JP3772913B2 - 接着剤とその製造方法 - Google Patents

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は接着剤とその製造方法に関し、更に詳しくは、フレキシブルプリント配線板やTAB(テープ オートメイテッド ボンディング)テープ等の電気・電子部品実装用の基板用途に用いられる接着性、耐熱性に優れ、さらに硬化収縮の小さい、高寸法安定性に寄与する接着剤とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フレキシブルプリント基板(FPC)やTABテープをはじめとする基板材料用途の接着剤には、高度な接着力と耐熱性及び硬化時の寸法安定性等が要求されている。比較的それらの特性を満足する接着剤としてエポキシ樹脂と熱可塑性樹脂の混合系の接着剤が知られており、FPC用接着剤の可撓性成分として不可欠な熱可塑性樹脂に、硬化成分としてエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を配合して得られる。エポキシ樹脂硬化剤としては、アミン類、酸無水物類、ポリアミド類、イミダゾール類等が用いられている。
【0003】
エポキシ樹脂は、上記エポキシ樹脂硬化剤によってエポキシ環の開環反応が引き起こされ、硬化が進行し、その硬化物は分子中に極性の水酸基やエーテル結合を持っているので他物質との接着性能が優れ、接着強度も大である。更に優れた耐熱性を有し、他の熱硬化性樹脂に比べて硬化時の収縮が比較的小さいという特徴を有するが、可撓性には劣るものである。また、熱可塑性樹脂は可撓性成分として働くが、熱可塑性樹脂のみでは耐熱性、接着性に劣るものである。そこで、上記成分を配合させて、これらの特性を併せ持つ混合系接着剤が開発された。すなわち、上記エポキシ樹脂と熱可塑性ポリアミド重合体の混合系接着剤は、可撓性を有し、かつ、耐熱性、接着性に優れた接着剤として、フレキシブルプリント基板(FPC)やTABテープをはじめとする基板材料用途に好適に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記混合系接着剤において、エポキシ樹脂の硬化時の収縮は他の熱硬化性樹脂に比べて比較的小さいとはいえ避けられず、上記従来の構成では、エポキシ樹脂が硬化時に収縮するため、接着剤の硬化収縮が起こり寸法安定性に劣るという問題点を有していた。
【0005】
そこで、上記従来の問題点を解決し、接着性、耐熱性に優れ、かつ硬化収縮の小さい、高寸法安定性に寄与する接着剤を提供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る接着剤の要旨とするところはシアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とを反応させて得られる、シアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートと、エポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂とからなることにある。
【0007】
また、本発明に係る接着剤の要旨とするところは、シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とエポキシ樹脂とを混合してなり、前記シアナート樹脂のシアナート基はイミドカーボネートに変換してなるイミドカーボネート混入組成物と、熱可塑性樹脂とからなることにある。
【0008】
次に、本発明に係る接着剤の製造方法の他の要旨とするところは、シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とエポキシ樹脂とを予め混合し、前記シアナート樹脂のシアナート基をイミドカーボネートとした後、熱可塑性樹脂を配合することにある。
【0009】
【作用】
本発明に係る接着剤は、シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とエポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂は、フレキシブルプリント基板やTAB用途の接着剤には可撓性成分として不可欠であり、エポキシ樹脂を配合することにより、耐熱性、接着性に優れた接着剤が得られる。更に硬化膨張するシアナート樹脂を配合することによりエポキシ樹脂の硬化に伴う収縮を相殺し、寸法安定性に優れた接着剤を得ることができる。また、少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物は、シアナート樹脂の反応促進剤であり、予めシアナート樹脂と反応させることによりシアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートを形成させ、効率よく、迅速にシアナート樹脂単独での硬化を進め、硬化膨張させることができる。そして、シアナート樹脂と反応したフェノール性水酸基は、シアナート樹脂の硬化に伴って再び生じ、エポキシ樹脂の硬化にも寄与する。
【0010】
