JP3736636B2 - 動物細胞の分化能の制御系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動物細胞の維持、増殖、さらには分化誘導、殊に再生医療の技術分野で用いることのできる手段、より具体的には、サイトカインの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
交通事故やケガで、あるいは病気で心臓、肺、腎臓、血管、消化管、さらには神経等の組織や臓器を欠損させてしまった場合、他人の臓器に頼らず、本人の細胞を利用し、心臓や血管などの欠損組織等に分化する機能を保持した幹細胞や機能細胞を用いて、もとの臓器に再生させる再生医療技術の開発が望まれている。
【0003】
このような背景の下、例えば心臓に関しては、心臓の発生・分化に重要な遺伝子が多数単離され、また胚性幹細胞(ES細胞)などの多分化能を有する細胞を用い、心筋細胞の発生・分化の解析が行われている。さらに、骨髄細胞を含めた幹細胞が種々の細胞へ分化する多分化能(または多能性)を有することが示唆されている。そして、このような骨髄由来細胞がマウスの生体においても傷害心筋の再生に寄与し、心機能の改善が認められるとの報告もなされている。
【0004】
より具体的には、ES細胞の発生・分化の解析に関して、未分化なネズミES細胞を、トランスフォーミング増殖因子β1(TGF−βスパーファミリーの構成員、すなわちTGF−βおよびBMP2)でプライムして形成される胚様体(embryoid body)は著しく増大した拍動領域を有する心筋への分化を促進することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
他方、骨髄由来の細胞に関して、温度感受性SV−40T抗原遺伝子のトランスジェニックマウスから樹立され、そして筋形成性、骨形成性および脂肪形成性分化を示す骨髄間質細胞株(TBR細胞株)のあるものは、骨格筋に分化し、そしてその分化はオンコスタチンM(OSM)により刺激されるが、別のTBR細胞株の平滑筋への分化はOSMにより阻害されることが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。なお、TBR細胞株の一般的な作製方法および具体的な株についての詳細も公表されている(例えば、特許文献1、ならびに非特許文献3および4参照。)。非特許文献3および4には、TBR細胞株はT抗原の不活化や増殖条件に応じて表現型変化を示し、脂肪前駆細胞が脂肪細胞および骨形成性細胞に誘導され、いくつかの脂肪前駆細胞および内皮細胞株は筋細胞および脂肪細胞に誘導される、ことも記載されている。このような性質からTBR細胞は多能性間葉系幹細胞由来であることが示唆されている。また、間葉系幹細胞から、骨細胞、軟骨細胞、腱細胞、靭帯細胞、骨格筋細胞、脂肪細胞、間質細胞等へ誘導できることも知られている(非特許文献5参照。)。
【0006】
さらに、心筋細胞への分化能を有する骨髄由来の細胞が5−アザシチジン等のDNAの脱メチル化剤の投与により、確率的(stochastic)に心筋細胞、脂肪細胞および骨格筋細胞の系列に分化することが公表されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
また、特許文献2には、FGF−8、ET1、Midkine、BMP4の4種類のうち少なくとも一種のサイトカインと5−アザシチジンとを組み合わせて添加することで骨髄由来の細胞に心筋特異的な遺伝子の発現を促進できることも記載されている。またさらに、特許文献2には、心筋細胞への分化能を有するマウス骨髄細胞を予め5−アザシチジンで処理した後、マウスに移殖すると心筋細胞および血管細胞において移殖細胞に由来する細胞が見られることも示唆している。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−292958号公報
【0009】
【特許文献2】
国際公開第01/48151号パンフレット、特に4頁2−11行、53頁−55頁
【0010】
【非特許文献1】
The FASEB J. 2002;16:1558−1566、要約部
【0011】
【非特許文献2】
In Vitro Cell. Dev. Biol.−Animal 37:698−704(2001)、要約部
【0012】
【非特許文献3】
J. Cellular Physiology 164:55−64(1995)
【0013】
【非特許文献4】
Experimental Cell Research 218、424−429(1995)
【0014】
【非特許文献5】
Science 284、143−147(1999)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたとおり、当該技術分野では、ES細胞だけでなく、ある一定の骨髄由来の細胞(造血幹細胞を除く。)が多分化能を有し、特定の分化形質を発現し、機能的な細胞、さらには組織や器官になることが知られており、そして特定の形質ないしは機能または分化の方向性が変化しうることも示唆されている。なお、特許文献2にも、サイトカインの使用により分化の方向性(新しい分化形質の発現性)を変化できることが記載されているが、記載の方法では、原則として、5−アザシチジン(生体内でリン酸化されて核酸に取込まれ、DNA合成を阻害する作用を有する。)との併用が必要である。
