JP3733094B2 - 良否判定装置、良否判定プログラムおよび良否判定方法 - Google Patents

良否判定装置、良否判定プログラムおよび良否判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良否判定装置、良否判定プログラムおよび良否判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種製品の製造工場において製品出荷前の良否チェックが行われるのが通常である。良否チェックの項目としては種々のものが存在するが、良否を人間の目視に頼ると高速かつ大量にチェックを行うのが困難になるとともにコストが増大してしまう。特に、チェック項目が膨大であると目視による良否チェックの運用が実質的に不可能になる。そこで、各種製品に対して自動で良否チェックを行う種々の良否判定装置が提供されている。
【0003】
良否判定を自動化するに際しては、一般に良否判定装置においていかなる製品状態を良状態あるいは否状態とするのか、客観的基準に基づいて明確に規定して装置として組み上げるのが非常に困難である。また、装置組み上げ時に人間の主観によって良否判定規則を特定したとしても、その規則があらゆる状態について汎用的に適用でき、良否判定装置が使用に堪えることはまれである。実装部品のはんだ付け状態の検査等のように多種多様な製品状態があり得る検査対象に対しての良否判定は特に困難である。
【0004】
図22は、基板に対して各種部品をはんだ付けする際の各種状態例を説明する説明図であり、各種部品を基板側面から眺めた状態を示している。同図最上段では抵抗素子1を基板に対してはんだ付けする際の良好なはんだ状態を左側、接点が浮いている状態を右側に示している。左側の良状態では、はんだ1aが上面に対して凹面を形成しており、右側の浮き状態では、はんだ1bが上面に対して凸面を形成している。これら良状態と浮き状態とを比較すると、少なくともはんだの端部1c,1dにおいて双方のはんだの形状が異なり、この形状の差異を特徴づけるに十分なデータを収集するとともにこの形状の差異を特徴づける良否判定規則を特定する必要がある。
【0005】
また、図22の中上段には抵抗素子1を基板に対してはんだ付けする際の良好なはんだ状態を左側、はんだが無い状態を右側に示している。これら良状態とはんだ無し状態とを比較すると、はんだの中央位置1eにおいて双方のはんだ形状やその量が明らかに異なる。さらに、図22の中下段には抵抗素子1および抵抗素子1と大きさの異なる抵抗素子2を基板に対してはんだ付けした状態を示している。この図においては双方とも良好にはんだ付けがなされた状態を示しているが、抵抗素子1,2の大きさが異なるため、はんだの量およびその上面の傾斜が異なる。同図においては、抵抗素子2のはんだ2aの方がはんだ上面が急峻である。
【0006】
さらに、図22の最下段には形状の異なる実装部品3,4を基板に対してはんだ付けした状態を示している。ここでも双方が良好にはんだ付けされた状態を示しているが、実装部品3,4の形状が異なるため、はんだの量やその上面の角度が異なる。以上のように、はんだの良否および部品の形状によってはんだの形状や量が異なるし、実際のはんだにおいては、同じ現象、例えば同じ浮きにおいてもはんだ形状は様々であり、良否判定装置を運用するに際してこれらはんだの形状の差異を特徴づけるに十分なデータを収集するとともにこのデータに基づいて形状の差異を明確にして確実に良否を判定する良否判定規則を特定する必要がある。
【0007】
すなわち、上述の各状態それぞれにおいて、異なる箇所のデータ収集と当該異なる箇所についての良否判定規則の特定が必要になる。図22のようなはんだ付けにおいては、はんだの良否を特定し得る特徴的な形状は数百箇所(例えば200箇所)想定され、これらの中から不良の種類および部品の種類に応じて的確に良否を判定可能な特徴を抽出する必要がある。しかし、このような膨大な数の特徴形状から適切なもののみを抽出して良否判定規則を特定するのは実際問題として不可能である。通常、基板上には膨大な数の部品が実装されており、そのはんだ付け箇所について数百の特徴が存在するときに人為的に適切な特徴形状を抽出するのは実質上不可能になるからである。
【0008】
そこで、従来、統計的処理を行って人間の主観をなるべく排除した良否判定装置が提供されており、例えば、判別分析を利用して膨大な数の特徴形状から良否判定に適切な特徴形状を選定して判定を行う良否判定装置が提供されている。判別分析の適用例としては良否判定装置から得られた所定の測定データを多数の良否判定パラメータ(特徴形状を表現し得るパラメータ)に変換し、これらパラメータに対するヒストグラムを良カテゴリーと否カテゴリーに分けて生成する。そして、新たな変数Zを規定する判別関数を算出し、当該変数Zが”0”であるか否かを閾値にして良否を判定する。尚、変数Zは当該変数Zに対して良カテゴリーと否カテゴリーの度数分布を形成したときに、両カテゴリーの分布をなるべく分離できるようにして決定される変数であり、上記良否判定パラメータの線形結合である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の良否判定装置において、上記変数Z=0での閾値判別を行ったとしても必ずしも高性能の良否判定にならず、人間の目視や実際の運用によってノウハウを蓄積し、上記パラメータの選び方等、非常に微妙な調整を繰り返して良否判定の高性能化をしなければならなかった。すなわち、良否判定の性能としては、不合格品を良判定することによって不合格品を流出させてしまう流出率ができるだけ少なく、また、合格品を否判定することによって合格品を不合格としてしまう見過ぎ率ができるだけ少ないことが要求されるが、上述の従来例ではこの意味での高性能化が非常に困難であった。
【0010】
上述のようなはんだの良否判定を例にすると、判別分析で浮きやはんだ無し等の各種特徴形状に対応したパラメータを選定し、上記変数がZ=0より大きいか否かで良否判定を行うことになる。この判別分析において、Z=0は良カテゴリーの平均値と否カテゴリーの平均値との中間点であるから、このZ=0による閾値判別では流出率あるいは見過ぎ率と無関係に閾値が決定され、所望の流出率あるいは見過ぎ率になるよう事前に調整することができない。所望の流出率あるいは見過ぎ率になっているか否かを判断するためには、一旦良否判定を行って良判定されたはんだに不良品が存在するか否かを検証し、不良判定されたはんだに良品が存在するか否かを検証する必要がある。
【0011】
さらに、所望の流出率あるいは見過ぎ率になっていない場合には、上記パラメータの選び方を変更することにより、判別関数自体を変更し、再度良否判定を行って上述の検証を繰り返す必要がある。すなわち、従来の良否判定装置の性能を向上するためには、非常に膨大な回数の良否判定の繰り返しが必要であるとともに試行錯誤によってノウハウを蓄積して適切なパラメータを選定する必要があった。従って、従来の良否判定装置では実際に膨大な回数の良否判定を行わないと、判定性能を向上することができなかった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、流出率や見過ぎ率を意図通りに制御することができ、ノウハウの蓄積によらないで高性能な良否判定を実現することが可能な良否判定装置、良否判定プログラムおよび良否判定方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、複数のパラメータ情報と良否判定結果情報から多変量統計解析によって良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する。さらに当該変数のいずれかの値を良否判定の閾値にするにあたり、上記カテゴリーの度数分布に関する統計指標によって良否いずれかのカテゴリーで特定の分布確率になるように閾値を決定する。そして、個別の良否判定対象について、当該良否判定対象の複数のパラメータ情報を判別関数に代入し、その値と閾値とを比較することによって良否判定を行う。
【0013】
ここで、否カテゴリーにおいて特定の確率分布となる変数値を閾値とすることにより、否カテゴリー内に含まれる良否判定対象のうち特定の確率の対象のみを良判定にすることができる。すなわち、「不良」であるにもかかわらず「良」であると判定して「不良」が流出する確率(流出率)を意図通りの値に収束させることができる。また、良カテゴリーにおいて特定の確率分布となる変数値を閾値とすることにより、良カテゴリー内に含まれる良否判定対象のうち特定の確率の対象のみを否判定にすることができる。すなわち、「良」であるにもかかわらず「不良」であると判定してしまう確率(見過ぎ率)を意図通りの値に収束させることができる。
【0014】
上述の従来例においては、判別関数によって規定される変数の値”0”と個別の良否判定対象での変数値とを比較して良否判定を行っていたが、この変数の値”0”は誤判定の数が最小となる値である。この値を閾値にすると誤判定率は少なくなるかもしれないが、実際の良否判定装置の性能として最も重要なことは「不良」の流出をいかにして抑えるかである。その理由は、良否判定装置の本来の目的が製品検査等での不合格品検出等である場合が多いからである。従って、本発明のように閾値をカテゴリーの確率分布から決定することによって、非常に高性能な良否判定装置を提供することができる。
【0015】
また、良否判定装置の性能として見過ぎ率を少なくすることが重要である場合にも、上記良カテゴリーにおいて特定の確率分布となる変数値を閾値とすることによって非常に高性能の良否判定装置を提供することができる。さらに、確率分布に基づく閾値であれば、所望の確率分布にならないときにパラメータ情報の設定を再考することができるが、従来例であるとその段階で流出率あるいは見過ぎ率を把握することができず、これらを把握できるのは実際の運用を開始した後である。
【0016】
従って、従来の良否判定装置において性能向上を図るにはノウハウを蓄積するしかないが、本発明では確率分布を考慮することによって、上記流出率および見過ぎ率を意図通りに制御できるようになるまで上記パラメータ情報の設定等を再考することができ、良否判定装置の運用当初から所望の性能を得ることができる。運用による性能向上を必須とするか否かは良否判定装置の価値として非常に重要な要素であるとともに、実際の運用においての作業煩雑性,コストにも甚大な影響を与え、この意味からも本発明における構成は良否判定装置の価値を非常に高めるものである。
【0017】
さらに、上記パラメータ情報や良否判定結果情報とによる多変量統計解析を行うとともに統計指標から閾値を決定しているので、予め用意されたこれらの情報が取得できれば自動で閾値を決定することができる。従って、個別の良否判定対象についてのパラメータ情報を取得することができれば、良否判定を自動化することができ、良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するための検査装置等に良否判定装置を適用することによって、自動判定を実施可能な検査装置等を提供することができる。
【0018】
ここで、複数のパラメータ情報は良否判定要因を形成すれば良く、本発明においては多変量統計解析によって判別関数を算出しているので、判別関数を算出する際に適宜必要なパラメータを選択することも可能である。従って、パラメータ情報としては、多種多様なパラメータを採用することができ、非常に多くのパラメータ(例えば200個)を採用することによって多種多様な視点から良否を判断することが可能になるとともに、パラメータ選択に人間の主観が入り込む余地を少なくすることができる。すなわち、適切なパラメータであるか否かの詳細な検証をすることなくパラメータとして採用しておき、多変量統計解析によって適切なパラメータを選別することによって、人間の主観を排除し、客観的な判断が可能になる。
【0019】
パラメータ情報としては個別の良否判定対象から得られる情報であり、ある種の検査装置に良否判定装置を適用する場合には、当該検査装置の検査データから生成すればよい。むろん、検査データは一つのデータであっても良いし、検査装置において複数の観点でデータを収集して上記複数のパラメータ情報を生成しても良いし、複数の検査装置から得られた複数のデータを利用してパラメータ情報を生成しても良い。また、検査装置以外にも画像認識、例えば、画像中に現れるパターンが特定のパターンに合致しているか否かを判定するに当たり、判定対象の画像データから複数のパラメータ情報を取得しても良い。
【0020】
上記良否判定結果情報は、上記複数のパラメータのそれぞれに具体的な値を与えたときにその良否判定結果が「良」であるか「不良」であるかを示す情報であり、運用初期に予め複数の良否判定対象について判定を行った結果取得される情報であるが、運用とともに追加取得することもできる。また、上記良カテゴリーと否カテゴリーは上記良否判定結果情報によって規定されるカテゴリーであり、少なくとも「良」と「否」のカテゴリー分類が必要であるが、より細分化しても良い。例えば、否カテゴリーについて「不良」の原因別にサブカテゴリーを作成し、上記複数のパラメータに具体的な値を与えたときにいずれのサブカテゴリーに属するかを良否判定結果として記憶しても良い。むろん、良カテゴリーについてサブカテゴリーを作成することも可能である。
【0021】
