JP3770251B2 - 車両用報知装置及びその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両と自車両の前方物体との接触の可能性に応じてドライバへ警報および減速制御を行う車両用報知装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自車両が前方の障害物等に接触する可能性がある場合に、ドライバにその警報を与える従来技術としては、特開文献1に開示されている技術がある。この従来技術は、障害物を検知する障害物検知手段と、この障害物検知手段の情報に基づいて接触の可能性があると判断した場合、自車の走行速度を低下させることにより運転者に警告を与える警告減速手段とを備えた車両衝突防止装置についてのものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−286313号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車速を低下させて警報を与えている間はドライバが加速操作を行えないため、前方の車両を回避して追い越す等の場面において、そのような警報処理がドライバの運転操作にかえって妨げになってしまうことがあるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みてなされたものであり、車速を低下させて警報を与える場合でも、ドライバの運転操作を有効にすることができる車両用報知装置及びその方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記問題を解決するために、請求項1及び請求項24に記載の発明では、前方にある物体に車両が接触する可能性に基づいてアクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を減少させる補正をし、さらに、アクセル操作手段の操作量が所定の操作量よりも大きい場合、前記補正の量を当該所定の操作量以下のときのものよりも小さくしている。
これにより、前方にある物体に車両が接触する可能性に基づいて駆動トルクを変化させつつも、アクセル操作手段による操作を有効にしている。そして、アクセル操作手段の操作量が多いときには、前記補正の量を小さくすることで、アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を多くしている。
【0006】
また、請求項4及び26に記載の発明では、アクセルの操作量が所定の操作量より少ない場合、ブレーキ操作手段の操作量に対する制動トルクの発生量を補正している。これにより、駆動トルクの発生量の補正を補っている。
また、請求項9及び28に記載の発明では、接触可能性のある物体と車両との間の距離が近いほど、その値が大きくなる仮想的な力を想定し、その仮想的な力を検出した接触可能性のある物体と車両との間の距離に応じて変化させて、その力に基づいて補正を行っている。
【0007】
また、請求項30に記載の発明では、車両がおかれている環境に基づいてアクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を減少させる補正をし、さらに、アクセル操作手段の操作量が所定の操作量よりも大きい場合、前記補正の量を当該所定の操作量以下のときのものよりも小さくしている。
これにより、車両がおかれている環境に基づいて駆動トルクを変化させつつも、アクセル操作手段による操作を有効にしている。そして、アクセル操作手段の操作量が多いときには、前記補正の量を小さくすることで、アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を多くしている。
また、請求項32に記載の発明では、アクセルの操作量が所定の操作量より少ない場合、ブレーキ操作手段の操作量に対する制動トルクの発生量を補正している。これにより、駆動トルクの発生量の補正を補っている。
【0008】
また、請求項13及び29に記載の発明では、駆動トルクの発生量を補正している間、車両に作用する駆動トルク及び制動トルクのうちの少なくとも一方について、そのトルク変動量を制限している。特に、請求項14に記載の発明では、所定時間間隔毎のトルク変動量が所定値より小さくなるように、トルク変動量の制限をしている。これにより、駆動トルクの発生量を補正している間の車両に作用する駆動トルクや制動トルクの変動を抑えている。
【0009】
【発明の効果】
このように、請求項1及び24に記載の発明によれば、前方にある物体に車両が接触する可能性に基づいて駆動トルクを変化させつつも、アクセル操作手段による操作を有効にしているので、アクセル操作に対する車両の挙動特性に変化を与えることで車両が接触する可能性をドライバに示しつつも、ドライバによるアクセル操作に応じた駆動トルクの増減を許容している。
さらに、アクセル操作手段の操作量が多いときには、アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を減少させるための補正の量を小さくして、アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を多くすることで、通常時に近い駆動力特性を得ることができる。これにより、ドライバは、アクセル操作手段を大きく踏み込むことで、その加速を通常の加速と同等なものとして得ることができるようになる。
【0010】
また、請求項4及び26に記載の発明によれば、ブレーキの操作量に対する制動トルクの発生量を補正して、駆動トルクの発生量の補正を補うことで、車両に所望の走行抵抗を与えることができる。
また、請求項9及び28に記載の発明によれば、接触可能性のある物体と車両との間の距離に応じてその値が変化する仮想的な力を想定し、その仮想的な力に応じて補正を行うことで、アクセル操作に対する車両の挙動特性を前記距離に応じて変化させることができる。
【0011】
また、請求項30に記載の発明によれば、車両がおかれている環境に基づいて駆動トルクを変化させつつも、アクセル操作手段による操作を有効にしているので、アクセル操作に対する車両の挙動特性に変化を与えることで車両がおかれている環境をドライバに示しつつも、ドライバによるアクセル操作に応じた駆動トルクの増減を許容している。
さらに、アクセル操作手段の操作量が多いときには、アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を減少させるための補正の量を小さくして、アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を多くすることで、通常時に近い駆動力特性を得ることができる。これにより、ドライバは、アクセル操作手段を大きく踏み込むことで、その加速を通常の加速と同等なものとして得ることができるようになる。
【0012】
また、請求項32に記載の発明によれば、ブレーキの操作量に対する制動トルクの発生量を補正して、駆動トルクの発生量の補正を補うことで、車両の走行状態を所望の状態にすることができる。
また、請求項13及び29に記載の発明によれば、駆動トルクの発生量を補正している間の車両に作用する駆動トルクや制動トルクの変動を抑えることで、たとえ運転者がアクセルペダルを急に踏んだり、放したりしても、運転者のそのような運転操作に対応して車両が急に反応してしまうことを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に関連する第1の関連技術の実施の態様であって、車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムの構成を示す。
この走行制御システムは、レーダ装置30、車速センサ1、障害物検出処理装置2、ブレーキペダル3、アクセルペダル4、制動力制御装置20、駆動力制御装置10、コントローラ5及びエンジン6を備えている。なお、特に示すまでもなく、車両は他の構成、例えば操舵角センサ等も有している。
【0014】
駆動力制御装置10は、アクセル操作手段であるアクセルペダル4の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン6を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させる駆動力を変化させるように構成されている。
図2は、その駆動力制御装置10の構成をブロック図として示す。この駆動力制御装置10は、ドライバ要求駆動力算出部11、加算器12及びエンジンコントローラ13を備えている。
【0015】
ドライバ要求駆動力算出部11は、アクセルの操作量であるアクセルペダル4の踏み込み量(以下、アクセルペダル踏み込み量という。)に従ってドライバが要求する駆動力(以下、ドライバ要求駆動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求駆動力算出部11は、図3に示すようなアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を定めた特性マップ(ドライバ要求駆動力算出用マップ)を用いて、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力を得ている。そして、ドライバ要求駆動力算出部11は、求めたドライバ要求駆動力を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。なお、前記ドライバ要求駆動力算出用マップは、ドライバ要求駆動力算出部11が保持している。
【0016】
エンジンコントローラ13は、ドライバ要求駆動力を目標駆動力として、エンジン6への制御指令を算出する。すなわち、エンジン6は、この制御指令に基づいて駆動される。また、駆動力制御装置10には、加算器12に駆動力補正量が入力されており、その駆動力補正量の入力がある場合には、エンジンコントローラ13には、加算器12でこの駆動力補正量が加算された補正後のドライバ要求駆動力からなる目標駆動力が入力される。
【0017】
このように、駆動力制御装置10は、ドライバ要求駆動力算出部11によりアクセルペダル踏み込み量に応じてドライバ要求駆動力を算出し、その一方で、駆動力補正量が別途入力された場合にはこの駆動力補正量を加算器12で加えた目標駆動力を得て、エンジンコントローラ13でその目標駆動力に応じたエンジンへの制御指令を算出する。
【0018】
制動力制御装置20は、ブレーキ操作手段であるブレーキペダル3の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキ液圧を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させる制動力を変化させるように構成されている。
図4は、その制動力制御装置20の構成をブロック図として示す。この制動力制御装置20は、ドライバ要求制動力算出部21、加算器22及びブレーキ液圧コントローラ23を備えている。
【0019】
ドライバ要求制動力算出部21は、ブレーキの操作量であるブレーキペダル3の踏み込み力(以下、ブレーキペダル踏み込み力という。)に従ってドライバが要求する駆動力(以下、ドライバ要求制動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求制動力算出部21は、図5に示すように、ブレーキペダル踏み込み力とドライバ要求制動力との関係を定めた特性マップ(ドライバ要求制動力算出用マップ)を用いて、ブレーキペダル踏み込み力に対応するドライバ要求制動力を得ている。そして、ドライバ要求制動力算出部21は、求めたドライバ要求制動力を加算器22を介してブレーキ液圧コントローラ23に出力する。なお、前記ドライバ要求制動力算出用マップは、ドライバ要求制動力算出部21が保持している。
【0020】
ブレーキ液圧コントローラ23は、ドライバ要求制動力を目標制動力として、ブレーキ液圧指令を算出する。また、制動力制御装置20には、加算器22に制動力補正量が入力されており、その制動力補正量の入力がある場合には、ブレーキ液圧コントローラ23には、加算器22でこの制動力補正量が加算された補正後のドライバ要求制動力からなる目標制動力が入力される。
【0021】
このように、制動力制御装置20は、ドライバ要求制動力算出部21によりブレーキペダル踏み込み力に応じてドライバ要求制動力を算出し、その一方で、制動力補正量が別途入力された場合にはこの制動力補正量を加算器22で加えた目標駆動力を得て、ブレーキ液圧コントローラ23で目標制動力に応じたブレーキ液圧指令を算出する。
レーダ装置30は、図1に示すように、車両前部に搭載されており、前方物体までの距離を算出するように構成されている。
【0022】
図6は、レーダ装置30の構成を示す。レーダ装置30は、赤外線レーザ光を出射する発光部31と、その反射光を受光し、その受光に応じた電圧を出力する受光部32とを備え、発光部31と受光部32とが隣接して配置された構成になっている。ここで、発光部31は、図6中に矢印Aとして示す方向に振れるように構成されて、スキャニング機構が組み合わされたものになっている。そして、発光部31は、角度を変化させながら所定角度範囲内で順次発光するようになっている。このレーダ装置30は、発光部31のレーザ光の出射から受光部32における受光までの時間差に基づいて自車両から前方障害物200までの距離を計測する。
【0023】
このようなレーダ装置30は、発光部31をスキャニング機構によりスキャニングしながら、各スキャニング位置或いはスキャニング角度について、反射光が受光されているか否かの判定を行い、反射光を受光した場合に前方障害物200までの距離を算出する。さらに、レーダ装置30は、前方障害物200を検出したときのスキャニング角と当該前方障害物200までの距離とに基づき、自車両に対しての当該前方障害物200の左右方向の位置も算出する。すなわち、レーダ装置30は、自車両に対しての障害物200の相対的な位置をも特定するように構成されている。
【0024】
図7は、このレーダ装置30がスキャニングして得た障害物の検出結果の一例を示す。各スキャニング角で自車両に対しての障害物の相対的な位置を特定することで、図7に示すように、スキャニング範囲内で検出できる複数の物体についての平面的な存在状態図を得ることができる。
なお、レーダ装置30としては、発光部31が赤外線を使った光式のものに限定されるものではなく、発光部31がマイクロ波やミリ波などを使った電波式のものであってもよく、また、ビデオ画像を処理することによって前方障害物200を検出するように構成されているものであってもよい。レーダ装置30は、以上のようにして検出した結果を障害物検出処理装置2に出力する。
【0025】
