JP3767189B2 - カラー画像処理方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3色の色信号を変換して、墨を含む複数色の画像記録信号を求めるカラー画像処理方法および装置に関し、特に、所定の画質に関して最適な墨量を求めるカラー画像処理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー原画を記録再生する際には、通常4色印刷が行われている。すなわち、イエロー、マゼンタ、シアン、および墨の各色の印刷インクに対する色分解版を通して印刷が行われている。このように4色印刷が行われるのは、イエロー、マゼンタ、シアンの3色印刷を行った場合には、インクが理想的な発色特性を持っていない等によって、コントラストに乏しい再生画像しか得られないためである。
このような4色印刷を行う際には、イエロー、マゼンタ、シアンの印刷インクに対していわゆる100%下色除去が行われる場合がある。この100%下色除去とは、画像をイエロー、マゼンタ、シアンの3色のうちのいずれか2色と、墨とで再生する方式である。この方式によると、低明度部における色再現領域を広くすることができ、また、高明度部におけるグレー安定性を高く維持することができる。また、この方式によると、高価なカラーインクの消費量を削減でき、ランニングコストを抑制することができるという利点もある。
【0003】
このように下色除去を4色印刷で行うことには種々の利点があるが、下色除去量と墨量とを入力画像信号に応じてどのように決定するかが非常に困難であるという問題が生じる。例えば、墨は一般に他のカラーインクに比してコントラストが大きいために画像の荒れが比較的目立ちやすく、特に画像の人肌部には入れにくい。また、4色印刷を行う場合には、画像形成装置の振動や、印刷時の紙等の記録媒体の変形および移動により4色の印刷インクの記録位置がずれ易く、色ずれが発生し易いという問題が生じる。このような色ずれを防止するために、各色の網の角度を異ならせる所謂ローテーションスクリーンが利用されている。通常イエロー、マゼンタ、シアンの3色の角度を離すことによりモアレの発生を防止しているが、墨は上記3色のうちのいずれか1色と角度が近くなってしまうために、墨をいれることによりモアレが発生しやすいという問題がある。
【0004】
これらの問題を解決するために、特開平7−87346号公報に記載された発明では、入力3色信号を均等色空間上の3変数色信号に変換し、彩度信号からUCR(Under Color Removal)率を決定し、均等色空間上の3変数色信号と彩度信号から決まるUCR率とから墨を含んだ複数色の画像出力信号を決定するようにしている。また、特開平6−242523号公報には、目標色を再現する最大墨量Kmaxと、最小墨量Kminを求めておき、KmaxとKminとの間の値を墨量に設定する画像処理方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平7−87346号公報に記載された入力色信号の彩度に応じて墨入れ量を決定する方法は、高彩度部における墨入れ量を低減して色再現性を向上でき、また、グレー部の墨入れ量を増加させて絵文字が混在した画像の文字部の再現性を向上できる点で確かに有効である。しかしながら、この方法では、スクリーン構造が知覚されやすいハイライト部のグレー部に必ず墨がのってしまうために、ローテーションスクリーンを利用する画像形成装置を使用している場合には、ハイライト部にモアレが発生してしまうという問題が生じる。また、この方法では、入力色信号の彩度信号から墨入れ量を設定するために、グレー部においてはハイライト部から墨が混入することになり、グレー部のハイライト部の粒状性が悪化するという問題が生じる。さらに、この方法では、特開平6−242523号公報にも示されているように、4色プリンタで再現可能な最大の色域のうち本質的に使用することができない領域があるため、高濃度部の色再現性が悪いという問題が生じる。
【0006】
また、特開平6−242523号公報に示された方法は、目標色を再現する最大墨量Kmaxと最小墨量Kminから墨入れ量を決定するために、画像形成装置が4色再現時に有する色再現範囲を保証することができ、十分に高い最大濃度を得ることができる点で確かに効果的である。しかしながら、この方法では、最大墨量Kmaxと最小墨量Kminとの間のどの値に墨量を設定すればよいのかについては何も示されておらず、当該公報の実施例に示されているようにKmaxとKminとの間の定率に墨量を設定した場合には、ハイライト部において墨が混入してしまい、粒状性の悪化とモアレの発生してしまうという問題が生じる。
【0007】
