JP3736331B2 - 保守作業支援システム及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力,水力,原子力等の発電設備における現場での保守作業を支援する保守作業支援システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のユーザーへの作業支援は、メーカから技術者を現場へ派遣し直接的に指導,点検評価判定を実施しており、同一現場に複数台の機器設備がある場合には、指導員を機器設備の数に合わせて派遣していた。又、構成される発電設備の機器毎に同一メーカでも複数の指導員が派遣されていた。実際の作業指導にあたっては、その殆どが口答によるものか、メーカからの技術資料を入手後の作業となっていた。
【0003】
更に、点検時に発生したトラブルに関しては、その要否の判定を現場にて出来ない場合には、その損傷状況をカメラやスケッチにて記録した後に、メーカ指導員がメーカ本社へファックスやメールにて送信し、その判定結果も電話やファクス,メール等で入手し、補修や交換部品の購入を実施している。
【0004】
又、定検期間の延長に伴い、熟練した作業者が同一作業に従事できないような社会環境となり、前回に実施した分解や組立方法を伝承する手段として、記録写真しか無く、詳細な作業や留意作業が発生する場合のポテンシャル摘出に時間がかかったり、作業に必要な部品・動工具類の準備(リストアップ)等に時間を要している。
【0005】
記録にいたっては、その殆どが紙面による管理が主体であり、部品毎の傾向管理を実施する場合には、人の手作業による分析管理であり、その分析作業にも時間を必要としている。また、記録の保存状態が完全ではない場合には、判読に苦慮することが多いのも実状である。
【0006】
すなわち、上記の従来の方法では、人が直接現場へ出向かないと処理できないし、従事する人が変わるとそのやり方も統一性がとれなく、機器の損傷や誤評価、判断等人災によるポテンシャルを高くしてしまう虞がある。また、記録においては、細かい内容まで正確に記載することが困難であり、技術の伝承にも充分でなく、その都度種々の記録を入手して対応するので、精度並びに効率の良いメンテナンスを行っているとは言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来におけるユーザとメーカにおける保守作業の実行は、メーカ指導員やユーザ保守担当員が現場に出向いた作業者に対して口答や実作業指導を行うことにより実施していたが、世の中のニーズとしては保守員を削減する方向に向かっており、一人でみられる範囲を拡大し、迅速でしかも効率的に保守作業を展開することが求められている。
【0008】
本発明は、このような保守環境下にある実務担当者を強力に作業支援することができる保守作業支援システムおよびその方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の保守作業支援システムは、保守作業現場のコンピュータと通信回線を介して接続され、前記保守作業現場で撮影された保守作業対象機器の画像情報及び保守作業員の問い合せ情報を受信するメンテナンス支援センタの保守作業支援用コンピュータと、前記保守作業対象機器の構成部品情報を構築された部品図面データベースと、前記保守作業対象機器の過去の保守点検作業の履歴情報が構築された点検記録データベースと、前記保守作業対象機器の分解組立要領に関する情報が構築される分解組立要領データベースとを備え、前記保守作業支援用コンピュータは、前記保守作業現場のコンピュータから送信された保守作業対象機器の画像データ及び保守作業現場からの問い合せ情報を、前記メンテナンス支援センタからイントラネット介して、前記保守作業対象機器の関連部署の技術者コンピュータに送信し、前記部品図面データベース,点検記録データベース、または分解組立要領データベースの中から保守作業支援に必要とするデータ、及び前記技術者コンピュータから音声,映像による作業指導情報を前記保守作業現場のコンピュータに送信するものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の保守作業支援方法は、保守作業現場で撮影された保守作業対象機器の画像情報、及び保守作業員の問い合せ情報をメンテナンス支援センタの保守作業支援用コンピュータで受信して、前記メンテナンス支援センタからイントラネット介して、前記保守作業対象機器の関連部署の技術者コンピュータに送信し、この問い合せ情報に対して、前記保守作業対象機器の構成部品情報を構築された部品図面データベース、前記保守作業対象機器の過去の保守点検作業の履歴情報が構築された点検記録データベース、前記保守作業対象機器の分解組立要領に関する情報が構築される分解組立要領データベースの中から保守作業支援に必要とするデータ、及び前記技術者コンピュータから音声,映像による作業指導情報を前記保守作業員に連絡することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