障害物検出処理装置2は、レーダ装置30の検出結果に基づいて前方障害物200の情報を得るように構成されている。具体的には、障害物検出処理装置2は、レーダ装置30からスキャニング周期毎(或いはスキャンニング角度毎)に出力されてくる物体の存在状態同士を比較し、物体の動きを判別するとともに、検出した物体間の近接状態や動きの類似性等の情報に基づいてこれら物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別する。
【0026】
この処理により、障害物検出処理装置2は、自車両からその物体(前方障害物)までの前後方向距離X(m)、自車両に対する物体の左右方向距離Y(m)、その物体の幅W(m)、さらに、自車両の走行速度とその物体の移動速度(走行速度)との相対速度ΔV(m/s)を得ている。そして、障害物検出処理装置2は、複数の物体を特定した場合には、各物体についてそれらの情報を得ている。障害物検出処理装置2は、これら情報を所定の時間周期でコントローラ5に出力する。
【0027】
コントローラ5は、車両について各種制御を行うように構成されている。第1の関連技術の実施の態様では、コントローラ5は、車速センサ1からの車速情報、前記障害物検出処理装置2の検出結果、或いはアクセルペダル4の操作状態情報の各種情報が入力されており、これらの情報に基づいて指令信号を演算し、求めた指令信号を前記駆動力制御装置10及び制動力制御装置20それぞれに出力する。
【0028】
ここで、図8を用いて、コントローラ5の処理手順を説明する。コントローラ5は、この図8に示す処理をタイマ割り込みによって一定時間毎に呼び出すサブルーチンとして実行している。
先ずステップS1において、コントローラ5は、車速センサ1及び図示しない舵角センサから車速データ及び舵角データを取込む。ここで、舵角センサ及び車速センサ1は、それぞれ回転に応じた所定間隔のパルスを出力するエンコーダであり、コントローラ5は、これらセンサからのパルス数をカウントし、これを積算することで操舵角δ(rad)及び自車速V(m/s)を演算し、この結果を図示しないメモリに格納している。
【0029】
続いてステップS2において、コントローラ5は、アクセルペダル4の操作状態の情報を取り込む。ここで、取り込むアクセルペダル4の操作状態の情報とは、アクセルペダル踏み込み量、すなわちストローク変位量である。
続いてステップS3において、コントローラ5は、障害物検出処理装置2における検出結果である前後方向距離X(m)、左右方向距離Y(m)、物体幅W(m)及び相対速度ΔV(m/s)を取込む。コントローラ5は、例えば障害物検出処理装置2との間の情報交換をシリアル通信のような一般的な通信処理で行っている。そして、コントローラ5は、取り込んだこれら情報をメモリに格納する。
【0030】
続いてステップS4において、コントローラ5は、取り込んだ自車速V及び操舵角δに基づいて次のような自車進路予測を行う。
自車速V及び操舵角δに応じて車両の旋回曲率ρ(1/m)を与える式は一般に下記(1)式として知られている。
ρ={1/(1+A・V2 )}・(δ/N) ・・・(1)
ここで、Lは自車両のホイールベースであり、Aは車両に応じて定められたスタビリティー・ファクタと呼ぶ正の定数であり、Nはステアリングギア比である。
【0031】
ここで、旋回半径Rは、旋回曲率ρを用いて下記(2)式として示すことができる。
R=1/ρ ・・・(2)
この旋回半径Rを用いることで、自車両の予測進路は、図9に示すように、自車両から当該自車両の方向と鉛直にRだけ離れた位置(図9では右方向に離れている位置)にある点を中心とした半径Rの円弧として予測できる。
なお、以下の説明では、操舵角δは、右方向に操舵された場合に正値をとり、左方向に操舵された場合に負値をとるものとし、旋回曲率及び旋回半径についても、操舵角δが正値をとる場合に右旋回、操舵角δが負値をとる場合に左旋回を意味するものとする。
【0032】
さらに、このような予測進路を車幅或いは車線幅を考慮したものに変換する。すなわち、前述した予測進路はあくまでも自車の進行方向を予測した軌道にすぎないので、車幅或いは車線幅を考慮して自車両が走行するであろう領域を決定する必要がある。図10は、それらを考慮することで得た予測走路を示す。この図10に示す予測走路は、前述した予測進路に自車両の幅Twを加えて得たものである。すなわち、予測走路は、前記予測進路と同一点を中心とし半径がR−Tw/2の円弧と半径がR+Tw/2の円弧とで囲まれる領域として得られる。
【0033】
なお、操舵角δを用いる代わりにヨーレートγを用いて、自車の予測進路を、そのヨーレートγと自車速Vとの関係として下記(3)式により得てもよい。
R=V/γ ・・・(3)
或いは、横加速度Ygと自車速Vとの関係として自車の予測進路を下記(4)式により得てもよい。
R=V2/Yg ・・・(4)
なお、以下の説明は、最初に説明した自車速Vと操舵角δとの関係に基づいて予測進路を求めていた場合を前提にした説明とする。
【0034】
ステップS4においてこのような自車の進路予測を行った後、コントローラ5は、ステップS5において、取り込んだ物体についての情報からそれらの物体が前記予測走路の走路上にあるか否かを判断し、続くステップS6において、走路上にあると判断した物体のうちの自車両に最も近い一の物体(障害物)を選択する。このような処理により、自車両に対して非常に近い位置にある物体であっても、前述のように決定した自車両の予測走路から外れているものは選択されないようになる。
【0035】
そして、ステップS7以降の処理において、コントローラ5は、その選択した一の物体(車両)について、接触可能性を判断して、接触可能性がある場合には制御量を計算する。
すなわち、ステップS7において、コントローラ5は、接触の可能性を判断するために、下記(5)式により、自車両とその物体(車両)との間の距離である車間時間THWを算出する。
【0036】
THW=X/V ・・・(5)
続いてステップS8において、コントローラ5は、車間時間THWと閾値Thとを比較する。ここで、車間時間THWが閾値Thより小さい場合(THW<Th)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性があると判断して、ステップS9に進み、後述する補正量算出の処理を行う。また、車間時間THWが閾値Th以上の場合(THW≧Th)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性が低いと判断して、ステップS11において、補正量=0にする。
【0037】
ステップS9における補正量算出の処理は次のように行う。
先ず、図11中(A)に示すように、自車両300と先行車両(前方車両)400との間であり、自車両300の前方に仮想的な弾性体500があると仮定する。そして、自車両300と先行車両400との間隔がある距離以下になったときに、仮想的な弾性体500が先行車両400に当たり圧縮され、これにより、弾性体500の反発力としての力が自車両300に擬似的な走行抵抗としてかかるモデルを考える。
【0038】
ここで、このモデルにおける仮想的な弾性体500の長さlを自車速V及び前記閾値Thに関連付けて下記(6)式として与える。
l=Th×Vh ・・・(6)
また、仮想的な弾性体500の弾性係数kは、適切な制御効果が得られるように調整できる制御パラメータにしている。
【0039】
そして、図11中(B)に示すように、自車両300と先行車両400との間の距離が短い場合に、仮想的な弾性体500の長さlを基準におき、前後方向距離Xに応じて変化するものとして、仮想的の弾性体500による反発力Fcを下記(7)式として与える。
Fc=k×(l−X) ・・・(7)
このようなモデルにより、自車両300と先行車両400との間の距離が基準長さlより短い場合に、弾性係数kを有する弾性体による反発力Fcを得ることができる。
【0040】
ステップS9の補正量算出の処理では、このように仮想的に設けた弾性体500の反発力Fcを補正量(以下、反発力算出補正量ともいう。)として得ている。そして、コントローラ5は、ステップS10において、このようにして得た反発力算出補正量Fc或いは前記ステップS11にて得た0である補正量(反発力算出補正量に対応する補正量)を駆動力制御装置10や制動力制御装置20に出力する。
【0041】
図12は、ステップS10の出力処理手順を示す。
先ずステップS21において、コントローラ5は、予め読み込んでいるアクセルペダル踏み込み量の情報に基づいて、アクセルペダル4が踏まれているか否かを判定する。ここで、コントローラ5は、アクセルペダル4が踏まれていない場合、ステップS22に進み、アクセルペダル4が踏まれている場合、ステップS27に進む。
【0042】
ステップS22では、コントローラ5は、アクセルペダル4を戻したか否かを判定する。例えば、コントローラ5は、アクセルペダル踏み込み量の情報からそのアクセルペダル4の戻り速度を求め、この戻り速度に基づいてアクセルペダル4を急に戻したか否かを判定する。すなわち、コントローラ5は、戻り速度が早い場合、アクセルペダル4を急に戻したと判断する。
【0043】
ここで、コントローラ5は、アクセルペダル4を急に戻していない場合、ステップS23に進み、アクセルペダル4を急に戻している場合、ステップS25に進む。
コントローラ5は、ステップS23において、前記駆動力補正量として0を前記駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステップS24において、前記制動力補正量として前記反発力算出補正量Fcを前記制動力制御装置20に出力する。
【0044】
一方、コントローラ5は、アクセルペダル4を急に戻した場合に進むステップS25及びステップS26において、図13中(A)に示すように、駆動力制御装置10に、駆動力補正量として前記反発力算出補正量Fcから漸減させた値を出力しつつ最終的には0を出力する一方で、図13中(B)に示すように、制動力制御装置20に、制動力補正量として漸増させた値を出力しつつ最終的には前記反発力算出補正量Fcを出力する。
【0045】
また、前記ステップS21でアクセルペダル4が踏まれている場合に進むステップS27では、コントローラ5は、ドライバ要求駆動力Fdを推定する。具体的には、コントローラ5は、駆動力制御装置10がドライバ要求駆動力算出用に使用しているドライバ要求駆動力算出用マップ(図3)と同一のマップを使用して、アクセルペダル踏み込み量に応じたドライバ要求駆動力Fdを推定する。
【0046】
続いてステップS28において、コントローラ5は、推定したドライバ要求駆動力Fdが前記反発力算出補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)、ステップS29に進み、推定したドライバ要求駆動力Fdが前記反発力算出補正量Fc未満である場合(Fd<Fc)、ステップS31に進む。
コントローラ5は、ステップS29において、駆動力補正量として前記反発力算出補正量Fcを駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステップS30において、制動力補正量として0を制動力制御装置20に出力する。
【0047】
一方、コントローラ5は、ステップS31において、駆動力補正量として前記推定したドライバ要求駆動力Fdの負値(−Fd)を駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステップS32において、前記反発力算出補正量Fcから前記推定したドライバ要求駆動力Fdを引いた値(Fc−Fd)を制動力補正量として制動力制御装置20に出力する。
【0048】
このようなコントローラ5の補正量出力処理により、駆動力制御装置10では、コントローラ5からの駆動力補正量をドライバ要求駆動力に加算した値として前記目標駆動力を得て、制動力制御装置20では、コントローラ5からの制動力補正量をドライバ要求制動力に加算した値として前記目標制動力を得る。
以上のようにコントローラ5は種々の処理を行っている。
【0049】
なお、コントローラ5における前記ステップS3〜ステップS8の処理、前記レーダ装置30及び障害物検出処理装置2は、前方にある物体に自車両が接触する可能性を検出する接触可能性検出手段を構成している。なお、この接触可能性検出手段は、車両がおかれている環境の状態を検出しているともいえる。また、コントローラ5における前記ステップS9〜ステップS11及び図12に示した処理は、その接触可能性検出手段の検出結果に基づいてアクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を補正する第1の補正手段を構成している。
【0050】
また、コントローラ5における前記ステップS31及びステップS32の処理は、アクセルの操作量が所定の操作量より少ない場合、ブレーキ操作手段の操作量に対する制動トルクの発生量を補正する第2の補正手段を構成している。
以上のような構成により、走行制御システムは、駆動力制御装置10によりアクセルペダル4の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン6を制御するとともに、制動力制御装置20によりブレーキペダル3の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキを制御している。
【0051】
その一方で、走行制御システムでは、接触可能性のある先行車両の有無に応じてそのような各操作状態に応じた制御量を補正している。すなわち、走行制御システムでは、レーダ装置30の検出状態に応じて障害物検出処理装置2により得た自車両の前方の障害物の情報、車速センサ1からの自車速情報、及び操舵角センサからの操舵角情報に基づいて接触可能性のある先行車両を特定し、図11に示した制御量補正用のモデルから前記特定した先行車両との車間距離に応じた反発力算出補正量Fcを求め、その反発力算出補正量Fcを利用してドライバの操作状態に応じた駆動力補正量及び制動力補正量をそれぞれ得て、これら駆動力補正量及び制動力補正量で補正した目標駆動力及び目標制動力によってエンジン6やブレーキを制御している。
【0052】
そして、走行制御システムは、ドライバの操作状態に応じて次にように駆動力補正量及び制動力補正量を得ている。
前述したように、アクセルペダル4が踏まれてなく、アクセルペダル4が急な戻し操作がされていない場合には、駆動力補正量として0が駆動力制御装置10に出力され、制動力補正量として前記反発力算出補正量Fcが制動力制御装置20に出力されるので(前記ステップS23、ステップS24)、制動力制御装置20側ではドライバ要求制動力に反発力算出補正量Fc分が加算された目標制動力に応じたブレーキ液圧指令が得られ、このブレーキ液圧指令によりブレーキの駆動制御がなされる。これにより、車両は減速挙動を示すようになる。ドライバは、この減速挙動を警告報知として、自車両が先行車両に接近していることを知ることができる。
【0053】
