JP3780930B2 - 基地局データ中継装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基地局と無線通信により接続して広域ネットワークとデータ通信を行う端末局と広域ネットワークとの間でデータ通信の中継を行うデータ中継装置に関するもので、インターネットにおける移動体とサーバとのデータ通信に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の端末局を利用してインターネット等の広域ネットワークに接続するという、移動体データ通信が広く利用されるようになっている。これは、端末局が無線によって基地局と接続し、基地局が属するセグメントを経由して広域ネットワークとデータ通信を行うことにより実現される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、端末局は広域ネットワークとデータ通信を行うため、基地局が属するセグメントに割り当てられたアドレス空間の中から1つのアドレスを自己のアドレスとして使用する。このアドレス空間はセグメント毎に違ったものが割り当てられているので、端末局が移動して通信する基地局が変わったとき、新しい基地局が以前の基地局とは別のセグメントに属していれば、それまで使っていたアドレスを自己のものとして使用することができなくなり、新たな基地局のセグメントに割り当てられたアドレス空間の中から1つを使用することになる。
【0004】
このように移動によって端末局のアドレスが変化してしまうと、広域ネットワーク上で端末局と通信を行うサーバは端末局の同一性を確認することができなくなり、そのままでは通信が途絶してしまう。
【0005】
この通信の途絶を回避する従来技術としてmobileIPがある。これは、端末局が通常接続しているセグメント内におけるホームアドレスを有しており、このセグメントから別のセグメントへ端末局が移ったときも、データ通信における端末局への下りデータはホームアドレス宛てに送られ、これをホームエージェントと呼ばれるホストが端末局に転送することにより通信の途絶を回避し、確実なデータ通信を実現するという通信技術である。
【0006】
しかしこの技術では、端末局が通常接続するネットワークアドレスを離れた場合に、下りデータの配送経路が遠回りなものとなってしまい、通信の効率が良くないという問題がある。また、ホームエージェントの様な特別な機器を設置する必要があるという点でネットワークの構成が複雑になるという問題もある。
【0007】
本発明はこの問題に鑑みて、効率よく、簡単な構成で確実な通信を行うことができるような端末局によるデータ通信を実現することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するするため、請求項1に記載の基地局データ中継装置は、データ通信の中継を行うデータ中継装置と通信データを目的地に配送するための情報である経路情報をやりとりする基地局データ中継装置であって、基地局と無線通信により接続し、基地局の属する基地局セグメントを介して広域ネットワーク上のサーバとデータ通信を行い、このデータ通信において接続する基地局セグメントが変化すると変わるアドレスである一時端末アドレスと、接続する基地局セグメントが変わっても不変なアドレスである端末固有アドレスとを自己内のアドレスとしている端末局が、接続先を配下の基地局からそれ以外の基地局に移して前記一時端末アドレスを変えると、端末局への経路が接続先を移す前の一時端末アドレス経由であるとする経路情報を保持する端末局管理テーブルと、前記接続先を移した後に届いた前記端末局宛ての通信データを、前記端末局管理テーブルに保持された経路情報を元に、この端末局の最新の一時端末アドレスに転送する手段と、前記接続先を移してから所定期間後に前記経路情報を前記端末局管理テーブルから削除する手段と、を有することを特徴としている。
【0016】
このような基地局データ中継装置によって、端末局への経路情報が広域ネットワーク上のデータ中継装置に確実に伝わり、また、経路情報が広域ネットワークに十分行き渡るまでに時間がかかったとしても、古い経路情報を所定の期間残し、過去の接続先の基地局データ中継装置に届いた通信データは新しい接続先の一時端末アドレスに転送するので、通信データが不達となることを防止でき、通信の途絶を抑制することができる。
【0017】
なお、基地局データ中継装置という名称は、基地局を配下とするデータ中継装置という意味合いを起源とするものである。
【0018】
また、請求項2に記載の発明は、請求項5に記載の基地局データ中継装置の一例として、配下の基地局と、2つ以下のセグメントを介して接続していることを特徴としている。
【0019】
このように基地局と基地局データ中継装置との間にあるセグメントが2つ以下のように少なければ、セグメント間を中継するデータ中継装置の数も少なく済み、基地局−基地局データ中継装置間のネットワーク構成が簡単になり、端末局と基地局データ中継装置との間の経路情報のやりとりも迅速になる。
【0020】
請求項3では、通信データを最新の一時端末アドレスへ転送する手段の一例として、通信データの宛先アドレスを書き換えて送出するトンネリングを用いることを特徴としている。
【0021】
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基地局データ中継装置において、前記端末局管理テーブルは、過去に配下となっていた端末局と、その配下となっていた直前にこの端末局が配下となっていた先の基地局データ中継装置と、の対応を前記経路情報として保持するものであり、さらに当該基地局データ中継装置は、新たな端末局が配下となると、端末局管理テーブルにこの端末局と、この端末局が直前に配下となっていた先の別の基地局データ中継装置と、の対応を書き込み、別の基地局データ中継装置に対して、端末局が新たに配下となる先の基地局データ中継装置を通知する端末局移動通知を行う手段と、他の基地局データ中継装置から端末局移動通知を受けると、端末局管理テーブル中で配下となる先を移した端末局に対応した基地局データ中継装置に対して端末局移動通知を送信する手段と、を有することを特徴としている。
【0022】
このような端末局管理テーブルを基地局データ中継装置が有し、それに基づいて端末局移動通知を送信することは、過去に端末局を配下としていた基地局データ中継装置が、この端末局の最新の接続先を知るための1つの実現手段であり、これによって確実に新しい接続先への転送が行われる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の基地局データ中継装置において、端末局管理テーブルには、過去に配下となっていた端末局について、この端末局が配下となって以降配下となる先の基地局データ中継装置を変えた回数である端末移動回数が記録されており、上述した所定の期間は、この端末移動回数が既定値以上となるまでの期間であることを特徴としている。
【0024】
このようにすることで、一定以上に古い経路情報は消去することによって、新しい経路情報がより有効となるようにすることができ、転送による迂回を抑制することができ、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0025】
また、請求項6に記載の発明においては、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基地局データ中継装置において、端末固有アドレスへの経路を示す経路情報に経路の優先度を示す優先経路情報含める手段を有し、広域ネットワーク上のデータ中継装置において、端末局への経路が過去の一時端末アドレスを経由するためのものであるとする旧経路情報と、新たな一時端末アドレスを経由するためのものであるとする新経路情報とが混在するときに、最適経路を検索する手段を有するデータ中継装置が優先経路情報に基づいて新経路情報の示す経路を優先的に選択するように優先経路情報を作成する手段を有することを特徴としている。
【0026】
このような優先経路情報により、古い経路情報と新しい経路情報が混在しても新しい経路情報が選択されるので、転送による迂回経路での通信の頻度が下がり、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0027】
この優先経路情報の一例として、請求項7に記載の発明では、広域ネットワーク上のデータ中継装置に伝える旧経路情報の有する優先経路情報を、自身から最新の一時端末アドレスまでの経路中に通過するデータ中継装置の数に基づいた値とする手段を有することを特徴としている。
【0028】
このようにすることで、広域ネットワーク上のデータ中継装置において、旧経路情報の示す端末局への優先経路情報が、過去に配下となっていた基地局データ中継装置を経由して新たな一時端末アドレスに届くときに通過するデータ中継装置の数に基づく値であると判断されることにより、直接新たな一時端末アドレスに届く場合の経路がより選択されるようになる。
【0029】
またこの優先経路情報の別の例として請求項8では、広域ネットワーク上のデータ中継装置に伝える旧経路情報の有する優先経路情報を、端末移動回数に基づいた値とする手段を有することを特徴としている。
【0030】
これによると、その経路情報が過去のものになるほど選択されにくい優先経路情報を持つことになり、それゆえ新経路情報がより選択されるようになる。
【0031】
また、請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の基地局データ中継装置において、異なる通信システムに対応する複数の基地局を配下とすることを特徴としている。
【0032】
このような異なる通信システムを切り替えて端末局が接続することにより、都合の良い通信システムを適宜利用することができるようになり、データ通信の効率が向上することになる。
【0033】
また、請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の基地局データ中継装置において、異なる2つの通信システムにおいて、より狭いセルを形成する通信システムに対応するナロー基地局のセルの配置は、より広いセルを形成する通信システムに対応するワイド基地局のセルの2つが重なった部分を1つまたは複数のナロー基地局のセルが覆うことを特徴としている。
【0034】
これにより、より広いセルすなわち広域セルの間で異なるシステムに対応する2つの無線ネットワークインターフェースを有する端末局が接続先を切り替えてハンドオーバーを行う場合、端末局がより狭いセルすなわち狭域セルと接続を維持しながら広域セルの切り替えを行うことができるので、いわゆるソフトハンドオーバーを実現することができ、データ通信が途切れることなく確実にハンドオーバーを行うことができる。
