JP3781410B2 - ジェットファン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路トンネル内のトンネル天井壁に吊り下げて設置されるジェットファンの羽根車などの回転体に、異常が発生した場合にこれを検出できるようにしたジェットファンに関するものである。また、ジェットファンの吊設部材や規制動材などの支持構造に、緩みなどの異常が発生した場合にこれを検出することができるようにしたジェットファンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路トンネル内の換気を行うために、道路トンネルのトンネル天井壁にジェットファンが吊り下げて設置される。このジェットファンを吊り下げて設置するための従来のジェットファンの支持構造の一例を、図25および図26を参照して説明する。図25は、従来のジェットファンの支持構造の一例を円筒状ケーシングの横から見た図である。図26は、図25のジェットファンを軸方向から見た図である。
【0003】
図25および図26において、ジェットファン10の円筒状ケーシング12の軸方向中央部で軸方向から見て両側に軸方向にずらして2ヶ所の側部外壁に、側部支持部材14a,14b,14c,14dがそれぞれ設けられ、これらの略上方位置のトンネル天井壁16に、側部吊持部材18a,18b,18c,18dがそれぞれ設けられる。そして、対応する側部支持部材14a,14b,14c,14dと側部吊持部材18a,18b,18c,18dが吊設部材20a,20b,20c,20dでそれぞれに連結される。また、円筒状ケーシング12の軸方向両端部の端部外壁の頂部に、頂部支持部材22a,22bがそれぞれ設けられ、これらの略軸方向斜め上方位置のトンネル天井壁16に、頂部吊持部材24a,24bがそれぞれ設けられる。そして、対応する頂部支持部材22a,22bと頂部吊持部材24a,24bが規制部材26a,26bでそれぞれに連結される。さらに、円筒状ケーシング12内に駆動モータ40が配設され、駆動モータ40の回転軸に羽根車42が固定される。そして、駆動モータ40が運転されると、羽根車42が回転され、図25の矢印の方向に送風が行われる。
【0004】
ところで、ジェットファンにおいて、羽根車42などの回転体はバランス調整がなされていて、正常状態であれば、運転中に大きな振動や騒音を発生することがない。しかるに、羽根車42に異物などが付着するなどして回転体にアンバランスを生ずると、運転中に異常振動を生じ、この振動によって回転体自体が損傷を受ける虞がある。また、回転体の異常振動が支持構造に伝わり、支持構造の吊設部材20a,20b,20c,20dや規制部材26a,26bを連結固定するボルトナットなどに、緩みを生じさせる虞がある。そして、特に吊設部材20a,20b,20c,20dのいずれかに緩みを生ずると、その分の荷重が他の吊設部材の負担となり、極端な場合には吊設部材20a,20b,20c,20dおよび規制部材26a,26bが破損し、ジェットファン10が落下して大事故となる虞がある。
【0005】
なお、ジェットファン10の支持構造は、正常状態にあっては、吊設部材20a,20b,20c,20dによりジェットファン10の重量が支持され、規制部材26a,26bにより円筒状ケーシング12が軸方向ならび上下に揺動するのが規制される。なお、吊設部材20a,20b,20c,20dにはジェットファン10の重量を支持するだけの大きな引張荷重が加わることは勿論である。そして、規制部材26a,26bは、ターンバックルを軽く締め付けて長さの調整がなされ、その引張荷重は零ではないが、吊設部材20a,20b,20c,20dに作用する引張荷重に対して僅かな値である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のジェットファン10において、羽根車42などの異物の付着の有無または羽根車42などの損傷の有無および支持構造の緩みの有無を、定期的に点検確認しなければならない。しかるに、ジェットファン10は道路トンネル内の高い位置に吊り下げられており、点検者が道路上から目視により点検作業をすることができない。そのため、点検者が作業車に乗って高い所から点検を行わなければならない。このためには、道路トンネル内の交通規制が必要であり、点検作業が大がかりとなり、また時間的にも制約を受けるために、頻繁には点検ができないという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来のジェットファンの事情に鑑みてなされたもので、羽根車などの回転体の異常を簡単に検出できるようにした、ジェットファンを提供することを目的とする。