JP3789081B2 - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアモルファスSiを含む光導電層および表面保護層を順次積層してなる感光体、ならびに本発明の感光体を具備した電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真装置では、表面に光導電層が設けられた感光体の外周面をコロナ帯電あるいは、ローラ帯電、ファーブラシ帯電、磁気ブラシ帯電と言った帯電手投で一様に帯電させ、ついで被複写体の被複写像を反射光や変調信号に応じたレーザーやLEDによって露光させることにより前記感光体の外周面上の静電潜像を形成し、さらに該感光体上にトナーを付着させることでトナー像を形成し、これを複写用紙などに転写させて複写が行なわれる。
【0003】
このようにして電子写真装置で複写を行なったのちには、感光体の外周面上にトナーが一部残留するため、該残留トナーを除去する必要がある。
かかる残留トナーの除去は、クリーニングブレード、ファーブラシ、マグネットブラシ等を用いたクリーニング工程によって行なわれるのが一般的である。
【0004】
また、近年環境への配慮から、廃トナーの低減ないし解消を目的にクリーニング装置を省略した電子写真装置も提案、開示されている。この方式は特開平6−118741号公報に開示されている様なブラシ帯電器の様な直接帯電器でクリーニング工程を兼ねるもの、特開平10−307455号公報に開示されている様な現像器でクリーニング工程を兼ねるもの等があるが、いずれの方式においてもトナーと感光体表面が摺擦し、除去させる工程を含んでいる。
【0005】
表面硬度が硬く、摩耗量が少ない為、帯電生成物や転写紙に含まれる低抵抗物質が前記クリーニング工程で除去されにくいアモルファスシリコン感光体を用いた電子写真装置は、高湿流れを発生し易く、これを防止する努力が以前から続けられている。具体的には、ヒータによる加温で水分を除去する、摺擦手投により流れ起因物質を除去する、酸化されにくい或いは流れ起因物質が付着しにくい表面保護材料などが挙げられ、効果をあげている。
【0006】
しかし、最近の急速なデジタル化の進行により、作像が微細ドットの集合で形成される様になると、特にハーフトーン画像で高湿流れが頼著に現れる様になり、更なる性能の向上が求められている。
【0007】
本発明に係わる高湿流れの対策の一つの回答として、特開平9−204056号公報に開示されているように、アモルファスシリコンを感光層とした感光体において、該感光層を成膜形成する導電性基体表面の炭素量を増やし酸化されにくくすると共に、摩耗し易くし、同時に表面の平滑性を高め、高湿流れ起因物質の除去を容易ならしめる方法が提案され、表面粗さ計により測定した表面粗さの値で規定されている。
【0008】
また、特開平10−333350号公報においては、電子写真装置内で感光体表面を研磨し、表面を平坦化することで同様の効果を上げる方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、電子写真装置のデジタル化の進展、エコロジーヘの意識の高まりから、アモルファスシリコン感光体を用いながらも、更なる感光体の長寿命化、省エネルギーが求められている。
【0010】
具体的には、個人向け等の低速、中速プリンターの感光体寿命を本体寿命同等以上に引き上げ廃棄物の低減を図ること、オフィス向け等の高速プリンターの感光体ヒーターを感光体寿命を本体寿命以上のままで、廃止することが求められている。
【0011】
その為には、感光体寿命に制約を与える摩耗や研磨によらない高湿流れ防止手段、より具体的には感光体ヒータ廃止手投が必要である。
【0012】
そこで、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、高湿流れ防止の効果は必ずしも既に開示されている巨視的な基体表面粗さによって決まらず、むしろアモルファスシリコン膜固有の微視的な(具体的には数nmから数十nmオーダー)表面粗さに大きく依存していることを見出した。
【0013】
すなわち、アモルファスシリコン膜成長時に形成される山(凸部)の間の谷間の浅い形状かつその谷間が少ない形状に成膜されることが、初期から直ちに画像流れを防止し、かつ良好なレベルを維持することが判明した。
【0014】
且つ、巨視的な粗さ、すなわち基体切削加工、塑性加工等は、融着、トナー付着などを防止する為、及び分離安定性を確保する為に、適宜選択することが好ましく、この場合においても本発明で提案する微視的な表面粗さ条件が満たされた膜構造にすれば、初期から高湿流れを効果的に防止することが可能であるとの結論に至った。
【0015】
ここで述べた分離安定性とは、感光体表面のトナーを転写材に移行させるべく、感光体と転写材を接触させた後、感光体から転写材を分離させる工程の安定性を言う。具体的には、転写材に一旦移行したトナーが再び感光体に戻る事がなく、且つ、転写材が良好に分離し紙詰まりを発生しない状態の度合いを、紙詰まり率(以下、「ジャム率」と記す)で示す。本発明者らの研究によれば、この分離安定性確保の為には、a−Si感光体の表面にはある程度の凹凸がある事が好ましく、転写紙接触時に転写紙とその凹凸で形成される空隙ないしは凹凸に起因する表面エネルギー状態が、分離安定性に寄与しているものと推察される。
【0016】
したがって本発明は上記の知見により完成されたものであり、その目的はクリーニング時の高湿流れを防止して、良好な画像形成を達成した感光体並びに画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手投】
