JP3788043B2 - 指紋像入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋照合装置等に対して指の指紋像を入力するための指紋像入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータに保存した機密文書へのアクセス、コンピュータネットワーク上での電子商取引、重要施設への入退場などにおけるセキュリティ機能を高めるために、個人識別技術の研究が盛んに行われている。中でも指紋は、万人不同、終生不変の性質を持ち、個人識別を実現する重要な特徴として利用され、指紋照合装置等が開発されている。
しかし、既に登録済みの特定個人の指紋を複製した、いわゆるレプリカを用いられると、セキュリティが確保されない。このため、人間の指、即ち生体か否かを識別する必要が生じ、この種の生体識別の方法が提案されている。
【0003】
例えば、図5は特開平3−87981号公報に示された、従来の生体識別機能を備えた指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。図5において、1は指Fに対して光Lを照射する光源、2は透明体で、一端に絞り2aを介してレンズ2bを設け、他端に検出面2cに接触した指Fからの光を、レンズ2bの方向へ反射する鏡2dを設けている。3は例えば赤色(R)成分、緑色(G)成分および青色(B)成分の色識別機能を有するカラーCCD(電荷結合素子、charge−coupled device)で構成されている画像検出器で、指Fの指紋像を検出する。4はRGB分離回路、5は指紋像入力処理手段で、画像検出器3で検出した指紋像を利用して指紋照合等の処理を行う。6は色ずれ補正回路6aと色識別回路6bとで構成された生体識別手段で、指Fの生体識別を行う。
【0004】
生体識別手段6においては、色ずれ補正回路6aが、各色(R,G,B)の指紋像画像信号の色ずれを補正し、色識別回路6bに、色ずれ補正された指紋像信号を供給する。色識別回路6bでは、指Fが検査面2cに接触した瞬間の指紋像と、指Fが検査面2cに押し当てられた後の指紋像との色の変化を比較識別する。指Fが生体のものであれば、指Fが検査面2cに接触した瞬間の指紋像は検査面2cに対する押圧力が小さいので、赤みを帯びている。しかし、指Fが検査面2cに押し当てられた後の指紋像は検査面2cに対する押圧力が大きいので、白っぽい肌色として検出される。このようにして、指紋像の色情報の変化から、生体か否かの識別を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の指紋像入力装置は以上のように構成されているので、例えば低温の状況によって冷えた指Fの表面の色が、検査面2cに接触する前から白っぽい肌色である場合、押圧力による色情報の変化が起こらないため、生体であるにも拘わらず、生体でないという誤った識別をするという問題点があった。
また、指Fを検査面2cに軽く接触する場合は、色情報の変化が起こり難いため、生体であるにも関らず、生体でないと誤った識別をするという問題点があった。
またさらに、指紋像の色情報の変化を生ずるに要するある程度の時間を、継続してモニターする必要があり、生体識別にある程度の時間を要するという問題点があった。
【0006】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、指紋像の色情報の変化がなくても、確実に生体識別をすることができる指紋像入力装置を得ることを目的とする。
また、生体識別の時間を短縮することができる指紋像入力装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る指紋像入力装置においては、指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを指に照射する生体識別用光源と、プローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光を受光し、透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光を受光し、透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力する透過光検出手段と、透過光検出手段から出力された両電気信号により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比を求め、透過光強度比から指が生体であるか否かを識別する生体識別手段とを備えたものである。
【0008】
この発明に係る指紋像入力装置においては、検査面を有する透明体と、指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを検査面に接触された指に照射する生体識別用光源と、プローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光を受光し、透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光を受光し、透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力する透過光検出手段と、透過光検出手段から出力された両電気信号により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比を求め、透過光強度比から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別する生体識別手段とを備えたものである。
【0009】
この発明に係る指紋像入力装置においては、検査面を有する透明体と、指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを検査面に接触された指に照射する生体識別用光源と、プローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光を受光し、透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光を受光し、透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力する透過光検出手段と、透過光検出手段から出力された両電気信号により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度の差を求め、透過光強度の差から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別する生体識別手段とを備えたものである。