さらに、支持構造の緩みなどの異常を簡単に検出できるようにしたジェットファンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明のジェットファンは、円筒状ケーシングの軸方向中央部の外壁とその略上方位置のトンネル天井壁とを吊設部材で連結してジェットファンの重量を支持するとともに、前記円筒状ケーシングの軸方向両端部の外壁とその軸方向斜め上方位置のトンネル天井壁とを規制部材で連結して前記円筒状ケーシングの揺動を規制する支持構造を有するジェットファンにおいて、前記吊設部材または規制部材の少なくともいずれか1つに荷重を検出する荷重検出手段を設け、前記荷重検出手段の検出出力から荷重変動成分を得る荷重変動検出手段を設け、前記荷重変動成分から回転体の異常を判別する判別手段を設けて構成されている。
【0009】
そして、前記荷重検出手段の検出出力から引張荷重成分を得る引張荷重検出手段を設け、前記引張荷重成分から前記支持構造の異常を判別する第2の判別手段を設けて構成しても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図11を参照して説明する。図1は、図25と図26で示すジェットファンの構造で正常状態の支持構造において、羽根車に種種の重さのアンバランスウエイトを付加した場合の風上側の規制部材26aの荷重変動を示すグラフである。図2は、風上側の1本の吊設部材20cの荷重変動を示すグラフである。図3は、風下側の1本の吊設部材20dの荷重変動を示すグラフである。図4は、風下側の規制部材26bの荷重変動を示すグラフである。図5は、風下側の他の1本の吊設部材20bの荷重変動を示すグラフである。図6は、風上側の他の1本の吊設部材20aの荷重変動を示すグラフである。図7は、図1ないし図6に示す各吊設部材および規制部材のアンバランスウエイトの重さと荷重変動の関係を示すグラフである。図8は、図25と図26で示すジェットファンの構造で、羽根車などの回転体が正常な状態において、風上側の1本の吊設部材20cのターンバックルを緩めた場合のその吊設部材20cの引張荷重に対する他の吊設部材および規制部材の引張荷重のグラフである。図9は、風上側の他の1本の吊設部材20aのターンバックルを緩めた場合のその吊設部材20aの引張荷重に対する他の吊設部材および規制部材の引張荷重のグラフである。図10は、本発明のジェットファンの第1実施例の構造を示す図である。図11は、図10の歪みゲージ式ロートセルの検出出力を処理する一例のブロック回路図である。図12は、荷重変動成分を示す図である。図10において、図25と図26に示す部材と同じまたは均等なものには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0011】
まず、発明者らは、図1ないし図6に示すごとく、ジェットファン10の羽根車42に各種の重さのアンバランスウエイトを付加して運転すると、羽根車42の振動により、各吊設部材20a,20b,20c,20dおよび規制部材26a,26bに生ずる荷重変動の変化を、実験により明らかとした。すなわち、図7に示すごとく、吊設部材20a,20b,20c,20dは、アンバランスウエイトの重さの増加に伴い、一度荷重変動成分の大きさが低下するもののその後は増大する。そして、風下側の規制部材26bも吊設部材20a,20b,20c,20dと同様の傾向が認められるが、吊設部材20a,20b,20c,20dほど顕著でない。また、風上側の規制部材26aは、最初は変化なく途中で増加し再び変化しない状態となる。なお、図7は荷重変動の振幅は、全振幅のピークツーピークの値で示されている。
【0012】
また、発明者らは、ジェットファン10の重量を支持する吊設部材20a,20b,20c,20dのいずれか1本が緩むことによる他の残りの吊設部材および規制部材26a,26bに作用する引張荷重の変化を、実験により明らかとした。すなわち、1本の吊設部材20cのターンバックルを徐々に緩めてゆくと、図8に示すごとく、緩める吊設部材20cに作用する引張荷重の低下にともない斜め対向位置の吊設部材20bの引張荷重が低下し、他の残りの2本の吊設部材20a,20bの引張荷重が増加し、規制部材26c,26bはいずれも引張荷重が増加する。また、別の1本の吊設部材20aのターンバックルを徐々に緩めてゆくと、図9に示すごとく、斜め対向位置の吊設部材20dの引張荷重が低下し、他の残りの2本の吊設部材20b,20cの引張荷重が増加し、規制部材26a,26bはいずれも引張荷重が増加する。
【0013】