国内外の発電設備(プラント)を運営しているユーザにおいては、設備稼働率を向上させることや計画外停止を極力避けるために、適切な保守作業を必要としている。近年においては、この保守作業を実施するにあたり、種々の合理化機器の導入やマニュアル整備がユーザ自身で実施されてきているが、国内のユーザにおいては、電気事業法の改正に伴う計画保守期間の延長、海外においては、従来発電事業の経験が無いユーザによる電力ビジネスへの参入等々の環境下で、充分な作業指導や適切な人員確保及び迅速な対応が難しい状況となりつつある。(即ち、熟練技術者の衰退と経験回数の縮小による技術者不在。)
例えば、電力会社等の発電設備保守作業現場では、分解時,組立時等における各機器毎の作業留意点や要領等、作業中或いは作業開始前に作業者が確認したい事項,質問事項等が発生した場合には、現状は、現場監督者が電力会社保守担当者(以下ユーザ保守担当と称す)へ確認し、ユーザ担当者は、メーカから派遣されている指導員に確認し、口答もしくは書面或いは、実際に物を見ながら指導を実施している。作業現場が、広範囲にわたる場合には、作業の待ち時間が発生し、全体の工程を延長しかねない状況が発生する場合もある。同様に分解部品の点検時においても、スケッチや写真撮影を実施し、部品の交換や補修或いは継続的に使用するか否かの判定作業も上記と同様な手続きにより、実施されている。
【0012】
本発明は、必要な時に適切な作業指導及び保守記録管理等を各機器に精通した技術者により、遠隔にて迅速に実施することにより複数台の機器の保守を最少人員にて遂行するものであり、又、保守記録管理をデジタル化することにより、次回の保守計画に有効活用できるようにしたシステムである。
【0013】
本発明によれば、ユーザは支援センタと通信回線をダイヤルアップ接続し、保守が必要な機器に設置したデジタルカメラを介して得られた映像と音声による作業方法や注意事項をリアルタイムに受けることが出来る。又、現場にて必要となる図面や点検記録、前回の記録等が必要となった場合においても、書画装置により支援センタより迅速に入手することが可能となる。作業中に支援センタにて監視すべき場所や箇所の特定を行うにあたっては、遠隔にてカメラを操作し、必要な場所を常時見ることが可能である。
【0014】
機器の点検に際しては、その構成部品の使用可否や補修の必要性を判定するには、携帯用ハンディカメラ等を点検する部品の所まで持参し、詳細・拡大等の映像を送信することでスケッチの必要が無く、支援センタでの評価判定作業が容易に実施できる。
【0015】
発電機器は、大きく分けて原動機部分,発電機部分,補機類,制御装置類に分類でき支援センタにおいては、得られた映像やユーザからの質問等をLANにて各専門部署へも転送し、複数の作業を専門部署により支援可能である。
【0016】
以下に図を用いて、本発明の実施例について説明する。図1は本実施例のメンテナンス支援システムの構成概略を示す。本実施例では、蒸気タービン或いはガスタービン,ボイラなどの火力,原子力発電の発電設備におけるユーザ側保守事務所に設置してあるパソコン7,作業現場に設置されているリモートコントロールカメラ5及び動画サーバ6,メンテナンス支援センタに設置されるパソコン3,書画装置4,デジタルカメラ1から構成され、メンテナンス支援センタでは、それらの情報を発受信するために、同様の機器類が設置される。
【0017】
分解・点検・組立が実施される機器の近傍に、リモートコントロールカメラ5を必要とされる台数だけ固定し、その映像をコントロールする動画サーバ6を介して、ユーザ側のLANへ接続する。機器の分解が開始されるとメンテナンス支援センタ側の動画モニタコントロールパソコン13で、作業現場の状況を監視する。作業現場で不明点が出た場合には、支援用のパソコン3を介してその内容をメンテナンス支援センタのパソコン10へ、ダイアルアップして、通信回線を接続し、ダイアルアップルータ8,9を使用して質問者の顔,回答者の顔が相互に見ることができ、同時に質問記録内容をパソコン3,10の画面で確認することが出来る。また、同じ内容の記録を相互に見ながら、不明点を確認し作業者が適切に指示をうけることが出来る。
【0018】
支援センタから現場の作業員に説明する段階で、新たな図面等が必要となった場合には、パソコン10に接続されている書画装置11を介して、それらをパソコン3へ伝送することが出来、正確な作業指示がメンテナンス支援センタから行える。
【0019】
作業現場のリモートコントロールカメラ5は、メンテナンス支援センタより上下,左右,ズーム操作が動画モニタコントロールパソコン13にて行えるようになっており、作業者の作業が適切に実施されているか、或いは誤って分解・復旧を行っていないか等の監視が行われる。その作業状況は、支援センタに設置される動画記録用ビデオ12に収録される。