また、アクセルペダル4が急な戻し操作された場合には、前記反発力算出補正量Fcから漸減させて最終的には0になる駆動力補正量が駆動力制御装置10に出力され、0から漸増させて最終的には前記反発力算出補正量Fcになる制動力補正量が制動力制御装置20に出力される(前記ステップS25、ステップS26)。すなわち、所定の操作としてアクセルペダル4が急な戻し操作された場合、駆動トルクの発生量を減少させる割合を制限し、さらに制動トルクの発生量を増加させる割合を制限し、補正への制限を加えている。
【0054】
これにより、駆動力制御装置10ではそのような駆動力補正量によりドライバ要求駆動力が補正されることで、前記目標駆動力がドライバ要求駆動力本来の値に対応したものに徐々に戻り、制動力制御装置20ではそのような制動力補正量によりドライバ要求制動力が補正されることで、前記目標制動力がドライバ要求制動力から徐々に増加したものとなり、この結果、アクセルの戻し操作に対応して緩やかな減速挙動を示すようになる。ドライバは、この減速挙動を警告報知として、自車両が先行車両に接近していることを知ることができる。
【0055】
さらに、アクセルペダル4が踏まれており、その踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc以上である場合には、駆動力補正量として前記反発力算出補正量Fcの負値−Fcが駆動力制御装置10に出力され、制動力補正量として0が制動力制御装置20に出力されるので(前記ステップS29、前記ステップS30)、駆動力制御装置10側ではドライバ要求駆動力に前記負値−Fc分が加算された目標駆動力が得られ、この目標駆動力になるようにエンジン6が駆動される。
【0056】
これにより、ドライバが要求した駆動力に対して実際の駆動力がFc分だけ小さくなり、この結果、ドライバによるアクセルペダルの踏み込みに対して車両は鈍い加速挙動を示すようになる。このように、アクセルペダル4を踏んでいるにもかかわらず期待したほどの加速感が得られない状態になるので、ドライバは、このような鈍い加速挙動を警告報知として、自車両が先行車両に接近していることを知ることができる。
【0057】
また、アクセルペダル4が踏まれており、その踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc未満である場合には、駆動力補正量として推定したドライバ要求駆動力Fdの負値−Fdが駆動力制御装置10に出力され、前記反発力算出補正量Fcから前記推定したドライバ要求駆動力Fdを引いた差分値(Fc−Fd)が制動力補正量として制動力制御装置20に出力される(前記ステップS31、前記ステップS32)。
【0058】
このように、制動力補正量を駆動力補正量の増減に応じて増減させることで、制動力制御装置20側ではドライバ要求制動力に前記負値−Fd分が加算された目標制動力が得られ、この目標駆動力になるようにエンジン6が駆動され、制動力制御装置20側ではドライバ要求制動力に前記差分値(Fc−Fd)が加算された目標制動力が得られ、この目標制動力になるようにブレーキの制御がなされる。これにより、ドライバが要求した駆動力に対して実際の駆動力が略0になり、さらに、ドライバが要求している制動力に対して実際の制動力が前記差分値(Fc−Fd)分だけ大きくなる。すなわち、この処理では、アクセルペダル4を戻すにつれ、ドライバが要求している制動力に対して実際の制動力が大きいものになる。
【0059】
このような処理の結果、アクセルペダル踏み込み量が所定量に達していない場合、車両は減速挙動を示すようになる。ドライバは、この減速挙動を警告報知として、自車両が先行車両に接近していることを知ることができる。
このような処理により、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc未満である場合(Fd<Fc)、駆動力制御装置10の制御のみでは目標とする前記反発力算出補正量Fcを得ることができないので、駆動力制御装置10に推定したドライバ要求駆動力Fdの負値−Fdを駆動力補正量として出力する一方で、制動力補正装置20に不足分として前記差分値(Fc−Fd)を出力して、前記反発力算出補正量(反発力)Fcを得るようにしている。或いは、このような処理は、アクセルペダル踏み込み量が所定の値より小さい場合、そのアクセルペダル踏み込み量に応じた緩制動を行うとともに、ブレーキペダル3の踏み込み量に対する制動トルクの発生量の関係を増大方向に補正する処理ともいえる。
【0060】
このようにして、駆動力制御装置10と制動力補正装置20とにおけるそれぞれの過不足分を調整して、駆動力制御装置10と制動力補正装置20とを協働させて、全体として前記反発力Fcを得るようにして、その反発力Fcを走行抵抗として車両に作用させている。
このようなことから、前述したように、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)には、Fd−Fc≧0であるので、前記反発力算出補正量Fcを駆動力補正量としてドライバ要求駆動力Fdを補正(減算)してもドライバ要求駆動力の差分が正値として残るので、制動力補正量を0とすることで制動力制御装置20の補正に頼らずに、前記反発力算出補正量Fcの負値を駆動力補正量として与えて駆動力制御装置10のみで補正を行い、全体として反発力Fcを発生させて、その反発力Fcを走行抵抗として車両に作用させている。
【0061】
図14は、以上のような反発力算出補正量Fcに基づいた補正による駆動力及び制動力の特性を簡便に示す図である。
この図14に示すように、アクセルペダル踏み込み量が多い場合はこれに対する駆動力の特性を反発力算出補正量Fcにより減少方向に補正し(図中Bとして示す特性)、一方、アクセルペダル踏み込み量が少ない場合には、駆動力が発生しないように補正するとともに(図中Cとして示す特性)、そのアクセルペダル踏み込み量の増加に対して減少する制動力が発生するように補正している(図中Dとして示す特性)。さらに、ブレーキペダル3が踏み込まれた際には反発力算出補正量Fcに基づいて制動力が増大する方向に特性を補正し(図中Eとして示す特性)、全体として車両の走行抵抗が反発力算出補正量(反発力)Fcに相当して増大する特性を作り出している。
【0062】
第1の関連技術の実施の態様では、以上のように、自車両前方に設けた仮想的な弾性体の反発力を前方車両への接近状態に応じて算出し、これを絶対的な補正量として、この絶対的な補正量を実現するような駆動力補正量及び制動力補正量を駆動力制御装置10及び制動力制御装置20それぞれに出力し、ドライバ要求駆動力及びドライバ要求制動力を補正することで、反発力に応じて車両に鈍い加速を与え或いは車両を減速させ、ドライバに警報報知を行っている。
【0063】
さらに、前記モデルを自車両が前方車両に近づくにつれて前記反発力の大きさが大きくなるように構築することで、自車両が前方車両に近づくにつれて走行抵抗を大きくしているので、自車両が前方車両へ接触する可能性の高まりに応じて走行抵抗を連続的に変化させてドライバに警告報知することができる。これにより、ドライバは、走行抵抗の大きさに応じて前方車両への接触可能性の高さを推測できるようになる。
【0064】
また、減速によるドライバへの警告報知を、ドライバ要求駆動力を補正するといった形態により実現しているので、アクセルペダル4を踏み込んだ際、その値は補正されるもののドライバ要求駆動力そのものは出力されるので、ドライバによるアクセルペダル4の踏み込み操作を有効にすることができる。これにより、アクセルペダル踏み込み量を多くすれば、駆動力を発生させることができるので、すなわち、前記仮想的な弾性体の反発力以上の駆動力にすれば加速できるので、これにより、ドライバの意思通りの自車両の動作、例えば先行車の回避行動等を実現することができる。このように、第1の関連技術の実施の態様によれば、ドライバの意思を妨げることなく警報報知を行うことが可能になる。
【0065】
なお、前述の第1の関連技術の実施の態様では、前記反発力算出補正量Fcの算出を、自車両の前方に仮想的な弾性体を設けて行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車間距離を関数にして増加するような量を他の手法を用いて算出するようにしてもよい。
例えば、図15に示すように、自車両の前方に仮想的な勾配路を設けて補正量を算出してもよい。
【0066】
この場合、先行車両への接近状態に応じて変化する仮想的な勾配αを定義して、この勾配αを用いて下記(8)式により補正量を定義する。
補正量=m×sin(α) ・・・(8)
ここで、mは自車重量である。このような(8)式によれば、車間距離が短いほど、勾配αを大きくすることで、車間距離が短いほど、補正量は大きな値を示すようになる。
【0067】
さらに、自車速や車間距離に応じて補正量を算出するルックアップテーブルを予め用意しておき、このルックアップテーブルを用いて先行車両への接近状態に応じて変化する補正量を決定するようにしてもよい。このようなルックアップテーブルを用いれば、演算が不要であるので先行車量への近接状態に対応する補正量を簡単に求めることができる。
【0068】
また、前記車間時間の閾値は一定値でもよいが、自車速等に応じて変化するようなものでもよい。
次に本発明の実施の形態を説明する。実施の形態は、本発明に係る車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムであり、前記反発力算出補正量Fcをドライバによる操作状態にリンクさせて調整する構成になっている。なお、第2の実施の形態の走行制御システムは、特に言及しない限り、前述の第1の実施の形態の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略する。
【0069】
実施の形態の走行制御システムでは、そのように補正量を調整する補正量調整手段を備えており、本実施の形態では、その補正量調整手段を前記コントローラ5が有している場合について説明する。
図16は、その補正量調整手段を有するコントローラ5の処理手順であり、図8に示したコントローラ5の処理手順とは、前記ステップS9の補正量算出処理の後にステップS40として補正量調整処理を行っている点で異なっている。
【0070】
図17は、そのステップS40における補正量調整処理の具体的な処理手順を示す。
先ずステップS41において、コントローラ5は、アクセルペダル踏み込み量THと所定の閾値TH0とを比較する。ここで、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH0よりも大きい場合(TH>TH0)、コントローラ5は、ステップS42に進み、前記反発力算出補正量Fcを低減させる補正量調整処理を行う。
【0071】
具体的には、下記(9)式及び(10)式に示すように、前記ステップS9で算出した反発力算出補正量Fcにアクセルペダル踏み込み量THに応じて得た補正係数α1を乗じて新たな反発力算出補正量Fcを得ることで補正量の低減を実現している。
α1=(THmax−TH)/(THmax−TH0) ・・・(9)
Fc=Fc・α1 ・・・(10)
この(9)式及び(10)式は、前述したようにTH>TH0のもとで使用される式であり、THmaxは最大踏み込み量である。この(9)式及び(10)式によれば、TH>TH0のもとでは、アクセルペダル踏み込み量THが多いほど、反発力算出補正量Fcはより小さい値に再設定される。
【0072】
なお、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH0以下である場合(TH≦TH0)、コントローラ5は、このようは補正量の調整を行わずに当該処理を終了する。すなわち、反発力算出補正量Fcを維持して、前記ステップS10に進む。
このような補正量調整処理により新たな反発力算出補正量Fcを得ている。
そして、コントローラ5は、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に、ステップS10において出力処理を行い、図12に示した処理手順に従って新たな反発力算出補正量Fcに応じた駆動力補正量や制動力補正量を適宜決定して、駆動力及び制動力を調整している。
【0073】
このような実施の形態の走行制御システムでは、アクセルペダル踏み込み量が多い場合には反発力算出補正量Fcを低減し、さらにその低減する割合をアクセルペダル踏み込み量に応じて決定することで、アクセルペダル踏み込み量が多い場合には、補正の影響を少なくして、通常時に近い駆動力特性を得ることができる。これにより、ドライバは、アクセルペダル4を大きく踏み込むことで、その加速を通常の加速と同等なものとして得ることができるようになる。
【0074】
図18は、この場合の駆動力及び制動力の特性を簡便に示した図である。
この図18に示すように、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH0よりも大きい領域では、駆動力の特性が通常時に近い特性として得られるようになる(図中Fとして示す特性)。
なお、この実施の形態では、反発力算出補正量Fcの調整を(9)式及び(10)式といった数式から算出しているが、これに限定されるものではない。例えば、アクセルペダル踏み込み量に応じた低減量(補正量の補正係数)を定義するルックアップテーブル等を用いてもよい。これにより、例えば、駆動力及び制動力の特性を簡便に示す図19に示すように、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH0よりも大きい領域で、通常時に近い特性として得られる駆動力の特性を、より自由度をもたせた特性として得ることができるようになる(図中Gとして示す特性)。
【0075】
また、アクセルペダル4を踏み込んだときに完全に反発力算出補正量Fcが0になるように調整しなくてもよい。すなわち例えば、駆動力及び制動力の特性を簡便に示す図20に示すように、アクセルペダル踏み込み量が多い領域では、反発力算出補正量Fcの減少量を小さくするような調整をして、ドライバの意思に反して鈍い加速化を呈する状態を維持するようにしてもよい。
【0076】
また、この実施の形態では、仮想的な弾性体から算出できる反発力算出補正量Fcを調整対象として説明したが、第1の関連技術の実施態様で説明したような勾配αに応じて変化する補正量を調整対象としてもよい。
また、この実施の形態では、反発力算出補正量Fcを調整するドライバの操作状態のパラメータがアクセルペダル踏み込み量である場合を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、ドライバの操作状態のパラメータにアクセルペダル踏み込み速度を用い、このアクセルペダル踏み込み速度に応じて反発力算出補正量Fcを調整することもできる。
【0077】
図21は、その補正量調整処理の具体的な処理手順であり、前記図16のステップS40において実行される処理である。
