JP3760376B2 - 光ファイバコネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の光ファイバの先端面同士を突き合わせて接続する光ファイバコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ファイバコネクタの一例として図7に示すMT形といわれるものがある。図7において、この多芯用のMT形コネクタでは、光ファイバ21が固定された樹脂製のプラグ22,22の接合側内端面に光ファイバの先端面を露出させて研磨し、これらプラグ22,22同士を一対のガイドピン23をガイド孔内に嵌合させることにより結合し、これにより光ファイバ21,21の研磨された先端面同士を密着させた後、金属板製のクランプバネ24を用いて光ファイバ21同士の接続状態を維持するようにしている。
【0003】
上記MT形コネクタは高密度実装が可能であり、かつ、光学特性の良好なものである。しかし光ファイバ21の端面を球面状に加工することは困難であることから、光ファイバ21の先端面同士間を反射率を低減させる屈折率整合剤でもって満たしておくことが行なわれている。しながら、屈折率整合剤は温度変化に伴って屈折率が変動する、つまり、屈折率の温度依存性が高いものであるため、屈折率整合剤を使用することは必ずしも望ましくないのが実情であった。
【0004】
また、上記のような構成とされたMT形コネクタでは、その全体構造を維持するためのクランプバネ24を用いる必要があるが、その付け外しが面倒との指摘もなされている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光ファイバの接続側端部を保持する一対の保持具を相互に結合することにより一対の光ファイバの先端面同士を突き合わせて接合するようにした光ファイバコネクタにおいて、上記各保持具に上記光ファイバの接続側端部の中心軸を挟んだ一側部分を保持し他側部分を露出させる保持溝を有する保持部を形成し、該保持溝は上記一側部分を位置決めする一対の傾斜面を有し、各光ファイバの先端面は上記保持部の先端面から後退しており、かつ一方側の保持部の先端面から該一方側の光ファイバの先端面までの後退寸法は、他方側の保持部の先端面から該他方側の光ファイバの先端面までの後退寸法より大きく設定されており、上記一対の保持具を相互に結合したとき一方側の保持部の保持溝と他方側の保持部の保持溝とが光ファイバを挟んで反対側に位置し、一方側の保持溝の上記後退に対応する部分が他方側の光ファイバを位置決めし、他方側の保持溝の上記後退に対応する部分が一方側の光ファイバを位置決めしていることを特徴としている。
【0007】
また、アダプタ33は各々のプラグ32が両端側に接続して固定される構造を有しており、その径方向中心位置に配設された整列部34には、各プラグ32に固定された光ファイバ31のそれぞれが両端側から挿入されて整列させられる整列孔、いわゆるマイクロホール35が形成されている。このマイクロホール35の両側から挿入された光ファイバ31のそれぞれは、マイクロホール35によって支持されていることになり、所定長さL1だけ突出していた光ファイバ31がプラグ32の空洞32b内で座屈するのに伴って光ファイバ31の端面同士はマイクロホール35の内部で突き合わせ接合されている。
【0008】
すなわち、座屈している光ファイバ31にはその軸心方向に沿った押圧力が発生することになり、この押圧力によって光ファイバ31の端面が他方側の光ファイバ31の端面へと押し付けられるため、これら光ファイバ31の端面同士は屈折率整合剤を使用するまでもなく密着していることとなる。そして、この際における光ファイバ31の座屈長さLは、その座屈力及び弾性係数のそれぞれをP及びEとし、かつ、その断面2次モーメントをIとしたとき、
L=2π(EI/P)1/2
で決定される。
【0009】
また、この光ファイバ31のたわみ量をδとすると、軸心方向がx軸方向と設定された光ファイバ31の軸心方向と直交するy軸方向、つまり、垂直方向におけるたわみyは
y=δ/2{1−cos(2πx/L)}
で表されることになり、この光ファイバ31の曲率半径Rは
