JP3762814B2 - 焦電型赤外線センサ用の圧電チョッパの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体から放出される赤外線を非接触で検知する焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法と構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、焦電型赤外線センサは、電子レンジにおける調理物の温度測定や、エアコンの温度自動調節における人体の位置検出などの幅広い分野で利用されている。焦電型赤外線センサは、LiTaO3 単結晶等の焦電体による焦電効果を利用したものである。
【0003】
上記の焦電体は自発分極を有しており常に表面電荷を発生しているが、大気中における定常状態では大気中の電荷と結びついて電気的に中性を保っている。この焦電体に赤外線が入射すると焦電体の温度が変化し、これにともない表面の電荷状態も中性状態が壊れて変化する。この表面電極に発生する電荷量の変化を検知して、赤外線入射量を測定するのが焦電型赤外線センサである。
【0004】
物体はその温度に応じた赤外線を放射しており、このセンサを用いることにより、物体の温度や位置を測定することができる。焦電効果は赤外線の入射量の変化に起因するものであり、焦電型赤外線センサとして物体の温度を検出する場合には赤外線入射量を変化させる必要がある。この手段として用いられるのがチョッパであり、入射する赤外線を強制的に断続して検出物体の温度を検出する。従来のチョッパとしては、電磁モータ及び圧電アクチュエータ等を利用したチョッパが主に用いられていた。
【0005】
このチョッパとして用いられる圧電アクチュエータは、金属等の弾性薄板に圧電セラミックを接着して貼合わせ、素子(以下、バイモルフ型素子と呼ぶ)を構成して片端を保持固定し、圧電セラミックに電圧を印加した時のひずみにより屈曲運動を発生させるようにしている。
【0006】
図23は、バイモルフ型の圧電アクチュエータをチョッパとして用いた焦電型赤外線センサの構成を示す斜視図である。図23において、10は弾性シム材、11は圧電セラミック、12は遮蔽板、13は台座、14は固定具、15は焦電型赤外線センサ素子を有する赤外線検出部、16は対象物から放射された赤外線である。
【0007】
弾性シム材10の一面には、圧電セラミック11が接着され、バイモルフ型素子よりなる駆動部10aが構成されている。圧電セラミック11は表面に電極が形成され、また厚さ方向に分極処理が施されている。
【0008】
駆動部10aの先端には変位拡大部としての振幅拡大部10bが弾性シム材10のみで形成されている。また、駆動部10aは台座13と固定具14とにより、弾性シム材10の一部分が挟み込まれることにより保持されている。振幅拡大部10bの自由端の先端部分には遮蔽部材である遮蔽板12が取り付けられている。遮蔽板12の近傍には赤外線検出部15が遮蔽板12に接触しないように配置されている。
【0009】
弾性シム材10と圧電セラミック11の間に電界が印加されると、駆動部10aは片端固定の屈曲運動を発生し、その先端に結合された振幅拡大部10bをも励振する。そして、先端に取り付けられた遮蔽板12は電界の印加方向の変化に応じて往復運動を行う。この遮蔽板12の往復運動により赤外線検出部15に入射する赤外線16が断続される。
【0010】
図24に示すように、上記構成では、駆動部10aと振幅拡大部10bの2つの共振周波数を近接させている。そのため、駆動部10aの共振特性と振幅拡大部10bの共振特性が影響し合って、駆動周波数変化に鈍感な変位の安定領域を作り出すことが可能となり、駆動周波数ー変位特性が安定な優れたチョッパを実現することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の焦電型赤外線センサ用の圧電チョッパは、2つの基本次共振周波数の間の周波数を駆動周波数に設定している。そのため、起動時において、駆動信号を急激に印加する事により、駆動周波数に含まれる他の周波数成分が、それぞれの共振周波数での振動をも励振させてしまう。
【0012】
これにより、圧電チョッパには見かけ上、駆動周波数による駆動での駆動周波数の振動と、それぞれの共振周波数の差のビート周波数の振動が励振され、図25に示すような駆動周波数にビート成分が重畳される状態(以下、暴走現象と呼ぶ)に陥る。その結果、圧電チョッパが安定状態になるまで、チョッパとして使用できなくなり、センサの高速測温機能の実現や、安定状態になるまでの消費電力が損失となり低消費電力化の大きな妨げとなっていた。
【0013】