【0010】
また、プローブ光の波長は、660nm付近のものである。
【0011】
また、透過光検出手段は、透過プローブ光の波長の光のみを電気信号に変換し出力する手段と、透過参照光の波長の光のみを電気信号に変換し出力する手段とを有するものである。
【0012】
またさらに、透過光検出手段は、透過プローブ光の波長の光を電気信号に変換し出力する手段と、透過参照光の波長の光を電気信号に変換し出力する手段とを共通にしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1である指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。図1において、11は生体識別用光源であり、プローブ光L1と参照光L2とを、例えばガラス、透明プラスチックなどの透明体12に設けられた検査面12aに接触した指Fに照射する。生体識別用光源11としては、例えば半導体レーザーを使用してもよいが、必ずしもレーザーの出力光のようなコヒーレント光に近い状態の光を必要とせず、600〜700nmの領域の波長、例えば660nm付近の波長を有するプローブ光L1と、800〜900nmの領域の波長、例えば800nm付近の波長を有する参照光L2とのインコヒーレント光を照射する1個の発光ダイオード、あるいは白色光源を使用する。
【0014】
13は透過光検出手段であり、生体識別用光源11から照射され、指Fの内部を透過した透過プローブ光L11と透過参照光L12とが、レンズ14を介して受光される。透過光検出手段13は、例えばバンドパスフィルタ付きホトダイオードなどの透過プローブ光用光電変換手段13aと、透過参照光用光電変換手段13bとを有し、透過プローブ光用光電変換手段13aで透過プローブ光L11を光電変換して透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1を出力し、透過参照光用光電変換手段13bで透過参照光L12を光電変換して透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2を出力する。
【0015】
15は生体識別手段であり、割算回路15aと比較回路15bとを有する。割算回路15aでは、透過光検出手段13から出力された透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1を、透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2で割って得られた透過光強度比S3を比較回路15bに出力する。比較回路15bでは、割算回路15aから出力された透過光強度比S3を、予め設定した上限値および下限値で比較し、指Fが生体であるか否かの識別信号S4を出力する。
【0016】
16は例えば発光ダイオードなどの指紋像用光源で、検査面12aに接触した指Fに光L3を照射する。17はカラーCCDなどの2次元固体撮像素子からなる画像検出器であり、光L3が指Fで反射した光L13を、レンズ18を介して受光し、指Fの指紋像を検出する。この検出された指Fの指紋像は、画像取り込み回路19に取り込まれる。20は指紋照合回路であり、比較回路15bから出力される識別信号S4により、指Fの指紋像を照合する。
【0017】
図2は、人体の血液中の酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの各波長における吸光係数を示す説明図である。吸光係数とは、ある物質の一定濃度と一定光路長に対する光吸収を表わす単位である。酸化ヘモグロビンの濃度と還元ヘモグロビンの濃度の和が全ヘモグロビンの濃度である。プローブ光L1の600〜700nmの領域の波長、例えば660nm付近では、酸化ヘモグロビンの吸光係数は還元ヘモグロビンの吸光係数に対して小さいため、酸化ヘモグロビンの濃度が高いほど光の吸収が少なくなり、透過光である透過プローブ光L11の光強度は大きくなることが顕著に現れる。
【0018】
一方、参照光L2に対応する800〜900nmの領域の波長、例えば800nmの付近では、酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが、ほぼ同じであるため、酸化ヘモグロビンの濃度に拘わらず、透過光である透過参照光L12の光強度は一定である。
従って、指Fを透過した透過参照光L12の光強度に対する透過プローブ光L11の光強度が大きいほど、指F内の血液における酸化ヘモグロビンの濃度が高いことがわかる。
【0019】
次に、動作について説明する。
生体識別用光源11から検査面12aに接触した指Fに照射され、指Fから透過してきた透過プローブ光L11と透過参照光L12とが、レンズ14を介して透過光検出手段13に受光される。透過プローブ光L11は、透過プローブ光用光電変換手段13aで光電変換され、透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1を出力する。透過参照光L12は、透過参照光用光電変換手段13bで光電変換され、透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2を出力する。
【0020】
透過光検出手段13から出力された両電気信号S1,S2は、割算回路15aで、電気信号S1を電気信号S2で割って透過光強度比S3を求め、この透過光強度比S3が比較回路15bに出力される。透過光強度比S3が大きいほど、指Fに含まれる血液の酸化ヘモグロビンの濃度が高いことを示す。割算回路15aから出力された透過光強度比S3は、比較回路15bで、予め設定した上限値および下限値で比較される。透過光強度比S3が上限値と下限値との間にある場合、指Fが生体であると判定し、透過光強度比S3が上限値と下限値との間にない場合、指Fが生体でないと判定し、その判定結果を識別信号S4として出力する。
【0021】
一方、指紋像用光源16から光L3が検査面12aに接触した指Fに照射され、指Fで反射した光L13が、レンズ18を介して画像検出器17に受光されて指Fの指紋像を検出する。画像取り込み回路19に取り込まれた指Fの指紋像は、比較回路15bで出力された識別信号S4が、指Fを生体であると判定されたものである場合に指紋照合回路20で照合されるが、指Fを生体でないと判定されたものである場合には指紋照合回路20で照合されない。