判別関数は、上記変数に対して度数分布を考えたときに良カテゴリーと否カテゴリーの度数分布を分離させる関数であるが、これらの分布は統計的な分布であるため、両者が完全に分離されることが必要になるわけではなく、分布の裾が重複するとしてもその分布がなるべく分離する(例えば、カテゴリー間の分散/全分散が最大になる状態)ようにすればよい。尚、この変数は上記複数のパラメータの関数(例えば、線形結合)である。また、多変量統計解析の手法としては、判別分析や重回帰分析等を採用可能である。
【0022】
統計指標算出手段では、上記カテゴリーの度数平均と分布の広がりを示す指標とを算出することができればよい。分布の広がりを示す指標としては種々の指標が採用可能であり、例えば、標準偏差や分散を採用可能であるが、むろん、各指標を算出するに当たり全サンプル数での除算を省いて考えるなど種々の工夫を採用可能である。全サンプル数での除算を省いても各カテゴリーの分布の広がりを示す指標であることに相違ないからである。閾値決定手段としては、上記カテゴリーの分布において特定の分布確率となる変数値を閾値とすることができれば良く、予め決められた分布確率になるように閾値を決定しても良いし、利用者所望の値を入力可能に構成して当該入力された特定の分布確率になるように閾値を決定しても良い。
【0023】
パラメータ情報取得手段は、個別の良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得することができれば良く、例えば、上記検査装置に対して本発明にかかる良否判定装置を適用する際には、当該検査装置によって個別の良否判定対象を検査して得られる検査データから複数のパラメータ情報を生成すればよいし、他の機器に対して本発明にかかる良否判定装置を適用する場合に、個別の良否判定対象特有のデータから複数のパラメータ情報を取得すればよい。このようにして個別の良否判定対象について複数のパラメータ情報が得られれば、これらパラメータの関数である上記判別関数に各パラメータ値を代入することによって上記変数と同じ次元の値を得ることができ、当該変数の次元で規定された閾値と比較することで良否を判定することができる。
【0024】
また、請求項2にかかる発明では、上記統計指標として否カテゴリーの度数平均と標準偏差とを利用し、これらの統計指標から上記特定の分布確率となる閾値を決定するに当たり、否カテゴリーの度数平均からその標準偏差の定数倍に該当する変数値を閾値にする。すなわち、上記判別関数で規定される変数に対する分布を考えるとともに度数平均から標準偏差の定数倍離れた値を閾値とする。正規分布において標準偏差の各値は、その値より大きな変数値(あるいは小さな変数値)が発生する確率を示している。例えば、標準偏差をσとして3σ以上の変数値は全体を1とすると0.0013の発生確率である。
【0025】
そこで、否カテゴリーの分布が正規分布になると想定すれば、その度数平均から標準偏差の定数倍離れた値を閾値にすることにより当該閾値によって否カテゴリー内に含まれる良否判定対象がどれほどの確率で良判定されるのか、制御することができる。また、ここで否カテゴリーの度数平均および標準偏差に基づいて閾値を決定することにより、否カテゴリーに含まれる(不合格であることが予想される)良否判定対象について「良」であると判定して「不良」が流出する確率を制御することになり、上記「流出率」を意のままに管理することができるし、「流出率」を非常に確かな情報として予め知ることができる。むろん、良カテゴリーについて同様の制御をすることも可能である。すなわち、良カテゴリーの度数平均および標準偏差を算出し、当該度数平均から標準偏差の定数倍離れた値を閾値にすることにより、「見過ぎ率」を管理することができる。
【0026】
さらに、請求項3に記載の発明のように両者を併用することも可能である。すなわち、否カテゴリーにおける度数平均とその標準偏差から意図通りの流出率になるように閾値を決定した場合、さらに、良カテゴリー側から見るとその閾値における「見過ぎ率」を判定することができる。この結果、「見過ぎ率」から見た場合に好ましい閾値であるか否かを判断することができ、「見過ぎ率」が意図した確率よりも多い場合には、上記判別関数算出手段における上記複数のパラメータ情報を再考したり、判別関数を再考するなどして、良否判定装置を実際に運用する前に意図通りの「流出率」および「見過ぎ率」になるまで良否判定装置の調整を行うことができる。従って、運用に際してノウハウを蓄積することが必須にはならず、良否判定装置の運用当初から非常に高性能の良否判定を実現することができる。
【0027】
このように、ノウハウ蓄積が必須にならないと言っても運用に伴ってさらに良否判定性能を向上するには、運用時の良否判定結果をフィードバックすることが好ましい。その際に好適な構成の一例として請求項4に記載の発明を採用することができる。すなわち、複数のパラメータ情報は各良否判定対象の良否を判定するための判定要因になることが必要であり、この判定要因を客観的に特定するために検査装置による検査データを変換式にてパラメータに変換する。また、良否判定対象の良否を異なる多数の視点から判断するために、同じ検査データについて異なる複数の変換式によってパラメータに変換する。このパラメータおよび変換式は所定の記憶媒体に記憶される。
【0028】
上記複数の変換式は、良否判定装置の運用前に予め多数用意しておく。この際に、各パラメータが良否判定に対して実際に大きく寄与するか否かは詳細に検討する必要がない。上記判別関数を決定する際に、多変量統計解析の各手法によって適切なパラメータを選択することができるからである。このように複数のパラメータおよび変換式を予め用意し、記憶媒体に記憶しておくことによって運用開始当初から高性能での良否判定を実現する構成において、上記検査装置で個別の良否判定対象について検査して得られる検査データを上記各変換式で変換して良否判定結果とともに追加記憶する。
【0029】
本発明においては多変量統計解析を実行しており、上記良カテゴリーと否カテゴリーとの分布について統計的な解析を行うものである。従って、実際の運用に伴って新たなデータを逐次追加記憶することによって、統計精度が経時的に向上する。このように、データの追加記憶によって統計精度を経時的に向上する構成であれば、良否判定性能の向上に人間の主観が入る余地が無く、非常に効率的に統計精度を向上することができる。尚、検査装置においては、良否判定対象についての検査データが得られれば良く、その態様は限定されない。検査装置と良否判定装置とを別体の装置にて実現し、双方向通信を介して両者のデータを授受しても良いし、両者を単体の装置で形成しても良い。
【0030】
良否判定装置の運用とともに判定性能を向上させる際の好適な構成例として、請求項5に記載の発明のように、人間による目視の良否判定結果を反映させる構成を採用することもできる。すなわち、目視による良否判定結果を入力させて当該判定結果とそのパラメータ情報をも追加記憶するとともに上記閾値による判定と目視による判定が異なる場合に目視による良否判定結果が正しい判定結果であるとする。すなわち、目視による判定結果は良否判定対象についての実際的かつ確実な判定結果であり、上記閾値による判定と目視による判定とが異なっている場合には閾値による判定が誤りであったことになる。
【0031】
また、上記閾値によって良否判定を行ったとしても個別の良否判定対象について取得される上記複数のパラメータ情報は異なっており、これらのパラメータを上記判別関数に代入して得られる変数値は個別の良否判定対象で異なっている。この値から上記閾値によって結論づけられる良否判定結果は、上記分布確率に従った「確からしさ」での良否判定結果である。そこで、個別の良否判定対象についての正しい良否判定結果情報を目視で把握することにより、それぞれのパラメータによって判別関数から得られる変数値について確実に正しい良否判定情報を対応づけることができる。
【0032】
従って、目視による良否判定結果をパラメータ情報に対応づけつつ追加記憶することによって、上記判別関数算出手段での判別関数算出時に統計精度をより向上することができる。良否判定結果情報を上記判別関数算出時に反映させる手法としては種々の手法が採用可能である。例えば、上記閾値による良否判定で「良判定」であったが、目視にて「不良」であることが判明した良否判定対象がある場合、上記閾値による良否判定は当該良否判定対象に関しては精度良く機能していなかったことになるが、目視結果が正しいことを逐次追加記憶し、追加記憶した良否判定結果情報に基づいて判別関数を算出すれば、追加記憶数の増加とともに統計精度が向上する。むろん、統計的に有意な母数の目視判定結果を蓄積してから新たな判別関数を算出しても良いし、上記閾値にて「否判定」であったが、目視では「良」であったものについても同様である。
【0033】
さらに、良否判定対象の良否を生じさせる原因としては種々の原因が想定され、本発明において良否判定結果を良カテゴリーと否カテゴリーとに二分して判別関数を算出すると、総ての不良原因について包括的に精度良く良否判定を実施可能な判別関数を算出することができるが、原因別に判別関数を規定するとより高精度に良否判定を実施することができる。そこで、請求項6に記載した発明のように、目視によって良否判定の原因とその判定結果を入力するようにしても良い。これにより、原因別に細分化カテゴリー毎に当該細分化した良カテゴリーと否カテゴリーとを分離する判別関数を算出することができる。
【0034】
判別関数を算出する際には、上記パラメータ情報を適宜選択しつつ良カテゴリーと否カテゴリーとを分離する変数を算出するが、以上のように原因別の判別関数を算出すると各細分化カテゴリー毎に最適な判別関数を算出することになる。すなわち、ある原因については良カテゴリーと否カテゴリーとを分離するに当たり好ましいパラメータ情報であるが、他の原因については良カテゴリーと否カテゴリーとを分離するに当たり好ましくないパラメータ情報であるといった状況において、的確に好ましいパラメータ情報を選択しつつ的確に良否カテゴリーを分離する判別関数を算出することが可能になる。この結果、あらゆる不良原因について精度良く良否判定を行うことができ、誤判定の確率を非常に小さい値に収束させることができる。
【0035】
むろん、上述の細分化によって判定精度が非常に高くなるものの、本発明においては上述のように意図通りの流出率で運用を開始することができるので、たとえ細分化を行わなかったとしても運用開始当初から非常に高性能の良否判定装置を提供可能であることには相違ない。また、カテゴリーを細分化するために良否判定の原因およびその判定結果を入力する構成においても、複数の対象について入力を実施し、統計的に有意になる程度の母数を確保することが好ましい。尚、目視によって良否判定結果を入力する構成や良否判定の原因等を入力する構成において誤入力を行う確率は母数が増加するに従って増加する傾向にある。誤入力をした場合には、例えば良カテゴリーの分布内に「不良」判定の対象が散見されるようになる。このような入力をしてしまった場合に、良カテゴリーと否カテゴリーの度数分布を表示すれば、明らかに良カテゴリーとなるべきパラメータ値に対して否判定のデータが散見されることになる。この場合には、当該否判定のデータを上記判別関数算出手段での多変量統計解析に利用しないようにしたり、このデータ自体を上記記憶媒体から削除する等の構成が採用可能である。
【0036】
本発明においては、適切なパラメータであるか否かの詳細な検証をすることなくパラメータとして採用しておき、多変量統計解析によって適切なパラメータを選別することによって、人間の主観を排除し、客観的な判断が可能になる。また、多変量統計解析を実施するに当たり、パラメータを選別する前処理として多重共線性を除去する必要がある。そこで、その手法の具体例として、請求項7に記載の発明では、相関係数に基づいて非使用パラメータを決定している。
【0037】
すなわち、相関係数は、一方のパラメータ値が増加すると他方のパラメータ値も増加する傾向にあるなど、二つの変数相互の相関の強さを定量化した値であり、相関の強いパラメータを複数使用しても精度良く良否判定を実施可能な判別関数を算出できない場合がある。そこで、相関係数が一定値以上になるパラメータの数が多いものから除去することにしてある。但し、本発明においては少なくとも良カテゴリーと否カテゴリーとについてのヒストグラムを与えることのできる判別関数が必要であるから、両カテゴリーで共通のパラメータを残す必要がある。そこで、両カテゴリーについて相関係数が所定値以上になるパラメータの数を集計し、集計値の大きいものから非使用にして多重共線性を効果的に除去することとした。
【0038】
また、多重共線性を除去する際に好適な例として請求項8に記載された発明のように、予め決められた優先度に従って低優先度のパラメータから非使用にするようにしても良い。尚、この構成は上記相関係数の大きいパラメータを集計する構成と併用して使用するのが好ましい。すなわち、上記集計値の大きいものから非使用にする構成において同一集計値になるパラメータが存在したときに優先度に従って非使用パラメータを決定する構成にすることができる。
【0039】
さらに、本発明にかかる良否判定装置の具体的な適用例として請求項9に記載の発明を採用することも可能である。すなわち、良否判定対象を所定の電磁波で照射すれば良否判定対象の形状に対応した反射電磁波あるいは透過電磁波が発生するので、当該反射電磁波あるいは透過電磁波の検出値を示す電磁波データを生成すれば良否判定対象の形状に対応した電磁波データを得ることができる。従って、この反射電磁波データあるいは透過電磁波データを所定の変換式によって変換して良否判定対象の形状に対応した値を算出することができる。