【0020】
分解が完了した時点で各部分の点検が開始されるが、点検部品の判定,評価が曖昧となったり、記録として保存が必要となるため、デジタルカメラ1を該当する部品の撮影に持参し、撮影完了後は、3のパソコンに接続、ダイアルアップし、メンテナンス支援センタへその映像データを送信する。そして、パソコン10で受信した点検映像をメンテナンス支援センタ員が確認し、その部品の使用可否、補修の必要可否等を判定し、その結果を作業監督者やユーザ保守担当者へ口答(電話)や書類(書画装置)にて連絡する。その内容は、全て動画記録用ビデオ12に収録される。又、点検来歴を管理するために、データベース構築用パソコン14にも記録,蓄積される。
【0021】
メンテナンス支援センタで動画記録用ビデオ12に収録された映像は、作業が完了した後に映像を編集し、次回の作業用教育資料として活用出来る。又、作業要領書を作成するために必要な映像を容易に抽出し、利用することが出来る。メンテナンス支援センタで詳細な作業内容等が把握出来ない場合には、メンテナンス支援センタから、イントラネット15を介してタービン技術者16,発電機技術者17,計装/制御技術者18へ連絡すると共に、撮影された映像情報のデータが送信され、直接現地ユーザ現場のパソコン7及びユーザ支援用のパソコン3を介して作業が実施される。
【0022】
メンテナンス支援センタ内のデータベース構築用パソコン14内には、分解組立に必要な部品図面が構築される部品図面データベース19,前回までの点検記録が構築される点検記録データベース20、及び機器毎の分解組立要領書が構築される分解組立要領書データベース21等が蓄積されている。
【0023】
図2には、ユーザ保守関係者とメンテナンス支援センタ間の情報交換実施例を示す。メンテナンスセンタ側とユーザ側パソコン上の画面には、点検記録が同一内容で表示される。又、パソコンの画面上には、センタ側とユーザ側の担当者の顔表情画面を表示させ、質問或いは確認内容のより正確な情報やりとりが実施可能となっている。
【0024】
これにより、ユーザ側担当者と支援センタ側担当者の人物映像がリアルタイムで表示し、又、問い合わせや確認内容データを両者が同一シートにて確認しながら、結論を出せるようになっている。
【0025】
図3は、保守現場関係者とメンテナンス支援センタ間の情報交換実施例を示す。作業現場リモコンカメラにて点検している対象物を作業現場作業員が映し、メンテナンス支援センタ員がズーム操作等により必要点検箇所をより詳細に見ることにより、対象物の処置を音声により伝えることが出来る。画面表示では、現場で移動不可能な重量物の点検部位にデジタルカメラ1を持参した映像を表示させている。
【0026】
図4には、具体的作業運用方法を示す。実際の作業現場では、ユーザ作業管理者29により全ての作業が実施される。実務作業者への管理監督は、作業監督者28により実施される。ユーザの契約形態により、メーカからの指導員30の派遣が有る場合と無い場合がある。何れの場合においても、ユーザ作業管理者29は、作業要領が不明であったり点検結果が曖昧だったり、前回の点検結果との比較等が必要になった場合には、遠隔保守作業支援システム31へアクセスすることにより、32〜34の必要情報をセンタ員から入手することが可能である。その情報手段は、動画映像,紙,音声等で実施される。
【0027】
図5には、情報入出力フローを示す。図4で記載した作業運用方法に対する実際の情報のやりとりは、ユーザ現場側で実施される作業36に対して、ユーザ現場とメンテナンス支援センタ内とのやりとり37で一連の作業が完了するようになっている。
【0028】
このように、本実施例では、ユーザに対して最適な技術支援を提供するために、従来の技術者派遣或いは写真,要領書及び電話連絡等により実施していた作業形態を大幅に改善し、通信回線(ISDNやインターネット,イントラネット,映像通信)を介して、複数現場を同時に作業支援するために点検や作業状況,方法を電子化した情報としてデータベース化することにより、後継者や新規の作業者への技術支援が行えるように設備毎の最適保守作業方法を確保出来るメンテナンス支援システムを提供することができる。
【0029】
又、このシステム導入による保守人件費を大幅に削減でき、作業支援を提供する側においても指導員を多量に必要としなくなり、又、精度の良いメンテナンスが出来る等のメリットを有している。
【0030】
