JP3731411B2 - ウェーハ研磨装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウェーハ研磨装置に係り、特に化学的機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )による半導体ウェーハの研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のウェーハ研磨装置は、ウェーハの表面に形成された酸化膜やメタル膜を研磨する研磨装置であり、微妙な研磨量のコントロールが要求されている。そこで、このような研磨量をコントロールする装置として、即ち、研磨の終点を検出する装置として、ウェーハ保持ヘッドの回転トルクを検出し、この回転トルクによって研磨終点を検出する装置が提案されている。
【0003】
斯かる終点検出装置は図4に示すように、研磨液(スラリー)の種類により、各層の加工抵抗が異なるために起こる回転抵抗(加工抵抗)の差に着目し、この加工抵抗の変化を検出し、目的層で加工を終了する。前記各層と回転抵抗との関係は、同図の如くメタル層<層間膜<バリヤメタル層の関係にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記モータの電気抵抗の変化でウェーハ保持ヘッドの回転トルクを検出する装置では、モータの出力軸とウェーハ保持ヘッドとを連結する減速機構の回転抵抗を含んだ回転トルクを検出するので、ウェーハ保持ヘッドのみの回転トルクを検出することができず、これによって、研磨終点を正確に検出することができないという欠点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、研磨中におけるウェーハの回転抵抗の変化に基づいて研磨終点を検出する検出装置を備えたウェーハ研磨装置において、研磨終点を正確に検出することができるウェーハ研磨装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ウェーハを保持ヘッドに保持し回転する研磨定盤に押し付けて、ウェーハを研磨する研磨装置において、前記保持ヘッドは、回転されると共に前記研磨定盤に対向配置されるヘッド本体と、前記ヘッド本体の下方に配置され、その下面で前記ウェーハを保持するキャリアと、前記ヘッド本体と前記キャリアとを連結し、ヘッド本体からの回転力をキャリアに伝達する連結部材と、前記連結部材に設けられ、前記保持ヘッドの回転中、前記キャリアによってウェーハを前記研磨定盤に押し付けた際に生じる、前記ヘッド本体に対するキャリアの水平方向の変位量を、ウェーハと研磨定盤とで生じる研磨定盤回転方向の摩擦力として検出する摩擦力検出手段と、から構成され、前記摩擦力検出手段で検出された前記摩擦力の変化に基づいて、ウェーハの研磨制御を行う制御手段を備え、前記連結部材は平行ばねであり、前記摩擦力検出手段は、前記保持ヘッドの回転中、前記キャリアによってウェーハを前記研磨定盤に押し付けた際に、前記キャリアが受ける水平方向の力によって変位する前記平行ばね間の変位を検出する検出手段と、該変位に基づいて摩擦力を演算する演算手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、保持ヘッドを構成するヘッド本体とキャリアとを連結部材で連結し、この連結部材に摩擦力検出手段を設け、この摩擦力検出手段でウェーハと研磨定盤とで生じた研磨定盤回転方向の摩擦力を検出し、この摩擦力に基づいて制御手段がウェーハの研磨制御を行う。
【0010】
CMPによるウェーハの研磨は、研磨定盤のドレス状態が悪く研磨レートが落ちると、ウェーハと研磨定盤との摩擦係数が変化する。この摩擦係数は、研磨レートの高い場合には低く、研磨レートが落ちると高くなる傾向がある。したがって、摩擦係数の変化、即ち摩擦力の変化を検出する本発明は、制御手段に研磨定盤のドレスが必要であることを示す摩擦力、研磨定盤の交換が必要であることを示す摩擦力を予め記憶させておくことによって、研磨定盤のドレス時期、交換時期を自動で判断することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、連結部材として平行ばねを適用し、摩擦力検出手段として、前記平行ばね間の変位を検出する検出手段を適用し、前記キャリアが受ける横方向の力によって変位する平行ばね間の変位に基づいてウェーハと研磨定盤とで生じる摩擦力を演算手段で演算したので、摩擦力を簡単な構造で取得することができる。