本発明は、従来のこのような課題を考慮し、圧電チョッパの起動特性を改善し、赤外線センサの高速測温機能の向上と低消費電力化が可能な焦電型赤外線センサ用の圧電チョッパの駆動方法及び圧電チョッパを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、弾性体と圧電体よりなる駆動部及び弾性体のみよりなる変位拡大部を持つ片持ち梁構造のバイモルフ素子と、そのバイモルフ素子を保持する保持具と、変位拡大部の先端部に設けられ、赤外線を入射/遮断するための遮蔽部材とを備えた圧電チョッパの駆動方法であって、圧電チョッパの起動時に、駆動信号の電圧レベルを、変位拡大部の先端部の動きの変動と逆になるように変化させて駆動信号を印加する焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法である。
【0015】
請求項5の本発明は、弾性体と圧電体よりなる駆動部及び弾性体のみよりなる変位拡大部を持つ片持ち梁構造のバイモルフ素子と、そのバイモルフ素子を保持する保持具と、変位拡大部の先端部に設けられ、赤外線を入射/遮断するための遮蔽部材とを備えた圧電チョッパの駆動方法であって、圧電チョッパの起動時に、駆動信号の駆動周波数を時間の経過と共に、駆動部の共振周波数近傍、あるいは変位拡大部の共振周波数の近傍から所定の駆動周波数へ移動させながら駆動信号を印加する焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に関連する発明の第1の構成例の圧電チョッパ駆動回路のブロック図である。図1において、21は発振回路、22は整形回路、23はアンプ、24はバイモルフ型素子、25はCPUを有する演算回路である。
【0020】
発振回路21で作られた駆動周波数の小信号は、整形回路22でデューティ比を50:50に整えられる。そして、アンプ23で増幅されバイモルフ型素子24に印加される。ところで、アンプ23には演算装置25が付加されており、アンプ23の昇圧比を制御している。
【0021】
そこで、演算装置25により、素子への印加電圧を一次関数的に変化させて出力する。そのときの出力結果の一例が図2に示されている。
【0022】
これにより、起動時の高調波成分を削減し、従来問題となっていた起動時の暴走現象(図22参照)を、図3に示すように改善する事が可能となった。
【0023】
なお、本構成例では、バイモルフ素子24の印加電圧を一次関数的に起動時から増加させる事例について述べたが、印加電圧の変化の方法はこれに限定されるものではなく、例えば、所定の関数として2次関数などのべき乗関数的、あるいは指数関数的、対数関数的などの変化の仕方で起動時から増加させても同様の効果がある。
図4は、本発明に関連する発明の第2の構成例の圧電チョッパ駆動回路のブロック図である。尚、図1に示した第1の構成例と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0024】
この第2の構成例が前述の第1の構成例と異なる点は、演算装置25を外して、アンプ23の出力側に抵抗26と容量素子27が接続されている点である。
【0025】
具体的には、起動時の素子への印加信号の高調波成分除去をこの抵抗26と容量素子27よりなるローパスフィルタによって行っている。
【0026】
以上の構成により、第1の構成例と同様の効果に加えて、演算装置に代えて2素子を追加するだけで同様の効果が得られるため、低コスト化の効果も同時に得られる。
【0027】
なお、本構成例では、アンプ23の出力側にローパスフィルタを接続する構成としたが、これに代えて、アンプ23の入力側にローパスフィルタを接続する構成としても同様の効果が得られる。
〔第1の実施の形態〕図5は、本発明にかかる第1の実施の形態の圧電チョッパ駆動回路のブロック図である。尚、図1に示した第1の構成例と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0028】
この第1の実施の形態と第1の構成例とは、素子への印加電圧の制御精度の点が異なっている。
【0029】
具体的には、図5の回路ブロック図は上述の第1の構成例と同一であるが、本実施の形態では、演算装置25が制御する印加電圧パターンは、予めチェックされている起動時の素子変位挙動パターンに対応したものであり、これは演算装置25に記憶させて使用する。
【0030】
実際に、演算装置25に記憶させる信号の決定方法について説明する。
【0031】
まず、素子を未制御で駆動し、未制御時の起動特性を得る。そのときの起動特性の一例を図6に示す。
【0032】
次に、この起動特性を基にして、起動時に圧電チョッパの変位特性が一定になるような図7に示す印加信号を作成する。
【0033】
そして、その印加信号(図7参照)を演算装置25の記憶部(図示省略)に記憶させ、バイモルフ型素子24の起動時に、整形回路22の信号を記憶したパターンと同じ信号になるように制御して増幅し、その駆動信号を素子に印加する事により優れた起動特性を確保することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、素子を1素子づつチェックして、起動時の変位挙動パターンを得る場合について述べたが、これに限らず、例えば、製造ロット毎、同じタイプ毎などをグループとして、そのグループの代表的な素子の変位挙動パターンを得て、それで代表させてもよい。
