JP3736507B2 - 自動販売機およびその商品搬出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、たばこ等の箱型商品を要求に応じて販売口に放出する自動販売機に関し、特にそのような機器における商品搬出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動販売機の商品搬出装置として、例えば、図13に一部破断して側面図で示すものが知られている。符号103で総括的に示されたこの商品搬出装置は、図示しない内蔵のナピアネジ機構(例えば、特開2000−247424号公報参照)によって往復動する可倒式のプッシャ104により、商品収納コラム101の商品収納通路101a内に積み上げられた箱形商品102のうち、最下位にある商品102aを順次前方の開口部101bから押し出して搬出する構成である。この開口部101bは、商品搬出通路へと連通している。
【0003】
また、商品載置台としてのこの商品搬出装置103は、商品収納コラム101への商品収納数を増加させるため、前後2列に商品102を積み上げられるように奥行き方向に長く形成されており、図13から分かるように各商品102の長さの2倍よりも長い。次販売商品102bは、最下位商品102aの搬出に伴って商品搬出装置103上に落下して、次の最下位商品102aとなり、上記と同様の搬出動作によって搬出されるようになっている。
【0004】
また、従来の商品搬出装置の別例として、図14に一部破断して側面図で示すように、特開平6−20147号公報に開示されたものがある。総括的に符号201で示されたこの商品搬出装置は、周回する無端の搬出ベルト204に設けられたプッシャ203によって、商品収納コラム101の商品収納通路101a内に積み上げられた箱形商品102のうち、最下位商品102aを順次前方の開口部101bに向かい押し出して搬出する構成であり、商品載置台としての商品搬出装置201の奥行き方向の寸法は、商品102よりも相当に長く設計されている。
【0005】
なお、この搬出ベルト204は、駆動部205によって周回するようになっている。搬出ベルト204の周回に連動し、押し出される最下位商品102aの後方の下面に周期的に出没する姿勢制御部材206は、最下位商品102aの移動に伴い落下する次販売商品102bの後端部を持ち上げ、当該次販売商品102bの姿勢をほぼ水平に規制するようになっている。
【0006】
上述のように、また、図13および図14から分かるように、商品載置台としての従来の商品搬出装置103、201は、その長さが販売商品102よりも実質的に長く形成されている。このように形成する理由は、逆に商品搬出装置103、201が販売商品102よりも短いと、例えば、販売商品を盗むような目的で自動販売機が故意に揺すられた場合に、短いことにより生じた空間から販売商品102が落下してしまうことを防ぐためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、商品載置台の長さが販売商品102と同等に長いと、商品載置台上の最下位商品102aは、販売過程の最終段階まで水平状態を維持しながら前方へ押し出されてくるので、販売商品を押し出すために長い前方空間が必要となる。そのため、自動販売機の奥行き方向の長さが長くなり、自動販売機が大型化してしまう。また、大型化を避けるため、自動販売機の奥行き寸法を制限すれば、商品収納数が少なくなる。
【0008】
従って、本発明の目的は、自動販売機の奥行き寸法を小さくすることができ、また、自動販売機の奥行き寸法が限られている場合にも商品収納数を多くすることが可能な自動販売機およびその商品搬出装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の本発明によると、商品収納通路内に積み重ねられた販売商品を最下位商品から商品搬出通路に順次押し出すための自動販売機の商品搬出装置は、前記商品収納通路にある前記最下位商品の下方に位置して、同最下位商品の前端に向かい実質的に水平に延び、同最下位商品の前記前端の手前で終端する、前記販売商品の載置台となる水平部と、該水平部から上方に突出して、前記商品収納通路にある前記最下位商品の後端側にある販売待機位置と前記水平部