さらに、特開平7−87346号公報で示された方法では、入力色信号の彩度と墨入れ率との関数関係を色変換装置のパラメータ設計者が記述する必要があり、また、特開平6−242523号公報で示された方法でも、墨量の調整パラメータαを色変換装置のパラメータ設計者が記述する必要があり、いずれの方法を実行する場合においても、良好な画質特性を得るためには、種々の関数関係やパラメータを逐次変更させて実験を行って最適な関数関係やパラメータを見出さなければならず、多大な工数がかかるという問題が生じる。また、最適化された関数関係やパラメータを用いて上記方法を実行しても、必ずしも画質が最高の画像を得られるという保証はない。
本発明の目的は、3色の色信号を画像記録信号に変換する際において、所定の画質を達成するために最適な墨量を簡便に得ることのできるカラー画像処理方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、3色の色信号を変換して、墨を含んだ複数色の画像記録信号を求めるカラー画像処理方法において、複数の墨量に対して、各墨量に対応する前記墨以外の画像記録信号を検出するステップと、前記各墨量と、各墨量に対応する前記墨以外の前記画像記録信号とに基づいて、前記各墨量に対応した画質予測値を予測するステップと、前記画質予測値に基づいて墨量を決定するステップとを有することを特徴とするカラー画像処理方法によって達成される。
また、上記目的は、3色の色信号を変換して、墨を含んだ複数色の画像記録信号を求めるカラー画像処理装置において、複数の墨量に対して、各墨量に対応する前記墨以外の画像記録信号を検出する候補検出手段と、前記各墨量と、各墨量に対応する前記墨以外の前記画像記録信号とに基づいて、前記各墨量に対応した画質予測値を予測する画像予測手段と、前記画質予測値に基づいて墨量を決定する墨量最適化手段とを有することを特徴とするカラー画像処理装置によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態によるカラー画像処理方法および装置を図1乃至図4を用いて説明する。まず、本実施の形態によるカラー画像処理装置の概略の構成を図1を用いて説明する。図1は、本カラー画像処理装置を備えたカラー画像出力システムの一例を示している。
【0010】
本カラー画像出力システムは、画像入力装置100、画像処理装置200および画像形成装置300を有している。
画像入力装置100は、外部から各種フォーマットのカラー画像を取り込んで、カラー画像信号を出力するものである。本実施の形態では、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色のデータにつき、それぞれ8ビット、256階調の、総計24ビットのRGBデータからなるカラー画像信号を出力する。
【0011】
具体的に、画像入力装置100は、35mmカラーネガフィルムやポジフィルム、もしくはAPSフイルムなどに代表される銀塩写真フィルムを、CCDセンサによってRGBデータとして読み取り、またはKODAK社のPhotoCD(商標)フォーマットのCD−ROMから画像データを読み取ってRGBデータに変換し、またはCanon社のDCS1c(商品名)のようなデジタルカメラから撮影データを取り込んでRGBデータに変換し、またはユーザが他のコンピュータを用いて編集してMOやZip(ストレージメディアの規格)に代表される記録メディアに保存したカラーイメージデータを、その記録メディアから読み取ってRGBデータに変換し、またはネットワーク上に接続された機器から送信されたイメージ情報をRGBデータに変換し、このRGBデータを画像処理装置200に転送する機能を有するものである。
【0012】
画像形成装置300は、画像処理装置200から入力された画像記録信号(本実施の形態ではYMCKデータ)に基づいた画像を用紙上に形成するようになっている。図2は、本発明の画像形成装置300の一例の概略の構成を示している。図2において、ベルト状の中間転写体50は、ローラ5−1、5−2、5−3、5−4および加熱ロール2により支持されて図中の矢印方向に回転するようになっている。加熱ロール2に対向して加熱ロール3が配置されている。中間転写体50の周辺には4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4が配置されている。これら4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4は静電潜像形成用帯電器15、16、17、18により一様に帯電される。画像処理装置200から転送されたCMYK4色の画像記録信号に基づいて、スクリーンジェネレータ390がレーザ光をパルス幅変調する。パルス幅変調されたレーザ光は、レーザスキャナ走査装置380により4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4上に水平走査される。これにより4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4上には静電潜像が形成される。