1/R=y″/(1+y′)3/2
でもって表される。その結果、光ファイバ31の座屈に伴う変形量、つまり、座屈変形量をΔLとした場合における光ファイバ31の最終的な座屈長さL+ΔLは、
【0010】
【式1】
Figure 0003760376
【0011】
と表されることになり、座屈長さL=7mm、座屈変形量ΔL=50μmである場合における光ファイバ31の曲率半径Rは約6mmであることとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のBF形コネクタにおいては、次のような不都合が生じていた。すなわち、BF形コネクタでは、光ファイバ31の座屈方向が不定であることからプラグ32内に空洞32bを形成しておき、かつ、光ファイバ31を片持ち状態に保持することが行われるが、その結果として光ファイバ31の位置決めを高精度とすることが困難となり、かつ、アダプタ33内に配設された整列部34のマイクロホール35に対して光ファイバ31を挿入することが難しくなってしまう。そして、光ファイバ31が挿入されるマイクロホール35のファイバ径に対するクリアランスを小さくした場合には光ファイバ31がより一層挿入し難くなり、また、クリアランスを大きくした場合にはマイクロホール35内で光ファイバ31が位置ズレを起こす結果として挿入損失が増大することになる。
【0013】
また、BF形コネクタでは、光ファイバ31の座屈長さL=7mm、座屈変形量ΔL=50μmとすることが推奨されているが、これらの推奨値を採用した際における光ファイバ31の曲率半径Rは約6mmとなり、通常の光ファイバにおける許容曲率半径(約10mm)と比べて曲率半径Rが極端に小さくなってしまう。そのため、座屈した光ファイバ31にクラックが発生するおそれもあり、クラックの発生を避けようとするならば、光ファイバ31をカーボンなどによって被覆する必要があることになる。しかしながら、このような手立てを講ずるのでは、大幅なコスト上昇を招いてしまうことが避けられない。
【0014】
本発明はこれらの不都合に鑑みて創案されたものであって、光ファイバを安定的かつ高精度に位置決めすることが可能であり、かつ、光ファイバの許容曲率半径を確実かつ容易に確保することができる構成とされた光ファイバコネクタの提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光ファイバの接続側端部を保持する一対の保持具を相互に結合することにより一対の光ファイバの先端同士を突き合わせて接合するようにした光ファイバコネクタにおいて、上記各保持具に上記光ファイバの接続側端部の中心軸を挟んだ一側部分を保持し他側部分を露出させる保持溝を有する保持部を形成し、該保持溝は上記一側部分を位置決めする一対の傾斜面を有し、かつ光ファイバの先端面は上記保持部の先端面から後退しており、上記一対の保持具を相互に結合したとき一方側の保持部の保持溝と他方側の保持部の保持溝とが光ファイバを挟んで反対側に位置し、一方側の保持溝の上記後退に対応する部分が他方側の光ファイバを位置決めしていることを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1において、一方側の保持部の先端面から該一方側の光ファイバの先端面までの後退寸法と他方側の保持具の先端面から該他方側の光ファイバの先端までの後退寸法とが異なる値に設定されていることを特徴としている。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載の光ファイバコネクタにおいて、少なくとも何れか一方側の保持具に、光ファイバ同士の突き合わせにより光ファイバが屈曲する場合の曲率半径を許容曲率半径以上に維持するガイド部が設けられていることを特徴としている。
【0018】
【発明の作用効果】