の前端側にある商品搬出位置との間を往復動するように、前記水平部内に移動可能に取り付けられたプッシャと、前記水平部に載置された販売商品を支持する商品支持位置と該水平部の前端から下方に延びる商品払出し位置との間を揺動可能に前記水平部の前端近傍に枢着されたフロントアームと、前記プッシャが前記販売待機位置にあるときには前記フロントアームを前記商品支持位置に保持し、前記プッシャが前記商品搬出位置にあるときには前記フロントアームを前記商品払出し位置に保持するように、前記プッシャの往復動に連動して前記フロントアームを揺動させる連動機構とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
この場合、請求項2に記載の本発明のように、前記商品支持位置にある前記フロントアームが前記水平部の前端から突出する長さは、前記販売商品の水平長さの半分よりも短く設定されていることが好ましい。
【0011】
また、上述の目的を達成するため、請求項3に記載の本発明によると、商品収納通路内に上下方向に複数段のコラムとなって販売商品が積み重ねられており、各コラムの販売商品を最下位商品から商品搬出通路に順次押し出すために、各コラム毎に商品搬出装置を備える自動販売機において、前記商品搬出装置の各々は、対応するコラムにある最下位商品の下方に位置して、同最下位商品の前端に向かい実質的に水平に延び、同最下位商品の前記前端の手前で終端する、販売商品の載置台となる水平部と、該水平部から上方に突出して、前記対応するコラムにある前記最下位商品の後端側にある販売待機位置と前記水平部の前端側にある商品搬出位置との間を往復動するように、前記水平部内に移動可能に取り付けられたプッシャと、前記水平部に載置された販売商品を支持する商品支持位置と該水平部の前端から下方に延びる商品払出し位置との間を揺動可能に前記水平部の前端近傍に枢着されたフロントアームと、前記プッシャが前記販売待機位置にあるときには前記フロントアームを前記商品支持位置に保持し、前記プッシャが前記商品搬出位置にあるときには前記フロントアームを前記商品払出し位置に保持するように、前記プッシャの往復動に連動して前記フロントアームを揺動させる連動機構とを備え、前記商品払出し位置にある前記フロントアームは、前記商品収納通路を画成する壁体に前記最下位商品の搬出のため形成された開口部の下縁に当接することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明するが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。また、本発明は、以下の説明から分かるように、この実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0013】
図1は、本発明の実施例にかかる自動販売機の商品搬出装置を概略的に示しており、図8は、販売待機状態にあるこの商品搬出装置が組み込まれた自動販売機の一部を示している。図1および図8から分かるように、符号3で総括的に示された商品搬出装置のハウジングは、左右のケース部4、5を係合もしくは嵌合させることにより全体としてL形乃至横T形に構成されており、各ケース部4、5は、自動販売機の商品収納コラム1の壁面下端部に形成された凹部1dに嵌め込まれて実質的に垂直に延びる垂直部4a、5aと、この垂直部4a、5aから実質的に水平に延びて商品2を載置する台を提供する水平部4b、5bとから構成されている。各ケース部4、5は、適宜の樹脂(例えば、ABS樹脂)で一体成形することが好ましい。
【0014】
また、図8に示すように、垂直部5aの上下端面には、係止爪5c、5dが形成されており(図1では、記載を省略)、これらの係止爪5c、5dが、凹部1dを画成する上下壁面に形成された対応の係止穴1e、1fに係止することによって、ハウジング全体が商品収納コラム1に組み付けられるようになっている。なお、係止爪5dは、凹部1dに対する商品搬出装置3の脱着が容易になるように、弾性変形することにより下壁面から突出自在に形成されると共に、商品収納通路1a側から突出量を調節可能に形成されている。
【0015】
