JP3786246B2 - 開閉弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水の供給及び供給停止を行う開閉弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な水洗式便器では、水道管等の給水管から供給される水をロータンク等の便器洗浄タンクに一旦貯留し、その便器洗浄タンクに貯留した水により便鉢の洗浄を行う。しかし、かかる一般的な水洗式便器では、便器洗浄タンクの設置スペースが必要とされる。このため、近年、スペースの有効活用等の観点から、給水管と水洗式便器との間に開閉弁(流量調整弁)を設け、開閉弁の開弁により給水管から供給される水を水洗式便器へ直接供給可能なタンクレス便器が開発されつつある(特開平3−90723号公報)。
【0003】
かかるタンクレス便器に採用され得る従来の開閉弁は、ハウジングに入水ポート及び出水ポートを有するとともに入水ポートと出水ポートとの間で開度を調整可能な弁機構を有している。入水ポートは給水管に接続されてハウジング内に水を取り込めるようになっており、出水ポートはタンクレス便器に接続されて水をハウジングからタンクレス便器に吐き出し得るようになっている。また、弁機構として、入水ポートと出水ポートとの間にダイアフラムを有しており、このダイアフラムは電磁弁の操作によって撓むことができるようになっている。
【0004】
この開閉弁では、電磁弁の操作によりダイアフラムを撓ませ、これにより入水ポートと出水ポートとの連通の開度が調整可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の開閉弁では、弁機構として可撓性に富むダイアフラムを採用しており、ダイアフラムが撓んで作動応答性が安定せず、例えば水洗式便器に用いた場合における洗浄性等についての信頼性が危惧されることとなる。
特に、この開閉弁では、そのダイアフラムの一面が入水ポート内の水の圧力を常時受けている。このため、この開閉弁では、入水ポート内の水の圧力が過剰に高いときには、開度を小さくする電磁弁の操作に反し、入水ポートと出水ポートとの連通の開度が大きくなりやすい。逆に、入水ポート内の水の圧力が過剰に低いときには、開度を大きくする電磁弁の操作に反し、入水ポートと出水ポートとの連通の開度が小さくなりやすい。これら入水ポート内の水の圧力の変動は、ビルの高層階又は高度地下等、開閉弁の使用される環境等によって生じる。このため、この開閉弁は特に作動応答性が安定しにくいと考えられる。
【0006】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、作動応答性の安定化に貢献できる開閉弁を提供することを解決すべき課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の開閉弁は、圧力をもつ水を取り込む入水ポート及び該水を吐き出す出水ポートをハウジングに有するとともに該入水ポートと該出水ポートとの間で開度を調整可能な弁機構を有する開閉弁において、
前記弁機構は、外部操作手段の外部操作により前記ハウジング内で軸方向に摺動可能に設けられ、該軸方向の一方側に摺動することにより該ハウジングの座面に着座して該入水ポートと該出水ポートとの連通を閉じ、該軸方向の他方側に摺動することにより該座面から離座して該入水ポートと該出水ポートとの連通を開けるピストンと、該ピストンが該入水ポート又は該出水ポート内の水から該他方側に受ける圧力を相殺する圧力相殺手段とを有し、
該入水ポートは該ピストンの周面側に開口し、該出水ポートは該ピストンの軸方向の一方側の端面側に開口し、該ピストンの外周部と該ハウジングの内壁面との境界域はシールされ、
該圧力相殺手段は、該ピストンの他方側に形成された圧力相殺室と、該ピストンに軸方向で貫設され、該ピストンが該座面に着座した状態で該出水ポートと該圧力相殺室とを連通する連通路とからなることを特徴とする。
【0008】
本発明の開閉弁では、外部操作手段の外部操作によりピストンが軸方向の一方側に摺動すれば、ピストンがハウジングの座面に着座し、入水ポートと出水ポートとの連通を閉じる。この状態では、入水ポートからのの流れは停止される。また、外部操作手段の外部操作によりピストンが軸方向の他方側に摺動すれば、ピストンがハウジングの座面から離座し、入水ポートと出水ポートとの連通を開ける。この状態では、開度に応じて、入水ポートからハウジング内を流れ、出水ポートから吐き出される。こうして、この開閉弁では、外部操作手段の外部操作によって入水ポートと出水ポートとの連通の開度が調整可能である。
