JP3748314B2 - 漏電検出器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、漏電遮断器に用いる漏電検出器に関するもので、特に外部からのサージに対して誤動作しない漏電検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、交流電路に流れる漏洩電流を検出する漏電検出器には、漏洩電流を零相変流器で検出し、この零相変流器から出力される漏電信号が一定の波高値および幅(時間)を越えた場合に、漏電と判断するものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記、漏電と判断するもの、すなわち漏電検出器を組み込んだ漏電遮断器の種類には、高速形(0. 1秒以内動作)・時延形(0. 1秒を超え2秒以内動作)・反限時形(漏電の大きさに反比例して動作)があり、それぞれの性能等は、JIS C 8371・電気用品取締法技術基準などの規格によって規定されている。
時延形漏電遮断器には前記電気用品取締法技術基準の中で、漏電時における動作時間・慣性不動作電流(基準:10Aの漏洩電流または定格感度電流の20倍の漏洩電流)を一定時間(動作時間の50%の時間)通電して不動作であることなどが規定されており、これらの規格に適合させる必要がある。
例えば定格感度電流0. 5A・動作時間0. 3秒の時延形漏電遮断器の場合、10Aの慣性不動作電流を0. 15秒間通電して不動作であり、0. 5Aの漏洩電流を通電したとき0. 15秒から0. 45秒の間に遮断動作するというものである。
ところが、10Aの慣性不動作電流を0. 15秒通電した直後に、漏電を検知するためのセンサとして使用している零相変流器の内部インダクタンスにより逆起電力が長時間(0. 1秒程度)発生するので、その時間分、動作時間の下限値(上記例では0. 15秒)を上げることが必要になり、動作時間の規格幅が狭く(上記例では0. 25から0. 45秒)なる。
また、漏電検出器の回路を構成している電子部品の温度特性による誤差や、遮断器のメカ動作に要する時間等を考慮すると、動作時間の規格幅はさらに狭くなる。
以上のように従来の技術には、漏電による動作時間の規格幅が狭くなり、漏電遮断器の製造時に電子部品のバラツキ等によって動作時間が規格を外れるものが発生するので、動作時間の規格に合格させるための調整作業(時延用のコンデンサ等を取り替える作業)が余分にかかる欠点があった。
また、高速形漏電遮断器では、雷等によるサージ電流(衝撃波電流)で誤動作し易いという問題があった。
【0004】
【発明の目的】
そこで本発明は、漏電遮断器においてこのような不要な調整作業をなくして製造コストを低減すると共に、外部からのサージによって誤動作しない漏電検出器を提供することを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】
交流電路の漏洩電流を検出してこの漏洩電流の大きさに比例した漏電信号を発生し、この漏電信号の大きさが所定の大きさを超えるときスイッチング素子を介して作動して交流電路を遮断する漏電検出器において、前記漏電信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の出力が所定の大きさを超えたときに出力を発生する第一の判定回路と、前記第一の判定回路の出力を微分する微分回路と、前記微分回路の出力が所定の大きさを超えるかどうかを判定し所定の大きさを超えたとき出力を発生する第二の判定回路と、前記微分回路の出力が所定の大きさを超えるときリセットコンデンサを瞬時に放電し所定の大きさ以下のとき一定の電流で前記リセットコンデンサを徐々に積分するリセット回路と、前記リセット回路の出力が所定の大きさ以下のとき一定の電流で積分コンデンサを積分する積分回路 と、前記積分回路の出力が所定の大きさを超えるとき出力を発生する第三の判定回路と、前記第二の判定回路の出力と前記第三の判定回路の出力との論理積によりスイッチング素子をトリガさせて作動する漏電検出器を遮断器に組み込むことにより、時延形においては慣性不動作電流等の過大電流によって発生する零相変流器の逆起電力を短時間で判定して一定以上の時間を無視し、動作時間の規格下限値を下げて規格の幅を広げ、また、高速形においては雷等によるサージ電流に対し誤動作しない性能としたものである。
