JP3786754B2 - 環状切断面を有する合成樹脂製品並びに該切断面の形成方法及び形成装置 - Google Patents
環状切断面を有する合成樹脂製品並びに該切断面の形成方法及び形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体等の内容物が収容された容器に適用される合成樹脂製キャップあるいは噴出容器に適用される合成樹脂製カバー部材、等の合成樹脂製品のうち、環状内側壁と環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有し、内側壁の外周面と外側壁の内周面との間に環状の切断面が存在する形態の、合成樹脂製品並びに該切断面の形成方法及び形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体等の内容物が収容された容器は、その内容物が漏洩しないよう、例えば合成樹脂製キャップにより、その開口部が密封される。キャップによる密封は充分な信頼性をもって遂行されなければならない。また、キャップにはTE(タンパー・エビデント)機能、すなわち不正使用防止機能を備えていることが要求される。そして更に、内容物を消費した後に容器を廃品として投棄する際には、資源再利用等の見地からできる限り材料別に分離して投棄することが望まれる。すなわち合成樹脂製キャップには、TE特性を有すると共に、容器に対して充分確実な密封状態を維持しながら係止されるにもかかわらず、廃品として投棄する際には、ナイフ等の特別な器具を使用することなく、充分容易に分離可能であることが要求される。
【0003】
上記要求を満足するための合成樹脂製キャップは、例えば、特願平7−120108号、特願平8−30929号及び特願平8−66536号として、既に本出願人によって出願されている。これらの出願における明細書に開示された合成樹脂製キャップは、いずれも、環状内側壁と環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備えている。内側壁の内周面には容器の開口部の外周面に備えられた被係止手段に直接係止させられる係止手段が形成され、内側壁にはその下端から上方に向かって延びる複数個のスリットが周方向に間隔をおいて形成されている。該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備えている。該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成されている。この環状の切断面は、相互に半径方向に完全に切断されてはいるが、相互に実質上密着した状態にある。上記複数個の橋絡部はキャップの開口端側に配置される場合と、キャップの開口端側に対し軸方向の反対側、すなわち天面壁側に配置される場合とがある。
【0004】
他方、噴出容器に適用される合成樹脂製カバー部材も、容器に対して充分確実に係止されるにもかかわらず、廃品として投棄する際には、ナイフ等の特別な器具を使用することなく、充分容易に分離可能であることが要求される。この要求を満足するためのカバー部材は、例えば、特願平8−118563号、特願平8−186148号として、既に本出願人によって出願されている。この形態のカバー部材は、上記キャップと略同様な二重壁構造を有しているが、容器に形成された被係止手段に直接係止させられる係止手段が、内側壁の内周面に形成されたもの(容器の外周面に形成された被係止手段に係止させられる)と、外側壁の外周面に形成されたもの(容器の内周面に形成された被係止手段に係止させられる)と、の2種類が存在する。
【0005】
上記したような形態のキャップあるいはカバー部材等の合成樹脂製品における内側壁の外周面と外側壁の内周面との間に存在する環状の切断面は、内側壁及び外側壁、すなわち二重壁を形成するために、該製品を射出成形あるいは圧縮成形により一体成形した後、少なくとも橋絡部の各々を残して、環状体を半径方向中間部において環状に切断することによって形成される。そして環状の切断面は、環状体の軸線(合成樹脂製品の軸線でもある)に対し平行となるように形成されている。換言すれば、上記環状の切断面の直径は、軸線の一方から他方に向かって一定に形成され、相互に実質上密着した状態にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記形態の合成樹脂製品は、容器に装着された状態(閉栓状態)において、その係止手段が容器の被係止手段に直接係止されることにより、半径方向の力を受ける。この力は、係止手段が内側壁の内周面に形成されて、容器の外周面に形成された被係止手段に直接係止させられる形態の合成樹脂製品の場合には、合成樹脂製品を半径方向に拡大させるように作用し、また、係止手段が外側壁の外周面に形成されて、容器の内周面に形成された被係止手段に直接係止させられる形態の合成樹脂製品の場合には、合成樹脂製品を半径方向に縮小させるように作用する。いずれにしても、環状の切断面は、合成樹脂製品が単体で存在する状態に較べて相当大きな摩擦力が作用した状態で密着(圧接)させられる。そして容器に直接係止されていない外側壁又は内側壁の一方を軸線方向に所定の力で強制移動させると、橋絡部が切断して、外側壁又は内側壁の該一方は、容器に直接係止された内側壁又は外側壁の他方(以下単に「他方」と略称することがある)から軸線方向に完全に離脱させられる(開封状態となる)。
【0007】
もちろん、外側壁と内側壁とが、切断される橋絡部の他に、切断されない連結部を介して接続されるよう形成されている場合には、該連結部を残して切断されることになる(この場合には、外側壁又は内側壁の一方は、容器に直接係止された他方から上記連結部を残して軸線方向に離脱させられる(開封状態となる)。この明細書において、「外側壁又は内側壁の一方が、容器に直接係止された他方から軸線方向に離脱させられる」とは、上記のいずれをも含むものである。
【0008】
ところで上述のとおり、環状の切断面は、環状体の軸線に対し平行となるように形成されているので、上記軸線方向の強制力に対する切断面の上記圧接力に起因する摩擦抵抗は相当大きくなる。その結果、外側壁又は内側壁の一方を、容器に直接係止された他方から軸線方向に離脱させるための軸線方向の強制力が相当大きくなり、したがって切断しにくくなる、との問題が存在する。上記強制力が、軸線方向の一方から他方、他方から一方のいずれに向かう方向であっても、上記摩擦抵抗は同等に作用するものである。また上記切断面の摩擦抵抗は、切断面の面積及び/又は上記半径方向の力が大きくなるほど増大し、離脱しにくい(切断しにくい)傾向は増大する。一般的には、合成樹脂製カバー部材の方が、合成樹脂製キャップよりも切断面の面積が大きくかつ上記半径方向の力も大きいので、上記傾向は強くなる。
【0009】
本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その主目的は、容器に直接係止されていない外側壁又は内側壁の一方を容器に直接係止された他方から比較的容易に離脱させることを可能とする、環状切断面を有する合成樹脂製品並びに該切断面の形成方法及び形成装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、TE機能を向上させることができる、環状切断面を有する合成樹脂製品並びに該切断面の形成方法及び形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、天面壁と天面壁の周囲から垂下するスカート壁とを備え又は、天壁部と天壁部の周囲から垂下するスカート部とを備え、スカート壁又はスカート部の開口端側は、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁には、容器の開口部の外周部に備えられた環状の凹部に係止される環状の凸部が形成され、該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成されている合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品において、
該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している、
ことを特徴とする合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品、が提供される。
本発明によれば、更に、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁の内周面に噴出容器の上端部に形成されたカールの外周部に係止される係止凸部が形成されるか又は、該外側壁の外周面に噴出容器の上端部に形成されたカールの内周部に係止される係止凸部が形成され、該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成されている噴出容器の合成樹脂製カバー部材からなる合成樹脂製品において、
該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している、