請求項1の発明によれば、各保持具の保持部に各光ファイバの中心軸を挟んだ一側部分を位置決め保持する一対の傾斜面を有する保持溝、例えばV溝を形成し、上記一対の保持具を相互に結合したとき一方側の保持部の保持溝と他方側の保持部の保持溝とが光ファイバを挟んで反対側に位置するようにしたので、一方側の保持溝によって位置決め保持されている該一方側の光ファイバに倣って他方側の保持溝も自動的に位置決めされ、この位置決めに伴って、該他方側の保持溝によって位置決め保持されている該他方側の光ファイバの位置も修正され、その結果2つの光ファイバの高精度な位置決めが実現されることとなり、保持具そのものの構成を簡単にしながら挿入損失の低減を実現できるという効果が得られる。
【0019】
本発明によれば、一方側の光ファイバの後退寸法と他方側の光ファイバの後退寸法を異なる値に設定したので、一方側の保持部の保持溝でもって他方側の光ファイバを位置決めする際に時間差が生じることになる。即ち、一方側の光ファイバを位置決めしている該一方側の保持溝が、他方側の保持溝によって位置決めされている該他方側の光ファイバに倣いながら摺動し、一方側の保持溝がまず他方側の光ファイバで位置決めされ、その後一方側の光ファイバが他方側の保持溝により位置決めされ、その結果2つの光ファイバの高精度な位置決めをより確実に実現できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、光ファイバ同士の突き合わせにより光ファイバが屈曲する場合の曲率半径を許容曲率半径以上に維持するガイド部を設けたので、屈曲した光ファイバの曲率半径が許容曲率半径以下となることはない。したがって、この光ファイバにクラックが発生することはなく、クラックの発生を避けるための特別の被覆を施す必要もなくなる。さらに、多芯用の光ファイバコネクタでは、光ファイバそれぞれの長さにバラツキが発生するおそれがあるが、請求項3にかかる構成を採用していれば、光ファイバそれぞれの長さが自動的に調整されることになるという効果も得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図4は本発明の第1実施形態にかかる光ファイバコネクタを説明するための図であり、図1,図2はその要部構造を模式的に示す正面図,斜視図、図3は組立手順を示す側面図、図4は他方側の保持具を示す斜視図である。
【0023】
本第1実施形態にかかる光ファイバコネクタは、一対の光ファイバ1,2の接続側端部1b,2bを保持する一対の保持具3,4を相互に結合することにより上記光ファイバ1,2の先端面1a,2a同士を突き合わせて接合するようになっている。なお、本実施形態では、図3で左側の保持具3を一方側の保持具とし、右側の保持具4を他方側の保持具として、以下説明する。
【0024】
上記各保持具3,4は基部3a,4aと、該基部から段落ち状に突出する保持部3b,4bとを一体に射出成形した樹脂成形品である。上記保持部3b,4bには、上記光ファイバ1,2の接続側端部1b,2bの中心軸を挟んだ一側部分を保持し他側部分を露出させるV字状の保持溝7,8が、例えば4本ずつ凹設されている。
【0025】
上記保持溝7,8は横断面V字状をなしており、上記光ファイバ1,2の外周面に当接する一対の傾斜面7a,8aを有している。上記各光ファイバ1,2の接続側端部1b,2bの上記傾斜面7a,8aに当接する部分は固定されることなく該傾斜面7a,8aによって位置決め保持されている。光ファイバは3dの部分において、基部3aと保持部3bによって上下から挟みこまれ固定されている。あるいは弾性接着剤等でその間で軸方向に極僅かに移動可能に接着してもよい。なお、光ファイバの4dの部分も同様である。
【0026】
一方側の保持具3の挿通孔3dには、接続時に光ファイバ1が屈曲する際の曲率半径を許容曲率半径以上に保持するためのガイド部3eが曲面をなすように形成されている。
【0027】
また光ファイバ1,2の先端面1a,2aは上記保持部3b,4bの先端面3c,4cから基部3a,4b側に後退して位置している。そして一方側の保持具3における後退寸法L1は他方側の保持具4における後退寸法L2より大きく設定されている。
【0028】
上記一対の保持具3,4を相互に結合したとき一方側の保持具3の保持溝7と他方側の保持具4の保持溝8とは光ファイバ1,2を挟んで反対側に位置している。そして一方側の光ファイバ1は、中心軸を挟んだ一側部分が該一方側の保持溝7により位置決め保持さされ、かつ他側部分が他方側の保持溝8によって位置決め保持されている。なお、他方側の光ファイバ2についても同様である。