【0013】
静電潜像が形成された4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4上には、ブラック現像器11、イエロー現像器12、マゼンタ現像器13およびシアン現像器14によって、それぞれ黒、イエロー、マゼンタ、シアン色のトナー像が形成される。これらトナー像は、順次、転写器50−1、50−2、50−3、50−4により中間転写体50へ転写される。この結果、中間転写体50上には複数色のトナー像が形成される。
この後、用紙トレイ6から給紙装置7によって熱可塑性の樹脂層が表面に塗布されている記録紙が送紙される。当該記録紙は巻回機構8に取付けられたピンロール9−1、9−2によって加熱ロール3に巻回されながら加熱された後、中間転写体50と密着した状態で加熱ロール2および加熱ロール3によって加圧加熱される。これによって中間転写体50上の複数色のトナー像は記録紙上の熱可塑性の樹脂層に浸透する。
【0014】
加熱ロール2および加熱ロール3によって加圧加熱された中間転写体50および記録紙は、密着したまま移動して、冷却装置4により冷却される。これにより熱可塑性の樹脂層に浸透したトナーは凝集固化し、記録紙との強い接着力を生じる。その後、小曲率なロール5−1において、記録紙は記録紙自体の腰の強さによって中間転写体50からトナーと共に分離され、外部に出力される。記録紙に転写・定着されたトナー像は、記録紙表面の樹脂層と一体になっているので、当該記録紙の表面は平滑且つ高光沢となる。
【0015】
感光体1−1、1−2、1−3、1−4としては、各種無機感光体(Se、a−Si、a−SiC、CdS等)の他に、各種有機感光体を用いることができる。
トナーとしては、イエロー、マゼンタ、シアン等の色素を含有した熱可塑性のバインダで構成されている公知の材料を用いることができる。本実施の形態では、重量平均分子量54000、軟化点113℃、平均粒径7μmのポリエステルトナーを用いている。各色の記録媒体上のトナー量は、トナーの色素の含有量により異なるが、およそ0.4mg/cm2 〜 0.7mg/cm2になるように、露光または現像条件として設定されている。本実施の形態では、各色0.65mg/cm2になるように設定されている。
【0016】
記録媒体としては、市販のキャストコート紙である坪量127.9g/m2のエナメルコート紙(米子加工紙株式会社)の表面に7μm厚のポリエステルを塗工したものを用いている。塗工するポリエステルとしては、本実施の形態では、重量平均分子量12300、数平均分子量3270および軟化点100℃のポリエステルを用いている。
【0017】
中間転写体50は、ベース層と表面層との2層構造を有しているものを用いている。ベース層は、カーボンブラックを添加した厚さ70μmのポリイミドフィルムを用い、体積抵抗率はカーボンブラックの添加量を変化させて、1010Ωcmに調整している。なお、ベース層としては、例えば厚さ10〜300μmの耐熱性の高いシートを使用することができ、より具体的には、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミドなどのポリマーシート等を用いることができる。
【0018】
また、表面層としては、本実施の形態では、中間転写体50から記録紙への同時転写定着を行うときに、トナー像を挟んで中間転写体50と記録紙とがよく密着するように、ゴム硬度40度、厚さ50μmのシリコン共重合体を用い、感光体1−1、1−2、1−3、1−4から中間転写体50に静電的に画像乱れなくトナー像を転写するためにシリコン共重合体の体積抵抗率を1014Ωcmに調整している。
シリコン共重合体は、表面が常温でトナーに対して粘着性を示すとともに、溶融して流動化したトナーを離しやすくする特性を有しているために、記録紙等の記録媒体へトナーを効率的に移行させることができ、表面層には最適である。なお、表面層としては、例えば厚さ1〜100μmの離型性の高い樹脂層を使用することができ、より具体的には、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。
【0019】