また、ケース部4、5にはその垂直部および水平部の接続個所近くに開口部11が形成されていて、後述するプッシャ10が販売待機位置から商品搬出位置に前進するときに、後述するスライドアーム8の一部がこの開口部11から露出して(図9〜図12参照)、落下する次販売商品2bの後端部を受け、該次販売商品2bが倒立するのを防止して、姿勢を制御できるようになっている。
【0016】
また、ケース部4、5には、図2および図3に示すように、後述するスライドアーム8の往復動時に、該スライドアーム8の一部が垂直部の干渉を受けないように逃がすための切欠部19、20が形成されている。これにより、水平部4b、5bの長手方向であるケース部4、5の奥行きの寸法を低減させている。符号を付していないが、同様の趣旨により、スライドアーム8の駆動部を構成するモータ6(図1)の一部を逃すために切欠部も設けられている。
【0017】
また、図1において水平部5bから突出して示されている売切れ検知アーム16は、収納商品2が売り切れたときに、商品2との当接から解放されて商品収納通路1a側に突出し、スイッチ17により商品2の売り切れを検知するものである。このスイッチ17と、後述するスイッチ15、モータ6、歯車列7(モータ6と共にスライドアーム8の駆動部を構成する)等は、基板9に実装され、この基板9はケース部5の垂直部5a内に適宜の手段で固定されている。なお、図示しないが、売切れ検知アーム16の右端部は、水平部5b内を図1において右側に延び、スイッチ17の作動領域に入っている。売切れ検知アーム16はプッシャ10がその上を往復動する毎に上下方向に揺動し、これによりマイクロスイッチであるスイッチ17もオン・オフ動作する。しかし、この実施例において、電気回路(図示せず)は、スライドアーム8を駆動するモータ6の作動中はスイッチ17の状態変化を無視する設計となっており、モータ6の不作動期間中にスイッチ17に状態変化があった場合にのみ「売切れ」と判断することができる。
【0018】
次に、円弧状に形成されたスライドアーム8は、図1〜図3に示すように、その先端部に連結された商品押出し用のプッシャ10を水平部4b、5b上で往復動させるために、ケース部4、5の垂直部4a、5aおよび水平部4b、5bの内側面に同様に円弧状に形成されたスライドアーム用ガイド溝18およびスライドアーム用レール18aに案内されて円弧状の軌道に沿って往復動するように設計されている。水平部4b、5bにあるスライドアーム用ガイド溝18およびスライドアーム用レール18aの部分は、水平部のほぼ中央から先端にかけて上向きに湾曲し、プッシャ10の上動を許容するようになっている。スライドアーム8の外周部(半径方向外側の周面)には歯状部8a(特に図2参照)が形成されていて、この歯状部8aが、モータ6の駆動力を減速して伝達する歯車列7の歯車7aと噛み合っている。
【0019】
また、スライドアーム8の先端近辺の左右側面からは、図3から分かるように、プッシャ10に係合するためのピン8bが延びている。プッシャ10は、販売商品に当接しうるブロック状の押板10Aと、上端で該押板10Aを支持すると共に、下端に突起部10bを有する左右のアーム部10Bとを備えている。スライドアーム8に設けたピン8bは、プッシャ10のアーム部10Bに設けられた湾曲状の長穴10aに挿通されていて、プッシャ10が所望の運動をするように、スライドアーム8の往復動に伴なって該長穴10a内を摺動可能に設計されている。
【0020】
また、スライドアーム8の側面部には、スライドアーム用ガイド溝18に係合し、当該スライドアーム用ガイド溝18内を摺動する突起部8cが形成されている。なお、スライドアーム8およびプッシャ10は、本発明の好適な実施例においては、樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂)で一体成形されている。
【0021】
スライドアーム8に連動するプッシャ10は、図1〜図3から了解されるように、その突起部10bが、ケース部4、5の内側面に形成されたプッシャ用ガイド溝12に案内されて、水平部4b、5b上で往復動するようになっている。プッシャ用ガイド溝12および長穴10a等の寸法および形状も、プッシャ10が水平部4b、5bのほぼ中央から先端部に向かい進むに連れて水平部からの突出高さが徐々に高くなるように、かつ商品搬出の最終段階に接近するとプッシャ10の大部分が水平部4b、5bの先端部よりも前方に突出するように、設定されている(図9〜図12参照)。これは、図11に図解するように、最下位商品2aが商品搬出通路1bへ払い出されるときに、次販売商品2bをプッシャ10により持ち上げて或いは支持して、同次販売商品bの前端面下縁を、一定高さHを有する販売商品よりも高さhだけ高くして、プッシャ10の前方における開口部1cのスペースSを拡張し、以って最下位商品2aを確実に払い出すと共に、次販売商品2bの落下時の姿勢を安定させるためである。
