JP3780308B2 - 擁壁用コンクリートパネル及び擁壁構造 - Google Patents

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本発明は、コンクリート擁壁の法面に用いられる擁壁用コンクリートパネル及びこれを使用した擁壁構造に関する。
土留め壁や護岸壁などのコンクリート擁壁はコンクリート面をそのまま露出する工法が一般的であったが、近年は周囲の自然景観に溶け込むような壁面部材を擁壁の表面側に設けた擁壁構造が提案されている。
例えば、壁面部材が間伐丸太材であるコンクリート擁壁構造(例えば、特許文献1参照)がある。
この場合の間伐丸太材は多数の金具による現場組み立てで型枠に形成されるものであるため作業コストが嵩むものである。
また、コンクリート擁壁ではないが盛土による築堤の法面に、間伐材から形成した壁面部材を設けた法面形成型枠及び法面形成方法(例えば、特許文献2参照)がある。
この場合の壁面部材も間伐材を1本ずつ現場で組み立て形成するため作業コストが嵩むものである。
特開平8−246481号公報 特開2001−059222号公報
本発明は、多種類の接合金具を使用することなく、間伐材によって所要単位面積の擁壁用コンクリートパネルを工場生産し、これを提供することによって、現場での擁壁構築の型枠形成の省力化を達成すること、及び前記擁壁用コンクリートパネルを用いた擁壁構造を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明の擁壁用コンクリートパネルは、間伐材を半割りした大径幅部と、該大径幅部と平行に円弧部を切除して形成した小径幅部とを縦方向の二側面とし、残りの横方向の一側面には突起が切削加工され、他側面に前記突起を嵌入する溝が切削加工されてなる厚板を形成し、該厚板の各突起が各溝に嵌入されて所要枚数の厚板を縦方向に積み重ねてなるパネル本体と、該パネル本体の背面側に間伐材を半割りした補強棒材を前記厚板に直交して接合するに当って、前記パネル本体の最上端の厚板の上面から下がった段差となる係合雌部と、前記パネル本体の最下端に前記係合雌部に嵌合するように厚板の下面から下がった突部となる係合雄部とを形成するように接合してなるものである。
さらに、前記厚板の大径幅部には長手方向に沿って細長溝部を形成してなるものである。
本発明の擁壁構造は、前記擁壁用コンクリートパネルが、型枠の一部としてコンクリートの壁体表面に接合金具を介して接合残置されてなるものである。
本発明の擁壁用コンクリートパネルによれば、工場生産で木材の伝統的な接合技法で強固に接合した所要単位面積の壁板として提供され、擁壁を構築したときには二側面を平行とした厚板の重ね合わせによってコンクリート打設時の生コンクリートの流出がなくなる効果がある。
また、南洋材を主としたコンクリートパネルは地球の環境悪化につながっているので、杉の間伐材を利用した本発明の擁壁用コンクリートパネルが普及するようになれば地球環境を守る上で非常に大きな効果をもたらす。
本発明の擁壁構造は、木材の持つ温もりで自然景観に溶け込み、年月の経過とともに苔や草木が根付き一層自然環境に調和する自然美が醸成され、また数年後に残置型枠が脱落してもコンクリート表面に凹凸が形成されているので草木が根付き緑化が醸成される。
本発明の一実施例を図面に基づいて説明すると、擁壁用コンクリートパネルaの概略は図1乃至図3に示すように、間伐材を切削加工した厚板3を上下方向に接続して所要単位面積に形成したパネル本体1と間伐材を半割りした補強棒材2とを接合してなり、前記補強棒材2を厚板3の長手方向に直交してパネル本体1に釘打ち固定するに当って、図4に示すように、前記補強棒材2の上端をパネル本体1より所要分下げて段差となる係合雌部14を形成し、前記補強棒材2の下端を係合雌部14に係合するようパネル本体1の下縁より下げて突部となる係合雄部15を形成している。
図2に示すように、前記補強棒材2は、パネル本体1の背面側にほぼ等間隔で釘13やビスなどで接合される。
擁壁用コンクリートパネルは、短手幅寸法が900mm、長手方向全長が1800mm、係合雌部の寸法は突起の基部から30mm、係合雄部はこの30mmより僅かに短尺に作製されるが、必ずしもこの大きさとは限らない。