これらの実験結果に基づいて、発明者らは吊設部材20a,20b,20c,20dおよび規制部材26a,26bの荷重変動の変化から羽根車42などの回転体がアンバランスであるか否かを検出できる、との知見を得た。また、吊設部材20a,20b,20c,20dの緩みを、吊設部材20a,20b,20c,20および規制部材26a,26bの引張荷重の変化から検出できるとの知見を得た。そこで、図10に示すごとく、風下側の1本の規制部材26bに荷重検出手段としての歪みゲージ式ロードセル30が設けられる。そして、図11に示すごとく、歪みゲージ式ロードセル30からの検出出力が増幅手段32に与えられ、その増幅出力が荷重変動検出手段34と引張荷重検出手段36とに与えられる。ここで、歪みゲージ式ロードセル30の検出出力は、交流成分としての荷重変動が直流成分としての引張荷重に重畳されたものである。そこで、荷重変動検出手段34によって検出出力より、図12のごとき荷重変動成分のみが抽出される。この荷重変動検出手段34は、具体的一例として、直流阻止のコンデンサであり、またはハイパスフィルタなどで形成される。また、引張荷重検出手段36は、検出出力を平均化するもので、具体的一例として、適宜な平滑回路や積分回路で形成される。そして、荷重変動検出手段34の振幅のピーク高さが予め設定された第1基準値と比較手段38で比較され、ピーク値が基準値を越えるとその信号が警報手段44に与えられる。なお、比較手段38では、図12に示すごとく、振幅のピーク高さが上限基準値または下限基準値のいずれと比較されても良い。そして、この比較手段38は、羽根車42などの回転体に異常の有無を判別する判別手段として作用する。また、引張荷重検出手段36の出力が予め設定された第2基準値と比較手段46で比較され、引張荷重成分の出力が第2基準値を越えるとその信号が警報手段44に与えられる。ここで、比較手段46は、支持構造の異常の有無を判別する第2の判別手段として作用する。そして、警報手段44は、比較手段38,46の出力により同様の警報信号を発しても良く、また異なる警報信号を発しても良い。
【0014】
なお、歪みゲーシ式ロードセル30の検出出力を、上記実施例では、アナログ的に処理する構造で説明したが、デジタル的に処理しても良いことは勿論である。すなわち、増幅手段32からの増幅出力を、1秒間に例えば250回ほどサンプリングしてデジタル値として演算手段に取り込み、適宜に荷重変動成分と引張荷重成分に分けて、それぞれを予め設定した基準値と比較するようにしても良いことは勿論である。また、歪みゲージ式ロードセル30に代えて、規制部材26a,26bおよび吊設部材20a,20b,20c,20dのいずれかの適宜な場所に、歪みゲージを直接に張り付けて、この歪みゲージに作用する荷重変動成分と引張荷重成分とを検出するようにしても良い。
【0015】
次に、本発明の第2実施例を図13を参照して説明する。図13は、本発明のジェットファンの第2実施例のブロック回路図である。図13において、図11と同じまたは均等な回路ブロックには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0016】
第2実施例では、荷重変動成分から回転体の異常の有無の判別する構造が、第1実施例と相違し、他の構造は同様である。図13において、歪みゲージ式ロードセル30の検出出力が、増幅手段32で増幅されて荷重変動検出手段34と引張荷重検出手段36にそれぞれ与えられ、荷重変動成分と引張荷重成分が抽出されることは、第1実施例と同様である。そして、抽出された荷重変動成分から回転体の異常の有無の判別方法が、以下のごとく第1実施例と相違する。
【0017】
荷重変動検出手段34から出力された荷重変動成分が比較手段38で第1基準値と比較され、第1基準値を超えた信号の個数が計数手段48で計数される。さらに、計数手段48の所定時間当たりの計数値が他の比較手段50により予め設定された第3基準値と比較され、計数値が第3基準値を超えると、警報手段44に信号が与えられて回転体に異常があることが示される。比較手段38,50および計数手段48によって判別手段が形成されている。
【0018】
この第2実施例の判別手段による回転体の異常の有無の判別は、以下のごとき理由よるものである。まず、荷重変動成分は、図12に示されるごとく、種々の周波数成分が合成されていて、振幅のピーク高さが一定でなく、時々ヒゲのごとくピーク高さが高いものが生ずる。そこで、このヒゲ様のピーク高さに対して基準値を超える毎に回転体に異常があると判別すると、安定した判別が得られない。そこで、基準値を超えたピーク高さが所定時間当たりに何個あったかを計数手段48で計数することで、荷重変動成分が全体的に大きいほど大きな計数値が得られる。そこで、この計数値の大小を第3基準値と比較手段50で比較し、基準値を超えると回転体の異常として判別され、警報手段44に信号が与えられる。この第2実施例では、荷重変動成分をデジタル値で処理する場合に好適である。
