JP3797151B2 - レーザダイオード、光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置 - Google Patents

レーザダイオード、光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザダイオード、光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置に関し、特にレーザ光の垂直方向の放射角θ⊥を縮小可能なレーザダイオードと、これを発光部として用いた光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)などの光ディスク装置あるいはこれに内蔵される光学ピックアップ装置、または光通信装置などに用いられているレーザダイオードは、ストライプ構造を有している。
【0003】
図9は、従来例に係るレーザダイオードの断面図である。
例えばGaAsからなるn型基板10上に、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型クラッド層11、井戸層と障壁層とからなる量子井戸構造の上層および下層にSCH(セパレーテッド・コンファインメント・ヘテロ)光ガイド層を積層させた活性層12、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるp型第1クラッド層(13,15)が積層しており、p型第1クラッド層(13,15)の境界に例えばAl0.3 Ga0.7 Asからなるp型光ガイド層14が形成されている。
電流注入ストライプ領域において、p型第1クラッド層15およびp型光ガイド層14がリッジ形状に加工されている。
電流注入ストライプ領域の両側部において、p型第1クラッド層13の上層に、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型電流ブロック層16が積層している。
上記のp型第1クラッド層15およびn型電流ブロック層16の上層に、例えば3 Al0.55Ga0.45Asからなる埋め込み型のp型第2クラッド層(17,18)が積層しており、その上層にGaAsからなるp型コンタクト層19が形成されている。
上記のp型コンタクト層19を被覆してオーミック接続するp電極20が形成されており、n型基板10の裏面を被覆してオーミック接続するn電極21が形成されている。
【0004】
上記の構造において、p型光ガイド層14は、エッチングストッパとしても機能する膜であり、p型光ガイド層14およびp型第1クラッド層15をリッジ形状に加工する工程において、p型光ガイド層14の表面でエッチングを一度停止し、エッチング条件を変更して、あるいはエッチング時間を制御して、p型光ガイド層14まで加工して、リッジ形状を得ているものである。
【0005】
上記の構造のレーザダイオードでは、キンクの発生を制限するために横モードを安定化させなければならないという制約があり、一般に、横モードの高次モードを制限することで安定化が図られている。
このためには、電流場の広がりを抑えなければならず、p型光ガイド層14をできる限り活性層12に近づけることが必要となっており、例えばp型光ガイド層14と活性層12との距離は0.2〜0.3μm程度に設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の構造のレーザダイオードなどにおいては、その構造に起因して、レーザ光の垂直方向の放射角θ⊥は水平方向の放射角θ//よりも大きくなってしまうという問題が生じる。
レーザ光の水平方向の放射角θ//よりも垂直方向の放射角θ⊥の方が大きくなる理由は、θ//と関連する水平方向には、ストライプ幅のディメンジョンである数μm程度の幅で光が閉じ込められているのに対し、θ⊥と関連する垂直方向には、活性層の厚さのディメンジョンである数100nm程度の極めて薄い領域に光が閉じ込められているために、レーザ光として放射される際に水平方向に比べて垂直方向に強い回折現象が起こるためである。
【0007】
上記のように、横モードを安定化させるために、図9におけるp型光ガイド層14を活性層12に近づけることにより、垂直方向の光がますます活性層近傍に閉じ込められることになり、近視野像(NFP;near field pattern)はますます平たい形状となってしまい、そのフーリエ変換である遠視野像(FFP;farfield pattern )はますます垂直方向に広がって、θ⊥が増大してしまうことになる。
【0008】
θ⊥の増大は、このレーザダイオードが搭載される光通信装置などにおいて、光ファイバなどの伝送媒体との結合効率や、光学ピックアップ装置などにおける光学系との結合効率が著しく低下してしまうことになる。
従って、例えば高速書き込みが必要とされるCD−R/RWなどの光ディスク装置において用いられる場合、光学結合に寄与しない成分は損失となってしまい、レーザダイオイードに要求される出力値はますます上昇していく。
また、その他のハイパワーレーザとして用いられる場合においても、光学結合効率を向上して損失を低減することが望まれている。
【0009】
θ⊥を縮小するための従来方法としては、活性層とクラッド層との屈折率差を小さくする方法、あるいは、活性層の膜厚を薄くするなどの方法が知られている。
しかしながら、上記の方法では活性層体積が減少し、利得が不十分となるため、しきい値電流の増大や動作電流の増大などを引き起こす恐れがある。
【0010】
また、さらに、特開平6−104525号公報に記載されているように、活性層近傍の屈折率分布を変化させることにより、放射角制御を行う方法も知られている。
しかしながら、活性層近傍の屈折率を制御する、即ち、アルミニウムAlの組成比を変化させて屈折率を下げた部分は、キャリアのふるまいに対して障壁となってしまい、活性層への電流が注入されにくくなるので動作電流の上昇などの問題を引き起こすことになる。
このように、従来技術では、θ⊥を縮小することが困難であるために、レーザ設計の窓が狭く、設計の自由度が小さいという問題があった。