先ずステップS51において、コントローラ5は、アクセルペダル踏み込み量THに基づいて踏み込み速度dTHを算出する。ここで、踏み込み速度dTHは、アクセルペダル踏み込み量を時間系列に沿った差分処理を行い、若干のスムージング処理を行うことにより得たり、或いは擬似微分フィルタにより得る。
【0078】
そして、ステップS52において、コントローラ5は、踏み込み速度dTHと所定の閾値dTH0とを比較する。ここで、踏み込み速度dTHが所定の閾値dTH0よりも大きい場合(dTH>dTH0)、コントローラ5は、ステップS53に進み、前記反発力算出補正量Fcを低減させる補正量調整処理を行う。
【0079】
補正量調整処理では、踏み込み速度dTHの大きさに応じた補正量低減を行う。ここで、補正量の低減は、踏み込み速度dTHに応じた低減量(補正量の補正係数)を定義するルックアップテーブル等を用いて行う。例えば、図22に示すように、前記所定の閾値dTH0以上の領域では踏み込み速度dTHに応じて変化するような補正係数を用意しておき、このような補正係数を前処理(前記ステップS9の処理)で得た反発力算出補正量Fcに乗算することで、新たな反発力算出補正量Fcを得るようにする。
【0080】
なお、踏み込み速度dTHが所定の閾値dTH0以下である場合(dTH≦dTH0)、コントローラ5は、このようは補正量の調整を行わずに当該処理を終了する。すなわち、反発力算出補正量Fcを維持して、ステップS10に進む。
このように、踏み込み速度dTHに基づいて調整し、新たな反発力算出補正量Fcを得てもよい。
【0081】
このような走行制御システムでは、アクセルペダル4の踏み込み速度に応じて反発力算出補正量Fcを調整するので、アクセルペダル踏み込み量が多くない場合においても、速やかに駆動力を回復させ、加速を得ることができるようになる。
図23は、この場合の駆動力及び制動力の特性を簡便に示した図である。
【0082】
この図23に示すように、踏み込み速度dTHが大きいほど、図中I1として示す特性から図中I2として示す特性への変化としてみられるように駆動力特性及び制動力特性が推移していき、駆動力特性及び制動力特性が通常時に近い特性として得られるようになる。
次に、本発明に関連する第2の関連技術の実施の態様を説明する。第2の関連技術の実施の態様、車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムであり、ドライバによる実際のブレーキペダル3の踏み込み力も考慮して、反発力算出補正量Fcに基づく前記制動力補正量を決定するような構成になっている。なお、第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムは、特に言及しない限り、前述の第1の関連技術の実施の態様の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略する。
【0083】
第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムでは、図24に示すように、アクセルペダル4の踏み込み量に加えて、ブレーキペダル3の踏み込み力もコントローラ5に入力されている。
図25は、これに対応したコントローラ5の処理手順であり、前記図8のステップS10における反発力算出補正量Fcの補正量出力処理になる。図25に示すように、その処理は、前記図8に示したコントローラ5の処理におけるステップS24或いはステップS26の後に、ステップS60にて制動力比較処理を行うようになっている。図26は、その制動力比較処理の処理手順を示す。
【0084】
先ずステップS61において、コントローラ5は、ドライバ要求制動力Fbを推定する。具体的には、コントローラ5は、前記制動力制御装置20がドライバ要求制動力算出用に使用しているドライバ要求制動力算出用マップ(図5)と同一のマップを使用して、ブレーキペダル踏み込み量に応じたドライバ要求制動力Fbを推定する。
【0085】
続いてステップS62において、コントローラ5は、推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出補正量Fcよりも大きい場合(Fb>Fc)、ステップS63に進み、推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出補正量Fc以下である場合(Fd≦Fc)、ステップS64に進む。
ステップS63では、コントローラ5は、制動力補正量として0を制動力制御装置20に出力する。
【0086】
一方、ステップS64では、コントローラ5は、前記反発力算出補正量Fcから前記推定したドライバ要求制動力Fbを引いた差分値(Fc−Fb)を制動力補正量として制動力制御装置20に出力する。
コントローラ5はこのような制動力比較処理を行っている。この制動力比較処理では、推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出補正量Fcよりも大きい場合(Fb>Fc)、すなわち、ドライバが要求する制動力が反発力算出補正量Fcを上回っている場合、制動力補正量を0にして、また、推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出補正量Fc以下である場合(Fb≦Fc)、すなわち、ドライバが要求する制動力より反発力算出補正量Fcが大きい場合、制動力補正量を前記差分値(Fc−Fb)にしている。
【0087】
これにより、ドライバがブレーキを踏み込んだ場合において、その踏み込み力が反発力算出補正量(反発力)Fcよりも大きい場合には、制動力補正量を0にすることで、反発力算出補正量(反発力)Fcの働きを解除或いは禁止して、ドライバが要求する制動力Fbを優先的に採用して、ドライバの意志に従った所望の制動力を発生させる。その一方で、ドライバがブレーキペダル3を操作した場合でも、その踏み込み力が反発力算出補正量(反発力)Fcよりも小さい場合には、制動力補正量を前記差分値(Fc−Fb)にすることで、ドライバが要求する制動力Fbに前記差分値(Fc−Fb)を加えて、反発力算出補正量(反発力)Fc相当の制動力を得るようにしている。
【0088】
図27は、以上のような処理に基づいた駆動力及び制動力の特性を簡便に示した図である。この図27に示すように、ブレーキペダル3の踏み込みがあった場合には、制動力の特性が反発力算出補正量(反発力)Fcに補正され(図中Jとして示す特性)、ブレーキペダル3の踏み込み力がある値以上になると、反発力算出補正量(反発力)Fcの働きが解除或いは禁止されて、制動力の特性がドライバが要求する制動力Fbに従った特性になる(図中Kとして示す特性)。
【0089】
このようにすることで、ドライバへの警報報知機能を維持しつつ、ドライバの操作の自由度を、さらに高めることができる。
なお、駆動力及び制動力の特性でみた場合、図28に示すように、反発力算出補正量(反発力)Fc相当の制動力からドライバが要求する制動力Fbに従った制動力に推移する領域が滑らかに変化するように、制動力補正量を決定するようにしてもよい。
【0090】
また、前述の関連技術の実施の態様では、駆動トルクの発生量の補正を減少方向に補正し、制動トルクの発生量を増加方向に補正する場合を説明したが、駆動トルクの発生量や制動トルクの発生量に対する補正がこのような補正となることに限定されるものではない。
また、前述の関連技術の実施の態様では、前方にある物体に車両が接触する可能性に基づいて、アクセルペダル4の踏み込み量に対する駆動トルクの発生量を補正することについて説明した。しかし、これに限定されるものではなく、車両がおかれている環境の状態を検出して、その検出結果に基づいてアクセルペダル4の踏み込み量に対する駆動トルクの発生量を補正するようにしてもよい。
【0091】
例えば、ここでいう環境は、車両自体のもの又は車両が走行している環境である。車両が走行している環境についての具体例としては、走行路面がスリップ路面である走行環境がある。このような場合において、その路面状態の検出により、アクセルペダル4の踏み込み量に対する駆動トルクの発生量を補正するようにしてもよい。
【0092】
なお、前述したような前方にある物体に車両が接触する可能性があるといった状態は、車両が走行している環境という概念に含まれるともいえる。
さらに、このように車両がおかれている環境に基づいてアクセルペダル4の踏み込み量に対する駆動トルクの発生量を補正するような場合においても、そのアクセルペダル4の操作手段の操作量が所定の操作量のとき(例えば、操作量が一定量に達していないとき)には、制動トルクの発生量を補正し、駆動トルクの発生量の補正を補うようにしてもよい。これにより、車両の走行状態を所望の状態にすることができるようになる。
【0093】
次に第3の関連技術の実施の態様を説明する。第3の関連技術の実施の態様、車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムであり、所定条件の場合には駆動力補正中のドライバ要求駆動力を補正する構成になっている。ここで、駆動力補正中とは、前述したように駆動力制御装置10において加算器12に駆動力補正量が入力されている場合をいう。
【0094】
なお、第3の関連技術の実施の態様の走行制御システムは、特に言及しない限り、前述の第1の関連技術の実施の態様の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略する。
図29は、この第3の関連技術の実施の態様における駆動力制御装置10の構成を示す。駆動力制御装置10は、図29に示すように、ドライバ要求駆動力算出部11に補正量算出判断結果が入力されるようになっている。ここで、補正量算出判断結果とは、前記図8の駆動力制御装置10による処理内容の結果、特に前記図8のステップS9やステップS10(図12参照)の結果である。
【0095】
図30は、このように構成した駆動力制御装置10による処理手順を示す。
先ずステップS101において、駆動力制御装置10は、補正量出力中か否かを判定する。すなわち、補正量算出判断結果に基づいて駆動力補正中か否かを判定する。ここで、駆動力制御装置10は、補正量出力中の場合、ステップS102に進み、補正量出力中でない場合、ステップS104に進む。
【0096】
ステップS102では、駆動力制御装置10は、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理か否かを判定する。ここで、駆動力制御装置10は、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理の場合、ステップS103に進み、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理でない場合(2回目以降の処理の場合)、ステップS105に進む。
【0097】
ステップS103では、駆動力制御装置10は、アクセルペダル踏み込み量を記憶する。ここで、駆動力制御装置10は記憶手段41にそのアクセルペダル踏み込み量を初期値(以下、アクセルペダル踏み込み量初期値という。)AC0として記憶する。そして、駆動力制御装置10は、ステップS104に進む。
ステップS104では、駆動力制御装置10は、通常時の特性のドライバ要求駆動力を算出する。すなわち、ドライバ要求駆動力算出部11が、前記図3に示す特性マップに基づいて、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力を算出する。このように、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理の場合には、駆動力制御装置10(ドライバ要求駆動力算出部11)は、アクセルペダル踏み込み量初期値AC0に対応するドライバ要求駆動力を算出する。
【0098】
そして、ドライバ要求駆動力算出部11は、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に、求めたドライバ要求駆動力を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
一方、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理でない場合に進むステップS105では、駆動力制御装置10は、現時点のアクセルペダル踏み込み量(以下、アクセルペダル踏み込み量今回値という。)AC1と前記記憶手段41に記憶したアクセルペダル踏み込み量初期値AC0との差分値(AC1−AC0、以下踏み増し量という。)ΔACを算出する。
【0099】
続いてステップS106において、駆動力制御装置10は、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1と、前記記憶手段41に記憶したアクセルペダル踏み込み量初期値AC0とを比較する。ここで、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1がアクセルペダル踏み込み量初期値AC0以下の場合(AC1≦AC0)、すなわちアクセルペダル踏み込み量が変化していない、或いは減少している場合(ΔAC≦0)、ステップS104に進み、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1がアクセルペダル踏み込み量初期値AC0より大きい場合(AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4が踏み込まれている場合(ΔAC>0)、ステップS107に進む。
【0100】
ステップS104では、駆動力制御装置10は、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1に基づいて、通常時の特性のドライバ要求駆動力を算出する。すなわち、ドライバ要求駆動力算出部11が、前記図3に示す特性マップに基づいて、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1に対応するドライバ要求駆動力を算出する。
【0101】
一方、ステップS107では、駆動力制御装置10(具体的にはドライバ要求駆動力算出部11)は、ドライバ要求駆動力の補正値を算出する。具体的には次のように算出する。
先ず、駆動力制御装置10は、アクセルペダル踏み込み量初期値AC0に対応するドライバ要求駆動力(Fd0)を算出し、また、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1に対応するドライバ要求駆動力(Fd1(>Fd0))を算出する。そして、これら値を用いて下記(11)式によりドライバ要求駆動力(Fd)を算出する。
【0102】
Fd=Fd0+(Fd1−Fd0)×C0 ・・・(11)
ここで、C0は0〜1の範囲内で定めた係数である。