【0022】
このように、本発明の実施の形態1によれば、生体識別用光源11で検査面12aに接触された指Fにプローブ光L1と参照光L2とを照射し、透過光検出手段13でプローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1と、参照光が指の内部を透過した透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2とを出力し、生体識別手段15で出力された両電気信号S1,S2により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比S3を求め、透過光強度比から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別しているので、指紋像の色情報の変化がなくても、レプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0023】
また、指Fの血液に含まれる還元ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとのうち、プローブ光L1が酸化ヘモグロビンの吸光係数の方が還元ヘモグロビンの吸光係数より小さい領域の波長であり、また参照光L2は酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とがほぼ同じ領域の波長であるので、透過プローブ光L11の光強度と透過参照光L12の光強度との透過光強度比が顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指Fがレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0024】
また、プローブ光L1の波長は、660nm付近であるので、透過プローブ光L11の光強度が顕著に大きくなり、透過プローブ光L11の光強度と透過参照光L12の光強度との透過光強度比がより顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指Fがレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0025】
またさらに、透過光検出手段13は、透過プローブ光の波長の光のみを電気信号に変換し出力する透過プローブ光用光電変換手段13aと、透過参照光の波長の光のみを電気信号に変換し出力する透過参照光用光電変換手段13bとを有するので、プローブ光L1と参照光L2とを同時に指Fに照射できる。このため、従来例のように指紋像の色情報の変化を生ずるに要するある程度の時間を、継続してモニターすることが不要となり、生体識別の時間を短縮することができる。
【0026】
尚、参照光L2の波長は、800〜900nmの領域の波長としたが、酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とがほぼ同一であればよく、他の波長、例えば400〜530nmの領域の波長としても上記と同様の効果を奏する。
また、割算回路15aでは、透過光検出手段13から出力された透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1を、透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2で割って得られた透過光強度比S3を比較回路15bに出力しているが、電気信号S1と電気信号S2との差を求めて得られた透過光強度差を比較回路15bに出力しても上記と同様の効果を奏する。
【0027】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2である指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。図3で使用した符号のうち、図1で使用した符号と同一のものは、同一または相当品を示し、その説明を省略する。図3において図1と異なるところは、プローブ光L1を照射する生体識別用光源21と、参照光L2を照射する生体識別用光源22とが個別になっている。生体識別用光源としては、例えば半導体レーザーを使用してもよいが、必ずしもレーザーの出力光のようなコヒーレント光に近い状態の光を必要とせず、例えば生体識別用光源21では660nm付近の波長を有するプローブ光L1、生体識別用光源22では800〜900nmのうちのいずれかの波長を有する参照光L2のインコヒーレント光を照射する発光ダイオード、あるいは白色光源を使用する。また透過光検出手段23は、単一の例えばバンドパスフィルタ付きホトダイオードなどの透過光用光電変換手段23aで、透過プローブ光用光電変換手段と透過参照光用光電変換手段とを共通にしている。
【0028】
次に、動作について説明する。
まず、生体識別用光源21によりプローブ光L1を検査面12aに接触した指Fに照射する。このとき、生体識別用光源22は参照光L2を照射しない。生体識別用光源21から指Fに照射され、指Fから透過してきた透過プローブ光L11が、レンズ14を介して透過光用光電変換手段23aに受光されて光電変換され、透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1を出力する。
次に、生体識別用光源22より参照光L2を検査面12aに接触した指Fに照射する。このとき、生体識別用光源21はプローブ光L1を照射しない。つまり、生体識別用光源21と生体識別用光源22とは交互に照射することになる。生体識別用光源22から指Fに照射され、指Fから透過してきた透過参照光L12が、レンズ14を介して透過光用光電変換手段23aに受光されて光電変換され、透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2を出力する。
【0029】
透過光用光電変換手段23aから出力された各電気信号S1,S2は一旦記録され、割算回路15aで、電気信号S1を電気信号S2で割って透過光強度比S3を求め、この透過光強度比S3が比較回路15bに出力される。透過光強度比S3が大きいほど、指Fに含まれる血液の酸化ヘモグロビンの濃度が高いことを示す。割算回路15aから出力された透過光強度比S3は、比較回路15bで、予め設定した上限値および下限値と比較される。透過光強度比S3が上限値と下限値との間にある場合、指Fが生体であると判定し、透過光強度比S3が上限値と下限値との間にない場合、指Fが生体でないと判定し、その判定結果を識別信号S4として出力する。