なお、熱可塑性樹脂とシアナート樹脂の構成では、シアナート樹脂の硬化を完全に終了させるには200℃近い高温下で行う必要があり、フレキシブルプリント基板やTAB用途の接着剤としては望ましくない。熱可塑性樹脂とシアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物の構成では、シアナート樹脂の硬化は進行するが、接着力に劣るため接着剤としては望ましくない。熱可塑性樹脂とシアナート樹脂とエポキシ樹脂の混合系の接着剤は可撓性、耐熱性及び接着性に優れているが、これらの系においては、シアナート樹脂はエポキシ樹脂とも反応するため、シアナート樹脂の硬化膨張が充分に接着剤に活かされない。従って、本発明に係る接着剤は、上記構成とすることにより、耐熱性、接着性に優れ、かつ、硬化収縮の小さい寸法安定性に優れた接着剤とすることができる。
【0011】
ここで、シアナート樹脂をシアナート基の形からイミドカーボネートの形へ変換させておくことが重要であり、全てのシアナート基がイミドカーボネートに変換したのを確認した後、他の成分と配合することにより、シアナート樹脂単独の硬化の進行を可能にし、シアナート樹脂の硬化膨張を充分に活かして寸法安定性に優れた接着剤を得ることができる。シアナート樹脂を多成分との混合系で用いると、シアナート基の高い反応性のため、種々の反応が生じ、硬化反応を制御することが困難となる。すなわち、シアナート基が多く存在した状態で接着剤成分として用いると、硬化時にシアナート基がエポキシ基等の他の官能基とも反応する。そのため、シアナート樹脂単独での硬化を進行させにくく、シアナート樹脂の特性である硬化膨張が充分に活かされず、接着剤の硬化収縮が大きくなる。そこで、シアナート樹脂とフェノール性水酸基を反応させることにより、予めシアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートの状態にして、シアナート基と他の官能基との反応を防ぎ、シアナート樹脂単独の硬化の進行を可能にしたのである。水酸基とエポキシ樹脂の硬化反応は、エポキシの硬化反応の中では比較的小さいとはいえ若干の収縮を伴うが、シアナート樹脂の硬化膨張が充分に活かされれば、その膨張によりエポキシ樹脂の硬化収縮は相殺され、接着剤は全体として若干の硬化膨張を伴うものとなる。
【0012】
次に、本発明に係る接着剤の製造方法において、シアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートを形成し、該イミドカーボネート、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂を配合することにより良好な接着剤を得られるが、エポキシ樹脂存在下でシアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物を反応させることによりイミドカーボネートを形成する反応が進行する。この反応において、エポキシ樹脂はシアナート基とフェノール性水酸基との反応を触媒し、エポキシ基はほとんど減少せず、シアナート基とフェノール性水酸基の反応のみが進行してイミドカーボネートを得ることができる。エポキシ樹脂がシアナート基とフェノール性水酸基との反応を触媒するという知見はこれまで認められてはおらず、この知見を新たに見出したことにより、本発明の工業的有意度が大幅に増したものである。
【0013】
【実施例】
以下、本発明に係る接着剤とその製造方法の実施例について説明する。
【0014】
本発明における接着剤は、シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とを予め反応させ、シアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートを形成し、該イミドカーボネートとエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂を配合したものである。
【0015】
ここで、予めシアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とを反応させ、シアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートを形成した後、接着剤成分として配合することが重要である。予めシアナート樹脂をイミドカーボネートの状態にすることにより、シアナート基と他の官能基との反応が生じず、シアナート樹脂単独の硬化の進行を可能にし、シアナート樹脂の特性である硬化膨張を充分に活かして、硬化収縮が小さく寸法安定性に優れた接着剤を得ることができるのである。シアナート基が多く存在した状態で接着剤成分として用いると、シアナート基の高い反応性のため、硬化時にシアナート基がエポキシ基等の他の官能基とも反応してしまい、シアナート樹脂の硬化膨張を充分に活かすことができないからである。
【0016】
イミドカーボネートを形成する反応は、シアナート樹脂と少なくとの1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物をエポキシ樹脂の存在下で反応させることにより得られる。かかる反応は、有機溶媒存在下、無溶媒下のいずれで行ってもよいが、反応の制御(反応の停止)の面からは有機溶媒存在下での反応が好ましい。無溶媒下での反応を行うと、イミドカーボネートの段階で反応を止めることが困難で、イミドカーボネートの形成と同時にシアナート樹脂の硬化(三量化)も進行してしまうからである。かかる反応において、有機溶媒存在下ではエポキシ樹脂を含まないとイミドカーボネートの生成反応はほとんど進行せず、エポキシ樹脂はシアナート基とフェノール性水酸基の反応を触媒し、イミドカーボネート生成反応を促進させることができる。すなわち、エポキシ基はほとんど減少せずに、迅速にイミドカーボネートを形成することができる。
