JP3733751B2 - イオン交換樹脂減容処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物として生じるイオン交換樹脂の減容処理装置に係わり、特に酸素含有雰囲気中の放電により生じる活性酸素を利用して灰化減容処理を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は、特願平9−37478号に出願されているμ波を利用したイオン交換樹脂減容処理装置の基本構成を模式的に示す断面図である。本装置では、放電容器51に備えたガス導入口55より酸素を供給し、反応容器52の排気配管57に組み込んだ減圧ポンプ56により排気して放電容器51と反応容器52の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、ソレノイドコイル59を励磁し、導波管58よりμ波を投入すると、放電容器51の内部の電子はサイクロトロン運動を行い、減圧下でも効果的にμ波放電が形成され、活性酸素が生成される。さらにソレノイドコイル59は反応容器52に向かって発散磁界を形成するので、荷電粒子は磁界の傾きによって放電容器51から反応容器52の方向へと向かう流れを形成し、これに伴って、活性酸素が反応容器52の処理皿54に搭載されたイオン交換樹脂53の方向へと導かれ、イオン交換樹脂53の活性酸素による酸化反応が生じて、灰化減容処理が進行することとなる。
【0003】
図10は、同じく特願平9−37478号に出願されている高周波誘導コイルを利用したイオン交換樹脂減容処理装置の基本構成を模式的に示す断面図である。本装置では、上記の装置と同様の操作により放電容器60と反応容器61の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波発生器69により高周波誘導コイル68に高周波電流を通電すると、放電容器60の内部に高周波磁界が発生し、電磁誘導によって放電が形成、維持され、活性酸素やイオンが生成する。このとき、放電と高周波誘導コイル68の高周波とは誘導的に結合し、放電内部に発生する旋回方向に交番する誘導電界が電子を加速するので、放電内部に高周波電力が供給される。したがって、効果的に電子の加熱が行われ、高密度の活性酸素やイオンが生成される。生成されたこれらの活性酸素やイオンは、ガス流や温度上昇による体積膨張によって開放端66から反応容器61の内部へと吹き出し、処理皿63に搭載されたイオン交換樹脂62へと達して作用し、効果的に灰化減容処理が進行することとなる。
【0004】
これらの装置は、いずれも、放電によって生成した活性種を直接被処理物のイオン交換樹脂へ作用させ、酸化させて灰化、減容するもので、すすの発生や処理材の損傷等の恐れがないのでメンテナンスが簡単であり、また、排出ガスが少なく、原子力設備からの廃棄物として生じるイオン交換樹脂を減容処理する場合にあっても、放射性核種の飛散が少ないという長所を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく従来の装置は優れた特性を備えており、特に原子力設備からの廃棄物のイオン交換樹脂の減容処理に有効である。しかしながら、これらの装置においても、なお以下のごとき問題点が残っている。
すなわち、これらの装置は、放電により生成した活性種を被処理物のイオン交換樹脂に接触させて反応させるものであり、反応はイオン交換樹脂の表面において進行することとなる。これに対して、これらの装置では、いずれも反応容器の内部に備えた処理皿に搭載したイオン交換樹脂に上方から活性種を吹き付ける方式を採っているため、活性種に接するイオン交換樹脂は上層面にあるものに限られ、下方に位置するイオン交換樹脂は上層のイオン交換樹脂に遮られて活性種と接触できず、減容処理反応の進行速度が極めて遅くなるという難点がある。
【0006】
本発明の目的は、イオン交換樹脂が放電により生成した活性種と効果的に接触し、早い処理速度で減容処理できるイオン交換樹脂の減容処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明においては、
被処理用のイオン交換樹脂を内蔵する円筒状の処理容器、処理容器に酸素または酸素を含むガスを導入するガス導入手段、処理容器を減圧状態に保持する減圧手段、ならびに処理容器の外側に配された高周波誘導コイルを備え、ガス導入手段と減圧手段により処理容器の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波誘導コイルの生じる高周波磁界の作用によって放電を発生させ、放電により生じた活性酸素を処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂に作用させて灰化し、減容処理するイオン交換樹脂減容処理装置において、