【0035】
なお本明細書において広域ネットワークとは、基地局データ中継装置とサーバとの間で取りうる経路中のセグメントの集合体であるとする。
【0036】
また、基地局データ中継装置の配下の基地局とは、広域ネットワークとデータ通信をするときにこの基地局データ中継装置を介することが必要な基地局のことであるとし、同時にこの基地局と接続している端末局もこの基地局データ中継装置の配下にあるとする。加えて、基地局データ中継装置と配下の基地局との間にあるセグメントはこの基地局データ中継装置の配下のセグメントであるとする。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態におけるデータ通信ネットワークの構成の概略を示す。本実施形態においては、インターネット2上にサーバ3および基地局ゲートウエイBR1、BR2、…BRn(以下BRxと記す)が接続されており、この基地局ゲートウエイBRxの中継により、基地局セグメントB.1、B.2、…、B.n(以下B.xと記す)に属する基地局AP1、AP2、…、APn(以下APxと記す)は、インターネット2とデータ通信できるようになっている。移動することのできる端末局1は、その所在地において通信可能な基地局APxのいずれか1つと無線通信によって接続し、その基地局APxをアクセスポイントとして基地局セグメントB.xに接続し、その基地局セグメントB.xに接続している基地局ゲートウエイBRxの配下となり、この基地局ゲートウエイBRxとインターネット2とを介してサーバ3と通信を行うことができるようになっている。
【0038】
インターネット2はセグメントの集合体であり、それぞれのセグメント間の通信データの配送のためのプロトコルとしてはIP(Internet Protocol)が使用されている。
【0039】
端末局1は、基地局APxと無線通信をするための無線機TD1と、端末局1内のセグメントである図示しない端末セグメントC.1と、この端末セグメントC.1に属するアプリケーション11と、端末セグメントC.1と無線機TD1との間でデータ通信の中継を行う端末ルータCR1と、から成る。
【0040】
無線機TD1は、基地局APxと無線通信を行う際に、DHCPとよばれるIPアドレス付与手続きによって一時端末IPアドレスが付与されるようになっている。この一時端末IPアドレスは、端末局1が接続する基地局セグメントB.x内においてのみ使用可能なIPアドレスであるので、接続する基地局セグメントB.xが変われば変化することになる。
【0041】
端末セグメントC.1においては、端末局1が接続する基地局セグメントB.xを変えても変化しないIPアドレスの集合である端末固有IPアドレス群が使用可能であり、そのうちの1つがアプリケーション11のIPアドレスとして割り当てられている。アプリケーション11はこのIPアドレスを使用してサーバ3と通信データのやりとりを行う。
【0042】
この端末セグメントC.1と無線機TD1の間でデータ通信の中継を行う端末ルータCR1は、その中継のため、端末セグメントC.1側のネットワークインターフェースであるデバイスdev_cと、無線機TD1の別名であるデバイスdev_aとを使用し、それぞれの側のセグメントと通信データの授受を行う。
【0043】
また、この端末ルータCR1は、通信データが目的地に届くよう配送するための経路情報をルーティングテーブルという形で有し、無線通信している基地局APxが属する基地局セグメントB.xに接続する基地局ゲートウエイBRxとやりとりをしている。
【0044】
このルーティングテーブルは、複数のエントリから成り、各エントリは目的地のセグメントと、そのセグメントに通信データを届けるために最初に通過するルータやゲートウエイ等のデータ中継装置と、通信データ配送のために使用するネットワークインターフェースと、経路の優先度を示すメトリック値との4項組から成り、このルーティングテーブルのエントリに基づいて端末ルータCR1や他のデータ中継装置はデータ配送の経路を決定する。ルーティングテーブルの具体例と、端末局1の移動に伴う更新の詳細については後述する。
【0045】
基地局ゲートウエイBRxはインターネット2と基地局セグメントB.xとの間でデータ通信の中継を行うものである。その中継のため、基地局ゲートウエイBRxのインターネット2側とセグメントB.x側とにはそれぞれネットワークインターフェースとしてデバイスdev0とデバイスdev1があり、これを使用して基地局ゲートウエイBRxはそれぞれの側と通信データの授受を行う。
【0046】
また、本実施形態では基地局ゲートウエイBRxは上記したDHCPによるアドレス付与手続を行うDHCPサーバを兼ねており、接続してくる端末局1に対して基地局セグメントB.x内で使用可能な一時端末IPアドレスを付与する。
【0047】
また、基地局ゲートウエイBRxは、自分が接続する基地局セグメントB.xに過去に接続したことのある端末局1の端末局セグメントC.1と、その端末局1がこの基地局セグメントB.xに接続する直前に配下となっていた基地局ゲートウエイBRxすなわち前回のゲートウエイと、この端末局1がこの基地局セグメントB.xに最後に接続して以降接続先の基地局セグメントB.xを変えた回数である端末移動回数と、の対応を1エントリとして保存するための端末局管理テーブルを有している。複数の端末局1のエントリが記録されている端末局管理テーブルの例を図2に示す。各行が各エントリに対応している。
【0048】
この端末局管理テーブルに記録されている端末局1が現時点で他の基地局ゲートウエイBRxの配下にある場合、さらに移動して別の基地局ゲートウエイBRxの配下となると、移動した旨の通知が上記端末局管理テーブル中の過去の基地局ゲートウエイBRxの記載を辿って順々に過去の基地局にバケツリレー的に渡されていくことになる。そして通知を受けた基地局ゲートウエイBRxは、該当するエントリーの移動回数を1つ増やす。また端末局管理テーブルのエントリ中で端末移動回数が所定数以上になったものについてはこのエントリを消去する。
【0049】
基地局ゲートウエイBRxがこの端末局管理テーブルのエントリを追加、変更、削除し、他の基地局ゲートウエイBRxに移動を通知する手続きの詳細は以下の通りである。
【0050】
端末局管理テーブルにC.1のエントリを持たない基地局ゲートウエイBRxに端末局1が電源オンなどによって最初に配下となった場合は、基地局ゲートウエイBRxは端末局管理テーブルにC.1のエントリを追加し、前回のゲートウエイの項目は空とし、移動回数は初期値とする。
【0051】
また、端末局管理テーブルにC.1のエントリを持たない基地局ゲートウエイBRxに端末局1が別の基地局ゲートウエイBRxから移動してきた場合は、基地局ゲートウエイBRxは端末管理テーブル端末局管理テーブルにC.1のエントリを追加し、前回の基地局ゲートウエイBRxの項目にはこの別の基地局ゲートウエイBRxを記載し、移動回数は初期値とする。そしてこの別の基地局ゲートウエイBRxに移動を通知する。
【0052】
また、端末局管理テーブルにC.1のエントリを持ち、現在配下に端末局1がいない基地局ゲートウエイBRxが端末局1の移動の通知を受けたときは、端末局管理テーブルの対応するエントリの移動回数を1つ増やし、前回のゲートウエイの項目にあるゲートウエイBRxに移動を通知する。なお、移動回数が既定の値に達した場合はC.1のエントリを削除する。
【0053】
また、端末局管理テーブルにC.1のエントリを持ち、現在配下に端末局1がいない基地局ゲートウエイBRxに端末局1が別の基地局ゲートウエイBRxから再び移動してきて配下となった場合、端末局管理テーブルの対応するエントリの移動回数の項目を初期に戻し、前回のゲートウエイの項目はこの別の基地局ゲートウエイBRxとし、この別の基地局ゲートウエイBRxに移動を通知する。
【0054】
また、端末局管理テーブルにC.1のエントリを持ち、現在配下に端末局1がいない基地局ゲートウエイBRxに端末局1が電源オンなどにより再び接続して配下となった場合、端末局管理テーブルの対応するエントリの移動回数の項目を初期値に戻し、前回のゲートウエイの項目は変更せず、この項目に記載された基地局ゲートウエイBRxに移動を通知する。
【0055】
また、現在配下に端末局1がいる基地局ゲートウエイBRxに他の基地局ゲートウエイBRxから端末局1の移動の通知が届いた場合、すなわち例えば端末局1が3つの基地局ゲートウエイBRxを巡回するように移動して移動の通知の経路がループ状になっている場合は、端末局管理テーブルに対して変更を施さず、移動の通知も送らない。
【0056】
また基地局ゲートウエイBRxは、自分が接続する基地局セグメントB.xに過去に接続していた端末局1の端末セグメントC.1宛の通信データがインターネット2から届けられると、この端末局1がそのとき接続している基地局セグメントB.xにおける無線機TD1の新しい一時端末IPアドレス宛に宛先を書き換えて送る。また、別の基地局ゲートウエイBRxからこのように宛先を書き換えて送られてきた通信データを、自分と同一の基地局セグメントB.xに接続している、通信データの本来の宛先である端末セグメントC.1に宛先を書き換えて届ける。この手続きはトンネリングと呼ばれている。
【0057】
さらにこの基地局ゲートウエイBRxは、通信データが目的地に届くよう配送するための経路情報をルーティングテーブルとして有し、インターネット2上のルータとの間でやりとりするという、いわゆるダイナミックルーティングを行う。
【0058】
ここで、データ中継装置が扱う経路情報について説明する。この経路情報をデータ中継装置間でやりとりする手続きとしては、例えばインターネット2上で広く使用されているダイナミックルーティングであるRIP(Routing Information Protocol)等を利用する。これらにおいては、インターネット上の各セグメント間を中継するルータやゲートウエイ等のデータ中継装置は経路情報を保持するためのルーティングテーブルを有し、このルーティングテーブルの情報を近隣のルータと交換することにより常に最新の経路情報を得る。
【0059】
このルーティングテーブルの構造を図3に示す。図3(a)は、端末局1の電源がオンとなった直後に基地局AP1と接続しているときの基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末ルータCR1とのルーティングテーブルであり、図3(b)は、端末局1が接続先を基地局AP2に変えたときの基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末ルータCR1とのルーティングテーブルである。