そして、駆動力制御装置10は、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に、その求めたドライバ要求駆動力(Fd)を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
【0103】
なお、ステップS101において補正量出力中でない場合にステップS104に進んだ場合には、駆動力制御装置10は、その時点でのアクセルペダル踏み込み量に基づいて、通常時の特性のドライバ要求駆動力を算出する。すなわち、ドライバ要求駆動力算出部11が、前記図3に示す特性マップに基づいて、その時点でのアクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力を算出する。
【0104】
図31は、以上の図30に示した処理の結果として得られる駆動力特性、すなわちアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を示す。
この図31に示すように、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が小さくなる場合(AC1≦AC0)、すなわちアクセルペダル4が操作されていない、或いはアクセルペダル4が戻されている場合(ΔAC≦0)、ドライバ要求駆動力が通常時の特性になる。
【0105】
一方、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が大きい場合(AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4を踏み増した場合(ΔAC>0)、アクセルペダル踏み込み量(AC1)に対してドライバ要求駆動力が通常時のものより小さくなるように補正される。すなわち、アクセルペダル4を踏み込んでも、駆動力の感度が低下するように補正される。
【0106】
これにより、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に前方車両への接近状態に応じて駆動力及び制動力を補正してドライバに警報報知を行うことができることに加え、そのように前方車両に自車両が接近している際にドライバがアクセルペダル4を操作した場合には、急なトルク変動を発生させることなく、スムーズに加速させることができるようになる。
【0107】
また、例えば走行制御システムでは、自車両が前方車両に接近していくほど、その接近の警報報知のための減速度が大きくなる。このような前提のもと、ドライバがアクセルペダル4を操作した場合、さらに自車両が前方車両に接近することになり、結果として、さらに減速してしまうことになる。すなわち、ドライバがアクセルペダル4を踏み込んでいるのにもかかわらず、自車両がさらに減速してしまう。しかし、アクセルペダル踏み込み量に対してドライバ要求駆動力が通常のものより小さくなるように補正することで、自車両が前方車両に接近してしまうことを抑制し、これにより自車両に警報報知として発生させる減速度を小さくして、これにより、ドライバのアクセルペダル4の操作に応じて自車両をスムーズに加速させることができる。
【0108】
なお、この第3の関連技術の実施の態様では、アクセルペダル踏み込み量に基づいてドライバ要求駆動力を補正しているが、この補正処理による効果と同等な効果を、コントローラ5が算出する反発力算出補正量Fcを補正することでも得ることができる。
すなわち、図30に示した処理と同様な処理をコントローラ5でも行う。この場合、図30の処理中のステップS107では、補正ドライバ要求駆動力の算出に換えて反発力算出補正量Fcを補正する。また、図30の処理中のステップS104では、ドライバ要求駆動力の算出に換えて反発力算出補正量Fcを採用する処理(反発力算出補正量Fcを補正しない処理)を行う。
【0109】
ここで、ステップS107の反発力算出補正量Fcの補正処理では、アクセルペダル踏み込み量初期値AC0のときに得られる反発力算出補正量Fcに対して、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1に対応する新たな反発力算出補正量Fcを算出する。このとき、新たな反発力算出補正量Fcは、アクセルペダル踏み込み量初期値AC0のときに得られる反発力算出補正量Fcよりも大きくなる。
【0110】
図32は、以上の処理の結果として得られるアクセルペダル踏み込み量と反発力算出補正量Fcとの関係を示す。
この図32に示すように、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が小さくなる場合(AC1≦AC0)、すなわちアクセルペダル4を操作していない、或いはアクセルペダル4を戻している場合(ΔAC≦0)、当初の反発力算出補正量Fcは維持される。
【0111】
一方、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が大きい場合(AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4を踏み増した場合(ΔAC>0)、そのアクセルペダル踏み込み量(AC1)に応じて反発力算出補正量Fcが増加方向に補正されるようになる。これにより、反発力算出補正量Fcが自車両への走行抵抗として作用することから、アクセルペダル4を踏み込んでも、駆動力の感度がより低下するようになる。これにより、アクセルペダル踏み込み量に基づいてドライバ要求駆動力を補正する場合と同様に、前方車両への接近状態に応じて駆動力及び制動力を補正してドライバに警報報知を行うことができることに加え、そのように前方車両に自車両が接近している際にドライバがアクセルペダル4を操作した場合には、急なトルク変動を発生させることなく、スムーズに加速させることができるようになる。
【0112】
また、前記係数C0を自車速に応じて設定することもできる。図33はその例を示す。この図33に示すように、低速域では係数C0を小さい値(0に近く)に維持する一方、高速域では自車速に応じて係数C0を増加させて、係数C0を1に近づけるようにする。
図34は、前記図31と同様にアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を示すものであり、前記係数C0を、前記図33に示すような特性のもとで自車速に応じて設定した場合の関係を示す。
【0113】
この図34に示すように、前記図31と同様に、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が大きい場合(AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4を踏み増した場合(ΔAC>0)、アクセルペダル踏み込み量(AC1)に対してドライバ要求駆動力が通常時のものより小さくなるように補正される。そして、高速域の場合には、アクセルペダル4の踏み増し量に対してドライバ要求駆動力が通常時特性のように増加し、それに比較して、低速域の場合には、そのような増加分は少なくなる。
【0114】
これにより、低速域では、アクセルペダル4の踏み込みに対して駆動力の感度が、より鈍くなる。例えば、車間距離が短い場合において、運転者は低速走行時に頻繁にアクセルペダル踏み込み量を変化させることがある。このような場合でも、急なトルク変動が発生してしまうことを効果的に防止することができる。その一方で、高速走行時には、アクセルペダルを踏み込めば円滑に加速させることができるようになる。
【0115】
また、車線変更動作があった場合に、アクセルペダル踏み込み量に対する駆動力の感度が低下する方向に変更することもできる。例えば、図35に示すように、前記図30の処理の一部を変更することで、そのように車線変更動作があった場合の処理を実現できる。
この図35に示すように、前記ステップS106とステップS107との間にステップS111及びステップS112の処理を加える。すなわち、ステップS106で、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1がアクセルペダル踏み込み量初期値AC0より大きい場合(AC1>AC0)、ステップS111に進む。
【0116】
ステップS111では、駆動力制御装置10は、自車両が車線変更動作をしているか否かを判定する。ここで、自車両の車線変更動作の検出手段としては、周知の様々な手法を適用可能である。例えば、自車両の車線変更動作の検出手段としては、所定の範囲(操舵角)以上の操舵が行われたか否かで判断する手段やウインカの作動状態で判断する手段等がある。このような自車両の車線変更動作の検出手段により、自車両が車線変更動作しているか否かを判定する。
【0117】
ここで、駆動力制御装置10は、自車両が車線変更動作にある場合、ステップS112に進み、自車両が車線変更動作にない場合、前記ステップS107に進む。
ステップS112では、駆動力制御装置10は、前記係数C0を大きい値に変更する。具体的には、係数C0を1又はそれに近い値に変更する。そして、駆動力制御装置10は、前記ステップS107に進む。
【0118】
ステップS107では、前記(11)式によりドライバ要求駆動力(Fd)を算出する。ここで、前記ステップS112で係数C0が大きい値(1又はそれに近い値)に変更されている場合には、ドライバ要求駆動力(Fd)は、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1に対応するドライバ要求駆動力(Fd1)そのもの或いはそれに近い値になる。
そして、駆動力制御装置10は、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に、その求めたドライバ要求駆動力(Fd)を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
【0119】
このような処理により、自車両が車線変更動作を行った場合、前記係数C0を大きい値に変更、具体的には係数C0を1又はそれに近い値に変更するので、アクセルペダル踏み込み量に対するドライバ要求駆動力の出力特性が通常時の特性になる。これにより、自車両が車線変更動作を行った際には通常状態に近い駆動力特性によって、自車両がスムーズに加速できるようになる。よって、接近状態にある前方車両を車線変更して追い越す際には、走行抵抗を受けることなく加速できるので、スムーズな追い越しができるようになる。
【0120】
なお、この第3の関連技術の実施の態様において、図29に示す駆動力制御装置10による図30や図35の処理は、第1の補正手段が駆動トルクの発生量を補正している間、車両に作用する駆動トルク及び制動トルクのうちの少なくとも一方について、そのトルク変動量を制限するトルク変動制限手段を構成している。
次に本発明に関連する第4の関連技術の実施の態様を説明する。第4の関連技術の実施の態様、車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムであり、前述の第3の関連技術の実施の態様と同様に、所定条件の場合には駆動力補正中のドライバ要求駆動力を補正する構成になっている。さらに、この第4の関連技術の実施の態様では、制動力補正中のドライバ要求制動力についても、所定条件の場合には補正する構成になっている。なお、第4の関連技術の実施の態様では、コントローラ5の処理によりそのような補正処理を実現している。
【0121】
なお、第4の関連技術の実施の態様の走行制御システムは、特に言及しない限り、前述の第1の関連技術の実施の態様の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略する。
図36は、第4の関連技術の実施の態様におけるコントローラ5の処理手順を示す。この図36に示す処理は、前記図8のステップS10における反発力算出補正量Fcの補正量出力処理になる。
この図36に示すように、ステップS23及びステップS24、ステップS29及びステップS30、或いはステップS31及びステップS32の後に、新たにステップS121及びステップS123の処理を設けている。
【0122】
前述したように、コントローラ5は、ステップS23で駆動力補正量を0にしており、この場合さらにステップS24で制動力補正量を反発力算出補正量Fcにしている。また、コントローラ5は、ステップS29で駆動力補正量を反発力算出補正量Fcにしており、この場合さらにステップS30で制動力補正量を0にしている。また、コントローラ5は、ステップS31で駆動力補正量をドライバ要求駆動力Fdの負値(−Fd)にしており、この場合さらにステップS32で制動力補正量を、反発力算出補正量Fcからドライバ要求駆動力Fdを引いた値(Fc−Fd)としている。このように、コントローラ5は、ステップS23及びステップS24、ステップS29及びステップS30、或いはステップS31及びステップS32において、条件に応じて駆動力補正量及び制動力補正量を得ている。
【0123】
なお、この第4の関連技術の実施の態様では、前記ステップS22のアクセルペダル4を戻したか否かの判定を行っておらず、これに伴いアクセルペダル4を急に戻した場合のステップS25及びステップS26の処理も行っていない。
第4の関連技術の実施の態様では、以上のステップS23及びステップS24、ステップS29及びステップS30、或いはステップS31及びステップS32の後に先ずステップS121に進む。
【0124】
ステップS121では、コントローラ5は、駆動力及び制動力を算出する。すなわち、コントローラ5は、ステップS23及びステップS24、ステップS29及びステップS30、或いはステップS31及びステップS32で得ている駆動力補正量及び制動力補正量によりドライバ要求駆動力及びドライバ要求制動力をそれぞれ補正する。具体的には、コントローラ5は、ドライバ要求駆動力に駆動力補正量を加算し、また、ドライバ要求制動力に制動力補正量を加算する。すなわち、コントローラ5は、駆動力制御装置10においてドライバ要求駆動力算出部11と加算器12とが行う処理と同様に、ドライバ要求駆動力に駆動力補正量を加算する。また、コントローラ5は、制動力制御装置20においてドライバ要求制動力算出部21と加算器22とが行う処理と同様に、ドライバ要求制動力に制動力補正量を加算する。
【0125】
そして、コントローラ5は、それら今回の加算後のドライバ要求駆動力(以下、駆動力要求値という。)及びドライバ要求制動力(以下、制動力要求値という。)を記憶手段42に記憶する。
続いてステップS123において、コントローラ5は、駆動力及び制動力の制限処理を行う。具体的には、先ず今回値である駆動力要求値及び制動力要求値を記憶手段42に記憶されている前回値である駆動力要求値及び制動力要求値をそれぞれ比較する。
【0126】