(1)上記の処理容器を、回転軸支持機構と回転運動伝達機構によって回転可能に組み込み、かつ回転軸気密機構によって回転状態においても減圧状態を保持できるよう組み込むこととする。
【0008】
(2)また、この処理容器の回転軸方向の一方の側端に上記のガス導入手段を、もう一方の側端に上記の減圧手段を組み込むこととする。
(3)さらに、上記の(1)あるいは(2)に加えて、処理容器の内面を、回転方向に対して凹凸を備えるものとする。
(4)さらに、上記の(1)〜(3)に加えて、処理容器の回転軸方向の端部に、貫通孔を有する導電性のシールド部材を備えることとする。
【0009】
(5)さらに、上記の(1)〜(4)に加えて、処理容器の外側に、処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂を加熱する輻射加熱手段を備えることとする。
(6)また、上記の(1)〜(5)に加えて、処理容器の回転軸方向の一方の側端にイオン交換樹脂の供給手段を配し、もう一方の側端に減容処理により生じた残さを排出する排出手段を備えることとする。
【0010】
(7)さらに、上記の(6)において、処理容器の内面に回転軸を中心軸とする螺旋状の溝を備えることとする。
既に述べたように、減圧酸素含有雰囲気にある処理容器の内部に、高周波誘導コイルの生じる高周波磁界を作用させて放電を発生させ、生じた活性酸素を処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂に作用させると、イオン交換樹脂は、活性酸素と直接接触する表面において酸化反応を生じて灰化し、減容される。しかしながら、酸化反応の進行は表面層にあるイオン交換樹脂に限られ、直接活性酸素に触れない部分では反応が進行しないので、反応の効率を上げるには、活性酸素に触れる表面積を増大することが必要となる。これに対して、上記の(1)のごとく、イオン交換樹脂を内蔵した処理容器を回転軸支持機構と回転運動伝達機構によって回転可能に組み込み、回転軸気密機構により回転状態においても減圧酸素含有雰囲気が保持できるよう構成して、回転させれば、内蔵されたイオン交換樹脂は、処理容器の内面との摩擦により回転方向へと引き上げられ、重力により落下するサイクルを繰り返して攪拌されるので、放電により生じた活性酸素と触れるイオン交換樹脂の表面積が大幅に増大することとなり、灰化、減容処理が急速に進行することとなる。
【0011】
さらに、上記の(2)のごとく、処理容器の一方の側端に上記のガス導入手段を、もう一方の側端に上記の減圧手段を組み込むこととすれば、処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂は、一端から他端まで全体にわたって活性酸素に直接接触するので、灰化、減容処理が急速に進行することとなる。
さらに、上記の(3)のごとく、処理容器の内面を回転方向に対して凹凸を備えたものとすれば、処理容器の内面と内蔵されたイオン交換樹脂との摩擦係数が増大し、処理容器の回転に伴ってイオン交換樹脂はより高く回転方向へと引き上げられるので、より効果的に攪拌され、活性酸素に触れる表面積が増大する。したがって、灰化、減容処理の速度は一層早くなる。
【0012】
また、上記の(4)のごとく、処理容器の回転軸方向の端部に、貫通孔を有する導電性のシールド部材を備えれば、放電により生じたプラズマが処理容器の端部から外部に漏れ出すのを抑制できる。したがって、処理容器の端部に組み込まれる回転軸気密機構のプラズマによる加熱が防止され、所要耐熱性能が低く抑えられるので、低コストの回転軸気密機構を適用できることとなる。
【0013】
さらに、上記の(5)のごとく、処理容器の外側に、処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂を加熱する輻射加熱手段を備えれば、イオン交換樹脂の温度を上昇させて活性酸素による酸化反応を行わせることができるので、反応速度が上昇し、より一層効果的に、灰化、減容処理が進行することとなる。
また上記の(6)のごとく、処理容器の一端にイオン交換樹脂の供給手段を配し、もう一方の側端に減容処理により生じた残さを排出する排出手段を備えることとすれば、イオン交換樹脂の灰化、減容処理を連続的に行うことができる。