【0029】
ここでより具体的な例を説明する。上記光ファイバ1,2の直径が125μmである場合には、保持溝7,8の開口幅は176μm(125μm/2×√2×2)よりもわずかに小さめ、例えば、150μmとされている。また、保持溝7,8の各々に対しては光ファイバ1,2が当接しており、上述のように光ファイバ1,2それぞれの先端面1a,2aは、保持部3b,4bの先端面3c,4cから離間する方向に後退寸法L1,L2だけ後退した位置に配置されている。そのため、保持溝7,8の各々における保持具3,4の先端面3c,4c寄りには、光ファイバ1,2が当接していない部分が残されている。
【0030】
本実施形態の保持具3,4を用いて光ファイバ1,2を接続するには、図3(a)に示すように、一方側の保持具3の保持溝7の光ファイバ1と当接していない後退部分が他方側の光ファイバ2上を摺動するようにしながら一方側の保持具3を他方側の保持具4へと向かって移動させる。すると一方側の光ファイバ1を位置決めしている保持溝7が他方側の光ファイバ2に倣いながら自動的に位置合わせされる(セルフアライメント)。一方側の保持具3をさらに他方側の保持具4側に移動させると該一方側の保持具3の保持溝7に位置決め保持されている光ファイバ1の先端部が他方側の保持溝8によってその位置が修正され、これにより光ファイバ1と2の先端面1a,2a同士が精度良く位置決めされて突き合わされることとなる。
【0031】
上記光ファイバ1,2の接続側端部1b,2bは、その合計長さが保持部3b,4bの長さより僅かに長く設定されているので、先端面1a,2aの突き合わせに伴って、光ファイバ1は図示左方に押し込まれ、ガイド部3eに沿って屈曲することとなるが、該屈曲時の曲率半径が該光ファイバ1の許容曲率半径より大きくなるように該ガイド部3eにより案内される。このようにして光ファイバ1の曲率半径は許容曲率半径以上に抑制される。
【0032】
なお、図示省略しているが、先端面1a,2a同士が突き合わせ接合された光ファイバ1,2を中心軸の両側から挟み込んだ保持具3,4は、これらを取り囲んで配設される外装ケースなどにより一体化されることになり、その結果として光ファイバ1,2の突き合わせ接合はそのまま維持される。
【0033】
図5,図6は本発明の第2実施形態による光ファイバコネクタを説明するための図であり、図5はその組立手順等を説明するための模式図、図6は光ファイバの屈曲状態を説明するための模式図である。
【0034】
本第2実施形態の光ファイバコネクタは、先端面1a,2a同士が突き合わせ接合される一対の光ファイバ1,2を中心軸の両側、つまり、その上下方向の両側から挟み込んで保持する一対の保持具3,4を備えている。該各保持具3,4は、保持部3b,4bと拘束部材9,10とを備えている。
【0035】
上記保持部3b,4bのそれぞれには、例えば、断面視V字状で光ファイバ1,2が当接する保持溝7,8が形成されている。なお、多芯用の光ファイバコネクタである場合、保持具3,4の保持部3b,4bには複数本ずつの保持溝7,8が並列的に形成されている。
【0036】
そして上記保持溝7,8に当接している光ファイバ1,2それぞれの端面1a,2aは保持具3,4の接合側に位置する先端面3c,4cから離間する方向に後退した位置に配置されている。この例では、一方側の光ファイバ1の端面1aと保持具3の先端面3cとの後退寸法Aは、他方側の光ファイバ2の端面2aと保持具4の先端面4cとの後退寸法Bよりも長くなるように設定されている。つまり、光ファイバ1及びその保持具3の端面1a,3c同士の後退寸法Aと、光ファイバ2及びその保持具4の端面2a,4c同士の後退寸法Bとが互いに相違させられており、保持溝7,8の各々における保持具3,4の先端面3c,4c寄りには光ファイバ1,2が当接していない部分が残されている。
【0037】
