JP3776014B2 - 吸収性物品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経血やおりものなどを吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に係り、詳しくは後部がわ両側部にヒップホールド用フラップを備える吸収性物品において、前記ヒップホールド用フラップ部分に吸収機能を持たせることで後漏れ防止効果を高めた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性バックシートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性トップシートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
【0003】
近年は、前記吸収性物品においても、体液の量や装着時間帯に応じた製品が各種提案されている。たとえば、夜用生理用ナプキンでは、下着に対する固定をより完全に図るとともに、後漏れを防止するために、ナプキンの長手方向中間両側部に設けたウイング状フラップの他に、ヒップ側を完全にホールドするために、後部がわ両側部にも側部に延在するフラップ(以下、ヒップホールド用フラップという。)を設けたものが存在する。
【0004】
具体的には、上記吸収性物品(生理用ナプキン)は、図9および図10に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性バックシート52と、経血等を速やかに透過させる透液性トップシート53と、これら両シート52,53間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体54と、表面がわ両側部に設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSとから主に構成され、前記吸収体54の周囲においては、その前後端縁部では前記不透液性バックシート52と透液性トップシート53との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側部(サイドフラップ部分)では吸収体54よりも側方に延出している前記不透液性バックシート52と、前記立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布55とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら不透液性バックシート52とサイド不織布55とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されているとともに、これよりも後側部分にヒップホールド用フラップHF、HFが形成された構造となっている。
【0005】
前記ウイング状フラップW、Wおよびヒップホールド用フラップHF、HFの外面側には粘着剤層56…,57…が設けられ、前記生理用ナプキン50を下着に装着するには、生理用ナプキン50を局所にあてがい、側方に突出する前記ウイング状フラップW、Wを下着より外に出し、フラップ基端の折返し線RL、RLにて折返し、下着のクロッチ部分を巻き込むようにしながら下着の股間部外面に貼着するようにする(図11参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記ヒップホールド用フラップHF、HFは、前述のように、サイド不織布55と不透液性バックシート52とを貼り合わせた二層シートにより構成され、基本的に経血等の吸収機能は有しない構造となっていたため、仮に吸収体54から漏れたり、透液性トップシート53を伝わって滲出する体液等があった場合の漏れ防止効果が十分ではなかった。
【0007】
そこで、特開2000-189459号公報では、前記ヒップホールド用フラップHF、HF部分にウイング用吸収体を設けるようにした吸収性物品が提案されている。具体的に同公報では、不透液性バックシートのヒップホールド用フラップHF、HF部分にウイング用吸収体を配置した後、その上面側に不透液性バックシートとほぼ同形状の親水性不織布を全面に亘って積層し、さらに上面側に透液性不織布によって外周が覆われた吸収ユニットを配設固定した第1態様に係る吸収性物品と、本体吸収体とウイング用吸収体とを並列に並べるとともに、これら吸収体間に疎水性不織布や発泡体等のシートからなる離隔部材を介在させ両吸収体を仕切った第2態様に係る吸収性物品とが提案されている。
【0008】
確かに、前記ウイング用吸収体を設けるようにすれば、該ヒップホールド用フラップHF、HF部分における吸収能力が飛躍的に増大するけれども、前記第1態様に係る吸収性物品の場合には、本体吸収体の下層側に剛性の高いウイング用吸収体が存在する構造であるため、お尻の窪み部分に違和感を感じるようになり、フィット性が損なわれるものとなるなどの問題がある。また、第2態様に係る吸収性物品の場合、本体吸収体とウイング状吸収体とが並列配置され吸収体同士が積層される部分は存在しないけれども、両吸収体が完全に分離されているため、本体吸収体で吸収した経血等が本体吸収体の後部側に拡散するのみであるため、後方側部分の液吸収能力が不十分となりがちであるなどの問題がある。
【0009】
他方、これら吸収性物品は従来構造のものと比べて構造が複雑であるため、製造工程が増えるとともに、現製造ラインの大幅の変更を必要とするため、製造効率が悪化する、製造ラインの変更に多大な設備投資を必要とするなどの問題もある。
