JP3777397B2 - 光学活性アルケニルホスフィン酸エステル類及びその製造方法 - Google Patents

光学活性アルケニルホスフィン酸エステル類及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リン原子にキラリティーを有する新規な光学活性アルケニルホスフィン酸エステル化合物及びこれらの製造方法に関するものである。
光学活性アルケニルホスフィン酸エステル類は、その基本骨格が天然に見出され、酵素などと作用することによりそれ自身が生理活性を示すことが知られている。また、同化合物は、各種不斉触媒反応の補助配位子として広く用いられる光学活性第3級ホスフィンに容易に変換される極めて有用な化合物である。さらに、同化合物は、求核剤やラジカル種は容易に反応し、Horner-Wittig反応に用いることもできるなど、精密化学品の合成の面でも有用性が高い一群の化合物である。
【0002】
【従来の技術】
このような光学活性アルケニルホスフィン酸エステル類の一般的な合成法は知られていない。これらを炭素−リン結合の生成を伴って合成する方法としては、一般的に、対応するアルケニルハライド化合物を水素化ホスフィン酸エステルで置換する方法が考えられる。しかし、この方法では、反応に伴って同時に生成するハロゲン化水素を捕捉するための塩基の添加が必要であり、これによって、大量のハロゲン化水素塩を併産する。また、その出発原料であるアルケニルハライド化合物は、工業的には必ずしも入手が容易でなく、また一般に毒性を有する。このため、この方法は、工業的に有利な方法とは到底言えない。また、ラセミ体のアルケニルホスフィン酸エステル類を光学分割する方法も考えられるが、光学分割のプロセスは一般的に煩雑であり、やはり工業的に有利な製造方法とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、合成容易な光学活性水素化ホスフィン酸エステルを出発原料に用いることによって、新規な光学活性アルケニルホスフィン酸エステル類及びその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、容易に入手可能な光学活性水素化ホスフィン酸エステルとアセチレン化合物の反応について鋭意研究の結果、特定の触媒存在下でこの付加反応が進行し、高い収率と選択性で対応する新規な光学活性アルケニルホスフィン酸エステル類を与えることを見出し、これらの事実に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明によれば、第一に、一般式[1]
{CH=CR[P(O)(OR)Ar]} [1]
及び/又は一般式[2]
{C[P(O)(OR)Ar]=CHR [2]
(上記式[1]及び[2]中のnは1又は2であり、nが1の場合のR及びR、並びにnが2の場合のRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、フェロセニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、nが2の場合のRは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、ヘテロアリーレン基、フェロセニレン基、アルケニレン基、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はシリレンジオキシ基を示す。また、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を、Arはアリール基又はヘテロアリール基を示す。)で表され、R又はS配置の何れか一方の立体配置のリン原子を優先して含む光学活性アルケニルホスフィン酸エステル化合物が提供される。
【0006】
第二に、周期律表第9族又は第10族の金属を含んでなる触媒、好ましくはロジウム又はパラジウムを含んでなる触媒の存在下に、一般式[3]
(C≡CR [3]
(式中のnは1又は2であり、nが1の場合のR及びR、並びにnが2の場合のRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、フェロセニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、nが2の場合のRは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、ヘテロアリーレン基、フェロセニレン基、アルケニレン基、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はシリレンジオキシ基を示す。)で表されるアセチレン化合物に、一般式[4]
HP(O)(OR)Ar [4]
(式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、Arはアリール基又はヘテロアリール基を示す。)で表され、R又はS配置の何れか一方の立体配置のリン原子を優先して含む光学活性水素化ホスフィン酸エステルを反応させることを特徴とする、一般式[1]
{CH=CR[P(O)(OR)Ar]} [1]
及び/又は一般式[2]
{C[P(O)(OR)Ar]=CHR [2]
(式中、R,R、R及びArは前記と同じ)で表され、R又はS配置の何れか一方の立体配置のリン原子を優先して含む光学活性アルケニルホスフィン酸エステル化合物の製造方法が提供される。
【0007】
本発明の製造方法において、原料として用いられるアセチレン化合物は、前記一般式[3]で示され、nが1の場合のR及びR、並びにnが2の場合のRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、フェロセニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、nが2の場合のRは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、ヘテロアリーレン基、フェロセニレン基、アルケニレン基、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はシリレンジオキシ基を示す。
【0008】
一般式[1]、一般式[2]及び一般式[3]において、R及び/又はRがアルキル基の場合のアルキル基としては、例えば炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−、sec−、tert−又はneo−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、n−ノニル基、n−デシル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の場合のシクロアルキル基としては、例えば炭素数5〜18、好ましくは5〜12のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。
アリール基の場合のアリール基としては、例えば炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリール基が挙げられ、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、さらにそれらの置換体(トリル基、キシリル基、ベンジルフェニル基など)も包含される。
ヘテロアリール基の場合のヘテロアリール基としては、酸素、窒素、イオウなどのヘテロ原子を含む各種の複素芳香環基が挙げられ、それに含まれる原子数は4〜12、好ましくは4〜8である。その具体例としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基などが挙げられる。
アラルキル基の場合のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜13、好ましくは7〜9のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
アルケニル基の場合のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜18、好ましくは2〜10のアルケニル基が挙げられ、その具体例としては、ビニル基、3−ブテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