【0014】
さらに、上記の(7)のごとく、処理容器の内面に回転軸を中心軸とする螺旋状の溝を備えることとすれば、螺旋状の溝へ導入されたイオン交換樹脂は、処理容器の回転とともに、内面との摩擦による上昇と重力による落下を繰り返して攪拌されながら、螺旋状の溝に沿って回転軸方向へと移動することとなる。すなわち、処理容器に導入されたイオン交換樹脂は処理容器を回転させると自動的に搬送されるので、イオン交換樹脂の灰化、減容処理を連続的に行う際に極めて効果的である。
【0015】
【発明の実施の形態】
<実施例1>
図1は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第1の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
図に見られるごとく、本実施例のイオン交換樹脂減容処理装置は、両端にくびれを備えた円筒状の処理容器1、ガス導入口3aを備え、内部に処理容器1へ導入するガスの流路を備えた円筒状の固定ガス導入ブロック3、処理容器1より排出されるガスを取り出す固定排気配管2、回転する処理容器1と固定排気配管2との間を内部を気密に保持して連結する回転軸気密機構4A、回転する処理容器1と固定ガス導入ブロック3との間を内部を気密に保持して連結する回転軸気密機構4B、固定排気配管2および回転軸気密機構4Aを介して回転する処理容器1の一端を支持する回転軸支持機構6A、固定ガス導入ブロック3および回転軸気密機構4Bを介して回転する処理容器1の他端を支持する回転軸支持機構6B、回転軸気密機構4Bの外側円筒に連結され、処理容器1を回転させる機能を果たす回転運動伝達機構5、ならびに処理容器1の外側に配された高周波誘導コイル10とこれを支持するコイル支持機構9により構成されている。
【0016】
このうち、処理容器1は、高周波を通し活性酸素に耐性を有する電気絶縁材料である石英ガラスにより形成されており、その両端は、それぞれ接続ピース8A,8Bを介して回転軸気密機構4A,4Bの外側円筒に連結されている。回転軸気密機構4A,4Bはいずれも磁気流体式で、内側円筒と外側円筒との間に軸受とともに磁気流体を介在させて回転時も気密に保持する方式のものである。また、回転軸気密機構4Bの外側円筒に連結された回転運動伝達機構5は、図示しない回転駆動源からの回転力をプーリ―とベルトを用いて伝達するもので、この回転運動伝達機構5によって、処理容器1とその両端に連結された接続ピース8A,8Bならびに回転軸気密機構4A,4Bの外側円筒が回転することとなる。
【0017】
本装置において、処理容器1の内部に被処理用のイオン交換樹脂20を挿入して本図のごとく組み立てたのち、回転運動伝達機構5により処理容器1を回転させ、ガス導入口3aより酸素を含むガスを導入し、固定排気配管2に接続した減圧ポンプ7により吸引して処理容器1の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波発生器11により高周波コイル10に高周波電流を通電すると、高周波コイル10の電圧や高周波磁界による電磁誘導作用による電界で、処理容器1の内部に放電が形成、維持され、活性酸素やイオンを生成する。生成された活性酸素は、処理容器1に内蔵されたイオン交換樹脂20に作用して酸化し、灰化、減容処理する。本構成では、処理容器1の回転とともに内蔵されたイオン交換樹脂20が攪拌されるので、従来の装置に比べて活性酸素に接触する表面積が極めて大きくなり、生成された活性酸素の利用効率が高くなるので、短い時間で灰化、減容処理ができる。また、このため、処理のエネルギー効率が大幅に改善されることとなる。
【0018】
<実施例2>
図2は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第2の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
本実施例の構成の実施例1の構成との相違点は、処理容器1の内壁に、回転軸方向と平行に延びる複数の攪拌用フィン12が備えられている点にある。したがって、本実施例の処理容器1の内面は、回転方向に対して凹凸を有することとなり、処理容器1を回転させると、内蔵された図示しないイオン交換樹脂は、攪拌用フィン12によって高い位置まで引き上げられ、そののち重力により落下するサイクルを繰り返すこととなるので、処理容器1の内部で効果的に攪拌されることとなる。したがって、処理容器1の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、放電を形成、維持して活性酸素を生成し、生成された活性酸素をイオン交換樹脂に作用させて酸化させる際に、活性酸素に直接接触するイオン交換樹脂の表面積が飛躍的に増大するので、酸化反応が急速に進行し、短時間で灰化、減容処理を行うことができる