【0009】
こうしてピストンにより入水ポートと出水ポートとの連通の開閉を行うことから、ピストンは入水ポート又は出水ポート内のによって他方側に圧力を受けることとなる。この際、可撓性を有しないピストンはこの他方側への圧力によって開弁側に撓むことはない。しかし、ピストンの摺動のための空間を設けるだけでは、かかる他方側への圧力により、ピストンは軸方向の摺動性が阻害されてしまう。このため、本発明の開閉弁では、圧力相殺手段によりその他方側への圧力を相殺し、これによりピストンの軸方向の摺動性を確保している。このため、この開閉弁では、作動応答性が安定し、例えば水洗式便器に用いた場合における洗浄性等についての信頼性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の開閉弁では、ピストンの動作により閉弁・開弁速度を任意に設定することができることから、従来の開閉弁のダイアフラムによるような急な閉弁・開弁をなくすことができる。このため、この開閉弁では、を大流量で流しても、急な閉弁を防止できることから、ウォータハンマの発生を防止し、騒音等を抑制することができる。
【0011】
さらに、従来の開閉弁では、ダイアフラムを用いていることから、の低圧時に十分に開弁を行い難く、圧力損失を生じやすい。この点、従来の開閉弁において、の低圧時でも十分な開弁を行わしめ、これにより圧力損失を小さくせんとすれば、その開閉弁は、ダイアフラムの大型化が必要であることから、必然的に大型化してしまい、水洗式便器等への搭載性が損なわれることとなる。これに対し、本発明の開閉弁では、小型のピストンでもその動作によりの低圧時において十分に開弁を行うことができることから、圧力損失を生じ難く、かつ必ずしも大型化せず、水洗式便器等への優れた搭載性を発揮することができる。
【0012】
圧力相殺手段は、ピストンの他方側に形成された圧力相殺室と、ピストンに軸方向で貫設され、ピストンが座面に着座した状態で出水ポートとこの圧力相殺室とを連通する連通路とからなる。こうであれば、出水ポートからピストンの一方側に存在する水が連通路を介して圧力相殺室に移動し、圧力相殺室内の水の圧力と、ピストンの一方側の水の圧力との均衡が図られ、両者の差圧が解消又は減少される。
【0013】
連通路は、ピストンに形成する。ハウジングに連通路を形成すると、ピストンが軸方向に摺動することから、連通路を屈曲させる等、連通路が複雑になるが、ピストンに形成するのであれば、連通路を軸方向に貫設する等、簡易な連通路を採用することができる。また、ピストンに連通路を軸方向で貫設すれば、連通路内を移動するがピストンの摺動時に抵抗を受けず、ピストンの摺動性が向上する。
【0014】
ハウジングの入水ポートがピストンの周面側に開口し、ハウジングの出水ポートがピストンの軸方向の一方側の端面側に開口している。こうであれば、ピストンは入水ポート内のによって他方側に圧力を受けず、開閉弁の使用される環境等によって入水ポート内のの圧力が過剰に高かったり、又は低かったりしても、それによってピストンの摺動性が変化しない。
【0015】
外部操作手段としては、ピストンを磁力等により外部操作可能とする構成も採用し得るが、ピストンに固定されてハウジングから突出し、付勢手段と対抗しつつピストンを軸方向に摺動させるシャフトを採用することが好ましい。こうであれば、従来の開閉弁のような電磁弁を採用する必要がないため、開閉弁の製造コストを低廉化することができる。特に、開閉弁を複数用いる場合、従来の開閉弁では個々の電磁弁で開閉をおこなわなければならないが、かかるシャフトを採用すれば、個々のシャフトを個々のカムで開閉することができ、製造コストの低廉化の効果が大きい。
【0016】
本発明の開閉弁では、図9(A)〜(D)に示す付勢手段とシャフトとの関係を採用することができる。ここで、付勢手段としては、ピストンを押圧する押圧バネ等の押圧手段の他、ピストンを引張する引張バネ等の引張手段を採用することができる。
図9(A)に示す関係では、付勢手段SがピストンPを軸方向の一方側に付勢し、シャフトDが一方側に突出している。この関係では、付勢手段Sの付勢力に抗してシャフトDを他方側に押せば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を開ける。他方、付勢手段Sの付勢力に屈してシャフトDを一方側に引けば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を閉じる。