また、上記拘束部材9,10は、光ファイバ1,2の軸心方向に沿った配置位置を挟み込みに伴う摩擦力でもって拘束するようになっている。そして少なくとも一方側の拘束部材9の内部には凹部11が設けられている。この凹部11の深さは、光ファイバ1のファイバ径と許容されるたわみ量とを合算した寸法に設定されており、その底面11aは光ファイバ2の先端面2aに対して先端面1aが突き合わせ接合されたのに伴って屈曲した光ファイバ1の外周面を受け止めて光ファイバ1の屈曲による曲率半径を許容曲率半径以上に維持するためのガイド部となっている。
【0038】
なお、拘束部材9,10による光ファイバ1,2の拘束が挟み込みに伴う摩擦力ではなくて弾性接着剤を用いることによって行われていてもよく、また、凹部11の底面11aが湾曲面形状であってもよいことは勿論である。
【0039】
本実施の形態にかかる光ファイバコネクタは、次のような手順に従って組み立てられる。まず、図5(a)に示すように、光ファイバ1,2をその両側から挟み込むようにしながら保持部3b,拘束部材9及び保持部4b,拘束部材10を配置した後、図5(b)に示すように、一方側の保持具3を他方側の保持具4へと向かって移動させる。すると、光ファイバ1及び保持具3の先端面1a,3c同士の後退寸法Aの方が光ファイバ2及び保持具4の先端面2a,4c同士の後退寸法Bよりも長く設定されていることから、まず保持溝7の光ファイバ1と当接していない先端側部分が他方側の光ファイバ2上を摺動する。さらに保持具3を移動させると、図5(c)に示すように、一方側の光ファイバ1が他方側の保持具4の保持溝8上を摺動することとなる。
【0040】
すなわち、この際には、保持溝7が光ファイバ2に当接するよりも時間的に遅れた状態で保持溝8が光ファイバ1に当接する。換言すると、まず、保持溝7が光ファイバ2に倣いながら位置合わせされ、続いて光ファイバ1が保持溝8に倣って位置合わせされる。このように上記後退距離A,Bがほぼ同一である場合に比べるて光ファイバ1,2同士の位置合わせ作業を容易確実に行なうことができる。
【0041】
さらに、保持具3を保持具4へと向かって押し付けていくと、図5(d)に示すように、光ファイバ1,2の先端面1a,2a同士は突き合わせ接合されることになり、また、保持溝7,8の各々が光ファイバ1,2を介して互いに位置合わせされると同時に、光ファイバ1,2が保持溝7,8を介して位置決めされることになる。一方、このとき、光ファイバ2の端面2aに対して端面1aが突き合わせ接合された光ファイバ1は拘束部材9へと押し込まれることになるが、この拘束部材9によって拘束されているために屈曲することとなる。この光ファイバ1の屈曲は拘束部材9の内部に形成された凹部11の底面11aであるガイド部で外周面が受け止められるまで許容される。
【0042】
そして光ファイバ1の外周面を受け止めた凹部11のガイド部11aが光ファイバ1の許容曲率半径を維持しているので、光ファイバ1の曲率半径が許容曲率以下となることはなく、屈曲した光ファイバ1の曲率半径は許容曲率半径以上となる。また、屈曲した光ファイバ1の外周面と凹部11のガイド部11aとの間では屈曲によって生じた垂直抗力に起因する摩擦力が作用することになり、押込力がこの摩擦力を上回ると、光ファイバ1はガイド部11aに沿って滑ることとなる。その結果、押込力は低下し、押込力が摩擦力と釣り合うまで滑った後、この光ファイバ1は最終的にその軸心方向に沿った配置位置に位置決めされる。
【0043】
すなわち、このような現象を利用すれば、多芯用の光ファイバコネクタであっても、光ファイバそれぞれ間の長さのバラツキが吸収可能となる。そして、平衡状態にあっては、ガイド部から作用する抗力と屈曲力とによって拘束部を支点としながら光ファイバは押されているので、光ファイバがガイド部から浮き上がっていても、最低の屈曲力でもって光ファイバは押され続けている。なお、光ファイバの曲率半径はその許容曲率半径以上に維持されるので、光ファイバの劣化やクラックが発生するおそれもないことになる。
【0044】
