JP3736593B2 - 画像処理装置および画像平滑化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル画像データを処理する画像処理装置に関し、特に多値のディジタル画像データに平滑化処理を施す画像処理装置およびその画像平滑化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、編集ソフトウェアや、スキャナ、電子スティルカメラ等の画像入力機器の発達、普及に伴い、例えば写真やイラスト等の絵柄部分と文字等の線画部分が混在した画像(以下、混在画像と呼ぶ)をプリントアウトあるいはコピーする機会が増えている。このような混在画像をプリントアウトする際に、線画部分については、例えば米国特許第4,437,122号明細書に開示されているような、段差を滑らかにするスムージング処理を施してプリントアウトすることが一般的に行なわれている。一方、絵柄部分については、スムージング処理により逆に原画像に対する忠実度が低下する場合があるため、スムージング処理を施さないほうが好ましい。
【0003】
このような方法を用いた従来の技術として、例えば特開平8−139918号公報に開示されている技術がある。この技術は、入力された多値画像を閾値によって分離し、閾値以下の部分については、画素を主走査方向にn個(nは2以上の整数)に分割した微画素を用いてディザ処理を施し、閾値を越える部分についてはディザ処理と同様の微画素を用いてスムージング処理を施して、2つの処理後の画像を論理和にて合成している。しかし、例えばディザパターンとして、副走査方向と平行な直線群であり、各直線の線幅が入力濃度値に比例するようなディザパターン(万線スクリーンパターン)を用い、ある色成分において所定濃度の背景上に文字がある場合に、この技術を適用すると、同一画素内にスムージング処理により付加された画素とディザパターンによる画素が存在することがある。このように同一画素内に両画像の画素が存在すると、不必要な画素の連結が起こり、スムージングの効果が低減するだけではなく、かえって不必要な文字や線画の太りを引き起こしてしまうという問題がある。
【0004】
一方、別の技術として、例えば特開平7−221971号公報に開示されているように、複数の画像を構成する多値画像データを比較して、最大または最小の色成分を有する画像を優先し、複数の画像を合成する技術がある。なお、この文献では、最大の色成分を有する画像を優先するか、最小の色成分を有する画像を優先するかはあらかじめユーザーが指定している。このような合成の技術を上述のスムージング処理に適用し、例えばディザパターンとして万線スクリーンパターンを用い、全面ディザ処理した画像とスムージング処理を文字部のみに施した画像とを合成することを考える。この場合、スムージング処理により付加された画素とディザ処理によりディザパターンが存在する画素のどちらかしか選択できない。そのため、例えばスムージング処理により付加された画素の方が色成分が小さい場合には、最大値を優先して合成するとスムージングの効果が現れなくなり、最小値を優先して合成するとスムージング処理により付加された画素とディザパターンとの継ぎ目で白く抜けたようになってしまうという問題があった。
【0005】
例えば特開平8−23446号公報においても、多値画像から文字/線画を抽出して平滑化を施した後、絵柄部データと合成しているが、平滑化処理の結果が0,255以外の場合には平滑化処理の結果を優先して出力しており、例えば平滑化処理で付加された画素については優先される。そのため、文字/線画部分は平滑化されて良好な画質が得られるが、上述のようにエッジ部分では白抜けを引き起こして画質が低下する可能性があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、画像を平滑化処理する際に、平滑化処理による画像とそれ以外の画像との継ぎ目における白抜け等の発生を防止し、平滑化処理の効果を最大限に発揮させて、より高い画質でプリントアウト可能な画像を形成する画像処理装置および画像平滑化方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力された多値の原画像データに対して平滑化処理を施すとともに、入力された原画像データの各画素がエッジか否かを判定し、その判定結果により前記原画像データの画素がエッジであると判定された場合に、平滑化処理により平滑化された画素と原画像データの画素のうち値が大きい方の画素を選択して出力し、エッジと判定されなかった場合には前記原画像データを出力するので、例えば平滑化処理によって付加される画素において白抜けが目立つ恐れのある場合には原画像データの画素を選択して白抜けを回避し、白抜けが目立たない場合には平滑化された画素を選択して平滑化処理の効果を発揮させることができる。そのため、白抜けなどの不具合が発生することなく、平滑化処理の効果を最大限に発揮させることができ、より高い画質の出力画像を得ることのできる画像を出力させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。図中、1はバッファ、2は2値化部、3は平滑化処理部、4はエッジ検出部、5はセレクタである。