【0040】
この変換式は複数個考えることができ、形状に対応した複数の値によって良否判定対象を捉えることができる。従って、当該良否判定対象の形状に対応した値を上記複数のパラメータ情報にすることで良否判定対象の形状を良否判定要因とした良否判定装置を提供することができる。良否判定対象の形状を良否判定要因とする良否判定装置の具体例としては、基板上の実装部品の接点とはんだとの形状からはんだ付けの良否を判定する装置や部品実装前の基板に印刷するはんだペーストの形状から印刷の良否を判定する装置等、種々の適用例が挙げられる。
【0041】
尚、後者においては、部品実装後のはんだ付けの良否を良カテゴリーと否カテゴリーとにする態様、すなわち、上記ペーストの形状自体の良否ではなく部品実装後のはんだ付けの良否を判定し、これによって間接的に上記ペーストの形状の良否を判定する構成にしても良い。すなわち、上記ペーストの形状が部品実装時のはんだ付け自体に大きな影響を与えるような場合に、当該はんだ付けの良否とペーストの良否とが密接に対応していることを利用して良否判定を行うことも可能である。本発明において、電磁波としては種々の波長を採用可能であって可視光、赤外線、X線等を採用可能であるし、その態様としても種々のものが採用可能である。電磁波の性質および良否判定対象の材質によって電磁波が反射され、また、透過するので、これら電磁波の性質および良否判定対象の材質によって適宜反射波や透過波を利用すればよい。
【0042】
例えば、可視光や赤外線等を金属に照射した場合には反射光が得られるので、反射光を検出すればよいし、X線を金属に照射した場合には所定の透過率で透過X線を得ることができるので、透過X線を検出すればよい。むろん、反射X線を利用してもかまわない。電磁波の検出手法としても種々の方法が採用可能である。例えば、径を絞ったレーザーにて良否判定対象を線状あるいは面状に掃引し、特定位置に配設されたセンサにて反射光を検出しても良いし、良否判定対象の一方側からX線を照射し、反対側にて2次元的に配設されたCCDセンサにて透過X線を検出しても良いし、可視光によって照明した良否判定対象をCCDセンサによって撮像しても良い。良否判定対象の形状に対応した値としては種々の値を採用可能であり、反射電磁波の連続的な変化によって傾斜の変化具合を推定して高さを算出しても良いし、傾いた方向への反射の開始時点からはんだの長さを推定しても良い。むろん、他にも種々の形状を特徴づける値をパラメータ情報とすることができる。
【0043】
さらに、照射電磁波の反射を検出して反射電磁波データを生成する装置に良否判定装置を適用する際に好適な構成例として請求項10に記載の構成を採用し、多重反射による影響を排除するようにしても良い。すなわち、複数の良否判定対象が特定の狭い場所に配置されていると、特定の良否判定対象に到達した電磁波が反射によって他の良否判定対象に到達し、さらに当該他の良否判定対象での反射が電磁波検出手段に到達することが考えられる。このように2回以上の反射によって電磁波が電磁波検出手段に到達するような多重反射が生じた場合、上記反射電磁波データは多重反射が生じていないときと異なるデータになる。
【0044】
このデータをそのまま利用すると統計精度が落ちるため、配置分析手段によって多重反射が発生しうる良否判定対象の配置を把握し、その良否判定対象において多重反射からの寄与が大きなパラメータを非使用あるいは低優先度にする。これによりそのパラメータからの影響を排除したり低減することができる。むろん、多重反射の発生個所と非発生個所とで異なる閾値を算出する構成を採用することは可能である。
【0045】
本発明にかかる良否判定装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として良否判定装置を制御するためのソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるし、当該ソフトウェア自体としても発明は成立する。このため、上記請求項11にかかる発明は、上記請求項1に対応させた機能をコンピュータに実現させる構成としてある。むろん、請求項2〜請求項10に対応させた機能をコンピュータに実現させる構成も実現可能であることは言うまでもない。
【0046】
むろん、このプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。上記媒体とは異なるが、供給方法として通信回線を利用して行なう場合であれば通信回線が伝送媒体となって本発明が利用されることになる。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0047】
また、このような良否判定装置の制御においては各手段が所定の制御手順で処理を進めていく上で、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然であり、方法としても適用可能である。このため、請求項12にかかる発明は、上記請求項1に対応させた工程からなる構成としてある。むろん、請求項2〜請求項10に対応させた工程からなる構成も実現可能であることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1,請求項11,請求項12にかかる発明によれば、運用当初から非常に高性能であるとともにノウハウの蓄積を必須としない良否判定装置、良否判定プログラムおよび良否判定方法を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、「流出率」を意のままに管理することができるし、「流出率」を非常に確かな情報として予め知ることができる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、良否判定装置を実際に運用する前に意図通りの「流出率」および「見過ぎ率」になるまで良否判定装置の調整を行うことができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、効率的に統計精度を向上することができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、効率的に統計精度を向上することができる。
【0049】
さらに、請求項6にかかる発明によれば、良否を発生させる各原因別に適切なパラメータを使用することができる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、容易かつ適切に多重共線性を除去することができる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、容易に多重共線性を除去することができる。
さらに、請求項9にかかる発明によれば、電磁波を利用した検査装置に対して本発明にかかる良否判定装置を適用することができる。
さらに、請求項10にかかる発明によれば、多重反射による影響を容易かつ効率的に排除することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の概略構成:
(2)レーザー検査装置の構成:
(3)データ蓄積装置の構成:
(4)目視入力装置の構成:
(5)多変量統計解析装置の構成:
(6)他の実施形態:
【0051】
(1)本発明の概略構成:
図1は本発明にかかる良否判定装置を構成するシステムの概略図である。本システムはレーザー検査装置100とデータ蓄積装置200と目視入力装置300と多変量統計解析装置400とを備えており、それぞれがハブHを介して通信回線にて接続されている。すなわち、各装置は通信回線を介して互いに双方向通信可能である。レーザー検査装置100は、基板に貼り付けられたラベルを読みとることによって基板に実装される各部品の各接点を識別しつつ、当該接点付近にレーザーを照射する装置である。
【0052】
本発明において、良否判定はレーザー検査装置100にて実行され、その処理手順は概略図2に示すフローに従う。すなわち、ステップS100にて上記基板に貼り付けられたラベルを読みとり、基板を特定するとともに後述する部品の実装位置や部品の種別等を特定する。すなわち、ラベルは基板の種類を特定する情報が記載されている。尚、本実施形態においては、基板の種類を特定するための情報に加えて基板の個体を特定するための情報(例えば、シリアルナンバー等)が記載されており、基板の個体を特定するための情報にて基板の個体を特定し、各個体別に良否判定結果を記録あるいは表示させることができる。
【0053】
また、基板の特定手法は上述の態様に限られず、種々の態様を採用可能である。例えば、レーザー検査装置100によって検査を行った後に既知のシリアルナンバー等を付したラベルを貼り付ける構成等を採用しても良い。各部品の各接点は、はんだによって基板に取り付けられており、照射されたレーザーは接点付近で反射する。レーザー検査装置100はレーザーによって接点付近を掃引し、反射方向を認識しつつ反射光を検出可能であり、ステップS110ではこの掃引によって発生する反射光の検出値を形状データとして取得する。
【0054】
形状データは各接点付近のはんだ形状によって異なるデータとなっており、ステップS120にてこの形状データを良否判定要因となる複数のパラメータに変換する。各パラメータについての多変量統計解析は予め上記多変量統計解析装置400にて実施されており、この結果として良否を判断するための閾値が予め決定されている。本実施形態においてこの閾値は判別関数の次元で規定されており、また、判別関数は上記ステップS120にて算出したパラメータの関数である。良否判定はステップS130にて上記パラメータを判別関数に代入し算出した値と上記閾値とを比較することによって行われ、その結果は、レーザー検査装置100に搭載されたディスプレイ上に表示され、利用者はこのディスプレイを視認することによって良否を知ることができる。むろん、良否は部品毎に表示することが可能であるし、一つの基板について一画面で表示することも可能であるし、「否」判定発生時のみに表示を行うようにしても良い。
【0055】
本実施形態においては、統計精度を向上させるため、ステップS130にて良否判定を行った良否判定対象、すなわち、各部品の各接点についてのはんだ接続の良否判定結果情報およびそのパラメータ情報を対応づけつつ上記データ蓄積装置200に蓄積するようになっている。また、データ蓄積装置200には、本実施形態にかかる良否判定装置を運用する際に必要な各種データがデータベースとして登録されており、レーザー検査装置100と目視入力装置300と多変量統計解析装置400から各種データを取得して蓄積可能であるとともに、適宜蓄積データを出力することが可能である。尚、本実施形態においては、上記パラメータ情報に対して上記形状データを対応づけつつ記憶している(図示せず)。そして、データ蓄積装置200においてキーボード等の入力機器を操作して、ディスプレイ上に形状データを表示できるようにしてある。これにより、各形状データから算出された各パラメータがもっともらしい値になっているか否か等、事後的にチェックすることが可能である。
【0056】
また、目視入力装置300においては、自動の良否判定で誤りが生じていた場合にデータを訂正して統計精度を向上させるために、目視による良否判定結果を入力可能に構成されている。尚、これらのレーザー検査装置100,データ蓄積装置200,目視入力装置300,多変量統計解析装置400とに備えられたコンピュータは汎用的なコンピュータを利用することができ、詳細なハードウェアの説明は省略する。
【0057】
さらに、本実施形態にかかるシステムは上述の各装置にて分散処理を行っているが、むろん、単体のコンピュータによって上記各装置を構成しても良いし、特定の2以上あるいは3以上のコンピュータが上記各装置を構成しても良い。本実施形態においては、以上の構成によって良否カテゴリーにおいて特定の分布確率を与えるような閾値を決定しており、これにより流出率や見過ぎ率を容易に管理可能であるとともにノウハウの蓄積が必須にはならないシステムを提供しており、以下各装置を詳細に説明する。
【0058】
(2)レーザー検査装置の構成:
図3はレーザー検査装置100の概略構成を示している。同図左側にはその光学系を模式的に示しており、右側には制御系を示している。レーザー検査装置100は、レーザー発振器126を備えており、所定のレーザー光を発振出力することができる。ガルバノメータ124はその内部に2枚の角度可変ミラーを備えており、ガルバノメータ制御部128の制御によって当該角度可変ミラーの配向角を調整することができる。
【0059】
すなわち、当該角度可変ミラーの配向角を調整することによってガルバノメータ124から出力するレーザー光の配向角を調整することができ、これによって後述する掃引を実現している。ガルバノメータ124から出力されるレーザー光はレンズ123によって集光された後、受光ボックス110に入射される。従って、受光ボックス110には細く絞った状態のレーザー光が入射され、この状態で掃引されるので、後述するセンサでははんだ133付近の微視的状態に対応したレーザー光を検出することができる。尚、掃引は後述するように接点側から部品本体方向に向けて行われ、その軌跡が1本の線を形成するが、高精度の掃引データが必要な部品等、種々の条件に応じて2本以上の線を形成するように掃引を行って、実質的に面の情報を取得しても良い。
【0060】
