JP3760367B2 - 綴じ具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は綴じ具に係り、更に詳しくは、押え部材の組み立てを容易に行うことのできる綴じ具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の綴じ具としては、例えば、図37に示されるタイプのものが知られている。この綴じ具100は金属材を成形素材として形成されている。当該綴じ具100は、表紙体101の内面に固定されたベース102と、このベース102に複数の連結軸103を介して支持された押え部材104と、当該押え部材104にコイルばね105を介して連結された操作部材106とを備えて構成されている。
【0003】
前記ベース102は、表紙体101の内面に接する設置面部110と、この設置面部110の一端から上方に起立した支持壁部111と、前記設置面部110を部分的に切り起こして形成されるとともに前記支持壁部111と略平行に設けられた複数の中間壁部112とを備えて構成されている。支持壁部111には、複数の丸穴111Aと、操作部材106をロックするための角穴111Bが形成されている。
【0004】
前記押え部材104は横断面形状が下向きコ字状をなす外形を備えて構成されている。具体的には、平面視略長方形状の平面部104Aと、この平面部104Aの短寸幅方向両側に連なるとともに、複数箇所に穴104Cを備えた一対の側面部104Bとにより構成されている。
【0005】
前記コイルばね105は、前記支持壁部111と一つの中間壁部112との間に掛け渡されたピン113の軸回りに装着されている。このコイルばね105は、一端側が押え部材104の略中央部に位置する穴104Cを貫通する一方、他端側が操作部材106の下面位置で自由端側に延びるように配置され、操作部材106が図示の倒伏位置にあるときに、押え部材104が書類Pに押し付け力を付与する一方、操作部材106が常に起き上がる方向に力を付与するようになっている。
【0006】
前記連結軸103はクランク型の形状をなし、その一端側が押え部材104の長手方向両側に位置する穴103Cを貫通して延び、他端側が支持壁部111と中間壁部112との間に掛け渡されるように配置され、これにより、押え部材104がベース102の設置面部110に対して離間接近するときに、当該設置面部110との平行度を保った状態で移動可能となる。
【0007】
前記操作部材106は、その一端側が、コイルばね105のコイル部を貫通するピン113に支持されている。この操作部材106の図中手前側となる自由端側の側面部分には、前記角穴111Bの形成位置に対応する突起114が設けられており、この突起114が角穴111Bに引っ掛けられることで、操作部材106がロック位置に保たれるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記綴じ具100にあっては、押え部材104がコ字状の部材によって構成されており、この押え部材104の左右の各側面部104Bに形成された穴104Cを貫通するように連結軸103の一端側とばね部材105の一端側を差し込んでその先端をかしめる構造であるため、次のような不都合を生じる。
【0009】
すなわち、前記押え部材104を加工する際には、一枚の平坦な金属素材の両側に、前記穴104Cを最初に形成すべく打ち抜き加工を行う第1の工程と、コ字状となるように折り曲げ加工を行う第2の工程との二段階の工程を経る。従って、第2の工程を終了したときに、穴104Cの周辺領域に歪み等が発生し易くなり、一対の側面部104B、104Bにそれぞれ分散して位置する各穴104C、104Cの軸線位置に微妙な「ずれ」を生じさせる場合があり、ひいては、各穴104C、104Cに対して連結軸103及びばね部材105の一端側を挿入しずらくなり、無理な挿入によって、完成後における押え部材104の円滑な動作を阻害する原因となる。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、押え部材に対する連結軸及びばね部材の連結歩留まりを向上させることができ、完成品における押え部材の円滑動作を実現することのできる綴じ具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、ベースに一端側が支持されて他端を自由端として移動可能に設けられた操作部材と、前記ベースに連結部材を介して支持された押え部材と、この押え部材と前記操作部材との間に設けられたばね部材と、前記押え部材が閉じ込み位置に設定されたときに前記操作部材をロックするロック手段とを備えた綴じ具において、