加熱ロール2、3としては、金属ロール、または、金属ロールにシリコンゴム等の耐熱弾性層を有したものを用いることができる。加熱ロール2、3の内部には熱源が配置され、熱源の設定温度はトナー及び記録紙表面の熱可塑性の樹脂層の熱溶融特性によって決定される。本実施の形態では、トナーの軟化点>樹脂層の軟化点としているので、加熱ロール2の設定温度>加熱ロール3の設定温度となるように熱源の温度設定を行っている。具体的には、加熱ロール2の熱源の設定温度を150℃に設定し、加熱ロール3の熱源の設定温度を120℃に設定している。 本実施の形態では、転写・定着時の加熱ロール2、加熱ロール3間の圧力を5kgf/cm2になるように設定してあるが、圧力はこれに限らず、たとえば1kgf/cm2〜10kgf/cm2の範囲であればよい。また、本実施の形態では、加熱ロール2、加熱ロール3の外径を50mmとし、各加熱ロール2、3の回転速度を、中間転写体50の搬送速度が240mm/secになるように設定している。
また、本実施の形態では冷却装置4の風量を調整することにより、記録紙等の記録媒体を中間転写体50から剥離する時に、中間転写体50と接する記録媒体表面の温度が70℃となるようにしている。
【0020】
本実施の形態では画像形成装置300として、タンデムエンジンの電子写真方式のカラープリンターを適用したが、これに限られず、シングルエンジン方式や、中間転写体を用いずに耐熱性を有するベルト感光体を用い、ベルト感光体上に形成された複数色のトナー像を直接記録紙に転写・定着する方式のプリンタであってもよい。また、画像形成装置300としては、電子写真方式のカラープリンタに限るものではなく、例えば印刷、インクジェット方式、熱転写方式および銀塩写真方式などのカラー画像形成装置であってもよい。
【0021】
画像処理装置200は、第1色変換部210および第2色変換部220を有している。画像入力装置100から入力されたRGBデータは、第1色変換部210によって、均等色空間の一つであるCIE・L*a*b*色空間のデータに変換される。第1色変換部210によって変換されたL*a*b*データ(第1色信号)は、第2色変換部220によって、画像形成装置300の色空間の画像記録信号、本実施の形態では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(ブラック)の4色のデータ(第2色信号)に変換されて、画像形成装置300に転送される。画像入力装置100からの入力色信号として、本実施の形態では最も一般的なRGBデータを例にとって説明するが、印刷で用いられているCMYK色空間や、PhotoCDで用いられるYCC色空間などの他の色空間のデータであってもよい。
【0022】
第1色変換部210としては、本実施の形態では入力色信号をL*a*b*色空間の信号に変換するものを用いているが、これに限られず、たとえばXYZ色空間やL*u*v*色空間などのデバイスに依存しない他の色空間の信号に変換するものであってもよい。なお、第1色変換部210としては、L*u*v*等の均等色空間の信号に変換するものであることがより望ましい。
また、第1色変換部210としては、色変換回路として広く用いられているマトリックス演算型の色変換回路やニューラルネットワーク型の色変換回路を使用することが可能であり、本実施の形態ではダイレクトルックアップテーブル型の色変換回路を使用している。
【0023】
第1色変換部210の色変換係数は以下に示す方法で求めることができる。まず、画像入力装置100に入力するカラー画像の測色値(L*a*b*)を市販の測色計で測定し、入力するカラー画像の測色値(L*a*b*)に対応するRGBデータを求めて、入力測色値(L*a*b*)に対する出力データ(RGB)の色変換特性をモデル化する。このような色変換モデルには高次多項式やニューラルネットワークが一般に用いられるが、本実施の形態ではニューラルネットワークを用いるようにした。そして、ニューラルネットワークモデルに非線形最適化手法を適用して逆に解いて、各入力RGBデータのアドレスに対応する出力L*a*b*色データを求め、これらを第1色変換部210の色変換係数として設定した。
【0024】
次に、本発明の主要部である第2色変換部220について図3を用いて詳細に説明する。
最大墨量決定部221および最小墨量決定部222は、L*a*b*予測部、CCM(Computer Color Matching)部、および2分探索部を有し、入力される測色値(L*a*b*)に対する最大墨量を表すKmaxと最小墨量を表すKminとを決定して墨量最適化部224に送る。
L*a*b*予測部は、ニューラルネットワークにより構成される。このニューラルネットワークは、画像形成を行うプリンタ等の画像形成装置300のCMYKとL*a*b*との対を複数用意しておき、これらの対を教師データとして学習させることによって得られる。CMYKとL*a*b*との関係は、次の関数で表すことができる。
(L*,a*,b*)=F(C,M,Y,K)・・・(1)
ここで、通常、関数Fの逆関数は求まらない。しかし、L*a*b*の値を与えると共にCMYKの中の1変数を適切に決めれば、式(1)から残りの3変数を求めることができる。例えば、Kの値を与えるとCMYの値を決定することができる。