〔第2の実施の形態〕図8は、本発明にかかる第2の実施の形態の圧電チョッパ駆動回路のブロック図である。尚、図5に示した第1の実施の形態と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0035】
前述の第1の実施の形態では、演算装置に予め素子の振動挙動を記憶させ、それを基に印加電圧を制御していたのに対して、この第2の実施の形態では、駆動時に素子の振動挙動を検出し、その検出結果に基づいて印加電圧の制御を行っている。
【0036】
具体的には、図8に示すように、バイモルフ型素子24と同じ電気容量の容量素子27を並列に接続し、バイモルフ型素子24と容量素子27とを抵抗30で接続し、更に抵抗30の両端部を抵抗28,29により接地する。この構成において、抵抗30の両端の電圧、あるいは抵抗30を流れる電流を検出して、これを基に制御回路31によってアンプ23の昇圧比を制御している。
【0037】
通常、素子の振動挙動と圧電セラミックのひずみ量は一定の関係を維持している。また、圧電セラミックのひずみ量と圧電セラミックの電極に印加される電荷量(圧電セラミックを流れる電流)とは比例の関係がある。従って、素子の振動挙動と圧電セラミックを流れる電流には一定の関係が存在する。
【0038】
ところが、圧電セラミックを流れる電流は機械腕電流と呼ばれる圧電セラミックのひずみに寄与する電流と電気腕電流と呼ばれる圧電セラミックの容量素子部分を流れる電流に二分され、正確に素子振動を把握するには機械腕電流の検出が必要となる。
【0039】
そこで、本実施の形態の構成では、バイモルフ型素子24と同じ電気容量の容量素子27を並列に接続する事により、容量素子27側に電気腕電流を流す。また、バイモルフ型素子24側には機械腕電流+電気腕電流が流れているため、抵抗30には機械腕電流が流れる構成になってる。そして、この機械腕電流の変化を抵抗30によって電圧変化に変換し、制御回路31に入力している。
【0040】
以上の構成により、新たに振動を検出するセンサを追加する事なしに、素子の振動状態を検出し、印加電圧を高精度で制御する事により、チョッパの起動特性を改善することが可能である。
〔第3の実施の形態〕図9は、本発明の第3の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。尚、図5に示した第1の実施の形態と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0041】
第1の実施の形態では、演算装置に予め素子の振動挙動を記憶させ、それを基に印加電圧を制御していたのに対して、この第3の実施の形態では、駆動時に素子の振動挙動を検出し、印加電圧の制御を行っている。
【0042】
具体的には、バイモルフ型素子24の表面電極の一部にセンサ電極40を設け、そのセンサ電極40に発生する電荷を基に素子への印加電圧を制御している。
【0043】
通常、素子の振動挙動と圧電セラミックのひずみ量は一定の関係を維持している。また、圧電セラミックのひずみ量と圧電セラミック表面電極(センサ電極)に発生する電荷は比例関係をもつ。従って、素子の振動挙動と圧電セラミックのセンサ電極40に発生する電荷は一定の関係を維持している。
【0044】
そこで、本実施の形態の構成では、バイモルフ型素子24の表面電極の一部にセンサ電極40を形成し、その電極に発生する電荷(電圧)を制御回路31に入力し、それを基にアンプ23の昇圧比を制御している
以上の構成により、新たに振動を検出するセンサを追加する事なしに、素子の振動状態を検出し、印加電圧を高精度で制御する事により、チョッパの起動特性を改善することが可能ある。
【0045】
また、図10は、同圧電チョッパのセンサ電極の第一の例を示す図である。
【0046】
具体的には、駆動部に貼り付けた圧電セラミック11の表面側の電極を幅方向に3つの部分(中央部を全体の1/3以下とし、2つの両端部を等面積にした)に分割し、中央部の電極をセンサ用電極40、両端部の電極を駆動用電極41とする。
【0047】
圧電セラミックは、電荷が印加されるとひずみを発生する。この効果を利用し、チョッパを駆動しているのが、駆動用電極41である。ところが、同時に逆の効果も起こる。つまり、ひずみが圧電セラミックに付加されれば、表面電極に電荷を発生する。この現象を利用したのがセンサ電極40であり、振動の状態を検出する事が可能である。
【0048】
センサ用電極40を必要最小限の面積でバランスよく配置することにより、センサ電極40が駆動の負荷に必要以上になるのを防ぎ、素子にねじり振動を励振してしまうことを防止している。
【0049】
同様に、図11は、同圧電チョッパのセンサ電極の第二の例を示す図である。図10とは、センサ用電極40と駆動用電極41の位置が異なっている。
【0050】