【0017】
また、かかる反応は常温でも進行し、より沸点の高い溶媒を用いて反応温度を高くすることにより反応時間を短縮することができるが、反応が早過ぎると反応の制御(反応の停止)が困難となるため、反応温度は20〜150℃程度が好ましい。また、かかる反応は、全てのシアナート基がイミドカーボネートに変換するまで行い、反応時間は反応温度によって異なるが、1〜20時間程度要する。
【0018】
かかる反応により全てのシアナート基がイミドカーボネートに変換したのを確認したのち、加熱を止め、有機溶媒を加えて反応生成物の濃度を低下させることにより反応を停止させる。反応が進行しすぎると有機溶媒に溶けにくくなるため、シアナート基の消失と同時に反応を停止させることが必要である。尚、イミドカーボネート生成反応の反応率は赤外吸光光度法を用いて評価することができる。
【0019】
その後、得られたイミドカーボネートにエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂を配合して、溶剤で適当に希釈して充分に攪拌すると本発明に係る接着剤が得られる。なお、エポキシ樹脂は、シアナート樹脂をイミドカーボネートに変換させる反応時に触媒として予め加えられているため、接着剤成分として新たに加えなくてもよい。また、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂は単独で配合しても、2種以上の混合物として配合してもよい。
【0020】
本発明におけるシアナート樹脂としては、一般式(1)化1
【化1】
Figure 0003772913
(式中、R1 、R2 は1価の置換基、Aは2価の結合基(単結合を含む)を示す。)で示されるモノマー由来の芳香族シアナート樹脂が望ましい。特に、前記一般式(1)で示される芳香族シアナート樹脂を50%以下の範囲でオリゴマー化した状態、すなわち、全シアナート基の50%以下のシアナート基が一般式(2)化2
【化2】
Figure 0003772913
(式中、R1 、R2 は1価の置換基、Aは2価の結合基(単結合を含む)を示す。)で示されるトリアジン環を形成した状態で用いるのが硬化膨張を発現させるためにはより好ましい。
【0021】
前記一般式(1)又は一般式(2)で示される芳香族シアナート樹脂において、R1 及びR2 は同一であっても異なっても良い。R1 及びR2 基は、1価の置換基であり、水素、アルキル基、アリール基、ハロゲン等を挙げることができ、R1 及びR2 が水素である場合、あるいはR2 が水素である場合のシアナート樹脂が好ましく用いられる。
【0022】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基及び異性体ペンチル基等を用いることができる。なかでもC1〜C4のアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
【0023】
アリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基やC2〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニル基、C1〜C4のアルキル基でジ置換したフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、C1〜C4のアルキル基で置換されたナフチル基などを用いることができる。なかでも、フェニル基、C1〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニル基及びC1〜C4のアルキル基でジ置換したフェニル基が好ましい。さらに好ましくはフェニル基、o,m,p−メチルフェニル基である。
【0024】
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を用いることができるが、なかでも塩素、臭素が好ましい。
【0025】
また、前記一般式(1)又は一般式(2)中のAは、2価の結合基であり、単結合、未置換メチレン基のほか、メチレン基の1つまたは2つの水素原子をアルキル基及び/又はアリール基で置換したメチレン基として、イソプロピリデン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチル)メチレン基、フェニル(エチル)メチレン基、1,1−エチレン基、1,1−プロピレン基、フェニルメチレン基などを用いることができる。また、2価の5員もしくは6員の環状脂肪族基として1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基などを用いることができる。また、スルホン酸、2価の硫黄、2価の酸素、2価のカルボニル基、テトラメチルキシリデン基やフェニレン基も好ましい。テトラメチルキシリデン基とは2個のイソプロピリデン基で置換されたベンゼンのことである。
【0026】