前記押え部材は、前記ベースの面に対して交差する方向に面が向けられた細長い板片である少なくとも一枚の押え片を含み、この押え片の面を横切る位置に前記連結部材とばね部材の一端側が配置される、という構成を採っている。このような構成によれば、連結部材とばね部材の一端側を連結するための空間若しくは穴を押え片に形成するだけでよいため、従来のように、その後の曲げ加工による変形要因を効果的に回避することができる。しかも、完成された綴じ具において、押え部材の円滑な動作を実現することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における押え部材は、相互に略平行に配置された複数枚の独立した押え片により構成することが好ましい。これにより、連結軸及びばね部材の一端側軸線位置を安定的に保つことが可能となる。
【0013】
また、前記押え部材は板状体を含み、この板状体は前記押え片を嵌め込み可能な溝を設けるとよい。これにより、押え片を安定した状態で支持することが可能となる。この際、押え片には切り起こし片を設け、押え片を溝に嵌め込んだときに、切り起こし片が溝の内面を圧接するようにすることが好ましい。これにより、押え片の脱落を確実に防止することができる。
【0014】
また、前記押え部材は、前記押え片の上端側に位置する板状体を更に含み、この板状体に前記連結軸の一端側とばね部材の一端側を挟み込んだ状態で前記押え片が嵌め込まれる、という構成を採るとよい。このような構成では、押え片と板状体の間に連結軸の一端側とばね部材の一端側を受容できる空間を設ければよくなるため、従来のような挿入作業を行う必要がなく、押え部材の完成と同時に連結軸等も組み込む作業を完了することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0016】
[第1実施例]
図1ないし図26には、第1の実施例に係る綴じ具が示されている。全体構成及びその分解斜視図が示された図1及び図2において、綴じ具10は、ベース11と、このベース11に支持されたレバー状の操作部材12と、当該操作部材12の移動によって前記ベース11に対して離間接近可能な押え部材13と、この押え部材13と操作部材12との間に設けられたばね部材14と、前記押え部材13が図1に示される綴じ込み位置に設定されたときに操作部材12をロックするロック手段15と、前記押え部材13をベース11上に支持する連結部材としての第1及び第2の連結軸16、17とを備えて構成されている。
【0017】
前記ベース11は金属材を成形材料として形成されている。このベース11は、図3ないし図8にも示されるように、図示しない表紙体の上下方向若しくは左右方向に沿って延びる設置面部20と、この設置面部20の短寸幅方向一端に連なって上方に起立する支持壁部21とにより構成されている。設置面部20の面内には、その長手方向両側に固定用穴22が形成され、これらの固定用穴22を利用して図示しないリベットを用いて所定の表紙体にベース11が固定できるようになっている。また、固定用穴22、22間の四箇所には、図4に示されるように、平面視三日月型の切り起こし部23が形成され、これらの切り起こし部23によって、綴じ込まれる書類に脱落抵抗を付与するようになっている。更に、設置面部20の短寸幅方向略中間部において、長手方向両側には、当該設置面部20を部分的に切り起こして形成された書類端縁突き当て片24、25が設けられているとともに、これら突き当て片24、25間には、同様の切り起こしによって形成された第1の中間壁部26と軸受壁部27が形成されている。また、設置面部20の長手方向一端側(図4中右端側)において、第1の中間壁部26と略同一平面となる位置に第2の中間壁部28が形成されている。これら第1及び第2の中間壁部26、28と軸受壁部27の各面内には、穴30、31、32がそれぞれ形成されている。なお、設置面部20において、前記支持壁部21の形成位置と反対側には、長手方向に沿って延びるリブ状の隆起部33が形成されている。
【0018】
前記支持壁部21は、設置面部20の長手方向に沿って延びる第1の支持壁部34と、前記第2の中間壁部28と相対する位置で当該第2の中間壁部28と同様の形状を備えた第2の支持壁部35とにより構成されている。第1の支持壁部34は、起立面部34Aと、この起立面部34Aの上端に連なって外側水平方向に向けられた屈曲面部34Bとからなる。起立面部34Aの面内には、前記第1の中間壁部26と軸受壁部27に形成された穴30、32に対応する穴37、38がそれぞれ形成されているとともに、ロック手段15の一部を形成する下向き鍵状のフック部39が形成されている。また、第2の支持壁部35には、前記第2の中間壁部28に形成された穴31に対応する穴40が形成されている。