アルコキシ基の場合のアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコキシ基が挙げられ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
アリールオキシ基の場合のアリールオキシ基としては、例えば炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリールオキシ基が挙げられ、その具体例としては、フェノキシ基、ナフトキシ基などが挙げられる。
シリル基の場合のシリル基としては、例えばアルキル基やアリール基、アラルキル基、アルコキシ基等で置換されたものも含まれる。その具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリメトキシシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。
【0009】
一般式[1]、一般式[2]及び一般式[3]において、nが2の場合のRで示されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、ヘテロアリーレン基、フェロセニレン基、アルケニレン基、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はシリレンジオキシ基は、nが1の場合について例示した種々のRから水素1原子を取り除いた二価の残基、或いは水素1原子を酸素1原子に置き換えた二価の残基の中から選ばれ、その具体例としては、メチレン基、ペンタメチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、ナフチレン基、フランジイル基、フェロセニレン基、2−ブテンジイル基、テトラメチレンジオキシ基、フェニレンジオキシ基、ジメチルシリレン基等が挙げられる。
【0010】
nの如何に依らず、一般式[1]、一般式[2]及び一般式[3]中のR及びRは、反応に不活性な官能基、例えば、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルホスフィニル基、フルオロ基、クロロ基、ヒドロキシ基などで置換されていてもよい。
【0011】
本発明の反応に好ましく用いられるアセチレン化合物を例示すると、無置換アセチレン、プロピン、ブチン、オクチン、p−クロロフェニルアセチレン、トリメチルシリルアセチレン、エチニルチオフェン、ヘキシノニトリル、シクロヘキセニルアセチレン、エチニルフェロセン、1,4−ペンタジイン、1,8−ノナジイン、ジエチニルベンゼンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
本発明の製造方法において、原料として用いられる光学活性水素化ホスフィン酸エステルは、前記一般式[4]で表され、R又はS配置の何れか一方の立体配置のリン原子を優先して含むものである。ここにおいて、Rは、前記と同じく、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、Arはアリール基又はヘテロアリール基を示す。
【0013】
一般式[1]、一般式[2]及び一般式[4]中のRがアルキル基の場合のアルキル基としては、例えば炭素数1〜8、好ましくは1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル基、n−、iso−、sec−、tert−又はneo−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
シクロアルキル基の場合のシクロアルキル基としては、例えば炭素数は3〜12、好ましくは5〜12のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、メンチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。
アラルキル基の場合のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜13、好ましくは7〜11のアラルキル基が挙げられ、その具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
アリール基の場合のアリール基としては、例えば炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリール基が挙げられ、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、さらにそれらの置換体(トリル基、キシリル基、ベンジルフェニル基など)も包含される。
一般式[1]、一般式[2]及び一般式[4]中のArで示されるアリール基又はヘテロアリール基としては、炭素数4〜16、好ましくは4〜12のアリール基又はヘテロアリール基が挙げられ、その具体例としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、さらにそれらの置換体(フェニル、トリル、キシリル、ベンジルフェニルなど)も包含される。
【0014】
一般式[1]、一般式[2]及び一般式[4]中のR及びArで示される基は、反応に不活性な官能基、例えば、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、ジメチルアミノ基、フルオロ基、クロロ基、ヒドロキシ基などで置換されていてもよい。
【0015】
好適な水素化ホスフィン酸エステルを具体的に例示すると、R又はS配置のリン原子を優先して含むフェニルホスフィン酸エチル、フェニルホスフィン酸メンチル、o−アニシルホスフィン酸メチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
アセチレン化合物と光学活性水素化ホスフィン酸エステルの使用比率は、一般的にモル比で1:1が好ましいが、これより大きくても小さくても、反応の生起を阻害するものではない。
【0017】
本発明の反応を効率よく生起させるには、周期律表第9族又は第10族の金属を含んでなる触媒、好ましくはロジウム又はパラジウムを含んでなる錯体触媒の使用が好ましい。これらの錯体触媒は種々の構造のものを用いることができるが、好適なものはいわゆる低原子価のものであり、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子とするものが特に好ましい。また、反応系中で容易に低原子価に変換される前駆体を用いることも好ましい態様である。さらに、反応系中で、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位子として含まない錯体と3級ホスフィンやホスファイトを混合し、反応系中で3級ホスフィン又はホスファイトを配位子とする低原子価錯体を発生する方法も好ましい態様である。これらの何れかの方法で有利な性能を発揮する配位子としては、種々の3級ホスフィンや3級ホスファイトが挙げられる。
【0018】
本発明において、好適に用いることができる配位子を例示すると、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどが挙げられる。
【0019】
これに組み合わせて用いられる、3級ホスフィンや3級ホスファイトを配位として含まない錯体としては、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム、クロロビス(エチレン)ロジウムダイマー、ジカルボニル(アセチルアセトナト)ロジウム、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム、クロロ(ノルボルナジエン)ロジウムダイマー、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、酢酸パラジウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