CCM部は、次式に基づいてCCMと呼ばれる公知の手法により、L*a*b*の値およびKの値からCMYの値を効率的に計算する。
(C,M,Y)=G(L*,a*,b*,K)・・・(2)
2分探索部は、CCM部による計算に使用するKの値を2分探索アリゴリズムにより振って、CCM部により求められるCMYの値が以下に示す式(3)を満たすか否かを判断し、式(3)を満たすKmaxおよびKminを効率的に求める。
0≦C,M,Y≦100%・・・(3)
ここで、式(3)を満たす最も大きいKの値が最大墨量Kmaxであり、最も小さいKの値が最少墨量Kminである。
【0025】
画質予測部223は、上記同様なCCM部を有しており、第1色変換部210より得られるL*a*b*データと墨量最適化部224より得られる墨量Kとからその色の組み合わせ時の画像形成装置300の画像記録信号CMYを決定する。ここで、特許請求の範囲にいう候補検出手段は、主にこのCCM部によって構成される。また、画質予測部223は、墨量Kと当該画像記録信号CMYの値とを式(4)に代入して画質予測値Qを求め、当該画質予測値Qを墨量最適化部224に送る。
Q=H(C,M,Y,K)・・・(4)
ここで、Hは、墨量Kと当該画像記録信号CMYとによって出力された画像の所定の画質についての予測値(画像予測値Q)を求めるための画質予測関数である。
【0026】
本実施の形態では、画質予測部223は、画像の画質の中の粒状性とモアレとを予測することとしている。粒状性およびモアレを表す心理物理量としては、画像のウイナースペクトルが広く知られている。なお、ウイナースペクトルについては、例えば日本印刷学会誌第28巻第6号(1991)pp.53−pp.58に記載されている。このウイナースペクトルは値が小さくなるほど、画像の粒状性が良好であり、モアレが少ないことを表わす。本実施の形態では、画像予測値Qとして、ウイナースペクトルの逆数を用いることとした。
【0027】
また、本実施の形態では、画質予測部223で使用する画質予測関数Hをニューラルネットワークにより構成した。このニューラルネットワークは以下のようにして作成した。すなわち、対象となる画像形成装置300(たとえば、プリンタ)によりCMYKの組み合わせに基づいてサンプルをプリントアウトし、当該サンプルをマイクロ濃度計で測定し、測定値からウイナースペクトルを算出し、ウイナースペクトルの逆数の画質予測値Qを求め、CMYKと画質予測値Qとの対を複数用意する。そして、これら複数の対を教師データとしてニューラルネットワークに学習させる。なお、本実施の形態では、画質予測関数Hをニューラルネットワークにより構成したが、これに限られず、CMYKの4つの入力パラメータから画質予測値Qを求められるものであればよく、たとえば多項式やダイレクトルックアップテーブルなどで構成してもよい。
パラメータ入力手段225は、画質予測部223の画質予測関数Hを設定するものである。
【0028】
墨量最適化部224は、最大墨量決定部221より得られる最大墨量Kmaxと最小墨量決定部222より得られる最小墨量Kminとにより、式(5)で示される最大墨量Kmaxから最小墨量Kminまでの間にある墨量Kの値を画質予測部223に送る。
Kmin≦K≦Kmax・・・(5)
ここで、Kminの値に変えて、まったく墨を入れない場合を意味する0としてもよい。この場合には最小墨量決定部222を設ける必要がなくなる。しかしながら、画像形成装置300の色再現範囲のすべてを適切に活用するためには、最小墨量決定部222を設け、最小墨量Kminを用いるようにするのが望ましい。
【0029】
また、墨量最適化部224は、画像予測部223に送った各墨量Kに対応する画質予測値Qを画質予測部223より得て、対応する画質予測値Qが最も大きい、すなわち、粒状性やモアレが発生しない、あるいは発生しても最小限であると予測される場合の墨量Kを最適墨量Koptとして決定し、当該最適墨量KoptをCMY決定部226とCMYK出力部227とに送出する。
【0030】
CMY決定部226は、上記同様なCCM部を有しており、第1色変換部210から得られる3色色信号L*a*b*と墨量最適化部224から得られる最適墨量Koptとから、画像形成装置300の最適画像記録信号CoptMoptYoptを決定して、これら最適画像記録信号CoptMoptYoptをCMYK出力部227に送出する。
CMYK出力部227は、CMY決定部226から得られた3色の画像記録信号CoptMoptYoptと、墨量最適化部224から得られる墨量Koptとを画像形成装置300に出力するものである。
【0031】