【0010】
そこで本発明の第1の課題は、後部がわ両側部にヒップホールド用フラップが形成された吸収性物品において、前記ヒップホールド用フラップに吸収シート状部材を設けるに当たり、お尻の窪み部分に違和感を無くしフィット性に優れたものにするとともに、本体の吸収体に吸収された体液等を後方側のみならず、横方向へも拡散させることで体液の吸収保持能力を高め、後漏れを確実に防止するようにした吸収性物品を提供することにある。
【0011】
次いで、第2の課題は、前記ヒップホールド用フラップに吸収シート状部材を設けるに当たり、大幅な設備変更を必要とすることなく、吸収性物品を効率的に製造可能とする製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記第1課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性トップシートと、不透液性バックシートとの間に吸収体が介在され、かつ後部がわ両側部にヒップホールド用フラップが形成されるとともに、このヒップホールド用フラップ部分にシート状吸収部材が配設された吸収性物品において、
前記シート状吸収部材は、内側端縁同士の間隔が吸収性物品の幅方向に少なくとも30mm以上離間して両側に夫々配設されているとともに、それぞれのシート状吸収部材の内側端部域が前記吸収体側部の下面側に重ねて配置され、前記吸収体とシート状吸収部材とが体液の拡散を可能とする状態で接合されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
【0013】
請求項2に係る本発明として、前記シート状吸収部材は、吸収性物品の長手方向に沿う裁断によって2枚の吸収シート片に夫々分割されたものである請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0014】
請求項3に係る本発明として、前記シート状吸収部材の外側端縁は吸収性物品の外側端縁よりも少なくとも3mm以上内側に位置している請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0015】
前記第2課題を解決するために請求項4に係る本発明として、前記請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品の製造方法であって、前記不透液性バックシートを組み立てラインに供給するための搬送ラインにおいて、
連続帯状のシート状吸収部材を切断工程に投入し、前記両側に夫々配設されたシート状吸収部材を隙間なく接合した形状に裁断する裁断工程と、
前記裁断された2枚の両シート状吸収部材を搬送過程で所定の離間幅に離隔させる離隔工程と、
離隔された2枚のシート状吸収部材を不透液性バックシートに接着する接着工程とにより、前記不透液性バックシートにシート状吸収部材を一体的に設けた後、吸収性物品の組み立てラインへ供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0017】
図1は本発明に係る生理用ナプキン1の展開図であり、図2は図1のII−II線矢視図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
【0018】
前記生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性バックシート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性トップシート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも排血口対応部から前後方向に所定の区間内において表面側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSとから主に構成され、かつ前記吸収体4の周囲においては、その前後端縁部で前記不透液性バックシート2と透液性トップシート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部で吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性バックシート2と、前記立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布7の側方延在シート部分とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら不透液性バックシート2とサイド不織布7とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されているとともに、これよりも後側に位置する部分にヒップホールド用フラップHF,HFが形成されている。
【0019】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性バックシート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記不透液性バックシート2の非使用面側(外面)には1または複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され、身体への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。
【0020】
