JP3779450B2 - 直角定規 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば鉄道線路のレール、或いは建築・土木等の構造物における柱・梁等の各種の部材の長手方向と直角となる方向を知るために用いる直角定規に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より例えば建築業界或いは土木業界等では「かね尺」等と呼ばれるL字形の直角定規或いは木材等で大形の直角定規を作り、直角部分の基準として用いている。
また鉄道の分野でも鉄道線路の敷設、保守に際し、レールの長手方向に対する直角方向を調べたいことが多い。その例としては、例えばレールのまくらぎは、レールに対して直角に配置することを原則とする。また左右のレールの継目の位置は急曲線等の特殊な場合を除いて原則として相対位置に配置している。
【0003】
このためにレールに対し直角方向を知るための器具として従来は図12に示すような軌道用直角定規10を使っている。この軌道用直角定規10は一方のレールに係合させる係合辺部材11と、この係合辺部材11から直角方向に突設された主部材12とによって構成され、主部材12を左右のレールに差し渡し、まくらぎとレールの角度が直角であること、或いはレールの継目の差が許容値範囲に入っているか、否か等を測定することに利用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の軌道用直角定規の形状L1 ×L2 は在来線用で、50cm×136cm,新幹線用で120cm×165cmと大きく、作業現場まで線路脇を持って歩くことは負担が大きい。
この発明の目的は形状が小さく、持ち運びが容易で、しかも直角の位置を精度よく測定することができる直角定規を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1では、直角方向を規定すべき対象物に対して2点で係合し、この2点の係合により上記対象物の長手方向と平行に係合させるための第1の係合片を具備した第1の基台と、
この第1の基台に装着され、第1の係合片を結ぶ線に対して直角方向にレーザ光を発射するレーザ光源と、
このレーザ光源の出射部分に設けられ、レーザ光に直角位置を表示させる位置表示手段と、
によって直角定規を構成したものである。
【0006】
この発明の請求項2では第1の基台の上側に第2の基台を設け、第1の基台と第2の基台のいずれでも対象物に平行に係合できるように構成し、レーザ光源の支持面を表裏反転させることにより、レーザ光源の取付位置にずれが有るか否かを判定できるようにした直角定規を提案する。
この発明の請求項3では、請求項1または2記載の直角定規のいずれかにおいては、第1の基台の両端側に鉛直方向に螺合した調整ネジと、係合片を結ぶ線と平行する方向の傾斜を表示する水準器とを設け、この調整ネジによって基台の載置姿勢を水平姿勢に設定することができる直角定規を提案するものである。
【0007】
この発明による直角定規によれば、レール間に差し渡す部材が必要なく、直角方向を規定すべき対象物に平行な姿勢に係合する基台が大凡の形状を決定し、小形に作ることができる。しかもレーザ光によって直角方向の位置を指示する構成としたから、直角方向の位置を正確に測定することができる。
また、この発明の請求項2で提案する直角定規によれば、対象物に対してレーザ光源の支持面を表裏反転させて係合させることができるから、レーザ光源の取付位置のずれを実用中でも検査することができる。従って、レーザ光源の取付位置のずれを簡単に検査できるから、取付位置にずれがある状態で測定するような不都合を回避することができる。
【0008】
更に、この発明の請求項3で提案する直角定規によれば、レール等の対象物に対する載置姿勢を水平状態に設定することができる。この結果、傾斜姿勢のまま測定した場合に発生する測定誤差を除去することができ、この点でも測定精度を向上できる利点が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4にこの発明による直角定規の一実施例を示す。図中20は第1の基台を示す。この第1の基台20は長方形の金属板で構成され、その上面側にレーザ光源21が基台20の長手方向と直交する向きに装着される。22はレーザ光源21に電力を供給する電池の収納ボックスを示す。この電池収納ボックス22に電源スイッチ23が取付けられ、この電源スイッチ23をオン、オフ操作することにより、レーザ光源21を点灯状態と消灯状態に制御する。
【0010】
第1の基台20の裏側には第1の基台20の長手方向の軸線を対象物30の長手方向と平行する姿勢に係合させるための第1の係合片24Aを突設する。図の例では、第1の基台20として第1の基台20を構成する板と、この板からL字状に折曲形成した折曲片20Aを具備したアルミの押出型材を用いた場合を示す。第1の係合片24AはL字状に折り曲げられた折曲片20Aの内側に絶縁片25Aを被着させ、この絶縁片25Aと折曲片20Aとによって第1の係合片24Aを構成した場合を示す。絶縁片25Aは折曲片20Aの両端(第1の基台20の長手方向の両端)に装着し、第1の基台20の長手方向において2点で対象物30に係合させる。これと共に第1の基台20の裏側の面の両端にも絶縁片25B,25Cを装着し、この絶縁片25B,25Cによって第1の基台20を対象物30に対して絶縁して係合させると共に、図4に示すように対象物30に対してA,B,Cの3点で接触させるように構成している。