【0016】
再生医療では、上記の文献で主として検討されている心臓の再成のみならず、上述したとおり、肺、腎臓、血管、消化管、さらには神経等の組織や臓器を再成できる技術の開発が望まれるであろう。したがって、本発明の目的は、必要に応じて、各種の機能的な細胞、さらには組織や器官を誘導するのに寄与しうる手段を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述したような多分化能を有する細胞は、5−アザシチジンのようなDNAの脱メチル化剤を使用することなく、一定のセットでサイトカインを使用することにより分化の方向性および分化の程度を変えること、換言すれば、分化の方向性および分化の程度を制御できることを見出した。したがって、本発明はかような知見に基づき完成されたものであり、
2種以上が組み合わさったサイトカインを有効成分とし、かつ
多能性幹細胞、例えば骨髄間質細胞の3以上の分化の方向性の決定と方向性の決定された各細胞における分化の程度が制御できる、
ことを特徴とする哺乳動物細胞の分化を制御するためのサイトカインのセット、を提供する。
【0018】
また、かようなサイトカインのセットを、イン・ビトロ(in vitro)、エクス・ビボ(ex vivo)およびイン・ビボ(in vivo)からなる群から選ばれる環境下で使用できる。このような使用の態様の具体的なものとしては、前記の成分ともなりうるサイトカインやその他の同等な作用を有する作用剤をスクリーニングするための方法、また、直接もしくは間接的な再生医療、例えば、多分化能を有する細胞を生体に移殖する際に、これらの細胞と組み合わせて前記サイトカインのセットを投与するか、あるいはレシピエント本人から採取した細胞を予め前記サイトカインのセットで処理し、所望の分化形質を発現させるか、さらには、特定の機能の細胞もしくは組織まで分化させた後、生体に移殖する方法を挙げることができる。該スクリーニング方法としての好ましい態様としては、
(A) 多能性幹細胞、特に温度感受性SV−40T抗原遺伝子を担持するトランスジエニックマウス由来の多能性の骨髄間質細胞を用意し、
(B) 該細胞を、分化しうる能力を有することが期待される作用剤の存在下で該細胞を増殖しうる培地で培養し、
(C) 培養細胞の分化の方向性または分化の程度を決定し、そして
(D) こうして決定された分化の方向性または分化の程度についての結果を該作用剤の不存在下での該細胞の培養結果と比べ、両結果の差異を該作用剤が骨髄間質細胞の分化能に及ぼす作用の指標とすることを特徴とする脊椎動物細胞の分化能を有する薬剤のスクリーニング方法が提供される。
【0019】
さらに好ましい態様としては、上記のBMP−2、BMP−4、OSM、GDF−5およびTGF−β2から選ばれるサイトカインが比較作用剤として使用される段階を含む。
【0020】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明に従う、サイトカインのセットにより分化の方向性等が制御できる多能性幹細胞は、本発明の目的に沿うものであれば、ES細胞を初めとし、該サイトカインのセットにより、生来の細胞から、3以上の新しい分化形質が発現し、機能的な組織や器官になりうる細胞であれば、骨髄、脳、肝臓、その他の臓器から単離できた細胞、さらには該細胞の初代培養細胞、継代培養細胞、不死化細胞のいずれであってもよい。しかし、好ましくは骨髄由来の造血幹細胞を除く、幹細胞が挙げられる。また、単離または樹立された細胞株であって、予備的に骨髄間質細胞とか、間葉系幹細胞と称されているものであっても、本発明の目的に沿う限り(例えば、その後、本発明に従うサイトカインのセットを用いることにり、多能性幹細胞の特性を発揮する限り)、本発明にいう多能性幹細胞に包含される。したがって、上記の非特許文献3〜4に記載の多能性を示す細胞がより具体的なものとして挙げられる。これらに記載の細胞と同等の特性をもっていれば、細胞の起源を問うことなく使用でき、例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウシ、サル、ヒト等の哺乳動物由来の細胞であることができる。限定されるものでないが、本発明の作用、効果を確認する上で、都合のよい多能性幹細胞としては、前述の非特許文献3または4に記載されているような、温度感受性SV−40T抗原遺伝子のトランスジェニックマウスから樹立されたTBR株(または系)と称されているものが挙げられる。なお、これらの非特許文献3および4は、共著者として、本発明者の一人である帯刀益夫博士が含まれているとおり、上記のTBR株の特定の株、例えばTBR−52等は、仙台市青葉区星陵町4−1 東北大学 加齢医学研究所から、試験、研究の目的に使用することを前提に、制限なく分譲される。
【0022】