また、好適に用いられるホスフィン又はホスファイト錯体としては、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロカルボニルビス(トリメチルホスファイト)ロジウム、ジメチルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジフェニルメチルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(トリメチルホスフィン)パラジウム、ジメチルビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。
【0021】
これらの錯体の他に、パラジウムやロジウムの単体、もしくはこれらの金属を活性炭やシリカ等に担持した触媒を用いることも可能である。
【0022】
これらの触媒の使用量はいわゆる触媒量でよく、一般的にアセチレン化合物に対して20モル%以下で十分である。
【0023】
これらの触媒は、単独でも活性を示すが、ホスフィン酸添加剤と一緒に用いることにより、触媒活性の改善や生成物の選択性の向上が見られる。これらホスフィン酸は、例えば一般式[5]
HO−P(O)(R) [5]
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を示す。)で表される。
【0024】
一般式[5]において、Rがアルキル基の場合のアルキル基としては、例えば炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。シクロアルキル基の場合のシクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜12、好ましくは5〜6のシクロアルキル基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
アリール基の場合のアリール基としては、例えば炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリール基が挙げられ、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、さらにそれらの置換体(トリル基、キシリル基、ベンジルフェニル基など)も包含される。
【0025】
で示されるアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基は,反応に不活性な官能基、例えば、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、ジメチルアミノ基、フルオロ基、クロロ基、ヒドロキシ基などで置換されていてもよい。
【0026】
本発明で用いられるホスフィン酸の具体例としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、フェニルtert−ブチルホスフィン酸、ビス(トリフルオロメチル)ホスフィン酸などが挙げられる。その使用量は、用いる光学活性水素化ホスフィン酸エステルに対して等モル以下、好ましくは、0.1〜10モル%である。
【0027】
反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒中で実施することもできる。溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、エステル類など種々のものが使用できる。また、これらは単独若しくは2種以上の混合物として使用される。
【0028】
反応温度は、あまりに低温では反応が有利な速度で進行せず、あまりに高温では触媒が分解するので、一般的には、−20℃〜300℃の範囲から選ばれ、好ましくは室温〜150℃の範囲で実施される。
【0029】
本反応に用いられる触媒は、酸素に敏感であり、反応の実施は、窒素やアルゴン、メタン等の不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。反応混合物からの生成物の分離は、クロマトグラフィー、蒸留又は再結晶等によって容易に達成される。
【0030】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
実施例1
トルエン 2ミリリットルに、(R)−フェニルホスフィン酸メンチル(100%ee)1ミリモル、1−オクチン 1ミリモル、触媒としてRhCl(PPh(3モル%)を加え、窒素雰囲気下、70℃で5時間反応させた。反応液を濃縮し、液体クロマトグラフィーにより単離精製すると、(R)−フェニル[(E)−1−オクテン−1−イル]ホスフィン酸メンチルが81%の収率で得られた。その光学純度は31P核磁気共鳴分光法により容易に求められ、100%eeであった。
この化合物は文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータは以下の通りである。
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.74-7.78 (m, 2H), 7.42-7.48 (m, 3H),6.76 (ddt, 1H, J = 6.4, 17.0, JHP = 20.1 Hz), 5.80 (dd, 1H, J =17.0, JHP = 23.1 Hz), 4.17-4.20 (m, 1H), 0.79-2.22 (m, 31H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 153.1, 133.3 (JCP = 139.7 Hz),131.7 (JCP = 2.0 Hz), 131.1 (JCP = 10.3 Hz), 128.2 (JCP = 13.5 Hz),121.2 (JCP = 134.5 Hz), 76.5 (JCP = 7.3 Hz), 48.8 (JCP = 6.2 Hz),43.7, 34.2 (JCP = 18.6 Hz), 34.2, 31.6 (JCP = 4.2 Hz), 28.9, 27.8,25.6, 22.9, 22.6, 21.9, 21.2, 15.8, 14.1。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.8。
C24H39OPとしてのHRMS, 計算値: 390.2688, 実測値: 390.2655。
元素分析, 計算値: C, 73.81; H, 10.07。実測値: C, 73.94; H, 9.99。
【0032】
実施例2〜14
実施例1と同様の手法により、種々のアセチレン化合物を用いて本発明の光学活性ホスフィン酸エステルを合成した。その結果を表1にまとめて示した。
【0033】
【表1】
Figure 0003777397
【0034】
これらの生成物は文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータ及び/又は元素分析値は以下の通りである。
【0035】
[実施例2の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.89-7.96 (m, 2H), 7.07-7.10 (m, 3H),6.31 (ddd, 1H, J = 2.4, 18.6, JHP = 22.5 Hz), 6.13 (ddd, 1H,J = 12.2, 18.6, JHP = 22.8 Hz), 5.63 (ddd, 1H, J = 2.4, 12.2,JHP = 43.9 Hz), 4.34-4.45 (m, 1H), 2.35-2.38 (m, 1H), 2.18-2.23(m, 1H), 0.64-1.48 (m, 29H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 134.2 (JCP = 135.5 Hz), 133.7,132.0 (JCP = 130.3), 131.8 (JCP = 3.1 Hz), 131.7 (JCP = 10.3 Hz),128.5 (JCP = 12.4 Hz), 76.5 (JCP = 7.2 Hz), 49.2 (JCP = 6.2 Hz),44.0, 34.4, 31.6, 26.1, 23.2, 22.1, 21.3, 16.2。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 26.1。