ことを特徴とする噴出容器の合成樹脂製カバー部材からなる合成樹脂製品、が提供される。
ちなみに、本明細書における「合成樹脂製品」とは、液体等の内容物が収容された容器に適用される合成樹脂製キャップ又は噴出容器に適用される合成樹脂製カバー部材を意味する。
【0012】
上記本発明において、環状の切断面は、環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、軸線に近付くように又は軸線から離れるように傾斜している。換言すれば、上記切断面の直径は、軸線方向の一方から他方に向かうに従って小さくなるように又は大きくなるように変化している、といえる。更に換言すれば、上記環状の切断面は、上記軸線を中心とする円錐台における周面の如き形状をなしている、といえる。
したがって、この合成樹脂製品を容器に装着した状態で、容器に直接係止されていない外側壁又は内側壁の一方を、容器に直接係止されている他方に対し、軸線方向の一方から他方に、又は他方から一方に向かう強制力を作用させた場合、相互に圧接されている環状の切断面には、相互に離れようとする力又は相互に一層密着(圧接)しようとする力が作用する。
【0013】
容器に直接係止されていない外側壁又は内側壁の一方を、環状の切断面に相互に離れようとする力が作用するよう強制させた場合には、容器に直接係止されている他方に対し、比較的容易に離脱させることが可能となる。
【0014】
他方、容器に直接係止されていない外側壁又は内側壁の一方を、環状の切断面に相互に一層密着しようとする力が作用するよう強制させた場合には、摩擦抵抗は従来以上に大きくなって、離脱しづらくなる。しかしながら外側壁又は内側壁の一方を他方に対し離脱させた後に、離脱した外側壁又は内側壁の一方を他方に対し嵌合させようとしても、嵌合させようとする外側壁又は内側壁の一方の端部とこれに対応する他方の端部との間に径の差が存在するので、嵌合させることは著しく困難となる。すなわち、一旦離脱させた外側壁又は内側壁の一方を見かけ上の元の状態に戻すことは著しく困難となり、TE機能は更に向上する。
【0015】
本発明によれば、更に、天面壁と天面壁の周囲から垂下するスカート壁とを備え又は、天壁部と天壁部の周囲から垂下するスカート部とを備え、スカート壁又はスカート部の開口端側は、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁には、容器の開口部の外周部に備えられた環状の凹部に係止される環状の凸部が形成され、該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成され、該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品、における該切断面を形成する方法であって、
該合成樹脂製品を、該環状体の該中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように又は小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付け、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた該中間部に作用させ、該中間部及び該橋絡部の各々における一部を環状に切断する、
ことを特徴とする合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品に環状切断面を形成する方法、が提供される。
【0016】
この発明においては、合成樹脂製品を、環状体の中間部の径が軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように又は小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付け、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた中間部に作用させ、中間部及び橋絡部の各々における一部を環状に切断するよう構成されている。環状体の中間部の径が軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工を遂行した場合には、切断加工後、上記弾性変形を解除して環状体の中間部の径が元の径に復帰した状態において、上記切断面は、環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って軸線に近付くように傾斜した切断面に変形する。また環状体の中間部の径が軸線の一方から他方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工を遂行した場合には、切断加工後、上記弾性変形を解除して環状体の中間部の径が元の径に復帰した状態において、上記切断面は、環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って軸線から離れるように傾斜した切断面となる。したがって、この発明によれば、合成樹脂製品に対し、上記の如き環状の切断面をきわめて容易にしかも確実に形成することが可能となる。また格別なカッタを使用することなく、構成の簡単な環状のカッタを使用することができるので、比較的低コストで実用化できる。
【0017】
本発明によれば、更に、該内側壁に備えられた係止手段又は該内側壁の内径より大きな外径を有する位置決め部材を該係止手段又は該内側壁に強制嵌合させて該内側壁を半径方向に拡大することにより、該環状体の該中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめた状態で該切断加工位置に位置付ける、前記合成樹脂製品に環状切断面を形成する方法、が提供される。
この方法によれば、環状切断面を加工するに際して上記の如き位置決め部材を用意するのみで環状体の中間部の径を弾性変形せしめることができ、上記の如き環状の切断面をきわめて容易にしかも確実に形成することが可能となる。
【0018】
本発明によれば、更に、該外側壁又は該外側壁に備えられた該係止手段の外径より小さな半径方向寸法を有する縮径用嵌合フランジ部を該外側壁の外周部又は該係止手段に強制嵌合させて該外側壁を半径方向に縮小することにより、該環状体の該中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめた状態で該切断加工位置に位置付ける、前記合成樹脂製品に環状切断面を形成する方法、が提供される。
この方法によれば、環状切断面を加工するに際して上記の如き位置決め部材を用意するのみで環状体の中間部の径を弾性変形せしめることができ、上記の如き環状の切断面をきわめて容易にしかも確実に形成することが可能となる。
【0019】
本発明によれば、更に、天面壁と天面壁の周囲から垂下するスカート壁とを備え、スカート壁の開口端側は、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁には、容器の開口部の外周部に備えられた環状の凹部に係止される環状の凸部が形成され、
該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成され、該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品、における該切断面を形成する装置であって、
回転アンビルと、該回転アンビル上に固定されかつ該製品の外周の一部を受け入れて搬送する複数個の切欠きを周縁に有する回転ターレット板と、該切欠きの各々に対応して該回転アンビルに配設された該製品の位置決め部材と、該回転アンビルと一体的に回転されるよう該切欠きの各々に対応して上方に配設されかつストリッパと環状のカッタとを備えたカッタ保持手段と、
該カッタ保持手段を下降させて、該ストリッパが該天面壁の上面に当接する第一の作用位置と、該ストリッパが該天面壁の上面を押圧すると共に該カッタが該中間部を環状に切断する第二の作用位置と、該カッタ保持手段を該第二及び第一の作用位置から上昇させて、該カッタ及び該ストリッパが該製品から上方に離れる非作用位置とに位置付けるための第一の昇降動手段と、
該位置決め部材を上昇させて、該内側壁の該凸部に係合させると共に該位置決め部材の上端を該天面壁の内面に当接させることにより該第一の作用位置にある該ストリッパと協動して該製品を切断加工位置に位置付ける作用位置と、該位置決め部材を該作用位置から下降させて該係合を解除する非作用位置とに位置付けるための第二の昇降動手段とを備え、
該位置決め部材の、該凸部に係合される部分の外径は該凸部の内径より大きく形成されている、
ことを特徴とする合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品に環状切断面を形成する装置、が提供される。
【0020】