【0009】
バッファ1は、入力端aに入力される原画像データを一時的に保持し、遅延量の調整を行なうとともに、以降の処理で主走査方向m画素×副走査方向n画素のブロック(以下、m×nブロックと呼ぶ)のデータが必要な場合に、そのブロックデータを形成する。2値化部2は、原画像データに基づいて2値画像データを作成する。平滑化処理部3は、2値化部2において作成された2値画像データに対して平滑化処理を施し、平滑化画像データを出力する。エッジ検出部4は、原画像データからエッジを検出し、エッジに関係するエッジ情報を出力する。セレクタ5は、バッファ1内の原画像データまたは平滑化処理部3から出力される平滑化画像データのいずれかを、エッジ検出部4から出力されるエッジ情報に基づいて画素ごとに選択し、出力画像データを出力端bに出力する。
【0010】
図2は、本発明の画像処理装置の実施の一形態における動作の概要を示すフローチャートである。なお、図2において、iおよびjは先頭ラインの先頭画素を原点としたときの副走査および主走査方向における画素位置を示すインデックス、KおよびLは入力画像データの主走査および副走査方向の画素数である。また、Pは原画像データ、P’は平滑化画像データであり、添字i、jは各画像の主走査方向j番目、副走査方向i番目の画素であることを表わす。ここではP,P’は多値データである。関数smoothは画像に平滑化処理を施すことを、関数maxは最大値を取ることをそれぞれ表わしている。
【0011】
まずS101において、画素位置を示す添字i,jをともに0にリセットし、処理すべき画素を画像の先頭ラインの先頭画素に設定する。S102において、バッファ1に格納されている原画像データPに対し、2値化部2で2値化した後、平滑化処理部3で平滑化処理smoothを施し、平滑化画像データP’を得る。
【0012】
一方、エッジ検出部4では、バッファ1に格納されている原画像データPi,j がエッジであるか否かを調べる。S103でこれを判定し、エッジではない場合にはS104においてセレクタ5は原画像データPi,j を選択して出力する。原画像データPi,j がエッジであると判定された場合には、S105において、セレクタ5はエッジ検出部4が出力するエッジ情報に従って原画像データPi,j あるいは平滑化処理部3で平滑化された平滑化画像データP’i,j のいずれかを選択して出力する。ここでは、セレクタ5は画像データPi,j がエッジであった場合には原画像データPi,j と平滑化画像データP’i,j のいずれか大きい方を選択するものとしている。例えばエッジ部分の画素で、平滑化処理によって付加される画素の値が小さく、原画像データの画素の値が大きい場合、そのまま平滑化画像データを選択すると白抜けが目立つことがある。しかし、この処理によって原画像データの画素値の方が大きい場合には原画像データを選択し、白抜けを回避することができる。また、平滑化画像データの画素値の方が大きい場合には、平滑化処理を施して線画部分の画質を向上させることができる。
【0013】
S106では、処理すべき画素の位置がラインの終端に達しているか否かを判定し、ラインの途中である場合にはS107において添字jの値を1だけ増加させ、処理すべき画素の位置を隣に移す。そしてS102へ戻り、新たな画素についての処理を行なう。また、S106で処理すべき画素の位置がラインの終端に達している場合には、S108で最後のラインまで処理したか否かを判定し、未処理のラインが残っている場合には、S109において添字iの値を1だけ増加させて次のラインを処理すべきラインとし、添字jの値を0としてそのラインの始端の画素を処理すべき画素とする。そしてS102へ戻り、新たな画素についての処理を行なう。このようにして原点となる画素から最後のラインの終端の画素まで処理を繰り返し行なうことで、この処理を終了する。
【0014】
なお、このフローチャートは、1つの色成分に対する処理アルゴリズムを示したものである。入力される画像データが複数の色成分を有する場合には、本アルゴリズムを色成分ごとに適用すればよい。例えば、入力される画像データの各色成分が面順次、例えば入力画像データがイエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)・黒(K)各成分からなる場合にY→M→C→Kといった順序で原画像データが入力される場合には、入力される順に各色成分の画像を処理してゆけばよい。もちろん、入力される色の順序は任意であるし、また面順次に入力されなくてもよく、その場合にはバッファなどに一時的に蓄積したり、この画像処理装置を各色ごとに設け、マルチプレクサなどで切り換えるようにしてもよい。また、入力される画像データの色は、YMCKに限らず、例えばRGBやL* a* b* といった他の色成分構成であってもよい。
【0015】