本発明者らは、上述の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、導電性基体上に少なくともアモルファスSiを含む感光層および表面保護層を順次積層してなる感光体においては、10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深い点、別の表現では低い点を基準に凹凸高さの度数分布の累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が3nm〜35nmの範囲、好ましくは5〜30nmの範囲であることにより、高湿流れを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
本発明の10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差を好適な範囲に調整させる手段として、次の様な方法を用いる事ができる。
【0019】
例えば、シリカ、酸化クロム、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、炭化窒素、炭化ケイ素、チッ化ケイ素、酸化セリウム等の微粉末を研磨剤として用い、乾式乃至湿式にて研磨し、所望の表面粗さを得る方法がある。また、バフ研磨、磁気研磨、磁性流体FFF、電気泳動利用FFF、プラズマ利用FFF(FFF:Field assisted Fine Finishing)、EEH(Elastic Emission Haching)及びラッピングフィルムによる研磨で、所望の表面粗さを得る方法がある。この方法により前記累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が所望の値より大きい場合、それを小さくすることができる。
【0020】
図11は電子写真感光体表面の研磨装置の説明図である。
【0021】
図11において、符号1は電子写真感光体ドラムを表し、その表面には、被処理表面層が設けられている。符号2は研磨面に結晶SiCがコーティングされた研磨テープ(商品名:ラッピングテープLT−C2000、製造元:Fuji Film)を表している。符号3は感光体ドラム1の表面と研磨テープ2とを接触させるための円筒形支持体を表している。
【0022】
本発明に用いられる研磨テープとしては、研磨面に結晶SiCがコーティングされたものの他に、酸化鉄,アルミナ,ダイヤモンドの粉末等をコーティングしたものも好適なものとして用いることができる。符号4は円筒形支持体3の受台を表し、受台4は感光体ドラム1の回転軸方向と平行に配置され、おもり5で荷重が加えられる。符号6は研磨テープ2を送り出すための送り出しモーターを表し、このモーター6により研磨テープ2は一定の速度で送り出され、おもり7により研磨テープ2は引っ張られ、一定の速度で送られる。その際、研磨テープは、感光体の回転の順方向に送られるので、研磨テープ2と感光体ドラム1との間隙にSiCの研磨粉や異物がたまることなく研磨され所望の表面粗さを得ることができる。この方法により表面粗さが所望の値より大きい場合、それを小さくさせることができる。
【0023】
図12は図11の研磨装置のA−A´に沿った断面図である。図4において、感光体ドラム1は回動軸方向(X方向)に移動が可能である。また逆に研磨テープ2及び円筒形支持体3を移動させてもよい。これによって、2次元的な研磨制御が可能となり、更に容易に所望の表面粗さを得ることができる。
【0024】
本発明における微視的な表面粗さとは、原子間力板微鏡(AFM)[QueSant社製Q−Scope250]を用いて測定した表面粗さRaの値を指し、微視的な表面粗さを高い精度で再現性良く測定するためには、10μm×10μmの測定範囲で、かつサンプルの曲率傾き(チルト;tilt)による誤差を避けるように測定した結果であることが望ましい。具体的には、Quesant社製Q−Scope250のTile Removalモードにより、試料のAFM像の持つ曲率を放物線にフィットさせた後、平坦化する補正(Parabolic)が挙げられる。電子写真感光体は一般に円筒形状を取っており好適な手法である。更に、像に傾きが残る場合には、傾きを除去する補正(Line by line)を行なう。この様に、データに歪みを生じさせない範囲でサンプルの傾きを適宜補正することが可能である。
【0025】
更に、本発明者らは、上記の表面形状に加え、光導電層を複数の層から構成することがトナー付着の抑制を促進させることを見出した。
【0026】
光導電層のバンドギャップにより生じる画像露光の実質的な吸収深さの変動により静電潜像の電位むらが生ずる。この電位むら、具体的には残留電位、ゴースト電位により、トナー付着の核となるカブリ、または画像の鮮鋭さを悪化させるものと考える。
【0027】
また、感光体の表面保護層と感光層の界面組成を連続的に変化させることで、更に効果的にトナー付着の抑制が出来ることを見出した。
【0028】
上記界面組成における分光反射率が以下の式、
波長450nmから650nmの範囲の光で、反射率(%)の最小値をMinとし最大値をMaxとしたとき 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 式(1)
を満たすことが望ましい。
【0029】