【0019】
また、本発明の第3実施例を図14および図15を参照して説明する。図14は、本発明のジェットファンの第3実施例のブロック回路図である。図15は、図12の荷重変動成分を正側を包絡線検波した検波出力を示す図である。図14において、図11と図13と同じまたは均等な回路ブロックには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0020】
第3実施例では、荷重変動成分から回転体の異常の有無を判別する構造が第1および第2実施例と相違し、他の構造は同様である。図14において、荷重変動検出手段34から出力される荷重変動成分が包絡線検波手段52に与えられ、正側または負側の包絡線検波がなされ、図15のごとき包絡線検波出力が出力される。図15では、正側の包絡線検波出力が比較手段54で予め設定された第4基準値と比較され、基準値を超えると、警報手段44に信号が与えられる。包絡線検波手段52および比較手段54によって、判別手段が形成されている。
【0021】
この第3実施例にあっては、荷重変動成分が各種の周波数成分からなっていても、包絡線検波することで荷重変動成分のパワーの大小に応じた出力が得られる。そこで、これと第4基準値を比較することで、所定の大きさを超えた荷重変動成分が検出されると、回転体に異常が有ると判別する。
【0022】
さらに、本発明の第4実施例を図16および図17を参照して説明する。図16は、本発明のジェットファンの第4実施例のブロック回路図である。図17は、図16の周波数分析手段から得られる荷重変動成分のスペクトラム図である。図16において、図11と図13および図14と同じまたは均等な回路ブロックには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0023】
第4実施例では、増幅手段32の増幅出力が周波数分析手段56と引張荷重検出手段36に与えられる。周波数分析手段56は、荷重検出出力に含まれる各周波数成分を図17のごとく周波数分析し、この分析結果が演算手段58に与えられてオーバーオール値が演算される。このオーバーオール値は、各周波数成分のピーク高さを合計した値から算出される。図17(a)示すごとく、回転体にアンバランスが生じてない状態では、周波数分析で分析される各周波数成分のピーク高さは極めて低く、振動がないことが示される。そして、演算手段58により算出されるオーバーオール値も0.011と低い値となっている。しかるに、回転体にアンバランスウエイトを付した一例の図17(b)にあっては、回転体にアンバランスを生じて振動が発生し、周波数分析手段56で分析される各周波数成分のピーク高さも運転周波数およびその高調波成分で高く示される。そして、演算手段58によるオーバーオール値も0.072と大きな値となる。そこで、このオーバーオール値を予め設定した第5基準値と比較手段60で比較することで、回転体の異常の有無を判別できる。第4実施例では、周波数分析手段56が荷重検出出力から荷重変動成分を抽出する作用も奏するとしてブロック回路図が構成されているが、第1実施例のごとく、荷重検出出力を荷重変動検出手段34に与えて荷重変動成分を抽出し、この荷重変動成分を周波数分析手段56に与えるように構成しても良い。そして、演算手段58および比較手段60によって、回転体の異常の有無を判別する判別手段が形成されている。
【0024】
さらにまた、本発明の第5実施例を図18を参照して説明する。図18は本発明のジェットファンの第5実施例のブロック回路図である。図18において、図16とブロック回路図は全く同じであるが、演算手段の作用が相違する。図18で、図16と同じまたは均等な回路ブロックには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0025】
図18の第5実施例にあっては、周波数分析手段56で分析された各周波数成分から、演算手段62により例えば運転周波数を中心とする狭い帯域幅内にある各周波数成分のピーク高さを合計した値を演算する。そして、この演算値が第6基準値と比較手段64で比較される。演算手段62および比較手段64で判別手段が形成されている。
【0026】
第5実施例では、回転体にアンバランスを生ずるとその回転体が回転される運転周波数の振動が発生することから、この基本的な運転周波数の荷重変動成分の大小から回転体の異常の有無を判別し得る。
【0027】