【0017】
また、図9(B)に示す関係では、付勢手段SがピストンPを一方側に付勢し、シャフトDが他方側に突出している。この関係では、付勢手段Sの付勢力に抗してシャフトDを他方側に引けば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を開ける。他方、付勢手段Sの付勢力に屈してシャフトDを一方側に押せば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を閉じる。
【0018】
さらに、図9(C)に示す関係では、付勢手段SがピストンPを他方側に付勢し、シャフトDが一方側に突出している。この関係では、付勢手段Sの付勢力に抗してシャフトDを一方側に引けば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を閉じる。他方、付勢手段Sの付勢力に屈してシャフトDを他方側に押せば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を開ける。
【0019】
また、図9(D)に示す関係では、付勢手段SがピストンPを他方側に付勢し、シャフトDが他方側に突出している。この関係では、付勢手段Sの付勢力に抗してシャフトDを一方側に押せば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を閉じる。他方、付勢手段Sの付勢力に屈してシャフトDを他方側に引けば、ピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を開ける。
【0020】
これらのうち、図9(A)に示す関係が好ましい。こうであれば、付勢手段Sとして一般的な押圧バネを採用し、この押圧バネの付勢力によってピストンPが入水ポートIと出水ポートOとの連通を閉じることができる一方、入水ポートIと出水ポートOとの連通を開けるため、付勢手段Sの付勢力に抗してシャフトDを他方側に押すためのカムを採用することができる。かかるカムは、入水ポートIと出水ポートOとの連通を開けるために、シャフトDを他方側に押す構造となるため、構造が比較的簡易となり、開閉弁の製造コストを低廉化することができる。
【0021】
本発明の開閉弁の好ましい形態によれば、出水ポートは便器洗浄タンクを有さない水洗式便器(タンクレス便器)に接続される構成を採用することができる。こうであれば、ビルの高層階又は高度地下等においても、便器洗浄タンクを有さないタンクレス便器に対する給水及び給水停止を開閉弁によって確実に行ない得る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
実施形態の開閉弁1は、図1及び図2に示すように、ハウジング2内に水を取り込む入水ポート21と、水を吐き出す出水ポート23とを有している。
【0023】
ハウジング2には、入水ポート21及び出水ポート23に連通するピストン室25が形成されている。ピストン室25にはピストン3が軸方向に摺動可能に収納されている。入水ポート21はピストン3の周面側に開口し、出水ポート23はピストン3の軸方向の一方側の端面側からハウジング2の側面側に屈曲して開口している。ピストン3の外周部のリング溝にはOリング31が保持されており、ピストン3の外周部とハウジング2の内壁面との境界域をシールしている。
【0024】
また、ピストン室25内にはハウジング2とピストン3の他端面3bとにより圧力相殺室4が形成されている。圧力相殺室4はピストン3に形成された複数本の連通孔4aを介して出水ポート23側に連通している。各連通孔4aはピストン3の一端面3a側と他端面3b側とを軸方向で連通している。これら圧力相殺室4及び各連通孔4aが圧力相殺手段である。
【0025】
圧力相殺室4には、付勢手段としての押圧コイルバネ5が同軸的に配置されている。押圧コイルバネ5はハウジング2とピストン3の他端面3bとの間に介装され、ピストン3を常時一方側、つまり矢印Y1方向に付勢し、入水ポート21と出水ポート23との連通を閉じる方向に付勢力を有している。