【0022】
また、プッシャ10には、アーム部10Bにある突起部10bにピン10cが設けられている。このピン10cは、図2および図3に特に良く示すように、水平部5b内を往復動自在に装着された箱状のスライドピース14の前後端に形成された突起部14aと、プッシャ10の動作ストロークの両端部においてそれぞれ係合するようになっている。即ち、傾斜段部14bを有するスライドピース14は、プッシャ10が前端位置と後端位置にきたときに動作し、この傾斜段部14bと当接するスイッチ15(例えば、マイクロスイッチ)をON/OFFさせることにより、プッシャ10の位置検知がなされるように構成されている。
【0023】
そして、この位置検知情報を利用してモータ6の回転方向を正逆いずれかに制御し、プッシャ10の動作方向を制御できるようになっている。なお、図示例では、プッシャ10が水平部4b、5bの前端部にきたときに(図3の商品払出し位置)、傾斜段部14bがスイッチ15のアームを押し込んでONとなり、プッシャ10が水平部4b、5bの後端部にきたときに(図2の販売待機位置)、スイッチ15のアームが復帰してOFFとなるように設計されている。
【0024】
次に、水平部4b、5bの前側には、樹脂成型品であることが好ましいフロントアーム13が揺動可能に設けられている。このフロントアーム13は、図4〜図7に関連して後から詳細に説明する連動機構により、その後端部を水平部4bの比較的に前側の部分に軸支され、プッシャ10の位置に応じて上下に揺動するようになっていて、このような揺動により最下位商品2aの姿勢を制御して、当該商品2aを保持し、又は払出しを促進するために設けられている。即ち、図8に示すように、販売待機状態においては、フロントアーム13は、最下位商品2aの下面先端部に当接し、この商品の姿勢を水平に保つように水平部4b、5bと協働して保持している。
【0025】
そのため、従来の自動販売機では、商品の積み上げ収納数が少なくなり、最下位商品に上方からかかる商品荷重が少ないときには、悪戯等によって自動販売機が揺すられたりすると、最下位商品の姿勢が不安定になって、開口部から商品が落下したり、或いは商品姿勢が乱れて販売時に商品詰まりを起こしてしまうことがあったが、本発明の自動販売機では、フロントアーム13が販売待機状態で上がって最下位商品2aの下面先端部に当接し、商品載置台のように擬似的に作用して当該商品の姿勢を水平に保つので、商品2の収納数にかかわらず、安定かつ確実に最下位商品2aを保持できるようになっている。
【0026】
プッシャ10の往復動に連動してフロントアーム13を上下に揺動させる連動機構について、図4〜図7を参照して説明する。図4において、符号30で示された連動機構は、ピン13aで軸支されたフロントアーム13側にある部材として、同フロントアーム13の反対方向に延びる一体構造の制御アーム13bを含むと共に、プッシャ10の往復動を、この制御アーム13bを介してフロントアーム13に上下動として伝える部材として横方向に長いスライダ31を含んでいる。スライダ31にはトラック状の横長溝31bが形成されていて、該横長溝31bに、水平部4bの壁面から突出した同様に横長の突起部32が嵌ることにより、スライダ31は、横長溝31bおよび突起部32の横方向寸法差により規定される長さだけ図において左右の横方向に移動可能となっている。また、スライダ31には、横方向の異なる位置に、弾性変形可能の第1、第2アーム状突起33、34が設けられており、上から見て山形の該第1、第2アーム状突起33、34は、図4の紙面に垂直方向に延びてプッシャ10の往復動領域に入っている(図5、6参照)。また、スライダ31の前端31aは、図4において手前側にほぼ90度湾曲しており、制御アーム13bの揺動領域に入っている。スライダ31の後端31cは、前端31aとは逆方向にほぼ90度湾曲していて、プッシャ10の往復動領域に入っている。