そしてさらに、本発明の第6実施例を図19を参照して説明する。図19は、本発明のジェットファンの第6実施例のブロック回路図である。図19において、図11と同じまたは均等な回路ブロックには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0028】
図19に示す第6実施例では、増幅手段32の増幅出力が荷重変動検出手段34と引張荷重検出手段36に与えられる。そして、荷重変動検出手段34から出力される荷重変動成分がバンドパスフィルタ66に与えられ、例えば運転周波数を中心とする狭い帯域幅内にある周波数成分のみが抽出され、その抽出された周波数成分の大きさが予め設定された第7基準値と比較手段68で比較される。バンドパスフィルタ66および比較手段68によって判別手段が形成される。
【0029】
第6実施例では、第5実施例と同様に回転体のアンバランスで生ずる運転周波数の荷重変動成分の大小によって回転体の異常の有無を判別できる。上記第5実施例および第6実施例では、比較手段64,68に与えらる周波数成分は、運転周波数の荷重変動成分に限られず、運転周波数の高調波成分であっても良い。さらに、1つの帯域幅の周波数成分に限られず、運転周波数とその高調波のそれぞれの帯域幅の周波数成分の合計が比較手段64,68に与えられても良い。
【0030】
上記第1ないし第6実施例では、いずれも歪みゲージ式ロードセル30が風下側の規制部材26bに設けられていた。そこで、風上側の1本の吊設部材20aに歪みゲージ式ロードセル30を設けた実施例につき、以下説明する。
【0031】
本発明の第7実施例を図20および図21を参照して説明する。図20は、本発明のジェットファンの第7実施例の構造を示す図である。図21は、図20の歪みゲージ式ロードセルの検出出力を処理する一例のブロック回路図である。図20と図21において、図10と図11と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0032】
第7実施例の本発明のジェットファンの構造は、図20に示すごとく、風上側の1つの吊設部材20aに、歪みゲージ式ロードセル30が設けられる。なお、風上側の他方の吊設部材20cおよび風下側の2つの吊設部材20b,20dのいずれに歪みゲージ式ロードセル30を設けても良い。そして、図21に示されるごとく、増幅手段32の増幅出力が荷重変動検出手段34と引張荷重検出手段36に与えられる。そして、引張荷重検出手段36からの引張荷重成分から予め設定された第8基準値が減算手段70で減算され、減算値の絶対値が第9基準値と比較手段72で比較される。この第8基準値は、支持構造の正常状態における歪みゲージ式ロードセル30の検出出力に応じた引張荷重成分に設定される。そして、減算手段70から出力される絶対値の大きさは、支持構造に異常が生ずると大きなものとなる。そこで、歪みゲージ式ロードセル30の検出出力の引張荷重成分が正常状態の大きさから大きくずれて第9基準値を超えると、支持構造の異常と判別される。第7実施例において、減算手段70と比較手段72によって、支持構造の異常を判別する第2の判別手段が形成されている。なお、第7実施例のごとく吊設部材20a,20b,20c,20dのいずれかに設けられた歪みゲージ式ロードセル30に加わる引張荷重成分は、図8と図9に示すごとく、大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。いずれにしろ正常状態における引張荷重成分とは異なる値となることから、その変化分の大きさから異常の有無を判別すれば良い。
【0033】
本発明の第8実施例を図22を参照して説明する。図22は、図20の歪みゲージ式ロードセルの検出出力を処理する他の一例のブロック回路図である。図22において、図21と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0034】
図22の第8実施例にあっては、引張荷重検出手段36の引張荷重成分がウィンドコンパレータ手段74に与えられる。このウィンドコンパレータ手段74には上限基準値と下限基準値がそれぞれ予め設定されており、引張荷重成分の大きさが上限基準値を超えまたは下限基準値を下回ると警報手段44に信号が与えられて支持構造の異常が示される。ウィンドコンパレート手段74が第2の判別手段を形成している。
【0035】
上記実施例では、引張荷重成分の変化分から支持構造の異常の有無を判別するものである。しかるに、支持構造に異常を生ずると、支持構造の剛性が変化し、ジェットファン10の固有振動が変化する。そこで、この固有振動の変化から支持構造の異常の有無を判別することも可能である。
【0036】
