JP3779005B2 - プロピレン共重合用触媒およびその触媒を用いたプロピレン共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン共重合用触媒およびその触媒を用いたプロピレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロピレン共重合用触媒およびその触媒を用いたプロピレン共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、プロピレンと少なくともエチレンからなる高分子量の共重合体を、重合体の反応器への付着を伴わずに与えるプロピレン共重合用触媒およびその触媒を用いたプロピレン共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタロセン化合物とアルミノキサンあるいは有機ホウ素化合物からなる触媒によりオレフィンの共重合体を得ることは公知であり、このような触媒から得られる共重合体はシート、フィルム、ラミネートといった分野での利用が期待されている。例えば、特開平2-173015号公報、同2-173016号公報、同2-173110号公報、同2-255812号公報などに特定のメタロセン化合物とアルミノキサンからなる触媒によりプロピレン、α−オレフィンおよびエチレンからなる共重合体が得られることが開示されている。しかしながら、これらにおいては重合体を粒子状で得ることが困難であり、重合体が反応器の器壁に付着したりするなどのため、工業的な生産に適用することは困難である。
【0003】
メタロセン化合物とアルミノキサンからなる触媒において上記問題を解決する試みとしては、メタロセン化合物やアルミノキサンを固体担体上に担持する方法が提案されており、例えば特開昭61-108610号公報、同61-296008号公報、同63-280703号公報、同63-22804号公報、同63-51405号公報、同63-51407号公報、同63-55403号公報、同63-61010号公報、同63-248803号公報、特開平4-100808号公報、特開平3-74412号公報、特開平3-709号公報、同4-7306公報等において、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナなどの無機金属酸化物にメタロセン化合物とメチルアルミノキサンを担持させた固体触媒を用いたオレフィンの重合法が開示されている。また、特開昭61-276805号公報、特開平3-74415号公報などにおいてはメチルアルミノキサンを担持した金属酸化物とメタロセン化合物を用いた重合法が開示されている。
しかしこれらにおいても、反応器への重合体の付着の問題が十分に解決されているとは言い難く、特にプロピレン共重合体の製造において重合体の付着がなはだしい。
【0004】
また、アルミノキサンの代わりに有機ホウ素化合物を用いることも公知であって、さらに有機ホウ素化合物を担体上に担持することも提案されている。例えば、特開平5-239138号公報、特開平5-247128号公報、特開平7-10917号公報などに も有機ホウ素化合物を担体上に担持したものが開示されているが、これらはいずれも重合体の反応器への付着が十分に解決されているとはいいがたく、やはりプロピレン共重合体の製造時にこれらの問題がはなはだしい。
【0005】
特表平7-501573号公報には本発明の成分(A)に相当する触媒成分が開示されている。その成分を用いたプロピレンの単独重合体の製造においては重合体粒子の反応器への付着が改善されてはいるものの、プロピレン共重合体を製造した場合にはこれらの問題が解決されているとは言い難い。また該公報に記載のメタロセン化合物を用いてプロピレンとエチレンを共重合した場合には、プロピレンを単独重合した場合に比べ著しく分子量が低下するという問題があり、得られる共重合体は工業的な利用が困難である。
【0006】
このようにメタロセン化合物からなる触媒により重合体の反応器への付着を伴わずに、プロピレンと少なくともエチレンからなる高分子量の共重合体を与える製造技術は、未だ充分に確立されているとは言い難いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、重合体の反応器への付着を伴わずに、プロピレンと少なくともエチレンとからなる高分子量の共重合体を与えるプロピレン共重合用触媒およびそれを用いたプロピレン共重合体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記状況に鑑み鋭意検討した結果、特定のイオン性化合物を微粒子担体に接触させて得られる固体触媒成分を、特定の構造を有するメタロセン化合物と組合わせることにより、重合体の反応器への付着を伴わずにプロピレンと少なくともエチレンとからなる高分子量の共重合体を与えることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
1)成分(A):下記一般式(I)
【化3】
Figure 0003779005
(式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、
1、R2およびR3は同一でも異なってもよく、各々炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、
4は炭素数1〜20のアルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アリーレン基、シラニレン基、置換シラニレン基、シラアルキレン基、置換シラアルキレン基、オキサシラニレン基、置換オキサシラニレン基またはオキサシラアルキレン基であり、
Lはシリル基であり、
Dは1価のカチオンであり、
a、bおよびcは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数であり、かつa+b+c+d=4である。)で表されるイオン性化合物と微粒子担体を接触させて得られる固体触媒成分、および成分(B):下記一般式(II)
