JP3734145B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池に関し、詳しくは、サイクル特性、保存特性等の電池の性能に優れたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や携帯ビデオカメラ等の電気機器、等の電源として、高い重量エネルギー密度を持つことから、リチウム二次電池の搭載が主流となりつつある。さらに、このリチウム二次電池は、自動車のクリーンなエネルギー源としての利用が検討されている。この自動車用電池においては、高エネルギー密度、高出力密度であることはもちろん、その耐用年数から、サイクル特性や、保存特性等の寿命特性に優れていることが求められている。
【0003】
リチウム二次電池は、一般的には、リチウムを含む正極活物質をもち、かつ充電時にはリチウムをリチウムイオンとして放出し、放電時にはリチウムイオンを吸蔵することができる正極と、負極活物質をもち、充電時にはリチウムイオンを吸蔵し放電時にはリチウムイオンを放出することができる負極と、有機溶媒にリチウムが含まれる電解質が溶解された電解液と、から構成される。
【0004】
リチウム二次電池に用いられる正極活物質としては、LixCoO2、LixNiO2、LixMn2O4、LixFeO2、V2O5、Cr2O5、MnO2、TiS2、MoS2などの遷移金属酸化物およびカルコゲン酸化物等の化合物が提案されている。
【0005】
これらの化合物のうち、特にLixCoO2やLixNiO2、LixMn2O4が4V級と高い容量を有することから、非水電解質リチウム二次電池用正極活物質として有望であることが知られている。これらのLi化合物の中でも、安価で安定した供給が可能であり、かつ理論容量も大きなLixNiO2がリチウム二次電池の正極活物質として期待されている。ここで、Coは稀少、高価であり、安定的な供給が難しいとともに、製造される電池のコストが過大になるためである。このときLixNiO2は、添加元素Mが添加されたLixNi1-yMyO2で示される化合物であってもよい。
【0006】
また、リチウム二次電池の負極活物質には、リチウムをインターカレートまたはドーピング可能な材質である炭素材料が用いられている。このような特性を有する物質としては、難黒鉛化性炭素や、易黒鉛化性炭素および黒鉛をあげることができる。ここで、難黒鉛化性炭素とは、ガラス状炭素に代表される非晶質構造に近い構造をもつ炭素質材料であり、易黒鉛化性炭素とは、熱処理温度によって炭素の構造を容易に変えられる炭素質材料を示す。
【0007】
ここで、難黒鉛化性炭素は、黒鉛インターカレーション化合物(LiC6)の理論容量を超える高容量かつ高エネルギー密度が得られる物質であるものの、黒鉛や易黒鉛化性炭素に比べて、不可逆容量が大きいため、電池への適用には、大きな欠点を有していた。すなわち、不可逆容量が大きいと、二次電池として用いたときに、充放電特性が低下するためである。
【0008】
一方、黒鉛や易黒鉛化性炭素よりなる負極活物質は、不可逆容量は小さいが、サイクル特性が低下するという問題があった。すなわち、結晶性が高くなるほど、電解液と反応しやすくなり、電解液が分解されることより充放電効率の低下が生じるためである。
【0009】
このような問題を解決する負極活物質として、特許第2643035号、特開平4−370662号、特開平5−190209号には、黒鉛や易黒鉛化性炭素の表層を乱層構造な炭素とすることで、電解液の分解による充放電効率の低下を抑制することが開示されている。
【0010】
詳しくは、特許第2643035号には、核となる炭素材料の表面に非晶質炭素層を形成してなる炭層材料を活物質としてなる非水系二次電池用炭素負極が開示されている。
【0011】
また、特開平4−370662号には、真密度が1.8g/cm3以上かつラマンスペクトルのピーク強度比が0.4以上である炭素質物が示されている。
【0012】
さらに、特開平5−190209号は、電解液の溶媒に対して不透過性であるがリチウムを拡散させ得る炭素質材料よりなる薄層を有する炭素質材料が示されている。
【0013】
しかしながら、これらの提案は、負極活物質のみに言及されたものである。また、特許第2643035号、特開平5−190209号で言及されている負極活物質の多層構造の炭素材料は、表層の乱層構造の炭素を薄くするためのものであり、リチウム二次電池の内部抵抗が増加するという問題を有していた。一方、特開平4−370662号で言及されている負極活物質は、乱層構造の炭素を厚くする技術に関するものであり、保存特性が低下するという問題を有していた。
【0014】
すなわち、正極活物質にLiNiO2系化合物を用いたリチウム二次電池においては、充放電時の正極の使用電位範囲が広いほど、高温充放電サイクル試験後の抵抗が著しく増加することがわかった。すなわち、LiNiO2系化合物は、充放電時の電位変化による結晶変化(六方晶α→単斜晶β→六方晶γ)が大きく、さらに充放電サイクル等により結晶変化が繰り返されることで結晶構造の歪みや破壊、あるいは充放電を阻害する(内部抵抗が上昇する)不純物層の生成が生じるためと考えられる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、サイクル特性や保存特性に優れたリチウム二次電池を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者等は、正極活物質にLiNiO2系化合物を用いたときに充放電時の正極の使用電位範囲が広いほど、充放電サイクル試験後の抵抗が著しく上昇することに着目し、正極の使用電位範囲を狭くすることで上記課題を解決できることを見出した。詳しくは、正極の使用電位範囲を狭くする方法として、負極活物質を乱層構造の炭素材料または乱層構造の炭素材料と結晶性の高い炭素材料との混合物とすると、放電時の負極の使用電位範囲が高電位側まで使用されるようになることを利用し、相対的な正極の使用電位範囲を低下させることで上記課題を解決した。
【0017】