ここで、今回得た駆動力要求値と前回得ている駆動力要求値との差分が所定の値(以下、駆動力変化制限量という。)より大きい場合、当該今回得た駆動力要求値を制限する。例えば、前回得ている駆動力要求値に駆動力変化制限量を加算して、今回の駆動力要求値にする。そして、このように制限した場合、その値を今回の駆動力要求値として記憶手段42に記憶する。一方、今回得た駆動力用要求値と前回得ている駆動力要求値との差分が駆動力変化制限量以下の場合、当該今回得た駆動力要求値を維持する。
【0127】
また、制動力要求値についても同様に、今回得た制動力要求値と前回得ている制動力要求値との差分が所定の値(以下、制動力変化制限量という。)より大きい場合、当該今回得た制動力要求値を制限する。例えば、前回得ている制動力要求値に制動力変化制限量を加算して、今回の制動力要求値にする。そして、このように制限した場合、その値を今回の制動力要求値として記憶手段42に記憶する。一方、今回得た制動力要求値と前回得ている制動力要求値との差分が制動力変化制限量以下の場合、当該今回得た制動力要求値を維持する。
【0128】
なお、制動力変化制限量は、前記駆動力変化制限量と同じ値でもよく、異なる値でもよい。
そして、コントローラ5は、新たに得た今回の駆動力要求値や制動力要求値或いはその値が維持されている今回の駆動力要求値や制動力要求値をエンジンコントローラ13及びブレーキ液圧コントローラ23にそれぞれ出力する。
【0129】
エンジンコントローラ13は、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に、入力された駆動力要求値(ドライバ要求駆動力)を目標駆動力としてエンジン6への制御指令を算出する。また、ブレーキ液圧コントローラ23は、前述の第1の関連技術の実施の態様と同様に、入力された制動力要求値(ドライバ要求制動力)を目標制動力としてブレーキ液圧指令を算出する。
【0130】
なお、前述の第1の関連技術の実施の態様では、ドライバ要求駆動力算出部11やドライバ要求制動力算出部21から出力されるドライバ要求駆動力やドライバ要求制動力がエンジンコントローラ13及びブレーキ液圧コントローラ23に入力される構成になっている。よって、この第4の関連技術の実施の態様のように、コントローラ5からエンジンコントローラ13及びブレーキ液圧コントローラ23それぞれにドライバ要求駆動力(駆動力要求値)やドライバ要求制動力(制動力要求値)を出力すると、異なる値がコントローラ5からエンジンコントローラ13やブレーキ液圧コントローラ23にそれぞれ入力されるようになる。このような事態を避けるために、例えば、ドライバ要求駆動力算出部11やドライバ要求制動力算出部21から出力されるドライバ要求駆動力やドライバ要求制動力よりも、コントローラ5が出力するドライバ要求駆動力やドライバ要求制動力を優先的に採用するようにしたほうが好ましい。
【0131】
以上のような処理により、今回得た駆動力要求値と前回得ている駆動力要求値との差分が駆動力変化制限量より大きい場合には、当該今回得た駆動力要求値を制限する。
図37は、そのような制限をしている場合と制限をしていない場合の駆動力要求値の時間変化を示す。この図37に示すように、駆動力要求値は、今回得た値と前回得ている値との差分が駆動力変化制限量より大きい場合、当該駆動力変化制限量を限度として変化していくようになる。例えば、これにより、ドライバによるアクセルペダル4の戻し量が、ある一定量より多い場合でも、自車両の減速度が所定の減速度よりも小さくならないようにしている。
【0132】
一方、今回得た制動力要求値と前回得ている制動力要求値との差分が制動力変化制限量より大きい場合には、当該今回得た制動力要求値を制限する。すなわち例えば、ドライバによるブレーキペダル3の踏み込み力が一定値より大きい場合、自車両の減速度が所定の減速度よりも小さくならないようにしている。
これにより、前方車両への接近時にドライバがアクセルペダル4を急に離したり、ブレーキペダル3を急に踏み込んだりしても、急なトルク変動が発生してしまうことを防止している。これにより、乗心地が損なわれてしまうことを効果的に防止することができる。特に、急にアクセルペダル4を放してしまうと駆動力がかかっている状態から制動力がかかる状態に急に変化してしまい、乗心地を悪化させてしまうが、前述したような処理によりこれを防止できる。
【0133】
また、走行制御システムでは、自車両が前方車両に接近している状態において、ドライバの操作により自車両が加速することや減速することが、その接近状態を示す警報報知のための減速度に影響を与える。よって、自車両が加速度や減速度が大きいと、その変化に応じて警報報知のための減速度も急に変化するようになる。しかし、ドライバの操作による自車両の加速や減速を制限することで、警報報知のための減速度が急激に変化してしまうことを防止できる。これにより、自車両は、ドライバの操作に応じてスムーズに加速したり減速したりするようになる。
【0134】
また、駆動力要求値や制動力要求値の制限について具体的に説明しているが、これに限定されるものではない。
例えば、駆動力要求値や制動力要求値を個別に制限しているが、これに限定されるものではなく、最終的に車両に作用する駆動力及び制動力のうちの少なくとも一方に着目し、その駆動力及び制動力のうちの少なくとも一方を制限するようにしてもよい。すなわち、前述の説明では、エンジンコントローラ13に出力する駆動力要求値を制限し、或いはブレーキ液圧コントローラ23に出力する制動力要求値を制限している。これに対して、最終的に車両に作用する駆動力や制動力に着目して、この駆動力や制動力を制限することで、最終的な車両挙動自体を制限するようにする。
【0135】
例えば、今回自車両に作用する駆動力(具体的には今回自車両に作用するであろう駆動力)と前回自車両に作用していた駆動力との差分が所定の値(以下、制・駆動力変化制限量という。)より大きい場合、当該今回自車両に作用する駆動力を制限する。一方、今回自車両に作用する駆動力と前回自車両に作用していた駆動力との差分が制・駆動力変化制限量以下の場合、当該今回自車両に作用する駆動力を維持する。
【0136】
また、今回自車両に作用する制動力(具体的には今回自車両に作用するであろう制動力)と前回自車両に作用していた制動力との差分が制・駆動力変化制限量より大きい場合、当該今回自車両に作用する制動力を制限する。一方、今回自車両に作用する制動力と前回自車両に作用していた制動力との差分が制・駆動力変化制限量以下の場合、当該今回自車両に作用する制動力を維持する。
【0137】
なお、車両に作用する力が駆動力から制動力に切り替わる場合、或いは駆動力から制動力に切り替わる場合、これらの場合にも、制・駆動力変化制限量を基準として、駆動力や制動力を制限する。
図38は、以上の制限をしている場合と制限をしていない場合の駆動力及び制動力の時間変化を示す。この図38に示すように、駆動力や制動力は、今回自車両に作用する値と前回自車両に作用していた値との差分が制・駆動力変化制限量より大きい場合には、当該制・駆動力変化制限量を限度として変化していくようになる。
【0138】
これにより、前述の駆動力要求値や制動力要求値を個別に制限している場合と同様に、前方車両への接近時にドライバによるアクセルペダル4やブレーキペダル3の操作により、急なトルク変動が発生させてしまい、乗心地が損なわれてしまう、といったことを効果的に防止することができる。
また、前記駆動力変化制限量或いは駆動力変化制限量、又は制・駆動力変化制限量を可変可能にしてもよい。以下の説明では、駆動力変化制限量、駆動力変化制限量及び制・駆動力変化制限量を、単に制限量という場合もある。
【0139】
図39は、その設定処理をコントローラ5の処理手順を示す。この図39に示すように、前記図36に示すコントローラ5の処理内容に対し、前記ステップS121と前記ステップS123との間にステップS122として制限量の算出処理を設けている。
ステップS122では、コントローラ5は、制限量を相対速度に基づいて設定する。例えば、相対速度ΔVが小さくなるほど、駆動力変化制限量や駆動力変化制限量を小さくする。或いは、相対速度ΔVが小さくなるほど、制・駆動力変化制限量を小さくする。ここで扱う相対速度ΔVは、自車両が当該前方車両に接近していく場合が正値となる値とする。よって、相対速度ΔVが正値で大きくなるほど、自車両が前方車両と接近度合いが高くなり、相対速度ΔVが正値で小さくなるほど、自車両が前方車両と接近度合いが低くなる。例えば、図40に示すように、相対速度ΔVが小さくなるほど、制・駆動力変化制限量を小さくする。
【0140】
そして、ステップS123において、コントローラ5は、ステップS122で設定した制限量を用いて、前述の説明と同様に駆動力及び制動力の制限処理を行う。
このように、相対速度ΔVが大きくなるほど、駆動力変化制限量或いは駆動力変化制限量、又は制・駆動力変化制限量を大きくすることで、前方車両との相対速度が大きい場合、駆動力要求値或いは制動力要求値又は自車両に作用する制動力或いは駆動力自体を大きく変化させることができる。
【0141】
例えば、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可能性が高い場合には、前方車両との接触を回避するために、ドライバはアクセルペダル4を急に放したり、ブレーキペダル3を大きく踏み込んだりする。このような場合でも、自車両がすばやく減速するようになる。また、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可能性が高い場合には、ドライバは、ブレーキペダル3を放してアクセルペダル4を大きく踏み込んだりして、前方車両を追い越すことで当該前方車両との接触を回避する。このような場合にも、すみやかに前方車両を追い越すことができるようになる。
【0142】
また、前記駆動力変化制限量や駆動力変化制限量をアクセルペダル踏み込み量に基づいて設定するようにする。すなわち、クセルペダル踏み込み量に応じて、トルク変動量の大きさを設定する。
【0143】
このように、アクセルペダル踏み込み量が多くなるほど、駆動力変化制限量或いは駆動力変化制限量を小さくする、又はアクセルペダル踏み込み量が多くなるほど、制・駆動力変化制限量を小さくすることで、アクセルペダル踏み込み量が多い場合、駆動力要求値或いは制動力要求値又は自車両に作用する制動力或いは駆動力自体の変化を小さくする。これにより、アクセルペダル4を踏み込んでいる状態では制限量が小さい値に設定されるので、アクセルペダル4の操作に対するトルク変動が小さくなり、乗心地がよくなる。その一方で、前方車両に自車両が急接近してアクセルペダル4を戻した場合、制限量が大きい値に設定されるので、すばやく自車両が減速するようになる。
【0144】
また、先に説明した相対速度ΔVに基づいて設定する制限量と、このアクセルペダル踏み込み量に基づいて設定する制限量とのうちから一の制限量を選択して、この選択した一の制限量を設定するようにしてもよい。具体的には、前述の相対速度ΔVに基づいて設定する制限量と、アクセルペダル踏み込み量に基づいて設定する制限量とを比較して、大きい方の制限量を最終的な設定値にするようにしてもよい。これにより、アクセルペダル踏み込み量に基づいて制限量が設定されれば、アクセルペダル4が戻されたとき(アクセルペダル踏み込み量が少ないとき)に、制限量が大きくなり、その一方で、相対速度ΔVに基づいて制限量が設定されれば、前方車両との相対速度が大きいときに制限量が大きくなる。
【0145】
これにより、アクセルペダル4の通常の操作においては制限量が小さいので乗心地がよくなる。なお、この場合、相対速度ΔVが小さいことが前提となる。その一方で、前方車両に自車両が急接近してアクセルペダル4が大きく操作されたようなときには、制限量が大きく設定されることで、そのアクセルペダル4の操作に応じて自車両が動作するようになる。すなわち、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可能性が高い場合、前方車両との接触を回避するために、ドライバはアクセルペダル4を急に放したり、ブレーキペダル3を大きく踏み込んだりするが、このような場合に対応して、自車両がすばやく減速するようになる。また、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可能性が高い場合に、ドライバは、ブレーキペダル3を放してアクセルペダル4を大きく踏み込んだりして、前方車両を追い越すことで当該前方車両との接触を回避するが、このような場合にも、すみやかに前方車両を追い越すことができるようになる。
【0146】
次に本発明に関連する第5の関連技術の実施の態様を説明する。第5の関連技術の実施の態様、車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムであり、車間時間THWとの関係で反発力算出補正量(以下、第1の補正量という。)Fc1を得て、また、衝突時間TTCとの関係で反発力算出補正量(以下、第2の補正量という。)Fc2を得て、この第1及び第2の補正量Fc1,Fc2のうちのいずれか一方を最終的な設定値にする構成になっている。すなわち、前述の第1の関連技術の実施の態様では、車間時間THWとの関係で反発力算出補正量Fc(前記第1の補正量Fc1相当)を得ているが、この第5の関連技術の実施の態様では、さらに衝突時間TTCとの関係で第2の補正量Fc2を得て、この第2の補正量と第1の関連技術の実施の態様で得ているような反発力算出補正量Fc(前記第1の補正量Fc1相当)のうちのいずれか一方を最終的な設定値にしている。
【0147】
図42は、そのような設定を可能にするコントローラ5の処理手順を示す。この図42に示すように、前記図8に示すコントローラ5の処理内容のステップS6〜ステップS9に換えて、ステップS131〜ステップS140の処理を行うようになっている。
すなわち、ステップS5の後のステップS131において、コントローラ5は、車間時間及び衝突時間を算出する。ここで、コントローラ5は、接触の可能性を判断するために、下記(12)式(前記(5)式と同じ式)により、自車両とその物体(車両)との間の距離である車間時間THWiを算出する。
【0148】
THWi=Xi/V ・・・(12)
また、下記(13)式により、自車両とその物体(車両)との間の相対速度から衝突時間TTCiを算出する。
TTC i =Xi/ΔVi ・・・(13)
なお、(12)式及び(13)式中、車間時間THWi、衝突時間TTCi、前後方向距離Xiや相対速度ΔViにおける添え字iは、前記ステップS5で検出した物体(障害物)の番号(処理用識別番号)を示す。
続いてステップS132において、コントローラ5は、走路上にあると判断した物体のうち、前記車間時間THWiが最小になる物体(障害物)を選択する。
【0149】