【0011】
折曲片20Aの外側の面にはレーザ光の発射位置を中心位置とする目盛板ME(図2,図3参照)を装着し、この目盛板MEの目盛によってレーザ光が照射された位置と、レーザ光の発射側の対象物30に印した基準位置のズレ量等を測定できるようにしている。
第1の基台20の上面側に第2の基台26を設ける。この第2の基台26は、第1の基台20の板面からレーザ光源21及び電池収納ボックス22と後述する調整ネジ27等の突出量より高い位置に絶縁片25B,25Cを配置して構成される。図1に示す例では金属ブロック28と、この金属ブロック28の上面に被着した絶縁片25B,25Cとによって第2の基台26を構成した場合を示す。
【0012】
第2の基台26に対して第2の係合片24Bを設ける。この第2の係合片24Bは金属の折曲片20Bと、この折曲片20Bの内側の面に被着した絶縁片25Aとによって構成した場合を示す。
この第2の基台26によってレーザ光源21を図4に示すように表裏を反転させて対象物30に係合させることができるように構成する。
【0013】
調整ネジ27は第1の基台20に対して垂直方向に螺合し、そのネジ込量によって先端を対象物30に当接させ、第1の基台20をその長手方向の姿勢を水平な姿勢に設定できるように調整するために設けられる。29は水平姿勢に設定するための水準器を示す。
レーザ光源21の出射端には対象物30の軸線と直角位置を表すための位置表示手段21Aを設ける。この位置表示手段21Aとしては、例えば図5に示すようにレーザ光をシリンドリカルレンズCDLに通し、シリンドリカルレンズCDLによってレーザ光を線状に拡散させ、レーザ光が描く表示線LIN(図1参照)によって直角位置を表示させるように構成した場合を示す。図5ではレーザ光の全てをシリンドリカルレンズCDLに透過させた場合を示したが、図6に示すようにレーザ光の約半分をシリンドリカルレンズCDLに透過させ、その他は直接対象物に照射させるように構成してもよい。このように構成することによりレーザ光の半分が線状に拡散され、残りが直行するから、図7に示すように表示線LINの中にレーザ光の中心がスポットSPとして表示される。従って、周囲が比較的明るい場所でもスポットSPによって表示位置を確認することができる。
【0014】
上述したように、図1乃至図4に示した実施例によればレーザ光を直角方向に照射し、レーザ光の照射点により対象物30の特定位置から直角方向に曲がった位置を特定するから、対象物30からレーザ光の至逹距離の間の関係で大きい形状の直角形を規定することができる。よって直角形を大きい距離で規定するから、その精度を高くできる利点が得られる。
【0015】
また、大きい距離の間で直角形を規定できるにも係わらず、装置の形状は第1の基台20の形状でおさまる。このため全体の形状は小さくて済む。よって小形でしかも軽量化された測定精度が高い直角定規を提供することができる。
更に、上述の実施例では調整ネジ27を設けた構造とし、この調整ネジ27によって第1の基台20の長手方向の傾斜を水平な姿勢に設定できる構造としたから傾斜した対象物30に係合させても、第1の基台20を水平姿勢に設定できるからレーザ光によって表示する表示線LINを鉛直に表示させることができる利点が得られる。
【0016】
図8乃至図11はこの発明の他の実施例を示す。この実施例ではレーザ光源21を第1の基台20及び第2の基台26の外側に装着した場合を示す。つまり、図8に示すように、第1の基台20及び第2の基台26はL字状断面を持つアルミの押出型材によって構成することができる。第1の基台20と第2の基台26の板面を対接させて結合させ、各折曲片20Aと20Bに絶縁片25Aを被着して第1の係合片24Aと第2の係合片24Bを構成する。
【0017】
第1の基台20と第2の基台26にはマグネットチャック40を装着し、マグネットチャック40によって対象物30に磁気的に吸着させる。第1の基台20と第2の基台26の双方に切欠を設け、この切欠部分に電池収納ボックス22を格納する。つまり、切欠部分に電池収納ボックス22を格納することにより、電池収納ボックス22の突出量を小さくし、マグネットチャック40の高さの範囲内に電池収納ボックス22を格納するように構成したものである。
【0018】
折曲片20Aの外側の面に棚板41を突設し、この棚板41にレーザ光源支持板42を回動自在に装着し、レーザ光源21の回動姿勢を調整できるように構成し、図1乃至図4に示した実施例で用いた調整ネジ27を省略した場合を示す。つまり、レーザ光源支持板42はその一端側において軸43によって棚板41に回動自在に装着する。他端側にバネ43と調整ネジ44を設ける。調整ネジ44はレーザ光源支持板42に対して貫孔で係合し、棚板41に対してはネジ孔で螺合する。バネ43は棚板41とレーザ光源支持板42との間に反発力を与え、調整ネジ44を回動させることにより、レーザ光源21の姿勢を軸43を中心とする円に沿って回動させ、レーザ光が表示する表示線LINの向きを鉛直姿勢に微調整できるように構成する。