大型蒸気タービン,ガスタービンと蒸気タービンから構成される複合発電設備等においては、その定期点検作業時には、作業エリアがビルの地下1階から地上3階までの各フロアで、同時に進められているために、ユーザ保守担当者及び少人数メーカ指導員は、現場内を東奔西走している。そこで、本システムでは、分解,点検,組立対象となる機器毎に、1台若しくは複数台のデジタルカメラを設置しこのカメラによる現場の映像をユーザ保守担当者のパソコン画面とISDN回線を経由し、メーカ保守支援センタへ伝送することにより作業実施内容評価・提案を行うことで作業の効率化,事務処理の削減、が可能となる。又、現場には、この通信回線に連結された書画装置が設置されており、点検時の記録を電子化することにより、部品毎の来歴や損傷度合いの傾向管理等の処理が容易に実施出来る。
【0031】
本実施例によるユーザ側のメリットは、以下に示す通りである。
(1)技術者の派遣費用低減が図れる。
(2)複数機器を同時に分解組立点検の作業を監視,管理,指導が可能となる。
(3)各作業をビデオに収録することで、各機器毎の作業要領書の作成が容易に行える。
(4)ビデオ収録により、次回作業員への作業前や作業中の教育に活用出来る。
(5)点検記録等を電子化することで、部品毎の来歴を容易に管理することが出来、事務処理の効率化と紙面の排除が出来る。
(6)技術提供側においては、一人の技術者により複数現場の作業指導が可能であり、技術者の削減が図れる。
(7)点検記録等において、部品判定等の伝達において伝達が困難であった色彩や詳細な光沢等の情報も、リアルタイムに入手出来、又待ち時間の排除が可能となる。
(8)現場で撮影された部品映像を、図面と関連ずけることにより、作業者やユーザ側が部品発注するときや交換を実施するとき、誤って組み込む事を防止することが出来る。
(9)部品情報を図面と映像で、作業者やユーザ,メーカ内作業者へ提供できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、保守作業現場の実務担当者を強力に作業支援することができる保守作業支援システムおよびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メンテナンス支援システム構成図(例)を示す図。
【図2】ユーザ保守関係者とメンテナンス支援センタ間の情報交換実施例。
【図3】保守現場関係者とメンテナンス支援センタ間の情報交換実施例。
【図4】具体的作業運用方法。
【図5】情報入出力フロー。
【符号の説明】
1,2…デジタルカメラ、3,7,10…パソコン、4,11…書画装置、5…リモートコントロールカメラ、6…動画サーバ、8,9…ダイアルアップルータ、12…動画記録用ビデオ、13…動画モニタコントロールパソコン、14…データベース構築用パソコン、15…イントラネット、16…タービン技術者、17…発電機技術者、18…計装/制御技術者、19…部品図面データベース、20…点検記録データベース、21…分解組立要領書データベース。
Claims (2)
- 保守作業現場のコンピュータと通信回線を介して接続され、前記保守作業現場で撮影された保守作業対象機器の画像情報及び保守作業員の問い合せ情報を受信するメンテナンス支援センタの保守作業支援用コンピュータと、
前記保守作業対象機器の構成部品情報を構築された部品図面データベースと、
前記保守作業対象機器の過去の保守点検作業の履歴情報が構築された点検記録データベースと、
前記保守作業対象機器の分解組立要領に関する情報が構築される分解組立要領データベースとを備え、
前記保守作業支援用コンピュータは、前記保守作業現場のコンピュータから送信された保守作業対象機器の画像データ及び保守作業現場からの問い合せ情報を、前記メンテナンス支援センタからイントラネット介して、前記保守作業対象機器の関連部署の技術者コンピュータに送信し、前記部品図面データベース,点検記録データベース、または分解組立要領データベースの中から保守作業支援に必要とするデータ、及び前記技術者コンピュータから音声,映像による作業指導情報を前記保守作業現場のコンピュータに送信するものであることを特徴とする保守作業支援システム。 - 保守作業現場の保守作業員を支援する保守作業支援方法において、
保守作業現場で撮影された保守作業対象機器の画像情報、及び保守作業員の問い合せ情報をメンテナンス支援センタの保守作業支援用コンピュータで受信して、前記メンテナンス支援センタからイントラネット介して、前記保守作業対象機器の関連部署の技術者コンピュータに送信し、この問い合せ情報に対して、前記保守作業対象機器の構成部品情報を構築された部品図面データベース、前記保守作業対象機器の過去の保守点検作業の履歴情報が構築された点検記録データベース、前記保守作業対象機器の分解組立要領に関する情報が構築される分解組立要領データベースの中から保守作業支援に必要とするデータ、及び前記技術者コンピュータから音声,映像による作業指導情報を前記保守作業員に提供することを特徴とする保守作業支援方法。
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