本発明の第9実施例を図23および図24を参照して説明する。図23は、1本の吊設部材を緩めてその引張荷重を徐々に小さなものとしたときの固有振動数の変化を示す一例である。図24は、本発明の第9実施例の歪みゲージ式ロードセルの検出出力から固有振動数の変化を求めて支持構造の異常の有無を判別するブロック回路図である。歪みゲージ式ロードセル30は、図10のごとく規制部材に設けられても良く、また図20のごとく吊設部材に設けられても良い。
【0037】
まず、図23に示すごとく、1本の吊設部材を緩めてその引張荷重を徐々に小さなものとして、駆動モータ40を停止させた際に減少していく回転数に対していつ共振現象を生ずるか実験を行った。駆動モータ40の回転数は、支持構造が正常なジェットファン10の固有振動数よりも高い。そこで、駆動モータ40を停止させ、その回転数が変化減少し、ジェットファン10の固有振動数と一致すると、共振現象によって振動が大きくなることから、固有振動数を検出できる。図23で、(ア)は駆動モータ40の停止後の時間経過に対するモータ回転数の変化である。そして(イ)〜(カ)は吊設部材の引張荷重を順次に変化させて共振現象を生ずる時点を検出したものであるが、特に共振現象の生ずる時点が1215回転で変化がなく、固有振動数も変化がないことが示される。しかるに、更に引張荷重を小さくしてほぼ0としたところ、(キ)のごとく、共振現象が1095回転で生じ、固有振動数が変化したことが示される。そこで、支持構造が正常な状態で予め固有振動数を記録し、定期的にその時の固有振動数を検出して、両固有振動数が一致すれば正常であり、不一致であれば支持構造が異常であると判別できる。
【0038】
図24において、歪みゲージ式ロードセル30の検出出力は増幅手段32で増幅され、その増幅出力が荷重変動検出手段34に与えられて、その荷重変動成分が比較手段38と固有振動数検出手段76に与えられる。比較手段38は、第1実施例と同じ回転体の異常の有無を判別する判別手段である。固有振動数検出手段76は、図23に示すごとく、共振現象からその時点における固有振動数を適宜に検出する。そして、固有振動数検出手段76で検出された固有振動数が、予め測定された支持構造が正常な状態における固有振動数と比較手段78で比較される。固有振動数検出手段76からの固有振動数と正常状態における固有振動数が一致しないと、警報手段44に比較手段78より信号が与えられ、支持構造が異常であることが示される。
【0039】
第9実施例において、増幅手段32の増幅出力を第4実施例のごとく周波数分析手段56で周波数分析し、その周波数分析結果から固有振動検出手段76で固有振動数を検出しても良い。また上記実施例は、歪みゲージ式ロードセル30の検出出力に含まれる荷重変動成分から固有振動数の検出を行っているが、いずれかの吊設部材に加速度型振動センサーを設け、その出力から固有振動数を検出しても良い。そして、駆動モータ40の停止による回転数の減少によって共振現象を生じさせるものに限られず、駆動モータ40の起動による回転数の増加によって共振現象を生じさせても良い。さらに、第9実施例では、支持構造の異常の有無を判別するのに引張荷重成分を必要としないので、歪みゲージ式ロードセル30に代えて、振動のみを検出できる加速度型振動センサーを設けて、その出力から回転体と支持構造の異常の有無を判別でするようにしても良い。
【0040】
上記第7ないし第9実施例において、歪みゲージ式ロードセル30を吊設部材に設けても、歪みゲージ式ロードセル30による検出出力には、荷重変動成分が含まれており、第1ないし第6実施例のごとく、回転体などの異常の有無を判別できることは勿論である。
【0041】
そして、上記実施例において、荷重検出手段の検出出力から回転体の異常を判別し、また支持構造の異常の有無を判別する構成は、上記実施例に限られず、荷重検出手段の検出出力を直接または増幅してコンピュータに入力させて、適宜なプログラムによるデジタル処理によって回転体および支持構造の異常の有無を判別するようにしても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のジェットファンは構成されているので、以下のごとき格別な作用効果を奏する。
【0043】
請求項1記載のジェットファンにあっては、吊設部材または規制部材のいずれかに設けた荷重検出手段から得られる荷重変動成分から、羽根車などの回転体の異常の有無を判別することできる。そこで、回転体の異常の有無を常時監視することもできる。しかも、異常の有無の点検に、ジェットファンが吊下げられた道路トンネル内の交通規制をする必要がなく、保守点検および管理が容易である。
【0044】
請求項2ないし8記載のいずれのジェットファンにあっても、荷重変動成分から回転体の異常の有無を確実に判別することができる。