具体的には、駆動部に貼り付けた圧電セラミック11の表面側の電極を幅方向に3つの部分(中央部を全体の1/2以上とし、2つの両端部を等面積にした)に分割し、中央部の電極を駆動用電極41、両端部の電極をセンサ用電極40とする。
【0051】
図10と同様の効果に加え、センサ用電極40を駆動用電極41の両脇に設けることにより、耐湿性向上のために通常必要な圧電セラミックの電極の後退をセンサ用電極40で代用することができ、駆動面積を大きくすることができる。
【0052】
なお、センサ用電極40を長さ方向に分割しても問題は無く、分割数も3分割にこだわる必要はない。
〔第4の実施の形態〕図12は、本発明の第4の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。尚、図1に示した第1の構成例と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0053】
第1の構成例では、素子への印加電圧のレベルを制御していたが、この第4の実施の形態では、素子への印加信号の周波数を制御している点が異なっている。
【0054】
具体的には、発振回路21に演算装置25と2つ以上の発振器(ここでは3つ)からなる発振器群32を追加し、演算装置25で発振器を切り替えることにより、駆動信号の周波数を起動時に時間的に変化させている。
【0055】
また、図13に示すように、起動時の駆動周波数は振幅拡大部の共振より、わずかに駆動周波数側に寄った周波数に設定し、徐々に本来の駆動点周波数へ移行させるように演算装置25を動作させる。これにより、起動時には振幅拡大部の共振振動のみが励振され、徐々に目標周波数の振動に移行して行くため、起動時の暴走現象を抑制することができる。図14に本実施の形態による起動時の素子変位挙動結果の一例を示す。
【0056】
以上の構成により、従来に比べて圧電チョッパの起動特性を著しく改善することが可能である。
【0057】
なお、本実施の形態では、駆動周波数の移行を、振幅拡大部の共振よりわずかに駆動周波数側に寄った周波数から行ったが、駆動部の共振よりわずかに駆動周波数側に寄った周波数から移行しても同様の効果が得られる。
〔第5の実施の形態〕図15は、本発明の第5の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。尚、図12に示した第4の実施の形態と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0058】
この第5の実施の形態が第4の実施の形態と異なる点は、演算装置及び発振器群に代えて周波数可変発振器33を設けている点である。
【0059】
具体的には、発振回路21の発振器として、例えばVCOなどの周波数可変発振器33を使用している。この周波数可変発振器33は外部より出力信号の周波数を制御できるため、第4の実施の形態と同様の動作を実現することができ、従って、第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
図16は、本発明に関連する発明の第3の構成例における圧電チョッパの構成の第一の例を示す図である。尚、図23に示した従来例と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。ここで、バイモルフ素子は、圧電セラミック11を有する駆動部10a及び変位拡大部である振幅拡大部10bを持つ片持ち梁構造であり、また、台座13及び固定具14が保持具を構成している。この第3の構成例は従来例とは、共振特性が異なっている。
【0060】
具体的には、図16のチョッパ構成において、駆動部10aの共振抵抗を振幅拡大部10bの共振抵抗に比べ、2倍以上小さくするように素子寸法を決定することにより、駆動部10aと振幅拡大部10bとの間の所定の駆動周波数での駆動においても、不要振動として従来励振されていた駆動部と振幅拡大部の共振振動が、駆動部の共振振動と非常に振幅の小さい振幅拡大部の共振振動となる。これにより、振幅拡大部の共振振動の影響は殆どなくなり、駆動周波数の振動と駆動部の共振振動の振動が起動時に励振される場合とほぼ同等の状態となる。
【0061】
その結果、新たに制御回路を付加することなしに、図19に示すように、従来の起動特性に比べて、より安定な起動特性を示す。尚、図18に、本構成例の構成の共振特性の一例を示す。
【0062】
また、本共振特性を実現するための別の構成の一例を図17に示す。図16との違いは、駆動部10aと振幅拡大部10bの結合部である。
【0063】
具体的には、結合部の幅を小さくして、結合部の曲げ剛性を弱くし、振幅拡大部10bの基本モード振動を起こりにくくすることにより、振幅拡大部10bの共振抵抗を大きくしている。
【0064】
なお、結合部の幅を小さくせずに、スリットを形成したり、板厚を薄くしたりする事などにより、曲げ剛性を低下させ、同等の効果が得られる。
【0065】
また、振幅拡大部10bの自由端に取り付けた遮蔽板12の質量を大きくすることにより、振幅拡大部10bの基本モード振動を起こりにくくすることによっても同様の効果が得られる。