本発明に従えば、2種以上が組み合わさったサイトカインを有効成分として使用する。サイトカインの語は、当該技術分野で普通に用いられている意味、内容を表すものとして使用している。後述する具体例を見れば明らかになるであろう。本発明では、2種以上のサイトカインが組み合わさって使用されるが、この使用は、同時または、時間、場所、等を異にして個別に使用するものであってよい。また、組み合わせて(またはセットで)使用するが、このような使用が一度なされれば、その後は、いずれか一種のみを使用する場合も、本発明のサイトカインのセットの使用に包含される。例えば、多能性幹細胞の分化の方向性を決定し、そして方向性の程度を制御するのに2種以上のサイトカインを用いた後、最終的な目的に沿うよう、分化した特定の細胞を得る目的で、一種のサイトカインで選択的に増殖分化する場合であっても、これらの全段階は、本発明に従うサイトカインのセットの使用に相当するものと、理解されている。3以上の分化の方向性とは、多能性幹細胞を増殖させた場合に、新たな3種以上の特性(分化形質)が発現されるか、または機能的な細胞もしくは組織や器官を指向する性質を意味し、端的にいえば、いずれかの機能細胞、例えば、平滑筋細胞、骨格筋細胞等に至る性向である。したがって、各分化の程度とは、例えば、平滑筋細胞または骨格筋細胞が対照、例えば、単離された状態にあるサイトカインを添加することなく、血清の存在下での各分化細胞の出現率に比べた場合の出現率の多寡を意味する。
【0023】
かような分化の方向性は、具体的には、多能性幹細胞が平滑筋細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、内皮細胞または脂肪細胞、等の各分化形質を発現したか、もしくは各分化細胞に至ることを意図しているが、これらに限定されるものでない。本発明に従う、2以上のサイトカインのセットを使用すれば、上記各分化細胞の少なくとも3種に多能性幹細胞を指向させることができ、そして指向させて得られる各分化細胞の、分化形質の発現の程度もしくは出現の程度を制御できる。これらの程度は、多官能性幹細胞を前記サイトカインが添加されていないが、血清が補足されていること以外、他の培養組成は本質的に同一の培地で培養したときに観察される各分化形質の発現の程度もしくは各分化細胞の出現の程度に比べ、検出できる程度に促進(もしくは増加)または抑制(もしくは減少)していることを意味する。この程度は、前記の血清の存在下でもたらされる分化形質の発現または分化細胞の出現に比べ、少なくとも10%促進または抑制されていることが好ましい。こうして本発明によれば、いずれか特定の分化細胞の出現率または存在の割合を選択的に高めることができる。上記の分化形質の発現の程度および分化細胞の出現の程度を検出する例は、後述の実施例に特定のものを挙げるが、当該技術分野に周知の如何なる技法に従ってもよい。
【0024】
本発明では、多能性幹細胞を上記のように誘導できる2種以上のサイトカインの組み合わせ(またはセット)を構成するサイトカインは、本発明の目的に沿う、例えば、直前に記載したような、いずれか特定の分化細胞の出現率または存在の割合を選択的に高めることのできる、ものであれば如何なるサイトカインを使用し、それらを如何に組み合わせたものであってもよい。しかし、このようなサイトカインの例として、限定されるものでないが、骨形成因子−2(BMP−2)、骨形成因子−4(BMP−4)、オンコスチンM(OSM)、グロース・ディファレンシェーション・ファクター(GDF−5)およびトランスフォーミン増殖因子(TGF−β2)、等を挙げることができる。また、このようなサイトカインの組み合わせの例としては、BMP−2とBMP−4、BMP−2とOSM、BMP−2とTGF−β2、BMP−2とBMP−4とOSM、OSM−BMP−4、OSMとTGF−β2、OSMとGDF−5、OSMとGDF−5とBMP−4、OSMとGDF−5とTGF−β2とBMP−4、BMP−2とOSMとGDF−5とBMP−4およびBMP−2とOSMとGDF−5とTGF−β2とBMP−4を挙げることができる。例えば、ある多能性幹細胞(後述する実施例参照)は、BMP−2とOSMとの組み合わせ使用により、高い出現率での自律拍動する心筋細胞への分化能および高い出現率での内皮細胞への分化能を有することが確認できる、したがって、目的に応じて、かような多能性をもつ幹細胞にBMP−2またはOSMを適用するか、あるいはBMP−2およびOSMを適用することができる。
【0025】