この発明においては、第一の昇降動手段によってカッタ保持手段を下降させて第一の作用位置に位置付け、また第二の昇降動手段によって位置決め部材を上昇させて作用位置に位置付けることにより、製品が切断加工位置に位置付けられる。製品が切断加工位置に位置付けられた状態で、位置決め部材は内側壁の係止手段に係合させられる。そして位置決め部材の、係止手段に係合される部分の外径は係止手段の内径より大きく形成されているので、切断加工前の製品は、環状体の中間部の径が軸線の上方から下方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめられた状態で切断加工位置に位置付けられることになる。次いで、第一の昇降動手段によってカッタ保持手段を更に下降させて第二の作用位置に位置付けることにより、環状のカッタが上記の如く弾性変形せしめられた環状体の中間部に作用させられ、中間部及び橋絡部の各々における一部が環状に切断される。第一の昇降動手段によってカッタ保持手段を第二及び第一の作用位置から上昇させて非作用位置に位置付け、第二の昇降動手段によって位置決め部材を作用位置から下降させて非作用位置に位置付けることによって、切断加工が完了する。製品の上記弾性変形は解除され、環状体の中間部の径は元の状態に復帰する。その結果、上記切断面は、環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って軸線に近付くように傾斜した切断面に変形する。第一の昇降動手段及び第二の昇降動手段を適宜のタイミングで作動させることは容易である。したがって、製品が回転ターレット板の切欠きに受け入れられて搬送される間に、製品に環状の切断加工が次々に遂行され、環状二重壁の境界面を規定する環状の切断面は高速かつ正確に形成される。したがって、本発明によれば、高効率で生産性の高い、合成樹脂製品に環状切断面を形成する装置が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された環状切断面を有する合成樹脂製品並びに該切断面の形成方法及び形成装置の好適実施形態を、添付図面を参照して更に詳細に説明する。先ず、図7〜図9を参照して、本発明に係る装置によって環状切断面が形成された合成樹脂製品である合成樹脂製キャップの一実施形態について説明する。
【0022】
全体を番号100で示す合成樹脂製のキャップは、天面壁102と、天面壁102の周縁から垂下するスカート壁104とを備えている。スカート壁104の開口端側は、環状内側壁106と、環状内側壁106の周囲を囲む環状外側壁108とを有する環状体110により構成されている。外側壁108の下端は内側壁106の下端よりも更に下方に延びた位置にある。内側壁106の内周面には、図8に2点鎖線で示す容器112の開口部(口部)の外周部に備えられた環状の凹部114(被係止手段)に係止させられる環状の凸部116(係止手段)が形成されている。内側壁106にはその下端から上方に向けて延びる複数個のスリット117が周方向に間隔をおいて形成されている。天面壁102の内側には下方に垂下するインナーリング103が形成されている。インナーリング103は容器112の口部の内周部に係合して密封性を向上させるためのものである。
【0023】
環状体110における内側壁106と外側壁108との境界領域下端部には、周方向に延びる複数個の弧状溝115が形成されている。該境界領域下端部には、複数個の破断可能な橋絡部118が、周方向に間隔をおいて、内側壁106と外側壁108との間に延在するよう配設されている。環状体110には、該境界領域(換言すれば、内側壁106と外側壁108との間に延在する半径方向中間部)から橋絡部118の各々における一部に至る環状の切断面120が形成されている。内側壁106と外側壁108とは、橋絡部118の各々における切断面120が形成されていない部分を除き、環状の切断面120によって分離されている。環状の切断面120は、環状体110の軸線(図示せず)の天面壁側から開口端側に向かうに従って、該軸線に近付くように傾斜している。橋絡部118の各々は、内側壁106の外周面の略下端部と外側壁108の対応する内周面との間の上記弧状溝115内に形成されている。外側壁108には、半径方向外方に突出した開栓用のタブ122が、その周方向の一部にわたって形成されている。
【0024】
以上のように構成されたキャップ100が図8に示すように容器112の開口部に係止(装着)された状態において、内側壁106は切断面120の部分でその周囲を外側壁108に密接して包囲されているので、スリット117の存在にもかかわらず、内側壁106が半径方向外方に広げられることは充分確実に防止される。したがって内側壁106の内周面に形成されている凸部116は充分強固に容器112の開口部に形成された凹部114に係止される。
【0025】
上記の如き切断面120が形成されたキャップ100において、外側壁108を下方に強制させた場合には、切断面120が、環状体110の軸線の上方(天面壁側)から下方(開口端側)に向かうに従って、該軸線に近付くように傾斜しているので、外側壁108の切断面120は、内側壁106の切断面120から離れようとする力が作用する。したがって上記橋絡部118の各々に相当の応力が生成され、容易に破断される。内側壁106は容器112に係止されているので、外側壁108のみがキャップ100から分離される。次いで、内側壁106を指で上方に強制することにより、容易に容器112から分離させることができる(内側壁106に形成されたスリット117の存在に起因)。なお、外側壁108と内側壁106とが橋絡部118の他に切断されない連結部を介して接続される形態のキャップの場合には、該連結部を残して橋絡部118が破断された後、キャップ全体を容器から容易に分離させることができる。
【0026】
上記タブ122に指を掛けて外側壁108を上方に強制させた場合には、切断面120の上記傾斜に起因して、外側壁108は、容器112の凹部114に係止された内側壁106に対してその内径が拡大される方向に移動せしめられるため、切断面120には相互に一層密着しようとする力が作用する。したがって、外側壁108を内側壁106から離脱しづらくなる。
【0027】
しかしながら一旦、外側壁108を内側壁106に対し上方に離脱させた後に、離脱した外側壁108を内側壁106に対し上方から嵌合させようとしても、嵌合させようとする外側壁108の下端における切断面120の内径と、これに対応する内側壁106の上端における切断面120の外径との間に径の差が存在するので、嵌合させることは著しく困難となる。
【0028】
以上の説明から容易に理解されるように、上記の如き切断面120が形成されたキャップ100においては、外側壁108を内側壁106に対して上方に離脱させることは著しく困難であるが、一旦離脱させた外側壁108を内側壁106に対して見かけ上の元の状態に戻すことは更に困難となり、TE機能は更に向上する。なお、外側壁108と内側壁106とが橋絡部118の他に切断されない連結部を介して接続される形態のキャップの場合にも上記と同様の機能が得られる。
【0029】
次に、合成樹脂製キャップ100に、環状体110の軸線の一方(天面壁側)から他方(開口端側)に向かうに従って該軸線に近付くように傾斜している切断面120を形成するための新規な方法の実施形態について説明する。本発明に係る切断面の形成方法においては、キャップ100を、環状体110における半径方向中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付けることが重要である。そして、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた中間部に作用させ、中間部及び橋絡部118の各々における一部を環状に切断する。切断加工後、キャップ100を上記弾性変形を解除して環状体110の中間部の径が元の径に復帰した状態において、加工直後の切断面は、環状体110の軸線の一方から他方に向かうに従って軸線に近付くように傾斜した切断面120に変形する。
【0030】
キャップ100を、環状体110における半径方向中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付けるためには、該内側壁に備えられた係止手段の内径より大きな外径を有する位置決め部材を該係止手段に強制嵌合させて該内側壁を半径方向に拡大することが好適である。
上記した切断面120の形成方法は、後述する切断面120の形成装置2に適用されている。
【0031】
次に、合成樹脂製キャップ100に、環状体110の軸線の一方から他方に向かうに従って該軸線から離れるように傾斜している切断面120を形成するための新規な方法の実施形態について説明する。本発明に係る切断面の形成方法においては、キャップ100を、環状体110における半径方向中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付けることが重要である。そして、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた中間部に作用させ、中間部及び橋絡部118の各々における一部を及び橋絡部118の各々における一部を環状に切断する。切断加工後、キャップ100を上記弾性変形を解除して環状体110の中間部の径が元の径に復帰した状態において、加工直後の切断面は、環状体110の軸線の一方から他方に向かうに従って軸線から離れるように傾斜した切断面120に変形する。