図20は、本発明に関連する発明の第4の構成例における圧電チョッパ構成の第一の例を示す図である。尚、図16に示した第3の構成例と同様の作用をなすものには同一の符号を付けて説明する。
【0066】
この第4の構成例は第3の構成例とは、共振特性が異なっている。
【0067】
具体的には、図20のチョッパ構成において、図22に示すように、駆動部10aの共振抵抗を振幅拡大部10bの共振抵抗に比べ、2倍以上大きくなるように素子寸法を決定することにより、駆動部10aと振幅拡大部10bとの間の所定の駆動周波数での駆動においても、不要振動として従来励振されていた駆動部と振幅拡大部の共振振動が、振幅拡大部の共振振動と非常に振幅の小さい駆動部の共振振動となる。
【0068】
これにより、駆動部の共振振動の影響は殆どなくなり、駆動周波数の振動と振幅拡大部の共振振動の振動が起動時に励振される場合とほぼ同等の状態となる。
【0069】
以上の構成により、第3の構成例と同様の効果が得られるのと、同時に、駆動部10aの共振抵抗を大きくしたため、駆動時の駆動部10aの振動を小さく抑えることができ、圧電セラミックや接着層にかかるひずみを小さくすることができ、素子の信頼性を向上することができる。
【0070】
また、本共振特性を実現するための別の構成の一例を図21に示す。図16との違いは、駆動部10aの圧電セラミック11の端から固定具14までの距離を長くしている。これにより、駆動部10aの基本モード振動を起こりにくくし、駆動部10aの共振抵抗を大きくしている。
【0071】
なお、圧電セラミック11の端から固定具14までの距離を長くせずに、圧電セラミック11の端から固定具14までの間の弾性シム材10上にスリットを形成したり、圧電セラミック11の端から固定具14までの間の板厚を薄くしたり、固定具14や台座13の少なくとも弾性シム材10を挟む部分を、例えば、シリコン、天然ゴムなどのヤング率の小さい材料で構成する事などによっても基本モード振動を起こりにくくし、同等の効果が得られる。
【0072】
また、振幅拡大部10bと遮蔽板12の質量を大きくすることにより、駆動部10aの基本モード振動を起こりにくくすることによっても同様の効果が得られる。
【0073】
以上の構成により、圧電チョッパの起動特性を改善することができ、焦電型赤外線センサの高速測温機能の向上が可能となる。更に、圧電チョッパの起動後、すぐに安定状態になるので、従来のような起動時における消費電力損失がほとんどなく、低消費電力化による電池の長寿命化が可能になる。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように本発明は、圧電チョッパの起動時に、駆動信号の電圧レベルを、時間の経過とともに所定レベルまで変化させながら駆動信号を印加するので、赤外線センサの高速測温機能の向上と低消費電力化が可能になるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成例における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の構成例における圧電チョッパ駆動回路により、素子印加電圧を一次関数的に変化させた出力電圧の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の構成例における圧電チョッパ駆動回路により、圧電チョッパを駆動した結果の一例を示す図である。
【図4】本発明の第2の構成例における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図6】同第1の実施の形態における圧電チョッパの未制御時の駆動結果を示す図である。
【図7】同第1の実施の形態における圧電チョッパの印加信号の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図10】同第3の実施の形態における圧電チョッパのセンサ電極の第一の例を示す図である。
【図11】同第3の実施の形態における圧電チョッパのセンサ電極の第二の例を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図13】同第4の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の動作説明図である。
【図14】同第4の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路により、圧電チョッパを駆動した結果の一例を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態における圧電チョッパ駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図16】本発明の第3の構成例における圧電チョッパの構成の第一の例を示す図である。
【図17】同第3の構成例における圧電チョッパ構成の第二の例を示す図である。