本発明の画像処理装置の実施の一形態について、一部では具体例を用いながら、さらに説明を加えてゆく。以下の説明では、入力される原画像データの具体例として1画素あたり8ビットの階調情報をもつ画像データ、すなわち画素値が0〜255の範囲の整数値をとる画像データであるとする。ここで、画素値が0の場合は最小濃度、画素値が255の場合は最大濃度、画素値が1〜254の場合はその値に応じた中間濃度を表わすものとする。また、入力端aには原画像データの先頭ラインの先頭画素から順に1画素づつ入力され、画像データが複数の色成分を有する場合には、色成分間は面順次で入力されるものとする。もちろん、入力される原画像データがこれらの条件に限定されるものではなく、各画像データの1画素あたりの階調数あるいは各画像データにおける画素値の意味を変えても、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0016】
入力端aに入力された画像データは、バッファ1で遅延調整された後、2値化部2およびセレクタ5に出力されるとともに、例えばm×nブロックに形成されてエッジ検出部4に出力される。ここでは一例として3×3ブロックとしてエッジ検出部4に渡されるものとする。
【0017】
2値化部2では、バッファ1から入力された画像データを所定の閾値と画素ごとに比較し、入力された画像データが閾値以上であれば‘1’を、入力された画像データが閾値より小さければ‘0’を出力する。図3は、本発明の画像処理装置の実施の一形態における2値化部の一例を示すブロック構成図である。図中、11はレジスタ、12は比較器である。レジスタ11は、2値化のための閾値を記憶している。比較器12は、バッファ1から出力される原画像データとレジスタ11より出力される2値化のための閾値とを画素ごとに比較し、画素値が閾値以上であれば‘1’を、画素値が閾値より小さければ‘0’を2値画像データとして出力する。ここでは固定閾値を用いた2値化手法を用いた例を示したが、これに限らず、他の2値化手法を用いてよい。
【0018】
平滑化処理部3では、2値化部2から入力された2値画像データに対して平滑化処理を施して出力する。図4は、本発明の画像処理装置の実施の一形態における平滑化処理部の一例を示すブロック構成図、図5は、5×5ブロックデータの説明図、図6は、パターン検出部で5×5ブロックデータと比較するパターンの一例の説明図、図7は、パターン検出部の一例を示す構成図、図8は、メモリの内容の一例の説明図である。図中、21はバッファ、22a〜22xはパターン検出部、23はメモリ、24a〜24dは論理否定素子、25は論理積素子である。平滑化処理部3では、2値化部4より出力される2値画像データを平滑化処理する。ここでは一例として5×5ブロックのデータをもとに、所定のパターンと一致した場合に平滑化パターンを出力する場合について示す。もちろん、ブロックの大きさは任意であるし、あるいは画素値を決定する手法も任意である。さらには平滑化処理の手法も任意である。
【0019】
バッファ21は、2値化部2より出力される2値画像データから、例えば図5に示す5×5ブロックのブロックデータ(P0、0 ,・・・,P4,0 ,P0,1 ,・・・,P4,4 )を作成するとともに、P2,2 の位置の画素値を注目画素値として出力する。
【0020】
パターン検出部22a〜22xは、バッファ21から出力される5×5ブロックデータと、図6に示すようなそれぞれ所定のパターン(a)〜(x)を比較する。図6に示すパターンにおいて、白い部分が画素値‘0’の画素、黒い部分が画素値‘1’の画素、ハッチングを施した部分は画素値が‘0’,‘1’のいずれでもよい画素を示している。なお、これらのパターンは平滑化すべき画素が判断できれば任意である。また、パターン数も任意である。ここではそれぞれのパターンについてパターン検出部を配置したが、1つのパターン検出部で数個あるいはすべてのパターンとの比較を行なうように構成してもよい。パターン検出部22a〜22xは、比較の結果、例えば比較するパターンと5×5ブロックパターンが一致した場合には‘1’、一致しない場合には‘0’を出力する。
【0021】
例えばパターン検出部22aは、図7に示すように論理素子によって構成できる。パターン検出部22aで比較する図6(a)に示すパターンから、5×5ブロックデータのうちP1,0 ,P1,1 ,P2,1 ,P2,2 が‘0’、P2,0 ,P3,1 ,P3,2 が‘1’であれば、出力を‘1’とする。このような論理とするため、P1,0 ,P1,1 ,P2,1 ,P2,2 については論理否定素子24a〜24dにより論理を反転して論理積素子25に入力し、P2,0 ,P3,1 ,P3,2 についてはそのまま論理積素子25に入力する。論理積素子25はこれらの論理積を演算し、出力値とする。もちろん、パターン検出部22a〜22xの構成は、これに限られるものではない。
【0022】