【0030】
本発明の実施の形態2によれば、生体識別用光源21,22で検査面12aに接触された指Fにプローブ光L1と参照光L2とを照射し、透過光検出手段23でプローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1と、参照光が指の内部を透過した透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2とを出力し、生体識別手段15で出力された両電気信号S1,S2により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比S3を求め、透過光強度比から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別しているので、指紋像の色情報の変化がなくても、レプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0031】
また、指Fの血液に含まれる還元ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとのうち、プローブ光L1が酸化ヘモグロビンの吸光係数の方が還元ヘモグロビンの吸光係数より小さい領域の波長であり、参照光L2が酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とがほぼ同じ領域の波長であるので、透過プローブ光L11の光強度と透過参照光L12の光強度との透過光強度比が顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指Fがレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0032】
また、プローブ光L1の波長は、660nm付近であるので、透過プローブ光L11の光強度が顕著に大きくなり、透過プローブ光L11の光強度と透過参照光L12の光強度との透過光強度比がより顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指Fがレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0033】
またさらに、単一の透過光用光電変換手段23aで、透過プローブ光L11の波長の光を電気信号に変換し出力する透過プローブ光用光電変換手段と、透過参照光L12の波長の光を電気信号に変換し出力する透過参照光用光電変換手段とを共通にしたので、透過プローブ光用光電変換手段と透過参照光用光電変換手段とが個別の場合に片方が劣化により感度が変化するとき、割算回路15aの出力に誤差が生ずるが、単一の透過光用光電変換手段23aの場合では劣化により感度が変化するときでも、割算回路15aの出力に誤差が生じない。
尚、生体識別用光源21と生体識別用光源22とを交互に照射する時間間隔を短くすれば、生体識別の時間を短縮できる。
【0034】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3である指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。図4で使用した符号のうち、図3で使用した符号と同一のものは、同一または相当品を示し、その説明を省略する。図4において図3と異なるところは、画像検出器24により、光L3が指Fで反射した光L13を、レンズ25を介して受光して指Fの指紋像を検出し、この指紋像が画像取り込み回路19に取り込まれる。指紋像を検出するときには、生体識別用光源21および生体識別用光源22は、プローブ光L1および参照光L2を照射しない。
また、画像検出器24は、生体識別用光源21および生体識別用光源22から、検査面12aに接触された指Fに、プローブ光L1および参照光L2を照射されると、プローブ光L1および参照光L2が指Fを透過した透過プローブ光L11および透過参照光L12を、レンズ25を介して受光して光電変換し、透過プローブ光L11および透過参照光L12の光強度に応じた電気信号を出力する透過光検出手段としての機能をも有する。
【0035】
次に、動作について説明する。
まず、生体識別用光源21によりプローブ光L1を検査面12aに接触した指Fに照射する。このとき、生体識別用光源22は参照光L2を照射しない。生体識別用光源21から指Fに照射され、指Fから透過してきた透過プローブ光L11が、レンズ25を介して画像検出器24に受光されて光電変換され、透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1を出力する。
次に、生体識別用光源22より参照光L2を検査面12aに接触した指Fに照射する。このとき、生体識別用光源21はプローブ光L1を照射しない。つまり、生体識別用光源21と生体識別用光源22とは交互に照射することになる。生体識別用光源22から指Fに照射され、指Fから透過してきた透過参照光L12が、レンズ25を介して画像検出器24に受光されて光電変換され、透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2を出力する。
【0036】
画像検出器24から出力された両電気信号S1,S2は一旦記録され、割算回路15aで、電気信号S1を電気信号S2で割って透過光強度比S3を求め、この透過光強度比S3が比較回路15bに出力される。透過光強度比S3が大きいほど、指Fに含まれる血液の酸化ヘモグロビンの濃度が高いことを示す。割算回路15aから出力された透過光強度比S3は、比較回路15bで、予め設定した上限値および下限値で比較される。透過光強度比S3が上限値と下限値との間にある場合、指Fが生体であると判定し、透過光強度比S3が上限値と下限値との間にない場合、指Fが生体でないと判定し、その判定結果を識別信号S4として出力する。
【0037】