【図18】同第3の構成例における圧電チョッパの共振特性の一例を示す図である。
【図19】同第3の構成例における圧電チョッパを駆動した結果の一例を示す図である。
【図20】本発明の第4の構成例における圧電チョッパ構成の第一の例を示す図である。
【図21】同第4の構成例における圧電チョッパ構成の第二の例を示す図である。
【図22】同第4の構成例における圧電チョッパの共振特性の一例を示す図である。
【図23】従来の圧電チョッパの構成の一例を示す図である。
【図24】従来の圧電チョッパの駆動周波数と変位量の関係の一例を示す図である。
【図25】従来の圧電チョッパを駆動した結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 弾性シム材
10a 駆動部
10b 振幅拡大部
11 圧電セラミック
12 遮蔽板
13 台座
14 固定具
15 赤外線検出部
16 赤外線
21 発振回路
22 整形回路
23 アンプ
24 バイモルフ型素子
25 演算装置
26,28,29,30 抵抗
27 容量素子
31 制御回路
32 発振器群
33 周波数可変発振器
Claims (7)
- 弾性体と圧電体よりなる駆動部及び弾性体のみよりなる変位拡大部を持つ片持ち梁構造のバイモルフ素子と、そのバイモルフ素子を保持する保持具と、前記変位拡大部の先端部に設けられ、赤外線を入射/遮断するための遮蔽部材とを備えた圧電チョッパの駆動方法であって、前記圧電チョッパの起動時に、駆動信号の電圧レベルを、前記変位拡大部の先端部の動きの変動と逆になるように変化させて前記駆動信号を印加させることを特徴とする焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
- 起動時に印加する前記駆動信号の電圧レベル変化は、予め求めた起動時の変化パターンに基づいて行うことを特徴とする請求項1の焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
- 起動時に印加する前記駆動信号の電圧レベル変化は、前記バイモルフ素子に流れる電流変化を検出し、その検出した電流変化に応じて行うことを特徴とする請求項1の焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
- 圧電体は、電圧変化を検出するためのセンサ用電極を有するものであって、前記起動の際に印加する駆動信号の電圧レベル変化は、前記センサ用電極により検出された電圧変化に基づいて行うことを特徴とする請求項1の焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
- 弾性体と圧電体よりなる駆動部及び弾性体のみよりなる変位拡大部を持つ片持ち梁構造のバイモルフ素子と、そのバイモルフ素子を保持する保持具と、前記変位拡大部の先端部に設けられ、赤外線を入射/遮断するための遮蔽部材とを備えた圧電チョッパの駆動方法であって、前記圧電チョッパの起動時に、駆動信号の駆動周波数を時間の経過と共に、前記駆動部の共振周波数近傍、あるいは前記変位拡大部の共振周波数の近傍から所定の駆動周波数へ移動させながら前記駆動信号を印加することを特徴とする焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
- 起動時に印加する前記駆動信号の前記駆動周波数の移動は、所定の関数に基づいて行うことを特徴とする請求項5記載の焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
- 起動時に印加する前記駆動信号の前記駆動周波数の移動は、周波数可変型の発振器を用いて行うことを特徴とする請求項5記載の焦電型赤外線センサ用圧電チョッパの駆動方法。
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|---|---|---|---|
| JP31582396A JP3762814B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 焦電型赤外線センサ用の圧電チョッパの駆動方法 |
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| JP31582396A JP3762814B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | 焦電型赤外線センサ用の圧電チョッパの駆動方法 |
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| JPH10156284A JPH10156284A (ja) | 1998-06-16 |
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1996
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