すなわち、本発明のリチウム二次電池は、式LixNi1-yMyO2(MはCo、Mn、Al、B、Ti、Mg、およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0<x≦1.2、0<y≦0.25)で表されるLiNiO2系化合物を有する正極活物質と、結晶構造を有する黒鉛材料よりなる核と、核の表面に形成された乱層構造の炭素質材料よりなる表層部と、からなる負極活物質と、を有するリチウム二次電池において、負極活物質は、X線粉末解析測定における平均面間隔d(002)が0.340nm以下であり、かつアルゴンレーザーラマンスペクトルによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比であるR値が0.30〜0.55であり、LiNiO 2 系化合物は、X線粉末解析測定結果における(006)面、(102)面および(101)面のピーク強度比(I 006 +I 102 )/I 101 が、0.37〜0.42であり、負極活物質は、Lcが81〜110nmであり、かつLaが146〜218nmであることを特徴とする。
【0018】
本発明のリチウム二次電池は、負極活物質の核の黒鉛材料の結晶性を高めるとともに表層部の乱層構造の炭素質材料の結晶構造の乱れを大きくすることで、正極の使用電位範囲を狭くし、内部抵抗の増加が抑えられ、電池の寿命特性を向上させている。このため、本発明のリチウム二次電池は、大電流が必要とされる電気自動車等の電源として特に有用である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質と、負極活物質とを有する。
【0020】
正極活物質は、式LixNi1-yMyO2(MはCo、Mn、Al、B、Ti、Mg、およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0<x≦1.2、0<y≦0.25)で表されるLiNiO2系化合物を有する。これらのLiNiO2系化合物は、正極活物質としての理論容量も大きく、高い電池特性を有するリチウム二次電池を得ることができる。ここで、正極活物質を構成する式Li x Ni 1-y M y O 2 で表されるLiNiO 2 系化合物において、Mは、CoおよびAlであることが好ましい。
【0021】
負極活物質は、結晶構造を有する黒鉛材料よりなる核と、核の表面に形成された乱層構造の炭素質材料よりなる表層部と、からなる。すなわち、結晶構造を有する核と、乱層構造を有する表層部と、からなることでリチウム二次電池の電池特性の低下を抑えることができる。
【0022】
詳しくは、結晶構造を有する黒鉛材料をリチウム二次電池に用いると、電解液の分解によるものと思われる充電効率の低下、炭素材料の破壊が生じるが、表面に乱層構造の炭素質材料層を形成することで、これらの現象の発生が抑えられる。この結果、リチウム二次電池の保存特性、サイクル特性などの電池性能の低下が抑えられる。
【0023】
結晶構造を有する黒鉛材料とは、結晶性の高い黒鉛材料を示す。結晶性の高い黒鉛材料は、真密度が高いことから体積容量比を大きくできることや、低い充放電電位で平坦性がよいという効果を示す。このような負極性能を示すことで、負極活物質として用いたリチウム二次電池のエネルギー密度を向上させる。このような黒鉛材料としては、たとえば、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛をあげることができる。
【0024】
乱層構造の炭素質材料とは、結晶子のサイズが小さく、かつ結晶子がランダムに配向している炭素質材料を示す。この乱層構造の黒鉛材料としては、たとえば、アモルファス状態の炭素をあげることができる。
【0025】
負極活物質は、X線粉末解析測定における平均面間隔d002が0.340nm以下である。ここで、X線粉末解析測定により核の結晶性が測定される。ここで、平均面間隔d002が0.34nm以下となることで、核の結晶性が十分に高くなる。また、平均面間隔d002が0.340nmを超えると、核の結晶性が低くなり、不可逆性が大きくなる。負極活物質は、平均面間隔d002が0.3357nm以下であることがより好ましい。
【0026】
負極活物質は、アルゴンレーザーラマンスペクトルによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比であるR値が0.30〜0.55である。ここで、アルゴンレーザーラマンスペクトルによる1580cm-1のピークは高結晶性の黒鉛材料を示し、1360cm-1のピークは表層部の乱層構造のピークを示す。このことから、ピーク強度比が大きいほど、乱層構造の黒鉛が多く存在することを示す。また、R値の1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比とは、(1360cm-1のピーク強度)/(1580cm-1のピーク強度)で示される値を示す。
【0027】
ここで、R値が0.30未満では内部抵抗が大きくなりサイクル特性が低下し、0.55を超えると内部抵抗の増加は抑制されるが保存特性が低下した。このことは、R値が小さい、すなわち、表層部の乱層構造の炭素の割合が低下すると、核の結晶構造を有する炭素により充電効率の低下が発生するようになる。また、R値が0.55を超えると保存特性が低下したが、このことは、満充電に近い状態での乱層構造の炭素中のLiの状態が、結晶構造の黒鉛材料におけるそれと比べて不安定であると考えられる。
【0028】
LiNiO2系化合物は、X線粉末解析測定結果における(006)面、(102)面および(101)面のピーク強度比(I006+I102)/I101が、0.37〜0.42であることが好ましい。すなわち、LiNiO2系化合物の結晶性を制御することで、リチウム二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
【0029】
すなわち、LiNiO2系化合物のX線粉末解析測定結果によるピーク強度比が0.42を超えると、リチウム二次電池の内部抵抗が増大するようになる。このことは、初期におけるLiNiO2系化合物の結晶欠陥がリチウムイオンの拡散を阻害する抵抗となることや、充放電サイクルにともなう不純物層の生成や、LiNiO2系化合物自身の充放電による歪みの増加等によると考えられる。
【0030】
また、ピーク強度比が0.36以下では、結晶欠陥が少なくなることでリチウムイオンの拡散の阻害は小さくなるが、内部抵抗が増加した。このことは、原因は明らかではないが、少量の結晶欠陥がLiNiO2系化合物の歪みに対してピン止め効果のような働きを示すことでLiNiO2系化合物の結晶構造の変化を抑制しているためと推測される。
【0031】