なお、本実施例では、回転軸方向と平行に延びる複数の攪拌用フィン12を備えることにより、処理容器1の内面を回転方向に対して凹凸を有するものとしているが、処理容器1の厚みを変化させて、内面に凹凸を備えるものとしても同様の効果が得られ、また、攪拌用フィンの場合も、回転軸方向と平行に配するものに限らず、回転方向に対して角度を備えて延伸するものであればよい。
【0019】
<実施例3>
図3は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第3の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
本実施例の構成の実施例1の構成との相違点は、処理容器1の回転軸方向の両端部に、貫通孔を有する導電性のシールド部材としてシールド板13A,13Bが備えられている点にある。図1に示した実施例1の構成では、放電によって生成されたプラズマが処理容器1の内部から回転軸気密機構4A,4Bの内部まで拡散し、高周波電流の大きさ如何によっては、回転軸気密機構4A,4Bに発生する高周波電界によってこの部分にプラズマが発生し、回転軸気密機構4A,4Bが加熱される可能性があるが、本実施例のごとく導電性のシールド板13A,13Bを備えれば、電界やプラズマ流の侵入が抑制されるので、回転軸気密機構4A,4Bの所要耐熱性能は低くてよく、低コストの回転軸気密機構を用いることができる。また、シールド板13A,13Bには貫通孔が備えられているので、実施例1あるいは2と同様に、ガス導入口3aより導入された酸素を含むガスは滞ることなく処理容器1の内部へと導かれ、固定排気配管に接続された減圧ポンプによって減圧状態に維持される。
【0020】
<実施例4>
図4は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第4の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
本実施例の構成の特徴は、実施例3のごとく構成したイオン交換樹脂減容処理装置に、さらに、処理容器1に内蔵されたイオン交換樹脂20を加熱する輻射加熱手段としての加熱ランプ14を備えた点にある。本構成のごとく加熱ランプ14を備えてイオン交換樹脂20を加熱すれば、含水したイオン交換樹脂20の乾燥時間が短縮されるとともに、温度が高いほど活性酸素によるイオン交換樹脂20の酸化反応の反応速度が上昇するので、短時間でイオン交換樹脂20の灰化、減容処理が行えることとなる。さらに、酸素の導入量と高周波電流を増加させ、活性酸素やイオンの供給量を十分に維持して運転すれば、加熱ランプ14でイオン交換樹脂20の温度を上げ、積極的に分解揮発させ、気相で酸化分解させることが可能となるので、処理速度が早く、かつ炭化水素排ガスの少ない安全な処理装置となる。
【0021】
<実施例5>
図5は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第5の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
本構成の特徴は、第一に、回転可能に組み込まれた処理容器1Aの内面に、螺旋状の突起41で区画された螺旋溝40が形成されていること、第二に、処理容器1Aの一方の端部に回転軸気密機構4Cを介して取り付けられた回転軸支持機構6Cに、投入口21、切出弁22、供給室23、投入弁24ならびに搬送機構室25を備えたイオン交換樹脂の供給手段が連結されていること、第三に、処理容器1Aのもう一方の端部に、回転軸気密機構4Dを介して、冷却室31、仕切弁32、回収準備室33、回収弁34、回収室35を備えた生成残さの排出手段が連結されていることにある。
【0022】
本構成においては、ベルトコンベアあるいはホッパー等によってイオン交換樹脂が投入口21に搬送装入される。投入口21の下部には、供給室23を大気から遮断して気密に保持するための切出弁22が設けられており、装入されたイオン交換樹脂はこの切出弁22によって支持、閉止される。供給室23には、真空排気装置に連結された図示しない真空排気用配管と、遮断弁を介してガス供給手段に連結された図示しない大気圧復帰用配管が接続されている。また、供給室23の下部には、搬送機構室25を大気から遮断して気密に保持するための投入弁24が設けられており、切出弁22を通って供給室23へと送られたイオン交換樹脂はこの投入弁24によって支持、閉止される。搬送機構室25には図示しないガス供給用の配管が接続されており、遮断弁を介して前記のガス供給手段に連結されている。また、搬送機構室25には、イオン交換樹脂を搬送機構室25から処理容器1Aの所定位置へと移送する移送手段25aが付設されている。