引き続き、図6を参照しながら、光ファイバの屈曲状態を考察する。まず、光ファイバの屈曲を考える場合、例えば、屈曲長さL=7mm、許容曲率半径R=40mmであれば、たわみ量δは60μmとなる。そのため、光ファイバの外周面とガイド部との間隔を、ファイバ径+たわみ量=125+60=185μmに設定しておくと、光ファイバのたわみは拘束されることになり、その曲率半径Rが40mm以下となることはない。すなわち、光ファイバが屈曲しているときには、L=2π(EI/P)1/2 の関係式よりP=0.7Nの屈曲力が作用していることになり、この際のファイバ曲がりが0.0l7radであることから、光ファイバが図5中のガイド部A−A′を垂直に押す力は無視してよいことがわかる。
【0045】
さらに、作用する力の相互関係を考えると、光ファイバはその軸心方向に沿って作用する力Fで押し込まれており、この光ファイバが屈曲することによって発生する反力はF1 、また、屈曲に伴う変形、特には、凹部の底面を押すときに作用する摩擦力はF2 =μ2 N2 となる。一方、ファイバ固定による摩擦力F3 =μ3 N3 であり、これらの釣り合いの関係からF〜F3 といえる。そこで、ガラスと樹脂との静止摩擦係数は0.5程度であると考えたうえで光ファイバを抑えこむ力を求めると、屈曲力に抗するためには0.5×N3 ≧0.7Nが成立すればよく、2Nの力で光ファイバを固定すれば十分であることがわかる。あるいは0.7Nの弾性力を発揮させる弾性接着剤で固定してもよい。
【0046】
ところで、上記第2実施形態にかかる光ファイバコネクタにおいては、保持具3,4の接合側でない外端部それぞれに拘束部材9,10が配設されており、かつ、一方側の拘束部材9内に形成された凹部11には、屈曲した光ファイバ1の外周面を受け止めて光ファイバ1の許容曲率半径を維持するガイド部としての底面11aが設けられている。しかしながら、実施の形態2のみに限られることはなく、第1実施形態にかかる光ファイバコネクタの保持具3,4に対して拘束部材9,10を配設するとともに、ガイド部となる底面11aが設けられた凹部11を形成しておいてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかる光ファイバコネクタの要部構造を示す正面図である。
【図2】その外観構造を示す斜視図である。
【図3】その組立手順を説明するための模式側面図である。
【図4】他方側の保持具の外観構造を示す斜視図である。
【図5】第2実施形態の組立手順を示す模式側面図である。
【図6】突き合わせ接合された光ファイバの屈曲状態を示す説明図である。
【図7】従来の形態にかかるMT形コネクタの分離状態を示す斜視図である。
【図8】従来の形態にかかるBF形コネクタの接続前状態及び接続後状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2 光ファイバ
1a,2a 先端面
1b,2b 接続側端部
3,4 一方側,他方側の保持具
3b,4b 保持部
7,8 保持溝
7a,8a 傾斜面
L1,L2 後退寸法
3e,11 ガイド部

Claims (2)

  1. 光ファイバの接続側端部を保持する一対の保持具を相互に結合することにより一対の光ファイバの先端面同士を突き合わせて接合するようにした光ファイバコネクタにおいて、上記各保持具に上記光ファイバの接続側端部の中心軸を挟んだ一側部分を保持し他側部分を露出させる保持溝を有する保持部を形成し、該保持溝は上記一側部分を位置決めする一対の傾斜面を有し、各光ファイバの先端面は上記保持部の先端面から後退しており、かつ一方側の保持部の先端面から該一方側の光ファイバの先端面までの後退寸法は、他方側の保持部の先端面から該他方側の光ファイバの先端面までの後退寸法より大きく設定されており、上記一対の保持具を相互に結合したとき一方側の保持部の保持溝と他方側の保持部の保持溝とが光ファイバを挟んで反対側に位置し、一方側の保持溝の上記後退に対応する部分が他方側の光ファイバを位置決めし、他方側の保持溝の上記後退に対応する部分が一方側の光ファイバを位置決めしていることを特徴とする光ファイバコネクタ。
  2. 請求項1記載の光ファイバコネクタにおいて、少なくとも何れか一方の保持具に、光ファイバ同士の突き合わせにより光ファイバが屈曲する場合の曲率半径を許容曲率半径以上に維持するガイド部が設けられていることを特徴とする光ファイバコネクタ。
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