【0045】
請求項9記載のジェットファンにあっては、吊設部材または規制部材のいずれかに設けた荷重検出手段から得られる荷重変動成分と引張荷重成分から、それぞれ回転体の異常の有無を判別できるとともに支持構造の異常の有無を判別することができる。そこで、ジェットファンの回転体と支持構造の異常の有無をともに常時監視することができ、保守管理が容易である。
【0046】
請求項10ないし12記載のいずれのジェットファンにあっても、引張荷重成分の大きさから支持構造の異常の有無を確実に判別することができる。
【0047】
請求項13記載のジェットファンにあっては、荷重検出手段から得られる荷重変動成分により、ジェットファンの固有振動数を検出し、この固有振動数の変化から支持構造の異常を判別できる。そこで、荷重変動成分から回転体の異常の有無と支持構造の異常の有無をともに監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図25と図26で示すジェットファンの構造で正常状態の支持構造において、羽根車に種種の重さのアンバランスウエイトを付加した場合の風上側の規制部材26aの荷重変動を示すグラフである。
【図2】風上側の1本の吊設部材20cの荷重変動を示すグラフである。
【図3】風下側の1本の吊設部材20dの荷重変動を示すグラフである。
【図4】風下側の規制部材26bの荷重変動を示すグラフである。
【図5】風下側の他の1本の吊設部材20bの荷重変動を示すグラフである。
【図6】風上側の他の1本の吊設部材20aの荷重変動を示すグラフである。
【図7】図1なし図6に示す各吊設部材および規制部材のアンバランスウエイトの重さと荷重変動の関係を示すグラフである。
【図8】図25と図26で示すジェットファンの構造で、羽根車などの回転体が正常な状態において、風上側の1本の吊設部材20cのターンバックルを緩めた場合のその吊設部材20cの引張荷重に対する他の吊設部材および規制部材の引張荷重のグラフである。
【図9】風上側の他の1本の吊設部材20aのターンバックルを緩めた場合のその吊設部材20aの引張荷重に対する他の吊設部材および規制部材の引張荷重のグラフである。
【図10】本発明のジェットファンの第1実施例の構造を示す図である。
【図11】図10の歪みゲージ式ロートセルの検出出力を処理する一例のブロック回路図である。
【図12】荷重変動成分を示す図である。
【図13】本発明のジェットファンの第2実施例のブロック回路図である。
【図14】本発明のジェットファンの第3実施例のブロック回路図である。
【図15】図12の荷重変動成分を正側を包絡線検波した検波出力を示す図である。
【図16】本発明のジェットファンの第4実施例のブロック回路図である。
【図17】図16の周波数分析手段から得られる荷重変動成分のスペクトラム図である。
【図18】本発明のジェットファンの第5実施例のブロック回路図である。
【図19】本発明のジェットファンの第6実施例のブロック回路図である。
【図20】本発明のジェットファンの第7実施例の構造を示す図である。
【図21】図20の歪みゲージ式ロードセルの検出出力を処理する一例のブロック回路図である。
【図22】本発明のジェットファンの第8実施例のブロック回路図である。
【図23】1本の吊設部材を緩めてその引張荷重を徐々に小さなものとしたときの固有振動数の変化を示す一例である。
【図24】本発明の第9実施例の歪みゲージ式ロードセルの検出出力から固有振動数の変化を求めて支持構造の異常の有無を判別する一例のブロック回路図である。
【図25】従来のジェットファンの支持構造の一例を円筒状ケーシングの横から見た図である。
【図26】図25のジェットファンを軸方向から見た図である。
【符号の説明】
10 ジェットファン
12 円筒ケーシング
16 トンネル天井壁
20a,20b,20c,20d 吊設部材
26a,26b 規制部材
30 歪みゲージ式ロードセル
34 荷重変動検出手段
36 引張荷重検出手段
38,46,50,54,60,64,68,72,78 比較手段
40 駆動モータ
42 羽根車
44 警報手段
48 計数手段
52 包絡線検波手段
56 周波数分析手段
58,62 演算手段
66 バンドパスフィルタ
70 減算手段
74 ウィインドコンパレータ手段
76 固有振動数検出手段

Claims (13)

  1. 円筒状ケーシングの軸方向中央部の外壁とその略上方位置のトンネル天井壁とを吊設部材で連結してジェットファンの重量を支持するとともに、前記円筒状ケーシングの軸方向両端部の外壁とその軸方向斜め上方位置のトンネル天井壁とを規制部材で連結して前記円筒状ケーシングの揺動を規制する支持構造を有するジェットファンにおいて、前記吊設部材または規制部材の少なくともいずれか1つに荷重を検出する荷重検出手段を設け、前記荷重検出手段の検出出力から荷重変動成分を得る荷重変動検出手段を設け、前記荷重変動成分から回転体の異常を判別する判別手段を設けて構成したことを特徴とするジェットファン。