上記の2種以上のサイトカインの組み合わせ使用により多能性幹細胞にいずれかの分化形質を発現させるか、またはいずれかの分化細胞を出現させる環境(または条件)は、イン・ビトロ(in vitro)、エクス・ビボ(ex vivo)またはイン・ビボ(in vivo)であることができる。in vitro および ex vivo で使用される細胞の増殖条件は、当該技術分野で哺乳動物細胞を培養するのに通常用いられる条件をそのまま、あるいは改良したものであることができる。例えば、培地としては、基本的には、必須栄養源が添加してあり、アミノ酸では、動物(哺乳類)が合成できない必須アミノ酸のL−アルギニン、L−システイン、L−チロシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−グルタミンを基本として加えてあり、場合によっては生育を良くする目的で、非必須アミノ酸のL−グリシン、L−セリンも添加したものであれば、どのような培地でも利用できる。培養温度、等のその他の条件は、温度条件など、そのほかに、CO2インキュベーター中の気相のCO2と共同して培地のpHを安定化させるために添加するバッファー剤として、細胞が炭酸水素イオンを必要とすることから、一般的には炭酸水素系の重炭酸ナトリウム溶液を加えるか、さらにHEPESなど添加して、CO2インキュベーターから外に取り出してもpHが安定に保てるように工夫してよい。また、適宜、雑菌の汚染を防ぐために、抗生物質を加えてもよい。本発明に従えば、培地から必要に応じて、血清その他の作用剤を除去し、サイトカインが添加される。他方、in vitro では、生理学的または使用するサイトカインに悪影響を及ぼさない媒体中にサイトカインを含有せしめた形態が採用できる。かような媒体の例としては、限定されるものでないが、無菌水、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水であることができる。また、これらの媒体には生体に悪影響を及ぼさない範囲でサイトカインを、例えば生体内にそのまま適用した場合、生体内で酵素分解を受け自己組織の再生が妨げられることがない、除放媒体と組み合わせて生体内で安定化するのがよい。その媒体として、以下のものを単独でまたは組み合わせて使用してよい。
【0026】
ポリ乳酸(多孔体)、コラーゲン、コラーゲンスポンジ、ベーター三リン酸カルシウム、多孔質ハイドロキシアパタイト、ポリ乳酸マイクロスフェア、ポリ乳酸コーティングゼラチンスポンジ、乳酸−エチレングリコール共重合体、アガロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸、アガロース/ヘパリン、アミロペクチン、フィブリンゲル、コラーゲンミニペレット、エチレン−酢酸ビニル共重合体、乳酸−グリコール酸共重合体、キトサン、乳酸/グリコール酸−エチレングリコール共重合体、チタンインブラントなどを添加してもよい。
【0027】
in vitro および ex vivo で使用する場合の各サイトカインの使用量は、後述する実施例における使用量を参照して、必要があれば、さらに小実験を行って最適量を決定すればよい。in vivo で使用する場合は通常0.1ng/ml〜20ng/mlの用量であることができる。こうして、本発明に従う2種以上のサイトカインを含んでなるセットは、少なくとも、心臓、毛細血管、動脈及び静脈などの血管系の臓器、胃、食道、結腸、直腸、小腸、大腸などの消化器系の臓器、手足の筋肉、気管、子宮、膣や脂肪組織などの再生医療に利用できる。
【0028】
また、in vitro で該セットを用いる場合は、殊に、簡便に使用、操作のできる本発明者の一部によって提供された、上記のTBR間質細胞株を利用して、多態様幹細胞の分化の方向性を決定でき、さらに方向性の決定された各分化の程度を制御できる作用剤のスクリーニング系を構築できる。かようなスクリーニング系において、本発明に従うサイトカインのセットは、比較試料として使用できる。例えば、スクリーニングにかけるべき作用剤の候補物質(例えば、TBR株を分化誘導しうることが期待できる候補作用剤)の存在下で多態性幹細胞を培養する代わりに、上記のサイトカインの一種または二種以上の存在下での培養結果を、該候補物質の作用を評価する上での標準(もしくは基準)とすることにより、多態性幹細胞を所期の分化方向へ分化誘導するのに役立つ作用剤が効率よくスクリーニングできる。なお、かようなスクリーニング系で使用できる培養条件は上述したものに基づくことができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を具体例により、さらに詳述するが、本発明は、これらに限定されるものでない。
実施例1:細胞株TBR52が多能性を有することの確認
(1) 本実施例では細胞株TBR52(上述の非特許文献3および4参照。)を使用し、培地は下記の表1に示される組成を有するα−MEM培地を使用した。
【0030】
【表1】
Figure 0003736636
【0031】
(2) TBR52の分化能
以下に記載するウェスタンブロッティング法(WB)、免疫染色法および逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)法などの同定方法の組み合わせによって同定した。
(2−1) 平滑筋細胞については、35mmプラスチックディッシュに培養した細胞集団のなかに顕微鏡学的に単核で紡錘形(spindle shape)を示す細胞を観察し、その培養細胞集団から抽出した蛋白質混合物から平滑筋細胞に特異的に発現するミオシン軽鎖キナーゼ(sm−MLCK)を検出するために、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって蛋白質を分離し、分離したゲル上の蛋白質をメンブレンに転写し(WB法)、メンブレン上のsm−MLCKに特異的に反応する一次抗体(Sigma 製、Monoclonal Anti-Myosin Light Chain Kinase,mouse IgG2b, clone K36, Product No.M7905)とそれを検出するためのホースラデッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)で標識した二次抗体(ICN製、Goat, anti-mouse IgG F(ab)2, IgG、カタログNo.55553)を使用することによって同定した。