式LixNi1-yMyO2で表されるNiを主体とするリチウムニッケル化合物は、層状構造をしていることが知られている。この層状構造においては、X線回折を用いた結晶構造解析による(006)面に起因する回折強度I006と(102)面に起因する回折強度I102との和を(101)面に起因する回折強度I101で除した値(I006+I102)/I101が小さいほど、結晶欠陥が少なく、結晶性が高いと言われている。
【0032】
ここで、リチウムニッケル化合物の結晶性は、その製造時に、原材料の配合比、焼成温度、雰囲気(酸素濃度、露点、CO2含有量等)などの条件を調節することで製造することができる。
【0033】
LiNiO2系化合物は、平均粒径が2〜15μmであることが好ましい。LiNiO2系化合物の平均粒径が2μm未満となると電解液の有機溶媒との反応性が高くなり、充放電サイクルにおける放電容量の低下や内部抵抗の増加が発生するようになる。また、LiNiO2系化合物の平均粒径が15μmを超えると、粒径が大きくなりすぎ、正極活物質としての充填性が低下するようになる。
【0034】
LiNiO2系化合物は、BET比表面積が0.2〜1.5m2/gであることが好ましい。LiNiO2系化合物のBET比表面積が0.2m2/g未満では、電解液とのぬれ性が悪くなり、実効放電容量の低下を招くようになる。また、BET比表面積が1.5m2/gを超えると、電解液との反応性が高くなりすぎ、放電容量の低下や内部抵抗の増加を招くようになる。
【0035】
また、正極活物質は、式Li(a+b)Mn(1-b-c)Me(c)O2(Meは少なくとも一種の金属元素、0≦a、0≦b+c<1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を含むことが好ましい。ここで、正極活物質がリチウムマンガン複合酸化物を含むときは、LiNiO2系化合物とリチウムマンガン複合酸化物とが混合した状態を示す。ここで、金属元素とは、単体で金属結晶を形成できる元素を示す。また、金属元素は、少なくとも一種が含まれ、2種以上が用いられるときは、それぞれの金属元素が混合した状態で用いられる。この正極活物質に加えられるリチウムマンガン複合酸化物としては、式Li(a+b)Mn(1-b-c)Me(c)O2(Meは少なくとも一種の金属元素、0≦a、0≦b+c<1)に示される組成を有していればよく、その構造は特に限定されるものではなく、スピネル型構造であっても、層状構造であってもよい。
【0036】
すなわち、正極活物質がリチウムマンガン複合酸化物を含むことで、リチウム二次電池の充放電曲線を調節することができるようになる。この結果、充放電特性の異なるリチウム二次電池を得ることができる。詳しくは、リチウムマンガン複合酸化物を配合することで正極活物質の充放電曲線が高電位側にシフトし、リチウムマンガン複合酸化物の配合量を変化させることで充放電曲線を変化させることができる。充放電曲線が異なると、同一電位からの充放電容量が変化することとなる。このことから、リチウム二次電池の充放電特性が変化することとなる。また、リチウムマンガン複合酸化物の配合は、任意の割合で配合することができる。
【0037】
負極活物質は、Lcが81〜110nmであり、かつLaが146〜218nmであることが好ましい。ここで、Lcは負極活物質の結晶子の厚さ方向(c軸方向)の大きさを示し、Laは結晶子の長手方向(a軸方向)の大きさを示す。すなわち、LcおよびLaが小さくなることは負極活物質の結晶構造が乱れることを示し、LcおよびLaが大きくなることは負極活物質の結晶性が高くなることを示す。このため、LcおよびLaが所定の範囲より小さくなると、乱層構造による影響が強く現れるようになり、逆に、LcおよびLaが所定の範囲より大きくなると、高結晶性による影響が現れるようになる。
【0038】
負極活物質は、平均粒径が5〜20μmであることが好ましい。負極活物質の平均粒径が5μm未満となると、電解液との反応性が高くなり、リチウム二次電池の放電容量の低下や内部抵抗の増加を招く。また、負極活物質の平均粒径が20μmを超えると、粗大となり、電極への充填性が低下し、電池容量の低下を招く。
【0039】
負極活物質は、BET比表面積が2.0〜4.0m2/gであることが好ましい。負極活物質のBET比表面積が2.0m2/g未満では、電解液とのぬれ性が悪くなり、実効放電容量の低下を招くようになる。また、BET比表面積が4.0m2/gを超えると、電解液との反応性が高くなりすぎ、放電容量の低下や内部抵抗の増加を招くようになる。
【0040】
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質および負極活物質以外は、通常のリチウム二次電池に用いられる形態とすることができる。また、本発明のリチウム二次電池は、その構造は特に限定されるものでなく、正極および負極をシート状に形成し、セパレータを介して交互に積層させた積層型の電極体を有する積層型電極電池でも、シート状の正極および負極をセパレータを介して巻回させた巻回型の電極体を有する巻回型電極電池であっても、あるいは他の形態であってもよい。
【0041】
本発明のリチウム二次電池に用いることができる電解液、集電体、セパレータとしては、たとえば、以下に示されるものを用いることができる。
【0042】
電解液としては、例えば、1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドラフラン、1、3−ジオキソラン、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの単独または2種以上の混合溶媒に、例えば、LiCF3 SO3、LiC4F9SO3、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3 SO2)(CF3 SO2)、LiN(C4F9SO2)(CF3SO2)、LiN(C2F5SO2)(C2F5SO2)などの電解質を単独または2種以上を溶解させて調整した有機溶媒系の電解液を用いることができる。
【0043】
正極の集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレスなど、負極の集電体としては、例えば、銅、ニッケルなどを銅、パンチドメタル、フォームメタルや板状に加工した箔などを用いることができる。
【0044】
セパレ−タとしては、例えば、厚さ10〜50(μm)で、開孔率30〜70%の微多孔性ポリプロピレンフィルムや微多孔性ポリエチレンフィルムなどを用いることができる。
【0045】