【0060】
これらルーティングテーブルの各行が1組の経路を示すエントリとなっており、各エントリはそれぞれネットワーク部と、ゲートウエイ部と、デバイス部と、メトリック部とから成っている。
【0061】
ネットワーク部には通信データ配送の目的地のセグメント名が格納され、ゲートウエイ部にはこの目的地のセグメントに配送するために通信データを次に渡すべき近隣のデータ中継装置のアドレスが格納され、デバイス部にはそのデータ中継装置に通信データを渡すために使用すべきネットワークインターフェースの名前が格納されており、メトリック部にはデータ中継装置が最適経路検索アルゴリズムにより適切な経路を選択するための基準となるメトリック値が格納される。
【0062】
メトリック値の具体例としては、通信データが目的ネットワークに到達するまでにいくつのデータ中継装置を通過するかを示すホップ数がある。原則的にはこのメトリック値が小さいほどデータ通信のための経路長が短く、適切な経路であるとされる。本実施形態においても、端末セグメントC.1への経路を示すエントリ以外は、特に記載のない限りメトリック値としてはこのホップ数を使用する。端末セグメントC.1への経路を示すエントリのメトリック値については後述する。
【0063】
1つのエントリ中に格納されている情報の対応関係は、格納されている情報がネットワーク部:X、ゲートウエイ部:XR、デバイス部:devX、メトリック部:MXとなっていれば、セグメントXに通信データを送るためには、まずデバイスdevXを介してデータ中継装置XRにデータを送らなければならず、この経路のメトリック値はMXであるということになる。このようにして近隣のデータ中継装置に送られた通信データは、そのデータ中継装置が有するルーティングテーブルに記載された次に渡すべきデータ中継装置にまた配送され、これを繰り返すことにより最終的に目的地へ配送されることとなる。
【0064】
ここで、図3(a)に示した基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルを例にとって具体的に説明する。このルーティングテーブルの最初の行のエントリは基地局セグメントB.1に配送するための経路情報である。基地局ゲートウエイBR1は図1に示したようにデバイスdev1によって直接基地局セグメントB.1に接続しているので、通信データを送るためにはデバイスdev1から送出するだけでよく、他のデータ中継装置に渡す必要はない。このことから、このエントリのゲートウエイ部は空となっており、デバイス部はdev1となり、メトリック部はゼロとなっている。
【0065】
ルーティングテーブルの2行目のエントリは端末セグメントC.1、すなわち端末局1へ通信データを送るための経路情報である。端末セグメントC.1には最終的には端末ルータCR1を介して通信データを送らねばならないが、ここでは端末局1は無線機TD1によって基地局AP1と接続しており、基地局ゲートウエイBR1と端末ルータCR1とは互いに近隣にあるので、BR1からの通信データはデバイスdev1を使用して端末ルータCR1に渡せばよい。従って、このエントリのゲートウエイ部はCR1が、デバイス部はdev1となっている。メトリック部については、基地局セグメントB.1に端末局1が接続している限り、端末ルータCR1を通過するという意味で1とする。
【0066】
この端末ルータCR1に関するエントリは端末局1がこの基地局AP1に接続したときに追加され、その後移動して接続する基地局セグメントB.xを変えてから所定期間後に削除することになっているが、この所定期間とは、本実施形態においては端末局1のエントリが追加されてからこの端末局1が接続する基地局セグメントを変えた回数が所定数になるまでの期間としている。所定数になったか否かの判定は、基地局ゲートウエイBRxが有する端末局管理テーブルのエントリ中に記載された端末移動回数に基づいて行うことができる。
【0067】
なお、このエントリ中のCR1とは、より具体的には端末ルータCR1が使用している無線機TD1に付与される一時端末アドレスである。
【0068】
ルーティングテーブルの3行目のエントリはネットワーク部がdefaultとなっている。これは、ルーティングテーブル中の他のエントリのネットワーク部に記載されていない全てのセグメントに送るためのものである。基地局ゲートウエイBR1は2つのネットワークインターフェースとしてデバイスdev0とデバイスdev1とを使用するが、デバイスdev1の先にあるセグメントはこの場合基地局セグメントB.1と端末セグメントC.1だけなので、それ以外のセグメントへは全てdev0を介して行われる。これらのセグメントへ送るために最初に渡す近隣のデータ中継装置としては、インターネット2上の図1には図示していない上位ゲートウエイNR1としている。従って、このエントリのゲートウエイ部はNR1、デバイス部はdev0となっている。また、ネットワーク部がdefaultとなっている場合は、通信データの配送路中で目的地のセグメントへの経路が明確になるまでメトリック値を決めることは不可能なので、配送中に経路が明確となってでメトリック値が与えられる時点までの暫定的な値という意味合いで、ゼロとする。
【0069】
また、基地局ゲートウエイBRxのルーティングテーブルはインターネット2上の上位のデータ中継装置との経路情報のやりとりによって順次伝わってゆき、それによってインターネット2上のネットワーク機器が目的地へ宛てた通信データは正しく配送されることになる。この経路情報のやりとりにおいては、メトリック値はそのまま伝わるのではなく、例えばインターネット2上でセグメントC.1への経路情報をルーティングテーブルのエントリーとして有しているデータ中継装置においては、そのエントリのメトリック値は、
《このデータ中継装置から基地局ゲートウエイBR1までのホップ数+1》
となっている。
【0070】
以上のような経路情報のやりとりにおいて各データ中継装置が使用するルーティングテーブルを端末ルータCR1、基地局ゲートウエイBRxが有しており、端末局1の移動に基づいて適宜ルーティングテーブルを更新すると、その経路情報がインターネット2上のデータ中継装置に伝わることで、端末セグメントC.1への正しい経路情報が保たれることになる。以下これを具体的に説明する。
【0071】
まず、端末局1が基地局AP1と通信可能な範囲内で電源オンとなってデータ通信を開始し、その後通信相手を基地局AP2に接続する場合に、基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末ルータCR1とのルーティングテーブルがどのように変化するかを図3に沿って説明する。
【0072】
端末局1が基地局AP1と通信可能な範囲内で電源オンとなり、データ通信が始まって以降の基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末局1とのルーティングテーブルは図3(a)の様になっている。
【0073】
このときのBR1のルーティングテーブルの内容は上記した通りである。すなわち、基地局セグメントB.1へはデバイスdev1を使用して直接通信データを送り、端末セグメントC.1へはデバイスdev1を使用してまず端末ルータCR1に通信データを送り、それ以外へはデバイスdev0を使用してまず上位ゲートウエイNR1に送るようにルーティングテーブルが構成されている。
【0074】
基地局BR2においては、基地局セグメントB.2へはデバイスdev1を使用して直接通信データを送り、それ以外へはデバイスdev0を使用してまず基地局ゲートウエイBR2の近隣の上位ゲートウエイNR2(図1において図示せず)に送るようにルーティングテーブルが構成されている。このように基地局ゲートウエイBR2のルーティングテーブルが有しているエントリは、基地局ゲートウエイBR1とは異なり自身が接続しているセグメントB.2とそれ以外という2つの目的地へのものだけとなっているが、これは端末局1が基地局AP2に接続していないことの表れである。
【0075】
端末局1は、デバイスdev_aすなわち無線機TD1によって基地局セグメントB.1に、デバイスdev_cによって端末セグメントC.1に接続していることにより、ルーティングテーブルとしては基地局セグメントB.1へはデバイスdev_aを使用して直接通信データを送り、端末セグメントC.1へはデバイスdev_cを使用して直接通信データを送り、それ以外へはデバイスdev_aを使用してまず基地局ゲートウエイBR1に送るように構成されている。セグメントB.1への経路は端末ルータCR1を通過するので、セグメントB.1のエントリはメトリック値が1となる。
【0076】
また、基地局ゲートウエイBRxのルーティングテーブルはインターネット2上の上位のデータ中継装置との経路情報のやりとりによって伝わっている。
【0077】
その後、端末局1が接続先を基地局AP1からAP2に移してデータ通信を開始して以降の基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末局1とのルーティングテーブルは図3(b)の様になっている。これらのルーティングテーブルにおいて、端末局1の移動前と移動後で変化した部分についてのみ説明する。
【0078】
まず端末ルータCR1では、無線機TD1の接続先が基地局セグメントB.2に変わったことから、セグメントB.1のエントリが無くなり、デバイスdev_aを使って直接セグメントB.2へ配送するエントリが新たに追加され、defaultのエントリはまずデバイスdev_aを使って基地局ゲートウエイBR2に送るように書き換えられている。
【0079】
また端末局1が移動した先の基地局ゲートウエイBR2では、新たに端末セグメントC.1のエントリが追加されている。このエントリのゲートウエイ部は基地局ゲートウエイBR2に付与された無線機TD1の一時端末IPアドレスとしてCR1となり、デバイス部とメトリック部とは図3(a)の基地局ゲートウエイBR1の場合と同様dev1と1である。このルーティングテーブルが順次インターネット2上のデータ中継装置に伝わっていくことで、セグメントC.1の端末固有IPアドレス群が変わることなく新たなデータ通信の経路が確立される。
【0080】