【化4】
Figure 0003779005
(式中、R5、R6、R7およびR8は同一でも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、
1およびQ2はシクロペンタジエニル骨格を有する炭化水素基であって、少なくとも一方は2位に置換基を有する置換インデニル基であり、
2はチタンまたはジルコニウムであり、
1およびX2は、同一でも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基または炭素数1〜30の炭化水素基である。)の構造を有するメタロセン化合物からなるプロピレン共重合用触媒、
【0010】
2)R5、R6、R7およびR8が水素原子である前記1記載のプロピレン共重合用触媒、
3)Q1、Q2の少なくとも一方が、2位にメチル基またはエチル基を有するインデニル基である前記1または2記載のプロピレン共重合用触媒、
4)R1、R2およびR3がペンタフルオロフェニル基である前記1乃至3のいず れかに記載のプロピレン共重合用触媒、
5)R4がテトラフルオロフェニレン基である前記4記載のプロピレン共重合用 触媒、
6)Lがトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基またはジメチルクロロシリル基である前記1乃至5のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒、
7)Dがジアルキルアニリニウムイオンである前記1乃至6のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒、および
8)前記1乃至7のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒の存在下に、プロピレンと少なくともエチレンを共重合させ、プロピレン含量が80重量%以上かつ重量平均分子量が 100,000以上の共重合体を得るプロピレン共重合体の製造方法を提供するものである。
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において使用するイオン性化合物(A)は下記一般式(I)で表わされる。
【化5】
[M1(R1a(R2b(R3c(R4−L)d-[D]+ (I)
式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、好ましくはホウ素である。
1、R2、R3は炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アル コキシ基またはハロゲン原子であり、これらは互いに異なってもよく、同一でもよい。炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ハロゲン化アリール基が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。これらのうち好ましくはアルキル基、アリール基およびハロゲン化アリール基であり、特に好ましくはアリール基およびハロゲン化アリール基である。
【0012】
アリール基の具体的としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基等が例示できる。
【0013】
ハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基等のジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基等のトリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基等のテトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、およびこれらのフッ素原子を塩素、臭素等の他のハロゲン原子に換えたものなどが挙げられる。
【0014】
ハロゲン化アリール基の他の具体例としては、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等のビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,4−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等のトリス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)フェニル基等のテトラキス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタキス(トリフルオロメチル)フェニル基等およびこれらのフッ素原子を塩素、臭素等、他のハロゲン原子に置き換えたものなどが挙げられる。
【0015】
これらハロゲン化アリール基の中でも、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などのフルオロフェニル基が好ましく、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基がさらに好ましく、ペンタフルオロフェニル基が最も好ましい。
【0016】
前記イオン性化合物の一般式(I)において、R4は炭素数1〜20のアルキ レン基、ハロゲン置換アルキレン基、アリーレン基、ハロゲン置換アリーレン基、シラニレン基、置換シラニレン基、シラアルキレン基、置換シラアルキレン基、オキサシラニレン基、置換オキサシラニレン基、オキサシラアルキレン基のいずれかである。
【0017】