請求項3記載の発明によれば、連結部材として摩擦力で弾性変形する部材を適用し、摩擦力検出手段として、前記部材の弾性変形量を検出する検出手段を適用し、前記部材の弾性変形量に基づいてウェーハと研磨定盤とで生じる摩擦力を演算手段で演算したので、摩擦力を簡単な構造で取得することができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、検出手段として差動トランスを適用したので、平行ばね間の変位を容易に検出することができ、よって、前記摩擦力を容易に取得することができる。
請求項5記載の発明によれば、前記ヘッド本体と前記キャリアとの中心軸上に前記連結部材を配置したので、キャリアの回転トルク、或いは研磨定盤回転方向の摩擦力を保持ヘッドの中心軸上で受けることができる。これにより、保持ヘッドの外周部で回転トルクを伝達するよりもトルク検出機構の小型化が可能になる。また、押圧力と回転抵抗を分離できるため摩擦力を正確に検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るウェーハ研磨装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、第1の実施の形態のウェーハ研磨装置10の全体構成図である。
同図に示すウェーハ研磨装置10は、研磨定盤12とウェーハ保持ヘッド14とを備えている。研磨定盤12は円盤状に形成されており、その上面には研磨布16が設けられている。また、研磨定盤12の下部には、軸18が連結され、この軸18はモータ20の図示しない出力軸に連結されている。したがって、前記モータ20を駆動すると、前記研磨定盤12は、図1上矢印A方向に回転され、その回転する研磨定盤12の研磨布16上に図示しないノズルからスラリが供給される。
【0014】
図2は前記ウェーハ保持ヘッド14の縦断面図である。同図に示すウェーハ保持ヘッド14は、ヘッド本体22、キャリア24、ガイドリング26、リテーナーリング28、及びゴムシート30等から構成される。
前記ヘッド本体22は円盤状に形成され、その上面には回転軸32がヘッド本体22の中心軸と同軸上に固定されている。前記回転軸32は、図示しないモータの出力軸に連結され、このモータの駆動力によってヘッド本体22は図2上矢印B方向に回転される。
【0015】
前記ヘッド本体22にはエア供給路34、36が形成されている。このエア供給路34は図2上二点鎖線で示すようにウェーハ保持ヘッド14の外部に延設され、レギュレータ38を介してエアポンプ40に接続されている。また、エア供給路36も同様にウェーハ保持ヘッド14の外部に延設され、レギュレータ42を介して前記エアポンプ40に接続されている。
【0016】
前記キャリア24は、円盤状に形成されてヘッド本体22の下部にヘッド本体22の中心軸と同軸上に配置されている。また、キャリア24の下面には凹部25が形成され、この凹部25に通気性を有する多孔質板44が収納されている。多孔質板44にはエア吸引路46が連通され、エア吸引路46は図2上二点鎖線で示すようにウェーハ保持ヘッド14の外部に延設されてサクションポンプ48に接続されている。したがって、サクションポンプ48が駆動されると、多孔質板44が吸引部材として機能し、この多孔質板44にウェーハ50が吸着保持される。前記多孔質板44は、内部に多数の通気路を有するものであり、例えば、セラミック材料の焼結体よりなるものが用いられている。
【0017】