メモリ23は、パターン検出部22a〜22xからの出力に対応した画像データおよび制御データを保持している。例えばメモリ23には、図8に示すような内容のデータを保持させておくことができる。パターン検出部22a〜22xのいずれか1つから‘1’が出力された場合には、図8に示すデータをもとに、‘1’を出力したパターン検出部で比較したパターンに対応した画像データおよび制御データを平滑化画像データとして出力する。例えばパターン検出部22aで図6(a)に示すパターンと原画像データの5×5ブロックパターンを比較した結果、一致しており‘1’が出力され、他のパターン検出部22b〜22xからは‘0’が出力されていた場合には、図8に示すデータより画像データとして‘63’、制御データとして‘0111b’が出力される。なお、数値の末尾に‘b’の付くものは2進数を表わしており、以下同様である。なお、制御データについては後述する。
【0023】
また、2つ以上のパターン検出器から‘1’が出力された場合、および、すべてのパターン検出器から‘0’が出力された場合には、バッファ21より入力された注目画素値に応じた画像データおよび制御データを平滑化画像データとして出力する。例えば、バッファ21より入力された注目画素値が‘1’のときは、画像データとして‘255’、制御データとして‘1111b’を、‘0’のときは画像データとして‘0’、制御データとして‘1111b’を出力する。なお、2つ以上のパターンを検出した場合に、例えばパターン間で優先順位を予め決めておいて、検出した複数のパターンの中で最も優先順位が高いパターンに応じてメモリ23より画像データおよび制御データを出力してもよい。
【0024】
エッジ検出部4では、バッファ1から出力されるm×nブロックから、そのブロックの中心画素がエッジであるか否かを検出し、その検出結果に関する情報をエッジ情報としてセレクタ5に出力する。ここでは、一例として、バッファ1から3×3ブロックのデータが渡されるものとする。また、エッジ情報として、エッジの有無とともにエッジの方向を表わす情報を出力する例を示す。図9は、本発明の画像処理装置の実施の一形態におけるエッジ検出部の一例を示すブロック構成図、図10は、特定方向のエッジを検出するフィルタの一例の説明図、図11は、エッジ情報作成部において生成されるエッジ情報の説明図である。図中、31a〜31dはフィルタ、32はエッジ情報作成部である。
【0025】
エッジ検出部4は、図9に示す例では、フィルタ31a〜31dおよびエッジ情報作成部32から構成されている。フィルタ31a〜31dは、特定の方向のエッジを検出するフィルタである。それぞれ、例えば図10(A)〜図10(D)に示すエッジ検出オペレータを用いて3×3ブロックデータとの間で演算を行ない、その結果を出力する。使用するフィルタの数、フィルタ形状あるいはフィルタ係数はこれらに限定されず、原画像データのエッジを検出できるならばどのようなフィルタであっても構わない。もちろん、ブロックの大きさが3×3に限定されるものではない。
【0026】
エッジ情報作成部32は、フィルタ31a〜31dの出力の絶対値の最大値と閾値とを比較して比較結果を得る。また、いずれのフィルタの出力の絶対値が最大であったかを判定し、その判定結果と、その絶対値が最大であった出力の正負を得る。得られた比較結果、判定結果、出力の正負によって、エッジ情報を作成して出力する。このとき、例えば図11に示すようなデータに従ってエッジ情報を作成することができる。例えば、出力の絶対値の最大値が閾値以下である場合には、エッジ情報として‘000b’が出力される。また、例えば出力の絶対値の最大値が閾値より大きく、その出力がフィルタ34bから出力されており、出力が正であった場合には、‘101b’が出力される。なお、閾値は任意に設定すればよい。このエッジ情報は、1ビット目がエッジか否かを示し、2,3ビット目がエッジの方向を示している。
【0027】
2つ以上のフィルタからの出力の絶対値が同値かつ最大であった場合には、ここでは図11の優先順位に従うものとする。あるいは、出力の絶対値が同値のフィルタの組み合わせからエッジ情報を得てもよい。なお、図11に示したデータは、任意に設定してよい。
【0028】
セレクタ5では、バッファ1から入力される原画像データまたは平滑化処理部3から入力される平滑化画像データのいずれか1つの画像データの画素を、両画像データの画素値の比較結果およびエッジ検出部4から出力されるエッジ情報に基づいて選択して、出力端bに出力する。図12は、セレクタの選択動作の一例の説明図である。図12では、原画像データを‘IMAGE’、平滑化画像データを‘SMOOTH’と表記している。図12に示すように、セレクタ5は、エッジ検出部4から出力される3ビットのエッジ情報と、原画像データと平滑化画像データの画素値の比較結果と、原画像データの画素値をもとに、出力画像データを生成する。なお、この例ではセレクタ5は画像データとともに、後述する出力機器の制御のための制御データも出力する。
【0029】
例えば、エッジ検出部4でエッジを検出しないときは、エッジ情報が‘000b’であるので、出力画像データとしては原画像データを選択して出力し、制御データとして‘1111b’を出力する。また、例えばエッジ検出部4でエッジを検出し、エッジ情報が‘101b’である場合には、さらに原画像データの画素値と平滑化画像データの画素値を比較し、平滑化画像データの画素値の方が大きければ平滑化画像データの画素値と制御データを選択して出力し、原画像データの画素値の方が大きければ原画像データの画素値を選択して出力するとともに制御データとして‘1011b’を出力する。