具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、3−フルオロ−o−フェニレン基、4−フルオロ−m−フェニレン基、2−フルオロ−p−フェニレン基等のフルオロフェニレン基、3,4−ジフルオロ−o−フェニレン基、4,5−ジフルオロ−m−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−p−フェニレン基等のジフルオロフェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−p−フェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フェニレン基等のトリフルオロフェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基等のテトラフルオロフェニレン基が挙げられる。
【0018】
これらのうち好ましいのは、2,4,5−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、4,5,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−p−フェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フェニレン基、3,4,5,6−テトラフルオロ−o−フェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基であり、特に好ましいのは、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基である。
【0019】
本発明におけるイオン性化合物(A)の一般式(I)中、Lはシリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基のいずれかである。
シリル基の例としては、下記式(III) で表わされるものが挙げられる。
【化6】
―〔Si(Z12)−Z6−〕nSiZ345 (III)
式 (III)において、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、各々独立して、ハロゲ ン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アシルオキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基の中から選ばれ、Z3、Z4、Z5のうち少なくとも一つはハロゲン原子、 アルコキシ基、フェノキシ基、アシルオキシ基のいずれかである。
6は酸素原子、イミノ基、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20 のアリーレン基、炭素数1〜20のオキサアルキレン基のいずれかである。
nは0または1〜10の整数である。
【0020】
より具体的には、トリクロロシリル基、トリブロモシリル基、トリヨードシリル基等のトリハロゲノシリル基やメチルジクロロシリル基、エチルジクロロシリル基、n−プロピル−ジクロロシリル基等のアルキルジハロゲノシリル基、ジメチルクロロシリル基、メチルエチルクロロシリル基、ジエチルクロロシリル基等のジアルキルハロゲノシリル基、フェニルジクロロシリル基、フェニルジブロモシリル基、p−トリルジクロロシリル基、クロロフェニルジクロロシリル基等のアリールジハロゲノシリル基、ジフェニルクロロシリル基、ジフェニルブロモシリル基等のジアリールハロゲノシリル基が挙げられる。
【0021】
さらには、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリ−n−プロポキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基等のアルキルジアルコキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジエチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジエチルエトキシシリル基等のジアルキルアルコキシシリル基、フェニルジメトキシシリル基、トリルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、トリルジエトキシシリル基等のアリールジアルコキシシリル基、ジフェニルメトキシシリル基、ジトリルメトキシシリル基、ジフェニルエトキシシリル基、ジトリルエトキシシリル基等のジアリールアルコキシシリル基などのアルコキシ基含有シリル基が挙げられる。
【0022】
さらに、トリアセトキシシリル基等のトリアシルオキシシリル基、メチルジアセトキシシリル基等のアルキルジアシルオキシシリル基、ジメチルアセトキシシリル基等のジアルキルアシルオキシシリル基、フェニルジアセトキシシリル基等のアリールジアシルオキシシリル基、ジフェニルアセトキシシリル基等のジアリールアシルオキシシリル基やジメチルヒドロキシシリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジフェニルヒドロキシシリル基、フェニルジヒドロキシシリル基等のアルキルまたはアリールヒドロキシシリル基、トリヒドロキシシリル基等のシリル基も挙げられる。
【0023】
これらのうち好ましいのは、ヒドロキシル基、トリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリル基、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシリル基、ジメチルアセトキシシリル基、トリヒドロキシシリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基であり、特に好ましくはトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロシリル基である。
【0024】
また前記イオン性化合物(A)の一般式(I)において、a、bおよびcは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数であり、かつa+b+c+d=4である。このうちd=1のものが好ましい。