【0023】
搬送機構室25が連結された回転軸支持機構6Cには、排気口6aが備えられており、図示しない真空排気手段により処理容器1A内の処理ガスを均等に排気することができる。処理容器1Aは、接続ピース8Cおよび磁性流体式の回転軸気密機構4Cを介して回転軸支持機構6Cに取り付けられており、回転運動伝達機構5Aを用いることにより回転運動される。なお、本図では簡略化して表示しているが、回転軸気密機構4Cおよび回転運動伝達機構5Aの構成は図1の構成と基本的に同一である。
【0024】
円筒型の処理容器1Aの内面には螺旋溝40が形成されている。移送手段25aによって搬送機構室25から処理容器1Aの内部へと移送されたイオン交換樹脂は、処理容器1Aの回転とともに螺旋状の突起41で区画された螺旋溝40に沿って移動する。すなわち、図のごとく右ネジ状の螺旋溝40の場合には搬送機構室25の側から見て反時計回りの方向に処理容器1Aを回転させることによって、導入したイオン交換樹脂を搬送機構室25の側から冷却室31の側へと移送することができる。
【0025】
冷却室31は、処理容器1Aに回転軸気密機構4Dと接続ピース8Dとを介して連結されており、処理容器1Aを回転可能に保持している。また、冷却室31には処理ガスを導入するためのガス導入口31aが備えられている。ガス導入口31aは遮断弁を介して図示しないガス供給手段へと連結されている。ガス導入口31aから導入された処理ガスは、冷却室31から処理容器1Aへと入り、処理容器1Aを通流したのち、回転軸支持機構6Cに備えられた排気口6aより取り出され真空排気手段により排気される。
【0026】
冷却室31の下部には、冷却室31と隣接する回収準備室33との間の気密を保持し、処理容器1Aで減容処理されたイオン交換樹脂の残さを冷却室31に貯留するための開閉可能な仕切弁32が設けられている。回収準備室33には、真空排気装置に連結された図示しない真空排気用配管と、遮断弁を介してガス供給手段に連結された図示しない大気圧復帰用配管が接続されている。回収準備室33の下部には、回収準備室33と回収室35の間の気密を保持し、かつ回収準備室33に落下したイオン交換樹脂の残さを貯留するための開閉可能な回収弁34が設けられている。回収室35には容器36が配されており、回収準備室33より落下したイオン交換樹脂の残さが収納される。また容器36の収納量が所定値に達すると、図示しない密閉手段により容器36は密閉処理される。また、回収室35には真空排気装置に連結された図示しない真空排気用配管と、遮断弁を介してガス供給手段に連結された図示しない雰囲気ガス置換用配管が接続されている。さらに、回収室35には取出弁37が付設されており、この取出弁37を開閉することにより、イオン交換樹脂の残さが容器36に密閉されて取出されることとなる。
【0027】
本構成のイオン交換樹脂減容処理装置の運転操作は次のごとく行われる。
まず、回収室35に容器36を蓋を開けて配置し、切出弁22、投入弁24、仕切弁32、回収弁34、ならびに各室に連結した配管の遮断弁を閉じ、次いで、排気口6aを介して処理容器1A内を真空に排気する。次に、ガス導入口31aより酸素を含む処理ガスを導入して、処理容器1A内の圧力を所定の処理圧力に設定する。同時に、搬送機構室25への酸素、活性酸素、イオン等の混入を防止するために、付設のガス供給用の配管を通して搬送機構室25に不活性ガスを導入し、処理容器1A内の圧力より搬送機構室25の圧力が高くなるよう調整する。次に、高周波発生器11により高周波誘導コイル10に高周波電流を通電して処理容器1A内に放電を形成、維持させ、活性酸素やイオンを生成する。
【0028】
次に、切出弁22を開いて所定の処理量のイオン交換樹脂を投入口21から供給室23へと落下させ、その後切出弁22を閉じる。次いで、付設の配管系を用いて供給室23を真空に排気し、その後不活性ガスを導入して、供給室23の圧力が搬送機構室25の圧力と等しくなるよう調整する。次いで、投入弁24を開いてイオン交換樹脂を搬送機構室25に投入し、その後投入弁24を閉じる。なお、このとき、供給室23は、一度真空に排気したのち不活性ガスを導入して大気圧とし、切出弁22を開けて所定量のイオン交換樹脂を投入口21から供給室23へと落下させ、次段階の処理に供する。