次いで、前記透液性トップシート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。前記透液性トップシート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等(以下、まとめて体液という。)が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
【0021】
前記吸収体4としては、体液を吸収・保持し得るものであれば良く、通常はフラッフ状パルプ中に吸水性ポリマー粉末を混入したものが吸収機能および価格の点から好適に使用される。前記吸収体4は形状保持等のためにクレープ紙5によって囲繞するのが望ましい。透液性トップシート3面には、吸収体の保持、表面側にきっちりと膨出させる、および吸収した体液を封じ込める等のために複数のエンボス6a〜6cが付与されている。
【0022】
一方、前記透液性トップシート3の幅寸法は、図示例では、図2および図3の横断面図に示されるように、吸収体4の幅よりも若干長めとされ、吸収体4を覆うだけに止まり、前記立体ギャザーBSは前記透液性トップシート3とは別のサイド不織布7を用いて構成されている。このサイド不織布7は、経血やおりもの等の体液が側方に流出するのを防止するため、素材自体が撥水性を有するか、またはシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などのコーティング等、適宜の撥水処理を施した不織布素材が用いられている。
【0023】
前記サイド不織布7は、図2および図3に示されるように、幅方向中間部より外側部分を吸収体4の内側位置から吸収体側縁を若干越えて不透液性バックシート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着し、これら前記サイド不織布7と不透液性バックシート2との積層シート部分により、ほぼ体液排出口に相当する吸収体側部位置に左右一対のウイング状フラップW、Wが形成されるとともに、これより後部側位置にヒップホールド用フラップHF、HFが形成されている。これらウイング状フラップW、Wおよびヒップホールド用フラップHF、HFの外面側にはそれぞれ粘着剤層10…を備え、図8に示されるように、ショーツ30に対する装着時に、前記ウイング状フラップW、Wを折返し線RLで反対側に折返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するようになっている。
【0024】
一方、前記サイド不織布7の内側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部には、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された糸状弾性伸縮部材8が配設されるとともに、この糸状弾性伸縮部材8の上側部位に複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材9,9が両端または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。この二重シート部分は前後端部では図3に示されるように、断面Z状に折り畳んで積層された状態で吸収体4側に接着されることによって、前記糸状弾性伸縮部材8配設部位を屈曲点として、断面く字状に内側に開口を向けたポケットを形成しながら表面側に起立する立体ギャザーBS、BSが形成されている。
【0025】
上記生理用ナプキン1においては、図1および図3に示されるように、前記ヒップホールド用フラップHF、HF部分に、前記サイド不織布7の側方延在シート部分と、不透液性バックシート2の側方延在シート部分との間に介在されてシート状吸収部材11、11が設けられている。このシート状吸収部材11としては、たとえばパルプ繊維のみからなるもの、またはパルプ繊維と化学繊維とを混合したもの等を使用することができるが、コスト面等からパルプ繊維のみからなるクレープ紙を用いるのが望ましい。
【0026】
前記シート状吸収部材11,11は、内側端縁11a、11a同士の間隔Dが吸収性物品1の幅方向に少なくとも30mm以上離間して両側に夫々配設されているとともに、それぞれのシート状吸収部材11,11の内側端部域が前記吸収体4側部の下面側に重ねて配置され、前記吸収体4とシート状吸収部材11とが体液の拡散を可能とする状態で接合されている。このように前記シート状吸収部材11,11を離間して配置し、少なくともお尻の窪み部分に当たる部分については、吸収体4のみとすることにより剛性を極力小さくできるようになる。その結果、装着時にお尻部分に違和感を感じることが無くなり、フィット性が良好となる。また、吸収体4とシート状吸収部材11とが液の拡散が可能な状態で接合されていることにより、吸収体4に吸収された体液がシート状吸収部材11側にも拡散するようになり、後方側部分での体液吸収能力の増大が図れるようになる。なお、シート状吸収部材11,11の内側端縁11a、11a同士の間隔Dが吸収性物品1の幅方向に30mm未満である場合には、お尻の窪み部分にシート状吸収部材11が存在することとなり、違和感を感じるようになる。
【0027】