特には、R1 、R2 が水素、アルキル基、ハロゲンのいずれかの組合せであり、Aが未置換メチレン基、イソプロピリデン基、酸素のいずれかであるシアナート樹脂が好ましい。入手の容易さやコスト面から考えるとビスフェノールAのジシアナートやテトラメチルビスフェノールFのジシアナート、ビスフェノールCのジシアナートなどが特に好ましい。
【0027】
フェノール性水酸基を含む化合物としては、不揮発性のものを用いるのが好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等の各種ビスフェノール類又はノニルフェノール等が例示される。
【0028】
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等種々のエポキシ樹脂を用いることができる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、2種類以上の混合物として用いてもかまわない。
【0029】
熱可塑性樹脂としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂が用いられる。
【0030】
これら上記の樹脂成分は溶剤型で用いることが望ましく、以下の溶剤とともに混合・攪拌され、適当な樹脂含有率に配合される。用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、クロロベンゼン、トリクロロエチレン、塩化メチレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を用いることができる。また、イミドカーボネート生成反応において用いられる有機溶媒としても、上記溶剤を用いることができる。接着剤中の樹脂含有率は接着剤の粘度、溶解性、取扱性などを考慮して適宜設定されるが、5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。
【0031】
以上のようにして得られた接着剤は、例えばポリイミドフィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させて接着剤をBステージ化し、銅箔を120℃でラミネートして接着剤層を硬化させることによりFCCLを作製することができる。かかる接着剤は、接着性、耐熱性に優れ、更に硬化収縮が小さく寸法安定性の優れた接着剤であるため、フレキシブルプリント配線板やTABテープ等の電気・電子部品実装用の基板用途に好適に用いることができる。
【0032】
以上、本発明に係る接着剤とその製造方法の実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、接着剤の配合成分・配合割合、塗布厚さ等によって、加熱温度や時間が変化することはいうまでもない。また、樹脂成分を配合する際、各樹脂成分をそれぞれ溶剤で希釈溶解して取扱いやすい粘度としてから配合してもよい。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
【0033】
以下に実施例について具体的に説明するが、本発明は実施例の内容に制限されるものではない。尚、以下の記載において、「部」は特にこだわらない限り「重量部」を意味する。
【0034】
実施例 1
テトラメチルビスフェノールFジシアナートM−30(シアナート樹脂;日本チバガイギ社製)を40部、ビスフェノールA(フェノール樹脂)を20部、エピコート828(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社製)20部、メチルエチルケトンを40部混合したのち、充分に攪拌し、80℃で4時間加熱反応させた。IRでシアナート基が完全にイミドカーボネートに変わっていることを確認した後、速やかにメチルエチルケトンを40部加えて反応を停止させ、イミドカーボネート混入組成物を得た。
【0035】
このイミドカーボネート混入組成物50部とプラタボンドM1276(共重合ナイロン;日本リルサン社製)を30部、エピコート1001(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社製)を20部、メチルエチルケトンを50部混合し充分攪拌して接着剤を得た。
【0036】
得られた接着剤を厚さ15μmに均一になるようにアピカル50AH(ポリイミドフィルム;鐘淵化学工業社製)上に塗布し、130℃で2分間乾燥させ、接着剤をB−ステージ化し、35×40mm角に切り出して反り測定用サンプルを作製した。その後、80℃で3時間、120℃で3時間、160℃で4時間加熱し、接着剤層の硬化を行った。硬化前後のポリイミドフィルムの反りを測定し、接着剤の硬化収縮を評価した。反りはサンプルの4角の高さの平均で表示し、接着剤を上にした時の反りを−、ポリイミドフィルムを上にした時の反りを+で表した。また接着剤をB−ステージ化したFCテープに120℃で銅箔をラミネートしFCCLを作製した。このFCCLを用いてピール強度測定用パターンを作製し、20℃、150℃下において180度ピール強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003772913
【0038】
実施例 2