ここで、本発明による反射率とは、分光光度計[大塚電子社製MCPD−2000]を用いて測定した反射率(百分率)の値をさす。概要を述べるとまず、分光器の光源の分光発光強度I(0)をとり、次いで感光体の分光反射光度I(D)をとり、反射率R=I(D)/I(0)を求める。高い精度で再現性良く測定するためには、曲率をもつ感光体に対して角度が一定となるようにディテクターを治具で固定することが望ましい。
【0030】
界面制御の具体例を図8に示す。図8(a)に示した例A(上記式(1)の値:0.48)、例B(上記式(1)の値:0.41)が上記式の範囲外である「界面あり」の測定例、図8(b)に示した例C(上記式(1)の値:0.28)、例D(上記式(1)の値:0.16)が本発明に係わる式を満たす「界面無し」の測定例である。2本の線があるのはそれぞれ表面保護層の膜厚違いによる差であり、膜厚の差に応じてグラフ上左右に波形が移動する。その最大値は波形の振幅に相当する為、界面ありは界面無しに比べ、単一波長固定で見た場合、膜厚変動に対して反射率は大きく変動する。すなわち、膜厚変動に対して大きく感度変動が生じる。
【0031】
つまり、微細粗さにより生じる画像露光入射光路上における実質的な表面保護層の膜厚むらが生ずる。この膜厚むらにより界面ありの場合、界面無しの場合よりも感度の変動が大きくなり、トナー付着の核となるカブリ、または画像の鮮鋭さを悪化させるものと考える。
【0032】
[表面粗さの度数分布]
以下、本発明の重要な指標である表面粗さの度数分布に付いて述べる。
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy)は横分解能(試料面に平行な方向の分解能)は0.5nmを上まわり、縦分解能(試料面に垂直方向の分解能)は0.01〜0.02nmを持ち、試料の三次元的な形状を測定することが可能で、従来から広く用いられている表面粗さ計との大きな違いは、その高い分解能にある。
【0033】
これほどまでの高い分解能においては、感光体基体の粗さが支配的なオーダーの粗さではなく、光導電層や表面層と言った堆積膜そのものの性質に起因する粗さの測定が可能である。
【0034】
感光体基体の粗さは、前記の施盤やボールミル、あるいはディンプル処理加工と言った「歯形」や「処理部材」と言った「型」に依存するものであるが、堆積膜微細そのものの粗さには「型」はなく、単にJIS−B0601で規定されるRa(中心線平均粗さ)やRz(十点平均粗さ)では表現しきれない形状因子が存在し、それが前記トナー付着防止の糸口になるのではないかと本発明者らは考えた。
【0035】
具体的には、同一視野(10μm×l0μm)の範囲における表面粗さRaが10nm未満の導電性基体の上に、各種条件にてアモルファスシリコン感光層(阻止層、光導電層、表面層、各層の界面を含む全層)を作製し、その凹凸の高さを原子間力顕微鏡で観測し、度数分布を求めて比較検討した。
【0036】
同様の測定を従来広く用いられている表面粗さ計、例えば(株)小坂研究所製接触式表面粗さ計(SE−3400)では有意な差を観測できず、本出願で用いる指標はアモルファスシリコン感光体の材料の特性を示す新規な指標であると考える。
【0037】
尚、本発明者らはAFMの測定に際して、いくつかの試料に対して、いくつかのスキャンサイズで測定を行なった。スキャンサイズとは、スキャンする四角形の一辺の長さであり、従って10μmのスキャンサイズとは、10μm×10μmすなわち100μm2の範囲をスキャンすることを意味する。グラフ横軸をスキャンサイズにして、その結果の一部を図9に示す。
【0038】
この図は、同一基体に作成条件を変えて成膜した比較的微細粗さの小さいものと中程度のものの2つの試料について、測定視野と、一般的にイメージし易い粗さ指標JIS−Ra(中心線平均粗さ)とで示した。
【0039】
スキャンサイズを大きく、すなわち測定範囲を広くすると測定値は安定するが、試料基体のうねり、突起などの特異形状、加工形状の影響により、微細形状が反映され難くなり、視野角が小さいと測定個所の選択バラツキが大きくなる為、本発明は測定の検知能力と安定性の総合的に優れた10μm×10μm視野で表記した。
【0040】
以上の経緯から、本発明の発明思想は10μm×10μm視野に限定されるものではない。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
【0042】
「本発明に係わるa−Si感光体」
図1に本発明に係わる電子写真感光体の一例における基体に積層した機能層の部分断面を示す。
【0043】
本例の電子写真感光体は、図1(a)〜(c)に示すように、例えばAl、ステンレス等の導電性材料からなる基体101上に、光導電層102および表面保護層103を順次積層したものである。尚、これら層の他に、阻止層104、反射防止層ないし界面層107などの種々の機能層を必要に応じて設けてもよい。例えば、阻止層104、界面層107等を設けそのドーパントをIII族元素、V族元素など選択する事により、正帯電、負帯電と言った帯電極性の制御も可能となる。
【0044】
基体形状は電子写真感光体の駆動方式などに応じた所望のものとしてよい。
基体材質としては上記Alやステンレスのような導電性材料が一般的であるが、例えば各種のプラスチックやセラミックス等、特には導電性を有しないものにこれら導電性材料を蒸着するなどして導電性を付与したものも用いることができる。
【0045】
光導電層102としては、光導電性を有するものであれば、有機質のものでも、無機質のものでもよいが、無機光導電体としては、例えばシリコン原子が水素原子およびハロゲン原子を含む非晶質材料(「a−Si(H,X)」と略記する)あるいはa−Se等が代表的なものとして挙げられる。また、光導電層102の層厚としては特に限定はないが、製造コストなどを考慮すると15〜50μm程度が適当である。