【0032】
キャップ100を、環状体110における半径方向中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付けるためには、該外側壁の外周部の半径方向寸法より小さな半径方向寸法を有する縮径用嵌合フランジ部を該外側壁の外周部に強制嵌合させて該外側壁を半径方向に縮小することが好適である。
【0033】
上記した本発明に係る切断面の形成方法によれば、キャップ100等の合成樹脂製品に対し、上記の如き環状の切断面120をきわめて容易にしかも確実に形成することが可能となる。また格別なカッタを使用することなく、環状のカッタを使用することができるので、比較的低コストで実用化できる。
【0034】
次に上記したような合成樹脂製キャップ100の環状体110に環状の切断面120を形成するための新規な装置の実施形態について説明する。この切断面120は、キャップ100を射出成形又は圧縮成形した後の切断加工工程において形成される。
【0035】
図1を参照して、番号2は本発明に従って構成された、キャップ100に環状切断面120を形成する装置であって、搬送装置4の下流側に配置されている。6はキャップ100を連続的に供給するための搬送シュートであって、搬送装置4の上流側に配置されている。切断面120が形成されていないキャップ100は、搬送シュート6により、その開口部を下にしてかつタブ122を上流側に向けた状態で順次搬送される。搬送シュート6の排出端から排出されたキャップ100は、搬送装置4の回転ターレット板8に受け渡される。
【0036】
回転ターレット板8に受け渡されたキャップ100は、回転ターレット板8の時計方向の回転に従って搬送され、受渡域Rにおいて、本発明装置2の回転ターレット板10に受け渡される。回転ターレット板10は回転アンビル12上に固定され、回転アンビル12と一体に回転させられる。回転アンビル12の上面において回転ターレット板10に受け渡されたキャップ100は、回転ターレット板10の反時計方向の回転に従って移送され、排出域Eにおいて排出シュート13に向けて排出される。キャップ100が、装置2において、受渡域Rから排出域Eに回転移送される間に、後に詳述するようにして、キャップ100の環状体110に切断面120が形成される。
【0037】
搬送シュート6、搬送装置4及び本発明装置2におけるキャップ100の搬送機構それ自体は周知のものでよいので、詳細な説明は省略する。なお、図1において、14は、搬送装置4に配設された円弧状の静止基板であって、キャップ100はその上面を移送される。16は回転ターレット板8の半径方向外方に沿って円弧状に延びるよう配置された静止ガイドで、その下流端は装置2の受渡域Rにまで延びている。18は、装置2の回転ターレット板10の半径方向外方に沿って円弧状に延びるよう配置された静止ガイドであって、受渡域Rから排出域Eにわたって延在している。静止ガイド18は、排出域Eにおいて排出シュート13の一方のガイド13aに連続するよう位置付けられている。排出シュート13の他方のガイド13bは装置2の排出域Eにまで延びている。
【0038】
次に本発明に係る装置2について更に詳細に説明する。主として図2を参照して、図示しないフロア上に固定されている静止基板20には、円筒部を有する支持体22が固定されている。支持体22の円筒部内には軸24が直立して固定されている。したがって軸24は固定軸をなす。26は円筒状の被駆動軸であって、固定軸24の外周面を隙間をおいて覆うよう配置されている。被駆動軸26の下端部は軸受28を介して支持体22に回転自在に支持され、被駆動軸26の上端部には環状をなすホルダ30がキーを介して一体回転できるよう連結され、ホルダ30は軸受32を介して固定軸24に回転自在に支持されている。被駆動軸26の下端部付近には被駆動ギヤ34がキーを介して一体回転できるよう連結されている。被駆動ギヤ34は他のギヤを介して駆動源である駆動モータに駆動結合されている(いずれも図示せず)。
【0039】
被駆動軸26の鉛直軸線方向の略中央部には、環状の上記回転アンビル12が一体的に回転できるよう連結されている。回転アンビル12上には上記回転ターレット板10が固定されている。回転ターレット板10の周縁には、キャップ100の外周の一部を受け入れて搬送するための9個の円弧状の切欠き36が形成されている。なお図1に示されているように、搬送装置4の回転ターレット板8の周縁にも、同様な切欠き38が9個形成されている。搬送装置4の切欠き38の各々と装置2の切欠き36の各々は、上記受渡域Rにおいて互いに整合するよう相互の位置関係が規定されている。
【0040】
図2及び図3を参照して、回転アンビル12には、回転ターレット板10の切欠き36の各々に対応して、位置決め部材40が配設されている。位置決め部材40の各々はプランジャ形状をなし、これらに対応して回転アンビル12に形成された大径孔42内に、鉛直軸線方向に移動自在に挿入されている。回転アンビル12の大径孔42の各々の下方には小径孔44が形成され、小径孔44の各々内にはスピンドル46が鉛直軸線方向移動自在に、かつ回転できないよう挿入されている。位置決め部材40の各々の下端と対応するスピンドル46の上端とは離脱自在に結合されている。
【0041】
スピンドル46の各々の下端にはヨーク47が形成され、ヨーク47の各々にはローラフォロワ(カムフォロワ)48が回転自在に装着されている。ヨーク47の各々と回転アンビル12の下面との間にはコイルばね49が介在され、これによって、ローラフォロワ48の各々は、それらの下方に、後述するとおりに配設された環状のカム部材50のカム面52に押圧される。したがってスピンドル46の各々(すなわち位置決め部材40の各々)の鉛直方向の移動はカム面52によって制御される。なお位置決め部材40の各々の下方への移動は、大径孔42の各々と対応する小径孔44との間に形成されている環状の段部により規制されるよう構成されている。
【0042】
図4を参照して、上記位置決め部材40の各々の上端部には小径部40aが形成され、小径部40aとその下方の大径部40bとの間には環状の段部40cが形成されている。小径部40aの上端は軸線に直交する平坦面に形成され、この平坦面には環状の凹部40dが形成されている。環状の凹部40dは、その上端がキャップ100の天面壁102の内面に当接した状態で、インナーリング103を受け入れることができる大きさに形成されている。小径部40aの外周部は、その上端から軸方向に下方に向かって径が大きくなる第一の傾斜面40e及び第二の傾斜面40f、並びに径の変わらない同径面40gから構成されている。第一の傾斜面40e及び第二の傾斜面40fはそれぞれ環状をなし、第一の傾斜面40eの、軸線に対する傾斜角度は、第二の環状の傾斜面40fの、軸線に対する傾斜角度よりも大きく形成されている。同径面40gの直径は、キャップ100の内側壁106に備えられた環状の凸部116の内径よりも若干大きく形成されている。第一の傾斜面40eの上端の直径は環状の凸部116の内径よりも小さく形成されている。
【0043】
図1〜図3を参照して、後の記載から容易に理解されるように、回転ターレット板10の一つの切欠き36が上記受渡域Rから排出域Eまで回転移動する間に、当該切欠き36に対応するローラフォロワ48がカム部材50のカム面52に沿って回転移動させられることにより、対応する位置決め部材40は、コイルばね49の付勢力に抗して所定の高さ上昇させられた作用位置と、作用位置から下降した非作用位置とに所定のタイミングで位置付けられる。位置決め部材40は、上記作用位置において、その小径部40aがキャップ100に係合され、後述するストリッパ80と協同してキャップ100を切断加工位置に正確に位置付ける。また位置決め部材40は、上記非作用位置において、その小径部40aがキャップ100から下方に抜け出てキャップ100との係合を解除される。位置決め部材40が非作用位置にあるとき、その上面は回転アンビル12の上面と一致させられる。なお、上記カム部材50、カム面52、ローラフォロワ48、スピンドル46及びコイルばね49等は、位置決め部材40を上記作用位置と非作用位置とに所定のタイミングで位置付けるための第二の昇降動手段を構成する(第一の昇降動手段については後述する。
【0044】
上記静止基板20上には環状の支持部材54の下端が固定され、支持部材54の上端には環状の支持板56が固定されている。支持板56上の半径方向内側寄りに、上記カム部材50が固定されている。支持板56上の半径方向外側寄りには環状の支持板58が固定されている。支持板58上には円弧状の支持部材59が固定され、支持部材59上には上記静止ガイド18が固定されている。静止ガイド18は回転アンビル12の上面に対し間隔をおいて位置付けられている。
【0045】
被駆動軸26に一体回転できるよう連結された上記ホルダ30の周縁部の、上記切欠き36の各々に対応した位置には、スピンドル60がブッシュ62を介して鉛直軸線方向に移動自在に装着されている。スピンドル60の各々の下端にはアダプタ64が離脱自在に装着され、アダプタ64の各々にはカッタ保持手段66が離脱自在に装着されている。カッタ保持手段66の各々は、対応するアダプタ64に離脱自在に装着されたカッタホルダ68と、カッタホルダ68の下端に環状のカッタ70を離脱自在に装着するための一対のクランプ部材72、72とを含んでいる。