受光ボックス110はレーザー光の適切な光学経路を形成し、反射光の有無をその方向とともに取得するための機器を備えている。受光ボックス110内の上部にはトップセンサ112が配設されており、その下方にアップセンサ114およびサイドセンサ116が配設されている。図4はこれらセンサの配置関係を示す図である。すなわち、アップセンサ114は中央に矩形の穴を形成しており、サイドセンサ116はアップセンサ114の下方四側面に形成されている。
【0061】
トップセンサ112は矩形平板状であり、一方の面を下方に配向させつつ上記アップセンサ114の中央に形成された矩形の穴の上方に配設されている。また、トップセンサ112とアップセンサ114との間はレーザー光の光学経路になっており、平板状のハーフミラー118が配設されている。当該ハーフミラー118は、その平板面がトップセンサ112の下面に対して略45°を形成するとともに上記レンズ123からのレーザー光を反射して下方に進行させる方向に配向されている。尚、受光ボックス110の下方は開口しており、レーザー光は受光ボックス110内から下方に進行することも可能であるし、下方から受光ボックス110内に進行することも可能である。
【0062】
ハーフミラー118は受光ボックス110の下方から進行するレーザー光の一部を透過させることができ、透過されたレーザー光はトップセンサ112の方向に進行する。また、上記トップセンサ112とアップセンサ114とはその下面に照射されるレーザー光を検出することが可能であり、サイドセンサ116は互いに向かい合う面にてレーザー光を検出することが可能である。受光ボックス110の下方にはX−Yステージ130が配設されており、良否判定対象の接点を備えた部品が実装される基板を載置可能である。また、X−Yステージ130はX−Yステージ制御部135に接続されており、同X−Yステージ制御部135が出力する所定の制御信号によってX−Yステージ130をX−Y平面上で移動させることができる。
【0063】
従って、X−Yステージ130に基板を載置した状態で当該X−Yステージ130を移動させることによって、所望の良否判定対象を受光ボックス110の下方のレーザー光経路内に配設することができる。図3においては、X−Yステージ130上に実装部品132を模式的に示している。同実装部品132は矩形のチップ部品であるとともにその両端が接点132aになっており、当該接点をはんだ133で接合するようになっている。
【0064】
上記ハーフミラー118にて反射されたレーザー光は上記受光ボックス110の下方に進行し、このはんだ133の付近に到達する。この結果はんだ133付近で当該レーザー光が反射され、再び上方に向けて進行する。この反射光はその進行角度によって上記トップセンサ112,アップセンサ114,サイドセンサ116あるいはその外側に向けて進行する。レーザー光がトップセンサ112,アップセンサ114,サイドセンサ116に到達したときには、各センサから所定の検出信号が出力される。
【0065】
各センサはアンプ120に接続されており、上記検出信号は当該アンプ120にて所定の増幅が施されるとともに、コード生成部122に入力される。上記各センサでは検出位置毎に所定閾値以上のレベルの反射光の有無を検出可能であり、コード生成部122はその入力信号に基づいて上記反射光の反射角度を示すコードを生成する。図5は、生成されるコードを説明する説明図である。同図に示すように反射光がトップセンサ112で検出されたときにはコード”6”が生成される。
【0066】
また、アップセンサ114の一方で検出される反射光はその角度によって”5”〜”3”のコードが生成され、サイドセンサ116の一方で検出される反射光では”3”〜”2”のコードが生成される。反対側のセンサで反射光を検出したときには”A”〜”D”のコードが生成される。サイドセンサ116の両外側に反射光が進行するときにはコード”0”が生成される。また、レーザー光によって上記はんだ133付近が掃引されるので、掃引の各段階でコードが生成され、この結果、コード生成部122は一回の掃引に対して複数の数値あるいはアルファベットを有するデータを出力する。むろん、ここに示す構成は一例であり、上記センサにてコード値が変動するピッチをより狭くしたり広くしたりすることは可能であるし、掃引は一回ではなく複数回検出しても良い。さらに、一方向のみの掃引を行うのではなく、複数方向の掃引を行っても良い。
【0067】
上述のコード生成部122とガルバノメータ制御部128とX−Yステージ制御部135とはCPU140に接続されており、同CPU140が出力する制御信号によって制御され、また、同CPU140に対してデータを出力する。すなわち、CPU140は図示しないROMやRAMとともにプログラム実行環境を形成しており、CPU140は所定のプログラムを実行しつつコード生成部122とガルバノメータ制御部128とX−Yステージ制御部135とを介してレーザー検査装置100を制御する。
【0068】
また、CPU140が上記プログラムに従って所定の演算処理を実行することにより、良否判定を行うようになっており、必要なデータを記憶部146に書き込み、また、通信I/O144を介して上記データ蓄積装置200や多変量統計解析装置400と必要に応じて通信を行い、表示部142に良否判定結果を表示する。尚記憶部146はデータの書き込みと読み出しとを行うことができる記憶媒体であれば良く、ハードディスクドライブやRAM,ROM等種々の媒体を採用可能である。また、レーザー検査装置100は良否判定対象が搭載される基板を識別するために各基板に貼り付けられたラベルを読みとる図示しないラベル読取装置を備えている。
【0069】
図6は、レーザー検査装置100にて実行される良否判定プログラムの機能ブロック図である。レーザー検査装置100においては、OS150の制御下で良否判定プログラム160が実行される。OS150は上記通信I/O144を介してのデータ送受信や記憶部146からのファイル読み出しを制御し、良否判定プログラム160に対して必要なデータを供給するが、図6ではデータの授受関係を明確に示すため、通信I/O144と良否判定プログラム160と記憶部146とにおいてデータの授受を矢印で示している。
【0070】
良否判定プログラム160は、ラベル読取部162と形状測定部164と良否判定部166とを備えている。ラベル読取部162は上記通信I/O144を介して上記図示しないラベル読取装置を制御して、良否判定対象が搭載される基板のラベルを識別するラベルデータを取得し、記憶部146に記憶する(ラベルデータ146a)。形状測定部164は上記ガルバノメータ制御部128を制御してレーザー光を掃引させ、X−Yステージ制御部135を制御してX−Yステージ130を駆動して所望の良否判定対象に対してレーザー光が照射されるように制御し、さらにコード生成部122が出力する上記コードからなる形状データを取得して記憶部146に記憶する(形状データ146b)。
【0071】
ここで、形状測定部164は上記ラベルデータ146aにて特定される基板についての製品データを上記通信I/O144を介して取得する。当該製品データは、後述するようにデータ蓄積装置200に蓄積された基板に関するデータであり、各ラベルの基板において実装される部品の種類や部品上のピン数,その相対位置等が含まれる。形状測定部164はこれらのデータを取得することによって検査対象となるピンの位置を判定し、当該ピンの位置付近を掃引できるように上記X−Yステージ制御部135を制御して基板の位置決めを実施する。
【0072】
形状測定部164は、以上のように位置決めを実施しつつ基板上の検査対象総てについて形状データ146bを取得する。良否判定部166はこれらの形状データ146bを利用してそれぞれの良否判定対象、すなわち、接点に対するはんだ付けの良否を判定する演算処理を行っており、そのためのパラメータ算出部166aと閾値判定部166bとを備えている。パラメータ算出部166aは、上記形状データ146bを後述する図8で説明する式等によってパラメータを算出する。ここにおいては、形状データ146bを複数の変換式にて複数のパラメータに変換する。このパラメータは、はんだ自体の形状やはんだ周囲の形状に相当するパラメータであり、後述する図7に示すようなはんだ形状の差異に応じて異なる値となるパラメータである。
【0073】
当該パラメータは、はんだおよびその周囲の形状に相当する値であれば、種々の値を採用することができる。このパラメータは良否判定要因となりうるが、後述する判別分析の手法によって適切なパラメータ以外は除外されるので、良否判定要因として適切であるか否かを詳細に検討する必要はなく、形状を特定しうるパラメータであるかぎりパラメータとして採用しておいてかまわない。
【0074】
図7は、実装部品132についての「良」状態と3種の「不良」状態とを説明する説明図である。同図に示すように、「良」状態では実装部品132の上面が基板の上面に対して略平行であるとともにはんだ133が接点132aの下側に入り込み、さらに、はんだ133の上面は凹面状になっている。上記形状データ146bは、図7のA〜Cおよび接点132a部分からの反射に基づくデータであって、これらの形状に対応している。同図における「良」状態においては、上記レーザー光にて紙面左側から順に掃引したときに形状データ146bのコードが例えば「66554443332200066」となる。
【0075】
はんだ133の形状の特徴を捉えるに際しては種々の特徴によって形状を特定することができ、例えば上記図7のA〜Cの各位置からの反射に基づくデータを利用して形状を特定することができる。すなわち、上記コードは、はんだ133の凹面形状に対応した数値および順序になっており、同図の位置Aでは、基板面に対して略垂直に上方から下方に向かって進行するレーザー光がはんだ133で基板面に対して略垂直かつ下方から上方に向かって進行する光として反射するのでこの近辺ではコード値”6”となる。位置Aから位置Bに向けて掃引すると、はんだ133の傾斜が徐々に急になることに対応して反射光は紙面左側に配向する。従って、コード値は”5”〜”0”に向けて徐々に小さくなる減少数列になる。そして、接点132aの上面は基板に対して略平行であることから、再びコード値”6”が出現する。
【0076】
図7の不良(浮き)においては、実装部品132の接点132aがはんだ133となじんでおらず、浮いている状態である。この場合、はんだ133の上面は凸面状になるので、はんだ133上面すなわち反射面の角度やはんだの高さ等は「良」状態と異なっており、形状データ146bは「良」状態と不良(浮き)とで異なってくる。例えば、同図に示す「不良(浮き)」状態においては、形状データ146bのコードが「022333444566666DD」となる。すなわち、はんだ133上面が凸面状であることに対応してコード値は増加数列になるとともに、コード値”6”の隣に接点132aの位置に対応したコード”D”(紙面右側への反射)が出現する様な数列になる。このように、「良」状態と「不良(浮き)」状態とを比較すると、コード値およびその連続の様子に、はんだ上面の形状に対応した差異が存在する。そこで、コード値の増加/減少傾向を示すパラメータによってはんだ上面の形状を特定するパラメータを規定することができる。
【0077】
図7の不良(はんだ少)においては、実装部品132の接点132aの周囲に十分な量のはんだ133が存在せず、はんだ133の長さ等が上記「良」状態と異なっており、上記A〜Cの形状データ146bが「良」状態と不良(はんだ少)とで異なってくる。同図に示す「不良(はんだ少)」状態における形状データ146bのコード例としては「66666666666532066」のような数列が挙げられる。すなわち、はんだ133がほとんど存在しないことに対応して多くのコード値”6”が連続し、わずかなはんだ133に対応して”5320”のように減少数列がわずかに存在する。「良」状態と「不良(はんだ少)」状態とを比較しても、コード値およびその連続の様子に、はんだ上面の形状に対応した差異が存在する。そこで、これらの形状データ146bにおいてコード値”6”が連続する数や”6”以外のコードが連続する数およびその増加/減少傾向を示すパラメータによってはんだの形状を特定するパラメータを規定することができる。
【0078】
図7の不良(部品無し)においては、実装部品132がはんだ133上に存在せず、はんだ133上面すなわち反射面の角度や実装部品装着位置からの反射が上記「良」状態と異なっており、上記A〜Cの形状データ146bが「良」状態と不良(部品無し)とで異なってくる。同図に示す「不良(部品無し)」状態における形状データ146bのコード例としては「022333444566666DC」のような数列が挙げられる。すなわち、はんだ133上面が凸面状であることに対応してコード値は増加数列になるとともに、コード値”6”の隣にはんだの凸面に対応したコード”D””C”が出現する様な数列になる。このように、「良」状態と「不良(部品無し)」状態とを比較すると、コード値およびその連続の様子に、はんだ上面の形状に対応した差異が存在する。そこで、コード値の増加/減少傾向や実装部品位置でのコード値変動の有無等を示すパラメータによってはんだ上面の形状を特定するパラメータを規定することができる。
【0079】
図8は、これらパラメータのうちの一例を説明する説明図であり、形状としてはんだの高さを特定する際の例である。上述のように形状データ146bの各コードは、反射光が図5に示す各センサに到達する位置に対応しており、当該到達位置は照射レーザー光に対する反射角に対応しており、当該反射角は、はんだの面の配向角に対応していると考えられる。そこで、掃引時のデータ取得ピッチPと反射面の配向角を考慮すれば、各ピッチPでのはんだの高さが判明する。具体的には、図8に示すように形状データ146bのコードが”6”のときは基板面に対して略垂直な光路なので反射面は基板に対して略平行であると考え、コードが”5”のときはその反射方向から反射面の基板に対する配向角をαと考える。