【0029】
次いで、処理容器1Aを回転状態へと移行させたのち、移送手段25aによって搬送機構室25内のイオン交換樹脂を処理容器1A内の螺旋溝40へと移送する。イオン交換樹脂は処理容器1Aの回転によって上下なく攪拌され、放電により形成された活性酸素やイオンに接触する表面積が増加し、効率的に減容処理される。また、イオン交換樹脂およびその減容処理により生じた残さは、処理容器1Aの回転にともなって、螺旋溝40内を冷却室31の方向へと自動的に移送される。
【0030】
減容処理されたイオン交換樹脂の残さは、回転によって自動的に移送されたのち、処理容器1Aより冷却室31の内部へと落下する。残さが所定量に達すると仕切弁32を開き、真空排気と不活性ガス導入により冷却室31と等しい圧力に予め調整された回収準備室33へと落下させる。回収準備室33へ所定量のイオン交換樹脂の残さが堆積すると、仕切弁32を閉じ、配管系の遮断弁を開けて大気圧へと戻す。次いで、回収弁34を開き、回収準備室33に堆積したイオン交換樹脂の残さを回収室35の容器36内へと落下させる。これらの操作を繰り返して容器36内へ堆積したイオン交換樹脂の残さが所定量に達すると、取出弁37を開けて容器36を外部へと取出し、新たに空の容器36を取り付けて次段階の減容処理に対処する。
【0031】
このように、本構成のイオン交換樹脂減容処理装置では、導入されたイオン交換樹脂が攪拌されることにより活性酸素やイオンに接触する表面積が増加し、効率的に減容処理されるばかりでなく、処理容器1A内に導入されたイオン交換樹脂が自動的に移送されるので、連続的な減容処理が可能となる。
<実施例6>
図6は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第6の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
【0032】
本実施例の構成の第5の実施例との相違点は、処理容器1Aの内面に設けられた螺旋溝の中に、処理容器1Aの回転軸と平行に延伸する処理容器1Aと同一材料よりなる複数の攪拌用フィン12Aが備えられている点にある。移送手段25aによって搬送機構室25から処理容器1A内の螺旋溝へと移送されたイオン交換樹脂は、処理容器1Aの回転に伴って、攪拌用フィン12Aによって高い位置まで持ち上げられたのち落下することとなるので、より効果的に攪拌されることとなり、活性酸素やイオンに曝される表面積が大きくなって、減容処理がより促進されることとなる。
【0033】
なお、本実施例では、回転軸方向と平行に延びる複数の攪拌用フィン12Aを備えることとしているが、既に第2の実施例で述べたごとく、処理容器1Aの厚みを変化させて、内面に凹凸を備えるものとしても同様の効果が得られ、また、攪拌用フィンの場合も、回転方向に対して角度を備えて延伸するものであればよい。
【0034】
<実施例7>
図7は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第7の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。
本実施例の構成の第5の実施例との相違点は、処理容器1Aの回転軸支持機構6C側の端部に、貫通孔を有する導電性のシールド部材としてアルミニウム製のシールド板13Cが備えられている点にある。したがって、第3の実施例の場合と同様に、回転軸気密機構4Cへの高周波電界やプラズマ流の侵入が抑制され、加熱量が低減されるので信頼性の高い装置が得られる。また、このため回転軸気密機構4Cの所要耐熱性能は低くてよく、低コストの回転軸気密機構を用いることができる。
【0035】
なお、本構成では小孔を多数開けたアルミニウム製のシールド板13Cを用いているが、細線を組み合わせたメッシュや、ハンチング加工の板を使用しても同等の効果が得られる。
<参考例>図8は、本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の参考例の基本構成を模式的に示す断面図である。
【0036】