次に、本発明の主要部である第2色変換部220の動作を図4を用いて説明する。最大墨量決定部221は、第1色変換部210から入力されたL*a*b*データに対する最大墨量を表すKmaxを決定して、当該Kmaxを墨量最適化部224に送り、最小墨量決定部222は第1色変換部210から入力されたL*a*b*データに対する最小墨量を表すKminを決定して、当該Kminを墨量最適化部224に送る(ステップS1)。墨量最適化部224は、最大墨量Kmaxと最小墨量Kminとの間の墨量Kを画質予測部223に順次送る。
【0032】
画質予測部223は、第1色変換部210から入力されたL*a*b*データと墨量最適化部224から入力された墨量Kとに基づいて画像形成装置300の画像記録信号CMYを決定し(ステップS2)、墨量Kと決定した画像記録信号CMYとに基づいて画像予測値Qを求め、当該画質予測値Qを墨量最適化部224に送る(ステップS3)。
次いで、墨量最適化部224は、求められた画質予測値Qが最も大きくなる墨量Kを最適墨量Koptとして決定し(ステップS4)、当該最適墨量KoptをCMY決定部226とCMYK出力部227とに送出する。
【0033】
CMY決定部226は第1色変換部210から得られる3色色信号L*a*b*と墨量最適化部224から得られる最適墨量Koptから画像形成装置300の最適画像記録信号CoptMoptYopt(ステップS5)を決定して、CMYK出力部227に送出する。CMYK出力部227は、CMY決定部226から得られた3色の画像記録信号CoptMoptYoptと墨量最適化部224から得られる墨量Koptを画像形成装置300に出力する。
【0034】
このように、画像形成装置の色再現範囲を最大限に保証しつつ、画質の粒状性やモアレの発生がない、あるいは発生しても最小限に抑えることのできる墨量を決定することができ、これにより最適な画質のプリントを確実に得ることができる。また、従来のように墨入れ関数や墨入れ率などのパラメータを求める必要がなく、実験等のトライアンドエラーを繰り返す(試行錯誤する)必要がない。
【0035】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、粒状性とモアレに関しての画質の予測をするようにしたが、墨量によって変化する画質の要素であればよく、たとえば、光沢度、線再現性、面内均一性等に関して予測するようにしてもよい。また、画質予測値Qとしては、人間がサンプルを観察することにより得られる官能評価結果を用いるようにしてもよい。なお、画質予測値Qに変えて、画質以外の性能に関する値を用いるようにすると、値として用いた性能を満たす墨量を決定することができる。例えば画質予測値Qに変えて、トナー使用量を用いるようにすると、トナーのコストを押さえることができる。
【0036】
また、上記実施の形態の第2色変換部220を3入力4出力のダイレクトルックアップテーブルにて構成するようにしてもよい。このダイレクトルックアップテーブルは、たとえば、入力L*a*b*の各軸を16分割した値を入力アドレスとし、立方体補間により補間演算を行って画像記録信号CMYKを算出するように構成することができる。ダイレクトルックアップテーブルの補間方式としては、立方体補間方式を適用したが、公知の補間方式であれば三角柱補間方式や四面体補間方式などの他の方式を適用してもよい。上記のダイレクトルックアップテーブルの各入力アドレスL*a*b*に対する各テーブル値としては、上述のステップS1〜S5と同様な処理を実行することによって得られる最適墨量Koptと最適画像信号CoptMoptYoptとを設定すればよい。
このように、第2色変換部220をダイレクトルックアップテーブルで構成すると、上記実施の形態の効果に加えて、画像処理の高速化を行うことができ、さらに、ダイレクトルックアップテーブルをハードウエアで構成すればリアルタイム処理を実現できる。
【0037】
また、上記実施の形態の第2色変換部は、3入力4出力の色変換を行える公知の色変換方式を適用した構成にするようにしてもよく、たとえば、ニューラルネットワーク型などの他の色変換方式を適用した構成であってもよい。
また、上記実施の形態において、第1色変換部210と第2色変換部220とを1つのダイレクトルックアップテーブルなどの色変換器で構成するようにしてもよい。この場合の色変換特性は、第1色変換部210と第2色変換部220とのそれぞれの色変換パラメータを決定した後に、各色変換パラメータを合成することにより求めることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、3色の色信号を画像記録信号に変換する際に、所定の画質を達成するための最適な墨量を簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるカラー画像処理装置を有するカラー画像出力システムの一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるカラー画像形成装置の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるカラー画像処理装置の第2変換部の概略の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるカラー画像処理装置の画像処理方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1−1〜1−4 感光体