【0011】
本発明は上述の状況に鑑みてなされたものであり、従って本発明は、上記のような新たな問題を生じさせずに、垂直方向の放射角θ⊥を縮小することが可能であるレーザダイオード、および、このレーザダイオードを搭載して光学結合の効率が高められた光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のレーザダイオードは、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されている
【0013】
上記の本発明のレーザダイオードは、好適には、上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層のほかに、さらなる光ガイド層が、上記第1クラッド層内に形成されている。
また、好適には、上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層のほかに、さらなる光ガイド層として、複数の光ガイド層が上記第1クラッド層内に形成されている。
【0016】
上記の本発明のレーザダイオードは、好適には、上記第2クラッド層がリッジ形状部を有し、上記リッジ形状部の両側部に電流ブロック層が形成されている。
また、好適には、上記活性層が、井戸層と障壁層とからなる量子井戸構造と、当該量子井戸構造の上記第1クラッド層側および第2クラッド層側に形成されたSCH(セパレーテッド・コンファインメント・ヘテロ)光ガイド層とを含む。
【0017】
上記の本発明のレーザダイオードは、好適には、上記第1または第2クラッド層の屈折率n0 、上記光ガイド層の屈折率n1 および膜厚d1 について、下記式(1)を満たす。
【0018】
【数5】
(n1 /n0 )−1≧1/d1 (1)
【0019】
上記の本発明のレーザダイオードは、好適には、上記複数の光ガイド層として、第1番目から第j番目までの光ガイド層が上記第1または第2クラッド層内に形成されており、上記第1または第2クラッド層の屈折率n0 、上記第1または第2クラッド層に形成された第1番目から第j番目までの複数の光ガイド層の内のi番目の光ガイド層の屈折率ni および膜厚di について、下記式(2)を満たす。
さらに好適には、上記第1番目から第j番目までの光ガイド層を含む第1または第2クラッド層中の屈折率が緩やかに分布している。
【0020】
【数6】
Figure 0003797151
【0021】
上記の本発明のレーザダイオードは、好適には、上記第1クラッド層がn型であり、上記第2クラッド層がp型である。
あるいは好適には、上記第1クラッド層がp型であり、上記第2クラッド層がn型である。
また、好適には、上記活性層中の障壁層と、上記SCH光ガイド層と、上記導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層のAlの組成比が実質的に等しい。
【0022】
上記の本発明のレーザダイオードは、好適には、上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層のいずれか一つが、上記第2クラッド層よりも屈折率が高く、実質的に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらさない光ガイド層である
また、好適には、上記活性層から上記電流ブロック層までの距離が、上記活性層から上記実質的に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらさない光ガイド層までの距離よりも小さい。
【0023】
上記の本発明のレーザダイオードでは、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されている
上記の光ガイド層がもたらす導波路内でビームウエストを広げる作用により、光を閉じ込める領域が広げられ、これにより近視野像が垂直方向に広げられ、そのフーリエ変換である遠視野像は垂直方向への広がりが抑制され、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されている。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、本発明の光学ピックアップ装置は、光学記録媒体の光学記録層に照射する光を出射する発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、本発明の光ディスク装置は、回転駆動された光学記録媒体の光学記録層に照射する光を出射する発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている。
【0026】
また、上記の目的を達成するため、本発明の光通信装置は、少なくとも光を出射する発光部と、当該発光部に光学的に接続する光学伝送系を有する光通信装置であって、上記発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている。
【0027】
上記の本発明の光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置は、発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている。
上記のレーザダイオードは、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されており、光学結合の効率が高められている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のレーザダイオード、光学ピックアップ装置、光ディスク装置および光通信装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
第1実施形態
本実施形態に係るレーザダイオードは、例えば発光波長780nmのCD−R/RW用のレーザダイオードである。
図1は上記のレーザダイオードの断面図である。