【0030】
このようにして、エッジの部分では、原画像データと、原画像データを平滑化処理した平滑化画像データとの間で、いずれの画素値が大きいかによって画素値の大きい方が選択される。これにより、例えば線画の背景部分が目立つ色であって平滑化処理で画素が付加されたために従来では白抜けが発生していた部分では、平滑化処理の結果を採用せずに原画像データの画素を選択して白抜けを回避したり、背景が目立たない場合には逆に平滑化処理結果を採用して線画を滑らかに再生可能な画像データを出力することができる。そのため、出力画像データを用いて再現された画像の画質を向上させることができる。
【0031】
なお、エッジ情報にはエッジの方向に関する情報が含まれており、図12においてもエッジの方向によって出力する画像データおよび制御データを区別しているが、これは後述する出力装置の一例における特性に従ったものである。出力装置によってはエッジ検出部4でエッジの方向性を考慮しなくてもよいし、それにあわせて図12に示すようなセレクタ5の動作を設定してよい。もちろん、その後の画像処理や出力装置に応じてエッジの方向性に関する情報を用いてもよい。また、その後の画像処理や出力装置に応じて図12に示すデータは適宜設定すればよい。選択する条件も任意に設定可能である。
【0032】
次に、このようにして本発明の画像処理装置から出力された画像データ、および制御データに従って出力処理を行なう例を示す。ここでは一例として、パルス幅変調機能および強度変調機能を有するレーザービームプリンタに出力する場合について説明する。まず、パルス幅変調および強度変調について説明する。図13は、レーザービームプリンタにおいてパルス幅変調機能を実現するための一構成例を示すブロック図である。図中、41はD/A変換器、42は参照波発生器、43は比較器である。パルス幅変調はレーザー発光素子の発光タイミングを制御して画素の主走査方向の印字幅および印字位置を制御するための機能であり、例えば図13に示すような構成をレーザービームプリンタに備えることにより実現する。D/A変換器41は、入力された画素をその値に応じた電圧レベルの信号に変換する。参照波発生器42は、画素が入力される周期の自然数倍の周期の参照波を発生する。比較器43は、D/A変換器41の出力信号と参照波発生器42より発生される参照波とを比較し、D/A変換器41の出力信号の電圧レベルが大きい場合にはレーザー発光素子が発光する電圧レベルの信号を、参照波の電圧レベルが大きい場合にはレーザー発光素子が発光しない電圧レベルの信号を発生する。
【0033】
図14ないし図17は、レーザービームプリンタにおけるパルス幅変調の動作の一例の説明図である。図13に示す各点a,b,c,dにおける波形と、基準クロックおよび印字結果を示している。これらの例では、端子aに入力される画素値として順に‘FFh’,‘BFh’,‘7Fh’,‘3Fh’,‘0h’が2画素ずつ入力された場合を示している。ここで、末尾に‘h’を付加した値は16進数を示しており、以下同様である。図14ないし図17では、それぞれ参照波発生器42で発生する参照波の形状が異なる。図14に示した例では、参照波は1クロック中に下降して再び上昇する三角波形状である。そのため、D/A変換器41で変換後の電圧とこの参照波を比較器43で比較すると、1クロックの中央部でレーザー発光素子が発光する電圧レベルの信号が出力される。その幅は、D/A変換器41で変換後の電圧が高い方が広く、電圧が低くなるに従って幅は細くなる。そのため、この例による印字結果は、端子aに入力される画素値に応じた幅の領域が各画素の中央部に印字されることになる。
【0034】
図15に示した例では参照波として1クロック中で次第に減少する鋸波状の波形を発生させた場合を示している。この場合には、1画素中の印字される領域は、各画素の右端に寄って印字される。また、図16に示した例では逆に1クロック中で次第に増加する鋸波状の参照波を発生された場合を示している。この場合には、1画素中の印字される領域は、各画素の左端に寄って印字される。これらの場合も画素値に応じた幅となる。
【0035】
図17に示した例では、図15に示した次第に減少する波形と図16に示した次第に増加する波形を交互に発生させた参照波を用いている。この場合には、1画素おきに、印字される領域が左あるいは右に寄って印字される。この場合も画素値に応じた幅で印字される。
【0036】
図18は、レーザービームプリンタにおいて強度変調機能を実現するための一構成例を示すブロック図である。図中、44はレーザー発光素子、45は電流制御器である。強度変調は、レーザー発光素子44の発光強度を制御して露光スポットの大きさを変え、画素の副走査方向の印字幅を制御するための機能である。例えば図18に示すような構成をレーザービームプリンタに備えることにより実現する。電流制御器45は、入力される値に応じてレーザー発光素子44に供給する駆動電流を制御する。
【0037】
