JP3764152B2 - 移動通信端末のハンドオフ制御方法及び移動通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信端末のハンドオフ制御方法及び移動通信端末に係り、特に、いわゆる待受け時間(バッテリーが消耗するまでの時間)の改善を図った移動通信端末のハンドオフ制御方法及び当該移動通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルラ方式の移動通信システムにおける移動通信端末は、通話又はメール送受信等を行っていない間であっても、係属中のセル(これをアクティブセルという。)の基地局との間で確立した同期を維持し、自分宛ての着信及び移動通信端末を携帯した状態での移動に伴って、必要となる周辺セルへのハンドオフに備えなければならない。これらの処理を効率よく行うことは、バッテリーの消耗を抑え、いわゆる待受け時間を改善するためにきわめて重要である。
【0003】
このため、符号分割多元接続(CDMA)方式の移動通信システムでは、移動通信端末の無線部分等の電源を一定周期でオフ(スリープ状態)からオンに立ち上げ(以下、起き上がりという。)、アクティブセルの基地局から送信されるパイロットチャネルの信号を受信して再同期をとり、着信(ページング)の有無を検出して、着信がない時は上記スリープ状態に戻るという間欠受信方式がとられている。また、この起き上がっている間(アイドル区間内)に、アクティブセルの基地局だけでなく周辺セルの基地局の各々から送信されるパイロットチャネルの信号を受信し、それらの信号品質を比較評価して、その結果により必要があると判断された時にハンドオフの処理に移行する(これをアイドルハンドオフという。)。
【0004】
この場合において、一つの周辺セルの基地局から受信したパイロット信号の品質が、アクティブセルの基地局から受信したパイロット信号の品質に優っていれば、たとえ後者の品質が着信の有無を検出してその後の通信を行うのに十分なレベルにあってハンドオフを必要としなくても、少しでも品質の良い周辺セルの基地局へのハンドオフが行われる。その結果、移動通信端末の周囲の伝搬環境条件によっては、このような不要なハンドオフが頻発することになり、間欠受信方式の節電効果を損ない、待受け時間改善の阻害要因となる。また、アクティブセルの基地局及び周辺セルの基地局から受信した受信信号の品質が共に劣悪で、しかもその差が小さい場合には、上述したようなハンドオフが繰り返されるだけでなく、適切なハンドオフ先の誤選択による同期確立失敗の頻度が増加するという問題がさらに発生する。
【0005】
このような問題点に対処するため、移動通信端末の周囲の伝搬環境条件に応じて、周辺セルの基地局から受信した受信信号の品質測定(セルサーチ)の頻度を増減するという発明がなされている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示された発明は、アクティブセルの基地局から受信した受信信号の品質測定の結果に応じて、周辺セルの基地局に対するサーチ頻度を増減させ、このような制御を行わない場合に比べて低消費電力化を図るというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−28778号公報(第1、9、10ページ、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
不要なハンドオフの発生頻度を下げて移動通信端末の待受け時間を改善するためには、セルサーチの頻度を伝搬環境条件に応じで制御するだけでなく、アクティブセルの通信品質が十分であればそれより高品質の周辺セルがあってもハンドオフをしないようにすることが有効である。また、周辺セルの基地局数が多い場所では、周辺セルのサーチ頻度を上げることは処理負荷の増大を招くため、望ましくない。さらに、伝搬環境条件の瞬時的な劣化に過度に応答して、セルサーチ頻度を上げ過ぎないようにしなければならない。しかし、上記の特許文献1に開示された、アクティブセルの受信品質によってセルサーチの頻度を増減するという発明に則った方法では、これらの要請に応えることは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、不要なハンドオフの発生を抑え、セルサーチの処理負荷が過大にならないように、かつ、伝搬環境条件の瞬時的変動に過度に応答しないようにして実行できる移動通信端末のハンドオフ制御方法及び当該移動通信端末を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の移動通信端末は、現に係属している基地局及び他の基地局のサーチを行なって各々のパイロット信号を受信するサーチ手段であって、一定の長さを有する間欠受信期間内において、第1の頻度又は第1の頻度より高い第2の頻度で当該現に係属している基地局のサーチを行なうサーチ手段と、前記第2の頻度で行なったサーチにより受信したパイロット信号の受信電力と、当該パイロット信号の直前に受信したパイロット信号の受信電力とを、各々の受信品質に基づいて重み付け合成する重み付け合成手段と、前記第1の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は当該サーチにより受信したパイロット信号の受信品質を所定の基準値と比較して評価し、前記第2の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は前記重み付け合成されたパイロット信号の受信品質を当該所定の基準値と比較して評価する受信品質評価手段と、前記受信品質評価手段によって前記所定の基準値が満たされたと評価された場合は前記サーチ手段による現に係属している基地局のサーチ頻度を前記第1の頻度に設定し、当該所定の基準値が満たされないと評価された場合は当該現に係属している基地局のサーチ頻度を前記第2の頻度に設定するサーチ頻度制御手段と、前記第1の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は当該サーチにより当該現に係属している基地局から受信したパイロット信号の受信品質と前記他の基地局から受信したパイロット信号の受信品質とを比較してハンドオフの要否を判断し、前記第2の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は前記重み付け合成されたパイロット信号の受信品質と当該他の基地局から受信したパイロット信号の受信品質とを比較してハンドオフの要否を判断するハンドオフ判断手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、処理負荷の増大及び伝搬環境条件の瞬時的変動への過度の応答を伴わずに、不要なハンドオフの発生を抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るCDMA方式の移動通信端末のブロック図である。
【0012】
図中、1はアンテナ、2は無線部であり、無線部2は送信部2a及び受信部2bから構成される。この実施の形態では、受信信号は受信部2bにおいて直交復調され、AD変換の後、I/Qデジタル信号として出力されるものとする。3は無線部2と接続されるベースバンド信号処理部で、実施の形態の特徴的な部分であるセルサーチ部4と、セルサーチ部以外のその他処理部5から構成される。その他処理部5は、ハンドオフ制御部6のほか、図示しないRAKE受信部、AFC/AGC制御部、誤り訂正符号化/復号化部、拡散変調部等から構成される。7は制御部、8はユーザインターフェース部である。上記制御部7は無線部2およびユーザインターフェース部8と接続され、また、ユーザインターフェース部8は制御部7およびベースバンド信号処理部3と接続されている。なお、ハンドオフ制御部6は設定に従って行うアクティブセル及び周辺セルのサーチ動作を制御し、またハンドオフの要否を判定する機能を有するものとする。
【0013】
図2は、セルサーチ部4の内部構成を示すブロック図である。図中、11はサーチ部であり、基地局別の識別コード(擬似ランダム符号)を用いて各基地局からのパイロット信号を逆拡散し、受信電力レベルを検出する(この処理をサーチという。)。12はサーチ部11にアクティブセルの基地局及び周辺セルの基地局の識別コード情報を与えるセル情報記憶部であり、予め制御部7から当該情報が入力されて記憶されている。
【0014】
また、13はサーチ制御部であり、サーチ部11にアクティブセルの基地局及び周辺セルの基地局のサーチを行わせると共に、セル品質評価法の決定及び基準値との比較を行う。14はサーチ制御部13において決定されたセル品質評価法に基づきフィルタ定数を設定して受信信号のパイロット信号からセル品質の評価を行い、その品質評価の結果をサーチ制御部13に出力するセル品質評価部である。
【0015】
図3は、セル品質評価部14に内蔵されたフィルタの構成を説明する図である。図中、31はアクティブセルのサーチ周期の時間単位で駆動されるシフトレジスタで、この実施の形態では、サーチ部11から最新の及び前3回までのアクティブセルの基地局のサーチ結果(パイロット信号の受信電力レベル)を順次受け取ってシフトさせるものとしている。32、32a、32b及び32cは、上記シフトされるアクティブセルの基地局のサーチ結果に、サーチ制御部13によってレジスタ33に設定された重み係数を掛ける乗算器である。また、34は乗算器32a、32b及び32cの出力を、サーチ制御部14の制御によって個別に開閉するスイッチである。乗算器32a乃至32cの出力のうちスイッチ34によって選択されたものと乗算器32の出力とが、加算器35において加算され、その結果がセル品質評価の結果としてサーチ制御部13へ送られる。
【0016】
次に、図4を併せ参照して、本発明の実施の形態に係る移動通信端末の動作を、セルサーチ部4及びセル品質評価部14の動作を中心に説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る動作を示すフローチャートである。