例えばGaAsからなるn型基板10上に、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型クラッド層(11a,11b)、井戸層と障壁層とからなる量子井戸構造の上層および下層にSCH(セパレーテッド・コンファインメント・ヘテロ)光ガイド層を積層させた活性層12、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるp型第1クラッド層(13,15a,15b)が積層しており、p型第1クラッド層(13,15)の境界に例えばAl0.3 Ga0.7 Asからなるp型第1光ガイド層14が形成されている。
さらに、n型クラッド層(11a,11b)の境界に例えばAl0.3 Ga0.7Asからなるn型光ガイド層11cが形成されており、また、p型第1クラッド層(15a,15b)の境界に例えばAl0.3 Ga0.7 Asからなるp型第2光ガイド層15cが形成されている。
【0030】
電流注入ストライプ領域において、p型第1クラッド層(15a,15b)、p型第2光ガイド層15cおよびp型第1光ガイド層14がリッジ形状に加工されている。
電流注入ストライプ領域の両側部において、p型第1クラッド層13の上層に、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型電流ブロック層16が積層している。
上記のp型第1クラッド層15bおよびn型電流ブロック層16の上層に、例えば、Al0.55Ga0.45Asからなる埋め込み型のp型第2クラッド層(17,18)が積層しており、その上層にGaAsからなるp型コンタクト層19が形成されている。
上記のp型コンタクト層19を被覆してオーミック接続するp電極20が形成されており、n型基板10の裏面を被覆してオーミック接続するn電極21が形成されている。
【0031】
上記活性層12は、例えば、Al0.1 Ga0.9 Asからなる井戸層とAl0.3Ga0.7 Asからなる障壁層とからなる量子井戸構造と、当該量子井戸構造のn型クラッド層側およびp型クラッド層側に形成されたAl0.3 Ga0.7 AsからなるSCH光ガイド層とを含む。
活性層12は量子井戸構造ではなく、バルク活性層としてもよい。
【0032】
上記の本実施形態のレーザダイオードにおいて、p電極20およびn電極21に所定の電圧を印加すると、電流ブロック層16により狭窄されながら電流が活性層12へ注入され、活性層12からレーザ光は出射される。
【0033】
上記の構造のレーザダイオードにおいて、レーザ光を発振するストライプ領域とそれ以外の領域とでは、ストライプ領域内の方の屈折率が高く、屈折率の差(Δn)の値を確保した屈折率導波型のレーザダイオードとなっている。
上記のΔnは、p型第1光ガイド層14などを含むリッジ構造の屈折率、あるいは、電流ブロック層16の屈折率によりもたらされ、具体的には高屈折率であるp型第1光ガイド層14などをストライプ領域のみに形成するか、あるいはストライプ領域の外部に形成される電流ストップ層16を低屈折率部材で形成することにより制御する。
【0034】
上記の構造において、n型クラッド層(11a,11b)の境界に形成されたn型光ガイド層11cおよびp型第1クラッド層(15a,15b)の境界に形成されたp型第2光ガイド層15cは、それぞれn型クラッド層あるいはp型クラッド層よりも屈折率が高く、反導波作用、即ち、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす層である。
上記の光ガイド層(11c,15c)の導波路内でビームウエストを広げる作用により、光を閉じ込める領域が垂直方向に広げられ、これにより近視野像が垂直方向に広げられる。
この結果、近視野像のフーリエ変換である遠視野像は垂直方向への広がりが抑制され、水平方向の放射角θ//に対して相対的に、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されている。
【0035】
上記の光ガイド層(11c,15c)が導波路内でビームウエストを広げる作用を有して、光を閉じ込める領域を広げ、遠視野像の垂直方向への広がりを抑制するには、光ガイド層(11c,15c)の活性層12からの距離(t11c ,t15c )を所定の値以上にする必要がある。
例えば、媒質中でのレーザダイオードの発振波長の3倍程度以上の距離とすることが好ましい。
逆に、十分な効果を得るためには光ガイド層と活性層の距離に限界があり、例えば1.0μm程度である。
【0036】
上記のように、θ⊥を縮小させる、即ち、レーザビームのアスペクト比を下げることで、このレーザダイオードが搭載される光通信装置などにおいて、光ファイバなどの伝送媒体との結合効率や、光学ピックアップ装置などにおける光学系との結合効率を向上することができ、光学結合に寄与しない損失成分を縮小できる。
例えば高速書き込みが必要とされるCD−R/RWなどの光ディスク装置において用いられる場合などに好適であり、NA値の低いレンズを用いて、低消費電力で高速記録あるいは高速遠距離通信が可能となる。
また、レーザダイオードの出射端面近傍での光場を広げることで、端面光密度が低減され、COD(Catastrophic Optical Damage )が抑制されるという効果もある。
【0037】
所定の値よりも近い場合には、実質的に導波路内でビームウエストを広げる作用がもたらされることはなく、むしろ光を閉じ込める領域を狭めてしまうので、近視野像が垂直方向に狭められ、遠視野像は垂直方向へより広げられ、垂直方向の放射角θ⊥が大きくなってしまう。
例えば、p型第1光ガイド層14は、活性層12から0.2〜0.3μm程度の距離にあり、実質的に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらさない。
しかし、p型第1光ガイド層14は電流場の広がりを抑えて横モードの高次モードを制限し、キンクの発生を制限することが可能となっている。これにより、無効電流が抑制され、低しきい値電流レーザとすることができる。