【0027】
上述したような連動機構30の介在により、フロントアーム13は、商品押出し時にプッシャ10が前進して最下位商品2aを押し出すときに、下方位置に揺動し、そして、プッシャ10が再び販売待機位置に戻るときに、最終的にほぼ水平状態に復帰する。このフロントアーム13の動作について、プッシャ10が販売待機位置から商品搬出位置に移動するまでの過程を示す図4〜図7を参照して更に説明する。
【0028】
図4に示す販売待機状態では、プッシャ10は販売待機位置にあり、プッシャ10のアーム部10Bがスライダ31の後端31cに係合して、スライダ31を後退位置に保持している。一方、スライダ31の前端31aは、フロントアーム13の制御アーム13bに上から係合して、フロントアーム13を略水平状態(最下位商品の実質的な支持状態)に保持している。
【0029】
プッシャ10による搬出動作が開始されると、図5に示すように、プッシャ10が前進してその突起部10bがスライダ31の第1突起33に当接するようになり、更に前進すると、図6に示すように、スライダ31の前端31aが制御アーム13bから外れるため、フロントアーム13は自重で図示のように回動する。その後、スライダ31に形成した横長溝31bの一端が水平部4bに設けられた突起部32に突き当たり停止すると、プッシャ10は、突起33を弾性変形させながらそれを乗り越えて前進を続け、図7に示す最終的な商品搬出位置に移動する。
【0030】
なお、プッシャ10が後退移動を開始すると、プッシャ10は、スライダ31の第2突起34に当り、スライダ31と共に後退する。スライダ31の後退に伴い、その前端31aがフロントアーム13の制御アーム13bに当り反時計方向に回動させるので、フロントアーム13は下降位置から略水平状態に揺動する。このようにしてフロントアーム13が略水平状態に戻ると、スライダ31に形成した横長溝31bの他端が水平部4bに設けられた突起部32に突き当たり、スライダ31はその当接位置で停止する。また、スライダ31の停止に伴い、プッシャ10はスライダ31の第2突起34、第1突起33をこの順に乗り越えて、図4の販売待機位置まで停止する。
【0031】
以上のように、フロントアーム13は、一連の商品払出し過程において、搬出落下する最下位商品2aに干渉しないような位置に退避して落下動作を補助する一方で、販売待機状態への移行時にプッシャ10が後退しようとすると(図12の状態から図8の状態に移行するとき)、フロントアーム13は、上方に回動してほぼ水平状態となり、落下してくる次販売商品2bを確実に保持するようになっている。
【0032】
なお、上述の商品落下動作を補助するために、ほぼ水平状態のフロントアーム13が水平部4b、5bから突出する長さは、商品2の水平長さ(奥行き方向の長さ)の半分よりも若干短く設定されている。これは、商品2がプッシャ10により前方に押されて回動落下するときの支点(フロントアーム13の先端部)を若干手前に形成し、いち早く姿勢を崩して回動させ、迅速に落下できるようにすることを企図したものである。
【0033】
図11に示すように、また、前述したように、最下位商品2aが商品搬出通路1bに落下する瞬間には、プッシャ10が次販売商品2bを支持してその前端部を持ち上げているので、該次販売商品2bの前端部の下方にあるスペースSが拡張できる。最下位商品2aが落下するときには、フロントアーム13は落下に支障のない位置に既に回動しているので、当該商品2aは図11において反時計方向に回動し落下する。その際、前述した拡張スペースSが当該商品2aの回動を容易にする余裕のスペースとなるため、当該商品2aの後端部が次販売商品2bの前端部に引っかかることがなく、円滑な商品搬出を行うことができる。
【0034】
また、ケース部4、5の垂直部4a、5a内にプッシャ10を動作させるための主たる駆動機構(モータ6、歯車列7、スライドアーム8の歯状部8a)を設けると共に、基板9も垂直部4a、5a内に設けたので、スペースを有効に使用することができ、自動販売機の奥行き寸法を低減できる。特に、ケース部4、5の垂直部4a、5aおよび水平部4b、5bの内部に円弧状に動作するスライドアーム8を設けたことにより、狭いスペース内で大きな動作ストロークを確保でき、装置の小型化に寄与している。