さらに、正極には、正極活物質以外に、導電材や結着剤を用いることができる。この結着剤としては、有機系結着剤や、無機系結着剤を用いることができ、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の化合物をあげることができる。
【0046】
また、負極においても、負極活物質以外に、結着剤を用いることができる。
【0047】
本発明のリチウム二次電池は、通常のリチウム二次電池の製造方法を用いて製造することができる。このリチウム二次電池の製造方法としては、たとえば、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極とが、セパレータを介して積層した状態で、電池容器に収納し、この電池容器内に電解液を注入し、密閉封止することで製造する方法をあげることができる。
【0048】
本発明のリチウム二次電池は、サイクル特性や保存特性といった電池の寿命特性に優れている。このため、電気自動車等の瞬時にかつ継続的に大電流が要求されるような用途に用いることに有用である。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0050】
本発明の実施例として、正極活物質あるいは負極活物質を変化させた円筒形リチウム二次電池を作製した。ここで、実施例において作製されたリチウム二次電池を図1に示した。
【0051】
この円筒形リチウム二次電池100は、リチウムを含む正極活物質をもち、かつ充電時にはリチウムをリチウムイオンとして放出し、放電時にはリチウムイオンを吸蔵することができる正極1と、炭素材料からなる負極活物質をもち、充電時にはリチウムイオンを吸蔵し放電時にはリチウムイオンを放出することができる負極2と、有機溶媒にリチウムが含まれる電解質が溶解されて形成された非水電解液3と、正極と負極との間に配されるセパレータ4と、を備えたリチウム二次電池である。
【0052】
正極1は、アルミニウムよりなる正極集電体11と、正極集電体11の表面上に形成された正極活物質と結着剤とを有する正極合剤層12と、正極集電体に接合された正極集電リード13と、からなる電極であり、シート状に形成されている。
【0053】
負極2は、銅よりなる負極集電体21と、負極集電体21の表面上に形成された負極活物質と結着剤とを有する負極合剤層22と、負極集電体21に接合された負極集電リード23と、からなる電極であり、シート状に形成されている。
【0054】
また、正極1と負極2とは、シート状のセパレータ4を介して巻回した状態で、ケース7内に保持されている。また、正極1および負極2の集電リード13、23は、それぞれケース7の正極端子部5および負極端子部6と接続されている。
【0055】
セパレ−タ4は、厚さが25μmの微多孔質ポリエチレンフィルムが用いられた。
【0056】
電解液は、電解質としてLiPF6を、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを30:70の体積比で混合した溶媒に、1mol/リットルの割合で溶解させた溶液が用いられた。
【0057】
実施例のリチウム二次電池は、以下の手順で作製された。
【0058】
(正極の製造)
まず、正極活物質が85重量部、導電剤としてアセチレンブラック(品番:HS−100)が10重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5重量部の配合でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に溶解させ、ペーストを作製した。このペーストをコンマコータにてアルミ箔の両面に塗布する。
【0059】
次に、この電極をロールプレス機に通して荷重をかけ、電極密度を向上させた正極板を作成した。その後、この正極板は、所定の大きさにカットされ、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状正極が製造された。
【0060】
(負極の製造)
負極活物質92.5重量部、結着剤としてPVDF7.5重量部とをNMP溶液に溶解させ、ペーストを作製した。このペーストを、正極と同様にコンマコータを用いて銅箔表面の両面に塗布した。その後、このペーストが塗布された銅箔をロールプレス機に通して荷重をかけ、電極密度を上昇させた負極板を作製した。
【0061】
次に、この負極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状負極が製造された。
【0062】
(電池の組立)
以上で得られたシート状正極およびシート状負極を、セパレータを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体は、ケースの内部に挿入され、ケース内に保持された。このとき、シート状正極およびシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードは、ケースの正極端子あるいは負極端子に接合された。
【0063】
その後、有機溶媒に電解質が溶解した電解液が、巻回型電極体が保持されたケース内に注入され、ケースが密閉、封止された。
【0064】
以上の手順により、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒形リチウム二次電池が製造された。
【0065】
また、実施例において用いられた正極活物質、負極活物質およびリチウム二次電池の各種特性は、以下の測定方法により測定された。
【0066】
(粒径の測定)
日機装株式会社製HRA9320−X100型マイクロトラックを用いて粒度分布を測定し、この粒度分布から中心粒径D50を求め、このD50を粒径とした。
【0067】
(ピッチコート量の測定)
ピッチで被覆された黒鉛について、JIS K2425により規定された方法を用いて、溶剤分析を行い、キノリン不溶分(%)を測定し、100−(キノリン不溶分)の式で表されるキノリン可溶分(%)を算出し、このキノリンの可溶分の量をピッチコート量とした。
【0068】
(BET比表面積の測定)
カンタークローム社製NOVA2000型BET比表面積測定装置を用いて、窒素吸着BET一点法による比表面積を測定した。
【0069】
(ラマン分光測定)
日本電子株式会社製JRS−SYS1000型ラマン分光装置を用いて行われた。詳しくは、514.5nmの波長のアルゴンレーザー(レーザー径2μm)を用いたラマン分光測定により観察される2本のピーク(1360cm-1、1580cm-1に現れるピーク)から、R値を1360cm-1/1580cm-1のピーク強度比として求めた。また、この2本のピークの積分強度比、すなわち、(1360cm-1のピークの積分強度)/(1580cm-1の積分強度)からG値を求めた。