ただし、この更新された経路情報がインターネット2上に十分行き渡るまでには時間がかかることがあるので、古い経路情報によって端末セグメントC.1宛の通信データが基地局ゲートウエイBR1に配送される場合がある。このときのための対処として、基地局ゲートウエイBR1がその配送された通信データの宛先アドレスを付け替えて無線機TD1の新しい一時端末IPアドレス宛に転送し、更に基地局ゲートウエイBR2で宛先アドレスの付け替えを行って端末セグメントC.1に届けるトンネリングを行う。この基地局ゲートウエイBR1から上位セグメント、インターネット、基地局ゲートウエイBR2を介して端末局1へとトンネリングを行う経路と、その際の基地局ゲートウエイBR1と基地局ゲートウエイBR2とで行われるアドレスの付け替えについては、図4のネットワークの構成図中に示している。この図4中でB.2.1とあるのは、無線機TD1の新しい一時端末IPアドレスである。
【0081】
また、新しい経路情報が十分行き渡る前に古い経路情報が消えてしまうと、通信データは配送先を判断することができなくなり、最終的には不達となってしまう。これを回避するために、新しい経路情報が行き渡るまでは少なくともトンネリングによる古い経路を使って迂回した経路で通信データが届くようにする。
【0082】
このために、基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルは、接続していた端末局1が別の基地局セグメントB.xに移動しても、それまで持っていた端末セグメントC.1のエントリを先に説明したように所定期間が経過するまで削除しない。この端末セグメントC.1のエントリ中のゲートウエイ部は、端末局1が基地局AP1に接続していたときの無線機TD1の一時端末アドレスであるという意味でexCR1としている。また、デバイス部はデバイスdev1となる。
【0083】
ただし、このゲートウエイ部とデバイス部とは、基地局ゲートウエイBR1と基地局ゲートウエイBR2とが同一の上位セグメントに接続している場合は別のものにしてもよい。基地局ゲートウエイBR1と基地局ゲートウエイBR2とが同一の上位セグメントと接続している場合のネットワークの構成を図5に示した。この場合は、他のデータ中継装置を介さず、端末局1が接続してすぐにルーティングテーブルが更新されるBR2に直接データを転送することができるので、このゲートウェイ部を基地局ゲートウエイBR2のIPアドレス、デバイス部をデバイスdev0とすれば、トンネリングを行わずとも確実に端末セグメントC.1に通信データを届けることが可能となる。
【0084】
また、上述のように所定の期間古い経路情報を消さないので、インターネット2上では古い経路情報すなわち旧経路情報と新しい経路情報すなわち新経路情報とが混在することがある。この際に、インターネット2上のデータ中継装置に新しい経路をより適切な経路であるとして選択させるために、古い経路のメトリック値がより大きくなるよう基地局ゲートウエイBR1におけるルーティングテーブルのセグメントC.1ヘのエントリのメトリック値を書き換える。
【0085】
具体的なメトリック値としては、基地局ゲートウエイBR1から新しい端末局1の端末セグメントC.1までの実際のホップ数でもよい。この場合は、サーバ3からトンネリングによって基地局BR1を経由する迂回路の実際のホップ数がメトリック値となるので、サーバ3から直接新しい経路で届く場合よりもメトリック値が大きくなる場合が多い。
【0086】
あるいは端末局管理テーブルのように、端末局1が基地局セグメントB.1に接続してからの端末移動回数としてもよい。この場合は、端末局1が基地局セグメントB.xを移動する度にメトリック値が1増えるので、より古い経路ほどより選択されにくくなる。さらに、端末局1の端末移動回数がメトリック値によってわかるので、この値をエントリ削除のための所定の期間の判定に使用することもでき、その場合は端末局管理テーブルに端末局1の端末移動回数を記録する必要がなくなる。
【0087】
以上のようなルーティングテーブルの更新がどのようなタイミングでどのような手続きで行われるかを具体的に示したものが図6である。この図に沿って端末局1が基地局AP1に接続してから基地局AP2に接続先を移すまでの端末局1、基地局AP1、基地局ゲートウエイBR1、基地局AP2、基地局ゲートウエイBR2、サーバ3の間で行われる信号のやり取りとそれに基づいた処理について説明する。
【0088】
まず、基地局AP1と通信が可能なエリアで端末局1の電源をオンとして使用可能にすると、基地局AP1が使用可能であることを無線機TD1が端末ルータCR1に通知し、無線通信が開始される。通知を受けた端末ルータCR1は、無線機TD1と基地局AP1とを介して基地局ゲートウエイBR1に対して無線機TD1の一時端末IPアドレスの付与を要求する。これに応じて、基地局ゲートウエイBR1は付与するIPアドレスと自分のIPアドレスとを端末ルータCR1に通知し、無線機TD1にIPアドレスがセットされる。
【0089】
そして、端末ルータCR1は自己のルーティングテーブルを更新し、基地局AP1を使用することを宣言して端末セグメントC.1の使用する端末固有IPアドレス群を基地局ゲートウエイBR1に通知する。これに基づいて基地局ゲートウエイBR1は自己のルーティングテーブルを更新し、端末局管理テーブルにセグメントC.1のエントリを追加する。ただし、この端末局1は最初に基地局BR1に接続したので、過去の接続先の情報は無しとする。
【0090】
この時点で、上記したルーティングテーブルは図3(a)で示した通りになっている。
【0091】
基地局ゲートウエイBR1によって更新されたルーティングテーブルの経路情報は、ダイナミックルーティングによってインターネット2上のデータ中継装置に順次伝わり、これによって端末局1のアプリケーション11はインターネット2上のサーバ3と通信を行うことができるようになる。
【0092】
その後、端末局1が移動し、基地局AP1と基地局AP2の双方と通信可能なエリアに入ったとする。このとき、基地局AP2が使用可能であることを無線機TD1が端末ルータCR1に通知し、端末ルータCR1は、現在接続している基地局セグメントB.1から基地局ゲートウエイBR1を介して基地局ゲートウエイBR2に対して無線機TD1の新たな一時端末IPアドレスを要求する。これに応じて、基地局ゲートウエイBR2は付与するIPアドレスと自分のIPアドレスとを端末ルータCR1に通知し、無線機TD1にIPアドレスがセットされる。
【0093】
そして、端末ルータCR1は自己のルーティングテーブルを更新し、基地局AP2を使用することを宣言して端末セグメントC.1の使用する端末固有IPアドレス群を基地局ゲートウエイBR2に通知する。このとき、基地局ゲートウエイBR2は自己のルーティングテーブルを更新し、端末局管理テーブルにセグメントC.1のエントリを追加する。この場合は、セグメントC.1と対応して記録されるのは基地局ゲートウエイBR1となる。これに引き続き基地局ゲートウエイBR2はこの基地局ゲートウエイBR1に対して端末局1の新たな接続先としての新しい一時端末IPアドレスまたは基地局ゲートウエイBR2のIPアドレスを知らせるための端末局移動通知を行う。
【0094】
この通知に基づき、基地局ゲートウエイBR1は自己のルーティングテーブルを更新し、さらに端末局管理テーブルのセグメントC.1のエントリに記録された端末移動回数を1増やす。もし、この端末移動回数が既定値に到達していれば、この端末局1が接続してきた時に追加したセグメントC.1への経路を示すエントリを自己のルーティングテーブルから削除する。また、もし端末局管理テーブル中のこの端末局1のエントリに前回の基地局ゲートウエイBRxが記載されていれば、その基地局ゲートウエイBRxにもルーティング変更指令を送信する。
【0095】
なお、もし端末局1が基地局AP2に接続する時点で基地局ゲートウエイBR2が既に端末局1のセグメントC.1のエントリを持っていれば、基地局ゲートウエイBR2は端末局管理テーブルのセグメントC.1のエントリの移動回数の項を初期値に戻す。
【0096】
この時点で、上記したルーティングテーブルは図3(b)で示した通りになっている。
【0097】
このようにして、端末局1の移動の手続きが完了し、基地局AP2、基地局ゲートウエイBR2を介したデータ通信を行うことができるようになる。
【0098】
以上の通り、端末局1が接続先の基地局セグメントを変えても、基地局ゲートウエイBRxと端末ルータCR1とが自己のルーティングテーブルを更新し、新しい経路情報がインターネット2に伝わることにより、アプリケーション11等の端末セグメントC.1に属するものは不変な端末固有アドレス群を常に使用してデータ通信を行うことができるので、通信が途絶することがない。
【0099】
また、端末局1が移動してもすぐに古い経路情報を削除せず、所定の期間残してトンネリングを行うことで、インターネット2に新しい経路情報が十分行き渡るまでの間のデータ通信の途絶を防ぐことができる。また、インターネット2上に古い経路情報と新しい経路情報とが混在するときは、古い経路情報のメトリック値を変化させることで、新しい経路がより適切であるとデータ中継装置が判定するようになり、古い迂回経路よりも新しい経路を使用する頻度が高くなり、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0100】
また、端末局管理テーブルあるいはルーティングテーブルにおいて端末移動回数が既定値となると、古い経路情報を削除することにより、いつまでも古い経路情報が残ることを防ぐことができ、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0101】
また、端末局1と基地局ゲートウエイBRx以外に特別な構成を必要としないので、簡単な構成で以上のような効果を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、図7に本発明の第2実施形態におけるデータ通信ネットワークの構成の概略を示す。本実施形態では、端末局1が2つの無線機TDa−1と無線機TDb−1とを有し、通信状態に基づいてそれらのいずれか一方を使用してデータ通信を行う場合について説明する。
【0102】
なお本実施形態においては、基地局APx、基地局セグメントB.x、基地局ゲートウエイBRx、インターネット2、サーバ3の構成、機能については第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略するものとする。また、端末局1についても、第1実施形態と同一または均等の構成、機能を有する部分についての説明は省略するものとする。
【0103】
端末局1は上述した基地局APxと無線通信によって接続するための無線機TDa−1と無線機TDb−1以外には、端末局1内のセグメントである図示しない端末セグメントC.1と、この端末セグメントC.1に属するアプリケーション11と、データ通信の中継を行う端末ルータCR1と、から成る。アプリケーション11と、端末ルータCR1と、端末セグメントC.1との間の接続関係は第1実施形態と同様である。無線機TDa−1、無線機TDb−1はそれぞれ独立にCR1と接続している。