この場合において、前記左右一対のシート状吸収部材11,11としては、後述する製造方法に従って、吸収性物品1の長手方向に沿う裁断によって2枚の吸収シート片に夫々分割されたものであることが望ましい。さらに、ヒップホールド用フラップHF、HFの外縁部はサイド不織布7と不透液性バックシート2とがヒートシールされるため、このヒートシールにシート状吸収部材11が存在すると、ヒートシールによってシート状吸収部材11が固化し、違和感を感じるようになるため、前記シート状吸収部材11の外側端縁は吸収性物品の外側端縁よりも少なくとも3mm以上内側に位置(符号S)していることが望ましい。
【0028】
他方で、前記シート状吸収部材11は、臀部から大きな曲げ応力や剪断応力を受けると同時に、剛性が高すぎると肌に違和感を感じ装着性を損なうものとなる。したがって、純曲げおよび剪断に対する固さ(変形抵抗性)やその回復性が適正なものを使用するようにする。
【0029】
前記変形抵抗性やその回復性の具体的指標例の一つとして、純曲げ試験機〔カトーテック株式会社製〕による純曲げに対する変形性能値が2.94mN・cm2/cm以下、好ましくは1.96mN・cm2/cm以下であって、かつ引張剪断試験機〔カトーテック株式会社製〕による剪断に対する変形性能値が80N/m・deg以下、好ましくは50N/m・deg以下であるものが好適に使用される。前記純曲げに対する変形性能値が2.94mN・cm2/cmを超える場合および/または剪断に対する変形性能値が80N/m・degを超える場合には装着時に固さを感じ違和感を与えてしまうことになる。
【0030】
前記純曲げ試験機は、人間が物体を湾曲状に曲げた時に感じる、柔らかさ−固さをシミュレートするための試験機で、曲げ固さ、曲げ回復性を測定することができるものである。試験は、チャックで試験片を挟み、感度2×1(力計20g/V)、最大曲げ曲率±2.5cm-1で1往復するように曲げ、曲げ曲率が0.5〜1.5(cm-1)の範囲における傾き値(B値)を指標値とするもので、このB値が大きいほど固く変形性が無いことを意味する(図4参照)。
【0031】
一方、前記引張剪断試験機は、人間が物体をずらした時に感じる柔らかさ−固さをシミュレートするための試験機で、ズレ易さ、ズレに対する回復性などを測定できるものである。試験は、チャックで試験片を掴み、長さ方向にW=10gf/cmの張力を加え続けた状態で、感度2×5(力計4g/V)、最大角±2degで1往復するように剪断方向に変形させ、剪断角が0.2〜0.4(degree)の範囲における傾き値(G値)を指標値とするもので、このG値が小さいほど剪断変形性が高いことを意味する(図5参照)。
【0032】
一方で、前記シート状吸収部材11の表面側を覆うサイド不織布7は、経血やおりもの等の体液が側方に流出するのを防止するため、撥水性を有する不織布素材を用いて構成されているが、この撥水性が高い場合には、前記ヒップホールド用フラップHF、HF部分において、立体ギャザーBSの外側に漏れ出た体液を前記シート状吸収部材11に吸収させることはできない。したがって、撥水性を有しながらも、ある程度体液の透過を許容し得ることが必要である。
【0033】
そこで、本生理用ナプキン1における前記サイド不織布7としては、JIS L1092に準じた耐水圧試験値(低水圧試験−静水圧法)が40mm〜160mm、好ましくは50〜70mmである撥水性不織布であり、かつ前記シート状吸収部材はJIS P8141に準じたクレム吸水度が5mm〜50mm、好ましくは15〜20mmであるものが用いられる。
【0034】
前記サイド不織布7の耐水圧試験値が40mm未満である場合には体液の防漏性に乏しく立体ギャザーBSにて体液を遮断できない。また、耐水圧試験値が160mmを超える場合には透液性に乏しくサイド不織布7を体液が透過できず、前記シート状吸収部材11を配置する意味が実質的に失われてしまうことになる。このような物性値の不織布、換言すれば透液性と非透液性とを兼ね備えた不織布としては、特に繊維同士が接する箇所のみで融着されるとともに、繊維間距離が大きいエアースルー不織布が最も好適とされる。より具体的には、坪量を18〜30g/mとして作製されたエアースルー不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
【0035】
また、前記シート状吸収部材11のクレム吸水度が5mm未満の場合には吸収速度が乏しく体液の逆戻りが生じてしまう。また、クレム吸水度が50mmを超える場合には高い拡散性のためにサイド不織布7と不透液性バックシート2の接合部からの滲み出しが懸念されるようになる。
【0036】
ところで、前記ヒップホールド用フラップHF、HFにおけるサイド不織布7と不透液性バックシート2との接合に当たっては、ホットメルト接着剤、超音波接合、エンボス接着等の方法が適宜採用されるが、接着性および操業性の点からはホットメルト接着剤が好ましい。そして、これらホットメルト接着剤の内でも親水性ホットメルト接着剤が好適とされる。親水性ホットメルト接着剤によれば、水接触角(°)が小さいため、体液が水玉状とならず、サイド不織布7を体液が通過し易くなる。また、塗布方法は表面からの体液の通過を阻害しないようにスパイラル状に塗布するのが望ましい。
【0037】
次いで、前述した生理用ナプキン1の製造方法においては、図6の分解図に示されるように、不透液性バックシート2側に予め、シート状吸収部材11、11を一体的に設けるようにした後、ナプキン1の組み立てを行うようにするのが望ましい。
【0038】
具体的には、図7に示されるように、前記不透液性バックシート2を組み立てラインに供給するための搬送ラインにおいて、バックシート2の所定部位にコーター17によりホットメルト接着剤を塗布した後、方向転換ロール18Aを経て転写ロール16部位でシート状吸収部材11,11をバックシート2に接着した後、方向転換ロール18Bを経て、次の組み立て工程に送るようにする。
