JP3784751B2 - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸化物形燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の固体酸化物形燃料電池システムを示す図である。
【0003】
システムに供給された天然ガス(CH4:88%、C2H6:6%、C3H8:4%、C4H10:2%)は、昇温されてプレ改質器6に供給される。
【0004】
プレ改質器6は、図6に示したように、複数の水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池セルを重ねてなるセルスタック22(水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池セルセルスタック)とスタック改質器7とからなるセルモジュール21に隣接して配置されている。このプレ改質器6では、C2H6、C3H8、C4H10の全てとCH4の一部が下記反応式(1)に示す水蒸気改質反応、
CnH2n+2+nH2O → nCO+(2n+1)H2 (1)
により水素(H2)と一酸化炭素(CO)とに変換される。水蒸気改質反応(1)は吸熱反応であり、この熱には隣接して配置された水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池セルスタック22からの排熱が利用される。プレ改質器6の触媒は、アルミナ担体にニッケルを担持したものである。
【0005】
プレ改質器6の排出ガスは、スタック改質器7に供給され、プレ改質器6で未反応の全てのCH4は水蒸気改質反応によりH2とCOに変換される。
【0006】
スタック改質器7は、図6に示すように、水蒸気改質型酸化物形燃料電池セルスタック22と入れ子状に配置されている。プレ改質器6とスタック改質器7は、ともに水蒸気を利用して炭化水素を改質する水蒸気改質器であり、両者の相違は、配置される場所の違いにあり、構造的には同種の触媒を主体としたものである。 スタック改質器7と水蒸気改質型酸化物形燃料電池セルスタック22とが入れ子状に配置されていることにより、スタック改質器7で行う水蒸気改質に必要な熱を効率良く水蒸気改質型酸化物形燃料電池セルスタック22からスタック改質器7に伝える。スタック改質器7の触媒は、プレ改質器6と同様にアルミナ担体にニッケルを担持したものである。
【0007】
スタック改質器7の排出ガスは、水蒸気改質型酸化物形燃料電池セルスタック22(図5においては、これをまとめて水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池8で示す)に供給される。水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池8では、下記反応式(2)に示す、プレ改質器6とスタック改質器7で生成した一酸化炭素の電気化学的酸化反応、
CO+0.5O2 → CO2 (2)
及び下記反応式(3)に示す、プレ改質器6とスタック改質器7で生成した水素の電気化学的酸化反応、
H2+0.5O2 → H2O (3)
を利用して発電が行われる。
【0008】
水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池8の排出ガスの一部はプレ改質器6に供給され、該排出ガス中に含まれる水蒸気は、プレ改質器6及びスタック改質器7の水蒸気改質反応に利用される。
【0009】
このような固体酸化物形燃料電池システムにおいては、例えば、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池8での燃料利用率を80%、発電電圧を0.65Vとすると、その直流端の発電効率は51%となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、システムに供給する全ての炭化水素を水蒸気と反応させることによって得られたH2とCOの電気化学的酸化反応を利用して発電を行う従来の固体酸化物形燃料電池システムでは、水蒸気改質反応により炭化水素からH2とCOを生成する過程において大きなエクセルギー損失を伴うめに、発電効率が低下するという問題があった。
【0011】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、エクセルギー損失が少なく、発電効率が高い固体酸化物形燃料電池システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載のように、
炭化水素を含むガスを燃料とし、前記炭化水素の電気化学的部分酸化反応を利用して発電を行い、前記電気化学的部分酸化反応の生成物である一酸化炭素及び水素と未反応の炭化水素とを排出する部分酸化型固体酸化物形燃料電池と、前記未反応の炭化水素の水蒸気改質反応により一酸化炭素及び水素を発生させるスタック改質器と、前記部分酸化型固体酸化物形燃料電池での電気化学的部分酸化反応及び前記スタック改質器での水蒸気改質反応により生成した一酸化炭素及び水素の電気化学的酸化反応を利用して発電を行う水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池とを有する固体酸化物形燃料電池システムであって、前記部分酸化型固体酸化物形燃料電池の前段に前記炭化水素の部分酸化反応により一酸化炭素及び水素を生成させる部分酸化型改質器を設置することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システムを構成する。