本発明の実施の形態3によれば、生体識別用光源21,22で検査面12aに接触された指Fにプローブ光L1と参照光L2とを照射し、透過光検出手段としての画像検出器24でプローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光L11の光強度に応じた電気信号S1と、参照光が指の内部を透過した透過参照光L12の光強度に応じた電気信号S2とを出力し、生体識別手段15で出力された両電気信号S1,S2により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比S3を求め、透過光強度比から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別しているので、指紋像の色情報の変化がなくても、レプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0038】
また、指Fの血液に含まれる還元ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとのうち、プローブ光L1が酸化ヘモグロビンの吸光係数の方が還元ヘモグロビンの吸光係数より小さい領域の波長であり、参照光L2が酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とがほぼ同じ領域の波長であるので、透過プローブ光L11の光強度と透過参照光L12の光強度との透過光強度比が顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指Fがレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0039】
また、プローブ光L1の波長は、660nm付近のものであるので、透過プローブ光L11の光強度が顕著に大きくなり、透過プローブ光L11の光強度と透過参照光L12の光強度との透過光強度比がより顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指Fがレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0040】
またさらに、単一の透過光検出手段としての画像検出器24で、透過プローブ光L11の波長の光を電気信号に変換し出力する透過プローブ光検出手段と、透過参照光L12の波長の光を電気信号に変換し出力する透過参照光検出手段とを共通にしたので、透過プローブ光検出手段と透過参照光検出手段とが個別の場合に片方が劣化により感度が変化するとき、割算回路15aの出力に誤差が生ずるが、単一の画像検出器24の場合では劣化により感度が変化するときでも、割算回路15aの出力に誤差が生じない。
尚、生体識別用光源21と生体識別用光源22とを交互に照射する時間間隔を短くすれば、生体識別の時間を短縮できる。
また、単一の画像検出器24は、透過光検出手段も有するので、装置を小型化できる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の指紋像入力装置によれば、生体識別用光源で指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを指に照射し、透過光検出手段でプローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力し、生体識別手段で透過光検出手段から出力された両電気信号により透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比を求め、透過光強度比から、指が生体であるか否かを識別しているので、透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比が顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、レプリカか生体の指かの生体識別を確実にすることができる。
【0042】
また、生体識別用光源で指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを検査面に接触された指に照射し、透過光検出手段でプローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力し、生体識別手段で透過光検出手段から出力された両電気信号に応じた透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比を求め、透過光強度比から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別しているので、透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比が顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、レプリカか生体の指かの生体識別を確実にすることができる。
【0043】
また、生体識別用光源で指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と酸化ヘモグロビンの吸光係数と還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを検査面に接触された指に照射し、透過光検出手段でプローブ光が指の内部を透過した透過プローブ光の光強度に応じた電気信号と、参照光が指の内部を透過した透過参照光の光強度に応じた電気信号とを出力し、生体識別手段で透過光検出手段から出力された両電気信号に応じた透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度の差を求め、透過光強度の差から検査面に接触された指が生体であるか否かを識別しているので、透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度の差が顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、レプリカか生体の指かの生体識別を確実にすることができる。
【0044】
また、プローブ光の波長は、660nm付近のものであるので、透過プローブ光の光強度が顕著に大きくなり、透過プローブ光の光強度と透過参照光の光強度との透過光強度比がより顕著になり、指紋像の色情報の変化がなくても、指がレプリカか生体の指かを確実に生体識別をすることができる。
【0045】
また、透過光検出手段は、透過プローブ光の波長の光のみを電気信号に変換し出力する透過プローブ光用光電変換手段と、透過参照光の波長の光のみを電気信号に変換し出力する透過参照光用光電変換手段とを有するものであるので、プローブ光と参照光とを同時に指に照射できる。このため、従来例のように指紋像の色情報の変化を生ずるに要するある程度の時間を、継続してモニターすることが不要となり、生体識別の時間を短縮することができる。