【0017】
処理を開始すると、制御部7が図示しない電源部を制御して、それまでスリープ状態にあった無線部2及びベースバンド信号処理部3の電源をオンにして起き上がらせて、アクティブセルの基地局からの受信を開始する(ステップS1)。
【0018】
すると、セルサーチ部4のサーチ部11は、セル情報記憶部12からアクティブセルの基地局及び周辺セルの基地局の識別コード(擬似ランダム符号)を得る一方、アンテナ1を介してアクティブセルの基地局からのパイロット信号を受信した受信部2bから送出されるI/Qデジタル信号を受信すると、上記識別コードとの間でコード同期をとって逆拡散し、当該パイロット信号の相関値を求めてサーチ制御部13及びセル品質評価部14に対して出力する(ステップS2)。
【0019】
この際、コード同期をとるための識別コードの初期位相は、サーチ制御部13によって制御される。サーチ制御部13は、上記逆拡散処理の前に受信部2bからI/Qデジタル信号を受けてその絶対値(振幅)を計算する。この値は、逆拡散前であるから、ほぼ干渉電力レベルに等しい。サーチ制御部13は、さらに、サーチ部11から出力されたアクティブセルのパイロット信号の相関値と上記絶対値(干渉電力レベル)との比を、信号電力対干渉電力比(SIR)として計算する。そして、その算出したSIRと所定の基準値(例えば、所定のビット誤り率に対応するSIRの値)と比較し(ステップS3)、その大小によって、サーチ部11を制御してアクティブセルのサーチの頻度を設定すると共に、セル品質評価部14のフィルタ定数を設定する。
【0020】
即ち、上記SIRが所定の基準値以上の場合(ステップS3の“YES”)は、アクティブセルの通信品質が十分良好であって頻繁にサーチを行う必要はないと判断されるので、サーチ制御部13はアクティブセルのサーチ頻度を「0.1」(周辺セルを10回サーチする度に、アクティブセルを1回サーチする。)に設定し(ステップS4)、その結果をハンドオフ制御部6に通知する。
【0021】
また、以後のアクティブセルのサーチ結果を所定の基準値と比較するに際し、サーチ結果の履歴のデータを用いてフィルタリングを行う必要はないと判断し、セル品質評価部14のスイッチ34の全スイッチを開いた状態にすると共に、レジスタ33から乗算器32に与える重み係数を「1」とする。図4のステップS5においては、これを、フィルタ定数(レジスタ長、重み係数)=(1、1)と表現している(ステップS5)。
【0022】
一方、上記SIRが所定の基準値未満の場合(ステップS3の“NO”)は、アクティブセルの通信品質が十分ではなく、一定以上の頻度でサーチを行う必要があると判断されるので、サーチ制御部13はアクティブセルのサーチ頻度を「0.5」(周辺セルを2回サーチする度に、アクティブセルを1回サーチする。)に設定し(ステップS6)、その結果をハンドオフ制御部6に通知する。
【0023】
また、以後のアクティブセルのサーチ結果を所定の基準値と比較するに際し、サーチ結果の履歴のデータを用いてフィルタリングを行う必要があると判断し、セル品質評価部14のスイッチ34の全スイッチを閉じた状態にすると共に、レジスタ33から乗算器32、32a、32b及び32cに与える重み係数をそれぞれ「1/4と」する。図3のステップS7においては、これを、フィルタ定数(レジスタ長、重み係数)=(4、1/4)と表現している(ステップS7)。
【0024】
いずれの場合であっても、ハンドオフ制御部6は上記に基づき設定された頻度で以後のアクティブセルのサーチを行い、その結果がセル品質評価部14において設定されたフィルタリングを経て評価される(ステップS8)。サーチ制御部13は、その結果を所定の基準値と比較し、ハンドオフ制御部6は、その結果に基づいてハンドオフの要否を判断する(ステップS9)。そして、1アイドル区間が終了すると、移動通信端末は制御部7の制御に従ってスリープ状態に回帰する(ステップS10)。
【0025】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、アクティブセルの通信品質の良否に応じて、アクティブセルのサーチ頻度及び評価のためのフィルタリングの設定を適切に調整し、不要なハンドオフの発生を抑えることができる。なお、以上の説明におけるセルサーチ部4以外の構成の機能分担は一例であって、例えばハンドオフ制御部6に受け持たせた機能を制御部7に受け持たせても良い。また、図3に示したフィルタリングの構成及び定数も一例であって、例えばシフトレジスタの段数を3以外にしたり、重み係数の値を異なるものにしたり、複数の所定の基準値との比較に基づきフィルタリングの複数段階の設定ができるようにしても良い。なお、CDMA方式以外の移動通信システムにも適用できることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、瞬時的な伝搬環境条件の変動があっても、ハンドオフの要否を適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る移動通信端末の構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の実施の形態に係るセルサーチ部4の内部構成を示すブロック図。