(2−2) 骨格筋細胞については、35mmプラスチックディッシュに培養した細胞集団のなかに顕微鏡学的に多核で筋管(myotube)状、かつ横紋筋型構造を示す細胞を観察して確認し、上述と同様の方法によって培養細胞集団から抽出した蛋白質混合物から骨格筋細胞に特異的に発現する速筋型骨格筋ミオシン重鎖II(skeletal Myosin Heavy Chain II, fast)をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって蛋白質を分離し、当該ミオシン重鎖IIに特異的に反応する一次抗体 Monoclonal Anti-Skeletal Myosin(fast)(Sigma 製、mouse IgG,clone MY32,M4276)とそれを検出するためのホースラデッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)で標識した抗マウスの二次抗体(ICN製、Goat, anti-mouse IgG F(ab)2,IgG、No.55553)を使用することによって同定した。培養ディッシュ中の細胞核の観察は培養液の除去後、濃度1μg/mlに調製した染色液ヨウ化プロピジウム(Pl)を添加し、染色液との反応処理を室温で5分間行い、染色液を除去しリン酸バッファ緩衝液(PBS)を用いて洗浄した。PBSによる洗浄処理は各々5分間、3回行った。
【0032】
また、速筋型骨格筋ミオシン重鎖II蛋白の発現の確認は常法に従い免疫染色によって行った。具体的には、35mmプラスチックディッシュ内の25mm Poly−L Iysine コートカバーグラス(4925−040、旭テクノグラス、東京)上に培養した細胞集団をリン酸バッファー液(PBS)を用いて洗浄し、2.5%パラフォルムアルデヒドを1.5ml用い、4℃下で15分間固定した。PBSによって5分間、3回洗浄した後、0.1% Triton X−100を含む1.5mlのPBSを用い、室温下で3分間の穿孔処置を行った。PBSを用い、5分間3回洗浄した後、5%スキムミルクを含むPBS(以下5%スキンミルク−PBSと記す)1.5mlを添加し、4℃下で30分間処理した。上述の速筋型骨格筋ミオシン重鎖IIに特異的に反応する抗体 Monoclonal Anti-Skeletal Myosin(fast)(Sigma 製、mouse IgG1,clone MY32,Product No.M4276)を5%スキムミルク−PBSで1:50に希釈し、これを一次抗体として用いた。先の30分間処理で用いた5%スキンミルク−PBS1.5mlをこの一次抗体1.5mlに置換し、4℃下で約14時間反応させた。その後、PBSを用い、5分間3回洗浄した。二次抗体としては5%スキムミルク−PBSを用いて、Fluorescein Isothiocyanate(FITC)標識の抗マウス抗体(Sigma 製、Goat, anti-mouse IgG−Fab、F8711)を1:200に希釈した。この二次抗体1.5mlを用い、4℃下で30分間反応させ、次いでPBSを用いて5分間3回洗浄した後、反転し VECTASHIELD(H−1000、Vector Laboratories、 Burlingame、 USA)をはさみスライドグラス上にマウントした。倒立蛍光顕微鏡を用いて速筋型骨格筋ミオシン重鎖IIの蛋白の発現を確認した。
(2−3) 心筋細胞については、35mmプラスチックディッシュに培養した細胞集団のなかに顕微鏡学的に単核で棍棒状(rod shape)の形態を有し、自律的に周期的な収縮(拍動)をする細胞を観察し、WB法を用い上述と同様の手順で従い、心筋特異的なコネキシン43蛋白質の発現を確認した。ただし、一次抗体として抗コネキシン 43(Chemicon 製、製品 No.MAB3068)を使用し、二次抗体としては抗マウスの二次抗体(ICN製、Goat、anti-mouse IgG F(ab')2,1gG No.55553)を使用した。さらにRT−PCR法によってNkx2.5遺伝子、αミオシン重鎖遺伝子の発現を確認することで同定した。
【0033】