図19は、レーザービームプリンタにおける強度変調の動作の一例の説明図である。図18に示す各点a,bにおける波形と、基準クロックおよび印字結果を示している。この例では、端子aに入力される画素値として順に‘FFh’,‘BFh’,‘7Fh’,‘3Fh’,‘0h’が2画素ずつ入力された場合を示している。端子aに入力される画素値に応じて電流制御器45から出力される電流が制御され、印字結果に示すように画素の副走査方向の印字幅が変化する。このようにして画素値に応じた印字幅で印字を行なうことができる。
【0038】
このようなレーザービームプリンタに備えられているパルス幅変調機能および強度変調機能を用いることによって、平滑化処理による1画素以下の小領域の印字が可能である。例えば縦線の平滑化処理結果を印字する際には、図15および図16に示したパルス幅変調機能を用いて1画素以下の小領域を縦線に付加すればよい。また、横線であれば、強度変調機能を用いて1画素以下の小領域を付加すれば、平滑化結果を得ることができる。
【0039】
このような機能を選択するため、上述の画像処理装置から出力される制御データを用いる。例えば図12に示したようなセレクタ5から出力される4ビットの制御データのうち、上位2ビットを参照波選択指示信号として用いる。例えば、制御データの上位2ビットが‘01b’のときは図15、‘10b’のときは図16、‘11b’のときは図14に示した参照波を選択するように制御することができる。また、制御データの下位2ビットを、変調強度を選択する信号として用いることができる。例えば、制御データの下位2ビットが‘11b’のときに副走査方向の印字幅を全幅として、下位2ビットが‘00b’のときは1/4の印字幅、‘01b’のときは1/2の印字幅、‘10b’のときは3/4の印字幅となるように、電流制御器45はレーザー発光素子44に供給する駆動電流を制御するように構成することができる。
【0040】
このようにして、上述の画像処理装置から出力される画像データと制御データに従って印字記録を行なうことにより、平滑化処理の施された画像を印字することができる。平滑化処理によって例えば上述の図14ないし図16において画素値が‘3Fh’の場合などのように、1画素に細幅の領域しか印字しない場合が発生する。そのため、平滑化処理によって付加する画素の値よりも、原画像データの画素の値の方が大きい場合、従来はエッジ部分で白抜けが目立っていた。しかし本発明の画像処理装置では、このような白抜けが目立つと考えられる場合にはその画素を原画像データの画素として印字するため、白抜けが目立つようなことはない。また、白抜けが目立たない場合には、平滑化結果に従って印字することにより、上述のような出力制御によってエッジ部分が良好に印字されることになる。このようにして、高画質の画像を得ることができる。
【0041】
以下、具体的な画像データの例を用いて動作を説明する。図20は、本発明の画像処理装置の実施の一形態において入力される画像データの具体例の説明図、図21ないし図29は、同じく処理過程における画像データの具体例の説明図である。なお、各図において矩形は画素を表わし、各画素値あるいは各値は各図の右横に示すとおりであり、ハッチングによって区別している。また、画素値は0〜255の範囲の値を取るものとする。以下の説明では、各図によって画像全体の処理の様子を示すとともに、具体的な処理を示すため、一例として、各図において矢印で示した行および列の交点の画素、すなわち主走査方向に8列目、副走査方向に4行目の画素P7,3 について注目する。
【0042】
入力端aに図20に示す原画像データが入力されるものとする。この原画像データでは、画素値‘255’で斜めの直線が描かれ、その右側が白色であり、左側が画素値‘80’で塗りつぶされている。
【0043】
入力端aに入力された原画像データは、バッファ1で遅延調整された後、2値化部2に入力され、2値化される。例えば2値化を固定閾値で行なうものとし、2値化のための閾値の値を‘255’とすれば、図20に示す画像のうち画素値が‘255’以上の部分だけ抽出され、図21に示すような2値化画像データが得られる。画素P7,3 は‘0’になる。
【0044】
2値化部2で2値化された図21に示すような2値化画像データは、平滑化処理部3に入力され、平滑化処理を施される。例えば図6に示すパターン(a)〜(x)を用いてパターン検出を行ない、図8に示すメモリ23の内容に従って図21に示す2値化画像データに平滑化処理を施すと、その結果は図22に示す平滑化画像データと、図23に示す制御データが得られる。例えば画素P7,3 は、図6に示すパターン(a)に該当し、図8に示すメモリ内容から画素値‘63’、制御データ‘0111b’が得られる。
【0045】
また、入力端aに入力された原画像データは、バッファ1で3×3ブロックが形成されてエッジ検出部4に入力される。エッジ検出部4では図10に示すようなフィルタを用いたフィルタ処理の後、図11に示す条件に基づいてエッジ情報が作成される。画素P7,3 では、図10(B)に示すパターンを有するフィルタ31bにおいて‘−175’、他のフィルタは‘0’が演算されて出力される。図11に示す条件に従い、例えば閾値を‘85’とすると、フィルタ34bからの出力の絶対値は閾値より大きく、フィルタ34bの出力は負であるので、エッジ情報として‘100b’が出力される。