【0046】
カッタホルダ68の各々は、全体が大径部と小径部とを有する環状体をなし、軸心部に貫通孔76が形成され、下端部にある小径部にはカッタ支持用の外周面(円周面)78が形成されている。貫通孔76は上部側に延在するよう形成された大径孔と下部側に延在するよう形成された小径孔とからなり、両孔の間には段部が形成されている。大径孔内の上方にはリテイナ79が装着され、小径孔内にはストリッパ80が鉛直軸線方向に移動自在に嵌合されている。ストリッパ80には、その上端に半径方向外方に延びる環状フランジが形成され、また上端に開口する下端閉塞孔が形成されている。ストリッパ80の環状フランジは大径孔内に、その軸線方向に移動自在に嵌合されている。リテイナ79とストリッパ80の下端閉塞孔との間にはコイルばね82が介在され、ストリッパ80は下方に付勢される。これによりストリッパ80の環状フランジは貫通孔76の段部に押圧され、ストリッパ80の下端面はカッタホルダ68の下端より下方に突出した状態に保持される。
【0047】
上記一対のクランプ部材72、72は、それぞれ、環状体を軸線に沿って切断し、2分割したような形状をなし、軸線方向からみて同じ半円形状をなしている。環状のカッタ70は、その内周面が対応するカッタ保持手段66におけるカッタホルダ68の外周面78に嵌合され、その外周面がクランプ部材72、72の内周面によって挟持される。そしてクランプ部材72、72は、各々の図示しない端面がそれぞれ相互に対向するようにして、図示しないボルトにより離脱自在に締結される。以上のようにして、環状のカッタ70は、カッタホルダ68の外周面78に離脱自在にしっかりと装着される。図3に示されたカッタ70の装着状態において、カッタ70の下端は、ストリッパ80の下端より上方に位置付けられる。
【0048】
上記スピンドル60の各々の上端には、それぞれローラフォロワ(カムフォロワ)84が回転自在に装着されている。他方、上記固定軸24の上端部には、環状のカム部材86が固定されている。カム部材86の外周面にはその全周にわたってチャンネル状のカム溝88が形成されている。カム溝88内には、上記ローラフォロワ84の各々が移動自在に嵌合・支持されている。したがって、スピンドル60の各々(すなわちカッタ保持手段66の各々)の鉛直方向の移動は、カム溝88によって制御される。
【0049】
後の記載から容易に理解されるように、回転ターレット板10の一つの切欠き36が上記受渡域Rから排出域Eまで回転移動する間に、当該切欠き36に対応するローラフォロワ84がカム部材86のカム溝88に沿って回転移動させられることにより、対応するカッタ保持手段66は、非作用位置から下降させられた第一の作用位置と、第一の作用位置から更に下降させられた第二の作用位置と、第二及び第一の作用位置から上昇させられた上記非作用位置とに所定のタイミングで位置付けられる。カッタ保持手段66が第一の作用位置に位置付けられたとき、ストリッパ80の下面はキャップ100の天面壁102の上面に当接する。カッタ保持手段66が第二の作用位置に位置付けられたとき、ストリッパ80の下面はコイルばね82を介してキャップ100の天面壁102を押圧し、カッタ70はキャップ100の環状体110の上記中間部及び橋絡部118の各々における一部を環状に切断する(なお、外側壁108と内側壁106とが橋絡部118の他に切断されない連結部を介して接続される形態のキャップの場合には、該連結部も切断されないで残される)。またカッタ保持手段66が上記非作用位置に位置付けられたとき、カッタ70及びストリッパ80はキャップ100から上方に離隔させられる。なお上記カム部材86、カム溝88、ローラフォロワ84、スピンドル60等は、カッタ保持手段66を上記第一及び第二の作用位置と非作用位置とに所定のタイミングで位置付けるための第一の昇降動手段を構成する。
【0050】
次に本発明装置2の作用について説明する。主として図1、図2、図4〜図6を参照して、図示しない駆動モータによる駆動力が図示しないギヤを介して被駆動ギヤ34に伝達されると、被駆動軸26を介して回転アンビル12、回転ターレット板10、カッタ保持手段66の各々が一体的に回転駆動される。搬送装置4の回転ターレット板8も回転ターレット板10と同期して同じ周速で回転させられる。受渡域Rにおいて、搬送装置4の回転ターレット板8の一つの切欠き38から、装置2の回転ターレット板10の一つの切欠き36に受け渡されたキャップ100は、回転アンビル12上に載置された状態で図1の反時計方向に移送される。キャップ100(の軸心)が受渡域Rから位置P1に移送される間は、当該カッタ保持手段66及び当該位置決め部材40は共に非作用位置(図3及び図4に示す状態)に保持される(そのようにカム面52及びカム溝88の形状が規定されているということで、以下の記載においては、この旨の補足説明は省略する)。
【0051】
キャップ100が位置P1から下流方向に移送される間に、カッタ保持手段66は、全ストロークのうちの一部のストロークだけ下降させられて、図5に示す第一の作用位置に位置付けられる。ストリッパ80の下面はキャップ100の天面壁102の上面に当接させられる。このとき、カッタ70はキャップ100の上方に離れた位置にある。カッタ保持手段66が上記の如く第一の作用位置に位置付けられた後、位置決め部材40は所定の全ストロークだけ上昇させられて、作用位置に位置付けられる(図6参照)。位置決め部材40の小径部40aの上端は、回転アンビル12の上面から所定の高さ突出して、キャップ100の天面壁102の下面に当接させられ、同径面40gはキャップ100の内側壁106の環状の凸部116の内周面に嵌合させられる。位置決め部材40の同径面40gの外径は凸部116の内径よりも若干大きく形成されているので、キャップ100の環状体110は、天面壁102側を支点としてその径が拡大される。その結果、キャップ100は、環状体110の中間部の径が軸線の上方から下方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめられる。キャップ100は、弾性変形せしめられた状態で、ストリッパ80と位置決め部材40とにより、天面壁102が上下から挟持されると共に位置決め部材40によって、キャップ100の軸線とカッタ保持手段66、すなわちカッタ70の軸線とが一致させられ、所望の切断加工位置に正確に位置付けられる。
【0052】
カッタ保持手段66が第一の作用位置に位置付けられ、位置決め部材40が作用位置に位置付けられることにより、キャップ100が切断加工位置に位置付けられた後、カッタ保持手段66が第一の作用位置から更に下降させられて第二の作用位置に位置付けられる(図6参照)。この下降によりキャップ100の天面壁102の上面に当接されているストリッパ80は、コイルばね82の付勢力に抗して相対的に上昇し、したがってそのばね力によりキャップ100は一層強く回転アンビル12の上面に押し付けられる。同時に環状のカッタ70が上記の如く弾性変形せしめられた環状体110の中間部に作用させられ、中間部及び橋絡部118の各々における一部が環状に切断される(図6参照)。
【0053】
次いでカッタ保持手段66は第二の作用位置から第一の作用位置へ上昇させられ、該第一の作用位置に位置付けられる(図5参照)。カッタ保持手段66が上記のようにして第一の作用位置に位置付けられた後、位置決め部材40が作用位置から下降させられて非作用位置に位置付けられる(図5参照)。位置決め部材40が上記のようにして非作用位置に位置付けられた後、カッタ保持手段66は第一の作用位置から更に上昇させられて非作用位置に位置付けられる(図4参照)。以上のようにして、切断加工が完了する。キャップ100の上記弾性変形は解除され、環状体110の中間部の径は元の状態に復帰する。その結果、上記切断面120は、環状体110の軸線の天面壁側から開口端側に向かうに従って該軸線に近付くように傾斜した切断面に変形する(図8及び図9参照)。切断面120が形成されたキャップ100は、排出域Eにおいて排出シュート13に向けて排出される。以上の作用は、回転ターレット板10の切欠き36の各々に受け入れられたキャップ100の全てについて、順次、自動的に遂行される。
【0054】
次に、図10〜図12を参照して、本発明に従って構成された、キャップ200に上記した如き切断面120を形成する装置の他の実施形態について説明する。図10及び図11にその要部を示す他の装置において、キャップ200は、上記タブ122が存在しないこと、本装置によって形成される切断面120の傾斜の方向が環状体の軸線の天面壁側から開口端側に向かうに従って該軸線から離れるように傾斜していること、以外は、図7及び図8に示すキャップ100と実質上同一の構成を有するので、同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0055】