【0039】
前記シート状吸収部材11,11の供給は、先ず連続帯状のシート状吸収部材12をカッターロール13とアンビル兼用バキュームロール14とが対向配置された間を通過させることにより、前記両側に夫々配設されたシート状吸収部材11,11を隙間なく接合した形状に裁断する(裁断工程)。裁断されたシート状吸収部材11,11はアンビル兼用バキュームロール14によって搬送され、次の拡幅ドラム15に転写される。この拡幅ドラム15では図8に示されるように、円周方向への搬送過程において、シート状吸収部材11を吸引保持する搬送台19,19がカム(図示せず)に誘導され離間方向に移動することにより、裁断された2枚の両シート状吸収部材11,11を所定の離間幅に離隔させるとともに(離隔工程)、流れ方向に縦列するシート状吸収部材11,11間に所定の間隔を与え、転写ロール16部位にてバックシート2に接着させるようにする(接着工程)。なお、前記シート状吸収部材11に対する流れ方向の間隔付与は、裁断工程へ前記連続帯状のシート状吸収部材12を間歇的に供給することによって与えるようにしてもよい。
【0040】
以上のように、組み立てラインへの供給前に、バックシート2に対して予めシート状吸収部材11,11を一体的に設けるようにすることで、生理用ナプキンの組み立てラインの設備変更を必要とすること無く、本発明に係る生理用ナプキン1を効率的に製造することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明に係る吸収性物品によれば、後部がわ両側部にヒップホールド用フラップが形成された吸収性物品において、前記ヒップホールド用フラップに吸収シート状部材を設けるに当たり、お尻の窪み部分に違和感を無くしフィット性に優れたものにできるとともに、本体の吸収体に吸収された体液等を後方側のみならず、横方向へも拡散させることで体液の吸収保持能力を高め、後漏れを確実に防止することが可能となる。
【0042】
また、本発明に係る製造方法によれば、前記ヒップホールド用フラップに吸収シート状部材を設けるに当たり、大幅な設備変更を必要とすることなく、吸収性物品を効率的に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生理用ナプキン1の展開図である。
【図2】その横断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図3】その横断面図(図1のIII−III線矢視図)である。
【図4】純曲げ試験の測定結果例を示すグラフである。
【図5】引張剪断試験の測定結果例を示すグラフである。
【図6】生理用ナプキン1の分解図である。
【図7】連続帯状のシート状吸収部材12を裁断しバックシート2に接着するための設備概略図である。
【図8】拡幅ドラム15におけるシート状吸収部材11,11の隔離要領図である。
【図9】従来の生理用ナプキンの展開図である。
【図10】その横断面図(図9のX-X線矢視図)である。
【図11】ナプキンの装着状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…生理用ナプキン、2…不透液性バックシート、3…透液性トップシート、4…吸収体、5…クレープ紙、7…サイド不織布、11…シート状吸収部材、BS…立体ギャザー、W…ウイング状フラップ、HF…ヒップホールド用フラップ

Claims (4)

  1. 透液性トップシートと、不透液性バックシートとの間に吸収体が介在され、かつ後部がわ両側部にヒップホールド用フラップが形成されるとともに、このヒップホールド用フラップ部分にシート状吸収部材が配設された吸収性物品において、
    前記シート状吸収部材は、内側端縁同士の間隔が吸収性物品の幅方向に少なくとも30mm以上離間して両側に夫々配設されているとともに、それぞれのシート状吸収部材の内側端部域が前記吸収体側部の下面側に重ねて配置され、前記吸収体とシート状吸収部材とが体液の拡散を可能とする状態で接合されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記シート状吸収部材は、吸収性物品の長手方向に沿う裁断によって2枚の吸収シート片に夫々分割されたものである請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記シート状吸収部材の外側端縁は吸収性物品の外側端縁よりも少なくとも3mm以上内側に位置している請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品の製造方法であって、前記不透液性バックシートを組み立てラインに供給するための搬送ラインにおいて、
    連続帯状のシート状吸収部材を切断工程に投入し、前記両側に夫々配設されたシート状吸収部材を隙間なく接合した形状に裁断する裁断工程と、
    前記裁断された2枚の両シート状吸収部材を搬送過程で所定の離間幅に離隔させる離隔工程と、
    離隔された2枚のシート状吸収部材を不透液性バックシートに接着する接着工程とにより、前記不透液性バックシートにシート状吸収部材を一体的に設けた後、吸収性物品の組み立てラインへ供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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