  2. 請求項1記載のジェットファンにおいて、前記判別手段は、前記荷重変動成分が予め設定された上限基準値を越えまたは下限基準値より下回ると、前記回転体が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  3. 請求項1記載のジェットファンにおいて、前記判別手段は、前記荷重変動成分が所定時間内に予め設定された上限基準値を越えまたは下限基準値を下回る回数を検出するとともに、この検出回数が所定の基準回数を超えると、前記回転体が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  4. 請求項1記載のジェットファンにおいて、前記判別手段は、前記荷重変動成分の正側または負側を包絡線検波し、この包絡線検波出力が予め設定された上限基準値を越えまたは下限基準値を下回ると、前記回転体が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  5. 請求項1記載のジェットファンにおいて、前記判別手段は、前記荷重変動成分を周波数分析手段で周波数分析し、さらに演算手段で各周波数成分のピーク高さを合計したオーバーオール値を算出し、このオーバーオール値が予め設定された基準値より大きいと、前記回転体が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  6. 請求項1記載のジェットファンにおいて、前記判別手段は、前記荷重変動成分を周波数分析手段で周波数分析し、さらに所定の周波数成分のピーク高さが予め設定された基準値より大きいと、前記回転体が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  7. 請求項1記載のジェットファンにおいて、前記判別手段は、前記荷重変動成分からバンドパスフィルタにより所定の周波数成分を抽出し、この所定の周波数成分のピーク高さが予め設定された基準値より大きいと、前記回転体が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  8. 請求項6または7記載のジェットファンにおいて、前記所定の周波数成分を前記回転体の運転周波数に設定して構成したことを特徴とするジェットファン。
  9. 請求項1ないし8記載のいずれかのジェットファンにおいて、前記荷重検出手段の検出出力から引張荷重成分を得る引張荷重検出手段を設け、前記引張荷重成分から前記支持構造の異常を判別する第2の判別手段を設けて構成したことを特徴とするジェットファン。
  10. 請求項9記載のジェットファンにおいて、前記荷重検出手段を前記規制部材のいずれかに設け、前記第2の判別手段は、前記引張荷重成分が予め設定された基準値を越えると、前記支持構造が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  11. 請求項9記載のジェットファンにおいて、前記荷重検出手段を前記吊設部材のいずれかに設け、前記第2の判別手段は、前記引張荷重成分と前記支持構造が正常状態で予め測定された引張荷重成分との差の絶対値が、予め設定された基準値を越えると、前記支持構造が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  12. 請求項9記載のジェットファンにおいて、前記荷重検出手段を前記吊設部材のいずれかに設け、前記第2の判別手段は、前記引張荷重成分が予め設定された上限基準値を越えまたは下限基準値を下回ると、前記支持構造が異常と判別するように構成したことを特徴とするジェットファン。
  13. 請求項5または6記載のジェットファンにおいて、前記ジェットファンの起動または停止の際の駆動モータの回転数の変化に対して、前記ジェットファンの固有振動数で共振現象により振動が増大することにより、前記周波数分析手段で周波数分析された各周波数成分のピーク高さから前記固有振動数を検出する固有振動数検出手段を設けるとともに、前記固有振動数検出手段で検出された固有振動数と前記支持構造が正常状態で予め測定された固有振動数とを比較して変化があると前記支持構造が異常であると判別する第2の判別手段を設けて構成したことを特徴とするジェットファン。
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