【0038】
また、活性層12から電流ブロック層16までの距離t16と、活性層からp型第1光ガイド層14までの距離t14は、図面上同等となっているが、電流注入ストライプ領域の両側部において、p型第1クラッド層13を薄膜化して、活性層12から電流ブロック層16までの距離t16が活性層からp型第1光ガイド層14までの距離t14よりも小さくなっていることが好ましい。
【0039】
また、n型またはp型クラッド層の屈折率n0 、n型光ガイド層またはp型第2光ガイド層の屈折率n1 および膜厚d1 としたときに、下記式(1)を満たすことが好ましい。
さらには、n型クラッド層とp型クラッド層の両者において導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層を設けられている場合には、両者のそれぞれについて下記式(1)を満たすことが好ましい。
これにより、導波路内でビームウエストを広げる作用が十分にもたらされ、垂直方向の放射角θ⊥を効果的に縮小することが可能となる。
【0040】
【数7】
(n1 /n0 )−1≧1/d1 (1)
【0041】
本実施形態のレーザダイオードにおいては、n型クラッド層とp型クラッド層のそれぞれに1層ずつの導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層が設けられているが、n型クラッド層とp型クラッド層のいずれかにおいて、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層を設けてもよく、さらには両者において導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層を設けてもよい。
この場合、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらすn型またはp型光ガイド層として、第1番目から第j番目までの光ガイド層がn型またはp型クラッド層内に形成されており、n型またはp型クラッド層の屈折率n0 、n型またはp型クラッド層に形成された第1番目から第j番目までの導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層の内のi番目の光ガイド層の屈折率ni および膜厚di について、下記式(2)を満たすことが好ましい。
さらには、n型クラッド層とp型クラッド層の両者において導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層を設けられている場合には、両者のそれぞれについて下記式(2)を満たすことが好ましい。
これにより、導波路内でビームウエストを広げる作用が十分にもたらされ、垂直方向の放射角θ⊥を効果的に縮小することが可能となる。
【0042】
【数8】
Figure 0003797151
【0043】
また、上記のようにn型クラッド層とp型クラッド層などにおいて、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層を設ける場合には、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層を含むクラッド層中の屈折率が緩やかに分布していてもよい。
【0044】
上記の本実施形のレーザダイオードの形成方法について説明する。
まず、例えば有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE)などのエピタキシャル成長法により、例えばGaAsからなるn型基板10上に、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型クラッド層11a、例えばAl0.3 Ga0.7 Asからなるn型光ガイド層11c、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型クラッド層11b、井戸層と障壁層とからなる量子井戸構造の上層および下層にSCH光ガイド層を積層させた活性層12、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるp型第1クラッド層13、例えばAl0.3 Ga0.7 Asからなるp型第1光ガイド層14、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるp型第1クラッド層15a、例えばAl0.3 Ga0.7 Asからなるp型第2光ガイド層15c、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるp型第1クラッド層15bを順に積層させる。
【0045】
次に、電流注入ストライプとなる領域をマスクで保護しながら、p型光ガイド層14をエッチングストッパとしてもエッチング処理して、p型光ガイド層14の表面でエッチングを一度停止し、エッチング条件を変更して、あるいはエッチング時間を制御して、p型光ガイド層14まで加工して、リッジ形状を得る。
【0046】
次に、電流注入ストライプ領域の両側部において、p型第1クラッド層13の上層に、例えばAl0.5 Ga0.5 Asからなるn型電流ブロック層16を形成し、次に、p型第1クラッド層15bおよびn型電流ブロック層16の上層に、例えば3 Al0.55Ga0.45Asからなる埋め込み型のp型第2クラッド層(17,18)およびGaAsからなるp型コンタクト層19を積層させる。
上記のp型コンタクト層19にp電極20を形成し、n型基板10の裏面にn電極21を形成し、ペレタイズ工程を経て、図1に示すレーザダイオードとすることができる。
【0047】
上記の本実施形態のレーザダイオードの製造方法においては、活性層12中の障壁層と、SCH光ガイド層と、光ガイド層(14、15c)をそれぞれAl0.3 Ga0.7 Asとして、Alの組成比を等しくすることで製造条件を簡単に設定することが可能となる。また、これらの組成比を等しくせずに製造してもよい。
【0048】
第2実施形態