【0070】
(正極活物質のXRD強度比の測定)
理学(株)製、型式:RINT2000を用いて、X線源:CuKα1、管電圧:50(kV)、管電流:100(mA)、発散スリット:1/2(deg)、散乱スリット:1/2(deg)、受光スリット:0.15(mm)、走査モ−ド:連続、走査範囲:15°〜75°で回折強度の測定を行った。
【0071】
そのデータをRISM定性分析プログラムを用い、曲率5.0でバックグラウンド除去を行った後、(Kα1/Kα2)の強度比を0.5に設定し、Kα2による影響を除去した。
【0072】
ここで得られたデータから各指数面に対応するX線の回折強度を読み取り、LiNiO2系正極活物質における結晶性の目安となる(006)面、(102)面、および(101)面のピーク強度比:(I006+I102)/I101を求めた。
【0073】
(負極活物質のXRD強度比の測定)
理学(株)製、型式:RINT2000を用いて、日本学術振興会第117委員会により定められた方法(稲垣道夫、炭素、1963(36)、25に記載された方法)によりなされた。
【0074】
(初期放電容量)
まず、初回は、充電電流0.25(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電し、放電電流0.33(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電を行った。
【0075】
次に、充電電流1.1(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流1.1(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電を4回行った後、充電電流1.1(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流0.33(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電し、この時の放電容量を電池初期容量とした。
【0076】
この電池初期容量は、電池内に充填した正極活物質重量で規格化した値を用いて比較した。なお、測定は20℃の雰囲気で行った。
【0077】
(高温サイクル特性試験)
リチウム二次電池を、雰囲気温度60℃の恒温槽内に入れ、充電電流2.2(mA/cm2)で4.1(V)までCC充電し、放電電流2.2(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電を行うサイクルを500回繰り返して行われた。
【0078】
(内部抵抗増加率の測定)
電池の内部抵抗の測定は、まず、20℃で充電電流が1.1(mA/cm2)で3.75(V)までCC−CV充電し、交流インピーダンス測定装置((株)東陽テクニカ製:周波数応答アナライザsolartron1260、ポテンショ/ガルバノスタットsolartron1287)を用いて、周波数100kHz〜0.02Hzまで走査し、縦軸に虚数部、横軸に実数部を示すコール−コールプロットを作成した。つづいて、このコール−コールプロットにおいて、円弧部分を円でフィッティングして、この円の実数部分と交差する二点のうち大きい方の値を抵抗値とし、電池の内部抵抗とした。
【0079】
また、内部抵抗増加率は、この内部抵抗の測定をサイクル試験の前後で行い、
(内部抵抗増加率)=(サイクル試験後の抵抗値)/(サイクル試験前の抵抗値)
で定義した。
【0080】
(保存特性)
電池を、雰囲気温度20℃で、充電電流が1.1(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電し、充電された状態で60℃に保持された恒温槽中に保持し、720時間開回路の状態で保持し、その後、雰囲気温度を20℃に戻して放電電流0.33(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電し、このときの放電容量と電池初期容量との比である電池容量比で定義した。
【0081】
(実施例1)
実施例1は、正極活物質にLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が、負極活物質に表層部が乱層構造の黒鉛粉末が用いられたリチウム二次電池である。
【0082】
ここで、正極活物質は、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.65m2/g、XRD強度比が0.39であった。また、負極活物質は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.6μm、BET比表面積が3.8m2/g、R値が0.30、G値が0.62、Lcが110nm、Laが218nmであった。
【0083】
(正極活物質の製造)
正極活物質の製造は、以下に記載の手段により行われた。
【0084】
まず、水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、水酸化コバルト(Co(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を、モル比でLi:Ni:Co:Al=1.02:0.82:0.15:0.03の割合となるように秤量し、自動乳鉢で十分に混合した。
【0085】
その後、この混合物をアルミナ製るつぼに投入し、酸素気流中、750度で15時間焼成し、室温まで1℃/分の割合で徐冷した。
【0086】
徐冷後、自動乳鉢で粉砕してLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が得られた。なお、Liの割合が焼成前と比べて減少していることは、焼成時に若干のLiが散逸するためである。また、このLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末の組成の確認は、ICP発光分光分析法による定量分析により確認された。
【0087】
(負極活物質の製造)
負極活物質の製造は、以下に記載の手段により行われた。
【0088】