【0019】
前記操作部材12は合成樹脂材料によって形成されている。この操作部材12は、図10ないし図14に示されるように、平面視略長方形状の板状をなす本体42と、この本体42の一端側における短寸幅方向二箇所に設けられた一対の軸受翼43、43と、前記本体42の裏面側で当該本体42の長手方向に延びるリブ状の補強部44とを備えて構成されている。この操作部材12は、図2に示されるように、前述した軸受壁部27と第1の支持壁部34の各穴32,38と前記軸受翼43,43の各軸受穴43Aとを一致させて軸46を挿入することにより、一端側がベース11に支持されて他端側を自由端とした回転移動が可能となっている。
【0020】
前記本体42の自由端側には、平面視L字状のスリット48が形成されており、このスリット48で囲まれる内側が操作部材12をロックさせるための第1の操作領域50とされる一方、外側すなわち自由端側が操作部材12のロックを解除するための第2の操作領域51とされている。第1の操作領域50の下面側には垂下壁53が一体に設けられている。この垂下壁53は、図14に示されるように、その面の向きが本体42の短寸幅方向に沿うように設けられており、外側端縁(同図中左側端縁)から、ガイド部を構成する切欠部55が形成されている。この切欠部55は、その切欠深さが増す方向に向かって次第に低位置となる傾斜状に設けられている。
【0021】
前記第2の操作領域51の下面側には、平面形状が略二等辺三角形となる面形状を備えた接触部材57が形成されている。この接触部材57の面も本体42の短寸幅方向に沿うように向けられているとともに、斜縁57Aが下面側に位置するように設けられている。この斜縁57Aは、前記切欠部55の傾斜方向とクロスする位置関係に設けられている。なお、操作部材12の基部側において、前記本体42の下面側には、図2中点線で示されるように、ばね受け部材59が設けられている。このばね受け部材59はL字状をなし、その長片を形成する鉛直面59Aの向きが本体42の長手方向に沿う一方、短片を形成する下端水平面59Bが本体42と略平行となるように設けられている。
【0022】
前記押え部材13は、図15ないし図24に示されるように、平面視略長方形状の上部材としての板状体60と、この板状体60の下面側に装着された下部材としての二枚の押え片61,61とにより構成されている。板状体60の下面側には、図18に示されるように、押え片61、61が嵌め込み可能な二列の溝62、62が長手方向に沿って形成されている。また、これら溝62,62を横切る方向、すなわち板状体60の短寸幅方向には、第1及び第2の連結軸16、17の各一端側をそれぞれ受容する軸受溝64,64が、板状体60の長手方向二箇所位置に形成されている。これら軸受溝64,64の中間位置には、当該軸受溝64の溝幅よりも大きな溝幅を有する中間軸受溝65が設けられ、この中間軸受溝65に、ばね部材14の一端側が受容されるようになっている。ここで、前記軸受溝64、64及び中間軸受溝65は、図17に示されるように、板状体60の短寸幅方向に沿う一側面すなわち操作部材12側が開放するように設けられている。
【0023】
前記二列の溝62、62の内面側には、図16及び図18に示されるように、板状体60の厚み方向に沿って延びる複数の隆起部62Aが形成され、これらの隆起部62Aによって、各溝62内に嵌め込まれる押え片61、61の面に対して部分的に強い挟圧力が付与されるようになっている。
【0024】
前記押え片61、61は金属製の細長い板片によってそれぞれ同一形状に設けられている。この押え片61は、図19ないし図24に示されるように、板状体60の前記溝62に嵌め込まれたときに、その下端が板状体60の下面より若干突出する程度の短寸方向幅すなわち上下方向幅を備えて構成されている。押え片61の面内には、当該押え片61の長手方向に沿って適宜な間隔をおいて切り起こし片61Aが設けられている。これらの切り起こし片61Aは、その突出向きが押え片61の長手方向に沿って交互に反対側に向けられるように互い違いの関係をなし、これにより、押え片61が溝62に嵌め込まれたときに、各切り起こし片61Aが押え片61の面内に収まるようになり、初期の切り起こし角度に戻ろうとする力を圧接力として溝62の内壁面にバランスよく与えるようになっている。また、押え片61の上端縁には、前記軸受溝64、64と相互に作用して第1及び第2の連結軸16、17の一端側を挿入する空間を形成する軸受凹部68,68と、これら軸受凹部68間に設けられるとともに、前記中間軸受溝65と相互に作用してばね部材14の一端側を挿入する空間を形成する中間軸受凹部69が形成されている。なお、押え片61,61は、その面がベース11の設置面部20に対して交わる方向、本実施例では、略直交する方向に向けられている。