C19H27OPとしてのHRMS, 計算値: 306.1749, 実測値: 306.1746。
元素分析, 計算値: C, 70.56; H, 8.88。 実測値: C, 70.51; H, 8.80。
【0036】
[実施例3の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.73-7.77 (m, 2H), 7.40-7.49 (m, 3H),6.80 (dd, 1H, J = 17.4, JHP = 21.0 Hz), 5.69 (dd, 1H, 17.4,JHP = 22.5 Hz), 4.14-4.20 (m, 1H), 2.14-2.17 (m, 2H), 1.60-1.66(m, 2H), 1.36-1.40 (m, 2H), 0.78-1.17 (m, 21H)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.9。
C22H35OPとしてのHRMS, 計算値: 362.2375, 実測値: 362.2321。
元素分析, 計算値: C, 72.90; H, 9.73。 実測値: C, 72.65; H, 9.76。
【0037】
[実施例4の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.73-7.77 (m, 2H), 7.43-7.50 (m, 3H),6.72 (ddt, 1H, J = 6.7, 17.1, JHP = 19.8 Hz), 5.90 (dd, 1H,J = 17.1, JHP = 22.2 Hz), 4.15-4.23 (m, 1H), 3.50 (t, 2H,J = 6.4 Hz), 2.36-2.40 (m, 2H), 2.07-2.16 (m, 2H), 1.87-1.93(m, 2H), 1.35-1.40 (m, 2H), 1.08-1.15 (m, 2H), 0.79-1.00 (m, 12H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 150.4, 132.8 (JCP = 139.6 Hz),131.9 (JCP = 3.1), 131.1 (JCP = 9.4 Hz), 128.3 (JCP = 12.4 Hz),122.8 (JCP = 133.5), 76.6, 48.8 (JCP = 6.2 Hz), 44.0, 43.7, 34.1,31.5, 31.2 (JCP = 18.6 Hz), 30.6, 25.7, 22.9, 21.9, 21.2, 15.8。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.1。
C21H32ClOPとしてのHRMS, 計算値: 382.1828, 実測値: 382.1764。
元素分析, 計算値: C, 65.87; H, 8.42。 実測値: C, 65.72; H, 8.07。
【0038】
[実施例5の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.74-7.78 (m, 2H), 7.45-7.52 (m, 3H),6.68 (ddt, 1H, J = 6.7, 17.1, JHP = 19.9 Hz), 5.93 (dd, 1H,J = 17.1, JHP = 22.0 Hz), 4.16-4.22 (m, 1H), 0.80-2.39 (m, 24H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 149.0, 132.7 (JCP = 139.7 Hz),132.0, 131.0, 128.5, 123.8 (JCP = 133.4 Hz), 119.0, 76.8, 48.8,43.6, 34.1, 32.7, 31.6, 25.7, 23.7, 22.9, 21.9, 21.2, 16.7, 15.9。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.9。
C22H32NOPとしてのHRMS, 計算値: 373.2171, 実測値: 373.2136。
元素分析, 計算値: C, 70.75; H, 8.64。 実測値: C, 70.92; H, 8.59。
【0039】
[実施例6の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.72-7.77 (m, 2H), 7.40-7.49 (m, 3H),6.66 (ddt, 1H, J = 6.7, 17.1, JHP = 19.8 Hz), 5.92 (dd, 1H,J = 17.1, JHP = 21.7 Hz), 4.09-4.25 (m, 3H), 2.01-2.53 (m, 1H),0.79-1.64 (m, 28H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 178.35, 147.4, 132.7 (JCP = 139.7 Hz),131.9, , 131.2, 128.3, 124.4 (JCP = 134.5 Hz), 76.8, 62.1, 48.8,43.6, 38.7, 34.1, 33.3, 31.5, 27.2, 25.6, 22.9, 21.9, 21.2, 15.8。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 27.8。
C25H39OPとしてのHRMS, 計算値: 434.2586, 実測値: 434.2583。
元素分析, 計算値: C, 69.10; H, 9.05。 実測値: C, 69.45; H, 9.03。
【0040】
[実施例7の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.75-7.79 (m, 2H), 7.41-7.48 (m, 3H),7.12 (dd, 1H, J = 17.1, JHP = 20.2 Hz), 6.09 (bs, 1H), 5.67 (dd,1H, J = 17.1, JHP = 21.4 Hz), 4.13-4.20 (m, 1H), 2.07-2.18 (m, 6H),1.56-1.65 (m, 6H), 0.76-1.38 (m, 14H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 151.4, 137.9, 135.3, 133.5 (JCP =140.7 Hz), 131.6, 131.1, 128.3, 114.1 (JCP = 136.6 Hz), 76.4, 48.9,43.8, 34.2, 31.6, 26.3, 25.6, 23.9, 22.9, 22.1, 21.9, 21.2, 15.9。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 30.5。
C24H35OPとしてのHRMS, 計算値: 386.2375, 実測値: 386.2325。
元素分析, 計算値: C, 74.58; H, 9.13。 実測値: C, 74.67; H, 9.06。
【0041】
[実施例8の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.81-7.86 (m, 2H), 7.55 (dd, J = 17.4,JHP = 20.5 Hz), 7.34-7.52 (m, 8H), 6.43 (dd, 1H, J = 17.4, JHP =20.5 Hz), 4.23-4.29 (m, 1H), 2.20-2.23 (m, 2H), 0.78-1.43 (m, 16H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 147.8, 135.1, 132.9 (JCP = 141.7 Hz),131.9, 131.1, 130.0, 128.8, 128.4, 127.8, 118.5 (JCP = 135.5 Hz),76.8, 48.9, 43.8, 34.1, 31.6, 25.7, 22.9, 21.9, 21.2, 15.8。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 29.2。