【0046】
セレクタ5では、バッファ1から入力される図20に示した原画像データの画素または平滑化処理部3から入力される図22に示す平滑化画像データの画素のいずれかを選択する。このとき、エッジ検出部4から出力される図24に示すエッジ情報、原画像データの画素値と平滑化画像データの画素値の比較結果、原画像データの画素値などに基づいて、図12に示したようなデータに従って選択する。なお、制御データの選択も画素の選択結果に従って行なわれる。
【0047】
例えば画素P7,3 では、エッジ検出部6から出力されるエッジ情報は‘100b’である。また、図20に示す原画像データの画素値は‘80’であり、図22に示す平滑化画像データから得られるこの画素の画素値は‘63’であるので、原画像データの方が画素値が大きい。この条件は図12の2行目に該当し、画像データとして原画像データの画素値‘80’が選択されて出力される。また、制御データとして‘0111b’が出力される。すなわち、画素P7,3 では図22に示すように平滑化処理によって直線に付加され、直線の一部を構成する画素として出力されたが、平滑化処理によって付加される画素値よりも原画像データの画素値の方が大きいので、上述のように原画像データが選択された。このようにして、画素P7,3 においては、平滑化処理による画素の付加によって画素値が小さくなって白抜けを起こすことなく、画素値が大きい原画像データに従って印字されることになる。
【0048】
図25、図26に示した出力画像データおよび制御データに基づいて、上述のようにパルス幅変調機能および強度変調機能を有する電子写真方式を用いたレーザービームプリンタで画像を形成させる。すると、図27に示すように、各画素にレーザービームが照射され、図28に示すようなプリントアウトされたイメージが得られる。
【0049】
以上、本発明の画像処理装置の実施の一形態について説明したが、上述の形態に限定されるわけではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲ならばどのような態様でも構わない。例えば上述の例では、入力画像データは濃淡画像、あるいはカラー画像の場合に各色成分ごとに入力されることとしたので、平滑化処理は濃度を調整する平滑化処理を行なったが、例えば注目画素の周辺画素の色情報により色変換を施すような平滑化処理であってもよい。
【0050】
また、上述の説明では、出力装置の具体例としてパルス幅変調機能および強度変調機能を有する電子写真方式を用いたレーザービームプリンタを用いたが、出力装置は任意であって、出力先に従って本発明の趣旨を逸脱せずに変形することができる。例えば、電子写真方式を用いたレーザービームプリンタへ出力する場合であっても、そのプリンタがパルス幅変調機能のみを有している場合には、強度変調を用いて平滑化処理を行なっている部分を、パルス幅変調を用いて平滑化処理を行なうようにすればよい。また、電子写真方式を用いたレーザービームプリンタへ出力する場合で、そのプリンタがパルス幅変調機能のかわりに画像データの入力基準クロックの周波数の自然数倍の周波数のクロックを基準としてカウンタを動作させ、該カウンタのカウント値と画素値を比較した結果に応じて画素を印字する、いわゆるDSG(Digital Screen Generate)機能を有している場合には、上述の参照波の選択を制御する制御データを、カウンタの動作を制御する制御データに置き換えればよい。
【0051】
また、電子写真方式を用いたレーザービームプリンタのみならず、インクジェットプリンタや熱転写プリンタといった他の印字方式を用いたプリンタにも適用できる。さらに、プリンタではなくCRTや液晶ディスプレイといった画像表示装置に出力する場合にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、入力された原画像データに対して平滑化処理を施すとともに、原画像データの各画素についてエッジか否かを判定し、判定結果に基づいて、原画像データの画素あるいは平滑化処理の施された画像データの画素のいずれかを選択して出力する。選択の際には、例えば、原画像データの画素がエッジであると判定された場合に、平滑化画像データの画素と原画像データの画素のうち、画素値が大きい方の画素を選択して出力するように構成することができる。このようにして、平滑化処理で画素を付加することで白抜けが発生しやすい部分では、原画像データを選択して白抜けを回避することができる。また、白抜けが目立たない部分では、平滑化処理結果を選択して線分などの画質を向上させることができる。そのため、平滑化処理による不具合を解消し、平滑化処理の効果を最大限に発揮でき、より高い画質のプリントアウトが可能な画像データを得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における動作の概要を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における2値化部の一例を示すブロック構成図である。