【0025】
前記ばね部材14は、図2及び図25に示されるように、コイル状部70と、このコイル状部70の一端側から延びる直線軸部71と、この直線軸部71の先端に連なるとともに、当該直線軸部71に対して略直交する方向に向けられた屈曲軸部72と、前記コイル状部70の他端側から延びてロック手段15を構成する延長軸部74とにより構成されている。コイル状部70は、その内部に前述した軸46(図2参照)が貫通するようになっており、屈曲軸部72は、押え部材13の中間軸受溝65と中間軸受凹部69とで形成される空間内に挿入されるようになっている。
【0026】
また、前記延長軸部74は、前記操作部材12の下面側に位置して当該操作部材12の自由端側に達する長さを備えて構成されている。この延長軸部74は、操作部材12の前記垂下壁53に形成された切欠部55内を突き抜けて前記接触部材57の傾斜縁57Aに略接する位置を通るように、中間に若干の傾斜部74Aが設けられている。
【0027】
前記押え部材13は、図2に示されるように、クランク型を備えた第1及び第2の連結軸16、17を介してベース11及び操作部材12に連結可能に設けられている。第1の連結軸16は、その一端側が第1の中間壁部26に形成された穴30と第1の支持壁34に形成された穴37に挿入される一方、他端側が押え部材13の下面側に形成された一方の軸受溝64と押え片61の軸受凹部68とで形成される空間内に挿入されるようになっている。また、第2の連結軸17は、その一端側がベース11における第2の中間壁部28に形成された穴31と、第2の支持壁部35に形成された穴40に挿入される一方、他端側が、押え部材13の下面側に形成された他方の軸受溝64と押え片61の軸受凹部68とで形成される空間内に挿入されるようになっている。ここで、押え部材13内に位置する第1及び第2の連結軸16,17の先端部と、前記ばね部材14の先端部は、これらが押え部材13に組み立てられたときに、当該押え部材13から抜け出ることがないように、図示省略したかしめによる脱落防止部が予め形成されている。
【0028】
前記実施例に係る綴じ具10の組み立て要領について説明する。
【0029】
押え部材13の組み立てに際しては、当該押え部材13の板状体60を裏返しにして、第1及び第2の連結軸16、17の一端側を軸受溝64内に落とし込むとともに、ばね部材14の前記屈曲軸部72も中間軸受溝65内に落とし込む。そして、その上から、押え片61,61を板状体60の溝62に差し込めばよい。この際、第1及び第2の連結軸16,17の端部、及び屈曲軸部72の端部には、前述したように、かしめによる脱落防止部が予め形成されているため、当該連結軸16,17及び屈曲軸部72が押え部材13から抜け出ることはなく、また、押え片61、61も溝62に強く嵌り込んでいるため、これらも脱落する虞はない。
【0030】
次いで、第1連結軸16の他端側を第1の中間壁部26と第1の支持壁部34の各穴30,37に挿入する一方、第2の連結軸17の他端側を第2の中間壁部28と第2の支持壁部35の各穴31,40に挿入する。これと並行して、ばね部材14の延長軸部74を当該操作部材14の下面側に沿わせるとともに、コイル状部70を操作部材12の軸受翼43,43間に位置させる。そして、軸受翼43,43の各軸受穴43Aと、前記軸受壁部27及び第1の支持壁部34に形成された穴32,38とを一致させて軸46を挿入する。
【0031】
この後、前記第1の支持壁部34及び第2の支持壁部35の外側に突き出る第1及び第2の連結軸16、17の各先端と、前記軸46の先端をかしめて脱落防止することで、綴じ具10を完成させることができる。
【0032】
このようにして組み立てられた綴じ具10は、第1の操作領域50を上方から設置面部20側に押圧して操作部材12を略水平姿勢となる方向に回転させることで、延長軸部74がフック部39の上部形状に倣って初期の軸線位置(図14の点線位置)から右側すなわち押え部材13側に若干移動し、フック部39の上部を乗り越えたときに、初期の軸線位置に復帰してフック部39に引っ掛かってロックされることとなり、同時に、押え部材13がベース11の設置面部20に対して綴じ込み位置にセットされる。
【0033】