まず、人造黒鉛(中心粒径D50=10.4μm、平均面間隔d002=0.336nm、Lc=100nm以上、La=100nm以上、BET比表面積=12.1m2/g、R値=0.05)50gと、あらかじめ一次QIを除去した軟化点80℃のコールタールピッチ(キノリン不溶分トレース、トルエン不溶分30%)50gとを500mlセパレルフラスコに入れ、常圧、200℃で2時間攪拌混合した。攪拌後、得られた混合物1重量部に対してトルエン1重量部を加え、攪拌した状態で80℃で1時間の洗浄処理を施した。この洗浄処理された混合物を、ろ過、洗浄、乾燥させることでピッチがコートされた黒鉛粉末が得られた。
【0089】
このピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が7.4%であることから、ピッチのコート量は7wt%であった。
【0090】
このピッチがコートされた黒鉛粉末を窒素雰囲気中で、昇温速度50℃/hrで1200℃まで昇温させ、この1200℃で1時間保持して焼成し、炭化させることで負極活物質が製造された。
【0091】
(実施例2)
実施例2は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.7μm、比表面積が3.3m2/g、R値が0.31、G値が0.71、Lcが104nm、Laが194nmである表層部が乱層構造の黒鉛粉末を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様のリチウム二次電池である。
【0092】
この負極活物質は、コールタールピッチの配合量を100gとし、洗浄処理におけるトルエンの投入量を混合物1重量部に対して2重量部とした以外は、実施例1と同様の手段により製造された。
【0093】
なお、ピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が8.6%であることから、ピッチのコート量は、9wt%であった。
【0094】
(実施例3)
実施例3は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.7μm、比表面積が2.4m2/g、R値が0.39、G値が0.80、Lcが89nm、Laが162nmである表層部が乱層構造の黒鉛粉末を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様のリチウム二次電池である。
【0095】
この負極活物質は、コールタールピッチの配合量を100gとし、洗浄処理におけるトルエンの投入量を混合物1重量部に対して2重量部とし、攪拌を常温で1時間行った以外は、実施例1と同様の手段により製造された。
【0096】
なお、ピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が12.1%であることから、ピッチのコート量は12wt%であった。
【0097】
(実施例4)
実施例4は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.8μm、比表面積が2.6m2/g、R値が0.48、G値が1.02、Lcが89nm、Laが162nmである表層部が乱層構造の黒鉛粉末を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様のリチウム二次電池である。
【0098】
この負極活物質は、コールタールピッチの配合量を200gとし、洗浄処理におけるトルエンの投入量を混合物1重量部に対して4重量部とした以外は、実施例1と同様の手段により製造された。
【0099】
なお、ピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が15.9%であることから、ピッチのコート量は16wt%であった。
【0100】
(実施例5)
実施例5は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.9μm、比表面積が2.8m2/g、R値が0.55、G値が1.21、Lcが81nm、Laが146nmである表層部が乱層構造の黒鉛粉末を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様のリチウム二次電池である。
【0101】
この負極活物質は、コールタールピッチの配合量を200gとした以外は、実施例1と同様の手段により製造された。
【0102】
なお、ピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が19.8%であることから、ピッチのコート量は20wt%であった。
【0103】
(比較例1)
比較例1は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.4μm、比表面積が5.8m2/g、R値が0.29、G値が0.54、Lcが115nm、Laが230nmである表層部が乱層構造の黒鉛粉末を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様のリチウム二次電池である。
【0104】
この負極活物質は、コールタールピッチの配合量を25gとし、洗浄処理におけるトルエンの投入量を混合物1重量部に対して4重量部とした以外は、実施例1と同様の手段により製造された。
【0105】
なお、ピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が3.2%であることから、ピッチのコート量は3wt%であった。
【0106】
(比較例2)
比較例2は、平均面間隔d002が0.336nm、中心粒径D50が10.9μm、比表面積が3.5m2/g、R値が0.62、G値が1.28、Lcが76nm、Laが128nmである表層部が乱層構造の黒鉛粉末を負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様のリチウム二次電池である。
【0107】
この負極活物質は、コールタールピッチの配合量を200gとし、かつ洗浄処理におけるトルエンの投入後の攪拌を常温で行った以外は、実施例1と同様の手段により製造された。
【0108】
なお、ピッチがコートされた黒鉛粉末は、黒鉛粉末のキノリンの可溶分の測定値が22.3%であることから、ピッチのコート量は22wt%であった。
【0109】
(実施例6)
実施例6は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.58m2/g、XRD強度比が0.42であるLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0110】