その手順はRT−PCRキット(GibcoBRL 製、商品 No.11904−018)に添付のマニュアルに従った。培養ディツシュ中の培養液を除去しディツシュ底に付着した細胞をPBSで3回洗浄した。この洗浄した細胞中の総RNAを、RNA抽出試薬 Isogen(ニッポンジーン製)を用いたチオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロフォルム法によって回収した。次いで回収した2.5μgのトータルRNAをRT−PCRキット添付のマニュアルに従い、Oligo(dT)法によってcDNAを作成し、DEPC水で10倍に調整した。このcDNA 1μlを鋳型として10倍PCR緩衝液1μl、25mM MgC12 1μl、8mM dNTP 0.5μl、フォーワードプライマー(Forward Primer)(10pmol/μl)0.5μl、リバースプライマー(Reverse Primer)(10pmol/μl)0.5μl、AmpliTaq Gold DNA Polymerase(アプライドバイオシステムズジャパン、東京)0.1μl、及びDEPC水5.4μlの全量10μlの反応液を調製し遺伝子の増幅反応(PCR)を行った。PCRは GenAmp 9700サーマルサイクラー(アプライドバイオシステムズジャパン、東京)を用い、95℃5分の後サイクル数は30回で各々の条件でおこなった。その後、2%アガロースゲルに標準マーカーと共に電気泳動し、PCR産物をUV光下にて確認した。遺伝子の増幅反応に用いた各々のプライマーの塩基配列は下記のとおりである。
【0034】

遺伝子 Forward Primer Reverse Primer
Nkx 2.5 CCGCCGCCTCCGCCAACAGCAACT 1) GGGTGGGTGGGCGACGGCAAGACA 2)
αミオシン重鎖 GGAAGAGTGAGCGGCGCATCAAGG 3) CTGCTGGAGAGGTTATTCCTCG 4)
1) 配列番号:1、 2) 配列番号:2、 3) 配列番号:3、 4) 配列番号:4
(2−4) 内皮細胞については、35mmプラスチックディッシュに培養した細胞集団のなかに顕微鏡学的に敷石(cobblestone)状の形態を示す細胞を観察し、1,1′−ジオクタデシルー3,3,3′−テトラメチルインドカルボシアニンパークロレート標識アセチル化低密度リポプロテイン(DiI−Ac−LDL:製品No.L−3484、Molecular Probes 製、USA)の取り込み能を確認することにより同定した。具体的には培養ディッシュ中の培養液を細胞に傷を付けないように吸い取って捨て、無血清培地で10μg/mlに調製したDiI−Ac−LDLを添加し4時間、33℃で培養した。PBSにて5分間3回洗浄することによって取り込まなかったDiI−Ac−LDLを除き、3%フォルムアルデヒド溶液を添加し、20分間室温に放置して固定した。蒸留水で洗浄した後、ローダミンフィルターを用い、蛍光顕微鏡で観察した。
(2−5) 脂肪細胞については、培養した細胞集団のなかに顕微鏡学的に脂肪球を持った細胞を観察し、オイルレッド染色法によって同定した。培養ディッシュ中の培養液を除去しディッシュ底に付着した細胞をPBSで8分間づつ8回洗浄した後、3%のホルマリン溶液を用いて、10分間室温に静置して固定し、次いで80%のイソプロパノールによって1分間置換し、37℃で10分間、オイルレッドで染色した。さらに60%イソプロパノールを使って1分間分別した後、3分間づつ2回洗浄し、最後に核染色のためにマイヤのヘマトキシリン溶液(和光製)によって、10分間処理し、2分間流水で洗浄した後に、顕微鏡学的に赤く染まった脂肪細胞を確認した。また、この脂肪細胞は成熟すると明確な脂肪球を持った細胞に発育するので、染色しなくても脂肪細胞として容易に判定できた。
実施例2〜6:サイトカインによる分化の制御
試験すべきサイトカインは、下記の表−2に示される組成を有するRITC80−7培地に添加して、各サイトカインの添加効果を確認した。
【0035】
【表2】
Figure 0003736636
【0036】
RITC80−7培地を用い、TBR52を90mmプラスチックディッシュで細胞同士がくっ付き合う直前のサブコンフルエント状態(80%程度のコンフルエント)まで培養した。培養液を除去した後に、1mlのEDTA・トリプシン溶液(0.02gEDTA・3Na/100mlのPBS溶液、0.002gトリプシン/100mlのPBS溶液)を添加し細胞を洗浄した。この洗浄操作は細胞が剥がれる前にすばやく2回行うが、トリプシン溶液を添加し、万辺なく細胞表面に広がった直後にトリプシン溶液をパスツールピペットですばやく吸い取り除去した。次いで顕微鏡で細胞が完全に剥がれているのを確認後、表−1で示したα−MEM培地を添加し、細胞濃度を3×10の5乗/mlに調製した。この細胞浮遊液1.5mlを35mmプラスチックディッシュに添加した。この時、35mmプラスチックディッシュには、25mm Poly-L lysine コートカバーグラス(4925−040、旭テクノグラス、東京)を前もって敷いておいた。α−MEM培地の添加24時間後に新しいα−MEM培地に交換した。培地交換は2日または3日毎に30日間行った。
【0037】
細胞の分化能に及ぼすサイトカイン類の添加の効果について、細胞培養にはα−MEM培地を用い、α−MEM培地の添加24時間後に新しいα−MEM培地に交換した。培地交換を2日または3日毎に30日間行った。サイトカイン類の添加は培地交換の都度に行い、その量は下記の表−3に示すとおりであった。
【0038】
【表3】
Figure 0003736636
【0039】