【図4】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における平滑化処理部の一例を示すブロック構成図である。
【図5】 5×5ブロックデータの説明図である。
【図6】 パターン検出部で5×5ブロックデータと比較するパターンの一例の説明図である。
【図7】 パターン検出部の一例を示す構成図である。
【図8】 メモリの内容の一例の説明図である。
【図9】 本発明の画像処理装置の実施の一形態におけるエッジ検出部の一例を示すブロック構成図である。
【図10】 特定方向のエッジを検出するフィルタの一例の説明図である。
【図11】 エッジ情報作成部において生成されるエッジ情報の説明図である。
【図12】 セレクタの選択動作の一例の説明図である。
【図13】 レーザービームプリンタにおいてパルス幅変調機能を実現するための一構成例を示すブロック図である。
【図14】 レーザービームプリンタにおけるパルス幅変調の動作の一例の説明図である。
【図15】 レーザービームプリンタにおけるパルス幅変調の動作の別の例の説明図である。
【図16】 レーザービームプリンタにおけるパルス幅変調の動作のさらに別の例の説明図である。
【図17】 レーザービームプリンタにおけるパルス幅変調の動作のさらに別の例の説明図である。
【図18】 レーザービームプリンタにおいて強度変調機能を実現するための一構成例を示すブロック図である。
【図19】 レーザービームプリンタにおける強度変調の動作の一例の説明図である。
【図20】 本発明の画像処理装置の実施の一形態において入力される原画像データの具体例の説明図である。
【図21】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における2値化画像データの具体例の説明図である。
【図22】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における平滑化画像データの具体例の説明図である。
【図23】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における平滑化処理部から出力される制御データの具体例の説明図である。
【図24】 本発明の画像処理装置の実施の一形態におけるエッジ情報の具体例の説明図である。
【図25】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における出力画像データの具体例の説明図である。
【図26】 本発明の画像処理装置の実施の一形態において出力される制御データの具体例の説明図である。
【図27】 本発明の画像処理装置の実施の一形態において出力された出力画像データおよび制御データに基づいてレーザビームプリンタで画像を形成する際のレーザ照射イメージの具体例の説明図である。
【図28】 本発明の画像処理装置の実施の一形態において出力された出力画像データおよび制御データに基づいてレーザビームプリンタで形成した画像の具体例の説明図である。
【符号の説明】
1…バッファ、2…2値化部、3…平滑化処理部、4…エッジ検出部、5…セレクタ、11…レジスタ、12…比較器、21…バッファ、22a〜22x…パターン検出部、23…メモリ、24a〜24d…論理否定素子、25…論理積素子、31a〜31d…フィルタ、32…エッジ情報作成部、41…D/A変換器、42…参照波発生器、43…比較器、44…レーザー発光素子、45…電流制御器。
Claims (4)
- 入力された多値の原画像データに対して平滑化処理を施す平滑化処理手段と、入力された前記原画像データの各画素がエッジか否かを判定するエッジ判定手段と、前記エッジ判定手段により前記原画像データの画素がエッジであると判定された場合に前記平滑化処理手段により平滑化された画素と前記原画像データの画素のうち値が大きい方の画素を選択して出力し、エッジと判定されなかった場合には前記原画像データを出力する画素選択手段を有することを特徴とする画像処理装置。
- 前記エッジ判定手段は、前記入力された原画像データのブロックから該ブロックの中心画素がエッジであるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 入力された多値の原画像データに対して平滑化処理を施すとともに、入力された前記原画像データの各画素がエッジか否かを判定し、該判定により前記原画像データの画素がエッジであると判定された場合に、前記平滑化処理により平滑化された画素と前記原画像データの画素のうち値が大きい方の画素を選択して出力し、エッジと判定されなかった場合には前記原画像データを出力することを特徴とする画像平滑化方法。
- 前記エッジか否かの判定は、前記入力された原画像データのブロックから該ブロックの中心画素について行うことを特徴とする請求項3に記載の画像平滑化方法。
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