【0006】
【実施例の説明】
図1は、本発明の実施例を示す漏電検出器の回路ブロック図である。
【0007】
まず、図1のブロック構成を説明する。
ZCTは、零相変流器で交流電路の漏洩電流を検出し、漏洩電流の大きさに比例した電圧を出力する。
増幅部は、前記零相変流器の出力を増幅し、漏電信号として出力するアナログ回路である。
第一の判定回路は、前記増幅部により増幅された漏電信号の瞬時の値が所定の大きさを超えるときに出力を発生する回路である。
微分回路は、前記第一の判定回路の出力を微分し、出力する微分回路である。第二の判定回路は、前記微分回路の出力が所定の大きさ以上であるかどうかを判定し所定の大きさを超えたとき出力を発生する回路である。
リセット回路は、前記微分回路の出力が所定の大きさを超えるときリセットコンデンサを瞬時に放電し、所定の大きさ以下のとき一定の電流で前記リセットコンデンサを徐々に積分する回路である。
積分回路は、前記リセット回路の出力が所定の大きさ以下のとき、一定の電流で積分コンデンサを積分する積分回路である。
第三の判定回路は、前記積分回路の出力が所定の大きさ以上のとき出力を発生する回路である。
論理積回路は、前記第二の判定回路の出力と、第三の判定回路の出力との論理積により出力する回路である。
SCRは、前記論理積回路の出力により作動するスイッチング素子である。
【0008】
次に、図4のタイムチャートのA〜Gの波形を図1の各ブロックの機能に対応させて説明する。
Aは、交流電路(零相変流器一次側)の漏洩電流波形である。
Bは、図1の増幅部の出力波形である。
Cは、図1の第一の判定回路の出力波形である。
Dは、図1の微分回路の出力波形である。
Eは、図1のリセット回路の出力波形である。
Fは、図1の積分回路の出力波形である。
Gは、図1の第二の判定回路出力波形である。
Hは、図1の第三の判定回路出力波形である。
Iは、図1の論理積回路出力波形である。
【0009】
次に、図1により本発明の微分回路の動作説明をする。
零相変流器の一次側電路に漏電が発生し、零相変流器の出力が判定回路1の判定値VH1を超えると、定電流回路によりI1 の電流が供給される。
この電流により、C1 およびC2 に電荷がたまり、C1 の両端の電圧VC1およびR1 の両端の電圧VR1は、下記(1)に示す▲1▼および▲2▼の理論式により上昇する。
設定された内部回路により、VC1の電圧は、判定回路2の判定値VH2+0.6V(=VMAX)となるように設定する。
VR1は、VC1がVMAX に上昇した時点で最高となる。
理論式▲3▼によりVC1がVMAX 一定となると、VR1は下記(2)に示す理論式▲4▼により徐々に降下する。
(1)VC1=VMAX に上昇するまでの理論式
▲1▼VC1(t)=I1×{(A/B)×t+(C/B)×(1-EXP(-B×t))}/C11
ここで、A=1/(C2 ×R1 )
B=(C1 +C2 )/(C1 ×C2 ×R1 )
C=1ー(A/B)
▲2▼VR1(t)=I1 ×(1ーEXP(-t/D))/D
ここで、D=(C2 ×R1 )/(C1 +C2 )
(2)VC1(t)=VMAX に上昇した後の理論式
VC1(t)=VMAX となるまでの時間をt1 とすると
▲3▼VC1(t1 )=VMAX (一定)
▲4▼VR1(t)=VR(t1)×EXP{ー(tーt1)/(C2 ×R1 )}
(3)その後VR1(t)が再びVH2まで降下するまでの時間t2を求めると
▲4▼式より、t2=−ln{VH2/VR1(t1)}/A+t1 となる。
(4)第一の判定回路出力がVH1以下になった時、C1 は瞬時に放電され、VR1は、ローレベルとなる。
【0010】
図2は、漏電が発生した場合の本発明の動作説明波形図(タイムチャート)である。
Aは、交流電路(零相変流器一次側)の漏洩電流波形である。
Bは、増幅された零相変流器出力の漏電信号波形である。
Cは、第一の判定出力の波形で、Bの電圧が判定レベルVH1以上でハイレベルとなる。