ピストン3の一端面3aにはピストン3を軸方向で移動させ得る外部操作手段としてのシャフト6が同軸的に固定され、ハウジング2から突出されている。シャフト6の先端部はハウジング2から軸方向の一方側、つまり矢印Y1方向に突出し、カム70(図3等の第1カム91又は第2カム92)により軸方向の他方側、つまり矢印Y2a方向に押圧可能となっている。カム70によりシャフト6が矢印Y2a方向に押圧されると、ピストン3が連動して同じ方向に摺動する。なお、シャフト6とハウジング2との境界域はOリング62によりシールされている。
【0026】
上記開閉弁1と同様の開閉弁1B、1Cを用意し、図3及び図4に示すように、一つをリム用の開閉弁1Bとし、他の一つをジェット用の開閉弁1Cとし、給水装置7を組み付ける。この給水装置7は、これら開閉弁1B、1Cと、連結部材14B、14Cと、一対のバキュームブレーカ15B、15Cと、カム装置90と、駆動装置94と、手動操作用のハンドル95と、図示しないコントローラとからなる。かかる給水装置7は、図5〜8に示すように、衛生機器としての便器洗浄タンクを有さないタンクレス便器8の後端にベースプレート9を介して組込まれ、カバー81により隠蔽されている。タンクレス便器8の便鉢部80は、排泄物を受けるボウル部82と、ボウル部82の上部周縁に巡らされたリム通水路83を有するリム84と、ボウル部82の底に連通し、排泄物を流すトラップ部85と、トラップ部85の入口に取り付けられたジェットノズル87とを備えている。なお、便座及び便蓋の図示は省略している。
【0027】
図3及び図4に示すように、開閉弁1Cの入水ポート21Cには側面側に突出してフランジ7aが形成されており、フランジ7aには、図5〜8にも示すように、導管101の一端が接続される。導管101の他端は分岐装置102に接続されており、分岐装置102はフレキシブルホース103により図示しない止水栓を介して水道管等の給水管に接続されている。また、図3及び図4に示す開閉弁1Cの入水ポート21Cは、図1及び図2に示す開閉弁1と同様、ハウジング2とピストン3の外周面3fとの間に形成された連絡路22を介して開閉弁1Bの入水ポートに繋がっている。
【0028】
図3及び図4に示すように、開閉弁1Cには連結部材14Cが接続され、連結部材14Cの上端にはバキュームブレーカ15Cが接続されている。開閉弁1Cの出水ポート23Cは連結部材14Cの出水ポート24C及びバキュームブレーカ15Cの大気孔と接続されている。連結部材14Cの出水ポート24Cには下方に突出してフランジ7bが形成されており、フランジ7bは、図5〜8に示すように、ジェット用導管97によりタンクレス便器8のジェットノズル87に接続されている。
【0029】
他方、図3及び図4に示すように、開閉弁1Bにも連結部材14Bが接続され、連結部材14Bの上端にはバキュームブレーカ15Bが接続されている。開閉弁1Bと同様、開閉弁1Bの出水ポートは連結部材14Bの出水ポート24B及びバキュームブレーカ15Bの大気孔と接続されている。連結部材14Bの出水ポート24Bには下方に突出してフランジ7cが形成されており、フランジ7cは、図5〜8に示すように、リム用導管98によりタンクレス便器8のリム通水路83に連通されている。リム用導管98には、図6及び図8に示すように、先端側に開いて水を右回りに吐出可能な開口98aと、側面側に開いて水を左回りに吐出可能な開口98bとが形成されている。
【0030】
図3及び図4に示すカム装置90は、両開閉弁1B、1Cに固定され、前方に向かって両端が突出しているブラケット90bと、このブラケット90bに水平状態で回転可能に保持されたカムシャフト90aと、このカムシャフト90aに固定され、各開閉弁1B、1Cのシャフト6B、6Cと外周のカム面により当接可能な第1、2カム91、92とからなる。
【0031】
駆動装置94は、変速ギア及びモータを内蔵しており、コントローラの制御によりカム装置90のカムシャフト90aを回転駆動できるようになっている。
ハンドル95は駆動装置94に取り付けられており、カム装置90のカムシャフト90aを手動回転できるようになっている。
上記のように構成されたタンクレス便器8では、給水管、止水栓、フレキシブルホース103、分岐装置102及び導管101を経て水が給水装置7に供給される。給水装置7では、便鉢部80の洗浄を行おうとする使用者のスイッチ操作がない限り、両開閉弁1B、1Cが閉弁している。つまり、図1及び図2に示す開閉弁1で説明すれば、押圧コイルバネ5の付勢力により、ピストン3が軸方向の一方側、つまり矢印Y1方向に移動している。このため、図1に示すように、ピストン3はハウジング2の座面2aに着座し、ピストン3の外周面3fが入水ポート21を閉鎖するとともに、ピストン3の一端面3aが出水ポート23を閉鎖している。このため、入水ポート21と出水ポート23との連通が閉じられており、水はタンクレス便器8へは供給されない。