前記キャリア24の下面外周部には、多数のエア噴射口52、52…が同心円上に所定の間隔をもって形成されている。また、これらのエア噴射口52、52…は、キャリア24の下面に形成された環状のエア溝54に貫通している。更に、前記エア噴射口52、52…は、図2上二点鎖線で示すエア供給路56に連通されており、このエア供給路56は、ウェーハ保持ヘッド14の外部に延設され、レギュレータ58を介してエアポンプ40に接続されている。
【0018】
したがって、エアポンプ40が駆動されると、エアポンプ40からの圧縮エアがエア供給路56、エア噴射口52を介してエア溝54から下方に噴き出される。これにより、キャリア24の下面とウェーハ50の裏面との間に圧力エア層60が形成される。ウェーハ50は、前記圧力エア層60を介して伝達されるキャリア24からの押圧力によって研磨布16に押し付けられ研磨される。
【0019】
前記ゴムシート30は、均一な厚さで1枚の円盤状に形成される。また、ゴムシート30は、大中小の環状の止め金62、64、66によってヘッド本体22の下面に固定され、これらの止め金62、64、66によってゴムシート30は外側部30Aと内側部30Bとに2分されている。このように2分されたゴムシート30の内側部30Bは、キャリア24を押圧し、外側部30Aはガイドリング26を介してリテーナーリング28を押圧する。なお、符号68は、止め金62、64、66をヘッド本体22に締結するためのボルトである。
【0020】
前記の如くゴムシート30を2分すると、ヘッド本体22の下方には、ゴムシート30の内側部30Bによって密閉される環状の空間70と、外側部30Aによって密閉される環状の空間72とが形成される。前記空間70には、前記エア供給路34が連通されている。したがって、エアポンプ40からの圧縮エアをエア供給路34から空間70に供給すると、ゴムシート30の内側部30Bはエア圧で膨張される。これにより、内側部30Bの下部に位置するキャリア24が、内側部30Bの膨張によって下方に押圧される。そして、この押圧力は、圧力エア層60を介してウェーハ50に伝達されるので、研磨布16に対するウェーハ50の押し付け力が得られる。また、エア圧をレギュレータ38で調整すれば、研磨布16に対するウェーハ50の押し付け力を制御することができる。
【0021】
一方、前記空間72には、前記エア供給路36が連通されているので、エアポンプ40からの圧縮エアをエア供給路36から空間72に供給すると、ゴムシート30の外側部30Aをエア圧で膨張させることができる。これによって、外側部30Aの下部に位置するガイドリング26が外側部30Aに押し下げられ、そして、ガイドリング26の下部に配置されたリテーナーリング28が研磨布16に押し付けられる。また、レギュレータ42でエア圧を調整すれば、リテーナーリング28の押し付け力を制御することができる。この場合のリテーナーリング28の押し付け力は、研磨布16からの応力がウェーハ50のエッジ部に集中しない力に設定される。
【0022】
前記ガイドリング26は、円筒状に形成されてヘッド本体22の下部にヘッド本体22の中心軸と同軸上に配置される。また、ガイドリング26の上部外周にはフランジ26Aが形成され、このフランジ26Aは、ウェーハ保持ヘッド14を研磨布16から上昇させた時に、止め金62の下部内周に形成されたフランジ62Aに当接される。これにより、ウェーハ保持ヘッド14からのガイドリング26の脱落が防止されている。
【0023】
ところで、前記リテーナーリング28は、研磨中のウェーハ50がウェーハ保持ヘッド14から飛び出すのを防止するためのリングであり、キャリア24の下部外周部にOリング74を介して装着されている。このように、リテーナーリング28をOリング74を介してキャリア24に装着すると、ウェーハ50がリテーナーリング28に当接した時の衝撃力が、前記Oリング74で吸収される。また、リテーナーリング28は、キャリア24と同じ中心軸上に保持されるためキャリア24にウェーハ50を容易にセットできる。
【0024】
次に、本実施の形態のウェーハ保持ヘッド14に適用された研磨終点検出装置について説明する。