【0046】
更に、特性を向上させる為に下部光導電層105と上部光導電層106の様に複数の層構成にしても良い。特に、半導体レーザーの様に、比較的長い波長であって且つ波長ばらつきのほとんどない光源に対しては、こうした層構成の工夫によって画期的な効果が現れる。
【0047】
表面保護層103は、一般的に非晶質炭化珪素a−SiC(H,X)で形成されるが、非晶質炭素a−C(H,X)としても良い。表面の潤滑性、耐酸化性、硬度はa−C(H,X)が勝っておりより好ましい。また、光導電層102と表面保護層103の界面組成107を連続的に変化させ、当該部分の界面反射を抑制させるように制御することが好ましい(図1(b),(c)参照)。
【0048】
また、本発明の10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差を好適な範囲に調整させる手段として、堆積膜形成前の基体の表面の凹凸を適切に調整した上、堆積膜を形成した後に必要に応じて研磨等の後処理をすることによって得ることができる。
【0049】
具体的には、(1)本発明に関する極めて微細な堆積膜表面の凹凸制御の為には、基体が本発明の測定の範囲内で平滑である事が好ましく、旋盤等の切削手段により所望の加工を施し、(2)成膜条件、主にはガス分解周波数、投入電力、もちろん、堆積膜の形成条件にもよるが、研磨は堆積された膜の特性によって適宜調整して行われる。研磨は、例えば、SiCの微粒子を付着させたテープ(SiC研磨テープ)を用い、成膜形成された感光体の表面を摺擦することによって行うことができる。
【0050】
「本発明に係わるa−Si感光体成膜装置」
本発明に係わるa−Si感光体成膜装置の一例を以下に示す。
【0051】
本発明では、感光ドラムはa−Si感光体としており、a−Si感光層を高周波プラズマCVD(PCVD)法により成膜した。本発明で使用したP一CVD装置を図3に示す。図3に示す装置は、電子写真用感光体の製造に使用する一般的なPCVD装置である。このPCVD装置は、堆積装置300、原料ガス供給装置及び排気装置(ともに図示せず)を備えて構成されている。堆積装置300には縦型の真空容器からなる反応容器301を有し、この反応容器301内の周囲には内には縦方向の原料ガス導入管303が複数本配設され、ガス導入管303の側面には、長手方向に沿って多数の細孔が設けられている。反応容器301内の中心には、螺旋状に巻線したヒーター302が縦方向に延設され、感光体ドラムの基体となる円筒体312は、容器301内の上部の蓋301aを開けて挿入され、ヒータ302を内側にして容器301内に垂直に設置される。また、反応容器301の側面の一方に設けた凸部304から高周波電力が供給される。
【0052】
反応容器301の下部には、原料ガス導入管303に接続された原料ガス供給管305が取り付けられ、この供給管305は、供給バルブ306を介して図示しないガス供給装置に接続されている。また、反応容器301に下部には排気管307が取り付けられ、この排気管307はメイン排気バルブ308を介して図示しない排気装置(真空ボンプ)に接続されている。排気管307には、他に真空計309、サブ排気バルブ310が取り付けられている。
【0053】
上記の装置を用いたPCVD法によるa−Si感光層の形成は次のように行なわれる。まず、反応容器301内に感光体ドラムの基体となる円筒体312をセットし、蓋301aを閉じた後、図示しない排気装置により容器301内を所定の低圧以下の圧力まで排気し、以後排気を続けながら、ヒーター302により基体312を内側から加熱して、基体312を20℃〜450℃の範囲内の所定の温度に制御する。基体312が所定の温度に維持されたら、所望の原料ガスをそれぞれの流量制御器(図示せず)により調節しながら、導入管303を通って反応容器301内に導入する。導入された原料ガスは反応容器301内を満たした後、排気管307を通って容器301の外に排気される。
【0054】
このようにして、原料ガスが満たされた反応容器301内が所定の圧力になって安定したことを真空計309により確認したら、図示しない高周波電源(13.56MHzのRF帯域、または50〜150MHzのVHF帯域、等)により、高周波を所望の投入電力量で容器301内に導入し、容器301内にグロー放電を発生させる。このグロー放電のエネルギーによって、原料ガスの成分が分解してプラズマイオンが生成され、基体312の表面に珪素を主体としたa−Si堆積層が形成される。この際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、圧力、基体温度、投入電力、膜厚などのパラメータを調整することにより様々な特性のa−Si堆積層を形成することにより、電子写真特性を制御することが出来る。
【0055】
このようにして基体312の表面にa−Si堆積層が所望の膜厚で形成されたら、高周波電力の供給を止め、供給バルブ306等を閉じて、反応容器301内への原料ガスの導入を停止し、一層分のa−Si堆積層の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことにより所望の多層構造のa−Si堆積層、つまりa−Si感光層が形成され、基体312の表面に多層構造のa−Si感光層を有する感光ドラムが製造される。
【0056】