【0104】
また、無線機TDa−1と無線機TDb−1とは、基地局APxと無線通信を行う際に、DHCPによって一時端末IPアドレスが付与されるようになっている。この一時端末IPアドレスは、それぞれの無線機が接続する基地局セグメントB.x内においてのみ使用可能なIPアドレスであるので、接続する基地局セグメントB.xが変われば変化することになる。
【0105】
端末セグメントC.1においては、端末局1が接続する基地局セグメントB.xを変えても変化しないIPアドレスの集合である端末固有IPアドレス群が使用可能であり、そのうちの1つがアプリケーション11のIPアドレスとして割り当てられている。アプリケーション11はこのIPアドレスを使用してサーバ3と通信データのやりとりを行う。
【0106】
この端末セグメントC.1と、無線機TDa−1あるいは無線機TDb−1と、の間でデータ通信の中継を行う端末ルータCR1は、その中継のため、端末セグメントC.1側のネットワークインターフェースであるデバイスdev_cと、無線機TDa−1の別名であるデバイスdev_aと、無線機TDb−1の別名であるデバイスdev_bとを使用し、それぞれの側のセグメントと通信データの授受を行う。
【0107】
また、この端末ルータCR1は、第1実施形態と同様のルーティングテーブルを有する。
【0108】
以上の様な構成の端末局1がデータ通信を行う際には、無線機TDa−1と無線機TDb−1の通信状況としては、端末局1が1つの基地局APxの通信エリア内にあり、どちらか一方が基地局APxと無線通信している状況と、両方がそれぞれ別の基地局APxと無線通信可能となっている状況が考えられる。このことを利用することによって、端末局1が移動して接続する基地局APxを変えるハンドオーバー時の通信の途絶を抑制することが可能となる。
【0109】
その具体的な例として、ここでは端末局1が基地局AP1と通信できる範囲である基地局AP1のサービスエリアで電源がオンとなってデータ通信を開始し、その後基地局AP1と基地局AP2の双方のサービスエリア内となる領域に入り、最終的に基地局AP2のみのサービスエリア内に入るプロセスにおけるこの端末局1の通信状況の変化に基づくデータ通信の切り替えについて、基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末ルータCR1とのルーティングテーブルの変化を示しながら説明していく。
【0110】
まず、端末局1が基地局AP1のサービスエリアで電源がオンとなってデータ通信を開始したときは、これらのルーティングテーブルは図3(a)に示したものと同じとなる。この経路情報がインターネット2に伝わることで、アプリケーション11は無線機TDa−1と基地局ゲートウエイBR1とを介してインターネットとデータ通信できる。このとき、無線機TDb−1はどの基地局とも無線通信を行っていない。
【0111】
次に、端末局1が基地局AP1と基地局AP2の双方のサービスエリア内となる領域に入ったときは、無線機TDb−1が基地局AP2と接続手続きを行い、それによって端末ルータCR1のルーティングテーブルに基地局セグメントB.2のエントリが追加される。このエントリは、基地局セグメントB.2へはデバイスdev_bすなわち無線機TDb−1から直接送るという経路情報となる。基地局ゲートウエイBR1と基地局ゲートウエイBR2のルーティングテーブルには変化はない。
【0112】
このときの基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、端末ルータCR1と、のルーティングテーブルを図8に示す。無線機TDb−1が基地局AP2と接続しているにもかかわらず、基地局ゲートウエイBR2のルーティングテーブルに変更がないのは、まだこの接続を使用してデータ通信を行わないからである。
【0113】
その後、端末局1が更に移動して基地局AP2のみのサービスエリア内に入ると、無線機TDa−1が使用不可となるが、既に接続手続きが完了しているTDb−1で直ちにデータ通信を開始することができる。このときのルーティングテーブルは、図3(b)に示したものと同じとなる。ただし、CR1のdev_aはdev_bと読み替えるものとする。すなわち、基地局ゲートウエイBR2においては、端末セグメントC.1へはデバイスdev1を使用してまず端末ルータCR1に渡すというエントリが加わり、端末ルータCR1においては、基地局セグメントB.1のエントリが削除される。
【0114】
また、基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルにおいては、第1実施形態での説明と同様の目的で、すなわち通信データの不達を防止するために所定期間が経過するまでは端末セグメントC.1のエントリは削除されない。
【0115】
以上のようなルーティングテーブルの書き換えのタイミングや他の処理について、この端末局1と基地局AP1と、基地局AP2と、基地局ゲートウエイBR1と、基地局ゲートウエイBR2と、サーバ3との間でやり取りする信号の流れを示した図9に沿って説明する。ただし、第1実施形態の説明で用いる図6と同一または均等の部分については説明を省略または簡略化する。
【0116】
まず、端末局1が基地局AP1のサービスエリアで電源がオンとなってデータ通信を開始するときは、図6において無線機TD1を無線機TDa−1と読み替えた場合と全く同じである。これによってアプリケーション11は無線機TDa−1と基地局ゲートウエイBR1とを介してサーバ3とデータ通信を行うことができる。この時点でルーティングテーブルは図3(a)の様になっている。
【0117】
次に、端末局1が基地局AP1と基地局AP2の双方のサービスエリア内となる領域に入ったときは、無線機TDb−1から端末ルータCR1に基地局AP2使用可能の通知が入り、端末ルータCR1はそれを受けて基地局AP2に接続し、基地局ルータBR2よりTDb−1より一時端末IPアドレスの付与を要求し、それに応じて基地局ルータはBR2のIPアドレス通知とTDb−1の一時端末IPアドレスの付与を行う。この時点で接続手続きが完了し、各ルーティングテーブルは図8に示した様になっている。すなわち、端末ルータCR1のルーティングテーブルに基地局セグメントB.1のエントリが新たに加わる。
【0118】
その後、端末局1が更に移動して基地局AP2のみのサービスエリア内に入ると、無線機TDa−1は基地局AP1が通信不可になったことを端末ルータCR1に通知し、それを受けた端末ルータCR1は基地局AP2の使用を宣言し、基地局ゲートウエイBR2に端末セグメントC.1と無線機TDb−1の一時端末アドレスとを通知する。これを受けた基地局ゲートウエイBR2は自己のルーティングテーブルを更新し、端末局管理テーブルにセグメントC.1のエントリを追加する。この場合は、セグメントC.1と対応して前回の基地局ゲートウエイBRxとして記録されるのは基地局ゲートウエイBR1となる。これに引き続き基地局ゲートウエイBR2はこの基地局ゲートウエイBR1に対して端末局1の新たな接続先としての新しい一時端末IPアドレスまたは基地局ゲートウエイBR2のIPアドレスを知らせるための端末局移動通知を行う。
【0119】
この通知に基づき、基地局ゲートウエイBR1は自己のルーティングテーブルを更新し、さらに端末局管理テーブルのセグメントC.1のエントリに記録された端末移動回数を1増やす。もし、この端末移動回数が既定値に到達していれば、この端末局1が接続してきた時に追加したセグメントC.1への経路を示すエントリを自己のルーティングテーブルから削除する。また、もし端末局管理テーブル中のこの端末局1のエントリに前回の基地局ゲートウエイBRxが記載されていれば、その基地局ゲートウエイBRxにもルーティング変更指令を送信する。
【0120】
この時点で、上記したルーティングテーブルは図3(b)においてdev_aをdev_bに読み替えたものになっている。
【0121】
このようにして、端末局1の移動の手続きが完了し、無線機TDb−1、基地局AP2、基地局ゲートウエイBR2を介したデータ通信を行うことができるようになる。
【0122】
なお、データ通信を無線機TDa−1から無線機TDb−1へ切り替えるタイミングについては、必ずしも無線機TDa−1が使用不可になった時でなくともよい。すなわち、端末局1が基地局1のサービスエリアを出る前に無線機TDb−1への切り替えを行ってもよい。例えば、基地局AP1よりも基地局AP2の方が通信状態が良好となった時に切り替えることもできる。このように、TDa−1が使用不可となる前に切り替えた場合は、切り替えた直後の端末ルータCR1のルーティングテーブルには、基地局セグメントB.1のエントリが残っている。このときの端末ルータCR1のルーティングテーブルを図10に示す。
【0123】
以上の通り、端末局1が接続先の基地局セグメントを変えても、基地局ゲートウエイBRxと端末ルータCR1とが自己のルーティングテーブルを更新し、新しい経路情報がインターネット2に伝わることにより、アプリケーション11等の端末セグメントC.1に属するものは不変な端末固有アドレス群を常に使用してデータ通信を行うことができるので、通信が途絶することがない。また、端末局1が移動してもすぐに古い経路情報を削除せず、所定期間残してトンネリングを行うことで、インターネット2に新しい経路情報が十分行き渡るまでの間のデータ通信の途絶を防ぐことができる。また、インターネット2上に古い経路情報と新しい経路情報とが混在するときは、古い経路情報のメトリック値を変化させることで、新しい経路がより適切であるとデータ中継装置が判定するようになり、古い迂回経路よりも新しい経路を使用する頻度が高くなり、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0124】
また、端末局管理テーブルあるいはルーティングテーブルにおいて端末移動回数が既定値となると、古い経路情報を削除することにより、いつまでも古い経路情報が残ることを防ぐことができ、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0125】
また、端末局1と基地局ゲートウエイBRx以外に特別な構成を必要としないので、簡単な構成で以上のような効果を実現することができる。
【0126】
さらに、第2実施形態特有の効果として、複数の無線機を用意し、接続する基地局APxの移動の際に片方の無線機がデータ通信をしているときに、もう一方の無線機で次の基地局APxとの接続を行うことにより、ハンドオーバー時の通信途絶の抑制に繋がる。
【0127】
(第3実施形態)