この正極活物質は、焼成時間を8時間とした以外は、実施例1の正極活物質の製造方法と同様にして製造された。
【0111】
(実施例7)
実施例7は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.53m2/g、XRD強度比が0.37であるLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0112】
この正極活物質は、酸素気流中で650℃、10時間の予備焼成を行った後に、再度自動乳鉢で十分に粉砕をし、720℃で20時間の焼成を行った以外は、実施例1の正極活物質の製造方法と同様にして製造された。
【0113】
(比較例3)
比較例3は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.57m2/g、XRD強度比が0.44であるLi0.99Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0114】
この正極活物質は、水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、水酸化コバルト(Co(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を、モル比でLi:Ni:Co:Al=1.00:0.82:0.15:0.03の割合となるように秤量し、自動乳鉢で十分に混合した後、この混合物をアルミナ製るつぼに投入し、酸素気流中、800℃で6時間焼成し、室温まで1℃/分の割合で徐冷した後に、自動乳鉢で粉砕して製造された。
【0115】
(比較例4)
比較例4は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.54m2/g、XRD強度比が0.36であるLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0116】
この正極活物質は、以下に示される製造方法により製造された。
【0117】
まず、水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、水酸化コバルト(Co(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を、モル比でLi:Ni:Co:Al=1.02:0.82:0.15:0.03の割合となるように秤量し、自動乳鉢で十分に混合した。
【0118】
その後、この混合粉末をアルミナ製るつぼに投入し、酸素気流中、650℃で10時間の予備焼成を行った。室温まで炉冷した後、この予備焼成物を取り出し、再度、自動乳鉢で十分に粉砕して凝集を解砕した。その後、アルミナ製るつぼに投入し、酸素気流中、650℃で10時間の2回目の予備焼成を行った。室温まで炉冷した後、この予備焼成物を取り出し、再度、自動乳鉢で十分に粉砕して凝集を解砕した。
この混合物をアルミナ製るつぼに投入し、酸素気流中、730度で20時間の本焼成を行い、焼成後、室温まで1℃/分の割合で徐冷した。
【0119】
徐冷後、自動乳鉢で粉砕してLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が得られた。また、このLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末の組成の確認は、ICP発光分光分析法による定量分析により確認された。
【0120】
(実施例8)
実施例8は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.65m2/g、XRD強度比が0.39であるLi1.20Ni0.82Co0.15Al0.03O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0121】
この正極活物質は、原料のLiOH・H2O、Ni(OH)2、Co(OH)2、およびAl(OH)3を、モル比でLi:Ni:Co:Al=1.22:0.82:0.15:0.03の割合とした以外は、実施例1の正極活物質の製造方法と同様の方法により製造された。
【0122】
(実施例9)
実施例9は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.65m2/g、XRD強度比が0.39であるLi1.0Ni0.90Co0.06Al0.02O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0123】
この正極活物質は、原料のLiOH・H2O、Ni(OH)2、Co(OH)2、およびAl(OH)3を、モル比でLi:Ni:Co:Al=1.02:0.90:0.06:0.02の割合とした以外は、実施例1の正極活物質の製造方法と同様の方法により製造された。
【0124】
(実施例10)
実施例10は、正極活物質に、平均粒径が8μm、BET比表面積が0.65m2/g、XRD強度比が0.39であるLi1.0Ni0.75Co0.20Al0.05O2粉末が用いられた以外は実施例2と同様なリチウム二次電池である。
【0125】
この正極活物質は、原料のLiOH・H2O、Ni(OH)2、Co(OH)2、およびAl(OH)3を、モル比でLi:Ni:Co:Al=1.02:0.75:0.20:0.05の割合とした以外は、実施例1の正極活物質の製造方法と同様の方法により製造された。
【0126】
(実施例11)
実施例11は、正極活物質にLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2とリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.9O4)とが重量比で1:1の割合で混合した混合粉末を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。なお、正極活物質に混合されたリチウムマンガン酸化物は、式Li(a+b)Mn(1-b-c)Me(c)O2(Meは少なくとも一種の金属元素、0≦a、0≦b+c<1)においては、Li0.55Mn0.95O2に対応している。
【0127】
ここで、リチウムマンガン酸化物は、平均粒径は、5μmであった。
【0128】
(実施例12)