本実施形態に係るレーザダイオードは、例えば発光波長780nmのCD−R/RW用のレーザダイオードである。
図2は上記のレーザダイオードの参考例の断面図である。
実質的に第1実施形態に係るレーザダイオードと同様であるが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、n型クラッド層(11a,11b)の境界にn型光ガイド層11cが形成されており、p型クラッド層側には導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらさない光ガイド層(p型光ガイド層14)のみが形成されている。
即ち、上記の光ガイド層11cの導波路内でビームウエストを広げる作用により、光を閉じ込める領域が垂直方向に広げられ、これにより近視野像が垂直方向に広げられる。
この結果、近視野像のフーリエ変換である遠視野像は垂直方向への広がりが抑制され、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されている。
【0049】
上記の光ガイド層11cが導波路内でビームウエストを広げる作用を有して、光を閉じ込める領域を広げ、遠視野像の垂直方向への広がりを抑制するには、光ガイド層11cの活性層12からの距離t11c を所定の値以上にする必要があり、例えば、媒質中でのレーザダイオードの発振波長の3倍程度以上の距離とすることが好ましい。
【0050】
本実施形態のレーザダイオードにおいては、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす1層の光ガイド層がn型クラッド層内のみに設けられているが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層をn型クラッド層内に設けてもよい。
また、図3は本実施形態に係るレーザダイオードの他の構成を示す断面図であって、p型第1クラッド層(15a,15b)の境界にp型光ガイド層15cが形成されている構成を示している。このように、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす1層の光ガイド層をp型クラッド層内のみに設けてもよい。あるいは、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす複数の光ガイド層をp型クラッド層内に設けてもよい。
【0051】
(実施例1)
上記の図1に示す構成のn型クラッド層およびp型第1クラッド層のそれぞれに導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層を有するレーザダイオードと、図2に示す構成の導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層をn型クラッド層のみに有するレーザダイオードと、図10に示す導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層を有さない従来のレーザダイオードについて、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層の有無以外は一定の条件としたときのそれぞれの屈折率(n)プロファイルと、それに対応するレーザ出射端面近傍での光強度分布、即ち近視野像をシミュレーションにより求めた。
【0052】
結果を図4に示す。図4(a)は図1に示す構成のレーザダイオードに、図4(b)は図2に示す構成のレーザダイオードに、図4(c)は図10に示す構成のレーザダイオードにそれぞれ対応する。各図の上段は光強度分布、下段は屈折率プロファイルを示している。また、図4(a)〜(c)中の数字は図1,2および9の各図面上の符号に対応しており、位置を示している。
【0053】
n型クラッド層とp型クラッド層の両方に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層がない図4(c)の場合に比べて、n型クラッド層とp型クラッド層の両方に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層を有する図4(a)の場合と、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層をn型クラッド層のみに有する図4(b)の場合では、それぞれ光ガイド層(11c,15c)が形成された部分に相当する領域の光強度が強くなっていることから、近視野像はそれぞれ図4(c)よりも幅広になっている。
【0054】
(実施例2)
実施例1の近視野像(NFP)をフーリエ変換して、それぞれに対応するレーザ出射端面遠方での光強度分布、即ち遠視野像をシミュレーションにより求めた。
【0055】
結果を図5に示す。図5(a)は図1に示す構成のレーザダイオードに、図5(b)は図2に示す構成のレーザダイオードに、図5(c)は図10に示す構成のレーザダイオードにそれぞれ対応する。各図は、垂直方向の放射角θに対する光強度分布を示している。
近視野像において図10のレーザダイオードより幅広の分布を示していた図1および2のレーザダイオードは、遠視野像では図10のレーザダイオードより幅が狭まり、垂直方向の放射角θ⊥が縮小していることがわかった。
【0056】
(実施例3)
上記の図1および2に示すレーザダイオードにおいて、n型クラッド層およびp型第1クラッド層に設けられた光ガイド層の活性層からの距離tを変化させたときの垂直方向の放射角θ⊥をシミュレーションにより求めた。
各光ガイド層の組成はAl0.3 Ga0.7 Asとし、膜厚は50nmとした。
【0057】
結果を図6に示す。図中、Rは図10に示す構成の導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層を有さないレーザダイオードの垂直方向の放射角θ⊥(約21度)を示している。
Aは図2に示す構成のレーザダイオードにおいて、n型クラッド層中の光ガイド層の活性層からの距離tを変化させたときの垂直方向の放射角θ⊥である。