押え部材13による綴じ込み解除する場合、すなわち、操作部材12のロックを解除する場合には、第2の操作領域51を第1の操作領域50と同様に、設置面部20側に押圧操作すればよい。この押圧操作により、第2の操作領域51は、前述したスリット48の形成により、独立して面位置を低くする方向に変位することができる。この変位により、下面に設けられた接触部材57の斜縁57A位置も下方に変位するため、これに接する延長軸部74は、その軸線位置を図14中右側下方に変位することとなり、この変位によって、フック部39から脱落することとなる。
【0034】
このようにして延長軸部74がフック部39から脱落してロックが解除されると、操作部材12は、ばね部材14の力によって浮き上がって押え部材13をフリーな状態とする。同時に、延長軸部74は、初期の軸線位置に復帰することとなる。
【0035】
次に、本発明の前記以外の実施例について説明する。なお、以下の説明において、前記第1の実施例と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
【0036】
[第2実施例]
図26ないし図28には、第2の実施例に係る綴じ具10が示されている。この綴じ具10は、スリット48の形成位置を変更して、第1の操作領域50と第2の操作領域52の位置を逆転したところに特徴を有する。そのため、前述した垂下壁53を操作部材12の自由端側に設ける一方、接触部材57をこれの内側に設ける設計変更が行われている。その他の構成は、実質的に第1の実施例と略同様となっている。
【0037】
このような第2の実施例によっても、前記第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0038】
[第3実施例]
図29ないし図36には第3の実施例が示されている。この実施例は、第1及び第2の操作領域50,51の配置を、第2の実施例と略同様の位置に設けるとともに、第2の操作領域51を別体の部品を用いて構成したところに特徴を有する。
【0039】
これを更に詳述すると、第2の操作領域51は、別部品からなる駒状部材80によって構成されている。この駒状部材80は、平面部81と、この平面部81の下面に垂下する接触部材57と、この接触部材57を中間位置として平面部81の外周二箇所から下方に垂下する一対の爪状部材82を備えて構成されている。
【0040】
操作部材12を構成する本体42の自由端側近傍には、前記駒状部材80を受容することのでき陥没部84が形成されている。この陥没部84の領域内には、前記接触部材57を上下方向に移動可能に受け入れる長穴85が形成されているとともに、この長穴85の両側(図31中左右両側)には、前記爪状部材82の上方への脱落を不能に保持する装着用穴86、86がそれぞれ形成されている。
【0041】
前記駒状部材80は、前記陥没部84内で脱落が規制された状態で上下に移動可能となっており、この駒状部材80が下降したときに、接触部材57の下縁57Aが延長軸部74(図36参照)を押し下げることで当該延長軸部74と、ベース側の図示省略したフック部とのロックが解除可能とされている。なお、駒状部材80は、押圧力を上面側から付与しない状態で、最も上昇した位置に保たれるようになっており、平面部81の下面と陥没部84の上面との間に一定の押し下げ空間が形成されるようになっている。その他の構成は、実質的に前記第1及び第2の実施例と略同様とされている。
【0042】
このような第3の実施例によれば、第2の操作領域51が本体42と別部品とされた駒状部材80によって構成されているため、第2の操作領域51の押圧操作力が駒状部材80の下降力として無理なく働くようになり、ひいては、延長軸部74を一層確実にロック位置から脱落させることが可能となる。
【0043】
なお、本発明における押え部材13は、二枚の押え片61を含んで構成したが、この押え片61の数は特に限定されるものではなく、一枚又は三枚以上であってもよい。要するに、本発明は、押え片61に形成される軸受凹部68、中間軸受凹部69を形成した後に、これを折り曲げる等の二次加工を行う必要がないものであれば足りる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、綴じ具を構成する押え部材が、ベースの面に対して交差する方向に面が向けられた少なくとも一枚の押え片を含んで構成され、この押え片の面を横切る位置に前記連結部材とばね部材の一端側を配置する構成としたから、連結部材とばね部材の一端側を連結するための空間若しくは穴を押え片に形成するだけで足り、その後の曲げ加工を不要として変形要因を効果的に回避することができる。また、綴じ具の使用に際して、押え部材の円滑な動作を実現することも可能となる。
【0045】
更に、押え部材を相互に平行に配置された複数枚の独立した押え片により構成した場合には、連結軸及びばね部材の一端側軸線位置を安定的に保つことが可能となり、押え部材の製品精度を安定したものとすることができる。