本実施の形態の研磨終点検出装置は、ウェーハ50の加工材質の差によるキャリア24の回転トルクの差に着目し、構成されたものである。即ち、前記研磨終点検出装置は、キャリア24の回転トルクを歪みとして検出する歪みゲージ96、歪みゲージ96から出力される電気信号に基づいて前記回転トルクを演算する演算部98を有する制御装置(研磨量検出手段に相当)100から構成される。
【0025】
前記歪みゲージ96は、連結バー80に取り付けられている。この連結バー80は、ヘッド本体22にキャリア24を吊り下げ支持する部材であり、ウェーハ保持ヘッド14の中心軸と同軸上に配置されている。また、連結バー80は基部82、連結部84、及び括れ部86から構成されている。前記基部82は、前記ヘッド本体22に図示しないボルトによって固定され、前記連結部84はキャリア24の上面に形成された矩形状の凹状溝88に挿入されている。前記連結部84の下部には図3に示すように矩形状のフランジ90が形成され、このフランジ90が前記溝88に嵌入されている。これによって、前記キャリア24は、ヘッド本体22に対して回り止めされた状態で連結されると共に、振れ止めされた状態で連結される。なお、キャリア24の抜け止めにリング94がある。
【0026】
前記連結バー80の括れ部86には図2に示すように、前記歪みゲージ96が取り付けられている。この歪みゲージ96は、前記括れ部86のネジレ(回転方向)の歪みを電気信号として検出し、この電気信号は前記制御装置100の演算部98に出力される。演算部98は、歪みゲージ96から出力された電気信号に基づいてキャリア24の回転トルクを演算する。そして、演算部98で演算された前記回転トルクが、終点材質に対応する回転トルクに変化した時に、制御装置100がウェーハ研磨装置10を制御してウェーハ50の研磨を終了させる。なお、前記基準の回転トルクは、制御装置100のRAM(不図示)に予め記憶されており、ウェーハ研磨時に制御装置100によって読み出され、実測された回転トルクと比較される。
【0027】
このように、ヘッド本体22とキャリア24とを連結バー80で連結し、この連結バー80に歪みゲージ96を設け、この歪みゲージ96から出力される電気信号に基づいてキャリア24の回転トルクを検出すれば、その回転トルクを正確に検出することができる。
よって、本実施の形態の研磨終点検出装置によれば、ウェーハ保持ヘッド14を回転させるモータの電気抵抗でキャリア24の回転トルクを検出する研磨終点検出装置と比較すると、その回転トルクを正確に検出することができるので、ウェーハ50の研磨終点を正確に検出することができる。
【0028】
なお、キャリア24の回転トルクを検出できるものであれば、前記歪みゲージ96に代えて圧電素子等の他の検出手段を適用して良い。
また、本実施の形態では、キャリア24の横方向(水平方向)の力Fを、ウェーハ保持ヘッド14の中心軸上で受けるので、ウェーハ保持ヘッド14の外周部で前記力Fを受けるよりも、ウェーハ保持ヘッド14全体の傾きに対する自由度を広げることができる。
【0029】
次に、前記の如く構成されたウェーハ研磨装置10のウェーハ保持ヘッド14の作用について説明する。
まず、研磨対象のウェーハ50を多孔質板44で吸着保持し、この状態でウェーハ保持ヘッド14を研磨布16上の所定の位置に移動させる。
次に、多孔質板44によるウェーハ50の吸着保持を解除し、このウェーハ50を研磨布16上に載置する。
【0030】
次に、エアポンプ40を駆動して、圧縮エアをエア供給路56からエア噴射口52及びエア溝54を介してキャリア24とウェーハ50との間に噴射し、キャリア24とウェーハ50との間に圧力エア層60を形成する。
そして、エアポンプ40からの圧縮エアをエア供給路34を介して空間70に供給し、ゴムシート30の内側部30Bを内部エア圧により膨張させてキャリア24を押圧する。これによって、ウェーハ50は、圧力エア層60を介して伝達されるキャリア24の押圧力によって研磨布16に押し付けられる。そして、レギュレータ38でエア圧を調整して内部エア圧力を所望の圧力に制御し、研磨布16に対するウェーハ50の押付力を一定にする。
【0031】