【0035】
また、帯状のスライドアーム8の外周部には、モータ6の駆動力を伝達する歯車列7と噛み合う歯状部8aを形成したので、スライドアーム8を確実に動作させることができると共に、各種歯車の組み合わせにより、狭いスペースでも所定の駆動力を確保することができる。
【0036】
また、ケース部4、5の水平部4b、5b内には上記主たる駆動機構を設ける必要がないために、当該水平部4b、5bを薄型化でき、商品収納数を増加することができる。例えば、本発明の実施例にかかる商品搬出装置3を、従来技術とほぼ同一条件で商品収納コラムに配設した場合、自動販売機全体において商品数を100個程度増加できることが確認できた。更に、上述したように、プッシャ10およびフロントアーム13等の協働によって、商品2の姿勢を安定に制御し、当該商品2を確実に保持して搬出することができる。
【0037】
なお、図7は、上下方向に複数段の商品収納コラム1が設けられている自動販売機において2段目から上の商品搬出装置3を示しており、この場合、最下位商品2aの払出し時に、フロントアーム13は、その先端が商品搬出通路1bを画成する壁体に形成された開口部1cの下縁に図示のように当接するので、それ以上は回動しない(しかし、その下段域に設置された商品搬出装置3のフロントアーム13は90度まで下側に回動する。)。これは、当該商品搬出装置3の下部域に設置された商品収納コラム1の最上位販売商品にフロントアーム13が確実に干渉しないようにするためである。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の本発明によれば、自動販売機の商品搬出装置は、プッシャが販売待機位置にあるときにはフロントアームを商品支持位置に保持し、プッシャが商品搬出位置にあるときにはフロントアームを商品払出し位置に保持するように、プッシャの往復動に連動してフロントアームを揺動させる連動機構を備えているので、プッシャが販売待機位置にあるときに、フロントアームはほぼ水平状態を保って擬似的に商品載置台を形成し、不測の揺れが生じた場合でも販売商品が誤って投げ出されることがないばかりか、商品搬出時にはフロントアームが商品払出し位置に揺動して、商品載置台が短縮されるので、水平部基端からの販売商品の縁切り位置が短くなる。従って、自動販売機の奥行き寸法を小さくすることができると共に、自動販売機の奥行き寸法が限られている場合にも商品収納数を多くすることが可能である。
【0039】
また、請求項2に記載の本発明によれば、前記商品支持位置にある前記フロントアームが前記水平部の前端から突出する長さは、前記販売商品の水平長さの半分よりも短く設定されているので、最下位商品がプッシャにより前方に押されて回動落下するときの支点(フロントアームの先端部)を手前に形成し、いち早く販売商品の姿勢を崩して回動させ、迅速に落下させることができる。
【0040】
更に、請求項3に記載の本発明は、商品収納通路内に上下方向に複数段のコラムとなって販売商品が積み重ねられており、各コラムの販売商品を最下位商品から商品搬出通路に順次押し出すために、各コラム毎に商品搬出装置を備える自動販売機に向けられており、この商品搬出装置は、請求項1に記載の構成に加えて、商品払出し位置にあるフロントアームが商品収納通路を画成する壁体に最下位商品の搬出のため形成された開口部の下縁に当接する、という構成を更に備えているため、当該商品搬出装置の下部域に設置された商品収納コラムの最上位販売商品にフロントアームが干渉することを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】販売待機状態におけるスライドピースの位置(スイッチOFF状態)を示す商品搬出装置の部分斜視図である。
【図3】商品払い出し状態におけるスライドピースの位置(スイッチON状態)を示す商品搬出装置の部分斜視図である。
【図4】プッシャおよびフロントアーム間にある連動機構の構成および作用について説明するための概要図で、プッシャは販売待機位置にある。
【図5】図4と同様の概要図で、プッシャは販売待機位置から若干前方に移動した位置にある。
【図6】図4と同様の概要図で、プッシャは更に前進してフロントアームが下降過程にある状態を示している。