次に、図11に本発明の第3実施形態におけるデータ通信ネットワークの構成の概略を示す。本実施形態では、端末局1が2つの無線機を有し、それぞれが別々のシステムに対応したネットワークに接続してデータ通信を行うことができるような場合において、端末局1の移動によってデータ通信の途絶が起こらないようなシステムについて説明する。
【0128】
なお、本実施形態においては、インターネット2およびサーバ3の構成および機能については第1および第2実施形態と同等であるので、その説明はここでは省略するものとする。また、その他の部分においても第1実施形態あるいは第2実施形態と同一または均等であれば説明を省略あるいは簡略化する。
【0129】
本実施形態においては、インターネット2上にサーバ3および基地局ゲートウエイBRxが接続されており、この基地局ゲートウエイBRxは他方でワイド基地局セグメントB.1.W、B.2.W、…(以下B.x.Wと記す)を介してワイド基地局APW1、APW2、…(以下APWxと記す)と接続しており、さらに他方ではナロー基地局セグメントB.1.N、B.2.N、…(以下B.x.Nと記す)を介して複数の基地局ルータSR1、SR2、…(以下SRxと記す)と接続している。また、この基地局ルータSRxはサブ基地局セグメントB.1.N.1、B.1.N.2、…、B.2.N.1、B.2.N.2、…(以下B.x.N.yと記す)を介してそれぞれナロー基地局AP1−1、APN1−2、…、APN1−n、APN2−1、APN2−2、…、APN2−n(以下APNx−yと記す)と接続している。
【0130】
ナロー基地局APNx−yあるいはワイド基地局APWxと無線通信によって接続し、基地局ルータSRxあるいは基地局ゲートウエイBRxを介してインターネット2と通信を行う端末局1は、ナロー基地局APNx−yと接続するための無線機TDN−1とワイド基地局APWxと接続するための無線機TDW−1とを有し、さらに端末局1内のセグメントである図示しない端末セグメントC.1と、この端末セグメントC.1に属するアプリケーション11と、端末セグメントC.1と無線機TDN−1あるいは無線機TDW−1との間でデータ通信の中継を行う端末ルータCR1と、から成る。
【0131】
無線機TDN−1および無線機TDW−1は、それぞれがナロー基地局APNx−yおよびワイド基地局APWxと無線通信を行う際に、DHCPによって一時端末IPアドレスが付与されるようになっている。この一時端末IPアドレスは、端末局1が接続するそれぞれのサブ基地局セグメントB.x.N.yおよび基地局セグメントB.x.W内においてのみ使用可能なIPアドレスであるので、接続するサブ基地局セグメントB.x.N.yおよび基地局セグメントB.x.Wが変われば変化することになる。
【0132】
端末セグメントC.1においては、端末局1が接続するサブ基地局セグメントB.x.N.yおよび基地局セグメントB.x.Wを変えても変化しないIPアドレスの集合である端末固有IPアドレス群が使用可能であり、そのうちの1つがアプリケーション11のIPアドレスとして割り当てられている。アプリケーション11はこのIPアドレスを使用してサーバ3と通信データのやりとりを行う。
【0133】
この端末セグメントC.1と無線機TDN−1あるいは無線機TDW−1のいずれかとの間でデータ通信の中継を行う端末ルータCR1は、その中継のため、端末セグメントC.1側のネットワークインターフェースであるデバイスdev_cと、無線機TDN−1の別名であるデバイスdev_aあるいは無線機TDW−1の別名であるデバイスdev_bと、を使用し、それぞれの側のセグメントと通信データの授受を行う。
【0134】
また、この端末ルータCR1は、通信データが目的地に届くよう配送するための経路情報をルーティングテーブルとして有し、それを無線通信しているナロー基地局APNx−yと同一サブ基地局セグメントB.x.N.yに接続している基地局ルータSRxと、あるいは無線通信しているワイド基地局APWxと同一基地局セグメントB.x.Wに接続している基地局ゲートウエイBRxとやりとりをしている。このルーティングテーブルの構造は、第1実施形態および第2実施形態のルーティングテーブルと同様である。
【0135】
基地局ゲートウエイBRxはインターネット2とナロー基地局セグメントB.x.Nあるいはワイド基地局セグメントB.x.Wとの間でデータ通信の中継を行うものである。その中継のため、基地局ゲートウエイBRxのインターネット2側と、ナロー基地局セグメントB.x.N側と、ワイド基地局セグメントB.x.W側と、にはそれぞれネットワークインターフェースとしてデバイスdev0とデバイスdev1とデバイスdev2とがあり、これを使用して基地局ゲートウエイBRxはそれぞれの側と通信データの授受を行う。
【0136】
また、本実施形態では基地局ゲートウエイBRxはDHCPサーバを兼ねており、ワイド基地局APWxから接続してくる端末局1に対してワイド基地局セグメントB.x.W内で使用可能な一時端末IPアドレスを付与する。
【0137】
また、基地局ゲートウエイBRxは自分の配下のワイド基地局セグメントB.x.Wあるいはサブ基地局セグメントB.x.N.yに過去に接続したことのある端末局1の端末局セグメントC.1と、その端末局1がこの地局ゲートウエイBRxの配下となる1つ前に配下となっていた基地局ゲートウエイBRxと、この端末局1が最後にこの基地局ゲートウエイBRxの配下となって以降配下となる先の基地局ゲートウエイBRxを変えた回数である端末と、の対応を1エントリとして保存するための端末局管理テーブルを有している。端末局管理テーブルの構造は第1および第2実施形態で説明した端末局管理テーブルと同様である。
【0138】
これによって、この端末局1の過去の接続先の履歴を知ることができる。また端末局管理テーブルのエントリ中で端末移動回数が所定数以上になったものについてはこのエントリを消去する。
【0139】
また基地局ゲートウエイBRxは、過去に自分の配下であった端末局1の端末セグメントC.1宛の通信データがインターネット2から届けられると、第1および第2実施形態と同様にトンネリングによって端末局1の新しい接続先の一時端末IPアドレスにこの通信データの宛先を書き換えて送る。また、別の基地局ゲートウエイBRxからこのように宛先を書き換えて送られてきた通信データを、自分の配下にある、通信データの本来の宛先である端末セグメントC.1に宛先を書き換えて届ける。
【0140】
さらにこの基地局ゲートウエイBRxは、通信データが目的地に届くよう配送するための経路情報を第1および第2実施形態と同様ルーティングテーブルとして有し、第1および第2実施形態と同様ダイナミックルーティングを行う。
【0141】
また、この基地局ゲートウエイBRxのルーティングテーブルにおける、配下である端末局1の端末セグメントC.1のエントリについては、端末局1が配下となったときに追加され、その後移動して別の基地局ゲートウェイBRxの配下に移ってから所定期間後に削除することになっているが、この所定期間とは、第1および第2実施形態と同様端末局1のエントリが追加されてからこの端末局1が配下となる先の基地局ゲートウエイBRxを変えた回数が所定数になるまでの期間としている。所定数になったか否かの判定は、上記した端末局管理テーブルのエントリ中に記載された端末移動回数に基づいて行うことができる。
【0142】
なお、端末局1が同一の基地局ゲートウエイBRxの配下のセグメント内で接続先を移動して無線機TDN−1あるいは無線機TDW−1が新しい一時端末アドレスでデータ通信を始める場合は、基地局BRxの端末局管理テーブルが変更されることはなく、ルーティングテーブルのC.1のエントリについては直ちにゲートウエイ部を新しい一時端末アドレスの値に変更する。
【0143】
基地局ルータSRxはナロー基地局セグメントB.x.Nとサブ基地局セグメントB.x.N.yとの間でデータ通信の中継を行うものである。その中継のため、基地局ルータSRxのナロー基地局セグメントB.x.N側にはネットワークインターフェースとしてデバイスdev0があり、サブ基地局セグメントB.x.N.y側のそれぞれにはデバイスdev1、dev2、…、devnがあり、これらを使用して基地局ルータSRxはそれぞれの側と通信データの授受を行う。
【0144】
また、本実施形態では基地局ルータSRxはDHCPサーバを兼ねており、ナロー基地局APNx−yから接続してくる端末局1に対してサブ基地局セグメントB.x.N.y内で使用可能な一時端末IPアドレスを付与する。
【0145】
また、この基地局ルータSRxは、通信データが目的地に届くよう配送するための経路情報を基地局ゲートウエイBRx同様ルーティングテーブルとして有し、ダイナミックルーティングを行う。
【0146】
また、自分と同一のセグメントに接続するナロー基地局APNx−yに接続してきた端末局1があれば、その端末局1の端末セグメントC.1のエントリをルーティングテーブルに追加し、端末局1がこれらのナロー基地局APNx−yから離れれば直ちにこのエントリを削除する。
【0147】
無線機TDN−1の無線通信のアクセスポイントとなり、サブ基地局セグメントB.x.N.yを介して基地局ルータSRxと接続するナロー基地局APNx−yは、本実施形態においては個々のサービスエリアは比較的狭く、全体としてもサービスエリア領域は離散的なものとなっている。その一方でデータ通信の速度は比較的速い。この種のナロー基地局APNx−yを有する通信システムとしては、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication)がある。
【0148】
無線機TDW−1の無線通信のアクセスポイントとなり、ワイド基地局セグメントB.x.Wを介して基地局ゲートウエイBRxと接続するワイド基地局APWxは、本実施形態においては個々のサービスエリアは比較的広く、全体としてもサービスエリア外となる領域は少なく、網羅的な通信ができる。その一方でデータ通信の速度は比較的遅い。この種のワイド基地局APWxを有する通信システムとしては、例えば携帯電話やPHSが挙げられる。
【0149】
上述のようなナロー基地局APNx−yとワイド基地局APWxとという2種類の通信システムを1つの端末局1で切り替えて、移動しながらデータ通信を継続させる場合においては、通信速度の速いナロー基地局APNx−yのサービスエリア内では無線機TDN−1を使ってデータ通信を行い、ナロー基地局APNx−yのサービスエリア外では無線機TDW−1を使ってワイド基地局APWxとデータ通信を行うとデータ通信の効率がよい。
【0150】