また、本発明に係わる表面保護層と光導電層の界面反射の低減、制御については、前述の一層分のa−Si堆積層の形成を終える際に、高周波電力を停止させず、かつ原料ガスの供給も停止させず連続的に次の層の電力条件、ガス組成に変化させることで達成される。または、高周波電力は一旦停止させるものの、原料ガスを前の層の構成から開始し、所望の構成に連続的に変化させながら成膜させることによっても達成が可能である。
【0057】
以上において、ガス導入管303の長手方向上に分布した細孔から反応容器301内に導入される原料ガスの導入管303長手方向での流量分布、排気管からの排ガスの流出速度、放電エネルギー等を調整することによって、基体312上のa−Si堆積層の長手方向に沿った電子写真特性を制御することが出来る。
【0058】
「本発明に係わる電子写真装直」
このように作製した電子写真感光体を用いた本発明の電子写真装置の一例を図2に示す。尚、本例の装置は、円筒状の電子写真感光体を用いる場合に好適なものであるが、本発明の電子写真装置は本例に限定されるものではなく、感光体形状は無端ベルト状等の所望のものであってよい。
【0059】
図2において、本発明にいうところの電子写真感光体204の周囲に、感光体204に静電潜像形成のための帯電を行う一次帯電器205と、静電潜像の形成された感光体204に現像剤(トナー)を供給するための現像器206と、感光体表面のトナーを紙などの転写材213に移行させるための転写帯電器207と、感光体表面の浄化を図るクリーナー208とが配設されている。本例は感光体表面の均一削除を有効に行うため、前述のような弾性ローラー208―1とクリーニングブレード208―2を用いて感光体表面の浄化を行っているが、いずれか一方のみでも差し支えない。また、クリーナー208と一次帯電器205の間には、次回の複写動作に備えて感光体表面の除電を行うための除電ランプ210が配設されており、また転写材213は送りローラ214により送られる。露光Aの光源には、ハロゲン光源、あるいは単一波長を主とする光源を用いる。
【0060】
このような装置を用い、複写画像の形成は、例えば以下のように行なわれる。まず電子写真感光体204を所定の速度で矢印の方向へ回転させ、一次帯電器205を用いて感光体204の表面を一様に帯電させる。次に、帯電された感光体204の表面に画像の露光Aを行ない、該画像の静電潜像を感光体204の表面に形成させる。そして感光体204の表面の静電潜像の形成された部分が現像器206の設置部を通過する際に、現像器206によってトナーが感光体204の表面に供給され、静電潜像がトナー206aによる画像として顕像化(現像)され、更にこのトナー画像は感光体204の回転とともに転写帯電器207の設置部に到達し、ここで送りローラー214によって送られてくる転写材213に転写されるのである。
【0061】
転写終了後、分離帯電器により転写材を感光体から静電気力を利用して分離させる。分離はベルト、爪などを用いて機械的に分離しても良い。次の複写工程に備えるために電子写真感光体204の表面から残留トナーがクリーナー208によって除去され、更に該表面の電位がゼロ若しくは殆どゼロとなるように除電ランプ210により除電され、1回の複写工程を終了する。
【0062】
図4は本発明に係わるクリーニング装置を省略した電子写真装置を表す模式図である。図に示す電子写真装置401は、透光性支持体403上に透光性導電層404と絶縁性キャリア注入阻止層405aと光導電層405と表面層406が積層されたドラム状の感光体401と、露光手段としてのLEDヘッド407と、現像器408と、転写ローラ409とを備える。LEDヘッド407と現像器408は、感光体402のある一部を介して、ほぼ対称的に配置される。感光体402の内側には、イレース用光源としてのLEDアレイ410が配置されているが、感光体402の外側に配置してもよい。現像器408においては、例えば8極の円柱状の磁極ローラ411と、その外周に亘って配設された導電性スリーブ412とからなり、さらにトナー受け413に貯蔵された現像剤としての一成分磁性導電性トナーはスリーブ412の外周へ配送され、磁気ブラシ414を形成する。また、スリーブ412と透光性導電層404との間にはバイアス電源415が設けられ、その両者404,415の間に感光体402の電位特性に応じてプラアスあるいはマイナスの0〜300Vの電圧が印加される。感光体402の表面にはトナー層416が形成され、記録紙417と接する。符号418は記録紙417との接触後の感光体表面の残留トナーである。これ以外に現像剤の回転手段と感光体402の回転手段とが設けられている。
【0063】
透光性支持体側より露光器により露光するとともに、現像バイアス供給用の電源によりバイアス電圧を印加した現像器上の導電性磁性トナーからなる磁気ブラシでもって感光体表面を摺擦させ、これによって帯電と露光と現像とをほぼ同時に行ない、感光体上にトナー像を形成する。そのトナー像は、転写ローラを用いて記録紙に転写され、定着手投により定着されて記録画像となる。一方、感光体上に残留したトナーは、現像器で回収され、再利用される為、クリーニング装置は省略される。
【0064】
【実験例】
以下、本発明を種々の実験例に基づき詳細に説明する。
【0065】
[実験例1]
前記a−Si感光体成膜装置を用いて基体形状及び製造条件の各パラメーターを変更することにより、AFM測定レベルにおける表面粗さの度数分布ならびに表面粗さ計測定レベルにおける表面粗さRzを変化させた電子写真用感光体No.101〜113を製造した。導電性基体にはAlからなる円筒状基体を用い、切削加工、ディンプル加工等、さまざまな基体表面加工を施したものを用いた。
【0066】