続いてステップS133において、コントローラ5は、車間時間THWiと閾値(以下、車間時間用閾値という。)Th1とを比較する。ここで、車間時間THWiが車間時間用閾値Th1以上の場合(THWi≧Th1)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性が低いと判断して、ステップS136において、第1の補正量を0にする。そして、コントローラ5は、ステップS135に進む。また、車間時間THWiが車間時間用閾値Th1より小さい場合(THWi<Th1)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性があると判断して、ステップS134に進む。
【0150】
ステップS134では、前記ステップS9と同様に、補正量(前記第1の補正量)を算出する。
すなわち、図11中(A)に示したモデルにおける仮想的な弾性体500の長さ(以下、車間時間対応長さという。)l1を自車速V及び前記車間時間用閾値Th1に関連付けて下記(14)式として与える。
l1=Th1×V ・・・(14)
ここで、仮想的な弾性体500の弾性係数k1は、適切な制御効果が得られるように調整できる制御パラメータにしている。
【0151】
そして、この車間時間対応長さl1を用いて、反発力(第1の補正量)Fc1を下記(15)式として与える。
Fc1=k1×(l1−Xi) ・・・(15)
続いてステップS135において、コントローラ5は、走路上にあると判断した物体のうち、前記ステップS131で得た衝突時間TTCiが最小になる物体(障害物)を選択する。
【0152】
続いてステップS137において、コントローラ5は、衝突時間TTCiと閾値(以下、衝突時間用閾値という。)Th2とを比較する。ここで、衝突時間TTCiが衝突時間用閾値Th2以上の場合(TTCi≧Th2)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性が低いと判断して、ステップS139において、第2の補正量を0にする。そして、コントローラ5は、ステップS140に進む。また、衝突時間TTCiが衝突時間用閾値Th2より小さい場合(TTCi<Th2)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性があると判断して、ステップS138に進む。
【0153】
ステップS138では、衝突時間用閾値Th2に関して補正量(前記第2の補正量)を算出する。
ここでは、図11中(A)に示したモデルにおける仮想的な弾性体500の長さ(以下、衝突時間対応長さという。)l2を相対速度ΔV及び前記衝突時間用閾値Th2に関連付けて下記(16)式により与える。
【0154】
l2=Th2×ΔV ・・・(16)
また、仮想的な弾性体500の弾性係数k2は、適切な制御効果が得られるように調整できる制御パラメータにしている。
そして、この衝突時間対応長さl2を用いて、反発力(第2の補正量)Fc2を下記(17)式により与える。
【0155】
Fc2=k2×(l2−X) ・・・(17)
続いてステップS140において、コントローラ5は、前記第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2のうち、大きい方の値を選択する。そして、コントローラ5は、続くステップS10において、ステップS140で選択した第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2を反発力Fcとし、これを、前述の関連技術の実施の態様と同様に、駆動力制御装置10や制動力制御装置20に出力する。ステップS10では、前述の関連技術の実施の態様と同様に、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)に基づいて、駆動量補正量及び制動力補正量を算出する。
【0156】
具体的には、前記図36に示す処理手順により駆動量補正量及び制動力補正量を算出する。すなわち、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)により補正されたドライバ要求駆動力(駆動力要求値)及びドライバ要求制動力(制動力要求値)が、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を用いてそれぞれ制限される。
【0157】
また、前記図39に示す処理手順により駆動量補正量及び制動力補正量を算出することもできる。この場合、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)により補正されたドライバ要求駆動力(駆動力要求値)及びドライバ要求制動力(制動力要求値)が、相対速度に基づいて設定した駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を用いてそれぞれ制限される。
【0158】
さらに、前記ステップS140で第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2のうちから最終的な反発力(補正量)Fcを選択していることに対応して、そのように選択された補正量Fc1,Fc2に基づいて駆動力変化制限量及び制動力変化制限量の設定を行う。具体的には、第1の補正量Fc1を選択した場合には、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を大きい値に設定して、第2の補正量Fc2を選択した場合には、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を小さい値に設定する。
【0159】
以上のような処理により、自車両の前方に複数の物体(前方車両)を検出した場合に、車間時間THWと衝突時間TTCといった2種類の指標により接触する可能性が最も高い物体を特定して、その特定した物体を基準に補正量Fcを算出する。これにより、接触する可能性が高い物体の特定を最適に行うことができ、最適な減速制御及び警告報知ができようになる。
【0160】
さらに、第2の補正量Fc2を用いて制御を行う場合には、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を大きい値に設定し、それ以外の場合、すなわち第1の補正量Fc1を用いて制御を行う場合には、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を小さい値に設定することで、前方車両への接触可能性の高さに応じて乗心地性と素早い制動力の発生とを両立することが可能になる。
【0161】
例えば、第2の補正量Fcを用いて制御を行う場合とは、前方車両への接近度が大きい場合である。このような場合に、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を大きくすることで、前述の第4の関連技術の実施の態様でも説明したように(図40参照)、ドライバがアクセルペダル4を急に放したり、ブレーキペダル3を大きく踏み込んだりする動作に対応して、自車両がすばやく減速するようになる。
【0162】
なお、前述の第5の関連技術の実施の態様の説明では、選択された第1の補正量Fc1、第2の補正量Fc2から一義的に駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定するようにしているが、第1の補正量Fc1、第2の補正量Fc2に基づいて行う駆動力変化制限量及び制動力変化制限量の設定はこれに限定されないことはいうまでもない。例えば、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との関係から制限量を2段階或いはそれ以上の段階として設定してもよい。また、図43(例えばテーブル)に示すように、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との関係から駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定してもよい。図43に示すように、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との関係から駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定するようにすれば、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との関係に対応する駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定することができる。
【0163】
また、前述の第5の関連技術の実施の態様では、第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2のうちから最終的な反発力(補正量)Fcを選択しているが、第1の補正量Fc1及び第2の補正量Fc2による最終的な反発力(補正量)Fcの決定はこのようになされることに限定されるものではない。例えば、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との和からなる補正量(以下、補正量総和値という。)を算出するようにしてもよい。さらに、このような場合には、補正量総和値に基づいて駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定するようにしてもよい。例えば、下記(18)式により、補正量総和値に基づいて駆動力変化制限量及び制動力変化制限量(制限量)を設定する。
【0164】
制限量=第2の補正量/補正量総和値 ・・・(18)
この(18)式によれば、補正量総和値中に占める第2の補正量Fcの比率に応じて制限量を設定できる。この場合、例えば図44に示すように、前記比率が高くなるに従って、制限量が大きくなるようにする。
なお、前述の第5の関連技術の実施の態様では、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)により補正されたドライバ要求駆動力(駆動力要求値)及びドライバ要求制動力(制動力要求値)そのものを制限する場合について説明しているが、自車両に作用する駆動力や制動力を制限するようにしてもよい。よって、この場合、駆動力や制動力を制限する制・駆動力変化制限量を、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量と同様に、第1の補正量Fc1や第2の補正量Fc2の関係から種々の手法により決定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の関連技術の実施の態様の走行制御システムの構成を示す図である。
【図2】 前記走行制御システムの駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 アクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を定めた特性マップを示す特性図である。
【図4】 前記走行制御システムの制動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 ブレーキペダル踏み込み力とドライバ要求制動力との関係を定めた特性マップを示す特性図である。
【図6】 前記走行制御システムのレーダ装置の構成を示す図である。
【図7】 前記レーダ装置によるスキャニングにより得られる障害物の検出結果を示す図である。
【図8】 前記走行制御システムのコントローラによる補正量算出等のための処理手順を示すフローチャートである。
【図9】 走行制御システムが行う自車両の予測進路の説明に使用した図である。
【図10】 前記予測進路に自車両の幅を考慮した予測走路の説明に使用した図である。
【図11】 自車両の前方に仮想的な弾性体を設けた補正量算出のためのモデルの説明に使用した図である。
【図12】 前記補正量算出等のための処理中の補正量出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】 アクセルペダルを急に戻した場合の駆動力補正量及び制動力補正量の変化を示す特性図である。
【図14】 反発力算出補正量Fcに基づいて補正した駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図である。
【図15】 先行車両への接近状態に応じて変化する勾配αを用いた補正量の算出の説明に使用した図である。
【図16】 本発明の実施の形態の走行制御システムのコントローラによる補正量算出等のための処理手順を示すフローチャートである。
【図17】 前記実施の形態の走行制御システムのコントローラによる補正量算出等のための処理における補正量調整処理の処理手順を示すものであって、その調整処理を踏み込み量に応じて行う場合を示すフローチャートである。
【図18】 反発力算出補正量Fcを踏み込み量に応じて調整した場合の駆動力及び制動力の補正の説明に使用した図である。
【図19】 反発力算出補正量Fcを踏み込み量に応じて調整した場合の駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図であって、駆動力の特性がより自由な特性として得られている結果を示す図である。
【図20】 反発力算出補正量Fcを踏み込み量に応じて調整した場合の駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図であって、アクセルペダルを踏み込み量が多い領域でも鈍い加速化を呈する状態を維持する結果を示す図である。
【図21】 前記実施の形態の走行制御システムのコントローラによる補正量算出等のための処理における補正量調整処理の処理手順を示すものであって、その調整処理を踏み込み速度に応じて行う場合を示すフローチャートである。
【図22】 踏み込み速度dTHに応じて変化する補正係数を示す特性図である。
【図23】 反発力算出補正量Fcを踏み込み速度に応じて調整した場合の駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図である。
【図24】 第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムの構成を示す図である。
【図25】 前記第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムのコントローラによる補正量算出等のための処理における補正量出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】 前記第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムのコントローラによる前記補正量出力処理における制動力比較処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】 前記第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムによる駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図であって、ブレーキペダルの踏み込み力がある値以上になるとドライバが要求する制動力に従った特性になるものを示す図である。