n型クラッド層中の光ガイド層は、活性層から約0.3μmより遠い範囲に形成すると、垂直方向の放射角θ⊥をRの値より縮小させており、これはn型クラッド層中の光ガイド層が導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらしていることを示している。活性層から遠くする程垂直方向の放射角θ⊥は小さくなるが、tが0.8μm程度のときに垂直方向の放射角θ⊥は18度程度となって頭打ちとなる。一方、活性層から約0.3μmより近い範囲では垂直方向の放射角θ⊥を拡大させてしまう。これは、0.3μmより近い場合は光ガイド層が光を閉じ込める領域をさらに狭めてしまう導波作用をもたらしていることを示している。
【0058】
Bは図1に示す構成のレーザダイオードにおいて、n型クラッド層中の光ガイド層の活性層からの距離を0.8μmに固定し、p型第1クラッド層中の光ガイド層の活性層からの距離tを変化させたときの垂直方向の放射角θ⊥である。
p型第1クラッド層中の光ガイド層においても、活性層から遠ざけることで垂直方向の放射角θ⊥は縮小され、垂直方向の放射角θ⊥は16度程度にまで達する。逆に、近づけることで垂直方向の放射角θ⊥は拡大される。
【0059】
例えば、CD−R/RWのアプリケーション上、要求される垂直方向の放射角θ⊥を得るため、p型第1クラッド層中の光ガイド層の活性層からの距離tを、媒質中での発振波長の3倍以上とすることが好ましい。
即ち、発振波長780nm、媒質の屈折率n=4では、媒質中での発振波長(780nm/4)の3倍は約0.6μmとなり、これ以上にn型クラッド層やp型第1クラッド層中の光ガイド層の活性層からの距離tを設定することで、必要な垂直方向の放射角θ⊥を得ることができる。
【0060】
第3実施形態
本実施形態は、光ディスクを記録あるいは再生する光ディスク装置に搭載する光学ピックアップ装置である。
図7は上記の光学ピックアップ装置の模式図である。
例えば、レーザダイオードLD、コリメータC、1/2波長板HWP、ビームスプリッタBS、1/4波長板QWP、電磁アクチュエータACに取り付けられた対物レンズOL、サーボおよびRF用光学レンズSL、第1フォトダイオードPD1、モニタ用レンズML、および、第2フォトダイオードPD2が、スピンドルモータSMにより回転駆動される光ディスク28に対して、それぞれ所定の位置に配置されている。
上記のレーザダイオードLDは、第1あるいは第2実施形態に記載のレーザダイオードであり、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されて、レーザビームのアスペクト比が下げられタレーザダイオードである。
【0061】
レーザダイオードLDから出射されたレーザ光Lは、コリメータCにより平行光とされた後、1/2波長板HWPを通過してビームスプリッタBSに入射する。
ビームスプリッタBSにおいて、入射光は一部を除いて通過し、1/4波長板QWPを介し、対物レンズOLにより集光されて、スピンドルモータSMにより回転駆動される光ディスク28の光学記録層29に照射される。
【0062】
光ディスク28の光学記録層29からの戻り光(反射光)Lは、入射経路と逆の経路を辿ってビームスプリッタBSに入射し、分光面で反射して、サーボおよびRF用光学レンズSLにより集光され、第1フォトダイオードPD1に入射し、観測される。
【0063】
一方、レーザダイオードLDから出射されたレーザ光Lの一部はビームスプリッタBSの分光面で反射し、モニタ用レンズMLにより集光され、第2フォトダイオードPD2に入射してレーザ光の強度がモニタされる。
【0064】
上記の光学ピックアップ装置は、θ⊥を縮小したレーザダイオードを搭載しており、光学系との結合効率を向上することができ、光学結合に寄与しない損失成分を縮小できる。
例えば高速書き込みが必要とされるCD−R/RWなどの光ディスク装置において用いられる場合などに好適であり、低消費電力で高速記録が可能となる。
【0065】
第4実施形態
本実施形態は、光ディスクを記録あるいは再生する光ディスク装置である。
図8は、上記の光ディスク装置の模式図である。
上述の光学ピックアップ装置(ヘッド)30からのレーザ光Lが、スピンドルモータSMにより回転駆動される光ディスク28の光学記録層29上に入射され、その反射光(戻り光)を検出して得た再生信号は、ヘッドアンプ31に入力される。
ヘッドアンプ31は、ヘッド30からの再生信号を後段で処理するために必要な所定のレベルに増幅するためのものである。
【0066】
ヘッドアンプ31で増幅された再生信号は、RFイコライザアンプ32、フォーカスマトリクス回路34およびトラッキングマトリクス回路36などに入力される。
【0067】
RFイコライザアンプ32では、入力された再生信号を基にして所定の演算がなされ、得られたRF信号(RF)が信号復調回路33に入力され、光ディスク28上に記録された情報の再生信号として信号処理がなされる。
【0068】
フォーカスマトリクス回路34では、入力された再生信号を基にして所定の演算がなされ、得られたフォーカス誤差信号(FE)は位相補償回路35により位相が補償され、アンプ36で増幅された後、駆動用アクチュエータ41に入力される。
【0069】
トラッキングマトリクス回路37では、入力された再生信号を基にして所定の演算がなされ、得られたトラッキング誤差信号(TE)は位相補償回路38により位相が補償され、アンプ39で増幅された後、駆動用アクチュエータ41に入力される。
【0070】
駆動用アクチュエータ41では、入力されたフォーカス誤差信号(FE)およびトラッキング誤差信号(TE)に基づいて、ヘッド30中の対物レンズの位置を調整し、レーザ光Lのフォーカシングおよびトラッキングの調節を行う。
【0071】
上記のようなフォーカスサーボおよびトラッキングサーボにより、光ディスク28の光学記録層に光を的確に照射させることができ、その戻り光を検出することにより、光ディスク28に記録されたデータを読み取って再生信号として出力することができる。
【0072】