【0025】
前記イオン性化合物(A)において、Dは1価のカチオンであり、具体的にはプロトン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−(p−トリル)カルベニウムイオンなどのトリアリールカルベニウムイオンやトリメチルカルベニウムイオン等のカルベニウムイオン、トロピリウムイオン、フェロセニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン等のアンモニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウムイオン等のオキソニウムイオン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオンなどが挙げられる。
【0026】
これらのうち好ましくは、プロトン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−(p−トリル)カルベニウムイオン等のトリアリールカルベニウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン、N,N−ジエチルアニリニウムイオン等のジアルキルアニリニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオンやトリエチルオキソニウムイオン等のトリアルキルオキソニウムイオンである。
【0027】
本発明において、微粒子担体としては、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属アルコキシド、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、珪酸塩や有機高分子化合物等が好適に使用できる。
【0028】
金属酸化物としてはシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、カルシア、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅等であり、金属ハロゲン化物としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が例示できる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられ、金属アルコキシドとしてはマグネシウムエトキシド、マグネシウムメトキシド等である。炭酸塩としては炭酸カルシウム、塩基性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸銅等が挙げられる。硫酸塩としては硫酸塩としては硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸銅、硫酸鉄等が挙げられる。硝酸塩としては硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸銅、硝酸鉄等が挙げられる。酢酸塩としては酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。珪酸塩としては雲母、タルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム珪酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、シリカ、アルミナ、雲母やタルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウムなどの珪酸塩である。
【0029】
これら担体の平均粒子径は、特に制限はないが、通常 0.1〜 2,000μmの範囲であり、好ましくは1〜 1,000μm、さらに好ましくは5〜100μmの範囲である。また比表面積は、特に制限はないが通常 0.1〜 2,000m2/gの範囲であ り、好ましくは10〜 1,500m2/gであり、さらに好ましくは100〜 1,000 m2/gの範囲である。
【0030】
本発明の成分(A)の製造にあたっては、前記イオン性化合物(I)と微粒子状担体を任意の方法で接触させることが可能であり、有機溶剤の非存在下で直接接触させても良いが、一般的には有機溶剤中で接触が行われる。ここで有機溶剤としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類やN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロピドン、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド類、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、デカノール等のアルコール類およびこれらの混合物等が使用可能である。
【0031】
前記イオン性化合物(I)と微粒子状担体との接触は、使用する有機溶剤やその他の条件を考慮して任意の温度で可能であり、通常−80℃〜300℃の範囲で行われる。接触温度の好ましい範囲は−50℃〜200℃であり、さらに好ましい範囲は0℃〜150℃である。
【0032】
前記イオン性化合物(I)の微粒子状担体に対する使用量には特に制限はないが、通常微粒子状担体の100重量部に対しイオン性化合物(I)が0.0001〜 1,000,000重量部の範囲である。イオン性化合物(I)の使用量を多くすると、プロピレン重合用触媒の重合活性は向上する傾向にあるが、重合活性と製造コストのバランスを考慮するとイオン性化合物(I)の使用量は微粒子状担体100重量部に対し、好ましくは 0.1〜10,000重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜 1,000重量部の範囲である。
