JP3799583B2 - ボルト締結機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法においてセグメント間を締結するときに使用されるボルト締結機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シールド工法とは、前面に切羽を有するシールド掘進機を地中に推進させ、周囲の地盤の崩壊を防ぎながら、その内部で安全に掘削、覆工作業を行いつつトンネルを構築する工法である。トンネルとなる部分は、その周方向にセグメントと呼ばれる複数のピースに分割されており、セグメント自動組立ロボットにより組み立てられる。また、組み立てたセグメントが落ちたり、ずれたりしないように、各セグメント間は、セグメント自動組立ロボットに搭載されたボルト締結機によりボルトで締結される。
【0003】
ここで、図3はセグメントのボルト締結面に対して垂直な面でセグメントを切断したときの断面図である。この図に示すように、セグメント間は、ボルト締結機の先端であってナットをボルトに螺合させるナットランナーにより締結される。セグメントには、ナットランナーを挿入するための箱穴が形成されており、その箱穴のボルト締結面には、セグメントを組み立てたときにボルトが貫通できるようにボルト孔が穿孔されている。また、ボルトは、締結前から破線で示すように一方のセグメントの箱穴にセットされており、締結時には、箱穴に送気される圧縮空気によりボルト孔を貫通するようになっている。なお、図示していないが、ナットランナーの挿入される箱穴と対峙する箱穴(図では圧縮空気が送気される箱穴)に、圧縮空気を送気する代わりにボルト締結機の先端に設けられたボルトホルダーを挿入し、ボルトホルダーとナットランナーとでボルトおよびナットを挟持して螺合させる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにボルト締結機は、セグメント自動組立ロボットに搭載されるものであるため、軽量化・省スペース化が要望される。また、セグメントの箱穴をできるだけ小さくしたいという要望もある。これは、ボルト締結後に箱穴をコンクリートで埋め込むなどの後処理を施さなければならないこと、セグメント内には鉄筋が配筋されていること、などの関係から要望されることである。したがって、必然的にナットランナーを小型化・簡易化しなければならない。
【0005】
一方、セグメントの締結に使用されるボルトは、できるだけ統一したサイズのものを使用するようにしているが、トンネルの構築される堆積層や地上構造物などの関係でトンネルに負荷される土圧が異なり、どうしても一部サイズが異なるものを使用せざるを得ない場合がある。かかる場合には、ナットランナーのソケットをボルトのサイズに合わせて交換すればよいが、上述したように、ボルト締結機はかなり小型化・簡易化されており、ソケットを交換することができない状況である。したがって、ボルトのサイズの異なる場合には、(1)手動でボルトを締結する、(2)ボルト締結機自体を交換する、のいずれかの手段を採用しなければならなかった。
【0006】
しかし、(1)の手段では、狭い場所に足場を設置しなければならず、危険作業であった。また、大きいトンネルでは手が届かない場合もある。(2)の手段では、費用が嵩んでしまう、使用していないボルト締結機を保管する場所を確保しなければならない、複数のボルトサイズを使用する場合にはその分だけボルト締結機を用意しなければならない、などの問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、ボルトサイズが異なっていても1つのボルト締結機でセグメント間を締結することができるボルト締結機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、トンネルを形成する複数のセグメントの境界面をボルトで締結するために、そのセグメントに設けられた箱穴にナットを保持および回転させるナットランナーを挿入してボルトにナットを螺合させるときのボルト締結機構であって、上記ナットランナーに設けられ、トンネルの構築に使用する最大のボルトに適合するナットを保持することができるソケットと、そのソケットに装着され、上記ボルトよりも小さいボルトに適合するナットを保持することができる矩形孔を有するサイズ可変金具と、を備えたことを特徴とするボルト締結機構が提供される。また、上記ソケットの奥部に上記ナットを引き寄せる磁石を設け、その磁石のボルト軸方向の長さにより、上記ソケットに保持される上記ナットの位置を調節するようにしてもよく、さらに、上記箱穴と対峙する箱穴にボルトホルダーを挿入する場合にも、上記ソケットおよび上記サイズ可変金具を使用してもよい。
【0009】