CPU(中央演算ユニット)40は、上記のサーボ機構や、その他の機構の制御など、光ディスク装置全体の動作の制御を行う。
【0073】
上記の光学ピックアップ装置(ヘッド)30に搭載されるレーザダイオードは、第1あるいは第2実施形態に記載のレーザダイオードであり、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されて、レーザビームのアスペクト比が下げられたレーザダイオードである。
従って、レーザダイオードの出射するレーザ光と光学系との結合効率を向上することができ、光学結合に寄与しない損失成分を縮小できる。
例えば高速書き込みが必要とされるCD−R/RWなどの光ディスク装置において用いられる場合などに好適であり、低消費電力で高速記録が可能となる。
【0074】
第5実施形態
本実施形態は、光通信モジュールであり、図9はその模式図である。
光通信モジュールMは、フォトダイオードPDと、レーザダイオードLDとを内蔵する。
例えば、光ファイバFから光信号がフォトダイオードPDに外部入力され、電気信号に変換されてレーザダイオードLDに伝達される。
電気信号が伝達されたレーザダイオードLDは、レーザ光として光信号を出射し、光ファイバFに外部出力する。
【0075】
上記のレーザダイオードは、第1あるいは第2実施形態に記載のレーザダイオードであり、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されて、レーザビームのアスペクト比が下げられたレーザダイオードである。
従って、レーザダイオードの出射するレーザ光と光学系との結合効率を向上することができ、光学結合に寄与しない損失成分を縮小でき、高速長距離通信が可能となる。
【0076】
以上、本発明を5形態の実施形態により説明したが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
例えば、上記レーザダイオードはAlGaAs系リッジ埋め込み型のレーザダイオードについて説明したが、例えば、AlGaInP系やGaN系などの光ディスク向けレーザダイオードはもちろん、InGaAs系やGaInNAs系などの通信用レーザダイオードにも適用可能である。
その他、レーザダイオードを構成する半導体材料や金属材料およびそれらの膜厚などは適宜選択することが可能である。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことが可能である。
【0077】
【発明の効果】
本発明のレーザダイオードによれば、光ガイド層の導波路内でビームウエストを広げる作用により光を閉じ込める領域が広げられ、これにより近視野像が垂直方向に広げられ、そのフーリエ変換である遠視野像は垂直方向への広がりが抑制され、垂直方向の放射角θ⊥が縮小されている。
【0078】
上記の本発明のレーザダイオードを搭載することで、出射されるレーザ光の垂直方向の放射角θ⊥が縮小されているので、光学ピックアップ装置、光ディスク装置、光通信装置などにおいて、光学系との結合効率を向上することができ、光学結合に寄与しない損失成分を縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は第1実施形態に係るレーザダイオードの断面図である。
【図2】 図2は第2実施形態の参考例に係るレーザダイオードの断面図である。
【図3】 図3は第2実施形態に係るレーザダイオードの断面図である。
【図4】 図4は実施例1に係るレーザダイオードの屈折率プロファイルと近視野像である。
【図5】 図5は実施例2に係るレーザダイオードの遠視野像である。
【図6】 図6は実施例3に係る、垂直方向の放射角の光ガイド層と活性層と距離依存性である。
【図7】 図7は第3実施形態に係る光学ピックアップ装置の模式図である。
【図8】 図8は第4実施形態に係る光ディスク装置の模式図である。
【図9】 図9は第5実施形態に係る光通信モジュールの模式図である。
【図10】 図10は従来例に係るレーザダイオードの断面図である。
【符号の説明】
10…n型基板、11,11a,11b…n型クラッド層、11c…n型光ガイド層、12…活性層、13,15,15a,15b…p型第1クラッド層、14…p型第1光ガイド層、15c…p型第2光ガイド層、16…電流ブロック層、17,18…p型第2クラッド層、19…p型コンタクト層、20…p電極、21…n電極、28…光ディスク、29…光学記録層、30…光学ピックアップ装置(ヘッド)、31…ヘッドアンプ、32…RFイコライザアンプ、33…信号復調回路、34…フォーカスマトリクス回路、35,38…位相補償回路、36,39…アンプ、37…トラッキングマトリクス回路、40…CPU(中央演算ユニット)、41…駆動用アクチュエータ、LD…レーザダイオード、C…コリメータ、L…レーザ光、HWP…1/2波長板、BS…ビームスプリッタ、QWP…1/4波長板、OL…対物レンズ、AC…電磁アクチュエータ、SL…サーボおよびRF用光学レンズ、PD1,PD2,PD…フォトダイオード、ML…モニタ用レンズ、SM…スピンドルモータ、M…光通信モジュール、F…光ファイバ。

Claims (18)

  1. 基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、
    上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、
    上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層と
    を有するレーザダイオードであって
    上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、
    上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されている
    レーザダイオード。
  2. 上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層のほかに、さらなる光ガイド層が、上記第1クラッド層内に形成されている