【図28】 前記第2の関連技術の実施の態様の走行制御システムによる駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図であって、反発力算出補正量(反発力)Fc相当の制動力からドライバが要求する制動力に従った制動力へ滑らかに推移するものを示す図である。
【図29】 第3の関連技術の実施の態様の走行制御システムにおける駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図30】 前記第3の関連技術の実施の態様における駆動力制御装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図31】 前記第3の関連技術の実施の態様における駆動力制御装置による処理手順で得られる駆動力特性を示す特性図である。
【図32】 前記第3の関連技術の実施の態様において、アクセルペダル踏み込み量に基づいて反発力算出補正量Fcを補正する場合の説明に使用した特性図である。
【図33】 前記第3の関連技術の実施の態様において、車速に基づいて係数C0を補正する説明に使用した特性図である。
【図34】 前記第3の関連技術の実施の態様において、車速に基づいて係数C0を補正した場合において、アクセルペダル踏み込み量に基づいて反発力算出補正量Fcを補正する説明に使用した特性図である。
【図35】 前記第3の関連技術の実施の態様において、車線変更動作に基づいて係数C0を補正する場合の駆動力制御装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図36】 第4の関連技術の実施の態様におけるコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図37】 前記第4の関連技術の実施の態様におけるコントローラによる処理手順で得られる駆動力要求値の特性を示す特性図である。
【図38】 前記第4の関連技術の実施の態様において、自車両に作用する駆動力及び制動力自体を制限した場合の駆動力及び制動力の特性を示す特性図である。
【図39】 前記第4の関連技術の実施の態様におけるコントローラによる処理手順であり、制限量を相対速度に基づいて設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図40】 前記第4の関連技術の実施の態様において、相対速度に基づいて制・駆動力変化制限量を設定する説明に使用した特性図である。
【図41】 前記第4の関連技術の実施の態様において、アクセルペダル踏み込み量に基づいて制・駆動力変化制限量を設定する説明に使用した特性図である。
【図42】 第5の関連技術の実施の態様の走行制御システムのコントローラによる補正量算出等のための処理手順を示すフローチャートである。
【図43】 前記第5の関連技術の実施の態様において、コントローラが得た第1及び第2の補正量に基づいて制限量を設定する説明に使用した図である。
【図44】 前記第5の関連技術の実施の態様において、コントローラが得た第1及び第2の補正量に基づいて制限量を設定する他の例の説明に使用した図である。

Claims (33)

  1. アクセル操作手段の操作量に応じた駆動トルクを発生するようにエンジンを制御するエンジン制御手段を備える車両の接触を防止する車両用報知装置であって、
    前方にある物体に車両が接触する可能性を検出する接触可能性検出手段と、
    前記接触可能性検出手段の検出結果に基づいて前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を減少させる補正をする第1の補正手段と、を備え、
    前記第1の補正手段は、前記アクセル操作手段の操作量が所定の操作量よりも大きい場合、前記補正の量を当該所定の操作量以下のときのものよりも小さくすることを特徴とする車両用報知装置。
  2. 前記第1の補正手段は、前記検出結果が示す接触の可能性が高いほど、前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を少なくすることを特徴とする請求項1記載の車両用報知装置。
  3. 前記第1の補正手段は、前記アクセル操作手段の操作速度が所定の速度よりも大きい場合、前記補正の量を当該所定の操作量以下のときのものよりも小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用報知装置。
  4. ブレーキ操作手段の操作量に応じて制動トルクを発生するように制動装置を制御するブレーキ制御手段と、
    前記アクセル操作手段の操作量が所定の操作量より少ない場合、前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を補正する第2の補正手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  5. 前記第2の補正手段は、その補正量を、前記第1の補正手段の補正量の増減に応じて増減させていることを特徴とする請求項4記載の車両用報知装置。
  6. 前記第2の補正手段は、前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を多くすることを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用報知装置。
  7. 前記アクセル操作手段の操作が所定の操作である場合、前記第1の補正手段及び第2の補正手段による補正に制限を加えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  8. 前記所定の操作は、その操作量を急に減少させる前記アクセル操作手段の操作であり、前記第1の補正手段による補正への制限は、前記アクセル操作手段の操作量に対して前記駆動トルクの発生量を減少させる割合の制限であり、前記第2の補正手段による補正への制限は、前記ブレーキ操作手段の操作量に対して前記制動トルクの発生量を増加させる割合の制限であることを特徴とする請求項7記載の車両報知装置。
  9. 接触可能性のある物体と車両との間の距離が近いほど、値が大きくなる仮想的な力を想定するとともに、前記接触可能性のある物体と車両との間の距離を検出して、当該距離に応じた前記仮想的な力を求め、
    前記アクセル操作手段の操作量に対して前記駆動トルクの発生量を少なくすることによる減少駆動力分と、前記ブレーキ操作手段の操作量に対して前記制動トルクの発生量を多くすることによる増加制動力分との総和が、前記求めた仮想的な力に等しくなるように、当該前記アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量及び前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を補正することを特徴とする請求項4記載の車両用報知装置。
  10. 前記仮想的な力は、接触可能性のある物体と車両との間の距離に対応して圧縮される仮想的な弾性体の反発力であることを特徴とする請求項9記載の車両用報知装置。
  11. 前記仮想的な力は、接触可能性のある物体と車両との間の距離に応じてその傾斜度が変化する仮想的な斜面を、車両が走行するときの走行抵抗であることを特徴とする請求項9記載の車両用報知装置。
  12. 前記接触可能性検出手段は、車速、前記車速と前記前方にある物体の速度との差分である相対速度、及び車両と前記前方にある物体との間の距離に基づいて、前記前方にある物体に車両が接触する可能性を検出することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  13. 前記第1の補正手段が駆動トルクの発生量を補正している間、車両に作用する駆動トルク及び制動トルクのうちの少なくとも一方について、そのトルク変動量を制限するトルク変動制限手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  14. 前記トルク変動制限手段は、所定時間間隔毎の前記トルク変動量が所定値より小さくなるように、前記トルク変動量の制限をすることを特徴とする請求項13記載の車両用報知装置。
  15. 前記トルク変動制限手段は、車速が遅いほど前記トルク変動量を小さくすることを特徴とする請求項13又は14に記載の車両用報知装置。
  16. 前記トルク変動制限手段は、車両が車線変更する場合、前記トルク変動量を大きくすることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  17. 前記トルク変動制限手段は、前方車両との接近度合いが高くなるほど、前記トルク変動量を大きくすることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  18. 前記トルク変動制限手段は、前方にある物体を回避する場合、前記トルク変動量を大きくすることを特徴とする請求項13又は17に記載の車両用報知装置。
  19. 前記トルク変動制限手段は、前記アクセル操作手段の操作量が多いほど、前記トルク変動量を小さくすることを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  20. 前記トルク変動制限手段は、前記第1の補正手段による前記駆動トルクの発生量に対する補正量を変更することで、前記駆動トルクのトルク変動量を制限することを特徴とする請求項13乃至19のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  21. ブレーキ操作手段の操作量に応じて制動トルクを発生するように制動装置を制御するブレーキ制御手段を備えており、
    前記トルク変動制限手段は、前記第1の補正手段が駆動トルクの発生量を補正している間、前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を制限することを特徴とする請求項13乃至20のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  22. 前記アクセル操作手段の操作量が前記所定の操作量以下のある操作量以下の場合、前記第1の補正手段による前記駆動トルクの発生量を減少する補正を抑制することを特徴とする請求項1記載の車両用報知装置。
  23. 前記アクセル操作手段の操作量が前記所定の操作量よりも大きい場合、運転者の意思に優先させて前記第1の補正手段の補正の量を決定することで、運転者の意思に合致した前記駆動トルクにすることを特徴とする請求項1記載の車両用報知装置。
  24. アクセル操作手段の操作量に応じた駆動トルクを発生するようにエンジンを制御する車両の接触を防止する車両用報知方法であって、
    前方にある物体に車両が接触する可能性に基づいて前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を減少させる補正をし、
    さらに、前記アクセル操作手段の操作量が所定の操作量よりも大きい場合、前記補正の量を当該所定の操作量以下のときのものよりも小さくすることを特徴とする車両用報知方法。
  25. 接触の可能性が高いほど、前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を少なくすることを特徴とする請求項24記載の車両用報知方法。
  26. 前記車両がブレーキ操作手段の操作量に応じて制動トルクを発生するように制動装置を制御するブレーキ制御手段を備えており、
    前記アクセル操作手段の操作量が所定の操作量より少ない場合、前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を補正することを特徴とする請求項24又は25に記載の車両用報知方法。
  27. 前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を多くすることを特徴とする請求項26記載の車両用報知方法。
  28. 接触可能性のある物体と車両との間の距離が近いほど、値が大きくなる仮想的な力を想定するとともに、前記接触可能性のある物体と車両との間の距離を検出して、当該距離に応じた前記仮想的な力を求め、
    前記アクセル操作手段の操作量に対して前記駆動トルクの発生量を少なくすることによる減少駆動力分と、前記ブレーキ操作手段の操作量に対して前記制動トルクの発生量を多くすることによる増加制動力分との総和が、前記求めた仮想的な力に等しくなるように、当該前記アクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量及び前記制動トルクの操作量に対する前記制動トルクの発生量を補正することを特徴とする請求項26記載の車両用報知方法。
  29. 前記駆動トルクの発生量を補正している間、車両に作用する駆動トルク及び制動トルクのうちの少なくとも一方について、そのトルク変動量を制限することを特徴とする請求項24乃至28のいずれか1項に記載の車両用報知方法。
  30. アクセル操作手段の操作量に応じた駆動トルクを発生するようにエンジンを制御する車両の接触を防止する車両用報知方法であって、
    車両がおかれている環境の状態を検出して、その検出結果に基づいて前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を減少させる補正をし、
    さらに、前記アクセル操作手段の操作量が所定の操作量よりも大きい場合、前記補正の量を当該所定の操作量以下のときのものよりも小さくすることを特徴とする車両用報知方法。
  31. 接触の可能性が高いほど、前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を少なくすることを特徴とする請求項30記載の車両用報知方法。
  32. 前記車両がブレーキ操作手段の操作量に応じて制動トルクを発生するように制動装置を制御するブレーキ制御手段を備えており、
    前記アクセル操作手段の操作量が所定の操作量より少ない場合、前記ブレーキ操作手段の操作量に対する前記制動トルクの発生量を補正することを特徴とする請求項30又は31に記載の車両用報知方法。
  33. 前記環境は、車両自体のもの又は車両が走行している環境であることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1項に記載の車両用報知方法。
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