他の装置は、図1と同様な搬送装置4の下流側に配置されている。そしてキャップ200の搬送形態は、一部を除き図1に示す搬送形態と略同じであるので、図1をも参照しながら、他の装置について説明する。図1と相違する部分については、以下の説明の中で述べることとする。切断面120が形成されていないキャップ200は、搬送シュート6により、その開口部を下にして順次搬送される。受渡域Rにおいて、搬送装置4の静止基板14の一部は静止ガイド16と共に、上記装置2に相当する他の装置の回転アンビル300上にオーバハングするように延在している。他の装置側には図1に示す回転ターレット10及び静止ガイド18は設けられていないが、上記第一の昇降動手段及び第二の昇降動手段と同様な機構を有する昇降動手段が設けられている。したがってこれら第一の昇降動手段及び第二の昇降動手段についての説明は省略する。
【0056】
カッタ保持手段66のストリッパ80の各々には、ストリッパ80と同じ軸線を有する吸引貫通孔302が形成されている。吸引貫通孔302の一端はストリッパ80の下面に開口し、他端はエア流路手段を介して吸引ポンプ等の吸引源に連結されている(いずれも図示せず)。エア流路手段には図示しない開閉弁が配設され、この開閉弁は所定のタイミングで開閉制御されるよう構成されている。
【0057】
回転アンビル300の周縁部には、カッタ保持手段66の各々に対応して環状の縮径用嵌合フランジ部(凹部)304が形成され、嵌合フランジ部304の各々の同軸位置には、位置決め部材306が配設されている。嵌合フランジ部304の各々の内周面は、軸線の下方に向かって直径が徐々に小さくなるような環状の傾斜面に形成されている。そして傾斜面の軸線方向の下部は、キャップ200の外側壁108の外周部の半径方向寸法より小さな半径方向寸法を有している。嵌合フランジ部304の底面は環状の平坦面に形成されている。
【0058】
上記位置決め部材306の各々の上端部には小径部308が形成され、小径部308とその下方の大径部310との間には環状の段部312が形成されている。小径部308の上端は軸線に直交する平坦面に形成され、この平坦面には環状の凹部314が形成されている。環状の凹部314は、その上端がキャップ200の天面壁102の内面に当接した状態で、インナーリング103を受け入れることができる大きさに形成されている。小径部308の外周部は、その上端から軸方向に下方に向かって径が大きくなる第一の傾斜面316及び第二の傾斜面318、並びに径の変わらない同径面320から構成されている。第一の傾斜面316及び第二の傾斜面318はそれぞれ環状をなし、第一の傾斜面316の、軸線に対する傾斜角度は、第二の環状の傾斜面318の、軸線に対する傾斜角度よりも大きく形成されている。第二の環状の傾斜面318の下端の直径は、キャップ200の環状の凸部116の内径よりも若干大きく形成されている。同径面320の直径は、第二の環状の傾斜面318の下端の直径より若干小さく、且つキャップ200の環状の凸部116の内径よりも若干小さく形成されている。なお、同径面320の直径は、第二の環状の傾斜面318の下端の直径と同一であってもよい。以上のように構成された位置決め部材306は上記大径孔42内に移動自在に嵌合され、上記第二の昇降動手段によって昇降動させられる。
【0059】
搬送装置4の回転ターレット板8の一つの切欠き38によって、キャップ200が受渡域Rまで搬送されると、ストリッパ80の下面がキャップ200の天面壁102の上面に近接乃至当接するまでカッタ保持手段66が所定のタイミングで下降させられる。このとき上記開閉弁は開とされており、吸引貫通孔302は上記吸引源に連通される。上記吸引源の吸引作用によってキャップ200の天面壁102の上面がストリッパ80の下面に吸着されて保持される。キャップ200がストリッパ80に保持された状態で受渡域Rから位置P1に移送されると、位置決め部材306は所定の全ストロークだけ上昇させられて、作用位置に位置付けられる(図11参照)。位置決め部材306の小径部308の上端は、回転アンビル12の上面(嵌合フランジ部304の底面)から所定の高さ突出して、図10の位置にあるキャップ200内に挿入される。この状態では、位置決め部材306の小径部308の上半分は、キャップ200内に位置付けられるが、内周部のいずれにも当接はされていない。
【0060】
次いで、キャップ200の外側壁108の下端が嵌合フランジ部304の底面に当接するまで、カッタ保持手段66が下降させられる。この下降により、位置決め部材306の小径部308の上端は、キャップ200の天面壁102の下面に当接させられ、位置決め部材306の第二の環状の傾斜面318の下端はキャップ200の環状の凸部116を通過した位置に位置付けられ、同径面320はキャップ200の環状の凸部116の内周面の内側に所定の隙間をもって位置付けられる。そしてキャップ200の外側壁108の外周部は、嵌合フランジ部304の傾斜した内周面に強制的に嵌合させられるので、外側壁108は、その突部116の内周面が位置決め部材306の同径面320に当接するまで半径方向に縮小される。その結果、環状体110の中間部の径は軸線の上方から下方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめられる。
【0061】
このようにしてキャップ200は切断加工位置に位置付けられる。キャップ200が切断加工位置に位置付けられた後、カッタ保持手段66は全ストローク位置まで下降させられる。この下降によりキャップ200の天面壁102の上面に当接されているストリッパ80は、上記コイルばね82(図3参照)の付勢力に抗して相対的に上昇し、したがってそのばね力によりキャップ200は一層強く位置決め部材306の上面に押し付けられる。同時に環状のカッタ70が上記の如く弾性変形せしめられた環状体110の中間部に作用させられ、中間部及び橋絡部118の各々における一部が環状に切断される(図11参照)。
【0062】
次いでカッタ保持手段66は全ストローク上昇させられ、次いで位置決め部材306が全ストローク下降させられる(図10参照)。キャップ200はストリッパ80に吸着保持された状態で回転アンビル300の上方に位置付けられる。以上のようにして、切断加工が完了する。キャップ200の上記弾性変形は解除され、環状体110の中間部の径は元の状態に復帰する。その結果、上記切断面120は、環状体110の軸線の天面壁側から開口端側に向かうに従って該軸線から離れるように傾斜した切断面に変形する(図12参照)。切断面120が形成されたキャップ200が、排出域Eである位置P2まで搬送されると、上記開閉弁が閉となり、ストリッパ80による吸着保持作用が解除され、自然落下する。排出域Eにおいては、排出シュート13の一部が回転アンビル300上にオーバハングするよう構成されているので、自然落下させられたキャップ200は排出シュート13に向けて排出される。以上の作用は、カッタ保持手段66のストリッパ80の各々によって吸着保持されたキャップ200の全てについて、順次、自動的に遂行される。
【0063】
図13には、本発明に係る方法によって環状切断面120が形成された合成樹脂製ヒンジキャップ400が示されている。合成樹脂により一体成形されたヒンジキャップ400は、下方が開口された本体402と、本体402に対しヒンジ404を介して開閉自在に連結され且つ下方が開口された上蓋406とから構成されている。本体402は、天壁部408と、その外周部から垂下しているスカート部410とを備えている。天壁部408には下方に延びるインナーリング412が形成され、天壁部408の、インナーリング412の内側部には開封予定部414が形成されている。開封予定部414には上方に突出する開封タブ416が形成されている。天壁部408の外周部には上方に突出する環状の排出口418が形成されている。上蓋406の下面には環状突起420が形成されている。環状突起420は、上蓋406を閉じたとき、その外周面が環状の排出口418の内周面に離脱自在に密着するよう配置されている。
【0064】
本体402のスカート部410は、環状内側壁422と環状内側壁422の周囲を囲む環状外側壁424とを有する環状体426を備えている。内側壁422の内周面には図示しない容器の開口部の外周面に備えられた被係止凹部に係止される係止凸部427が形成されている。内側壁422には、上記キャップ100及び200と同様に、その下端から上半部まで鉛直上方に延びるスリットが周方向に間隔を置いて形成されている。環状体426の半径方向中間部における上端部 ( 開口端と反対側の上端部 ) には、複数個の破断可能な橋絡部428が、周方向に間隔をおいて、内側壁422と外側壁424との間に延在するよう配設されている。環状体426には、該中間部から橋絡部428の各々における一部に至る環状の切断面120が形成されている。内側壁422と外側壁424とは、橋絡部428の各々における切断面120が形成されていない部分を除き、環状の切断面120によって分離されている。なお、内側壁422と外側壁424とが橋絡部428の他に切断されない連結部を介して接続される形態のキャップの場合には、該連結部も切断されないで残される。切断面120は、環状体426の軸線の上方から下方に向かうに従って、該軸線から離れるように傾斜している。この切断面120は、上記した本発明に係る方法によって形成されることは容易に理解できるであろう。なお上記したような構成(切断面120の形状を除く)を有するヒンジキャップ400は、本出願人によって出願された特願平8−66536号明細書に記載されているので、詳細は同明細書の記載を参照されたい。