【0033】
このような方法により前記イオン性化合物(I)が微粒子状担体に担持され、本発明の成分(A)を与えることとなる。ここで担持の様式は化学結合によるものと推測されるが、その他の様式、たとえば物理的吸着によるものであってもかまわない。
【0034】
本発明における成分(B)は特定の架橋構造を有するメタロセン化合物であり、少なくともプロピレンとエチレンからなる高分子量の共重合体を得るために必須のものである。
【0035】
一般にプロピレン重合用のメタロセン化合物としては、▲1▼2つのシクロペンタジエニル環構造を有する基がケイ素原子や炭素原子など1つの原子により架橋したもの、あるいは▲2▼エチレン基などの2つの原子により架橋したものが知られている。特に前者▲1▼は後者▲2▼よりも高い立体規則性と高分子量のポリプロピレンを与えるため有用とされている。
【0036】
しかしながら本発明者らの検討の結果、特表平7-501573号公報に記載の助触媒成分と前記▲1▼からなる担持触媒によりプロピレンとエチレンを共重合すると、単独重合した場合に比べ著しく分子量が低下したうえに、重合体が反応器へ付着する場合があることが判明した。一方、前記▲2▼の中でもシクロペンタジエニル環構造を有する基のうち少なくとも一方が、2位に置換基を有するインデニル基であるものを使用した場合は、このような分子量の低下と重合体の反応器への付着を伴うことなく著しく高分子量のプロピレン−エチレン共重合体を得ることが可能となる。
【0037】
以下、本発明で触媒成分で使用する成分(B)について具体的に説明する。
成分(B)は下記の構造を有するメタロセン化合物である。
【化7】
Figure 0003779005
【0038】
一般式(II)中、R5、R6、R7および水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜 20の炭化水素基の中から選ばれ、互いに同一でもよく異なってもよい。さらにはR5、R6、R7、R8の2以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、フェニル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基であり、特に好ましいのは水素原子である。
【0039】
1、Q2はシクロペンタジエニル骨格を有する炭化水素基であり、少なくとも一方は2位に置換基を有する置換インデニル基である。
1、Q2をより具体的に示すと、シクロペンタジエニル基、2−メチルシクロペンタジエニル基、3−メチルシクロペンタジエニル基、2、3−ジメチルシクロペンタジエニル基、2、4−ジメチルシクロペンタジエニル基、2、5−ジメチルシクロペンタジエニル基、3、4−ジメチルシクロペンタジエニル基、2、3、4−トリメチルシクロペンタジエニル基、2、3、5−トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、2−エチルシクロペンタジエニル基、3−エチルシクロペンタジエニル基、2、3−ジエチルシクロペンタジエニル基、2、4−ジエチルシクロペンタジエニル基、2、5−ジエチルシクロペンタジエニル基、3、4−ジエチルシクロペンタジエニル基、2−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3−t−ブチルシクロペンタジエニル基、1−インデニル基、4、5、6、7−テトラヒドロ(1−インデニル)基などが例示される。
【0040】
また2位に置換基を有するインデニル基としては、2−メチル−(1−インデニル)基、2−エチル−(1−インデニル)基、2−n−プロピル−(1−インデニル)基、2−i−プロピル−(1−インデニル)基、2−t−ブチル−(1−インデニル)基、2−メチル−4−i−プロピル−(1−インデニル基)、2−メチル−4−フェニル−(1−インデニル基)、2−メチル−4−(1−ナフチル)−(1−インデニル基)、2,4,7−トリメチル−(1−インデニル基)等が例示される。なお本発明においては9−フルオレニル基や置換基を有する9−フルオレニル基なども2位に置換基を有するインデニル基に包含される。
【0041】
また、M2はチタン、ジルコニウムのいずれかであり、X1およびX2はハロゲ ン原子、水素原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基、炭素数1〜30の炭化水素基の中から選ばれ、互いに同一でもよく異なってもよい。炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、フェニル基等である。
【0042】
一般式(II)で表される化合物をより具体的に示すと、
1,2−ビス[2−メチル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコニウム ジクロライド、
1,2−ビス[2,4,7−トリメチル−(η5−1−インデニル)]エタン ジルコニウムジクロライド、
1,2−ビス[2−エチル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコニウム ジクロライド、
1,2−ビス[2−i−プロピル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコ ニウムジクロライド、
1,2−ビス〔2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)〕ブタンジルコニウムジクロライド、
1,2−ビス[2−メチル−4,5−ベンゾインデニル]エタンジルコニウムジクロライド、
1,2−ビス[2−n−プロピル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコ ニウムジクロライド、