【0046】
またさらに、単一の透過光検出手段で、透過プローブ光の波長の光を電気信号に変換し出力する透過プローブ光用光電変換手段と、透過参照光の波長の光を電気信号に変換し出力する透過参照光用光電変換手段とを共通にするものであるので、透過プローブ光用光電変換手段と透過参照光用光電変換手段とが個別の場合に片方が劣化により感度が変化するとき、割算回路の出力に誤差が生ずるが、単一の透過光検出手段の場合では劣化により感度が変化するときでも、割算回路の出力に誤差が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 人体の血液中の酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの各波長における吸光係数を示す説明図である。
【図3】 本発明の他の実施例による指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の他の実施例による指紋像入力装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 従来の指紋像入力装置の構成を示すブロック図ある。
【符号の説明】
11,21,22 生体識別用光源
12 透明体
12a 検査面
13,23,24 透過光検出手段
15 生体識別手段
F 指
L1 プローブ光
L2 参照光
L11 透過プローブ光
L12 透過参照光

Claims (8)

  1. 指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と上記酸化ヘモグロビンの吸光係数と上記還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを指に対して照射する生体識別用光源、
    上記プローブ光による上記指の内部への透過によって生じた透過プローブ光を受光して上記透過プローブ光の光強度に応じた電気信号を出力する手段と、上記参照光による上記指の内部への透過によって生じた透過参照光を受光して上記透過参照光の光強度に応じた電気信号を出力する手段とを具備した透過光検出手段、および
    上記透過光検出手段から出力された上記両電気信号に基づき上記透過プローブ光の光強度と上記透過参照光の光強度との透過光強度比を演算し、上記透過光強度比から上記指が生体であるか否かを識別する生体識別手段
    を備えたことを特徴とする指紋像入力装置。
  2. 検査面を有する透明体、
    指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と上記酸化ヘモグロビンの吸光係数と上記還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを上記検査面に接触された指に対して照射する生体識別用光源、
    上記プローブ光による上記指の内部への透過によって生じた透過プローブ光を受光して上記透過プローブ光の光強度に応じた電気信号を出力する手段と、上記参照光による上記指の内部への透過によって生じた透過参照光を受光して上記透過参照光の光強度に応じた電気信号を出力する手段とを具備した透過光検出手段、および
    上記透過光検出手段から出力された上記両電気信号に基づき上記透過プローブ光の光強度と上記透過参照光の光強度との透過光強度比を演算し、上記透過光強度比から上記検査面に接触された指が生体であるか否かを識別する生体識別手段
    を備えたことを特徴とする指紋像入力装置。
  3. 検査面を有する透明体、
    指の血液に含まれた酸化ヘモグロビンの吸光係数が指の血液に含まれる還元ヘモグロビンの吸光係数より小さくなる波長領域のプローブ光と上記酸化ヘモグロビンの吸光係数と上記還元ヘモグロビンの吸光係数とが同等になる波長領域の参照光とを上記検査面に接触された指に対して照射する生体識別用光源、
    上記プローブ光による上記指の内部への透過によって生じた透過プローブ光を受光して上記透過プローブ光の光強度に応じた電気信号を出力する手段と、上記参照光による上記指の内部への透過によって生じた透過参照光を受光して上記透過参照光の光強度に応じた電気信号を出力する手段とを具備した透過光検出手段、および
    上記透過光検出手段から出力された上記両電気信号に基づき上記透過プローブ光の光強度と上記透過参照光の光強度との透過光強度の差を演算し、上記透過光強度の差から上記検査面に接触された指が生体であるか否かを識別する生体識別手段
    を備えたことを特徴とする指紋像入力装置。
  4. 指紋像用光を指に対して照射する指紋像用光源、
    上記指紋像用光のうち上記指から反射された光を検出する画像検出手段、
    この画像検出手段によって検出された指紋像を取込む画像取込み手段、
    この画像取込み手段によって取込まれた上記指紋像を照合する指紋照合手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の指紋像入力装置。
  5. 指紋像用光を検査面に接触された指に対して照射する指紋像用光源、
    上記指紋像用光のうち上記指から反射された光を検出する画像検出手段、
    この画像検出手段によって検出された指紋像を取込む画像取込み手段、
    この画像取込み手段によって取込まれた上記指紋像を照合する指紋照合手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の指紋像入力装置。
  6. プローブ光の波長は、600nm以上700nm以下であることを特 徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の指紋像入力装置。
  7. 参照光の波長は、800nm以上900nm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の指紋像入力装置。
  8. 透過光検出手段と画像検出手段とが一体化していることを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の指紋像入力装置。
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