【0080】
配向角αが判明すれば、上記ピッチPでのはんだの高さが判明する。図8に示す例で配向角αに対する高さは10である。同様にコード”4”〜”2”について各ピッチでのはんだの高さを考えることができ、各コードから判明する各ピッチでのはんだの高さを積算すると、上記形状データ146bでのはんだの高さに該当する。そこで、図8に示す例では”665432”という形状データ146bを”0+0+10+20+40+50”に変換してはんだの高さを”120”とする。これが形状を特定しうるパラメータの一例である。尚、図8では簡略化して示しており、実際は同図に示す掃引データ取得回数より多数回のデータを取得しており、形状データ146bの数値列は同図に示す例より多い。
【0081】
本実施形態におけるパラメータは上述のように例えば200個存在し、上記形状データ146bを種々の変換式に代入してパラメータを算出することができる。例えば、上記図7に示す不良(はんだ少)においては、はんだの量が少なくなるほどコード値”6”が多くなるので、(コード値”6”の数)/(コード値の総数)を算出すれば、はんだ位置の平坦性を特徴づけるパラメータを算出することができる。他にも、はんだ上面に凹凸が存在する場合には、コード値が単調変化せず”456545432”等のようにコード値の増減を繰り返すので、連続する二つの数列において数値が増加する場合と減少する場合とを計測し、(増加数−減少数)を算出すれば、はんだ上面の凹凸を特徴づけるパラメータを算出することができる。
【0082】
以上のように、パラメータ算出部166aでは、予め決められた変換式に従って、形状データ146bから特定される形状を特徴づける複数のパラメータを算出する。尚、基板上には各種部品が実装され、部品種別によってはんだの形状が異なる場合もあるので、その場合には形状データ146bに基づくパラメータの算出式も変更する。むろん、この場合、良否判定は部品種別毎に行われる。また、パラメータ算出部166aは製品データとして各部品についてのパラメータの算出式を取得して計算するが、特定の算出式での演算を実行する様なアルゴリズムでプログラムを作成し、当該プログラムの実行によってパラメータが算出されるように構成しても良い。
【0083】
閾値判定部166bは、上記通信I/O144を介して上記多変量統計解析装置400から後述する判別関数データと閾値データとを取得して、閾値による良否判定を実施する。判別関数データは、上記パラメータ算出部166aが算出するパラメータのうちのいくつかを変数とした関数であり、閾値判定部166bは上記算出したパラメータを当該判別関数に代入して判定用の値を算出する。さらに、この判定用の値と閾値とを比較し、判定用の値が閾値を境にして良カテゴリー側にある場合には「良」判定、閾値を境にして否カテゴリー側にある場合には「否」判定をする。
【0084】
閾値判定部166bは、当該良否判定結果を表示部142に対して出力し、レーザー検査装置100に備えられたディスプレイに良否判定結果を表示させる。また、この良否判定結果は良否判定結果データとして通信I/O144を介して出力され、後述するデータ蓄積装置200に蓄積される。以上のように、レーザー検査装置100においては、データ蓄積装置200や多変量統計解析装置400から適宜データを取得して、基板上に実装される各部品の各接点についてはんだ形状に基づいて実装の良否を判定することができる。
【0085】
(3)データ蓄積装置の構成:
図9はデータ蓄積装置200にて実行される通信制御プログラムの機能ブロック図である。データ蓄積装置200においては、OS250の制御下で通信制御プログラム260が実行される。OS250は上記通信I/O244を介してのデータ送受信や記憶部246からのファイル読み出しを制御し、通信制御プログラム260に対して必要なデータを供給するが、図9ではデータの授受関係を明確に示すため、通信I/O244と通信制御プログラム260と記憶部246とにおいてデータの授受を矢印で示している。
【0086】
通信制御プログラム260は、通信I/O244を介してデータを送受信するプログラムであり、外部からの要求に応じて製品データと良否判定結果データを出力する。また、記憶部246は製品データベース246aと良否判定結果データ246bとを蓄積するハードディスクドライブであり、本発明にかかるシステムの運用開始時に予め製品データベース246aと良否判定結果データ246bとが蓄積されるが、システムの運用とともに更新していくこともでき、上記閾値判定部166bが出力する良否判定結果データを取得して追加記録したり、後述する目視入力装置300が出力する目視判定データを新たな良否判定結果データとして追加することも可能である。
【0087】
図10は、製品データベース246aに蓄積される製品データの例である。この製品データにおいては、上記基板に貼り付けられるラベル毎に各基板上の部品および各部品が備える接点位置を特定するデータおよび各部品毎に実際に算出されたパラメータが記録されている。前者はレーザー検査装置100にてレーザー光を照射する良否判定対象の位置を特定する等のために使用され、後者は各部品について良否判定を行った場合の実際のパラメータ値であり、後述する良否判定結果データと対応づけられつつ記録される。
【0088】
各ラベルに対応したデータとしては、図10の左側に示すデータと部品毎のパラメータ算出式とがある。図10の左側に示すデータにおいては、装着情報として基板上の部品座標(X,Y)と部品の方向等が記録され、部品情報として部品の種別やリード(接点)数,リードピッチ等が記録されている。これによって、レーザーの照射対象位置を特定する。図11はレーザーの照射対象位置を特定する様子を示す図である。同図左側に示すように部品座標は基板上の一点を特定する座標であり、同図中央に示すようにこの座標が部品の特定位置(図11では×印)に該当することが予め決められている。
【0089】
また、装着情報の「部品の方向」から基板に対してどのような方向に部品が実装されるのかが特定され、リード数やそのピッチ数によって各リードの位置が特定される。上記掃引はリードの前側から部品本体方向に向けて実施され、リードの位置が特定されることによって掃引開始位置が特定される。従って、上記レーザー検査装置100はこれら製品データによって掃引の開始位置を特定することができ、当該開始位置にレーザーを照射できるように上記X−Yステージ130を制御する。
【0090】
製品データには、さらに掃引情報やセンサ閾値が記録されている。掃引情報には掃引回数や掃引ピッチが記録されており、センサ閾値は上記各センサにてレーザー光の受光の有無を特定する閾値が記録されている。従って、上記レーザー検査装置100はこれら製品データによって掃引手法を特定することができ、上記ガルバノメータ124やコード生成部122を制御して掃引およびコードデータの取得を実施する。
【0091】
上記製品データベース246aには、さらに各部品毎のパラメータ算出式246a1が記録されている。すなわち、各部品毎に接点形状が異なる場合があり、この結果、形状データ146bから推測されるはんだの形状も異なるので、各部品毎にパラメータ算出式が規定され、記録される。各部品毎に実際に算出されたパラメータは図10において部品A−1,A−2等として示している。すなわち、いずれの部品であるかを特定可能にするとともに各パラメータについての計算値(図10ではx1〜x200等)を記録する。
【0092】
実際に算出されたパラメータは運用開始の段階で、複数のデータが記録されているが、運用に伴って総ての良否判定対象について追記していっても良いし、一部について追記していっても良い。本実施形態において、このデータを追記する場合には上記パラメータ算出部166aが算出したパラメータ値を通信I/O144を介して取得する。各部品のパラメータについては、上記良否判定結果データ246bが対応づけられており、良否判定結果データ246bではその良否判定結果(「良」,「否(浮き)」等)が記録されている。すなわち、上記パラメータ値と良否判定結果データ246bとの対応によって、各パラメータである場合に判定結果が「良」であるか「否(不良)」であるかを判定することができる。
【0093】
尚、良否判定結果データ246bは良否判定対象(接点)の良否をカテゴリー化する際に利用される。すなわち、上記レーザー検査装置100において各パラメータを判別関数に代入すると判別関数の次元である値が算出されるが、この値について良否判定結果に対応させつつヒストグラムを作成すると、変数Zに対して良判定の分布と否判定の分布が得られる。そこで、それぞれの分布を良カテゴリーと否カテゴリーと定義する。また、否カテゴリーとしては、上述のように浮きやはんだ少,部品無しなど、種々の原因が存在するので、各原因毎に否カテゴリーを細分化しても良い。
【0094】
以上のように、データ蓄積装置200に適切なデータを蓄積し、上記レーザー検査装置100にて参照可能に提供することにより、良否判定を実施することができる。尚、データ蓄積装置200に対して新たなラベルについての製品データその搭載部品のデータ等を追加することにより、運用開始当初に蓄積されていない基板や部品についての良否判定を実施することが可能になる。
【0095】
(4)目視入力装置の構成:
図12は、目視入力装置300にて実行される目視入力プログラムの機能ブロック図である。目視入力装置300においては、OS350の制御下で目視入力プログラム360が実行される。OS350は通信I/O344を介してのデータ送受信や記憶部346からのファイル読み出しを制御し、目視入力プログラム360に対して必要なデータを供給するが、図12ではデータの授受関係を明確に示すため、通信I/O344と目視入力プログラム360と記憶部346とにおいてデータの授受を矢印で示している。
【0096】
目視入力プログラム360は、ラベル読取部361と判定結果取得部362と表示制御部363と入力受付部364と目視判定情報送信部365とを備えている。ラベル読取部361は通信I/O344を介して上記図示しないラベル読取装置を制御して、基板のラベルを識別するためのラベルデータを取得し、記憶部346に記憶する(ラベルデータ346a)。ここでは、良否判定対象が搭載された基板の総てではなく否判定された対象を含む基板について読取作業を行えばよい。
【0097】
判定結果取得部362は通信I/O344を介して上記データ蓄積装置200から上記読取りを行ったラベルに該当する基板に関する上記製品データおよびその良否判定結果データを取得し、記憶部346に保存する。表示制御部363は当該記憶部346に保存された製品データおよび良否判定結果データを参照し、基板平面上のイメージデータを生成し、表示部310(ディスプレイ)に出力することによってディスプレイ上にイメージを表示させる。図13は、このイメージ表示例を示している。
【0098】
同図に示すように、イメージ表示では基板に搭載された各部品およびその接点の模式図が示されている。同画面を表示した状態において、入力受付部の制御によって目視入力装置300が備えるキーボード等からなる入力部320を介して入力を受け付けることが可能であり、画面上で種々の操作が可能である。例えば、図13の左上に示すように各部品の拡大図を表示させることが可能である。図13においては、各接点についての良否判定を合わせて表示(例えば「否」判定について赤色で表示)することが可能であり、利用者は「否」判定された接点について真に否であるのか目視にて判定する。
【0099】
さらに、利用者はこの目視判定結果を上記入力部320の操作にて入力することが可能であり、入力受付部364が入力結果を受け付けると目視判定情報送信部365に対して目視の判定結果を受け渡す。同目視判定情報送信部365は、目視判定結果を示す目視判定データを通信I/O344を介して出力する。同目視判定データは上記データ蓄積装置200に対して追記される良否判定結果データ246bである。ここで、むろん「良」判定された接点について真に良であるのかを目視にて判定し、その結果をデータ蓄積装置200に対して送信しても良い。また、目視判定結果とそのパラメータ情報とは対応づけられており、どのようなパラメータに対して目視によって「不良」あるいは「良」と判定したのかを把握できるようになっている。
【0100】
これらの目視判定データは、多変量統計解析装置400において統計精度向上のために利用される。以上のように、目視入力装置300によれば、多変量統計解析装置400によって解析をする際に、目視入力の結果を本発明における良否判定に反映させることができる。運用開始当初には、この目視結果の反映が必須とはならない(運用開始から高精度で良否判定可能であるため)が、この目視による補正によれば容易に統計精度を向上させることができ、非常に信頼性の高い高性能の良否判定装置を提供することができる。
【0101】
さらに、目視入力装置300における入力によってカテゴリーを細分化することも可能である。すなわち、はんだ付けが不良になる原因としては種々の原因があり、後述するように不良の原因毎にその原因に特徴的なはんだ形状が異なるので、原因毎に異なる判別関数を規定すれば、非常に高い精度で判定を実施することが可能になる。また、目視入力装置300における入力の際には目視によってはんだの形状を確認するので、そのはんだ形状に対応した不良原因を入力することは容易である。