【0032】
そして、便鉢部80の洗浄を行うときには、使用者のスイッチ操作に基づいて、コントローラの信号により駆動装置94のモータが駆動し、カムシャフト90aが回転駆動される。これにより、第1カム91のカム面が開閉弁1Bのシャフト6Bを下方向に押圧し、開閉弁1Bを開弁させる。つまり、図1及び図2に示す開閉弁1で説明すれば、第1カム91によりシャフト6を軸方向の他方、つまり矢印Y2a方向に押圧する。すると、押圧コイルバネ5が弾性収縮し、ピストン3は軸方向の他方向、つまり矢印Y2方向に移動する。これにより、図2に示すように、ピストン3はハウジング2の座面2aから離座し、入水ポート21と出水ポート23との連通を開ける。これにより、給水装置7が水をリム用導管98を介してリム通水路83に給水し、ボウル部82の内壁面を洗浄する。
【0033】
第1カム91のカム面が開閉弁1Bのシャフト6Bを下方向に押圧しなくなり、上記開閉弁1の閉弁と同様に開閉弁1Bが閉弁した後、第2カム92のカム面が開閉弁1Cのシャフト6Cを下方向に押圧し、上記開閉弁1と同様、開閉弁1Cを開弁させる。これにより、給水装置7が水をジェット用導管97を介してジェットノズル87に給水し、トラップ部85に強制的にサイホン作用を生じさせる。
【0034】
次いで、第2カム92のカム面が開閉弁1Cのシャフト6Cを下方向に押圧しなくなり、上記開閉弁1の閉弁と同様に開閉弁1Cが閉弁した後、第1カム91のカム面が開閉弁1Bのシャフト6Bを再度下方向に押圧し、上記開閉弁1と同様、開閉弁1Bを再度開弁させる。これにより、給水装置7が水をリム用導管98を介してリム通水路83に給水し、ボウル部82を封水する。
【0035】
こうして、実施形態の両開閉弁1B、1Cでは、シャフト6B、6Cの外部操作によって入水ポートと出水ポートとの連通の開度が調整可能である。以下、図1及び図2に示す開閉弁1で説明すれば、ピストン3により入水ポート21と出水ポート23との連通の開閉を行うことから、ピストン3は出水ポート23内のによって他方側に圧力を受けることとなる。この際、可撓性を有しないピストン3はこの他方側への圧力によって開弁側に撓むことはない。しかし、ピストン3の摺動のための空間を設けるだけでは、かかる他方側への圧力により、ピストン3は軸方向の摺動性が阻害されてしまう。この点、開閉弁1では、ピストン3の他方側に圧力相殺室4を形成し、ピストン3の一方側とこの圧力相殺室4とを複数本の連通路4aにより連通したため、出水ポート23からピストン3の一方側に存在する水が連通路4aを介して圧力相殺室4に移動し、圧力相殺室4内の水の圧力と、ピストン3の一方側の水の圧力との均衡が図られ、両者の差圧が解消又は減少される。これによりピストン3の軸方向の摺動性が確保される。このため、この開閉弁1では、作動応答性が安定し、タンクレス便器8に用いた場合における洗浄性等についての信頼性を向上させることができる。
【0036】
また、実施形態の開閉弁1では、ピストン3に連通路4aを形成しているため、各連通路4aを簡易に軸方向に貫設することができる。そして、ピストン3に連通路4aを軸方向で貫設しているため、連通路4a内を移動する水がピストン3の摺動時に抵抗を受けず、ピストン3の摺動性が向上している。
さらに、実施形態の開閉弁1では、ハウジング2の入水ポート21がピストン3の周面側に開口し、ハウジング2の出水ポート23がピストン3の軸方向の一方側の端面側に開口しているため、ピストン3は入水ポート21内の水によって他方側に圧力を受けず、開閉弁1の使用される環境等によって入水ポート21内の水の圧力が過剰に高かったり、又は低かったりしても、それによってピストン3の摺動性が変化しない。
【0037】
また、外部操作手段として、ピストン3に固定されてハウジング2から突出し、押圧コイルバネ5と対抗しつつピストン3を軸方向に摺動させるシャフト6を採用しているため、従来の開閉弁のような電磁弁を採用する必要がなく、開閉弁1の製造コストを低廉化することができる。特に、実施形態に示すタンクレス便器8では、一対の開閉弁1B、1Cを用いているため、この効果が大きい。また、これら開閉弁1B、1Cを1本のカムシャフト90aに固定した第1、2カム91、92で開閉することができ、さらにこの効果が大きい。
【0038】