Dは、微分回路出力の波形で、第一の判定出力によりハイレベルとなり、次の理論式により徐々に電圧が下がる。
V(t)=VMAX × EXP(-t/T), ここで、T=C30×R30
Eは、リセット回路出力の波形で、正常時ハイレベル、漏電検出中ローレベルとなる。
Fは、積分回路出力の波形で、Eのリセット回路の出力電圧が判定値VH3以下でコンデンサC4 を一定電流で積分し始め、Eがハイレベルのとなった時、積分コンデンサを瞬時に放電しリセットする。
Gは、第二の判定回路の出力波形であり、微分回路出力が第二の判定回路の判定値VH2を越えているときハイレベルになり、VH2以下の時ローレベルとなる。
Hは、第三の判定回路の出力であり、積分回路出力が第三の判定回路VH4を越えたときハイレベルになり、VH4以下の時、ローレベルとなる。
Iは、論理積回路の出力で第二の判定回路及び第三の判定回路が同時にハイレベルの時、スイッチング素子へトリガ出力する。
【0011】
次に、本考案の回路を時延型漏電遮断器に適用した場合に、動作時間の製造上の規格巾を従来より広くする事が可能となり、製作作業効率を大幅に改善可能となることを従来例と比較しながら、図3及び図6で説明する。
図3は、本考案回路での慣性不動作試験時のタイムチャートを示し図5は、従来回路例、図6は、従来回路でのタイムチャートを示す。
Aは、零相変流器の一次側に流れる慣性不動作電流(10Aまたは感度電流×20倍の電流)を慣性不動作時間T(前述の例では0. 15秒間)通電した波形。
このとき、Bの零相変流器出力には、慣性不動作電流通電後、零相変流器の内部インダクタンスによる逆起電力が発生し、約0. 1秒間続く。
Cの第一の判定出力の波形は、零相変流器の逆起電力が継続する間(TG ) 中、ハイレベルとなる。
Dの微分回路出力の波形は、前述の微分回路の理論式により、零相変流器の逆起電力発生後、約0. 01秒(t1+t2)で第二の判定値VH1を下回る。
以降、微分回路の波形がVH2を上回ることはないので、不動作時間はT+t1+t2に設定しておけばよい。従って、従来の不動作時間との差は(T+TG )− (T+t1+t2)=TG −(t1+t2)となり、例えばt1+t2=0.01秒 と設定すれば、TG −(t1 +t2 )=0.1−0.01=0.09秒 動作時間の製造規格下限値を下げることができる。
Eのリセット回路出力の波形は、Dの出力がローレベルのとき積分を開始し、判定レベルVH3を超えるとゼロリセットする。
Fの積分回路出力の波形は、零相変流器の逆起電力発生後しばらくして、判定値レベルVH3を超えてハイレベルとなる。
Gの第二の判定回路出力は、Dの微分出力を受けて、慣性不動作電流通電直後から、t1+t2の間ハイレベルとなった後は、ローレベルのままとなる。
Hの第三の判定回路出力は、積分回路の出力がリセット回路の出力がVH3を越えるまで、ローレベルのままである。
Iの論理積回路は、この場合同時にハイレベルとならないので、SCRトリガ出力を出さない。
従って、慣性不動作試験で誤動作することがなく、試験に合格する。
しかし、従来の漏電検出器には図5に示すように微分回路・第二の判定回路の機能がなく(第二の判定回路の機能がないので論理積回路もない)、第三の判定回路のみの判定で作動する為、図5のFの値が判定レベルのVH3を超えた時点で動作してしまうので、図6で示すように動作時間を0.15s+0.1s +trs 秒と長くする必要がある。ここでtrs は、第一の判定回路出力がなくなった後、リセット回路が復帰するまでの時間である。
【0012】
次に、本考案を高速型漏電遮断器に適用した場合、雷等による大きな衝撃波電流による、誤動作が本考案により、いかに解決されたかを図4、図7により説明する。図4は、本考案実施の場合、図7は、従来回路の場合を示す。
Aは、零相変流器の一次側に流れる衝撃波電流(2000A, 8×20μS)通電した波形。
このとき、Bの零相変流器出力には、衝撃波電流通電後、零相変流器の内部インダクタンスによる逆起電力が発生し、約0. 1秒間続く。
Cの第一の判定出力の波形は、零相変流器の逆起電力が継続する間TG2中、ハイレベルとなる。