C24H31OPとしてのHRMS, 計算値: 382.2062, 実測値: 382.2051。
元素分析, 計算値: C, 75.37; H, 8.17。 実測値: C, 75.67; H, 8.32。
【0042】
[実施例9の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.82-7.87 (m, 2H), 7.58 (dd, 1H, J =18.0, JHP = 21.7 Hz), 7.44-7.53 (m, 3H), 6.85 (s, 2H), 6.08 (dd,1H, J = 18.0, JHP = 22.9 Hz), 4.30-4.37 (m, 1H), 2.26 (s, 9H),0.81-2.12 (m, 18H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 146.3, 137.9, 136.2, 133.4 (JCP =138.6 Hz), 132.4, 131.8, 131.2, 129.0, 128.4, 124.9 (JCP =132.4 Hz), 76.8, 48.8, 43.7, 34.2, 31.6, 25.9, 23.0, 21.9, 21.1,21.0, 20.8, 15.9。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.7。
C27H37OPとしてのHRMS, 計算値: 424.2531, 実測値: 424.2531。
元素分析, 計算値: 76.38; H, 8.78。 実測値: C, 76.11; H, 8.68。
【0043】
[実施例10の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.80-7.85 (m, 2H), 7.32-7.52 (m, 8H),6.40 (dd, 1H, J = 17.4, JHP = 20.1 Hz), ), 4.21-4.29 (m, 1H),0.77-2.20 (m, 18H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 146.2, 135.9, 133.5, 132.6 (JCP =141.7 Hz), 132.1, 131.1, 129.1, 128.9, 128.5, 119.5 (JCP =135.5 Hz), 76.8, 48.9, 43.8, 34.1, 31.6, 25.7, 22.9, 21.9, 21.2,15.8。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.8。
C24H30ClOPとしてのHRMS, 計算値: 416.1672, 実測値: 416.1762。
元素分析, 計算値: C, 69.14; H, 7.25。 実測値: C, 68.94; H, 7.25。
【0044】
[実施例11の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 8.36 (dd, 1H, J = 17.1, JHP = 20.1 Hz),8.19-8.21 (m, 1H), 7.44-7.92 (m, 11H), 6.56 (dd, 1H, J = 17.1,JHP = 21.7 Hz), 4.32-4.39 (m, 1H), 0.82-2.34 (m, 18H)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 28.9。
C28H33OPとしてのHRMS, 計算値: 432.2218, 実測値: 432.2216。
元素分析, 計算値: C, 77.75; H, 7.69。 実測値: C, 77.55; H, 7.70。
【0045】
[実施例12の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ8.05-8.11 (m, 2H), 7.77 (dd, 1H, J =17.4, JHP = 19.8 Hz), 7.08-7.14 (m, 3H), 6.16 (dd, 1H, J = 17.4,JHP = 21.7 Hz), 4.49-4.52 (m, 1H), 4.20 (bs, 1H), 4.14 (bs, 1H),4.01 (bs, 2H), 3.92 (s, 5H), 2.44-2.54 (m, 2H), 0.62-1.53 (m, 16H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 148.1, 135.5 (JCP = 138.6 Hz),131.6, 131.5, 128.5, 116.6 (JCP = 138.6 Hz), 80.5, 76.3, 70.7,70.6, 69.8, 69.1, 67.9, 49.4, 44.2, 34.5, 31.8, 26.2, 23.3, 22.1,21.4, 16.4。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 26.9。
C29H35FeOPとしてのHRMS, 計算値: 490.1724, 実測値: 490.1730。
元素分析, 計算値: C, 68.58; H, 7.19。 実測値: C, 68.21; H, 7.20。
【0046】
[実施例13の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.75-7.79 (m, 2H), 7.42-7.53 (m, 3H),7.20 (dd, 1H, J = 20.5, JHP = 31.1 Hz), 6.44 (dd, 1H, J = 20.5,JHP =29.6 Hz), 4.17-4.19 (m, 1H), 2.12-2.18 (m, 2H), 0.79-1.67(m, 16H), 0.09 (s, 9H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 154.8, 136.5 (JCP = 121.0 Hz), 132.5(JCP = 136.6 Hz), 131.9, 131.2, 128.3, 76.7849.8, 43.8, 34.1,31.6, 25.6, 22.9, 21.9, 21.2, 15.9, -1.9。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 27.3。
C21H35OPSiとしてのHRMS, 計算値: 378.2144, 実測値: 378.2090。
元素分析,計算値: C, 66.63; H, 9.32。 実測値: C, 66.64; H, 9.29。
【0047】
[実施例14の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.73-7.77 (m, 4H), 7.41-7.49 (m, 6H),6.74 (ddt, 2H, J = 6.4, 17.1, JHP = 20.1 Hz), 5.80 (dd, 2H, J =17.1, JHP = 23.2 Hz), 4.14-4.21 (m, 2H), 0.76-2.20 (m, 46H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 152.4, 133.1 (JCP = 138.6 Hz),131.8, 131.1, 128.3, 121.5 (JCP = 134.5 Hz), 76.8, 48.8, 43.7,34.1, 34.0, 31.6, 28.7, 27.6, 25.6, 22.9, 21.9, 21.2, 15.9。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 27.3。
C41H62OPとしての元素分析, 計算値: C, 72.32; H, 9.18。 実測値:C, 71.96; H, 9.16。
【0048】
実施例15
ベンゼン 2ミリリットルに、(R)−フェニルホスフィン酸メンチル(98.5%ee)1ミリモル、1−オクチン 1ミリモル、触媒としてMePd(PPh(5モル%)を加え、窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させたところ、(R)−フェニル[(E)−1−オクテン−1−イル]ホスフィン酸メンチルが21%の収率で得られた。その光学純度は97.3%eeであった。