【0013】
また、本発明は、請求項2に記載のように、
炭化水素を含むガスを燃料とし、前記炭化水素の電気化学的完全酸化反応を利用して発電を行い、前記電気化学的完全酸化反応の生成物である二酸化炭素及び水蒸気と未反応の炭化水素とを排出する完全酸化型固体酸化物形燃料電池と、前記未反応の炭化水素の水蒸気改質反応により一酸化炭素及び水素を発生させるスタック改質器と、前記スタック改質器での水蒸気改質反応により生成した一酸化炭素及び水素の電気化学的酸化反応を利用して発電を行う水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池とを有する固体酸化物形燃料電池システムであって、前記完全酸化型固体酸化物形燃料電池の前段に前記炭化水素の部分酸化反応により一酸化炭素及び水素を生成させる部分酸化型改質器を設置することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システムを構成する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態においては、炭化水素の直接的な電気化学的酸化反応を利用して発電を行う固体酸化物形燃料電池を用い、エクセルギー損失の大きい炭化水素の水蒸気改質反応の割合を減らすことによって、発電効率の高い固体酸化物形燃料電池システムを提供する。
【0015】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
実施の形態1
図1は本発明の第一の実施形態の固体酸化物形燃料電池発電システムを示す図である。
【0017】
炭化水素を含み、水分を含まない、すなわちドライな燃料ガスである天然ガスは、炭化水素の部分酸化反応を利用してH2とCOを生成する部分酸化型改質器1に供給される。部分酸化型改質器1には空気も供給され、空気中の酸素を利用してC2H6、C3H8、C4H10の全てが下記反応式(4)〜(6)に示す部分酸化反応により水素(H2)と一酸化炭素(CO)に変換される。
【0018】
C2H6+O2 → 3H2+2CO (4)
C3H8+1.5O2 → 4H2+3CO (5)
C4H10+2O2 → 5H2+4CO (6)
これらの部分酸化による改質反応は発熱反応なので、部分酸化改質器1に熱を供給する必要はないので、部分酸化型改質器1は、図3のように、セルモジュール11と隣接して配置しても構わないし、図4のように、セルモジュール11と独立して配置しても構わない。
【0019】
部分酸化型改質器1の触媒は、プレ改質器6(図5)及びスタック改質器3の触媒と同様にアルミナ担体にニッケルを担持したものである。すなわち、この触媒に、水蒸気と炭化水素が供給されれば水蒸気改質が起こり、空気と炭化水素が供給されれば部分酸化による改質が起こる。
【0020】
CH4、CO及びH2を含有する、部分酸化型改質器1の排出ガスは、下記反応式(7)に示すCH4の電気化学的部分酸化反応、
CH4+0.5O2 → 2H2+CO (7)
を利用して発電を行う部分酸化型固体酸化物形燃料電池2に供給される。
【0021】
部分酸化型固体酸化物形燃料電池2と、スタック改質器3と、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4との配置は、図3及び図4に示したように、セルモジュール11内で、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2は、複数の部分酸化型固体酸化物形燃料電池セル又は完全酸化型固体酸化物形燃料電池セル(本実施形態においては前者)を重ねてなるセルスタック12に分割され、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4も同様にセルスタック13に分割され、セルスタック12とセルスタック13とがスタック改質器3を挟んだ形で入れ子状の配置となっている。
【0022】
部分酸化型固体酸化物形燃料電池2においては、CH4の一部について電気化学的に部分酸化反応が起こり、発電が行われる。部分酸化型固体酸化物形燃料電池2の発電温度は1000℃程度である。
【0023】
部分酸化型固体酸化物形燃料電池2の排出ガスはスタック改質器3に供給され、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2で未反応の全てのCH4は水蒸気改質反応によりH2とCOに変換される。このように、水蒸気改質反応によりH2とCOに変換される燃料ガスはCH4のみであるので、従来技術に比べて、水蒸気改質反応の割合は少なくなり、エクセルギー損失も少なくなる。
【0024】