【図7】図4と同様の概要図で、プッシャは商品搬出位置にある。
【図8】自動販売機の商品収納通路に配置された本発明の商品搬出装置の販売待機状態を一部断面で示す側面図である。
【図9】プッシャがケース部水平部の中央位置まで進んだ状態を示す図8と同様の側面図である。
【図10】プッシャが更に前進し最下位商品がフロントアーム上に落下する直前の状態を示す図8と同様の側面図である。
【図11】プッシャがケース部水平部の先端まで前進し最下位商品が払い出される状態を示す図8と同様の側面図である。
【図12】最下位商品が払い出された直後に次販売商品が落下した状態を示す図8と同様の側面図である。
【図13】従来の自動販売機における商品搬出装置の一例を部分的断面で示す側面図である。
【図14】従来の自動販売機における商品搬出装置の別例部分的に断面で示す側面図である。
【符号の説明】
1 商品収納コラム
1a 商品収納通路
1b 商品搬出通路
1c 開口部
2 販売商品
2a 最下位商品
2b 次販売商品
3 商品搬出装置
4、5 ケース部
4a、5a 垂直部
4b、5b 水平部
8 スライドアーム
10 プッシャ
13 フロントアーム
30 連動機構
31 スライダ
Claims (3)
- 商品収納通路内に積み重ねられた販売商品を最下位商品から商品搬出通路に順次押し出すための自動販売機の商品搬出装置において、
前記商品収納通路にある前記最下位商品の下方に位置して、同最下位商品の前端に向かい実質的に水平に延び、同最下位商品の前記前端の手前で終端する、前記販売商品の載置台となる水平部と、
該水平部から上方に突出して、前記商品収納通路にある前記最下位商品の後端側にある販売待機位置と前記水平部の前端側にある商品搬出位置との間を往復動するように、前記水平部内に移動可能に取り付けられたプッシャと、
前記水平部に載置された販売商品を支持する商品支持位置と該水平部の前端から下方に延びる商品払出し位置との間を揺動可能に前記水平部の前端近傍に枢着されたフロントアームと、
前記プッシャが前記販売待機位置にあるときには前記フロントアームを前記商品支持位置に保持し、前記プッシャが前記商品搬出位置にあるときには前記フロントアームを前記商品払出し位置に保持するように、前記プッシャの往復動に連動して前記フロントアームを揺動させる連動機構と、
を備えることを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。 - 前記商品支持位置にある前記フロントアームが前記水平部の前端から突出する長さは、前記販売商品の水平長さの半分よりも短く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品搬出装置。
- 商品収納通路内に上下方向に複数段のコラムとなって販売商品が積み重ねられており、各コラムの販売商品を最下位商品から商品搬出通路に順次押し出すために、各コラム毎に商品搬出装置を備える自動販売機において、
前記商品搬出装置の各々は、
対応するコラムにある最下位商品の下方に位置して、同最下位商品の前端に向かい実質的に水平に延び、同最下位商品の前記前端の手前で終端する、販売商品の載置台となる水平部と、
該水平部から上方に突出して、前記対応するコラムにある前記最下位商品の後端側にある販売待機位置と前記水平部の前端側にある商品搬出位置との間を往復動するように、前記水平部内に移動可能に取り付けられたプッシャと、
前記水平部に載置された販売商品を支持する商品支持位置と該水平部の前端から下方に延びる商品払出し位置との間を揺動可能に前記水平部の前端近傍に枢着されたフロントアームと、
前記プッシャが前記販売待機位置にあるときには前記フロントアームを前記商品支持位置に保持し、前記プッシャが前記商品搬出位置にあるときには前記フロントアームを前記商品払出し位置に保持するように、前記プッシャの往復動に連動して前記フロントアームを揺動させる連動機構とを備え、
前記商品払出し位置にある前記フロントアームは、前記商品収納通路を画成する壁体に前記最下位商品の搬出のため形成された開口部の下縁に当接することを特徴とする自動販売機。
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