上記感光体のいくつかについて、具体的には、No.101を10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した表面粗さの凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差を図5に示す。この図からわかるように、度数分布の幅、高さ、左右バランスから累積度数の形状に特徴が現れてくる。更に、累積度数の90%と50%にあたる凹凸は最表面部分の凹凸にあたり、高湿流れなどの特性に大きく関与する部分と考えられる。
【0067】
本発明では、累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差に着目して、No.101〜113の各々の感光体の10μm×10mμの範囲でAFMにより測定した表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差と接触式表面粗さ計で測定した表面粗さRz及び画像評価の結果を表1に示す。
【0068】
ここで、本発明におけるμmオーダーの表面粗さとは、接触式表面粗さ計
[株式会社小坂研究所製サーフコーダSE−3400]を用い、評価長さ1.25mmにおいて測定した表面粗さRzの値を指す。
【0069】
尚、本発明者らは上記表面粗さ計の測定に際して、いくつかの試料に対して、いくつかの測定長で測定を行なった。その結果の一部を図10に示す。
【0070】
この図は、基体及び作成条件を変えて成膜した比較的粗さの小さいものと中程度のものの2つの試料について、評価長さと一般的にイメージし易い粗さ指標JIS−B0601のRz(十点平均粗さ)で示した。
【0071】
評価長さとRzには相関があり、すなわち評価長さを規定しないと粗さの正確な表記が出来ない為、本発明は評価長さ1.25mmにおいて測定した表面粗さRzで表記した。
【0072】
画像評価はキヤノン製電子写真装置NP6350機を用いて、30℃、80%RHの高湿環境で、印字率3%と通常より印字率を下げたテストパターンにて50万枚の通紙耐久を行い、アナログ画像の線幅200μm、間隔500μmの原稿を複写し、線幅再現性の良否で評価を行った。
【0073】
また、分離安定性は定期的にべた白、べた黒画像を出力し、分離部におけるジャム率で判定した
表1の記号は、◎:優れている、○:実用上問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0074】
表1の結果より、従来の表面粗さRzの値と高湿流れとの間には相関は見出せなかった。反対に、粗さ度数分布の半値幅と高湿流れには相関が見られた。
【0075】
【表1】
Figure 0003789081
[実験例2]
次に、前記a−Si感光体成膜装置を用いて製造条件の各パラメーターを変更することにより、AFM測定レベルにおける表面粗さの度数分布ならびに表面粗さ計測定レベルにおける表面粗さRzを変化させた電子写真用感光体No.201〜212と、界面無しにした以外は同様の感光体No.213,214とを製造した。
【0076】
導電性基体には純度99.9%以上のAlからなる円筒状基体を用い、切削により鏡面加工を施して微視的な表面粗さRaを9nm未満にて統一した。
【0077】
No.201〜214の各々の感光体の10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差、接触式表面粗さ計で測定した表面粗さRz、画像評価の結果を表2に示す。
【0078】
画像評価はキヤノン製電子写真装置NP6350をそのまま、ないしは画像露光をLEDアレイ及びレーザーに改造したものを用いて印字率3%と通常より印字率を下げたテストパターンにて50万枚の通紙耐久を行い、高湿流れ、分離安定性の評価を行った。
【0079】
アナログ画像の場合、線幅200μm、問隔500μmの原稿を複写し、線幅再現性の良否で評価を行ない、デジタル画像については25%印字率の孤立ドット形成ないしは桂馬パターンからなるハーフトーン画像の濃度均一性から高湿流れの評価を行った。
【0080】
また、分離安定性は定期的にべた白、べた黒画像を出力し、分離部におけるジャム率で判定した。
【0081】
表2の記号は、◎:優れている、○:実用上問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0082】
表2の結果から、10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が3nm〜35nmの範囲にある感光体においては、高湿流れ、分離安定性ともに良好であった。
【0083】
また、前記累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が5nm〜30nmの範囲の感光体においては、高湿流れ、分離安定性のいずれも極めて良好であった。また、界面無しとすることでデジタル高湿流れの良好な領域が広がった。
【0084】
【表2】
Figure 0003789081
[実験例3]
次に、10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視的な表面粗さRaを変化させた導電性基体を用いて、電子写真用感光体No.301〜306を製造した。導電性基体には純度99.9%以上のAlからなる円筒状基体を用い、AFMにより測定した表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が概ね20〜30nmになるように成膜条件を調整した。
【0085】
No.301〜306の各々の感光体の導電性基体の微視的表面粗さRaと画像評価の結果を表3に示す。