次に、エアポンプ44からの圧縮エアをエア供給路36を介して空間72に供給し、ゴムシート30の外側部30Aを内部エア圧により膨張させてリテーナーリング28をガイドリング26を介して押圧し、リテーナーリング28を研磨布16に押し付ける。そして、レギュレータ42でエア圧を調整して内部エア圧力を所望の圧力に制御し、研磨布16に対するリテーナーリング28の押付力を一定に保持する。
【0032】
次いで、ウェーハ保持ヘッド14と研磨定盤12とを回転させてウェーハ50の研磨を開始する。
この研磨中において前記ウェーハ50は、その外周部がリテーナーリング28の内周部に当接することによって、ウェーハ保持ヘッド14からの飛び出しが防止された状態で研磨される。そして、リテーナーリング28にウェーハ50が当接した時の衝撃力は、リテーナーリング28の変形とOリング74で吸収されている。また、前記ウェーハ保持ヘッド14では、リテーナーリング28がキャリア24にガタなく固定され、これにより、ウェーハ50はリテーナーリング28によって包囲された状態で研磨される。
【0033】
一方、ウェーハ研磨中におけるウェーハ50の研磨量は、歪みゲージ96と制御装置100とでキャリア24の回転トルクを検出することにより常時検出されている。そして、検出された回転トルクが、終点材質に対応する回転トルクに変化した時に、制御装置100がウェーハ研磨装置10を制御してウェーハ50の研磨を終了する。
【0034】
その後、研磨終了したウェーハ50を、多孔質板44で吸着保持し、ウェーハ保持ヘッド14のアンロード動作によって次工程の洗浄装置に向けて搬送する。以上で、前記ウェーハ保持ヘッド14の作用が終了する。
図5は、第2の実施の形態のウェーハ保持ヘッド200の縦断面図であり、図2に示した第1の実施の形態のウェーハ保持ヘッド14と同一若しくは類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0035】
前記ウェーハ保持ヘッド200は、ヘッド本体22とキャリア24とが一組の平行ばね202によって連結され、この平行ばね202間に差動トランス204が取り付けられている。差動トランス204のコア206は、図5、図6に示すように平行ばね202の一方のばね202Aに水平方向に取り付けられ、差動トランス204のボビン208は、平行ばね202の他方のばね202Bに水平方向に取り付けられている。なお、前記平行ばね202は、その上端部が止め金66に固定され、その下端部がキャリア24に取り付けられた座板205に遊嵌支持されている。
【0036】
前記差動トランス202から出力される電気信号は、図5に示すウェーハ保持ヘッド200の外部に配設された制御装置210に出力される。制御装置210は、前記電気信号を増幅する増幅器(図示せず)、増幅された電気信号(図7参照)に基づいてウェーハ50と研磨布16とで生じている摩擦力を演算する演算部(演算手段)212を備えている。また、前記制御装置210には、前記増幅された電気信号を整流化する整流平滑回路(図示せず)も備えられている。
【0037】
ウェーハ50と研磨布16とで生じる摩擦力(摩擦係数)が大きくなると、ヘッド本体22に対するキャリア24の水平方向の変位量が大きくなるため、平行ばね202のばね202A、202B間の変位(2〜3μm)が大きくなる。この変位は前記差動トランス204によって検出されるので、前記増幅器から演算部212には、図7に示す振幅の大きい検出信号(交流電圧信号)が出力され、そして、演算部212は前記検出信号に基づいて前記摩擦力を演算する。
【0038】
演算部212には、検出信号の振幅に対応する摩擦力が予め記憶されており、検出信号が入力されるとその振幅に対応する摩擦力が読み出され、その摩擦力は演算値として制御装置210に出力される。制御装置210には、研磨布16のドレスが必要であることを示す摩擦力(図7上で振幅A1に相当)、研磨布16の交換が必要であることを示す摩擦力(図7上で振幅A2に相当)が予め記憶されている。制御装置210は、演算部212から出力された摩擦力に基づいて研磨布16のドレス時期、交換時期を自動で判断する。これにより、研磨レートを一定に保ちつつ研磨することができる。