この化合物は文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータ以下の通りである。
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.74-7.81 (m, 2H), 7.40-7.50 (m, 3H),5.91 (dd, 1H, J = 1.5, JHP = 21.3 Hz), 5.71 (dd, 1H, J = 1.5,JHP = 44.1 Hz), 4.28-4.31 (m, 1H), 0.75-2.25 (m, 31H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 143.7 (JCP = 124.0 Hz), 132.7(JCP = 130.2 Hz), 131.8 (JCP = 10.0 Hz), 131.8, 128.2 (JCP =12.7 Hz), 127.1 (JCP = 9.2 Hz), 76.5 (JCP = 7.2 Hz), 48.9 (JCP =7.0 Hz), 43.4, 34.1, 31.6, 31.5, 31.2 (JCP = 11.5 Hz), 28.9,27.9 (JCP = 6.0 Hz), 25.6, 22.7, 22.5, 21.9, 21.2, 15.6, 14.0。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 30.9。
C24H39OPとしてのHRMS, 計算値: 390.2688, 実測値: 390.2708。
元素分析, 計算値: C, 73.81; H, 10.07。 実測値: C, 73.70; H, 10.08。
【0049】
実施例16−20
実施例15と同様な条件下で、種々のパラジウム触媒を用いて反応を行った結果を、表2にまとめて示した。
【0050】
【表2】
Figure 0003777397
【0051】
実施例21
トルエン 2ミリリットルに、(R)−フェニルホスフィン酸メンチル(99%ee)1ミリモル、1−オクチン 1ミリモル、触媒としてMePd(PPhMe(5モル%)、ジフェニルホスフィン酸(10モル%)を加え、窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させたところ、(R)−フェニル[(E)−1−オクテン−2−イル]ホスフィン酸メンチルが96%の収率で得られた。
その光学純度は99%eeであった。
【0052】
実施例22−25
実施例21と同様な条件下で、種々のホスフィン酸を用い反応を行った結果を、表3にまとめて示した。
【0053】
【表3】
Figure 0003777397
【0054】
実施例26〜40
実施例21と同様の手法により、種々のアセチレン化合物を用いて本発明の光学活性ホスフィン酸エステルを合成した。その結果を表4にまとめて示した。
【0055】
【表4】
Figure 0003777397
【0056】
これらの生成物の内、実施例26及び38の生成物は、それぞれ前記実施例2及び13と同じ化合物である。他の生成物は、文献未収載の新規物質であり、そのスペクトルデータ及び/又は元素分析値は以下の通りである。
【0057】
[実施例27の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.76-7.80 (m, 2H), 7.39-7.47 (m, 3H),5.96 (d, 1H, JHP = 20.4 Hz), 5.87 (d, 1H, JHP = 42.3 Hz), 4.20-4.26 (m, 1H), 0.74-2.27 (m, 27H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 152.3 (JCP = 119.0 Hz), 135.3(JCP = 128.3), 131.5 (JCP = 10.4 Hz), 131.3, 128.1 (JCP =12.4 Hz), 126.6 (JCP = 7.2 Hz), 76.9 (JCP = 7.5 Hz), 49.1(JCP = 6.2 Hz), 43.3, 36.6, 34.1, 31.5, 30.3, 25.6, 22.8,22.0, 21.2, 15.7。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ 30.0。
C22H35OPとしてのHRMS, 計算値: 362.2375, 実測値:362.2451。
元素分析, 計算値: C, 72.90; H, 9.73。 実測値: C, 73.18; H, 9.90。
【0058】
[実施例28の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.75-7.79 (m, 2H), 7.40-7.52 (m, 3H),5.92 (d, 1H, JHP = 20.7 Hz), 5.74 (d, 1H, JHP = 43.5 Hz), 4.20-4.26 (m, 1H), 3.42-3.47 (m, 2H), 2.17-2.40 (m, 3H), 1.84-1.92(m, 3H), 1.59-1.66 (m, 2H), 1.31-1.43 (m, 2H), 0.75-1.07 (m, 12H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ 142.2 (JCP = 125.2 Hz), 132.0(JCP = 128.2), 132.0, 131.8 (JCP = 10.4 Hz), 128.3 (JCP =9.3 Hz), 77.1, 48.9 (JCP = 6.2 Hz), 44.2, 43.4, 34.1, 31.5,30.9 (JCP = 5.1 Hz), 28.9 (JCP = 12.4 Hz), 25.7, 22.8, 22.0,21.2, 15.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ30.4。
C21H32ClOPとしてのHRMS, 計算値: 382.1828, 実測値:382.1792。
元素分析, 計算値: C, 65.87; H, 8.42。 実測値: C, 65.68; H, 8.22。
【0059】
[実施例29の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.74-7.78 (m, 2H), 7.42-7.52 (m, 3H),5.90 (d, 1H, JHP = 20.4 Hz), 5.74 (d, 1H, JHP = 42.6 Hz), 4.15-4.31 (m, 1H), 0.73-2.28 (m, 24H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ141.6 (JCP = 126.2 Hz), 132.0 (JCP= 131.4), 132.0, 131.5, 128.9, 128.5, 119.2, 76.9, 48.9, 43.3,34.0, 31.5, 30.9, 25.8, 24.0, 22.8, 21.9, 21.2, 16.6, 15.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ29.9。
C22H32NOPとしてのHRMS, 計算値: 373.2171, 実測値: 373.2110。
元素分析, 計算値: C, 70.75; H, 8.64; N, 3.75。 実測値: C, 70.81;H, 8.66; N, 3.72。
【0060】