1−(2−メチル−η5−1−インデニル)−2−[2−エチル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコニウムジクロライドなどであり、これらのジルコニウムをチタニウムにかえたもの、塩素原子を他のハロゲン原子や水素原子、アミド基、アルコキシ基、メチル基やベンジル基などの炭化水素基にかえたものも使用可能である。
【0043】
本発明のプロピレン共重合用触媒は、必要に応じ上記以外の成分を使用しても差し支えない。このような成分の例としては有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物などがあげられる。より具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のジアルキルアルミニウムハライドやアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシドあるいはフェノキシド、メチルアルミノキサン、i−ブチルアルミノキサン等のアルミノキサン類、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、ジエチルマグネシウム、ベンジルエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロライド、ジエチル亜鉛などが挙げられる。
【0044】
本発明のプロピレン共重合用触媒は、上記の成分(A)と成分(B)さらには必要に応じその他の成分とを接触させることにより調製される。調製の方法に特に制限は無く、重合を行う反応器に各成分を別々に導入し反応器内で接触させることにより調製してもよいし、予め反応器の外で調製してもよい。
【0045】
上記の成分(A)と成分(B)を重合を行う反応器に別々に導入し反応器内でオレフィン重合用触媒を調製させる場合においては、成分(A)および成分(B)はそのまま導入してもよいが、ヘキサン、ヘプタンやトルエンといった炭化水素溶剤やパラフィン系、ナフテン系あるいは芳香族系のオイル、グリースなどに分散させた状態で導入してもよい。
【0046】
成分(A)と成分(B)を反応器の外で接触させてオレフィン重合用触媒を調製する場合、一般的には有機溶剤中で接触が行われる。ここで有機溶剤としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類やこれらの混合物等が使用可能である。
【0047】
成分(A)と成分(B)を反応器の外で接触させる場合、その温度は使用する有機溶剤やその他の条件を考慮して任意に決定されるが、通常−80℃〜200℃の範囲で行われる。接触温度の好ましい範囲は−50℃〜120℃であり、さらに好ましい範囲は0℃〜100℃である。
【0048】
両成分を上記の有機溶剤中で接触させてオレフィン重合用触媒を調製した後は、そのまま重合を行う反応器に導入してもよく、液相を固液分離や減圧留去等により除去してから導入してもよい。さらにはヘキサンやトルエンなどで洗浄を行った後に投入することも可能である。
成分(A)に対する成分(B)の使用量には特に制限はなく、通常、成分(A)中に含有されるイオン性化合物および/またはその残基1当量に対し成分(B)0.01〜20当量である。好ましくは成分(A)中に含有されるイオン性化合物および/またはその残基1当量に対し、0.05〜10当量であり、さらに好ましくは0.02〜5当量、特に好ましくは 0.1当量〜2当量の範囲である。
【0049】
本発明のプロピレン共重合用触媒は、特にプロピレンとエチレンとの共重合において有効である。すなわち、一般に成分(A)とケイ素原子により架橋されたメタロセン化合物からなる触媒によりプロピレンに少量のエチレンを共重合すると、プロピレンを単独重合した場合に比べ著しく分子量が低下する。しかし本発明においては、特定の固体触媒成分と特定の架橋構造のメタロセン化合物が組み合わされたオレフィン重合触媒を使用するため、分子量低下を引き起こすことなく高分子量のプロピレン−エチレン共重合体を、重合体の反応器への付着を伴わずに製造することができる。
【0050】
次に、本発明のプロピレン共重合用触媒を用いたプロピレン共重合体の製造方法について説明する。
本発明のプロピレン共重合体の製造方法において、その重合方法は特に制限はなく任意の重合方法を選択利用することが可能である。具体的には液体プロピレン中で行う塊状重合、不活性溶剤の存在下に液相中で行う溶液重合やスラリー重合、気相モノマー中で行う気相重合が挙げられる。これらのうち好ましいのは塊状重合および気相重合である。
【0051】
重合温度に特に制限はないが、高分子量の共重合体を粒子状で生産性よく得るためには、通常0℃を超え150℃未満の温度範囲で行われる。重合温度の好ましい範囲は10〜130℃であり、さらに好ましくは25〜95℃であり、特に好ましくは45℃〜85℃である。
【0052】
重合時の圧力は液相中の重合においては常圧〜70kg/cm2、気相中では 常圧〜50kg/cm2の範囲が一般的であり、得ようとするプロピレン共重合 体の性質や、生産性などを考慮して適当な範囲を選択できる。また重合時には、水素の導入や温度、圧力の選定など任意の手段により分子量を調節することができる。
【0053】
本発明により得られるプロピレン共重合体の重量平均分子量は 100,000以上であり、好ましくは 120,000以上、さらに好ましくは 150,000以上である。また本発明で得られるプロピレン共重合体のプロピレン含量は80重量%以上であり、好ましくは90〜99.9重量%、さらに好ましくは95〜99.5重量%である。
本発明の製造方法ではプロピレンおよびエチレンの他に、さらに1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の高級オレフィンを共重合することも可能である。これらの含有量は通常20重量%未満である。さらに本発明の主旨を逸脱しない範囲においてスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物やブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,4−ヘキサジエンなどの共役あるいは非共役ジエンなどを少量を共重合させることも可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明のプロピレン共重合用触媒は、特定の固体触媒成分と特定の架橋構造を有するメタロセン化合物が組み合わされてなるため、高分子量のプロピレン−エチレン共重合体を、重合体の反応器への付着を伴わず良好な粉体性状で与える。