実施例12は、正極活物質にLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2とリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.9O4)とが重量比で1:1の割合で混合した混合粉末を用いた以外は、実施例3と同様なリチウム二次電池である。
【0129】
ここで、リチウムマンガン酸化物は、平均粒径は、5μmであった。
【0130】
(実施例13)
実施例13は、正極活物質にLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2とリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.9O4)とが重量比で1:1の割合で混合した混合粉末を用いた以外は、実施例5と同様なリチウム二次電池である。
【0131】
ここで、リチウムマンガン酸化物は、平均粒径は、5μmであった。
【0132】
(比較例5)
比較例5は、正極活物質にLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2とリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.9O4)とが重量比で1:1の割合で混合した混合粉末を用いた以外は、比較例1と同様なリチウム二次電池である。
【0133】
ここで、リチウムマンガン酸化物は、平均粒径は、5μmであった。
【0134】
(比較例6)
比較例6は、正極活物質にLi1.0Ni0.82Co0.15Al0.03O2とリチウムマンガン酸化物(Li1.1Mn1.9O4)とが重量比で1:1の割合で混合した混合粉末を用いた以外は、比較例2と同様なリチウム二次電池である。
【0135】
ここで、リチウムマンガン酸化物は、平均粒径は、5μmであった。
【0136】
なお、実施例1〜13および比較例1〜6で作製されたリチウム二次電池の正極活物質および負極活物質をそれぞれ表1および表2に示した。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
(評価)
本実施例の評価として、円筒形二次電池の初期容量、抵抗増加率、放電容量比を測定した。これらの測定結果を表3に示した。
【0140】
【表3】
【0141】
表3より、負極活物質の平均面間隔d002が0.3340nm以下であり、かつR値が0.30〜0.55である実施例1〜10のリチウム二次電池は、初期容量も高く、かつ抵抗増加率も低くなっている。さらに、放電容量比も高い値を示し、電池特性に優れていることがわかる。
【0142】
また、正極活物質にLi1.1Mn1.9O4を混合させた実施例11〜13のリチウム二次電池においても、初期容量も高く、かつ抵抗増加率も低くなっている。さらに、放電容量比も高い値を示し、電池特性に優れていることがわかる。
【0143】
また、R値が0.29と小さく形成された負極活物質を用いた比較例1は、負極活物質の結晶性が高くなっているため、電池の初期容量も低く、かつ抵抗の増加率が大きく上昇している。さらに、放電容量比が大幅に低下している。また、R値が0.62と大きな負極活物質を用いた比較例2は、初期容量および放電容量比が低下した。
【0144】
XRD強度比が異なる正極活物質を用いた実施例6〜7は、高い初期容量および放電容量比を保持するとともに、抵抗増加率が低下している。
【0145】
XRD強度比が0.44と大きな正極活物質を用いた比較例3は、初期容量は大きいが、抵抗増加率が著しく大きくなっている。また、XRD強度比が0.36と小さな正極活物質を用いた比較例4は、放電容量が低下している。
【0146】
R値が0.29と小さく形成された黒鉛材料とリチウムマンガン酸化物の混合物よりなる負極活物質を用いた比較例5は、初期容量、抵抗増加率および放電容量比が大幅に悪化した。また、R値が0.62と大きく形成された黒鉛材料とリチウムマンガン酸化物の混合物よりなる負極活物質を用いた比較例6は、初期容量および放電容量比が大幅に低下した。
【0147】
これらのことから、実施例のリチウム二次電池は、負極活物質の黒鉛質材料のラマンスペクトルにおけるR値および平均面間隔d002を制御することで、初期容量および放電容量比が高くなっているとともに抵抗増加率が低く抑えられている。
【0148】
【発明の効果】
本発明のリチウム二次電池は、抵抗増加率が抑えられているとともに、初期容量および放電容量比が高く保持されることで、寿命特性が向上している。また、本発明のリチウム二次電池は、高い放電容量を有することから、大電流が要求されるような場合において特に有用な電池となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例において作成される円筒形リチウム二次電池の構成を示した図である。
【符号の説明】
100…リチウム二次電池
1…正極 11…正極集電体
12…正極合剤層 13…集電リード
2…負極 21…負極集電体
22…負極合剤層 23…集電リード
3…電解液 4…セパレータ
5…正極端子部 6…負極端子部 7…ケース
Claims (2)
- 式LixNi1-yMyO2(MはCo、Mn、Al、B、Ti、Mg、およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、0<x≦1.2、0<y≦0.25)で表されるLiNiO2系化合物を有する正極活物質と、
結晶構造を有する黒鉛材料よりなる核と、該核の表面に形成された乱層構造の炭素質材料よりなる表層部と、からなる負極活物質と、
を有するリチウム二次電池において、
該負極活物質は、X線粉末解析測定における平均面間隔d(002)が0.340nm以下であり、かつアルゴンレーザーラマンスペクトルによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比であるR値が0.30〜0.55であり、
該LiNiO 2 系化合物は、X線粉末解析測定結果における(006)面、(102)面および(101)面のピーク強度比(I 006 +I 102 )/I 101 が、0.37〜0.42であり、
該負極活物質は、Lcが81〜110nmであり、かつLaが146〜218nmであることを特徴とするリチウム二次電池。 - 前記Mは、CoおよびAlである請求項1記載のリチウム二次電池。
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