スタック改質器3の排出ガスは、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4に供給され、部分酸化型改質器1、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2、及びスタック改質器3で生成したH2とCOの電気化学的酸化反応(上記反応式(3)と(2))が起こり、発電が行われる。
【0025】
水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4の排出ガスの一部は、図3及び図4に示したように、スタック改質器3の直前に戻され、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4の排出ガスに含まれる水蒸気が、スタック改質器3の水蒸気改質反応に利用される。
【0026】
このような固体酸化物形燃料電池システムにおいて、例えば、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2で部分酸化型改質器1から供給されたCH4の50%が部分酸化反応により発電に利用され、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4で部分酸化型改質器1、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2、及びスタック改質器3で生成したH2とCOの80%が発電に利用されたとする。このとき、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2の発電電圧を1.0V、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4の発電電圧を0.65Vとすると、システムとしての発電効率は52%となる。燃料電池として水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池8のみを用いた従来の固体酸化物形燃料電池システム(図5)よりも発電効率が1%上昇する。
【0027】
実施の形態2
図2は本発明の第二の実施形態の固体酸化物形燃料電池発電システムを示す図である。
【0028】
炭化水素を含み、水分を含まない、すなわちドライな燃料ガスである天然ガスは、炭化水素の部分酸化反応を利用してH2とCOを生成する部分酸化型改質器1に供給される。部分酸化型改質器1には空気も供給され、空気中の酸素を利用してC2H6、C3H8、C4H10の全てが上記反応式(4)〜(6)に示す部分酸化反応によりH2とCOに変換される。
【0029】
これらの部分酸化による改質反応は発熱反応なので、部分酸化改質器1に熱を供給する必要はないので、部分酸化型改質器1は、図3のように、セルモジュール11と隣接して配置しても構わないし、図4のように、セルモジュール11と独立して配置しても構わない。
【0030】
部分酸化型改質器1の触媒は、プレ改質器6(図5)及びスタック改質器3の触媒と同様にアルミナ担体にニッケルを担持したものである。すなわち、この触媒に、水蒸気と炭化水素が供給されれば水蒸気改質が起こり、空気と炭化水素が供給されれば部分酸化による改質が起こる。
【0031】
CH4、CO及びH2を含有する、部分酸化型改質器1の排出ガスは、下記反応式(8)に示すCH4の電気化学的完全酸化反応、
CH4+2O2 → 2H2O+CO2 (8)
を利用して発電を行う完全酸化型固体酸化物形燃料電池5に供給される。
【0032】
完全酸化型固体酸化物形燃料電池5と、スタック改質器3と、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4との配置は、図3及び図4に示したように、セルモジュール11内で、完全酸化型固体酸化物形燃料電池5は、複数の部分酸化型固体酸化物形燃料電池セル又は完全酸化型固体酸化物形燃料電池セル(本実施形態においては後者)を重ねてなるセルスタック12に分割され、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4も同様にセルスタック13に分割され、セルスタック12とセルスタック13とがスタック改質器3を挟んだ形で入れ子状の配置となっている。
【0033】
完全酸化型固体酸化物形燃料電池5においては、CH4の一部について電気化学的完全酸化反応が起こり、発電が行われる。完全酸化型固体酸化物形燃料電池5の発電温度は、部分酸化型固体酸化物形燃料電池2と異なり、600℃程度である。
【0034】
完全酸化型固体酸化物形燃料電池5の排出ガスは、スタック改質器3に供給され、完全酸化型固体酸化物形燃料電池5で未反応の全てのCH4は水蒸気改質反応によりH2とCOに変換される。この場合にも、水蒸気改質反応によりH2とCOに変換される燃料ガスはCH4のみであるので、従来技術に比べて、水蒸気改質反応の割合は少なくなり、エクセルギー損失も少なくなる。
【0035】
スタック改質器3の排出ガスは、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4に供給される。部分酸化型改質器1及びスタック改質器3で生成したH2とCOの電気化学的酸化反応(上記反応式(3)と(2))が起こり、発電が行われる。
【0036】