【図3】 本発明の実施の形態に係るセル品質評価部14の内蔵フィルタの構成を説明する図。
【図4】 本発明の実施の形態に係るフローチャート。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 無線部
2a 送信部
2b 受信部
3 ベースバンド信号処理部
4 セルサーチ部
5 その他処理部
6 ハンドオフ制御部
7 制御部
8 ユーザインターフェース部
11 サーチ部
12 セル情報記憶部
13 サーチ制御部
14 セル品質評価部
31 シフトレジスタ
32、32a、32b、32c 乗算器
33 レジスタ
34 スイッチ
35 加算器
Claims (2)
- 現に係属している基地局及び他の基地局のサーチを行なって各々のパイロット信号を受信するサーチ手段であって、一定の長さを有する間欠受信期間内において、第1の頻度又は第1の頻度より高い第2の頻度で当該現に係属している基地局のサーチを行なうサーチ手段と、
前記第2の頻度で行なったサーチにより受信したパイロット信号の受信電力と、当該パイロット信号の直前に受信したパイロット信号の受信電力とを、各々の受信品質に基づいて重み付け合成する重み付け合成手段と、
前記第1の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は当該サーチにより受信したパイロット信号の受信品質を所定の基準値と比較して評価し、前記第2の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は前記重み付け合成されたパイロット信号の受信品質を当該所定の基準値と比較して評価する受信品質評価手段と、
前記受信品質評価手段によって前記所定の基準値が満たされたと評価された場合は前記サーチ手段による現に係属している基地局のサーチ頻度を前記第1の頻度に設定し、当該所定の基準値が満たされないと評価された場合は当該現に係属している基地局のサーチ頻度を前記第2の頻度に設定するサーチ頻度制御手段と、
前記第1の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は当該サーチにより当該現に係属している基地局から受信したパイロット信号の受信品質と前記他の基地局から受信したパイロット信号の受信品質とを比較してハンドオフの要否を判断し、前記第2の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は前記重み付け合成されたパイロット信号の受信品質と当該他の基地局から受信したパイロット信号の受信品質とを比較してハンドオフの要否を判断するハンドオフ判断手段とを備えたことを特徴とする移動通信端末。 - 現に係属している基地局及び他の基地局のサーチを行なって各々のパイロット信号を受信する際、一定の長さを有する間欠受信期間内において、第1の頻度又は第1の頻度より高い第2の頻度で当該現に係属している基地局のサーチを行ない、
前記第2の頻度で行なったサーチにより受信したパイロット信号の受信電力と、当該パイロット信号の直前に受信したパイロット信号の受信電力とを、各々の受信品質に基づいて重み付け合成し、
前記第1の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は当該サーチにより受信したパイロット信号の受信品質を所定の基準値と比較して評価し、前記第2の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は前記重み付け合成されたパイロット信号の受信品質を当該所定の基準値と比較して評価し、
前記所定の基準値が満たされた場合は前記現に係属している基地局のサーチ頻度を前記第1の頻度に設定し、当該所定の基準値が満たされない場合は当該現に係属している基地局のサーチ頻度を前記第2の頻度に設定し、
前記第1の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は当該サーチにより当該現に係属している基地局から受信したパイロット信号の受信品質と前記他の基地局から受信したパイロット信号の受信品質とを比較してハンドオフの要否を判断し、前記第2の頻度で現に係属している基地局のサーチを行なった場合は前記重み付け合成されたパイロット信号の受信品質と当該他の基地局から受信したパイロット信号の受信品質とを比較してハンドオフの要否を判断することを特徴とするハンドオフ制御方法。
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