【0102】
そこで、目視入力装置300において不良の原因を合わせて入力し、当該入力された原因を示すデータを良否判定結果情報とすれば、原因毎に別個の否カテゴリーと良カテゴリーとを分離する判別関数を算出することが可能になる。ここでは目視によって不良の原因を確認して入力するので、原因が厳密に正しいとは限らないが、少なくとも、見かけ上のはんだ形状が異なれば不良原因が異なると考えられるので、見かけ上の差異によって別個の原因に細分化すればよい。例えば、実装部品132がはんだ133から浮いているもの、はんだが少ないもの、実装部品132が欠けているものなど目視で明らかに判定できる程度で原因別に細分化すれば十分である。
【0103】
(5)多変量統計解析装置の構成:
本実施形態においては、多変量統計解析装置400による解析を行うことによって意図からはずれた流出率および見過ぎ率を発生させない閾値を決定することができ、これによって高性能の良否判定装置を実現している。以下、当該多変量統計解析装置400の構成および処理を説明する。図14は、多変量統計解析装置400にて実行される多変量解析プログラムの機能ブロック図であり、図15,図17,図19は多変量統計解析プログラムが備える各モジュールでの処理を示すフローチャートである。
【0104】
図14に示す多変量統計解析装置400においては、OS450の制御下で多変量解析プログラム460が実行される。OS450は通信I/O444を介してのデータ送受信や記憶部446(ハードディスクドライブ等)からのファイル読み出しを制御し、多変量解析プログラム460に対して必要なデータを供給するが、図14ではデータの授受関係を明確に示すため、通信I/O444と多変量解析プログラム460と記憶部446とにおいてデータの授受を矢印で示している。
【0105】
モード分類部460aは、カテゴリーの細分化処理を行う。モード分類部460aでは、図15に示すようにまずステップS200にて通信I/O444を介して目視入力装置300に記録された目視判定データとデータ蓄積装置200に記録されたパラメータ値データおよび良否判定結果データとを取得する。パラメータ値データは各部品毎に実際に計算されたパラメータ値である。これら、取得したデータは記憶部446に保存(目視判定データ446a,パラメータ値データ446b,良否判定結果データ446c)され、多変量解析プログラム460の各モジュールに利用される。尚、パラメータ値データ446bのそれぞれとその良否判定結果データ446c(または目視判定データ446a)とは対応づけられており、各パラメータにおける良否判定結果が判明するようになっている。
【0106】
ステップS210ではパラメータ数(本実施形態では1〜200)のカウンタnを初期化(n=1)し、ステップS220ではパラメータnについて、良カテゴリーと否カテゴリーとのヒストグラムを生成し、多変量統計解析装置400が備えるディスプレイに表示させる。ここで、各パラメータ値に対する良否は上記良否判定結果データ446cに依存するが、目視入力装置300において目視判定が行われたものについては目視判定結果に従って良否をカテゴリー化する。すなわち、目視判定が行われた対象については目視による良否判定結果とパラメータ値データとが対応づけられており、この対応関係に従ってヒストグラムを生成/表示する。この結果、目視によって「不良」とされた対象であってそのパラメータがレーザー検査装置100において良カテゴリーに入るものについて否カテゴリーであることを明示することができる。
【0107】
図16はヒストグラムの表示例であり、同図上側ではパラメータn1についての例を示しており、この例においてヒストグラムは良カテゴリーと否カテゴリーとについて略正規分布を形成するとともに2つの分布に分かれている。同図下側ではパラメータn2についての例を示しており、この例においてヒストグラムは良カテゴリーと否カテゴリーとについて略正規分布を形成するとともに3つの分布に分かれている。後者のパラメータn2に対するヒストグラムでは、否カテゴリーが分布E,分布Fという2つの分布に分かれており、分布Eはレーザー検査装置100における良カテゴリーに含まれるが分布Fは当該良カテゴリーと分離している。
【0108】
この状況においては、パラメータn2にて特徴づけられる形状が、分布Fの不良を生じさせる原因に特有の形状であると言えるが、分布Eの不良を生じさせる原因に特有の形状であるとは言えない。パラメータn2が分布Eの不良を生じさせる原因に特有の形状であるならば、分布Eは図16の良カテゴリーと分離しているはずである。従って、分布E,Fにおいては不良を生じさせる原因が異なるととともに、パラメータn2は分布Fと良カテゴリーとを分離する判別関数において好ましいパラメータであり、分布Eと良カテゴリーとを分離する判別関数においては好ましくないパラメータである。そこで、分布Eと分布Fとについては異なる判別関数にて良否判定を行うべく、否カテゴリーを細分化する。
【0109】
図16のようにディスプレイにパラメータ毎のヒストグラムを表示するとカテゴリを細分化すべきか否かを把握することができ、多変量統計解析装置400にてその指示を行うことができる。すなわち、多変量統計解析装置400はキーボード等の操作入力機器にて構成される入力部420を備えており、ステップS230では当該入力部420を介してカテゴリーを細分化する指示を受け付けたか否かを判別する。同ステップS230にてカテゴリーを細分化する指示を受け付けたときには、ステップS240にてカテゴリーの細分化を行う。この細分化がなされたときには、後述する判別関数算出処理において当該細分化した否カテゴリーと良カテゴリーとの度数分布を分離する判別関数を算出する。
【0110】
このとき、図16に示す例では、分布Eと良カテゴリーとを分離する判別関数にパラメータn2は含まれず、分布Fと良カテゴリーとを分離する判別関数にパラメータn2が含まれることになる。上述の図7のような具体例においては、不良(浮き),不良(はんだ少),不良(部品無し)をそれぞれ異なる判別関数によって評価することが可能になり、不良(浮き)ではコード値の増加/減少傾向を示すパラメータを含む判別関数にすることができる。不良(はんだ少)ではコード値の増加/減少傾向を示すパラメータやコード値”6”の連続数を示すパラメータを含む判別関数にすることができるし、不良(部品無し)ではコード値の増加/減少傾向を示すパラメータや実装部品位置でのコード値変動の有無を示すパラメータを含む判別関数にすることができる。
【0111】
以上のような処理により、確実に良カテゴリーと否カテゴリーとを分離する判別関数を規定し、精度良く良否判定を行うことが可能になる。ステップS250では上記カウンタnをインクリメントし、ステップS260にて全パラメータについてカテゴリーの細分化処理が終了したと判別されるまで上記ステップS220以降の処理を繰り返す。尚、目視入力装置300において目視入力を誤ったときには、上記図16に示すようなヒストグラムにおいて異常データが散見される(良カテゴリー内に「不良」が散見されたり、否カテゴリー内に「良」が散見されたりするような状況)ことがあり、この場合には異常データを与える目視判定データ446aを削除したり、利用しないようにすることも可能である。
【0112】
また、本実施形態においては実際にヒストグラムを表示させて利用者にカテゴリー細分指示を入力させているが、むろん、ここで統計解析による自動化を行っても良い。すなわち、否カテゴリーの分布内で複数のピークが存在するか否かを判別するとともに、ピークが存在する場合は各ピークを与えるパラメータ値を正規分布でフィッティングし、フィッティングされた分布関数のσによって両分布が所定距離以上離れているかどうかを判別する。そして、所定距離以上離れているときにはステップS240におけるカテゴリーの細分化を行う。すなわち、否カテゴリーの分布内でピークが複数になっている場合には、同じ否カテゴリーであっても分布が分離している可能性があるとして分布の距離を評価する処理を行う。ここで、両分布の距離を評価する際には、上述のように各分布のσによって距離を評価しても良いし、平均値や最頻値同士が所定距離以上離れているか否かを評価しても良い。
【0113】
さらに、上述の処理においては、モード分類処理としてカテゴリーの細分化を実施する態様を説明したが、上記目視入力装置300にて良否カテゴリーのいずれかについての目視判定結果を入力する際に、カテゴリーを細分化した場合においても、図16と同様の原理によって各判別関数毎に適切なパラメータが選択されて各原因毎に良カテゴリーと否カテゴリーとを的確に分離しつつ良否判定を実施することができる。むろん、目視入力によるカテゴリーの細分化と上記ステップS230のような細分指示によるカテゴリーの細分化を併用してもかまわない。
【0114】
判別関数算出部460bは、ある変数を与える関数であって、当該変数に対して良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布を作成した場合に、両分布が良く分かれる判別関数を算出する処理を行う。この変数は上記複数のパラメータの関数である。本実施形態において上記パラメータはパラメータ1〜200まで存在するが、本実施形態においては両分布を分離する際に効果的な変数を選別して所定数のパラメータで判別関数を規定しており、所定数のパラメータを選別するに際して以下の相関係数およびパラメータの重要度に基づいて多重共線性を除去している。
【0115】
本実施形態において、相関係数は2つのパラメータ間に何らかの相関関係(例えば、一方のパラメータ値が増加すると他方のパラメータ値も増加する傾向にあるなど)がある場合にその相関の強さを定量化した値であり、以下の式(1)にて算出される。
【数1】
Figure 0003733094
尚、i,jはそれぞれパラメータの番号であり本実施形態においては1〜200である。また、xikはパラメータ番号iのk番目の値でありnはパラメータ値データ446bと良否判定結果データ246bとのサンプル数である。文字上の水平線は平均を示している。
【0116】
上記定義の相関係数は−1〜1の値であり、絶対値が1に近いほど相関が強い。相関が強い変数を2種以上組み込むと、精度良く良否判定を実施可能な判別関数にならない。そこで、本実施形態においては、あるパラメータにおいて他の複数のパラメータと比較して0.9以上の相関係数が多いパラメータから順に削除する処理を行っている。具体的には図17に示すステップS300〜S360にて処理を行っている。ステップS300では、上記良否判定結果データ446cからその良否を把握しつつ、各パラメータ値データ446bに基づいて上記式(1)を計算し、良カテゴリーと否カテゴリーとのそれぞれについて相関係数を算出して相関係数行列を作成する。カテゴリーが細分化されているときには細分化されているカテゴリー毎に相関係数行列を作成する。
【0117】
図18の上部には良カテゴリーの相関係数行列を示している。同図に示すように相関係数行列の各要素は番号ijにて指定され、上記式(1)の定義式より対角成分は”1”である。ステップS310においては、相関係数が”0.9”以上になっているパラメータの数Nを集計する。図18の中段と下段には良カテゴリーと否カテゴリーとのそれぞれにおいて相関係数が”0.9”以上になるパラメータの数Nを集計する様子を示している。
【0118】
同図においては、簡単のためパラメータの総数を8個としているが実際にはより多数のパラメータについて同様の処理を実施する。また、同図において格子の一マスは相関係数行列の一成分に該当し、例えば、良カテゴリーの相関係数r12は中段の左から2つ目,上から1つ目の格子に該当する。(ここでr12は0.9より小さいとする。)図において、相関係数が”0.9”以上になるものは格子上に丸で示しており、相関係数が”0.9”以上になるパラメータの数Nは図において縦方向に丸の数と1の数を集計した値になる。図においては、良カテゴリーについて良計N、否カテゴリーについて否計Nとして示している。
【0119】
相関係数が”0.9”以上になるものが多いパラメータを削除するにしても、本実施形態は判別分析により最終的に良カテゴリーと否カテゴリーとを良く分離する判別関数を算出する必要があり、良カテゴリーと否カテゴリーとで異なるパラメータで判別関数を規定しても意味がない。そこで、ステップS320においては良カテゴリーと否カテゴリーそれぞれのパラメータの数、すなわち、良計Nと否計Nとを足し合わせ、新たにN’とし、最大値N’maxを与えるパラメータを削除する。
【0120】
このとき、ステップS330にてN’maxの値が2であるか否かを判別する。すなわち、上記相関係数の対角成分は常に”1”であることから、対角成分以外の総ての相関係数が0.9より小さい場合には、良計Nと否計Nとを足し合わせたときにN’maxの値が2になり、これ以上パラメータを削除する必要がない。そこで、ステップS330にてN’maxの値が2であると判別されたときには、ステップS370以降の処理を行う。ステップS330にてN’maxの値が2であると判別されないときには、ステップS340にてN’maxを与えるパラメータの個数が1つであるか否かを判別する。
【0121】