【0086】
画像評価はキヤノン製電子写真装置NP6350改造機を用いて印字率7%のテストパターンにて50万枚の通紙耐久を行い、ポチ不良の評価を行った。ポチ不良とは、感光層の成膜形成において膜が部分的に異常成長した結果、稀に印刷画像上に黒点や白点を生じることを言う。
【0087】
表3の記号は、◎:優れている、○:実用上問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0088】
表3の結果から、導電性基体の微視的な表面粗さRaが9nm未満、好ましくは6nm未満の感光体においては、ポチ不良は発生せず極めて良好な画像が得られた。
【0089】
【表3】
Figure 0003789081
[実験例4]
次に、前記a−Si感光体成膜装置を用いて製造条件の各パラメーターを変更することにより、AFM測定レベルにおける表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差ならびに表面粗さ計測定レベルにおける表面粗さRzを変化させた光導電層が単層の電子写真用感光体No.401〜406、前記光導電層が複層の電子写真用感光体No.407〜412、前記光導電層が複層で且つ界面無しにした以外は同様の感光体No.413、および前記光導電層が複層で且つ界面無し、最表面をa−C:Hにした以外は同様の感光体No.414を製造した。
【0090】
導電性基体には純度99.9%以上のAlからなる円筒状基体を用い、切削により鏡面加工を施して微視的な表面粗さRaを6nm未満にて統一した。
【0091】
No.401〜414の各々の感光体の10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差、接触式表面粗さ計で測定した表面粗さRz、画像評価の結果を表4に示す。
【0092】
画像評価はキヤノン製電子写真装置NP6350をそのまま、ないしは画像露光をLEDアレイ及びレーザーに改造したものを用いて印字率3%と通常より印字率を下げたテストパターンにて50万枚の通紙耐久を行い、高湿流れ、分離安定性の評価を行った。
【0093】
アナログ画像の場合、線幅200μm、間隔500μmの原稿を複写し、線幅再現性の良否で評価を行ない、デジタル画像については25%印字率の孤立ドット形成ないしは桂馬パターンからなるハーフトーン画像の濃度均一性から高湿流れの評価を行った。
【0094】
また、分離安定性は定期的にべた白、べた黒画像を出力し、分離部におけるジャム率で判定した。
【0095】
表4の記号は、◎:優れている、○:実用上問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0096】
表4の結果から、10μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が3nm〜35nmの範囲にある感光体においては、高湿流れ、分離安定性ともに良好であった。
【0097】
また、前記累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が5nm〜30nmの範囲の感光体においては、高湿流れ、分離安定性のいずれも極めて良好であった。また、界面無しとすることで高湿流れ、分離安定性の良好な領域が広がった。
【0098】
【表4】
Figure 0003789081
【0099】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例に基づき説明する。
【0100】
前記a−Si感光体成膜装置を用いてφ80mmの円筒状基体形状及び製造条件の各パラメーターを変更することにより、感光体の10μm×10μmの範囲においてAFMで測定した表面粗さ凹凸の最も深い点を基準にした凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差、及びμmオーダーの表面粗さRzを変化させたプラス帯電電子写真用感光体(実施例1〜3、参考例1、比較例1〜3)を製造した。
【0101】
実施例1〜3、参考例1、比較例1〜3の各々の感光体の感光体の10μm×10μmの範囲においてAFMで測定した表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差、及び導電性基体の微視的表面粗さRa、画像評価の結果を表5に示す。
【0102】
また、本発明に係わる導電性基体の10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視的な粗さの観察像例を図7に、本発明に係わる感光体表面の10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視的な粗さの観察像例を図6に示す。
【0103】
画像評価はキヤノン製電子写真装置NP6350をデジタル露光に改造した機械を用いて100万枚の通紙耐久を行い、高湿流れ、分離安定性、ぽち不良の評価を行い、その結果から総合評価を行った。ここで、実施例2、比較例2はキヤノン製電子写真装置NP6350改造機を用い、アナログ画像における評価を行った。
【0104】
表5の記号は、◎:優れている、○:実用上問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0105】
【表5】
Figure 0003789081