【0046】
また、前記押え部材を、板状体を含んで構成するとともに、この板状体に押え片を嵌め込み可能な溝を設けた構成では、押え片を安定した状態で支持することが可能となる。しかも、押え片に切り起こし片を設けて当該切り起こし片が溝の内面を圧接するようにした構成とすれば、押え片の脱落を確実に防止することができる。
【0047】
また、板状体と押え片との間に連結軸の一端側とばね部材の一端側を挟み込む構成を採用した場合には、押え片と板状体の間に連結軸の一端側とばね部材の一端側を受容できる空間を設ける構成を採用して、従来のような挿入作業を行う必要性を排除でき、押え部材の完成と同時に連結軸等も組み込む作業を完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る綴じ具の全体構成を示す概略斜視図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】図1の平面図。
【図4】ベースの平面図。
【図5】ベースの正面図。
【図6】図4の拡大左側面図。
【図7】図4のA−A線に沿う矢視拡大断面図。
【図8】図4のB−B線に沿う矢視拡大断面図。
【図9】操作部材の平面図。
【図10】操作部材の正面図。
【図11】操作部材の底面図。
【図12】操作部材の背面図。
【図13】図9のC−C線に沿う矢視拡大断面図。
【図14】図10の拡大左側面図。
【図15】押え部材を構成する板状体の平面図。
【図16】図18のD−D線に沿う矢視断面図。
【図17】前記板状体の正面図。
【図18】前記板状体の底面図。
【図19】図18のE−E線に沿う矢視拡大断面図。
【図20】図18のF−F線に沿う矢視拡大断面図。
【図21】押え部材を構成する押え片の正面図。
【図22】図21の平面図。
【図23】図21のJ−J線に沿う矢視拡大断面図。
【図24】押え部材の断面図。
【図25】ばね部材の平面図。
【図26】第2の実施例に係る綴じ具の全体構成を示す概略斜視図。
【図27】図2とは反対側から見た図26の一部概略分解斜視図。
【図28】第2の実施例に係る操作部材の自由端側領域を示す側面図。
【図29】第3の実施例に係る綴じ具の全体構成を示す概略斜視図。
【図30】第3の実施例に係る綴じ具の分解斜視図。
【図31】第3の実施例に係る操作部材の平面図。
【図32】第3の実施例に係る操作部材の正面図。
【図33】図31のK−K線に沿う矢視拡大断面図。
【図34】図31のL−L線に沿う矢視拡大断面図。
【図35】図31の左側面図。
【図36】図31のM−M線に沿う矢視拡大断面図。
【図37】従来の綴じ具を示す概略斜視図。
【符号の説明】
10 綴じ具
11 ベース
12 操作部材
13 押え部材
14 ばね部材
15 ロック手段
16 第1の連結軸(連結部材)
17 第2の連結軸(連結部材)
60 板状体
61 押え片
62 溝
64 軸受溝
65 中間軸受溝
68 軸受凹部
69 中間軸受凹部

Claims (5)

  1. ベースに一端側が支持されて他端を自由端として移動可能に設けられた操作部材と、前記ベースに連結部材を介して支持された押え部材と、この押え部材と前記操作部材との間に設けられたばね部材と、前記押え部材が閉じ込み位置に設定されたときに前記操作部材をロックするロック手段とを備えた綴じ具において、
    前記押え部材は、前記ベースの面に対して交差する方向に面が向けられた細長い板片である少なくとも一枚の押え片を含み、この押え片の面を横切る位置に前記連結部材とばね部材の一端側が配置されていることを特徴とする綴じ具。
  2. 前記押え部材は、相互に略平行に配置された複数の独立した押え片からなり、これら押え片の面を横切って前記連結部材とばね部材の一端側が配置されていることを特徴とする請求項1記載の綴じ具。
  3. 前記押え部材は板状体を含み、この板状体は前記押え片を嵌め込み可能な溝を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の綴じ具。
  4. 前記押え片には切り起こし片が設けられ、この切り起こし片は、押え片を前記溝に嵌め込んだときに、当該溝の内面を圧接することを特徴とする請求項3記載の綴じ具。
  5. 前記押え部材は、前記押え片の上端側に位置する板状体を更に含み、この板状体に前記連結軸の一端側とばね部材の一端側を挟み込んだ状態で前記押え片が嵌め込まれていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の綴じ具。
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