水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4の排出ガスの一部は、図3及び図4に示したように、スタック改質器3の直前に戻され、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4の排出ガスに含まれる水蒸気が、スタック改質器3の水蒸気改質反応に利用される。
【0037】
このような固体酸化物形燃料電池システムにおいて、例えば、完全酸化型固体酸化物形燃料電池5で部分酸化型改質器1から供給されたCH4の50%が完全酸化反応により発電に利用され、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4では、部分酸化型改質器1及びスタック改質器3で生成したH2とCOの80%が発電に利用されたとする。このとき、完全酸化型固体酸化物形燃料電池5の発電電圧を0.9V、水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池4の発電電圧を0.65Vとすると、システムとしての発電効率は62%となる。燃料電池として水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池8のみを用いた従来の固体酸化物形燃料電池システム(図5)よりも発電効率が10%向上する。
【0038】
以上説明したように、本発明に依れば、炭化水素の電気化学的酸化反応を利用して発電を行う固体酸化物形燃料電池を用いることによって、高効率な固体酸化物形燃料電池システムを提供することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の実施により、エクセルギー損失が少なく、発電効率が高い固体酸化物形燃料電池システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムを示す図である。
【図2】本発明の第二の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムを示す図である。
【図3】本発明の第一の実施形態及び第二の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの内部構成を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施形態及び第二の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムの内部構成を示す図である。
【図5】従来の固体酸化物形燃料電池システムを示す図である。
【図6】従来の固体酸化物形燃料電池システムの内部構成を示す図である。
【符号の説明】
1…部分酸化型改質器、2…部分酸化型固体酸化物形燃料電池、3…スタック改質器、4…水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池、5…完全酸化型固体酸化物形燃料電池、6…プレ改質器、7…スタック改質器、8…水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池、11…セルモジュール、12、13…セルスタック、21…セルモジュール、22…セルスタック。
Claims (2)
- 炭化水素を含むガスを燃料とし、前記炭化水素の電気化学的部分酸化反応を利用して発電を行い、前記電気化学的部分酸化反応の生成物である一酸化炭素及び水素と未反応の炭化水素とを排出する部分酸化型固体酸化物形燃料電池と、前記未反応の炭化水素の水蒸気改質反応により一酸化炭素及び水素を発生させるスタック改質器と、前記部分酸化型固体酸化物形燃料電池での電気化学的部分酸化反応及び前記スタック改質器での水蒸気改質反応により生成した一酸化炭素及び水素の電気化学的酸化反応を利用して発電を行う水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池とを有する固体酸化物形燃料電池システムであって、前記部分酸化型固体酸化物形燃料電池の前段に前記炭化水素の部分酸化反応により一酸化炭素及び水素を生成させる部分酸化型改質器を設置することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
- 炭化水素を含むガスを燃料とし、前記炭化水素の電気化学的完全酸化反応を利用して発電を行い、前記電気化学的完全酸化反応の生成物である二酸化炭素及び水蒸気と未反応の炭化水素とを排出する完全酸化型固体酸化物形燃料電池と、前記未反応の炭化水素の水蒸気改質反応により一酸化炭素及び水素を発生させるスタック改質器と、前記スタック改質器での水蒸気改質反応により生成した一酸化炭素及び水素の電気化学的酸化反応を利用して発電を行う水蒸気改質型固体酸化物形燃料電池とを有する固体酸化物形燃料電池システムであって、前記完全酸化型固体酸化物形燃料電池の前段に前記炭化水素の部分酸化反応により一酸化炭素及び水素を生成させる部分酸化型改質器を設置することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
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