本参考例の構成の第5の実施例との相違点は、処理容器1Bに導入されたイオン交換樹脂を加熱するための加熱ランプ14Aが、処理容器1Bの外周の高周波誘導コイル10の前段に配されている点にある。活性酸素による酸化反応は、温度が高いほど反応速度が速くなるので、本構成のごとく、導入したイオン交換樹脂を予め加熱して乾燥し、温度を高くして灰化、減容処理することとすれば、処理速度の早い装置が得られる。さらに、温度を上げてイオン交換樹脂を積極的に分解、揮発させることとすれば、酸素ガス量や高周波電流を増加させて活性酸素やイオンの供給量を十分に維持することによって、イオン交換樹脂を気相で酸化分解することが可能となり、処理速度が速く、炭化水素の排ガスが少ない安全な処理装置が得られることとなる。
【0037】
上述のごとく、本発明によれば、
(1)イオン交換樹脂減容処理装置を請求項1に記載のごとく構成することとしたので、処理容器の回転により内蔵されたイオン交換樹脂が攪拌され、放電により生成した活性酸素と効果的に接触することとなったので、早い処理速度で減容処理できるイオン交換樹脂の減容処理装置が得られる。(2)さらに請求項1のごとく構成したので、処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂は、一端から他端まで全体にわたって活性酸素に直接接触して灰化、減容処理されるので、処理速度の速い装置が得られる。
(3)請求項2に記載のように構成すれば、処理容器に内臓されたイオン交換樹脂がより効果的に攪拌され、処理速度の速い装置として好適である。
(4)請求項3に記載のように構成すれば、放電により生成したプラズマ流の侵入や、高周波磁界の侵入により生じるプラズマによる回転軸気密機構の加熱が抑制され、低コストの回転軸気密機構が適用可能となり装置のコストダウンとともに、信頼性の高い装置が得られる。
(5)請求項4に記載のように構成すれば、含水したイオン交換樹脂の乾燥時間が短縮され、処理速度もさらに上昇するので、処理速度の速い装置として好適である。
(6)請求項5に記載のように構成すれば、イオン交換樹脂の灰化、減容処理を連続的に行うことができるので、処理速度の速い装置として好適である。
(7)請求項6に記載のように構成すれば、イオン交換樹脂は、処理容器の回転とともに螺旋状の溝に沿って回転軸方向に自動的に搬送されるので、イオン交換樹脂の灰化、減容処理を連続的に行う上で、特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第1の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図2】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第2の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図3】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第3の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図4】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第4の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図5】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第5の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図6】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第6の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図7】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の第7の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図8】本発明のイオン交換樹脂減容処理装置の参考例の基本構成を模式的に示す断面図
【図9】μ波を利用したイオン交換樹脂減容処理装置の基本構成を模式的に示す断面図
【図10】高周波誘導コイルを利用したイオン交換樹脂減容処理装置の基本構成を模式的に示す断面図
【符号の説明】
1 処理容器
1A,1B 処理容器
2 固定排気配管
3 固定ガス導入ブロック
3a ガス導入口
4A,4B 回転軸気密機構
4C,4D 回転軸気密機構
5,5A 回転運動伝達機構
6A,6B,6C 回転軸支持機構
7 減圧ポンプ
8A,8B 接続ピース
8C,8D 接続ピース
9 コイル支持機構
10 高周波誘導コイル
11 高周波発生器
12,12A 攪拌用フィン
