スリット部5は周方向に沿って略等間隔に配置されるのであるが、図9に示した従来の直線aiと同じ位置に位置する、型合わせスリット4から中心角30度変位した位置にスリット部5の一つを位置させる(型合わせスリット4が隣接するスリット部5の中間点に位置することになる)と、成形された中間成形品sの胴部s1に発生する熱収縮変形は、周方向に沿ってきわめて高い均一性を発揮した。
【0030】
図4は、スリット部5の成形手段の一例を示す、要部拡大平断面図を示すもので、割金型1の成形型面2に、機械加工し易い幅広な縦溝状の溝状凹部7を削設し、この溝状凹部7内に、固定ボルト9により成形型面2の一部を形成した状態で、金型片8を不動に嵌装固定することにより、割金型1と金型片8との間に左右一対のスリットを成形してスリット部5を形成すると共に、溝状凹部7内に排気孔6を形成している。
【0031】
この図4図示実施例は、0.05〜0.1mmのスリットを、割金型1の成形型面2に直接削設成形する機械加工の困難さに比べて、同じ幅のスリットをはるかに簡単な機械加工により成形することができ、しかも図5に示すように、形成されるスリット部5は二つの平行なスリットで構成されるので、大きな排気能力を安定して確実に発揮することができる。
【0032】
図6および図7は、図5に示した実施例を使用して2軸延伸ブロー成形された中間成形品sの全体正面およびその胴部s1の平断面を示すもので、中間成形品sに発生する熱収縮変形は、肉厚の大きい肩部および底部には、図8に示した従来と略同等に発生するが、胴部s1には略均一に発生し、図7に示すように、胴部s1は、その円形を略正確に維持した平断面形状となる。
【0033】
また、各スリット部5は、パーティングラインを形成する型合わせスリット4と同じに成形型面2に位置するので、この各スリット部5に対向する中間成形品sの表面部分には、パーティングライン状のスリット部跡5’が成形されることになるが、このスリット部跡5’は最終成形品である壜容器Sの表面に、そのまま残存形成される。
【0034】
なお、図1および図5に示した実施例にあっては、各スリット部5は、その全長にわたって連続した構造となっているが、成形目的物である中間成形品sの胴部s1の中央に周溝が成形されるような場合には、この周溝に対向する部分で各スリット部5を断続させる等、必要に応じてまたは適当に各スリット部5を断続構造に構成しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、排気口を形成する複数のスリット部を、割金型の成形型面の周方向に沿った排気能力分布に、できる限り偏りを少なくするように、並列に配設したので、2軸延伸ブロー成形される中間成形品の胴部に対する排気の影響を、周方向に沿って偏りの少ないものとすることができ、これにより中間成形品の胴部に発生する熱収縮変形を、周方向に沿って略均一とすることができ、もって完成品である壜容器に偏肉が発生するのを、大幅に抑制することができる。
【0036】
また、一対の割金型の成形型面に、複数のスリット部を削設状に設けただけの構成であるので、割金型の既存、新設を問わず実施が容易である。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、型合わせスリットを排気機能部分をして利用するので、スリット部の加工個数を少なくすることができ、これにより割金型に対するスリット部の機械加工の手間を少なくすることができる。
【0038】
請求項3記載の発明によれば、所望する排気能力を発揮することのできるスリット部を、割金型の成形型面の周方向に沿って6個以上も設けたので、周方向全周にわたって充分な排気能力を略均一に作用させることができる。
【0039】
請求項4記載の発明によれば、割金型の成形型面に対するスリット部の機械加工成形を容易に達成することができると共に、所望する排気能力を容易に得ることができる。
【0040】
請求項5記載の発明によれば、割金型の成形型面に対するスリット部の機械加工操作の簡単化を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、一方の割金型と底部金型の組合せの全体正面図。
【図2】図1に示した実施例の、型締め状態での要部平断面図。
【図3】スリット部の他の実施例を示す、型締め状態での要部平断面図。
【図4】スリット部形成構造の他の実施例を示す、要部拡大平断面図。
【図5】図4に示した実施例の、一方の割金型と底部金型の組合せの全体正面図。
【図6】図5に示した実施例により延伸成形した、中間成形品の全体正面図。
【図7】図6に示した中間成形品の胴部の平断面図。
【図8】従来技術により成形された中間成形品の一例を示す、全体正面図。
【図9】図8に示した中間成形品の胴部の平断面図。
【符号の説明】
1 ; 割金型
2 ; 成形型面
3 ; 型合わせ面
4 ; 型合わせスリット
5 ; スリット部
5’; スリット部跡
6 ; 排気孔
7 ; 溝状凹部
8 ; 金型片
9 ; 固定ボルト
10; 底部金型
s ; 中間成形品
s1; 胴部
pi; パーティングライン位置
ai; 直線
S ; 壜容器

Claims (5)

  1. ダブルブロー成形において、中間成形品(s)をプリフォームから2軸延伸ブロー成形するのに使用される、一対の割金型(1)と一つの底金型(10)とから構成される一次ブロー金型であって、前記割金型(1)の成形型面(2)に、高さ方向の延伸方向に沿って略全高さ範囲にわたって形成され、型空間内の気体の排気路の排気口を形成する複数のスリット部(5)を、前記成形型面(2)の周方向に沿った排気能力分布に、できる限り偏りを少なくするように、並列に配設して成るダブルブロー成形装置の一次ブロー金型。
  2. パーティングラインを成形することになる型合わせスリット(4)を含めて、複数のスリット部(5)を、成形型面(2)の周方向に沿って略等間隔に配置した請求項1記載のダブルブロー成形装置の一次ブロー金型。
  3. 6個以上のスリット部(5)を、成形型面(2)の周方向に沿って略等間隔に配置した請求項1記載のダブルブロー成形装置の一次ブロー金型。
  4. スリット部(5)を、近接して平行配置された複数のスリットで構成した請求項1または2または3記載のダブルブロー成形装置の一次ブロー金型。
  5. スリット部(5)を、高さ方向の延伸方向に沿って断続形成した請求項1または2または3または4記載のダブルブロー成形装置の一次ブロー金型。
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