Dの微分回路出力の波形は、前述の微分回路の理論式により、零相変流器の逆起電力発生後、t1+t2で判定値レベルVH2をしたまわる設定とする。
以降、微分回路の波形が判定値レベルを上回ることはない。例えば、t1+t2=0.01秒と設定し、動作時間を0.02〜0.1秒で設定すると、衝撃電流による誤動作は発生しない。
Eのリセット回路出力の波形は、Dの出力がゼロレベルのとき積分を開始し、判定レベルVH3を超えると積分回路をゼロリセットする。
Fの積分回路出力の波形は、リセット回路出力が、VH3以下となった時から、一定の電流で積分する。リセット回路がVH3を越えると、ゼロリセットする。
Gは、第二の判定回路出力で、微分回路出力がVH2以上の時、ハイレベルとなる。
Hは、第三の判定回路出力で、VH4以上の時ハイレベルとなる。
Iは、論理積出力であり、第二の判定出力と第三の判定出力が同時にハイレベルとならないので、SCRへのトリガ出力は発生せず、誤動作しない。
従って、衝撃波不動作試験で誤動作することがなく、試験に合格する。
しかし、従来の漏電検出器には図5に示すように微分回路・第二の判定回路の機能がなく(第二の判定回路の機能がないので論理積回路もない)、第三の判定回路のみの判定で作動するので図7のFの値が判定レベルVH4を超えた時点で動作してしまうので誤動作は、避けられなかった。
【0013】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、時延形においては動作時間の製造上の下限規格値を大幅に下げられ、規格幅を広げることができるので、動作時間の調整作業がなくなり、製造コストが安く、慣性不動作性能を満足するものとなる、また、高速形においては雷等によるサージ(衝撃波)に対して誤動作しない漏電遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏電検出器の回路ブロック図である。
【図2】本発明の漏電検出器の一次電力線に漏電が発生した場合の動作説明波形図(タイムチャート)である。
【図3】本発明の時延形漏電検出器の一次電力線に慣性不動作試験電流を通電した場合の動作説明波形図(タイムチャート)である。
【図4】本発明の漏電検出器の一次電力線に衝撃波電流を通電した場合の動作説明波形図(タイムチャート)である。
【図5】従来の漏電検出器の回路ブロック図である。
【図6】従来の時延形漏電検出器の一次電力線に慣性不動作試験電流を通電した場合の動作説明波形図(タイムチャート)である。
【図7】従来の漏電検出器の一次電力線に衝撃波電流を通電した場合の動作説明波形図(タイムチャート)である。
Claims (1)
- 交流電路の漏洩電流を零相変流器により検出してこの漏洩電流の大きさに比例した漏電信号を発生し、この漏電信号の大きさが所定の大きさを超えるときスイッチング素子を介して作動して交流電路を遮断する漏電検出器において、前記漏電信号を増幅する増幅回路と、前記増幅回路の出力が所定の大きさを超えたときに出力を発生する第一の判定回路と、前記第一の判定回路の出力を微分する微分回路と、前記微分回路の出力が所定の大きさを超えるかどうかを判定し所定の大きさを超えたとき出力を発生する第二の判定回路と、前記微分回路の出力が所定の大きさを超えるときリセットコンデンサを瞬時に放電し所定の大きさ以下のとき一定の電流で前記リセットコンデンサを徐々に積分するリセット回路と、前記リセット回路の出力が所定の大きさ以下のとき一定の電流で積分コンデンサを積分する積分回路と、前記積分回路の出力が所定の大きさを超えるとき出力を発生する第三の判定回路と、前記第二の判定回路の出力と前記第三の判定回路の出力との論理積によりスイッチング素子をトリガさせて作動することを特徴とする漏電検出器。
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| JP12465997A Expired - Lifetime JP3748314B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 漏電検出器 |
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