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  3. 上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層のほかに、さらなる光ガイド層として、複数の光ガイド層が上記第1クラッド層内に形成されている
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  4. 上記第2クラッド層がリッジ形状部を有し、
    上記リッジ形状部の両側部に電流ブロック層が形成されている
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  5. 上記活性層が、井戸層と障壁層とからなる量子井戸構造と、当該量子井戸構造の上記第1クラッド層側および第2クラッド層側に形成されたSCH(セパレーテッド・コンファインメント・ヘテロ)光ガイド層とを含む
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  6. 上記第1クラッド層の屈折率n 0 、上記第1クラッド層内に形成されている光ガイド層の屈折率n 1 および膜厚d 1 について、下記式(1)を満たす
    請求項2に記載のレーザダイオード。
    【数1】
    (n1 /n0 )−1≧1/d1 (1)
  7. 上記第1クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層として、第1番目から第j番目までの光ガイド層が上記第1クラッド層内に形成されており、
    上記第1クラッド層の屈折率n 0 、上記第1クラッド層に形成された第1番目から第j番目までの複数の光ガイド層の内のi番目の光ガイド層の屈折率n i および膜厚d i について、下記式(2)を満たす
    請求項3に記載のレーザダイオード。
    Figure 0003797151
  8. 上記第1番目から第j番目までの光ガイド層を含む第1クラッド層中の屈折率が緩やか に分布している
    請求項7に記載のレーザダイオード。
  9. 上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層として、第1番目から第j番目までの光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、
    上記第2クラッド層の屈折率n 0 、上記第2クラッド層に形成された第1番目から第j番目までの複数の光ガイド層の内のi番目の光ガイド層の屈折率n i および膜厚d i について、下記式(2)を満たす
    請求項1に記載のレーザダイオード。
    数3
    Figure 0003797151
  10. 上記第1番目から第j番目までの光ガイド層を含む第2クラッド層中の屈折率が緩やかに分布している
    請求項10に記載のレーザダイオード。
  11. 上記第1クラッド層がn型であり、上記第2クラッド層がp型である
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  12. 上記第1クラッド層がp型であり、上記第2クラッド層がn型である
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  13. 上記活性層中の障壁層と、上記SCH光ガイド層と、上記導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層のAlの組成比が実質的に等しい
    請求項5に記載のレーザダイオード。
  14. 上記第2クラッド層内に形成されている複数の光ガイド層のいずれか一つが、上記第2クラッド層よりも屈折率が高く、実質的に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらさない光ガイド層である
    請求項1に記載のレーザダイオード。
  15. 上記活性層から上記電流ブロック層までの距離が、上記活性層から上記実質的に導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらさない光ガイド層までの距離よりも小さい
    請求項14に記載のレーザダイオード。
  16. 光学記録媒体の光学記録層に照射する光を出射する発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている光学ピックアップ装置。
  17. 回転駆動された光学記録媒体の光学記録層に照射する光を出射する発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された 活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている光ディスク装置。
  18. 少なくとも光を出射する発光部と、当該発光部に光学的に接続する光学伝送系を有する光通信装置であって、
    上記発光部として、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、上記第1クラッド層の上層に形成された活性層と、上記活性層の上層に形成され、リッジ形状部を有する第2導電型の第2クラッド層とを有するレーザダイオードであって、上記第1クラッド層あるいは第2クラッド層よりも屈折率が高い複数の光ガイド層が上記第2クラッド層内に形成されており、上記複数の光ガイド層の少なくともいずれか一つが、導波路内でビームウエストを広げる作用をもたらす光ガイド層として、上記第2クラッド層のリッジ形状部内において、上記活性層までの距離が媒質中での上記レーザダイオードの発振波長の3倍以上である位置に形成されているレーザダイオードを備えている
    光通信装置。
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