【0055】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。
【0056】
成分(A)の製造
(A−1):
1)イオン性化合物の製造
1−ブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルベンゼン3.85g(1.86mmol)をジエチルエーテル50mlに溶解した。さらに−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液( 1.6mol/l)10.5mlを滴下し、30分間撹拌した。得られた溶液をトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのヘキサン溶液(50mmol/l)200mlに添加し、25℃で20分間撹拌することで、生成物を固体として得た。溶液層を除去後、得られた固体をヘキサンで洗浄し真空乾燥を行った。
【0057】
上記で得られた固体1.66gをテトラヒドロフラン10mlに溶解し−78℃まで冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液( 1.6mol/l) 1.5mlを滴下し45分間撹拌した。この溶液を四塩化ケイ素 2.7mlをテトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液に添加し、25℃で15分間撹拌した。この溶液にヘプタン100mlを加えた後、テトラヒドロフランを留去した。ヘプタン層を除去した残分をヘキサンで洗浄後、真空乾燥した。さらにジクロロメタン50mlを加え不溶分を除去した後、ジクロロメタンを留去することで1.65gの生成物を得た。
【0058】
この生成物1.65gをジクロロメタン30mlに溶解した後、ジメチルアニリニウムクロライド0.31gを添加し、25℃で5分間撹拌した。不溶分を除去後、ジクロロメタンを留去、真空乾燥することでN,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)(p−トリクロロシリルテトラフルオロフェニル)ボラート 1.7gを得た。
【0059】
2)微粒子状担体との接触
ジクロロメタン30mlにシリカ(富士デビソン社製952) 0.5gを加えたスラリーに対し、前記イオン性化合物 0.3gをジクロロメタン6mlに溶解させた溶液を添加した。撹拌下2時間還流させた後、上澄みを除去しジクロロメタンで洗浄し、固体触媒成分(A−1)を得た。
【0060】
(A−2):
(A−1)のイオン性化合物の調製において、四塩化ケイ素の代わりにジメチルジクロロシランを用い、N,N−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニル)〔p−(クロロジメチルシリル)テトラフルオロフェニル〕ボラートを調製したのち、同様に固体触媒成分の調製を行った。
【0061】
成分(B)
(B−1):1,2−ビス〔2−メチル4,5,6,7−テトラヒドロ−(η5−1−インデニル)〕エタンジルコニウムジクロライド、
(B−2):1,2−ビス(η5−9−フルオレニル)エタンジルコニウムジ クロライド、
(B−3):1,2−ビス〔2−メチル−(η5−1−インデニル)〕エタン ジルコニウムジクロライド、
(B−4):1,2−ビス〔2−メチル−4−フェニル−(η5−1−インデ ニル)〕エタンジルコニウムジクロライド、
(B−5):1,2−ビス〔2,4−ジメチル−(η5−1−インデニル)〕 エタンジルコニウムジクロライド。
【0062】
重量平均分子量の測定
試験管に5mlの1,2,4−トリクロロベンゼンを取り、これに試料約 2.5mgを投入した。この試験管に栓をした後、160℃の恒温槽で試料を溶解させた。得られた溶液を焼結フィルターでろ過した後、ろ液をWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置150C(カラム:Shodex AT−806MS,カラム温度140℃,溶媒流量1ml/分)を用いて測定した。
【0063】
プロピレンおよびヘキセン含有量
FT−IRスペクトルを測定した後、組成既知の試料より作成した検量線を用いて算出した。
【0064】
実施例1
1)オレフィン重合用触媒の調製
(B−1)の 0.5mmol/L−トルエン溶液4mlと、 0.5mol/Lのトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す。)トルエン溶液1mlを混合した溶液に上記成分(A−1)を30mg添加し、3分間撹拌しオレフィン重合用触媒のスラリーを得た。
【0065】
2)オレフィンの重合
1.5Lのオートクレーブに 0.2mol/lのn−BuLi−ヘキサン溶液2ml、プロピレン8molを加え50℃に昇温し、エチレンをその分圧が 1.2kg/cm2となるまで導入した。その後、上記オレフィン重合用触媒をオートクレ ーブ中に圧入し、エチレン分圧が前記の値を維持するよう連続的に供給しながら30分間重合を行った。重合活性(g/g-cat・h)、重合体組成、重量平均分子量 、および重合体のオートクレーブへの付着の有無を測定評価した。結果は、第1表に示すようにオートクレーブ内への重合体の付着は見られず、得られたプロピレン共重合体の重量平均分子量は 102,000であった。なお同一条件で得られるプロピレン単独重合体の重量平均分子量を測定したところ65,000であった。
【0066】