実施例1と同様に作製したイミドカーボネート混入組成物50部とプラタボンドM1276(共重合ナイロン;日本リルサン社製)を30部、メチルエチルケトンを50部混合し充分攪拌して接着剤を得た。得られた接着剤について、実施例1と同様にして反り測定用サンプルを作製し、接着剤層の硬化を行い、硬化前後のポリイミドフィルムの反りを測定し、接着剤の硬化収縮を評価した。また、ピール強度測定用パターンを作製し、20℃、150℃下において180度ピール強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
比較例 1
プラタボンドM1276(共重合ナイロン;日本リルサン社製)を30部、エピコート1001(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社製)を60部、硬化剤としてジアミノジフェニルサルフォンを10部、メチルエチルケトンを50部混合して接着剤を得た。得られた接着剤について、実施例1と同様にして反り測定用サンプルを作製し、接着剤層の硬化を行い、硬化前後のポリイミドフィルムの反りを測定し、接着剤の硬化収縮を評価した。また、ピール強度測定用パターンを作製し、20℃、150℃下において180度ピール強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0040】
表2
Figure 0003772913
0041
比較例
プラタボンドM1276(共重合ナイロン;日本リルサン社製)を30部、テトラメチルビスフェノールFジシアナートM−30(シアナート樹脂;日本チバガイギ社製)を40部、エピコート1001(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社製)20部、メチルエチルケトン50部を混合して接着剤を作製した。得られた接着剤について、実施例1と同様にして反り測定用サンプルを作製し、接着剤層の硬化を行い、硬化前後のポリイミドフィルムの反りを測定し、接着剤の硬化収縮を評価した。また、ピール強度測定用パターンを作製し、20℃、150℃下において180度ピール強度を測定した。その結果を表2に示す。
0042
実施例 3
テトラメチルビスフェノールFジシアナートM−30(シアナート樹脂;日本チバガイギ社製)を40部、ビスフェノールA(フェノール性樹脂)を20部、エピコート828(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ社製)を20部、メチルエチルケトンを40部混合した後、充分に攪拌し、80℃で4時間加熱反応させた。加熱後1時間ごとにシアナート基のイミドカーボネートへの転換率をIRで測定し、その結果を表3に示した。尚、イミドカーボネート転換率とは、シアナート樹脂中の全てのシアナート基がイミドカーボネートに変換した時を100とした時の変換率をいう。
0043
表3
Figure 0003772913
0044
比較例
テトラメチルビスフェノールFジシアナートM−30(シアナート樹脂;日本チバガイギ社製)を40部、ビスフェノールA(フェノール性樹脂)を20部、メチルエチルケトンを40部混合した後、充分に攪拌し、80℃で4時間加熱反応させた。加熱後実施例3と同様にしてイミドカーボネートへの転換率を測定し、その結果を表3に示した。
0045
【発明の効果】
以上のように本発明は、シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とエポキシ樹脂及び熱可塑性樹脂の構成を有し、予めシアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とを反応させてなるシアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートを接着剤成分としてエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂とを配合して成る。これにより、シアナート樹脂単独の硬化反応を効率よく進行させることができ、シアナート樹脂の特性である硬化膨張を充分に活かしてエポキシ樹脂の硬化収縮を相殺することができる。従って、従来のエポキシ樹脂と熱可塑性樹脂の混合系接着剤において、エポキシ樹脂が硬化時に収縮するため寸法安定性に劣るという問題点を解決し、耐熱性、接着性に優れ、かつ硬化収縮が小さく、高寸法安定性に寄与する接着剤を実現できる。

Claims (3)

  1. シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とを反応させて得られる、シアナート樹脂硬化物の中間体であるイミドカーボネートと、エポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂とからなることを特徴とする接着剤。
  2. シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とエポキシ樹脂とを混合してなり、前記シアナート樹脂のシアナート基はイミドカーボネートに変換してなるイミドカーボネート混入組成物と、
    熱可塑性樹脂と
    からなることを特徴とする接着剤
  3. シアナート樹脂と少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を含む化合物とエポキシ樹脂とを予め混合し、前記シアナート樹脂のシアナート基をイミドカーボネートとした後、熱可塑性樹脂を配合することを特徴とする接着剤の製造方法。
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