JP3755259B2 - コークス製造設備における廃水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコークス製造設備における廃水の処理方法に関するものであり、特に廃水中のアンモニア分の除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス製造設備では各種の廃水が発生する。この第一は余剰ガス液である。コークス製造では、コークス炉から流出する高温のコークス炉ガスに水を噴射してガスを冷却し、含まれているタール分を凝縮させる。次いでコークス炉ガスは間接冷却により更に冷却し、ガス精製装置に送られる。これらのガス冷却工程では水を回収し、含まれているタール分をデカンターなどで除去したのち、コークス炉ガスへの噴射に循環再利用している。この水はガス液と称されており、コークス炉ガス中のアンモニアを吸収して数千ppmのアンモニア分を含んでいる。このアンモニア分の一部は酸と塩を形成した固定アンモニアとして、他は遊離アンモニアとして存在している。またコークス炉から流出するコークス炉ガス中には、石炭付着水や乾留過程で石炭から生成した水が水蒸気として含まれている。従ってガス液の量は、放置しておくと、この水蒸気から生成する水量だけ漸増するので、ガス液の循環系からその一部を抜出して、循環系の液量が所定の範囲に収まるようにしている。この抜出されたガス液が余剰ガス液であり、前述の如く数千ppmのアンモニア分を含んでおり、かつ有機物で高度に汚染されているので、活性汚泥処理を経た後でなければ、公共水域に排出することはできない。
コークス製造設備では、余剰ガス液以外にも、コークス炉ガスの精製工程やタールの処理工程などからも種々の廃水が排出される。これらの種々の排出源からの廃水も、相当量のアンモニア分と有機物を含んでいるものが多く、それらは余剰ガス液と同様に、活性汚泥処理を経た後でなければ、公共水域に排出することはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
公共水域に排出する廃水のアンモニア分の濃度は厳しく規制されている。従ってコークス製造設備の廃水のように高濃度のアンモニア分を含むものの処理においては、公共水域へ排出する際のアンモニア分の濃度を如何にして規制値以下にするかが、廃水処理費用に大きく影響する。すなわち廃水の発生量及びそのアンモニア分の含有量は常に変動するので、仮にこのような変動が生じても規制値を遵守し得るように常に余裕をもってアンモニア分の除去を行うと、当然のことながら処理費用が増大する。逆に平均的な廃水の発生量及びそのアンモニア分の含有量を基準にして処理を行う方法は、処理費用が安くて済むが、大容量の貯槽を設置して発生源での変動を平均化するなど、変動を吸収し得る手段を用意しておかなければ、規制値を遵守することはできない。本発明は廃水処理費用を低く維持しつつ、規制値を遵守することのできる方法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ガス液循環系から排出される余剰ガス液を、他の排出源からの汚染された廃水と一緒にして、活性汚泥法を含む廃水処理系で処理するコークス製造設備における廃水の処理方法において、廃水処理系に流入する全廃水のアンモニア分が所定の範囲になるように、少くとも余剰ガス液をスチームストリッピングに供してそのアンモニア分を低減させてから廃水処理系に流入させること、及びスチームストリッピングにおけるアンモニアの除去量を廃水の持込むアンモニア分の量に応じて調節し、余剰ガス液の一部はスチームストリッピングに供したのち廃水処理系に流入させ、残部はスチームストリッピングに供することなく廃水処理系に流入させ、かつ両者の比率を調節することにより廃水処理系に持込まれるアンモニア分を調節することにより、廃水処理費用を低減させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明では、廃水から予じめスチームストリッピングによりアンモニア分を除去しておくことにより、廃水処理系に流入する廃水のアンモニア分が所定の範囲に収まるようにする。前述のようにコークス製造設備では排出源を異にする種々の廃水が廃水処理系に流入するが、廃水の全アンモニア分の相当部分、通常は50%以上、は余剰ガス液のアンモニア分である。余剰ガス液は、大量に循環しているガス液の一部を抜出したものであり、その量及びアンモニア分の変動は比較的緩慢である。本発明ではこの余剰ガス液をスチームストリッピングに供する。通常は余剰ガス液だけをスチームストリッピングに供するが、所望ならば余剰ガス液に加えて他の排出源からの廃水もスチームストリッピングに供してもよい。スチームストリッピングにおいて廃水から除去するアンモニア分の量は、廃水処理系に流入する廃水のアンモニア分が所定の範囲内になるように決定する。スチームストリッピングでは、供給する廃水及びスチーム量を調節することにより、アンモニア分の除去量を殆ど時間遅れなく且つ任意に制御することができる。従って廃水が持込むアンモニア分の変動に直ちに対応することができる。
【0006】