【0065】
ヒンジキャップ400が、図示しない容器開口部に装着された状態において、内側壁422の内周面の係止凸部427は、容器開口部の外周面に備えられた被係止凹部に係止され、容器開口部は内側壁422の内周面とインナーリング412の外周面との間に密着させられ、また容器開口部の上端は頂部408の下面に密着させられる。上蓋406を開き、開封タブ416により開封予定部414を破断して離脱することにより、容器内の液体を排出口418から排出することができる。上蓋406を開いた状態で本体410の外側壁424を上方に強制することにより、上記切断面120の傾斜に起因して橋絡部118が容易に破断される。これにより外側壁424が内側壁422から上方に分離されるので、ヒンジキャップ400は、外側壁424及び上蓋406、内側壁422を含むその他の部分の順に、容器から容易に取り外すことができる。
【0066】
図14には、本発明に係る方法によって環状切断面120が形成された合成樹脂製カバー部材500が示されている。番号502は噴出容器であって、その上端部には被巻き締めカール504が形成されている。マウンテンカップ部材506の上端外周部には巻き締めカール508が形成されており、巻き締めカール508が被巻き締めカール504に巻き締めされることにより、マウンテンカップ部材506は噴出容器502に固定されている。マウンテンカップ部材506の中央部には噴出弁部材509が上下方向に移動自在に装着されている。この噴出弁部材509は図示しないばねにより図14に示す最上位置に付勢され、その上部はマウンテンカップ部材506から上方に突出せしめられている。噴出弁部材509の上半部には押圧部材510が装着されている。押圧部材510内には噴出路512が形成されている。押圧部材510を押圧して噴出弁部材509を下降させると、噴出容器502の内部が噴出弁部材509及び押圧部材510内の噴出路512を介して外部に連通され、噴出容器502内の内容物が噴出路512を通して外部に噴出される。
【0067】
噴出容器502の上端部にはカバー部材500が装着されている。カバー部材500は、環状内側壁514と、環状内側壁514の周囲を囲む環状外側壁516とを有する環状体518と、環状体518の外周部を隙間を置いて囲むよう形成された環状外側垂下壁519とを備えている。内側壁514の内周面にはマウンテンカップ部材506の巻き締めカール508の外周部に係止される係止凸部520が形成されている。また内側壁514には、上記キャップ100及び200と同様に、その下端から上半部まで鉛直上方に延びるスリットが周方向に間隔を置いて形成されている。環状体518の半径方向中間部における下端部には、複数個の破断可能な橋絡部522が、周方向に間隔をおいて、内側壁514と外側壁516との間に延在するよう配設されている。環状体518には、該中間部から橋絡部522の各々における一部に至る環状の切断面120が形成されている。内側壁514と外側壁516とは、橋絡部522の各々における切断面120が形成されていない部分を除き、環状の切断面120によって分離されている。切断面120は、環状体518の軸線の上方から下方に向かうに従って、該軸線から離れるように傾斜している。この切断面120は、上記した本発明に係る方法によって形成されることは容易に理解されよう。なお上記したような構成を有する噴出容器502、カバー部材500(切断面120の形状を除く)等は、本出願人によって出願された特願平8−118563号明細書に記載されているので、詳細は同明細書の記載を参照されたい。
【0068】
カバー部材500が、噴出容器502に装着された状態において、内側壁514の内周面の係止凸部520は、マウンテンカップ部材506の巻き締めカール508の外周部に係止される。噴出容器502内の内容物を消費した後に噴出容器502を廃品として投棄する際には、押圧部材510を上方に強制することにより、噴出弁部材509から離脱させる。次いでカバー部材500の環状外側垂下壁519を利用して外側壁516を上方に強制することにより、または内側壁514を下方に強制することにより、上記切断面120の傾斜に起因して橋絡部522が容易に破断される。これによりカバー部材500は、外側壁516が内側壁514から分離され、外側壁516を含む環状外側垂下壁519を噴出容器502から容易に取り外すことができる。次いで内側壁514を含む内側の部分を噴出容器502から簡単に取り外すことができる。
【0069】
図15には、本発明に係る方法によって環状切断面120が形成された合成樹脂製カバー部材600が示されている。カバー部材600が上記カバー部材500と本質的に相違するところは、係止凸部520が外側壁516の外周面に形成され、係止凸部520がマウンテンカップ部材506の巻き締めカール508の内周部に係止されていること、であって噴出容器502を含めその他の構成は図14に示す構成と実質上同一であるので、同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。カバー部材600における上記切断面120は、環状体518の軸線の上方から下方に向かうに従って、該軸線から離れるように傾斜している。そしてこの切断面120は上記した本発明に係る方法によって形成される。具体的には、外側壁516に備えられた係止凸部520の外径より小さな半径方向寸法を有する縮径用嵌合フランジ部を外側壁516の係止凸部520に強制嵌合させて外側壁516を半径方向に縮小することにより、環状体518の中間部の径が軸線の上方から下方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付け、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた中間部に作用させ、該中間部及び橋絡部522各々における一部を環状に切断する方法により形成することができる。
【0070】
合成樹脂製カバー部材600において、上記切断面120が、環状体518の軸線の上方から下方に向かうに従って該軸線に近付くように傾斜している構成ももちろんありうるが、このような切断面120も上記した本発明に係る方法によって形成される。具体的には、内側壁514の内径より大きな外径を有する位置決め部材を内側壁514に強制嵌合させて内側壁514を半径方向に拡大することにより、環状体518の中間部の径が軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付け、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた中間部に作用させ、該中間部及び橋絡部522の各々における一部を環状に切断する方法により遂行される。なお上記したような構成を有する噴出容器502、カバー部材600(切断面120の形状を除く)等は、本出願人によって出願された特願平8−186148号明細書に記載されているので、詳細は同明細書の記載を参照されたい。
【0071】
噴出容器502内の内容物を消費した後に噴出容器502を廃品として投棄する際には、押圧部材510を上方に強制することにより、噴出弁部材509から離脱させる。次いでカバー部材600の内側壁514の頂部514aを下方に強制することにより、上記切断面120の傾斜に起因して橋絡部522が容易に破断される。これによりカバー部材500は、内側壁514が外側壁516から分離され、外側壁516を含む外側の部分、内側壁514の順に、噴出容器502から容易に取り外すことができる。
【0072】
以上、添付図面を参照して、本発明に従って構成された合成樹脂製品に環状切断面を形成する装置の好適実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。例えば、本発明装置が適用可能な更に他の形態の合成樹脂製品としては、図7及び図8に示すキャップ100の、半径方向におけるタブ122と反対側に破断不能な連結部が形成されているものを挙げることができる。この連結部は軸方向長さが他の環状体部分より長く形成されている(具体的には、連結部には上記キャップ100における弧状溝115が形成されていない)ので、上記のような環状切断面が形成されているにもかかわらず、軸方向の一部は切断されずに連結されている。したがって他の環状体部分が橋絡部において破断されても、上記連結部は破断されずに連結状態が保持される。この形態の合成樹脂製品は例えば特願平8−30929号出願明細書に開示されている。
【0073】
なお、上記破断不能な連結部は、周方向の一部が切り欠かれた環状のカッタを使用することによっても形成される。このようなカッタによって切断された切断面は、完全な環状をなしておらず、カッタの切り欠かれた部分に対応する部分(連結部)には切断面は全く形成されない。この形態の場合、「環状のカッタ」、「環状に切断する」、「環状の切断面」、「環状切断面」、「環状内側壁」、「環状外側壁」等における「環状」は、完全に全周にわたって連続したものではなく、連結部において不連続をなす。したがって、本明細書における上記の「環状」とは、完全に全周にわたって連続したもの、及び一部が不連続であるもの、の何れをも含むものである。