また、細胞分化の判定は以下に記述する基準によって行った。すなわち平滑筋については、顕微鏡学的に単核で紡錘形(spindle shape)を示す細胞を観察し、単面積当たりに占める面積を目視で測定し、その平均値を%で表した。更にその培養細胞集団から抽出した蛋白質混合物から平滑筋細胞に特異的に発現するミオシン軽鎖キナーゼ蛋白の発現を上述のWB法で判定した。骨格筋については、顕微鏡学的に多核で筋骨(myotube)状、かつ横紋筋型構造を示す細胞を観察し、単面積当たりに占める面積を目視で測定し、その平均値を%で表した。更に培養細胞集団から抽出した蛋白質混合物から骨格筋細胞に特異的に発現する速筋型骨格筋ミオシン重鎖II(skeletal Myosin Heavy Chain II, fast)蛋白の発現を上述のWB法で判定した。これらのWB法の結果を示す図に代わる写真を図1として示す。心筋細胞については、顕微鏡学的に単核で棍棒状(rod shape)の形態を有し、自律的に周期的な収縮(拍動)をする細胞を観察し、単位面積当たりの自律的、周期的に拍動する細長い混紡状の細胞数を計数し、その平均値を求めた。内皮細胞については、顕微鏡学的に敷石(cobblestone)状の形態を示す細胞を観察し、単面積当たりに占める面積を目視で測定し、その平均値を%で表した。脂肪細胞については、脂肪球を形成している単位当たりの細胞数を測定し、その平均値を求めた。結果を表−4および表−5にまとめて示す。
【0040】
【表4】
Figure 0003736636
【0041】
【表5】
Figure 0003736636
【0042】
表−4および表−5から明らかなとおり、実施例2において培地にBMP−2を加えると、心筋細胞への分化は添加しない比較例の約10倍まで促進された。また骨格筋細胞への分化は顕微鏡学的な形態観察では心筋細胞に覆われるなど明確な判定が出来なかったが、WB法の分析結果から、明らかに促進された。平滑筋及び内皮細胞への分化はBMP2を添加しても大きな影響を受けなかった。脂肪細胞への分化は細胞数では比較例とほとんど差がないが、BMP2を添加することによって、小さい脂肪球をもった未熟な細胞が観察され脂肪細胞への分化が抑制されていた。
【0043】
実施例3において、培地にOSMを添加すると、心筋細胞への分化が比較例の1/2までに抑制された。また、骨格筋及び脂肪細胞への分化はほとんど完全に抑制され、顕微鏡学的な形態的観察からも多核で筋管(myotube)状の骨格筋及び脂肪球を含む脂肪細胞は確認されなかった。骨格筋細胞の分化に対するこの抑制効果はWB法による速筋型骨格筋ミオシン重鎖II蛋白の発現の解析からも確認できた。脂肪細胞への分化もOSMの添加によって抑制された。しかし、平滑筋と内皮細胞への分化に対してはほとんど影響しなかった。
【0044】
実施例4において、培地にGDF5を添加すると、心筋細胞及び脂肪細胞への分化がわずかに促進した。しかしながら、GDF5の添加は骨格筋細胞に特異的な速筋型骨格筋ミオシン重鎖II蛋白の発現を抑制した。平滑筋及び内皮細胞への分化は、GDF5の添加によって影響されなかった。
【0045】
また、実施例5において、培地にTGF−β2を添加すると、平滑筋、心筋及び脂肪細胞への分化は抑制されたが、内皮細胞への分化は影響されなかった。骨格筋細胞への分化は、顕微鏡による形態学的観察から、全く骨格筋細胞の形態を表す細胞を観察することが出来なかったが、骨格筋細胞に特異的な速筋型骨格筋ミオシン重鎖II蛋白の発現がWB法では促進的であった。しかし、この蛋白発現に対しては現時点、明確な説明ができないが、骨格筋細胞への分化の過程で起こる形態学的な細胞融合と骨格筋分化の初期誘導期の関係を明らかにする鍵になるかもしれない。
【0046】
さらに実施例6において、BMP4を培地に添加すると、無添加の比較例から明らかなように、脂肪細胞への分化が10倍以上の比率で促進されたが、平滑筋及び骨格筋細胞への分化はWB法による解析によって抑制されることが分かった。また心筋細胞の特徴である自律的な拍動細胞数も少なく心筋細胞への分化は抑制された。内皮細胞への分化に対するBMP4の添加はほとんど影響しなかった。
【0047】
これらの結果は多分化能を有する幹細胞に、各種サイトカインを与えることによって、ある特定の細胞へと分化の方向を優位に増幅させたり、低減させることが可能であることを示し、さらに添加するサイトカインを組み合わせることによって、不要な細胞を抑制し、目的とする細胞のみを優位に増幅させることが可能であることを示している。
【0048】
【配列表】
<110> KAGAKUGIJUTU SINKOU JIGYODAN et al.,
<120> 動物細胞の分化能の制御系
<130>
<160> 4
<210> 1
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<222> マウスNkx2.5遺伝子の1108番目から1521番目までの塩基配列を参考にして合成
<223> NCBI Accession No.NM008700
<400> 1
ccgccgcctc cgccaacagc aact 24
<210> 2