ステップS340にてN’maxを与えるパラメータの個数が1つであると判別されたときにはステップS360にてN’maxを与えるパラメータを削除する。ステップS340にてN’maxを与えるパラメータの個数が1つであると判別されないときにはステップS350にてN’maxを与えるパラメータのうち低優先度のものを削除する。すなわち、N’maxを与えるパラメータの個数が2以上である時に、いずれを削除するのかを決定する必要があり、本実施形態においては、予め各パラメータについて規定された優先度に基づいて削除対象を決定する。
【0122】
ここで、パラメータの優先度としては種々の規則に基づいて決定することができる。例えば、パラメータが示す形状の精度に基づいて決定することができる。上述のように共通の良否判定対象について2本以上の線を形成するように掃引を行った場合は、1本の線を形成するように掃引を行った場合よりデータとしての信頼性が高いので、前者の掃引により取得した形状データ146bから得られるパラメータの優先度を高くすると好ましい。また、1本の線を形成するように掃引を行った場合であっても、パラメータ算出時に使用されるコードの数やパラメータ算出式自体の差異によって、パラメータが規定する形状の精度として差が生じるので、これらを加味して優先度を決定しても良い。むろん、このように精度に基づいて優先度を決定する構成は一例であり、他の視点に基づいて優先度を決定しても良い。尚、上記数値は一例であり、むろん、相関係数の値を集計する閾値が0.9であることが必須ではないし、負の相関係数についてもその絶対値が大きいものを集計する処理を行って多重共線性を除去する構成を採用可能である。
【0123】
以上の処理によって、多重共線性を除去した後は、残りのパラメータの中からステップS370にて判別関数の変数として組み入れるパラメータを選択する。このパラメータの選択においては公知の手法、例えば、総当たり法,前進選択法,後退消去法,逐次法等を採用可能である。以上のようにして、判別関数の変数として採用すべきパラメータを選択すると、これらのパラメータを変数とした判別関数をステップS380にて算出する。判別関数は
Z=a11+a22+a33+・・・+ann
で表現される。尚、ここで、aiは係数,xiは各パラメータが代入される変数,nは選択されたパラメータの数である。
【0124】
判別関数は、当該Zについて上記良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布を作成した際に両者を最も分離するようなZを与えるように上記係数が決定されることによって算出され、例えば、下記式(2)におけるの相関比η2を最大にする係数を決定して算出することができる。
【数2】
Figure 0003733094
尚、上記式でlは良カテゴリーあるいは否カテゴリーを識別する識別符号であり、nlはカテゴリー毎のサンプル数であり、上部に直線が付されたxは総平均である。
【0125】
すなわち、相関比η2が最大になると全平方和STと群間平方和SBの比が最大になる。この状態においては両カテゴリーの群間分散がなるべく大きく(各カテゴリーの平均がなるべく離れる)、各カテゴリーの分散がなるべく小さくなる。従って、判別関数に対する度数分布においては両カテゴリーが非常に良く分離する。尚、以上のような判別関数の算出は、現代数学社1983年5月1日初版発行、田中豊・脇本和昌著「多変量統計解析法」等に詳述されている。以上のような判別分析を行う手法としては、上記判別関数Zによる判別以外にも種々の手法を採用可能であり、マハラノビスの汎距離によって良否を判定する判別分析に本発明を適用しても良い。また、良カテゴリーと細分化された否カテゴリーとを同時に判別する多群の判別分析を利用しても良い。判別関数算出部460bが以上のようにして各係数aiを算出すると、当該係数およびパラメータを示すデータを判別関数データ446dとして記憶部446に保存する。
【0126】
統計指標算出部460cは、上記判別関数に対する良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布において閾値を算出する際に利用される統計指標を算出し、閾値決定部460dは当該統計指標を利用して閾値を決定する。すなわち、従来の判別分析においては閾値を画一的にZ=0(両カテゴリーの中間点)としていたが、本発明においては、この閾値決定の際に統計指標を参酌している。具体的な処理は図19に示すフローチャートに従う。
【0127】
同図において、ステップS400では上記判別関数データ446dを取得し、ステップS410では判別関数に対する各カテゴリーのヒストグラムを作成する。すなわち、上記パラメータ値データ446bと良否判定結果データ446cとを取得し、判別関数データ446dの変数として規定されたパラメータに各パラメータ値を代入してZの値を算出し、その良否に基づいて良否別に度数を計測してヒストグラムを作成する。このようにして作成されたヒストグラムは例えば図20のようになる。すなわち、各カテゴリー毎の分布は概略正規分布になり、両者の裾がオーバーラップする。尚、実際の基板検査においては否カテゴリーの分布数が同図より大幅に少ないことが多い。
【0128】
ステップS420では、上記図20のように作成されたヒストグラムにおいて各カテゴリー別に度数平均と標準偏差を算出する。同図において判別関数Z=0が両カテゴリーの度数平均の中心に位置しており、否カテゴリーの度数平均を”Ave”、良カテゴリーの度数平均を”−Ave”と示している。また、否カテゴリーの標準偏差をσn、良カテゴリーの標準偏差をσoとして示している。
【0129】
ステップS420にて度数平均および標準偏差を算出すると、ステップS430にて入力部420での流出率入力を受け付ける。すなわち、多変量統計解析装置400においては入力部420によって流出率を入力できるようになっており、この流出率に基づいて閾値を決定する。すなわち、流出率は良否判定対象が不良であるにもかかわらず良判定してしまうことによって、不良品が検出されることなく流出する確率であり、否カテゴリーの標準偏差σnによって算出することができる。
【0130】
標準偏差σnによれば正規分布において、変数が度数平均と標準偏差との間に含まれる確率あるいは変数が標準偏差より外側の裾部分に含まれる確率を容易に特定することができ、標準偏差を定数倍することによって、入力された流出率にすることができる。例えば、図20に示す4σnであれば否カテゴリーの度数分布のうち、全体の0.00031が流出することになる。尚、ステップS430においては、流出率自体の入力を受け付けても良いし、標準偏差に対して乗じる係数の入力を受け付けても良いし、図14に示すように予め保存された流出率データ446e(あるいは標準偏差データ)に基づいて流出率を特定しても良い。
【0131】
いずれにしても、ステップS430にて流出率を受け付けてその値を特定すると、ステップS440においては当該流出率を与えるような閾値Tを仮決定する。図20に示す例では、T=Ave−4σnにて閾値Tを仮決定している。本実施形態においては、流出率の管理に加えて見過ぎ率の管理をも実施しており、この意味でステップS440の閾値Tは仮決定された値である。見過ぎ率は良否判定対象が良品であるにもかかわらず不良判定がなされることによって、いわば過剰に閾値を厳しくしている状況(見過ぎ)が発生する確率であり、良カテゴリーの標準偏差σoによって算出することができる。
【0132】
本実施形態においては、ステップS450にて見過ぎ率データ446fを取得し、(T+Ave)/σoが9より大きいか否かを判別して、上記仮決定された閾値Tが良カテゴリーの度数平均からその標準偏差σoの9倍より遠いか否かを判別する。同ステップS450にて(T+Ave)/σoが9より大きいと判別されたときには上記仮決定された閾値Tが流出率と見過ぎ率との双方から十分な値であるとして、閾値Tを閾値データ446gとして記憶部446に保存する。ステップS450にて(T+Ave)/σoが9より大きいと判別されないときには、見過ぎ率が高いとしてパラメータの再決定を実施する。
【0133】
すなわち、良否判定対象の形状について良否を適正に判定できるパラメータが得られてなかったとしてパラメータ自体を再検討し、再決定する。この再決定を行うことによって、十分な流出率および見過ぎ率を確保できない状態で良否判定装置の運用を開始してしまうことを防止することができ、運用開始から高性能の判定を実施できるような装置を提供することができる。また、ノウハウの蓄積をしなくても高性能で装置の運用を開始することができる。尚、本実施形態では見過ぎ率データ446fを予め記憶部446に保存していたが、むろん、入力部420を介してこの見過ぎ率を特定するための値を入力させる構成等を採用可能である。
【0134】
以上のようにして閾値Tを決定すると、上記レーザー検査装置100において当該閾値Tを特定する閾値データ446gを取得することによって所望の流出率および見過ぎ率になるように良否判定を行うことができる。尚、上記例ではモード分類部460a〜閾値決定部460dの処理において、良カテゴリーと否カテゴリーとの2つのカテゴリーで良否判定を行っていたが、むろん、否カテゴリーをより細分化して「浮き」「はんだ少」等の原因別にカテゴリーを作成しても良い。この場合、原因別の良否判定を行うことが好ましく、判別関数算出部460b〜閾値決定部460dにおいて良カテゴリーと原因別の細分化カテゴリーとについて解析を行って閾値を決定する。
【0135】
(6)他の実施形態:
本発明においては、良カテゴリーあるいは否カテゴリーの少なくとも一方において特定の分布確率となる変数値を閾値にすることによって、流出率や見過ぎ率を所望の値に制御することができれば良く、種々の構成が採用可能である。むろん、上述の製品データや良否判定結果データ,流出率データ,見過ぎ率データ等を予め特定して保存しておくことにより、自動で閾値を決定し、また良否判定を実施する装置を提供することが可能である。
【0136】
さらに、各装置において種々の工夫を採用することができる。例えば、基板上には複数の実装部品が並設されるのが通常であり、ある実装部品の接点近傍に他の実装部品の接点が存在する場合、両接点間での対向反射に起因して形状データを正しく検出できない場合もある。図21はこの対向反射が発生する際の例を示している。実装部品132bと実装部品132cとは基板上に並べらており、その接点132b1,132c1とはんだ132b2,132c2とが互いに対向している。
【0137】
レーザー検査装置100において、はんだ132b2に対してレーザー光を照射し、当該はんだ132b2の上面中央でレーザー光が実装部品132c方向に反射した場合、はんだ132c2の上面でレーザー光がさらに反射して上方に向けて進行する場合がある。この上方に進行するレーザー光が上記受光ボックス110内の各センサのいずれかに達した場合には、対向反射が発生しないときと発生したときで形状データ146bが異なってしまう。
【0138】
本発明においてこの対向反射に対する対策を実施しても良い。例えば、対向反射が発生する接点と対向反射が発生しない接点とで異なる判定基準(異なるパラメータや異なる閾値)を採用することができる。本発明においては、上述のように運用開始前にある程度の数の良否判定結果データ246bを蓄積しておく必要があるが、上記図21に示すような対向反射が発生する部位や数は限られており、限られた部位や数について事前に多数の良否判定を行ってサンプルを取得したり、人為的にサンプルを作成したりするのは非効率的である。
【0139】
そこで、対向反射が発生しない箇所と同様の形状データ146bおよびパラメータを蓄積しつつも、対向反射発生個所と非発生個所とでは上記ステップS300〜S370でのパラメータ削除/選択基準を変更することによって結果として異なるパラメータによる異なる判定基準とすることができる。その手法のより具体的な例としては、対向反射によって影響を受けることが想定される上記コード値を多く使って生成されるパラメータについては上記ステップS350にて考慮する優先度を低くする例が挙げられる。また、当該パラメータ自体を削除しても良い。かかる処理により、対向反射の有無によって全く異なるパラメータを最初から作成するような作業が不要になり、簡単に異なる判定基準を作成することが可能になる。
【0140】
また、上記多変量統計解析においては、各カテゴリーの度数分布が正規分布に従うとして統計指標による閾値決定を行っている。従って、この度数分布と正規分布とが類似していないと統計指標が適切に算出されないおそれがあり、この対策をしても良い。例えば、正規分布と比較して度数分布に歪みや尖りが発生しているか否かを各変数について実際の度数と正規分布での値との相対値で表現し、相対値が所定値を超える場合に度数をlog変換等により変換して基準相対値以内に収まるようにする構成を採用可能である。
【0141】
さらに、上記実施形態においては多変量統計解析として判別分析を採用していたが、本発明においては、良カテゴリーと否カテゴリーとについての度数分布を分離させる変数とその統計指標とが取得できればよいので、判別分析が好ましいものの必須ではない。例えば、重回帰分析を利用することができる。すなわち、重回帰分析において上記各パラメータが代入される説明変数の線形結合によって、良判定あるいは否判定の結果を目的変数とした重回帰式を算出する。そして、重回帰式の目的変数のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムにおいて上記特定の分布確率となる変数値を算出し、閾値とすればよい。むろん、他の解析手法を採用することも可能である。
【0142】