2 加熱ロール
3 加圧ロール
4 冷却装置
5−1〜5−4 ローラ
6 用紙トレイ
7 給紙装置
8 巻回機構
9−1、9−2 ピンロール
11 黒現像器
12 イエロー現像器
13 マゼンタ現像器
14 シアン現像器
15〜18 静電潜像形成用帯電器
50 中間転写体
50−1〜50−4 転写器
100 画像入力装置
200 画像処理装置
210 第1色変換部
220 第2色変換部
221 最大墨量決定部
222 最少墨量決定部
223 彩度決定部
224 墨量決定部
225 パラメータ入力部
226 CMY決定部
227 CMYK出力部
300 画像形成装置
380 レーザスキャナ走査装置
390 スクリーンジェネレータ
Claims (10)
- 3色の色信号を変換して、墨を含んだ複数色の画像記録信号を求めるカラー画像処理方法において、
複数の墨量に対して、各墨量に対応する前記墨以外の画像記録信号を検出するステップと、
前記各墨量と、各墨量に対応する前記墨以外の前記画像記録信号とに基づいて、前記各墨量に対応した画質予測値を予測するステップと、
前記画質予測値に基づいて墨量を決定するステップと
を有することを特徴とするカラー画像処理方法。 - 請求項1記載のカラー画像処理方法において、
さらに、前記3色の色信号が示す色を再現するために使用できる最大墨量を求めるステップを有し、
前記墨量を求めるステップでは、前記最大墨量以下の範囲で墨量を求めることを特徴とするカラー画像処理方法。 - 請求項1または2に記載のカラー画像処理方法において、
さらに、前記3色の色信号が示す色を再現するために使用できる最小墨量を求めるステップを有し、
前記墨量を求めるステップでは、前記最小墨量以上の範囲で墨量を求めることを特徴とするカラー画像処理方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のカラー画像処理方法において、
前記画質予測値を予測するステップは、前記画像記録信号と、当該画像記録信号に基づいてプリントアウトされる画像の画質に関する画質予測値との関係を学習させたニューラルネットワークにより実行されることを特徴とするカラー画像処理方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のカラー画像処理方法において、
前記画質予測値を予測するステップは、前記画像記録信号に該当するアドレスに、当該画像記録信号に基づいてプリントアウトされる画像の画質に関する画質予測値を設定したダイレクトルックアップテーブルを用いて実行されることを特徴とするカラー画像処理方法。 - 3色の色信号を変換して、墨を含んだ複数色の画像記録信号を求めるカラー画像処理装置において、
複数の墨量に対して、各墨量に対応する前記墨以外の画像記録信号を検出する候補検出手段と、
前記各墨量と、各墨量に対応する前記墨以外の前記画像記録信号とに基づいて、前記各墨量に対応した画質予測値を予測する画像予測手段と、
前記画質予測値に基づいて墨量を決定する墨量最適化手段と
を有することを特徴とするカラー画像処理装置。 - 請求項6記載のカラー画像処理装置において、
さらに、前記3色の色信号が示す色を再現するために使用できる最大墨量を求める最大墨量決定手段を有し、
前記墨量最適化手段は、前記最大墨量以下の範囲で墨量を求めることを特徴とするカラー画像処理装置。 - 請求項6または7に記載のカラー画像処理装置において、
さらに、前記3色の色信号が示す色を再現するために使用できる最小墨量を求める最小墨量決定手段を有し、
前記墨量最適化手段は、前記最小墨量以上の範囲で墨量を求めることを特徴とするカラー画像処理装置。 - 請求項6乃至8のいずれかに記載のカラー画像処理装置において、
前記画質予測手段は、前記画像記録信号と、当該画像記録信号に基づいてプリントアウトされる画像の画質に関する画質予測値との関係を学習させたニューラルネットワークを有することを特徴とするカラー画像処理装置。 - 請求項6乃至8のいずれかに記載のカラー画像処理装置において、
前記画質予測手段は、前記画像記録信号に該当するアドレスに、当該画像記録信号に基づいてプリントアウトされる画像の画質に関する画質予測値を設定したダイレクトルックアップテーブルを有することを特徴とするカラー画像処理装置。
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