この擁壁用コンクリートパネルは工場等で作製され、作業現場で所定枚数を係合雌部14と係合雄部15とを嵌合させて型枠に組立形成される。
擁壁用コンクリートパネルの使用姿勢は、長手方向を横向きにするを通常とするが、短手幅方向を横向きに使用しても擁壁に添設する限りにおいては強度上何ら制限されない。
次に、パネル本体1の製作方法を説明すると、図5に示すように、間伐材を半割りした間伐材の直径面の大径幅部4と、該大径幅部4と平行に断面半円形の円弧部5を切除した小径幅部6とを二側面とした厚板本体(所謂太鼓落し材)7を作り、残りの横方向の一側面には断面矩形の突起8を切削加工し、他側面には突起8を嵌入する溝9を切削加工している。
なお、突起8及び溝9は、不連続や連続しているものが含まれる。
図4に示すように、パネル本体1は、所要枚数の厚板3をそれぞれ所要寸法に長手方向両端が揃えられ幅方向が整列された姿勢で、上位の厚板3の溝9に下位の厚板3の突起8が嵌入されて順次に積み重ねられてさねはぎ形成される。
そして、補強棒材2は、図2、3に示すように、間伐材を半割りした断面半円形の分割面12で、パネル本体1の小径幅部6の形成面に釘13やビスなどで接合される。
擁壁の構築は、擁壁用コンクリートパネルaを予定するコンクリート壁の厚さ分の間隔をとって建て、その擁壁用コンクリートパネルaの左右横方向では隣り合う該擁壁用コンクリートパネルaの各厚板3の端面を突き合わせ、必要があれば突き合わせ面に裏側から縦に目ふさぎ板(図外)を打ち当て、上下方向では上へ重ねて構築される。
このようにしてなる擁壁用コンクリートパネルaは、図6に示すように、上位の補強棒材2の係合雄部15を下位の補強棒材2の係合雌部14に挿し込み表枠板16を形成させる。
なお、型枠Uの内面側には合板による裏枠板17が配設され、表枠板16は所定の法面勾配が接合金具18と前後に組み立てられた縦パイプ19と横パイプ20による枠体に連結金具21を介して固定される。
このようにしてなる擁壁構築内にコンクリート22が打設され養生硬化後、接合金具18から連結金具21が外され、縦パイプ19、横パイプ20と裏枠板17が取り外され、埋め殺し状態の接合金具18の表面側では擁壁用コンクリートパネルaからなる表枠板16がボルト(接合金具の受口の仕様によってはナットによることもある。)で接合されてコンクリートの壁体表面23に残置されて擁壁構造Aの擁壁が構築され、裏面側の型枠解体後に盛土されて擁壁が完成する。
なお、擁壁構築型枠Uを解体せずに埋め殺すことがある。
次に、本発明の他の実施例を図面に基づいて説明すると、擁壁用コンクリートパネルbの概略は図7乃至図9に示すように、前述と同様に、長手方向に沿って細長溝部24を形成してなる厚板3を上下方向に接続して所要単位面積に形成したパネル本体1と間伐材を半割りした補強棒材2とを接合してなり、前記補強棒材2を厚板3の長手方向に直交してパネル本体1に釘打ち固定するに当って、図10に示すように、前記補強棒材2の上端をパネル本体1より所要分下げて段差となる係合雌部14を形成し、前記補強棒材2の下端を係合雌部14に係合するようパネル本体1の下縁より下げて突部となる係合雄部15を形成している。
図8、9に示すように、前記補強棒材2はパネル本体1の右端に横連結用の雌部10を形成するために、前記補強棒材2の半部が突出するように釘13やビスなどで接合され、反対側の前記パネル本体1の左端は前記雌部10に嵌合する雄部11となる平坦部である。
次に、パネル本体1の製作方法を説明すると、図11に示すように、間伐材を半割りした間伐材の直径面の大径幅部4と、該大径幅部4と平行に断面半円形の円弧部5を切除した小径幅部6とを二側面とした厚板本体(所謂太鼓落し材)7を作り、さらに前記大径幅部4の長手方向に沿って1条ないし2条の細長溝部24を形成し、残りの横方向の一側面には断面矩形の突起8を切削加工し、他側面には突起8を嵌入する溝9を切削加工している。
なお、突起8及び溝9は、不連続や連続しているものが含まれる。
図10に示すように、パネル本体1は、所要枚数の厚板3をそれぞれ所要寸法に長手方向両端が揃えられ幅方向が整列された姿勢で、上位の厚板3の溝9に下位の厚板3の突起8が嵌入されて順次に積み重ねられてさねはぎ形成される。