さらに、上記実施形態においては、レーザー検査装置100に良否判定装置を適用して実装部品のはんだ形状から実装部品装着の良否を判定していたが、むろん良否判定対象はこれに限らず種々のものを採用可能である。例えば、形状データ146bを取得するための手段は上記照射レーザー光の反射光を検出するセンサに限られない。照射電磁波をX線に置換し、センサをX線ディテクタに置換すれば、同様の検査装置を提供することができ、同様の多変量解析によって高性能の良否判定装置を提供することができる。むろん、形状データを取得するために反射光の方向を検出することが必須になるわけではなく、透過光でも良いし、光の方向ではなく強度を検出しても良い。
【0143】
可視光や赤外線等を利用しても良いし、画像を撮像するとともに当該画像の画像データを種々の変換式にて複数のパラメータに変換して本発明にかかる多変量解析によって高性能の良否判定を行っても良い。撮像対象としては、実装部品に付された極性マークや人間の顔や道路の模様などパターン認識対象等を採用可能である。前者の例としては、ダイオードのように電気特性に方向性がある素子に付された極性マークが挙げられる。
【0144】
極性マークによれば実装部品の方向の良否を判定することができるので、上記撮像した画像データに基づいて、良方向のマークとの一致度や否方向のマークとの一致度をパラメータとし、各パラメータ値における良否判定結果を登録すれば、本発明による良否判定を実施することが可能になる。パターン認識等においても特定のパターンとの一致度や特定の形状,画像のエッジ位置等を表すパラメータを決定し、認識結果の良否とともに登録することによって本発明による良否判定を実施することが可能になる。
【0145】
上述の実施形態においては、良否判定対象についてレーザー光を照射するとともにその反射光を利用して形状データおよび複数のパラメータを作成していた。すなわち、良否判定対象について直接的に観測して得られるデータを利用して良否判定を行っていた。しかし、観測データによって間接的に推測可能な現象についての良否を判定する装置にすることも可能である。
【0146】
例えば、上述のように基板に対して複数の実装部品を実装する前のはんだ印刷の良否を判定する装置を形成することができ、この場合、部品実装前のはんだの印刷状態をレーザー光の照射およびその反射光の検出等によって計測し、この印刷状態のデータから上記複数のパラメータを算出する。良否判定結果としては部品実装の良否を採用するとともに上記各パラメータの組を対応づける。これらのパラメータおよび良否判定結果によって上記多変量統計解析を行えば、上記と同様にして閾値を特定することができ、当該閾値によって意図通りの流出率および見過ぎ率になるようにしつつ良否判定を行うことができる。
【0147】
以上説明したように、本発明においては良否判定要因となる複数のパラメータとその良否判定結果とを用いて判別関数を算出する。判別関数においては良カテゴリーと否カテゴリーとについてのヒストグラムを生成し、各カテゴリーにおける標準偏差に基づいて意図通りの流出率および見過ぎ率になるように閾値を決定する。この閾値に基づいて良否判定対象の良否を判定することによって、流出率や見過ぎ率を意図通りに制御することができ、ノウハウの蓄積によらないで高性能な良否判定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】良否判定装置を構成するシステムの概略ハードウェア構成を示す図である。
【図2】レーザー検査装置における概略フローチャートである。
【図3】レーザー検査装置の概略構成を示す図である。
【図4】センサの配置関係を示す図である。
【図5】生成されるコードを説明する説明図である。
【図6】良否判定プログラムの機能ブロック図である。
【図7】実装部品についての「良」状態と「不良」状態とを説明する説明図である。
【図8】パラメータの一例を説明する説明図である。
【図9】通信制御プログラムの機能ブロック図である。
【図10】製品データベースに蓄積される製品データの例を示す図である。
【図11】レーザーの照射対象位置を特定する様子を示す図である。
【図12】目視入力プログラムの機能ブロック図である。
【図13】基板平面のイメージ表示例を示す図である。
【図14】多変量解析プログラムの機能ブロック図である。
【図15】モード分類処理のフローチャートである。
【図16】ヒストグラムの例を示す図である。
【図17】判別関数算出処理のフローチャートである。
【図18】良カテゴリーの相関係数行列を示す図である。
【図19】閾値決定処理のフローチャートである。
【図20】ヒストグラムの例を示す図である。
【図21】対向反射が発生する際の例を示す図である。
【図22】基板に対して各種部品をはんだ付けする際の各種状態例を説明する説明図である。
【符号の説明】
100…レーザー検査装置
110…受光ボックス
112…トップセンサ
114…アップセンサ
116…サイドセンサ
118…ハーフミラー
120…アンプ
122…コード生成部
123…レンズ
124…ガルバノメータ
126…レーザー発振器
128…ガルバノメータ制御部
130…X−Yステージ
132…実装部品
132a…接点
132b…実装部品
133…はんだ
135…X−Yステージ制御部
142…表示部
146…記憶部
146a…ラベルデータ
146b…形状データ
160…良否判定プログラム
162…ラベル読取部
164…形状測定部
166…良否判定部
166a…パラメータ算出部
166b…閾値判定部
200…データ蓄積装置
246…記憶部
246a…製品データベース
246b…良否判定結果データ
260…通信制御プログラム
300…目視入力装置
310…表示部
320…入力部
346…記憶部
346a…ラベルデータ
360…目視入力プログラム
361…ラベル読取部
362…判定結果取得部
363…表示制御部
364…入力受付部
365…目視判定情報送信部
400…多変量統計解析装置
420…入力部
446…記憶部
446a…目視判定データ
446b…パラメータ値データ
446c…良否判定結果データ
446d…判別関数データ
446e…流出率データ
446f…見過ぎ率データ
446g…閾値データ
460…多変量解析プログラム
460a…モード分類部
460b…判別関数算出部
460c…統計指標算出部
460d…閾値決定部

Claims (12)

  1. 良否判定要因となる複数のパラメータ情報とその良否判定結果情報とから良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する判別関数算出手段と、
    上記良カテゴリーと否カテゴリーとの少なくとも一方について上記変数に対する度数平均とその分布の広がりを示す分布指標とを算出する統計指標算出手段と、
    上記少なくとも一方のカテゴリーにおいて特定の分布確率となる上記変数値を上記度数平均と分布指標とから算出して良否判定の閾値とする閾値決定手段と、
    良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得手段と、
    同パラメータ情報を上記判別関数に代入して得られる上記変数の値と上記閾値とを比較することによって良否判定を行う良否判定手段とを備えることを特徴とする良否判定装置。
  2. 上記統計指標算出手段は否カテゴリーの度数平均と標準偏差とを算出し、上記閾値決定手段は上記否カテゴリーの度数平均からその標準偏差の定数倍に該当する上記変数値を上記閾値とすることを特徴とする上記請求項1に記載の良否判定装置。
  3. 上記統計指標算出手段は良カテゴリーの度数平均と標準偏差とを算出し、上記閾値決定手段は上記否カテゴリーの度数平均と標準偏差とから決定した閾値が上記良カテゴリーの度数平均からその標準偏差の何倍に該当するかを判定することによって当該閾値における見過ぎの発生率を算出することを特徴とする上記請求項2に記載の良否判定装置。
  4. 上記複数のパラメータ情報は所定の検査装置にて予め複数の良否判定対象を検査した結果得られる所定の検査データを異なる複数の変換式によって異なる良否判定要因を示すパラメータに変換することによって得られるとともに所定の記憶媒体に記憶されており、上記パラメータ情報取得手段にて取得した良否判定対象についての複数のパラメータ情報および上記良否判定手段による良否判定結果は当該所定の記憶媒体に追加記憶されることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の良否判定装置。
  5. 上記良否判定対象について目視による良否判定結果を入力する手段を備え、当該目視による良否判定結果を示す上記良否判定結果情報と上記良否判定対象のパラメータ情報とを対応づけるとともに、上記良否判定手段による良否判定結果と上記目視による良否判定結果とが異なるときには目視による良否判定結果を正しい判定結果として上記所定の記憶媒体に追加記憶することを特徴とする上記請求項4に記載の良否判定装置。
  6. 上記良否判定対象について目視によって良否判定の原因およびその良否判定結果を入力する手段を備え、当該良否判定の原因別に上記良カテゴリーと否カテゴリーとの少なくとも一方についてカテゴリーを判定原因別に細分化して上記良否判定結果情報とし、上記判別関数算出手段は細分化した良カテゴリーと否カテゴリーの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出することを特徴とする上記請求項4または請求項5のいずれかに記載の良否判定装置。
  7. 上記判別関数算出手段は、上記複数のパラメータのいずれかを変数として有する判別関数を算出するに当たり、各パラメータ相互の相関係数を算出し相関係数が所定値以上になるパラメータの数を上記良カテゴリーと否カテゴリーとにて集計し、集計値が大きいパラメータを非使用パラメータにする処理を繰り返して多重共線性を除去することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の良否判定装置。
  8. 上記判別関数算出手段は、上記複数のパラメータのいずれかを変数として有する判別関数を算出するに当たり、各パラメータに対して予め与えられた優先度の低い順にパラメータを非使用パラメータにする処理を繰り返して多重共線性を除去することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の良否判定装置。
  9. 所定の電磁波で良否判定対象を照射する電磁波照射手段と、
    同電磁波の照射によって生ずる反射電磁波あるいは透過電磁波を検出する電磁波検出手段と、
    同電磁波検出手段にて検出した反射電磁波あるいは透過電磁波の検出値から電磁波データを生成する電磁波データ生成手段とを備え、
    上記判別関数算出手段とパラメータ情報取得手段とは上記電磁波データを異なる複数の変換式に代入することによって良否判定対象の形状に対応した値を算出して上記複数のパラメータ情報とすることを特徴とする上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の良否判定装置。
  10. 良否判定対象の位置情報を取得する位置情報取得手段と、複数の良否判定対象にて複数回反射した電磁波が上記電磁波検出手段にて検出され得る場合に、その良否判定対象の配置を上記位置情報から把握する配置分析手段とを備え、
    上記判別関数算出手段は、上記複数回反射した電磁波の寄与が大きい上記パラメータを非使用あるいは低優先度にすることを特徴とする上記請求項9に記載の良否判定装置。
  11. 良否判定要因となる複数のパラメータ情報とその良否判定結果情報とから良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する判別関数算出機能と、
    上記良カテゴリーと否カテゴリーとの少なくとも一方について上記変数に対する度数平均とその分布の広がりを示す分布指標とを算出する統計指標算出機能と、
    上記少なくとも一方のカテゴリーにおいて特定の分布確率となる上記変数値を上記度数平均と分布指標とから算出して良否判定の閾値とする閾値決定機能と、
    良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得機能と、
    同パラメータ情報を上記判別関数に代入して得られる上記変数の値と上記閾値とを比較することによって良否判定を行う良否判定機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする良否判定プログラム。
  12. 良否判定要因となる複数のパラメータ情報とその良否判定結果情報とから良カテゴリーと否カテゴリーとの度数分布を分離させる変数を与える判別関数を算出する判別関数算出工程と、
    上記良カテゴリーと否カテゴリーとの少なくとも一方について上記変数に対する度数平均とその分布の広がりを示す分布指標とを算出する統計指標算出工程と、
    上記少なくとも一方のカテゴリーにおいて特定の分布確率となる上記変数値を上記度数平均と分布指標とから算出して良否判定の閾値とする閾値決定工程と、
    良否判定対象について上記複数のパラメータ情報を取得するパラメータ情報取得工程と、
    同パラメータ情報を上記判別関数に代入して得られる上記変数の値と上記閾値とを比較することによって良否判定を行う良否判定工程とを具備することを特徴とする良否判定方法。
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