【0074】
【発明の効果】
本発明に係る合成樹脂製品は、容器に直接係止されていない外側壁又は内側壁の一方を容器に直接係止された他方から比較的容易に離脱させることができる。また、本発明に係る合成樹脂製品はTE機能が優れている。更に本発明に係る合成樹脂製品の切断面の形成方法によれば、合成樹脂製品に対し、環状の切断面をきわめて容易にしかも確実に形成することが可能となる。また格別なカッタを使用することなく、構成の簡単な環状のカッタを使用することができるので、比較的低コストで実用化できる。更に本発明によれば、高効率で生産性の高い、合成樹脂製品に上記環状切断面を形成する装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を含む、合成樹脂製キャップの搬送システムの一部を示す平面概略図。
【図2】本発明に従って構成された装置の好適実施形態を示す断面図。
【図3】図2に示す装置の一つの作動態様を示す要部断面図。
【図4】図3に示す装置の要部を拡大して示す断面概略図。
【図5】図4に示す装置の他の作動態様を示す断面概略図。
【図6】図4に示す装置の更に他の作動態様を示す断面概略図。
【図7】図2に示す装置によって環状切断面が形成された合成樹脂製キャップを開口側から見た図。
【図8】図7のA−A矢視断面図。
【図9】図8の一部を拡大して示す断面図。
【図10】本発明に従って構成された装置の他の実施形態を示す要部断面概略図。
【図11】図10に示す装置の他の作動態様を示す断面概略図。
【図12】図10に示す装置によって環状切断面が形成された合成樹脂製キャップの一部を拡大して示す断面図。
【図13】本発明に係る方法によって環状切断面が形成された合成樹脂製ヒンジキャップの実施形態を示す断面図。
【図14】本発明に係る方法によって環状切断面が形成された合成樹脂製カバー部材の実施形態を示す断面図であって、容器に装着した状態を示す図。
【図15】本発明に係る方法によって環状切断面が形成された合成樹脂製カバー部材の他の実施形態を示す部分断面図であって、容器に装着した状態を示す図。
【符号の説明】
2 本発明装置
10 回転ターレット板
12、300 回転アンビル
26 被駆動軸
36 切欠き
40、306 位置決め部材
50 カム部材
52 カム面
66 カッタ保持手段
70 カッタ
80 ストリッパ
88 カム溝
100、200 合成樹脂製キャップ
106 環状内側壁
108 環状外側壁
110 環状体
118 橋絡部
120 切断面
306 環状フランジ部
400 合成樹脂製ヒンジキャップ
500、600 合成樹脂製カバー部材
R 受渡域
E 排出域
Claims (6)
- 天面壁と天面壁の周囲から垂下するスカート壁とを備え又は、天壁部と天壁部の周囲から垂下するスカート部とを備え、スカート壁又はスカート部の開口端側は、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁には、容器の開口部の外周部に備えられた環状の凹部に係止される環状の凸部が形成され、該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成されている合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品において、
該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している、
ことを特徴とする合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品。 - 環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁の内周面に噴出容器の上端部に形成されたカールの外周部に係止される係止凸部が形成されるか又は、該外側壁の外周面に噴出容器の上端部に形成されたカールの内周部に係止される係止凸部が形成され、該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成されている噴出容器の合成樹脂製カバー部材からなる合成樹脂製品において、
該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している、
ことを特徴とする噴出容器の合成樹脂製カバー部材からなる合成樹脂製品。 - 天面壁と天面壁の周囲から垂下するスカート壁とを備え又は、天壁部と天壁部の周囲から垂下するスカート部とを備え、スカート壁又はスカート部の開口端側は、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁には、容器の開口部の外周部に備えられた環状の凹部に係止される環状の凸部が形成され、該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成され、該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品、における該切断面を形成する方法であって、
該合成樹脂製品を、該環状体の該中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように又は小さくなるように弾性変形せしめた状態で切断加工位置に位置付け、該軸線と共通の軸線上に配置した環状のカッタを、弾性変形せしめられた該中間部に作用させ、該中間部及び該橋絡部の各々における一部を環状に切断する、
ことを特徴とする合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品に環状切断面を形成する方法。 - 該内側壁に備えられた環状の凸部又は該内側壁の内径より大きな外径を有する位置決め部材を該凸部又は該内側壁に強制嵌合させて該内側壁を半径方向に拡大することにより、該環状体の該中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って大きくなるように弾性変形せしめた状態で該切断加工位置に位置付ける、請求項3記載の合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品に環状切断面を形成する方法。
- 該外側壁の外径より小さな半径方向寸法を有する縮径用嵌合フランジ部を該外側壁の外周部に強制嵌合させて該外側壁を半径方向に縮小することにより、該環状体の該中間部の径が該軸線の一方から他方に向かうに従って小さくなるように弾性変形せしめた状態で該切断加工位置に位置付ける、請求項3記載の合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品に環状切断面を形成する方法。
- 天面壁と天面壁の周囲から垂下するスカート壁とを備え、スカート壁の開口端側は、環状内側壁と該環状内側壁の周囲を囲む環状外側壁とを有する環状体を備え、該内側壁には、容器の開口部の外周部に備えられた環状の凹部に係止される環状の凸部が形成され、
該環状体は、該内側壁と該外側壁との間に延在する半径方向中間部と、該内側壁と該外側壁との間に延在する複数個の破断可能な橋絡部とを備え、該環状体には、該中間部から該橋絡部の各々における一部に至る環状の切断面が形成され、該切断面は、該環状体の軸線の一方から他方に向かうに従って、該軸線に近付くように又は該軸線から離れるように傾斜している合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品、における該切断面を形成する装置であって、
回転アンビルと、該回転アンビル上に固定されかつ該製品の外周の一部を受け入れて搬送する複数個の切欠きを周縁に有する回転ターレット板と、該切欠きの各々に対応して該回転アンビルに配設された該製品の位置決め部材と、該回転アンビルと一体的に回転されるよう該切欠きの各々に対応して上方に配設されかつストリッパと環状のカッタとを備えたカッタ保持手段と、
該カッタ保持手段を下降させて、該ストリッパが該天面壁の上面に当接する第一の作用位置と、該ストリッパが該天面壁の上面を押圧すると共に該カッタが該中間部を環状に切断する第二の作用位置と、該カッタ保持手段を該第二及び第一の作用位置から上昇させて、該カッタ及び該ストリッパが該製品から上方に離れる非作用位置とに位置付けるための第一の昇降動手段と、
該位置決め部材を上昇させて、該内側壁の該凸部に係合させると共に該位置決め部材の上端を該天面壁の内面に当接させることにより該第一の作用位置にある該ストリッパと協動して該製品を切断加工位置に位置付ける作用位置と、該位置決め部材を該作用位置から下降させて該係合を解除する非作用位置とに位置付けるための第二の昇降動手段とを備え、
該位置決め部材の、該凸部に係合される部分の外径は該凸部の内径より大きく形成されている、
ことを特徴とする合成樹脂製キャップからなる合成樹脂製品に環状切断面を形成する装置。
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