そして、補強棒材2は、図8、9に示すように、間伐材を半割りした断面半円形の分割面12で、パネル本体1の小径幅部6の形成面に釘13やビスなどで接合される。
擁壁用コンクリートパネルbは、図12に示すように、上位の補強棒材2の係合雄部15を下位の補強棒材2の係合雌部14に挿し込み表枠板16を形成させる。
このようにしてなる擁壁構築内にコンクリート22が打設され養生硬化後、接合金具18から連結金具21が外され、縦パイプ19、横パイプ20と裏枠板17が取り外され、埋め殺し状態の接合金具18の表面側では擁壁用コンクリートパネルbからなる表枠板16がボルト又はナットで接合されてコンクリートの壁体表面23に残置されて擁壁構造Bの擁壁が構築され、裏面側の型枠解体後に盛土されて擁壁が完成する。
なお、擁壁構築型枠Uを解体せずに埋め殺すことがある。
このようにパネル本体1に細長溝部24を設けることにより、擁壁用コンクリートパネルが風化してもコンクリート表面に凹凸が形成されているので、数年後に残置型枠が脱落しても草木が根付き緑化が醸成される。
このほか、前記細長溝部24に代えて、パネル本体1の小径幅部6側を前面側とし大径幅部4側を背面側として、厚板3と厚板3との間の三角形隙間を利用してコンクリート擁壁に三角形凸条を形成することも可能である。
本発明の擁壁構造は、擁壁の表裏両面に擁壁用コンクリートパネルを添設したものも提供される。
使用対象を広くして盛土による築堤の法面にも使用できるほか、既設のコンクリート水路壁面や、防雪防風用の柵としても利用できる。
間伐材から切削して形成した厚板の突起が、選択される間伐材の材径によって一体形成が難しいときは、両側面に溝を掘り一方の溝にやといざねによる突起(図外)を設け、厚板の相互をやといざねはぎとして接合することがある。
本発明に係る擁壁用コンクリートパネルaの斜視図である。 本発明に係る擁壁用コンクリートパネルaの背面図である。 本発明に係る擁壁用コンクリートパネルaの平面図である。 図2のP−P矢視拡大断面図である。 厚板の成形説明用拡大縦断面図である。 本発明に係る擁壁構造Aの説明用縦断面図である。 本発明に係る他の擁壁用コンクリートパネルbの斜視図である。 本発明に係る他の擁壁用コンクリートパネルbの背面図である。 本発明に係る他の擁壁用コンクリートパネルbの平面図である。 図8のP−P矢視拡大断面図である。 厚板の成形説明用拡大縦断面図である。 本発明に係る他の擁壁構造Bの説明用縦断面図である。
符号の説明
1 パネル本体
2 補強棒材
3 厚板
4 大径幅部
5 円弧部
6 小径幅部
7 厚板本体
8 突起
9 溝
10 雌部
11 雄部
12 分割面
13 釘
14 係合雌部
15 係合雄部
16 表枠板
17 裏枠板
18 接合金具
19 縦パイプ
20 横パイプ
21 連結金具
22 コンクリート
23 壁体表面
a、b 擁壁用コンクリートパネル
A、B 擁壁構造
U 擁壁構築型枠


Claims (3)

  1. 間伐材を半割りした大径幅部と、該大径幅部と平行に円弧部を切除して形成した小径幅部とを縦方向の二側面とし、残りの横方向の一側面には突起が切削加工され、他側面に前記突起を嵌入する溝が切削加工されてなる厚板を形成し、該厚板の各突起が各溝に嵌入されて所要枚数の厚板を縦方向に積み重ねてなるパネル本体と、該パネル本体の背面側に間伐材を半割りした補強棒材を前記厚板に直交して接合するに当って、前記パネル本体の最上端の厚板の上面から下がった段差となる係合雌部と、前記パネル本体の最下端に前記係合雌部に嵌合するように厚板の下面から下がった突部となる係合雄部とを形成するように接合してなることを特徴とする擁壁用コンクリートパネル。
  2. 前記厚板の大径幅部には長手方向に沿って細長溝部を形成してなることを特徴とする請求項1記載の擁壁用コンクリートパネル。
  3. 請求項1又は2記載の擁壁用コンクリートパネルが、型枠の一部としてコンクリートの壁体表面に接合金具を介して接合残置されてなることを特徴とする擁壁構造。

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