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<222> マウスNkx2.5遺伝子の1108番目から1521番目までの塩基配列を参考にして合成
<223> NCBI Accession No.NM008700
<400> 2
gggtgggtgg gcgacggcaa gaca 24
<210> 3
<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<222> マウスのαミオシン重鎖をコードする遺伝子の5630番目から5931番目までの配列を参考にして合成
<223> NCBI Accession No.M76601
<400> 3
ggaagagtga gcggcgcatc aagg 24
<210> 3
<211> 22
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220> マウスのαミオシン重鎖をコードする遺伝子の5630番目から5931番目までの配列を参考にして合成
<223> NCBI Accession No.M76601
<400> 4
ctgctggaga ggttattcct cg 22
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるWB法の結果(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって蛋白質を分離し、分離したゲル上の蛋白質をメンプレンに転写した)を示す図に代わる写真である。

Claims (10)

  1. 2種以上が組み合わさったサイトカインを有効成分とし、かつ、髄間質細胞の3以上の分化の方向性の決定と方向性の決定された各細胞における分化の程度を制御するためのサイトカインのセットであって、骨髄間質細胞が単離または樹立された細胞株であり、前記分化の方向性が少なくとも、平滑筋細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、内皮細胞および脂肪細胞に向かうことからなる群より選ばれ、前記各分化の程度が血清の存在下でもたらされる分化のいずれか一つに比べ少なくとも10%促進または抑制され、そして2種以上が組み合わさったサイトカインが、骨形成因子−2(BMP−2)骨形成因子−4(BMP−4)、オンコスタチンM(OSM)、グロース・ディファレンシェーション・ファクター(GDF−5)およびトランスフォーミング増殖因子(TGF−β2)からなる群より選ばれることを特徴とするサイトカインのセット。
  2. 組み合わさったサイトカインが、BMP−2とBMP−4、BMP−2とOSM、BMP−2とTGF−β2、BMP−2とBMP−4とOSM、OSM−BMP−4、OSMとTGF−β2、OSMとGDF−5、OSMとGDF−5とBMP−4、OSMとGDF−5とTGF−β2とBMP−4、BMP−2とOSMとGDF−5とBMP−4およびBMP−2とOSMとGDF−5とTGF−β2とBMP−4からなる群より選ばれる請求項記載のサイトカインのセット。
  3. 骨髄間質細胞が、BMP−2による刺激により少なくとも平滑筋細胞、拍動する心筋細胞および内皮細胞に分化しうる多能性成体幹細胞である請求項1または2に記載のサイトカインのセット。
  4. 骨髄間質細胞が温度感受性SV−40T細胞遺伝子を担持するトランスジェニックマウス由来である請求項1〜のいずれかに記載のサイトカインのセット。
  5. 骨髄間質細胞の分化が、イン・ビトロ(in vitro)、エクス・ビボ(ex vivo)およびイン・ビボ(in vivo)からなる群から選ばれる環境下で誘導される請求項1〜のいずれかに記載のサイトカインのセット。
  6. ex vivo または in vivo での骨髄間質細胞の分化が再生医療における細胞移殖に際して利用されるものである請求項1〜のいずれかに記載のサイトカインのセット。
  7. in vitro での骨髄間質細胞の分化が、該細胞を分化しうる能力を有する作用剤をスクリーニングするのに利用されるものである請求項記載のサイトカインのセット。
  8. (A) 温度感受性SV−40T抗原遺伝子を担持するトランスジェニックマウス由来の多能性の骨髄間質細胞を用意し、
    (B) 該細胞を、分化しうる能力を有することが期待される候補作用剤の存在下で該細胞を増殖しうる培地で培養し、
    (C) 培養細胞の分化の方向性または分化の程度を決定し、そして
    (D) こうして決定された分化の方向性または分化の程度についての結果を該作用剤の不存在下での該細胞の培養結果と比べ、両結果の差異を該作用剤が骨髄間質細胞の分化能に及ぼす作用の指標とすることを特徴とする脊椎動物細胞の分化能を有する薬剤のスクリーニング方法。
  9. 比較作用剤として、BMP−2、BMP−4、OSM、GDF−5およびTGF−β2からなる群から選ばれる少なくとも2種が利用される請求項記載のスクリーニング方法。
  10. 無血清培地で培養が行われる請求項記載のスクリーニング方法。
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