【0039】
即ち、第2の実施の形態のウェーハ保持ヘッド200は、キャリア24の横方向の力Fを、加工対象膜質(表面状態)の変化によるウェーハ50の研磨布16に対する摩擦力として検出し、所定の膜質の摩擦力になったら加工を停止又は次工程研磨へと進める終端検出信号を出力する。また、ドレス圧力とドレス時間で磨耗する研磨布の量を予め取得しておくことにより、研磨布(厚み:約1.5mm)16の使用限界も予測することができる。
【0040】
また、演算部212は、前記整流平滑回路で整流化された直流電圧に基づいて、キャリア24から平行ばね202にかかるキャリア24の回転トルクを演算することができる。演算部212には、整流化された直流電圧に対応するキャリア24の回転トルクが予め記憶されており、その直流電圧に対応する回転トルクが読み出され、その回転トルクが制御装置210に出力される。制御装置210には、ウェーハ50の研磨終端を示す回転トルク(図7上では電圧V1に相当)が予め記憶されている。制御装置210は、演算部212から出力された回転トルクに基づいてウェーハ50の研磨量の終端を自動で判断する。
【0041】
一方、研磨布16をドレスする場合、研磨布16が初期の状態(初期値の摩擦係数=摩擦力)に復帰するまでのドレス圧力と時間の変化を監視し、研磨布16が使用限界厚さになるまでの予測を行えば、研磨布16の交換準備を事前に行うこともできる。
また、第2の実施の形態では、連結部材として平行ばね202を適用し、摩擦力検出手段として、平行ばね202間の変位を検出する差動トランス204を適用し、差動トランス204から出力される電気信号に基づいて、ウェーハ50と研磨布16とで生じる摩擦力を演算部212で演算したので、摩擦力を簡単な構造で正確に検出することができる。なお、差動トランス204に代えて、他の摩擦力検出手段を適用してもよい。
【0042】
更に、第2の実施の形態では、ヘッド本体22とキャリア24との中心軸対称に平行ばね202のばね202A、202Bを配置し、前記中心軸上にコア206を配置したので、研磨布回転方向の摩擦力を保持ヘッド200の中心軸上で受けることができる。これにより、保持ヘッド202の外周部で摩擦力を検出するよりも、摩擦力を正確に検出することができる。
【0043】
図8は、第3の実施の形態のウェーハ保持ヘッド300の縦断面図であり、図2に示した第1の実施の形態のウェーハ保持ヘッド14と同一若しくは類似の部材については同一の符号を付して、その説明は省略する。
前記ウェーハ保持ヘッド300は、ヘッド本体22とキャリア24とがピン302によって連結され、このピン302に4台の差動トランス304、304…が取り付けられている。前記ピン302の上部には、くびれ部303が形成されており、ピン302に水平方向の力Fが加わると、ピン302はくびれ部303を支点に水平方向に若干量弾性変形される。
【0044】
前記差動トランス304のコア306は、図9に示すようにピン302の外周部に水平方向に等間隔で4箇所取り付けられ、差動トランス304のボビン308は、ピン302を外装する筒体310に形成された開口部310Aに水平方向に等間隔で4箇所取り付けられている。前記筒体310は、その上端部が止め金66に固定され、下端部がフリーな状態となっている。
【0045】
前記4台の差動トランス304、304…から出力される電気信号は、図8に示すウェーハ保持ヘッド300の外部に配設された制御装置312にそれぞれ出力される。制御装置312には、前記電気信号を増幅する増幅器(図示せず)、増幅された電気信号に基づいてウェーハ50と研磨布16とで生じている摩擦力を演算する演算部(演算手段)314を備えている。また、前記制御装置312には、前記増幅された電気信号を整流化する整流平滑回路(図示せず)も備えられている。
【0046】