スチームストリッピングによるアンモニア除去量の制御は、いくつかの方法で行うことができる。例えば余剰ガス液の全量を常にスチームストリッピングに供給しておき、スチーム量を制御することによりアンモニア分の除去量を制御することができる。しかし通常は、スチームストリッピングに供給する余剰ガス液量を制御することにより、アンモニア分の除去量を制御するのが好ましい。図1は、このような方式を実施する場合の液の流れの1例を示すもので、余剰ガス液は導管1を経て供給され、その一部はストリッピング塔2を経て、残部は直接に、廃水貯槽3に流入する。ストリッピング塔2には導管4を経てスチームが供給され、余剰ガス液中のアンモニア分はスチームと一緒に塔頂から導管5を経て流出する。このアンモニアはコークス炉ガスの脱アンモニア系に導入するなど、適宜の方法で処理される。廃水貯槽3には、導管6を経て他の排出源からの廃水も流入している。廃水貯槽3からは導管7を経て廃水が一定速度で流出し、活性汚泥法を含む廃水処理系に流入する。図1において、導管7を流れる廃水のアンモニア分の濃度を窒素計で測定し、余剰ガス液のアンモニア分を、窒素計と流量計で測定する。この測定値に基いてストリッピング塔2で除去すべきアンモニア分の量を算出し、ストリッピング塔でのアンモニア分の除去率に基いて、ストリッピング塔に供給する余剰ガス液量を算出する。またストリッピング塔から流出する余剰ガス液中のアンモニア分を測定し、除去率が所定の値となるように供給するスチーム量を調節する。
【0007】
廃水貯槽3から流出する廃水を受入れる廃水処理系は、活性汚泥法を主体とし、これに更に所望により他の処理を組合せたものである。最も簡単には、活性汚泥法によりBODを低減させたのち、浮遊物(SS)を濾過ないしは沈降により除去して公共水域に排出する。所望ならば活性汚泥法と硝化菌、脱窒菌による硝化・脱窒とを組合せ、廃水中のアンモニア分を更に低減させることもできる。
【0008】
本発明によれば、廃水処理系に流入する廃水のアンモニア分を平均化させるための大きな廃水貯槽を設置する必要がない。また余剰ガス液には微生物の生育に有害なシアンが含まれているが、このシアンにより後続する廃水処理系が悪影響を受けるのを回避できる。例えば、硝化菌や脱窒菌はシアンの影響を受け易く、シアン濃度が脱窒槽で約30ppm以上になると生育が著しく阻害されるとされている。また活性汚泥もシアンの影響を受け、シアン濃度が曝気槽で約50ppm以上になると生育が阻害されるようになる。しかし本発明によれば、スチームストリッピングによりアンモニアを除去すると、余剰ガス液中のシアンも容易に留去されるので、後続する廃水処理系が余剰ガス液中のシアンにより阻害されるのを回避することができる。更に本発明では、廃水処理系に流入するアンモニア分が所定の値となるように、廃水から除去すべきアンモニア分の量に応じて、必要最小限のスチームストリッピングを行えばよいので、スチーム量を大幅に節減できる。例えば平均して、余剰ガス液が遊離アンモニアを195kg/hr、固定アンモニアを105kg/hrで廃水処理系に持込んでおり、他の排出源からの廃水が100kg/hrのアンモニア分を廃水処理系に持込んでいるが、公共水域へ排出する廃水中のアンモニア分の規制により、後続する廃水処理系には300kg/hrのアンモニア分しか流入させられない場合を想定する。廃水の量とそのアンモニア濃度が常に一定ならば、スチームストリッピングにより余剰ガス液の遊離アンモニアのうち100kg/hrを除去すればよい。スチームストリッピングによる遊離アンモニアの除去率を90%とすると、余剰ガス液の約57%をスチームストリッピングに供すればよい。しかし若し他の排出源からの排水の持込むアンモニア分が最大で150kg/hrに達するとすると、この場合においても後続する廃水処理系に300kg/hrのアンモニア分しか流入させない為には、余剰ガス液の遊離アンモニアのうちの150kg/hrを除去しなければならない。そのためには余剰ガス液の約86%をスチームストリッピングに供しなければならず、スチームストリッピングに供する余剰ガス液は約50%増加する。スチームストリッピングに供する液量とスチーム消費量とはほぼ比例するので、スチームの消費量も約50%増加することになる。この想定事例からも明らかなように、廃水の持込むアンモニア分が変動しても大丈夫なように常に余裕をもってスチームストリッピングを行うと、廃水の持込むアンモニア量に応じてスチームストリッピングでのアンモニア除去量を調節する場合に比し、スチーム消費量が著しく増加する。かつ、後続する廃水処理系の活性汚泥も、アンモニア分の濃度が変動するので管理が面倒である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により余剰ガス液のスチームストリッピングを行う場合の液の流れの1例を示すものである。
【符号の説明】
1 余剰ガス液の供給導管
2 ストリッピング塔
3 廃水貯槽
4 スチーム供給導管
5 アンモニアガス流出管
6 他の排出源からの廃水の供給導管
7 廃水の流出管

Claims (1)

  1. ガス液循環系から排出される余剰ガス液を、他の排出源からの汚染された廃水と一緒にして、活性汚泥法を含む廃水処理系で処理するコークス製造設備における廃水の処理方法において、廃水処理系に持込まれるアンモニア分が所定の範囲となるように、少くとも余剰ガス液をスチームストリッピングに供してそのアンモニア分を低減させてから廃水処理系に流入させること、及びスチームストリッピングにおけるアンモニアの除去量を廃水の持込むアンモニア分の量に応じて調節する方法であって、余剰ガス液の一部はスチームストリッピングに供したのち廃水処理系に流入させ、残部はスチームストリッピングに供することなく廃水処理系に流入させ、かつ両者の比率を調節することにより廃水処理系に持込まれるアンモニア分を調節することを特徴とする方法。
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