[実施例30の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.74-7.79 (m, 2H), 7.43-7.52 (m, 3H),5.97 (d, 1H, JHP = 21.1 Hz), 5.78 (d, 1H, JHP = 43.0 Hz), 4.27-4.33 (m, 1H), 4.05-4.13 (m, 2H), 0.74-2.62 (m, 29H) 。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ178.3, 139.7 (JCP = 127.2 Hz),132.2 (JCP = 131.3), 132.0, 131.8, 129.3, 128.4, 77.2, 62.1,48.9, 43.4, 38.7, 34.1, 31.5, 30.6, 27.2, 25.7, 22.8, 21.9,21.2, 15.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ30.0。
C25H39OPとしてのHRMS, 計算値: 434.2586, 実測値: 434.2582。
元素分析, 計算値: C, 69.10; H, 9.05。 実測値: C, 68.83; H, 8.93。
【0061】
[実施例31の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ7.71-7.78 (m, 2H), 7.37-7.46 (m, 3H),6.18 (bs, 1H), 5.92 (d, 1H, JHP = 20.6 Hz), 5.85 (d, 1H, JHP =42.2 Hz), 4.30-4.34 (m, 1H), 0.75-2.24 (m, 26H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ163.5, 143.6 (JCP = 123.7 Hz),133.8 (JCP = 124.9 Hz), 132.8, 131.6, 131.4, 130.4, 128.1,126.1, 76.6, 48.8, 43.4, 34.1, 31.5, 29.6, 26.9, 25.5, 22.7,22.6, 21.9, 21.7, 21.2, 15.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ30.4。
C24H35OPとしてのHRMS, 計算値: 386.2375, 実測値:386.2372。
元素分析, 計算値: C, 74.58; H, 9.13。 実測値: C, 74.52; H, 9.10。
【0062】
[実施例32の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.72-7.77 (m, 2H), 7.24-7.43 (m, 8H),6.07 (dd, 1H, J = 1.5, JHP = 20.1 Hz), 6.03 (dd, 1H, J = 1.5,JHP = 41.8 Hz), 4.29-4.38 (m, 1H), 0.67-1.93 (m, 18H) 。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ144.3 (JCP = 126.9 Hz), 137.5,132.5 (JCP = 133.3 Hz), 131.8, 131.9, 130.3, 128.3, 128.1,128.0, 127.9, 76.6, 48.8, 43.3, 34.1, 31.5, 25.4, 22.7, 21.9,21.1, 15.5。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ29.2。
C24H35OPとしてのHRMS, 計算値: 382.2062, 実測値:382.2036。
元素分析, 計算値: C, 75.37; H, 8.17。 実測値: C, 75.01; H, 8.12。
【0063】
[実施例33の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.76-7.80 (m, 2H), 7.39-7.53 (m, 3H),6.84 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 5.93 (dd, 1H, J = 1.9, JHP =22.0 Hz), 5.70 (dd, 1H, J = 1.9, JHP = 46.7 Hz), 4.23-4.30(m, 1H), 2.04 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 0.59-1.55(m, 18H) 。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ145.3 (JCP = 128.3 Hz), 136.8,136.7, 133.9, 132.7 (JCP = 127.2 Hz), 132.6, 132.0, 131.9,128.1, 127.9, 76.4, 49.0, 43.0, 34.1, 31.4, 24.8, 22.5, 21.9,21.2, 21.0, 20.6, 20.5, 15.2。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ29.4。
C27H37OPとしてのHRMS, 計算値: 424.2531, 実測値:424.2534。
元素分析, 計算値: C, 76.38; H, 8.78。 実測値: C, 76.21; H, 8.75 。
【0064】
[実施例34の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.72-7.76 (m, 2H), 7.37-7.46 (m, 4H),6.77-6.80 (m, 2H), 6.02 (dd, 1H, J = 1.5, JHP = 20.5 Hz), 5.98(dd, 1H, J = 1.5, JHP = 41.5 Hz), 4.30-4.36 (m, 1H), 3.76(s, 3H),0.68-1.96 (m, 19H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ159.5, 142.3 (JCP = 127.2 Hz),132.7 (JCP = 133.5 Hz), 131.9, 131.8, 129.8, 129.2, 129.1,128.2, 113.6, 76.8, 55.2, 48.9, 43.4, 34.1, 31.5, 25.4, 22.8,21.9, 21.2, 15.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ29.4。
C25H33OPとしてのHRMS, 計算値: 412.2167, 実測値:412.2169。
元素分析, 計算値: C, 72.79; H, 8.06。 実測値: C, 72.90; H, 8.10 。
【0065】
[実施例35の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.71-7.84 (m, 2H), 7.19-7.52 (m, 7H),6.03 (dd, 1H, J = 1.2, JHP = 20.2 Hz), 5.98 (dd, 1H, J = 1.2,JHP = 41.5 Hz), 4.29-4.36 (m, 1H), 0.67-1.89 (m, 18H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ143.3 (JCP = 128.3 Hz), 136.0,
134.1, 132.2 (JCP = 133.5 Hz), 132.1, 131.9, 130.6, 129.4,128.5, 128.2, 76.8, 48.8, 43.3, 34.1, 31.5, 25.4, 22.8, 21.9,21.1, 15.6。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ28.9。
C24H30ClOPとしてのHRMS, 計算値: 416.1672, 実測値: 416.1676。
元素分析, 計算値: C, 69.14; H, 7.25。 実測値: C, 69.05; H, 7.40 。
【0066】
[実施例36の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.72-7.89 (m, 5H), 7.33-7.47 (m, 7H),6.24 (dd, 1H, J = 1.9, JHP = 21.4 Hz), 5.92 (dd, 1H, J = 1.9,JHP = 44.3 Hz), 4.21-4.27 (m, 1H), 0.45-1.82 (m, 18H)。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ28.6。