上述のようなナロー基地局APNx−yとワイド基地局APWxとという2種類の通信システムのサービスエリアの配置、すなわちセル配置の一例を示したものが図12である。ナロー基地局APNx−yのサービスエリアが小さく離散的で、ワイド基地局APWxのサービスエリアが大きく網羅的であることに加えて、ここではワイド基地局APWxと別のワイド基地局APWxとのサービスエリアが重なる領域は、必ずナロー基地局APNx−yのサービスエリアでもあるように配置されている。
【0151】
このような配置において、端末局1の接続先がナロー基地局APN1−3からナロー基地局APN2−1に移る場合や、ワイド基地局APW2からナロー基地局APN3−1に移る場合等の、配下となる先の基地局ゲートウエイBRxに変化があるような移動については、端末局1と、移動する前の基地局ゲートウエイBRxと、移動後の基地局ゲートウエイBRxと、のルーティングテーブルの変化、各基地局ゲートウエイBRxの端末局管理テーブルの変化、各機器間での信号のやりとり、については第1および第2実施形態においてナロー基地局APNx−yとワイド基地局APWxとを基地局APxと読み替えたものと同等である。
【0152】
同一の基地局BRxの配下にあるナロー基地局APNx−yとワイド基地局APWxとの間の移動においては、端末局1への通信データは常に同じ基地局BRxを通るので、第1実施形態や第2実施形態の時のように基地局BRxで端末局管理テーブルを書き換える必要はなく、さらに基地局の移動後直ちにルーティングテーブルのセグメントC.1のエントリ中のゲートウエイ部を新しい一時端末アドレスに変更するのみでよい。例として、図12においてナロー基地局APN1−1のエリア内でデータ通信をする端末局1と、ナロー基地局APN1−1のエリア外に出てワイド基地局APW1と接続する端末局1についての、基地局ルータSR1と、基地局ゲートウエイBR1と、端末ルータCR1と、のルーティングテーブルについて図13に示した。ただしメトリック部については簡単のため省略している。
【0153】
図13(a)は端末局1が無線機TDN−1を使用してナロー基地局APN1−1を介してデータ通信をしているときのルーティングテーブルである。基地局ルータSR1と端末局1とは同じサブ基地局セグメントB.1.N.1に接続しているので、端末セグメントC.1への経路はデバイスdev1を使用して端末ルータCR1にまず送るようになっている。
【0154】
基地局ゲートウエイBR1はインターネット2側以外ではワイド基地局APW1の属するワイド基地局セグメントB.1.Wと、サブ基地局セグメントB.1.N.1を介してナロー基地局APN1−1と接続するナロー基地局セグメントB.1.Nと接続しているので、それらへのエントリと、最初に基地局ルータSR1に渡す端末セグメントC.1へのエントリとを有している。
【0155】
端末ルータCR1は、ナロー基地局APN1−1のエリアにいると同時にワイド基地局APW1のエリア内にいるので、無線機TDN−1と無線機TDW−1は双方が無線通信によって接続準備は完了している。ただし、使用するのはこの場合基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルに記載されたサブ基地局セグメントB.1.N.1を介したものだけである。
【0156】
図13(b)は端末局1がナロー基地局APN1−1のエリア外にあり、無線機TDW−1を使用してワイドAPW1を介してデータ通信をしているときのルーティングテーブルである。以下図13(a)のルーティングテーブルとの違いを中心に説明する。
【0157】
基地局ルータSR1においては、端末局1がいなくなり、接続する端末が存在しないので、端末セグメントC.1とサブ基地局セグメントB.1.N.1のエントリがなくなっている。
【0158】
基地局ゲートウエイBR1においては、新たに基地局APW1に接続した端末局1の端末セグメントC.1のエントリの内容が、ゲートウエイ部では端末ルータCR1に、デバイス部ではワイド基地局セグメント側へのネットワークインターフェースであるデバイスdev2になっている。
【0159】
端末ルータCR1は、ナロー基地局APN1−1のエリア外なので、ルーティングテーブル中の無線機TDN−1が繋がる基地局ルータSR1へのエントリは存在しない。この場合基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルに記載されたワイド基地局セグメントB.1.Wを介して無線機TDW−1を使用してデータ通信を行う。
【0160】
このようなルーティングテーブルの更新の際の、各データ通信機器の信号のやりとりの詳細を図14および図15に例示した。この図14及び図15が示すのは、図12のような配置において、この図12中の矢印に示すように端末局1がAPW1→APN1−1→APW1→APN2−1と移動しながらサービスエリアを移る場合についてである。この図14及び図15に沿って各データ通信機器の信号のやりとりについて説明するが、第1および第2実施形態と同一または均等の部分については簡略化した記述に止める。
【0161】
まず、ワイド基地局APW1において、端末局1の電源がオンとなり、使用が開始されると、無線機TDW−1はBR1より一時端末IPアドレスを付与され、端末ルータCR1と基地局ゲートウエイBR1とのルーティングテーブルが更新される。このときこれらのルーティングテーブルは、図13(b)の様になっている。
【0162】
次に、端末局1が移動しナロー基地局APN1−1のエリアに入る。すると、端末ルータCR1は無線機TDN−1からの通知を受けて基地局ルータSR1に一時端末IPアドレスを要求して付与を受ける。そして、端末ルータCR1と、基地局ルータSR1と、基地局ゲートウエイBR1とのルーティングテーブルが直ちに図13(a)のように書き換えられる。ただし、ここでは第1および第2実施形態と違い、端末局管理テーブルの書き換えは行う必要はない。
【0163】
さらに端末局1が移動し、ナロー基地局APN1−yが使用不可となると、無線機TDN−1から使用不可の通知を受けた端末ルータCR1は、ワイド基地局APW1の使用を宣言すると共に以前ワイド基地局APW1でデータ通信中に使用していた一時端末IPアドレスを基地局ゲートウエイBR1に通知する。そして、端末ルータCR1、基地局ルータSR1、基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルが更新される。このルーティングテーブルは図13(b)と同様である。
【0164】
そして、図15に記載のようにワイド基地局APW1でデータ通信中に別のグループに属するナロー基地局APN2−1の通信エリア内に入ると、無線機TDN−1からナロー基地局APN2−1が使用できる旨の通知を受けた端末ルータCR1は、基地局ルータSR2に一時端末IPアドレスを要求して付与を受け、APN2−1の使用を宣言する。この際、ルーティングテーブル変更は、基地局ゲートウエイBR2、基地局ルータSR1、端末ルータCR1に加え、基地局ゲートウエイBR2からの端末移動通知としてのルーティング更新指令によって以前いた基地局ゲートウエイBR1、基地局ルータSR1においても行われる。また、この時に基地局ゲートウエイBR2、基地局ゲートウエイBR1においては端末局管理テーブルの更新も行われる。
【0165】
変更後のこれらのルーティングテーブルを図16に示した。基地局ルータSR2、基地局ゲートウエイBR2のルーティングテーブルはそれぞれ、端末局1がナロー基地局APN1−1と通信している場合の図13(a)の基地局ルータSR1、基地局ゲートウエイBR1と比べて、セグメント名がB.1.…からB.2.…に変化し、上位ルータNR1がNR2に変化した以外は同等である。基地局ルータSR1にはどの端末局1も接続していないので、ルーティングテーブルは、図13(b)の場合と同様である。基地局ゲートウエイBR1のルーティングテーブルは、図3(b)、すなわち第1実施形態において端末局1が基地局AP1から基地局AP2に移動したときのBR1のルーティングテーブルと、上位ルータNR1をNR2に変更した以外は同等である。端末ルータCR1のルーティングテーブルは、無線機TDW−1はワイド基地局BR1に、無線機TDN−1はナロー基地局APN2−1に接続していることから、サブ基地局セグメントB.2.N.1とワイド基地局セグメントB.1.Wとのエントリを有している。
【0166】
このように、例えばAPW1→APN1−1→APW1といった、1つの基地局ゲートウエイBRx配下の移動においてはワイド基地局ゲートウエイBRxと基地局ルータSR1と端末ルータCR1とが自己のルーティングテーブルを更新し、新しい経路情報がインターネット2に伝わることにより、アプリケーション11等の端末セグメントC.1に属するものは不変な端末固有アドレス群を常に使用してデータ通信を行うことができるので、それぞれ異種のシステムに対応した無線機TDN−1およびTDW−1を備えた端末局1はデータ通信を途絶無く続けることができる。
【0167】
また、例えばAPW1→APN2−1といった、1つの基地局ゲートウエイBRxから別の基地局ゲートウエイBRxへの移動においては、第1および第2実施形態と同様に端末局1が移動してもすぐに古い経路情報を削除せず、所定の期間残してトンネリングを行うことで、インターネット2に新しい経路情報が十分行き渡るまでの間のデータ通信の途絶を防ぐことができる。また、インターネット2上に古い経路情報と新しい経路情報とが混在するときは、古い経路情報のメトリック値を変化させることで、新しい経路がより適切であるとデータ中継装置が判定するようになり、古い迂回経路よりも新しい経路を使用する頻度が高くなり、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0168】
また、端末局管理テーブルあるいはルーティングテーブルにおいて端末移動回数が既定値となると、古い経路情報を削除することにより、いつまでも古い経路情報が残ることを防ぐことができ、データ通信の効率の向上に繋がる。
【0169】
また、図12のようにワイド基地局APWxと別のワイド基地局APWxとのサービスエリアが重なる領域は、必ずナロー基地局APNx−yのサービスエリアでもあるように配置されていることで、無線機TDW−1があるワイド基地局APWxから別のワイド基地局APWxへ接続先を移すときに、無線機TDW−1によってナロー基地局APNx−yとの接続でデータ通信を維持しながら接続先を切り替えることで、ハンドオーバーが確実に行われるようになり、データ通信の途絶を抑制することができる。
【0170】