さらに、実施形態の開閉弁1では、押圧コイルバネ5がピストン3を軸方向の一方側に付勢し、シャフト6が一方側に突出しているため、比較的安価な押圧コイルバネ5を採用し、この押圧コイルバネ5の付勢力によってピストン3が入水ポート21と出水ポート23との連通を閉じることができる一方、入水ポート21と出水ポート23との連通を開けるため、押圧コイルバネ5の付勢力に抗してシャフト6を他方側に押すためのカム70を採用することができる。かかるカム70は、入水ポート21と出水ポート23との連通を開けるために、シャフト6を他方側に押す構造となるため、構造が比較的簡易となり、開閉弁1の製造コストを低廉化することができる。
【0039】
また、実施形態の開閉弁1では、カム70及びシャフト6を介したピストン3の動作により閉弁・開弁速度を任意に設定することができることから、水を大流量で流しても、急な閉弁を防止できることから、ウォータハンマの発生を防止し、騒音等を抑制することができる。
さらに、実施形態の開閉弁1では、小型のピストン3でもその動作により水の低圧時において十分に開弁を行うことができることから、圧力損失を生じ難く、かつ必ずしも大型化せず、タンクレス便器8への優れた搭載性を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係り、開閉弁の閉弁状態の断面図である。
【図2】実施形態に係り、開閉弁の開弁状態の断面図である。
【図3】実施形態の適用形態に係り、ジェット用の開閉弁及びリム用の開閉弁を用いた給水装置の正面図である。
【図4】実施形態の適用形態に係り、ジェット用の開閉弁及びリム用の開閉弁を用いた給水装置の側面図である。
【図5】実施形態の適用形態に係り、タンクレス便器の要部の断面図である。
【図6】実施形態の適用形態に係り、タンクレス便器の要部の平面図である。
【図7】実施形態の適用形態に係り、タンクレス便器の要部の背面図である。
【図8】実施形態の適用形態に係り、タンクレス便器の要部の斜視図である。
【図9】本発明の開閉弁の適用可能な構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1、1B、1C、10…開閉弁(1B…リム用の開閉弁、1C…ジェット用の開閉弁)
2…ハウジング
2a…座面
21、21C…入水ポート
23、23C…出水ポート
3、4、4a…弁機構(3…ピストン、4、4a…圧力相殺手段(4…圧力相殺室、4a…連通路)
4a…連通路
6、6B、6C…外部操作手段(シャフト)
5…付勢手段(押圧コイルバネ)
8…水洗式便器(タンクレス便器)
70、91、92…カム(91…第1カム、92…第2カム)

Claims (4)

  1. 圧力をもつ水を取り込む入水ポート及び該水を吐き出す出水ポートをハウジングに有するとともに該入水ポートと該出水ポートとの間で開度を調整可能な弁機構を有する開閉弁において、
    前記弁機構は、外部操作手段の外部操作により前記ハウジング内で軸方向に摺動可能に設けられ、該軸方向の一方側に摺動することにより該ハウジングの座面に着座して該入水ポートと該出水ポートとの連通を閉じ、該軸方向の他方側に摺動することにより該座面から離座して該入水ポートと該出水ポートとの連通を開けるピストンと、該ピストンが該出水ポート内の水から該他方側に受ける圧力を相殺する圧力相殺手段とを有し、
    該入水ポートは該ピストンの周面側に開口し、該出水ポートは該ピストンの軸方向の一方側の端面側に開口し、該ピストンの外周部と該ハウジングの内壁面との境界域はシールされ、
    該圧力相殺手段は、該ピストンの他方側に形成された圧力相殺室と、該ピストンに軸方向で貫設され、該ピストンが該座面に着座した状態で該出水ポートと該圧力相殺室とを連通する連通路とからなることを特徴とする開閉弁。
  2. 外部操作手段は、ピストンに固定されてハウジングから突出し、付勢手段と対抗しつつ該ピストンを軸方向に摺動させるシャフトであることを特徴とする請求項1記載の開閉弁。
  3. 付勢手段はピストンを軸方向の一方側に付勢し、シャフトは該一方側に突出していることを特徴とする請求項2記載の開閉弁。
  4. 出水ポートは便器洗浄タンクを有さない水洗式便器に接続されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の開閉弁。
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