C28H33OPとしてのHRMS, 計算値: 432.2218, 実測値:432.2215。
元素分析, 計算値: C, 77.75; H, 7.69。 実測値: C, 77.68; H, 7.85 。
【0067】
[実施例37の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.84-7.88 (m, 2H), 7.46-7.51 (m, 3H),6.24 (d, 1H, JHP = 39.3 Hz), 6.23 (d, 1H, JHP = 20.5 Hz), 4.62(bs, 1H), 4.28 (bs, 1H), 4.18 (bs, 1H), 4.13 (bs, 1H), 4.10-4.29 (m, 1H), 3.90 (s, 5H), 0.72-2.13 (m, 18H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ141.2 (JCP = 128.3 Hz), 133.8(JCP = 132.4 Hz), 131.9, 131.6, 128.2, 126.2, 80.8, 77.1, 69.8,68.7, 68.6, 68.2, 68.0, 48.9, 43.5, 34.1, 31.6, 25.5, 22.8, 22.0,21.2, 15.7。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ26.9。
C29H35FeOPとしてのHRMS, 計算値: 490.1724。 実測値: 490.1722。
元素分析, 計算値: C, 68.58; H, 7.19。 実測値: C, 68.82; H, 7.31。
【0068】
[実施例39の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.73-7.77 (m, 4H), 7.39-7.49 (m, 6H),5.90 (d, 2H, JHP = 21.3 Hz), 5.65 (d, 2H, JHP = 43.9 Hz), 4.24-4.31 (m, 2H), 0.75-2.19 (m, 46H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ143.4 (JCP = 124.1 Hz), 132.5(JCP = 130.3 Hz), 131.9, 131.7, 128.1, 127.1, 76.9, 48.9,43.5, 34.1, 31.5, 31.2, 31.1, 28.8, 27.7, 25.5, 22.8, 21.9,21.2, 15.7。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ26.9。
C41H62OPとしての元素分析, 計算値: C, 72.32; H, 9.18。 実測値:C, 72.10; H, 9.27 。
【0069】
[実施例40の生成物]
H NMR (500 MHz, CDCl) δ 7.95 (d, 1H, JHP = 22.3 Hz), 7.85-7.92 (m, 2H), 7.24-7.28 (m, 2H), 6.99-7.13 (m, 8H), 6.78-6.84(m, 3H), 4.62-4.68 (m, 1H), 2.49-2.50 (m, 1H), 1.88-2.00 (m, 1H),0.56-1.49 (m, 16H)。
13C NMR (125.4 MHz, CDCl) δ143.4 (JCP = 124.1 Hz), 132.5 (JCP= 130.3 Hz), 131.9, 131.7, 128.1, 127.1, 76.9, 48.9, 43.5, 34.1,31.5, 31.2, 31.1, 28.8, 27.7, 25.5, 22.8, 21.9, 21.2, 15.7。
31P NMR (201.9 MHz, CDCl) δ27.7。
C30H35OPとしてのHRMS, 計算値: 458.2375。 実測値: 458.2371。
元素分析, 計算値: C, 78.57; H, 7.69。 実測値: C, 78.41; H, 7.41。
【0070】
【発明の効果】
本発明のリン上にキラリティーを有する光学活性アルケニルホスフィン酸エステルは、文献未載の新規な化合物であり、医薬・農薬などの生理活性物質や触媒調製用配位子等の合成中間体として有用である。また、本発明の光学活性アルケニルホスフィン酸エステルの合成方法は、アセチレン類に光学活性水素化ホスフィン酸エステルを反応させるのみで、簡便、安全、かつ効率的に実施することができ、生成物の分離精製も容易である。従って、本発明は工業的に多大の効果をもたらす。

Claims (8)

  1. 周期律表第9族又は第10族の金属を含んでなる触媒の存在下に、一般式[3]
    (C≡CR) [3]
    (式中のnは1又は2であり、nが1の場合のR及びR、並びにnが2の場合のRは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、フェロセニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示し、nが2の場合のRは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、ヘテロアリーレン基、フェロセニレン基、アルケニレン基、アルキレンジオキシ基、アリーレンジオキシ基又はシリレンジオキシ基を示す。)で表されるアセチレン化合物に、一般式[4]
    HP(O)(OR)Ar [4]
    (式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、Arはアリール基又はヘテロアリール基を示す。)で表され、R又はS配置の何れか一方の立体配置のリン原子を優先して含む光学活性水素化ホスフィン酸エステルを反応させることを特徴とする、一般式[1]
    {CH=CR[P(O)(OR)Ar]} [1]
    及び/又は一般式[2]
    {C[P(O)(OR)Ar]=CHR [2]
    (式中、R,R、R及びArは前記と同じ)で表され、R又はS配置の何れか一方の立体配置のリン原子を優先して含む光学活性アルケニルホスフィン酸エステル化合物の製造方法。
  2. 第9族金属がロジウムである請求項1に記載の製造方法。
  3. 第10族金属がパラジウムである請求項1に記載の製造方法。
  4. 周期律表第9族又は第10族金属を含んでなる触媒が低原子価の錯体触媒である請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 周期律表第9族又は第10族金属を含んでなる触媒が、3級ホスフィンまたは3級ホスファイトを配位子とする低原子価の錯体である請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  6. 周期律表第9族又は第10族金属を含んでなる触媒が、反応系中で容易に低原子価錯体に変換し得る前駆体錯体である請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  7. 周期律表第9族又は第10族金属を含んでなる触媒が、3級ホスフィンまたは3級ホスファイトを配位子として含まない同金属錯体と、3級ホスフィン又は/及び3級ホスファイトとを併用し、反応系中で形成させた3級ホスフィン又は/及び3級ホスファイトを配位子とする低原子価錯体である請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  8. 反応を一般式[5]
    HO−P(O)(R) [5]
    (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を示す。)で表されるホスフィン酸の存在下に行う、請求項1〜7の何れかに記載の製造方法。
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