【0019】
45は絶縁材を示す。この絶縁材45によって第1の基台20及び第2の基台26を長手方向に関して絶縁分離し、マグネットチャック40が直接対象物30に接触しても、第1の基台20と第2の基台26によってマグネットチャック40の相互の間でも電気的にシートされないように構成した場合を示す。つまり、対象物30が鉄道用のレールの場合、レールの継目部分で信号回路が分離されている部分に係合させても、信号回路を誤動作させることを阻止する構造としたものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によればレーザ光源21の取付姿勢を各一対の第1の係合片24Aを結ぶ線と、レーザ光の光軸が直角の関係となるように配置し、更に各一対の第2の係合片24Bの相互を結ぶ線と、レーザ光が直角となる向きにレーザ光源21を装着したから、第1の係合片24Aに対象物30を係合させレーザ光源21を発光動作させることにより、直角の向きにレーザ光が照射され、レーザ光の照射位置によって直角位置を表示させることができる。
【0021】
従って、鉄道用のレールに適用した場合には、一方のレールと他方のレールに部材を差し渡さなくても、一方のレールの特定位置を通る直角位置を他方のレールに表示させることができる。よって、例えばまくらぎがレールに対して直角に設置しているか否か、或いはレールの継目が揃っているか否か等を検査することができる。
【0022】
ここで特に第1の基台20及び第2の基台26は長手方向の寸法を例えば30cm弱、短辺方向の寸法を8cm弱程度に作ることができるから形状は小さく、また重量も軽く作ることができるため持ち運びが容易となる利点が得られる。
また、この発明ではレーザ光源21を挟んで表と裏に第1の基台20と、その第2の基台26を設け、これら第1の基台20と第2の基台26によって対象物に係合できる構成としたから、第1の基台20を対象物30に係合させた状態と、第2の基台26を対象物30に係合させた状態でレーザ光の照射位置が変化した場合にはレーザ光源21の向きが狂っていることが解る。従って、表と裏で同一位置を表示するようにレーザ光源21の位置を調整することにより容易にレーザ光源21の取付位置を正しい位置に設定することができる。よって高価な校正器具を用いることなく、レーザ光源の位置を正しい位置に校正することができる利点が得られる。
【0023】
また、この発明ではレーザ光を線状に拡散させて位置を表示させる構造としたから、表示が見やすくなる利点が得られる。更に、レーザ光をシリンドリカルレンズCDLに対して約半分を透過させ、他の半分を直行させた場合には直線状の表示線LINに加えてスポット部分SPが表示されるから、表示線LINの位置が見付易くなり、使い勝手のよい直角定規を提供することができる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示した実施例の平面図。
【図3】図1に示した実施例の背面図。
【図4】図1に示した実施例の側面図。
【図5】図1に示した実施例に用いる位置表示手段の一例を説明するための図。
【図6】図1に示した実施例に用いる位置表示手段の他の例を説明するための図。
【図7】図6に示した位置表示手段によって表示される表示の例を示す図。
【図8】この発明の変形実施例を説明するための側面図。
【図9】図8の正面図。
【図10】図8の平面図。
【図11】図8の背面図。
【図12】従来の技術を説明するための斜視図。
Claims (3)
- A.直角方向を規定すべき対象物に対して2点で係合し、この2点の係合により上記対象物の長手方向と平行に係合させるための第1の係合片を具備した第1の基台と、
B.この第1の基台に装着され、上記第1の係合片を結ぶ線に対して直角方向にレーザ光を発射するレーザ光源と、
C.このレーザ光源の出射部分に設けられ、上記レーザ光に直角位置を表示させる位置表示手段と、
によって構成したことを特徴とする直角定規。 - 請求項1記載の直角定規において、上記第1の基台の上面側にも第2の基台を設け、これら第1の基台及び第2の基台を対象物に係合させることにより、上記レーザ光源の支持面を表裏反転させることにより、上記レーザ光源の取付位置にずれが有るか、否かを判定できるように構成したことを特徴とする直角定規。
- 請求項1また2記載の直角定規のいずれかにおいて、上記第1の基台の両端側において鉛直方向に螺合した調整ネジと、上記第1の基台の長手方向の傾斜を表示する水準器とを設け、上記調整ネジによって上記第1の基台の載置姿勢を水平姿勢に設定できる構成としたことを特徴とする直角定規。
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