実施例2〜10
第1表に記載の条件以外は実施例1と同様に行った。結果を第1表に併せて示す。いずれの場合においてもオートクレーブ内への重合体の付着は見られなかった。なお、実施例6および8で用いたヘキセンはプロピレンと同時に導入した。
【0067】
比較例1
実施例1において(B−1)の代わりに1,2−ビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−η5−1−インデニル)エタンジルコニウムジクロライドを用いた他 は同様に行った。オートクレーブ内への重合体の付着が見られ、得られたプロピレン共重合体の重量平均分子量は29,000であった。また、同一条件で得られるプロピレン単独重合体の重量平均分子量は32,000であった。
【0068】
比較例2
実施例1において(B−1)の代わりにビス〔2−メチル−(η5−1−イン デニル)〕ジメチルシランジルコニウムジクロライドを用いた他は同様に行った。オートクレーブ内への重合体の付着が見られ、得られたプロピレン共重合体の重量平均分子量は95,000であった。また、同一条件で得られるプロピレン単独重合体の重量平均分子量は 213,000であり、共重合により分子量の著しい低下が生じた。
【0069】
比較例3
1)固体触媒成分の調製
ジクロロメタン30mlにシリカ(富士デビソン社製952) 0.5gを加えたスラリーに対し、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート 0.3gをジクロロメタン6mlに溶解させた溶液を添加した。撹拌下2時間還流させた後、上澄みを除去し10mlのトルエンで2回洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0070】
2)オレフィンの重合
実施例1において成分(A)の代わりに上記固体触媒成分を用いた以外は同様に行った。オートクレーブ内に重合体の激しい付着が見られ、得られたプロピレン共重合体は塊状であった。得られたプロピレン共重合体の重量平均分子量は421,000であった。同一条件で得られるプロピレン単独重合体の重量平均分子量は 453,000であった。
【0071】
実施例および比較例の結果を第1表にまとめて示す。
Figure 0003779005
【0072】
Figure 0003779005
【0073】
第1表から、本発明のプロピレン共重合用触媒は特定の固体触媒成分と特定のメタロセン化合物が組み合わされているため、エチレンを共重合しても分子量の低下がなく、重合体の反応器への付着を伴わずに共重合体を高い活性で与えることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプロピレン共重合用触媒調製のフローチャート図。

Claims (8)

  1. 成分(A):下記一般式(I)
    Figure 0003779005
    (式中、M1はホウ素またはアルミニウムであり、
    1、R2およびR3は同一でも異なってもよく、各々炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、フェノキシ基またはハロゲン原子であり、
    4は炭素数1〜20のアルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、アリーレン基、ハロゲン化アリーレン基、シラニレン基、置換シラニレン基、シラアルキレン基、置換シラアルキレン基、オキサシラニレン基、置換オキサシラニレン基またはオキサシラアルキレン基であり、
    Lはシリル基であり、
    Dは1価のカチオンであり、
    a、bおよびcは0または1〜3の整数、dは1〜4の整数であり、かつa+b+c+d=4である。)で表されるイオン性化合物と微粒子担体を接触させて得られる固体触媒成分、および成分(B):下記一般式(II)
    Figure 0003779005
    (式中、R5、R6、R7およびR8は同一でも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、
    1およびQ2はシクロペンタジエニル骨格を有する炭化水素基であって、少なくとも一方は2位に置換基を有する置換インデニル基であり、
    2はチタンまたはジルコニウムであり、
    1およびX2は、同一でも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミド基または炭素数1〜30の炭化水素基である。)の構造を有するメタロセン化合物からなるプロピレン共重合用触媒。
  2. 5、R6、R7およびR8が水素原子である請求項1記載のプロピレン共重合用触媒。
  3. 1、Q2の少なくとも一方が、2位にメチル基またはエチル基を有するインデニル基である請求項1または2記載のプロピレン共重合用触媒。
  4. 1、R2およびR3がペンタフルオロフェニル基である請求項1乃至3のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒。
  5. 4がテトラフルオロフェニレン基である請求項4記載のプロピレン共重合用触媒。
  6. Lがトリクロロシリル基、メチルジクロロシリル基またはジメチルクロロシリル基である請求項1乃至5のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒。
  7. Dがジアルキルアニリニウムイオンである請求項1乃至6のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のプロピレン共重合用触媒の存在下に、プロピレンと少なくともエチレンを共重合させ、プロピレン含量が80重量%以上かつ重量平均分子量が100,000以上の共重合体を得るプロピレン共重合体の製造方法。
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