また、前記a−Si感光体成膜装置を用いてφ30mmの円筒状基体の基体形状及び製造条件の各パラメーターを変更することにより、感光体の10μm×10μmの範囲においてAFMで測定した表面粗さ凹凸の最も深い点を基準にした凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差、及びμmオーダーの表面粗さRzを変化させたマイナス帯電の電子写真用感光体(実施例、比較例4)を製造した。
【0106】
実施例、比較例4の各々の感光体の感光体の10μm×10μmの範囲における表面担さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差、及び導電性基体の微視的表面粗さRa、画像評価の結果を表6に示す。
【0107】
画像評価はキヤノン製電子写真装置GP405改造機を用いて30万枚の通紙耐久を行い、高湿流れ、分離安定性、ポチ不良の評価を行い、その結果から総合評価を行った。
【0108】
表6の記号は、◎:優れている、○:実用上問題なし、×:実用上問題あり、を意味する。
【0109】
【表6】
Figure 0003789081
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電子写真感光体並びに電子写真装置によれば、導電性基体上に少なくともアモルファスSiを含む感光層および表面保護層を順次積層してなる感光体において、導電性基体の10μm×10μmの範囲で原子間力顕微鏡により測定した表面粗さRaが好ましくは6nm未満とし、且つ、前記感光体の10μm×10μmの範囲で原子間力顕微鏡により測定した表面粗さの凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が3nm〜35nmの範囲、更に好ましくは5nm〜30nmとすることで、高湿流れ、ポチ不良を防止して、良好な画像形成が可能となった。
【0112】
また、上記において感光体の表面保護層と感光層の界面組成を連続的に変化させることで、更に効果的に高湿流れの抑制が可能となった。
【0113】
更に、上記において感光体の光導電層を複数の層から構成することによって、更に効果的に高湿流れの抑制、画像鮮鋭度の向上が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面図である。
【図2】本発明の電子写真装置の一例の模式的断面図である。
【図3】本発明に用いたa−Si感光体成膜装置の概略断面図である。
【図4】本発明の電子写真装置の別の一例の模式的断面図である。
【図5】本発明に係る表面粗さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差を説明する図である。
【図6】本発明の実施例の原子間力顕微鏡観察像の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る導電性基体の原子間力顕微鏡観察像の一例を示す図である。
【図8】本発明の表面保護層の界面反射制御を説明する図である。
【図9】本発明のAFMの測定範囲を説明する図である。
【図10】本発明の表面粗さ計の評価長さを説明する図である。
【図11】電子写真感光体表面の研磨装置の説明図である。
【図12】図11の研磨装置のA−A´に沿った断面図である。
【符号の説明】
101 導電性基体
102 光導電層
103 表面保護層
300 堆積装置
301 反応容器
302 ヒーター
303 原料ガス導入管
304 凸部
305 原料ガス供給管
306 供給バルブ
307 排気管
308 メイン排気バルブ
309 真空計
310 サブ排気バルブ
312 基体
204 電子写真感光体
205 一次帯電器
206 現像器
207 転写帯電器
208 クリーナー
209 AC除電器
210 除電ランプ
213 転写材
214 送りローラー
A 画像露光(アナログ光、或いはデジタル光)

Claims (7)

  1. 導電性基体上に少なくともアモルファスSiを含む光導電層および表面保護層を順次積層してなる感光体において、
    前記導電性基体の10μm×10μmの範囲で原子間力顕微鏡により測定した表面粗さRaが6nm未満であり、且つ、
    前記感光体の10μm×l0μmの範囲で原子間力顕微鏡により測定した表面粗さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が3nm〜35nmの範囲にあることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記累積度数の90%と50%にあたる凹凸の高さの差が5nm〜30nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記光導電層は複数の層から構成される事を特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光体の表面保護層の最表面が水素化非晶質炭素からなることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記感光体の表面保護層と感光層の界面組成を連続的に変化させることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする電子写真装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の電子写真感光体を具備し、単一波長を主とする光源により画像形成が成されることを特徴とする電子写真装置。
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