なお、本実施形態において基地局ルータSR1はルータ、すなわちデータ中継装置とした。これによって、ナロー基地局APNx−yがそれぞれ別々のセグメントに属することになり、基地局ルータSR1が通信データをそれぞれのセグメントに振り分けることができ、1つの基地局ルータSR1に多数の端末局1が接続しても通信速度の低下を抑えることが可能となる。しかし、これは必ずしもデータ中継装置である必要はなく、単なるハブであってもよい。その場合は、基地局ゲートウエイBRxとナロー基地局APNx−yとは1つのセグメントを介して直接繋がることとなる。
【0171】
なお、第1〜第3実施形態においてはインターネット2は広域ネットワークである。またナロー基地局APNx−y、ワイド基地局APWxは基地局であり、基地局ゲートウエイBRxは基地局データ中継装置である。また無線機TD1と、無線機TDa−1と、無線機TDb−1と、は無線ネットワークインターフェースである。また無線機TDN−1と無線機TDW−1とはそれぞれ複数の無線ネットワークインターフェースの1つである。また端末ルータCR1は端末データ中継手段である。また一時端末IPアドレスは一時端末アドレスであり、端末固有IPアドレスは端末固有アドレスであり、端末固有IPアドレス群は1つ以上の端末固有アドレスであり、メトリック値は優先経路情報である。また、最適経路検索アルゴリズムは最適経路を検索する手段である。また、端末ルータCR1と、端末セグメントC.1との組み合わせはデータ通信処理手段の一例である。また、端末局1および基地局データ中継装置を構成する基地局ゲートウエイBRxにおける各処理は、それぞれの機能を実現するための手段として構成されるものである。
【0172】
(他の実施形態)
上記した第1〜第3実施形態において、インターネット2が広域ネットワークであるとしたが、これはセグメントの集合体としてのものであるなら、インターネット2以外のネットワークでもよい。
【0173】
また、基地局ゲートウエイBRxは、基地局APx、あるいはワイド基地局APWx、あるいはナロー基地局APNx−yと2つ以下のセグメントを介して接続しているが、これは必ずしも2つ以下である必要はなく、基地局ゲートウエイBRxの配下にあればにいくつのセグメントを介して接続していても構わない。
【0174】
また、端末局1において、端末ルータCR1はソフトウエアとして実現されていてもよい。
【0175】
また、端末セグメントC.1と端末セグメントC.1とがデータ通信処理手段を構成しているが、端末ルータCR1、端末セグメントC.1、アプリケーション11はかならずしもこのように明確に分離できるものでなくともよい。例えば、端末ルータCR1、アプリケーション11が不可分なソフトウエアとして実現されており、そのソフトウエア中で端末セグメントC.1が仮想的に存在しているという形態であってもよい。すなわち、端末局1は一時端末アドレスを有する無線ネットワークインターフェースと、端末固有アドレスを1つ以上有するデータ通信処理手段とを有していればよい。
【0176】
また、端末セグメントC.1に接続して通信データの送受をおこなうものは、アプリケーション11でなくコンピューター端末装置であってもよい。
【0177】
また、端末局1の形態としては、携帯電話のようなものでもよいし、あるいは基地局との通信して接続するための通信機とルータとを有する車、船舶、飛行機等の移動体内のネットワークであってもよく、構成の規模の大小、構成要素がソフトウエアとして実現されているかハードウエアとして実現されているかにはよらない。
【0178】
また、基地局ゲートウエイBRxがDHCPサーバを兼ねているが、これは別のネットワーク機器がDHCPサーバであってもよい。
【0179】
また、第1および第2実施形態においては、基地局データ中継装置として基地局ゲートウエイBRxとしたが、これは必ずしもゲートウエイである必要はなく、他のデータ中継装置と経路情報のやりとりを行い、更に上記したようなルーティングテーブルと端末局管理テーブルの書き換えを行う機能を有していればよく、例えばルータであってもよい。
【0180】
また、第2および第3実施形態においては、無線機は2つの無線機を有しているが、これは3つ以上であってもかまわない。
【0181】
また、第3実施形態においてナロー基地局APNx−yとワイド基地局APWxとのシステムの特性、セルの配置はあくまでも一例を示したのであって、このような特性、セル配置である必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のネットワークの全体構成を示した図である。
【図2】基地局ゲートウエイBRxの端末局管理テーブルを示した図である。
【図3】基地局ゲートウエイBRxと端末ルータCR1とのルーティングテーブルを示した図である。
【図4】基地局ゲートウエイBRxが同一セグメントに属さない場合のネットワーク構成を示した図である。
【図5】基地局ゲートウエイBRxが同一セグメントに属する場合のネットワーク構成を示した図である。
【図6】端末局1が基地局ゲートウエイBRxを移動するときの信号のやりとりを示した図である。
【図7】第2実施形態のネットワークの全体構成を示した図である。
【図8】基地局ゲートウエイBRxと端末ルータCR1とのルーティングテーブルを示した図である。
【図9】端末局1が基地局ゲートウエイBRxを移動するときの信号のやりとりを示した図である。
【図10】端末ルータCR1のルーティングテーブルを示した図である。
【図11】第3実施形態のネットワークの全体構成を示した図である。
【図12】第3実施形態における基地局のセル配置を示した図である。
【図13】基地局ルータSR1と基地局ゲートウエイBR1と端末ルータCR1とのルーティングテーブルを示した図である。
【図14】端末局1がワイド基地局APW1のセル内で移動するときの信号のやりとりを示した図である。
【図15】端末局1がワイド基地局APW1のセル内で移動するときの信号のやりとりを示した図である。
【図16】基地局ルータSRxと基地局ゲートウエイBRxと端末ルータCR1とのルーティングテーブルを示した図である。
【符号の説明】
1…端末局、2…インターネット、11…アプリケーション。
Claims (10)
- データ通信の中継を行うデータ中継装置と通信データを目的地に配送するための情報である経路情報をやりとりする基地局データ中継装置であって、
基地局と無線通信により接続し、前記基地局の属する基地局セグメントを介して広域ネットワーク上のサーバとデータ通信を行い、このデータ通信において接続する基地局セグメントが変わると変化するアドレスである一時端末アドレスと、接続する基地局セグメントが変わっても不変なアドレスである端末固有アドレスとを自己内のアドレスとしている端末局が、接続先を配下の基地局からそれ以外の基地局に移して前記一時端末アドレスを変えると、前記端末局への経路が前記接続先を移す前の一時端末アドレス経由であるとする経路情報を保持する端末局管理テーブルと、
前記接続先を移した後に届いた前記端末局宛ての通信データを、前記端末局管理テーブルに保持された経路情報を元に、この端末局の最新の一時端末アドレスに転送する手段と、
前記接続先を移してから所定期間後に前記経路情報を前記端末局管理テーブルから削除する手段と、を有することを特徴とする基地局データ中継装置。 - 前記配下の基地局と2つ以下のセグメントを介して接続していることを特徴とする請求項1に記載の基地局データ中継装置。
- 前記通信データを前記最新の一時端末アドレスへ転送する手段は、前記通信データの宛先アドレスを書き換えて送出するトンネリングを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の基地局データ中継装置。
- 前記端末局管理テーブルは、過去に配下となっていた端末局と、その配下となっていた直前にこの端末局が配下となっていた先の基地局データ中継装置と、の対応を前記経路情報として保持するものであり、
さらに当該基地局データ中継装置は、
新たな端末局が配下となると、前記端末局管理テーブルにこの端末局と、この端末局が直前に配下となっていた先の別の基地局データ中継装置と、の対応を書き込み、前記別の基地局データ中継装置に対して、前記端末局が新たに配下となる先の基地局データ中継装置を通知する端末局移動通知を行う手段と、
他の基地局データ中継装置から前記端末局移動通知を受けると、前記端末局管理テーブル中で配下となる先を移した端末局に対応した基地局データ中継装置に対して前記端末局移動通知を送信する手段と、を有する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基地局データ中継装置。 - 前記端末局管理テーブルには、前記過去に配下となっていた端末局について、この端末局が配下となって以降配下となる先の基地局データ中継装置を変えた回数である端末移動回数が記録されており、
前記所定の期間は、この端末移動回数が既定値以上となるまでの期間であることを特徴とする請求項4に記載の基地局データ中継装置。 - 前記端末固有アドレスへの経路を示す経路情報に経路の優先度を示す優先経路情報を含める手段を有し、
前記広域ネットワーク上の前記データ中継装置において、前記端末局への経路が過去の一時端末アドレスを経由するためのものであるとする旧経路情報と、新たな一時端末アドレスを経由するためのものであるとする新経路情報とが混在するときに、最適経路を検索する手段を有するデータ中継装置が前記優先経路情報に基づいて前記新経路情報の示す経路を優先的に選択するように前記優先経路情報を作成する手段を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基地局データ中継装置。 - 前記広域ネットワーク上のデータ中継装置に伝える旧経路情報の有する優先経路情報を、自身から前記最新の一時端末アドレスまでの経路中に通過するデータ中継装置の数に基づいた値とする手段を有することを特徴とする請求項6に記載の基地局データ中継装置。
- 前記広域ネットワーク上のデータ中継装置に伝える旧経路情報の有する優先経路情報を、前記端末移動回数に基づいた値とする手段を有することを特徴とする請求項6に記載の基地局データ中継装置。
- 異なる通信システムに対応する複数の基地局を配下とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の基地局データ中継装置。
- 前記異なる通信システムのうちの2つの通信システムにおいて、より狭いセルを形成する通信システムに対応する基地局であるナロー基地局のセルの配置は、より広いセルを形成する通信システムに対応する基地局であるワイド基地局のセルの2つが重なった部分を1つまたは複数の前記ナロー基地局のセルが覆うことを特徴とする請求項9に記載の基地局データ中継装置。
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