本実施の形態では4台の差動トランス304を設け、これらの差動トランス304に印加する交流電圧を90°位相をずらして印加した。これにより、ウェーハ保持ヘッド300の1/4回転で振幅や電圧を検出することができるので、サンプリング時間を細分することができる。なお、本実施の形態では4台の差動トランス304を設けたが、差動トランス304の台数は4台に限定されるものではなく1台でもよいが、サンプリング時間を細分する観点からみると、2台以上設けることが好ましい。
【0047】
また、第3の実施の形態では、連結部材として弾性変形可能なピン302を適用し、摩擦力検出手段として、差動トランス304を適用し、差動トランス304から出力される電気信号に基づいて、ウェーハ50と研磨布16とで生じる摩擦力を演算部314で演算したので、摩擦力を簡単な構造で正確に検出することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るウェーハ研磨装置によれば、保持ヘッドを構成するヘッド本体とキャリアとを連結部材で連結し、この連結部材にトルク検出手段、或いは摩擦力検出手段を設けたので、正確に摩擦力を検出することができる。これにより、加工初期のウェーハと研磨定盤の摩擦力の差により研磨定盤のドレス時期や研磨レートが予測可能となり、研磨終点も正確に検出することができる。
【0049】
また、ドレス後のウェーハと研磨定盤の摩擦力の変化により研磨定盤の寿命を予測することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のウェーハ研磨装置の全体構造図
【図2】図1に示したウェーハ研磨装置のウェーハ保持ヘッドの縦断面図
【図3】キャリアに対する連結バーの取付位置を示す平面図
【図4】ウェーハを研磨した時の研磨時間に対する加工層の変化とウェーハの加工抵抗との関係を示すグラフ
【図5】第2の実施の形態のウェーハ保持ヘッドの縦断面図
【図6】図5のウェーハ保持ヘッドに取り付けられた平行ばねの動作説明図
【図7】差動トランスから出力される検出信号を示す図
【図8】第3の実施の形態のウェーハ保持ヘッドの縦断面図
【図9】図8のウェーハ保持ヘッドに取り付けられたピンと差動トランスの拡大図
【符号の説明】
10…ウェーハ研磨装置、12…研磨定盤、14、200、300…ウェーハ保持ヘッド、16…研磨布、22…ヘッド本体、24…キャリア、28…リテーナーリング、30…ゴムシート、74…Oリング、80…連結バー、96…歪みゲージ、202…平行ばね、204、304…差動トランス、302…ピン
Claims (2)
- ウェーハを保持ヘッドに保持し回転する研磨定盤に押し付けて、ウェーハを研磨する研磨装置において、
前記保持ヘッドは、
回転されると共に前記研磨定盤に対向配置されるヘッド本体と、
前記ヘッド本体の下方に配置され、その下面で前記ウェーハを保持するキャリアと、
前記ヘッド本体と前記キャリアとを連結し、ヘッド本体からの回転力をキャリアに伝達する連結部材と、
前記連結部材に設けられ、前記保持ヘッドの回転中、前記キャリアによってウェーハを前記研磨定盤に押し付けた際に生じる、前記ヘッド本体に対するキャリアの水平方向の変位量を、ウェーハと研磨定盤とで生じる研磨定盤回転方向の摩擦力として検出する摩擦力検出手段と、から構成され、
前記摩擦力検出手段で検出された前記摩擦力の変化に基づいて、ウェーハの研磨制御を行う制御手段を備え、
前記連結部材は平行ばねであり、前記摩擦力検出手段は、前記保持ヘッドの回転中、前記キャリアによってウェーハを前記研磨定盤に押し付けた際に、前記キャリアが受ける水平方向の力によって変位する前記平行ばね間の変位を検出する検出手段と、該変位に基づいて摩擦力を演算する演算手段とを備えていることを特徴とするウェーハ研磨装置。 - 前記検出手段は、コアとボビンとを備えた差動トランスであることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ研磨装置。
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-
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