13A,13B,13C シールド板
14,14A 加熱ランプ
20 イオン交換樹脂
21 投入口
23 供給室
25 搬送機構室
25a 移送手段
31 冷却室
31a ガス導入口
33 回収準備室
35 回収室
36 容器
Claims (6)
- 被処理用のイオン交換樹脂を内蔵する円筒状の処理容器、処理容器に酸素または酸素を含むガスを導入するガス導入手段、処理容器を減圧状態に保持する減圧手段、ならびに処理容器の外側に配された高周波誘導コイルを備え、ガス導入手段と減圧手段により処理容器の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波誘導コイルの生じる高周波磁界の作用によって放電を処理容器全体に発生させ、放電により生じた活性酸素を処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂に作用させて灰化し、減容処理するイオン交換樹脂減容処理装置において、
前記処理容器が、回転軸支持機構と回転運動伝達機構によって回転可能に組み込まれ、かつ回転軸気密機構によって減圧状態を保持できるように組み込まれているとともに、
前記ガス導入手段が、処理容器の回転軸方向の一方の側端に配され、前記減圧手段が、処理用息の回転軸方向のもう一方の側端に配されていることを特徴とするイオン交換樹脂減容処理装置。 - 前記処理容器が、回転方向に対して凹凸を有する内面を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のイオン交換樹脂減容処理装置。
- 前記処理容器の回転軸方向の端部に、貫通孔を有するシールド部材が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン交換樹脂減容処理装置。
- 前記処理容器の外側に、処理容器に内蔵されたイオン交換樹脂を加熱する輻射加熱手段が備えられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のイオン交換樹脂減容処理装置。
- 処理容器にイオン交換樹脂を供給する供給手段が、処理容器の回転軸方向の一方の側端に配され、処理容器での減容処理により生じた残さを排出する排出手段が、処理容器の回転軸方向のもう一方の側端に配されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のイオン交換樹脂減容処理装置。
- 前記処理容器が、回転軸を中心軸として螺旋状に形成された螺旋溝を内面に備えてなることを特徴とする請求項5に記載のイオン交換樹脂減容処理装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP20144998A JP3733751B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-07-16 | イオン交換樹脂減容処理装置 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10-49621 | 1998-03-02 | ||
| JP4962198 | 1998-03-02 | ||
| JP20144998A JP3733751B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-07-16 | イオン交換樹脂減容処理装置 |
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| JPH11314080A JPH11314080A (ja) | 1999-11-16 |
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Family Applications (1)
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-
1998
- 1998-07-16 JP JP20144998A patent/JP3733751B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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|---|---|
| JPH11314080A (ja) | 1999-11-16 |
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