上述した本発明の構成によれば、セグメント間を締結するボルトサイズが変わっても、サイズ可変金具を装着するだけで対処することができ、1つのボルト締結機ですべてのセグメント間を締結することができ、足場を設置する必要もない。また、上記磁石により、確実にナットを保持・回転することができ、強固にナットをボルトに螺合させることができる。さらに、上記ソケットおよび上記サイズ可変金具をボルトホルダーに適用することもできる。
【0010】
さらに、本発明によれば、トンネルを形成する複数のセグメントの境界面をボルトで締結するために、そのセグメントに設けられた箱穴にナットを保持および回転させるナットランナーを挿入してボルトにナットを螺合させるときのボルト締結機構であって、上記ナットランナーに設けられ、トンネルの構築に使用する使用する最大のボルトに適合するナットを保持することができるソケットと、上記ナットと外形が同一で、上記ボルトよりも小さいボルトに螺合することができるタップ孔を有するサイズ可変ナットと、を備えたことを特徴とするボルト締結機構が提供される。
【0011】
上述した本発明の構成によれば、セグメント間を締結するボルトサイズが変わっても、ナットをサイズ可変ナットに変更するだけで対処することができ、1つのボルト締結機ですべてのセグメント間を締結することができ、足場を設置する必要もない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明のボルト締結機構を示す実施の形態であり、サイズ可変金具を使用したものである。図1において、(A)は最大のボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(B)は図1(A)におけるB−B矢視断面図であり、(C)は最大のボルトよりも小さいボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(D)は図1(C)におけるD−D矢視断面図である。なお、図1(B),(D)においてボルトの図は省略している。
【0013】
この図に示すように、本発明のボルト締結機構は、ボルト締結機のナットランナーに設けられ(図3参照)、トンネルの構築に使用する最大のボルト1aに適合するナット2aを保持することができるソケット3と、そのソケット3に装着され、最大のボルト1aよりも小さいボルト1bに適合するナット2bを保持することができる矩形孔を有するサイズ可変金具4と、を備えたものである。
【0014】
例えば、トンネルの大部分をJIS規格表示でM42のボルトを使用し、その一部分においてのみJIS規格表示でM36のボルトを使用する場合について説明する。この場合、図1(A),(B)がM42のボルト1aを使用する場合の図、図1(C),(D)がM36のボルト1bを使用する場合の図であると見做すことができる。そして、図1(A)〜(D)に示すように、M42のボルト1aにはM42のナット2a、M36のボルト1bにはM36のナット2bを使用している。このとき、トンネルの構築に使用する最大のボルトサイズがM42であるから、図1(A),(B)に示すように、ナットランナーのソケット3には、M42のナット2aに密着して嵌合する最適なものを使用している。また、このソケット3の奥部にはナット2aを引き寄せるためにリング形状の磁石5が設けられている。このソケット3を使用して、そのままM36のナット2bを保持・回転させようとしても、直径差が6mmもあるため、ナット2bを保持・回転させることができない。そこで、この隙間(直径差)を埋めるためにサイズ可変金具4を使用する。このサイズ可変金具4は、ナット2bを回転させるときのトルクに耐えられる強度を持った部材であって、例えば焼き入れなどにより表面硬化されたものである。また、このサイズ可変金具4は、一端にフランジ部4fを有する中空の角柱(通常六角柱)形状を有しており、その外周面はソケット3の内周面に密着し、内周面はM36のナット2bを保持するのに最適な形状になっている。さらに、フランジ部4fには、サイズ可変金具4をソケット3に装着するための単数または複数のボルト孔が穿孔されており、止めボルト6により固着されるようになっている。したがって、セグメント間を締結するボルトサイズが変わっても、サイズ可変金具4を装着するだけで対処することができ、1つのボルト締結機ですべてのセグメント間を締結することができ、足場を設置する必要もない。なお、M36のナット2bを螺合させる場合には、M42のナット2aと比較して高さが低いため、そのままではM36のナット2bをボルト1bに強固に螺合させることができない恐れもある。そのような場合には、上述した磁石5のボルト軸方向の長さにより、ソケット3に保持されるナット2bの位置を調節するようにすればよい。もちろん、磁石5のさらに奥にスペーサ(図示せず)を挿入してナット2bの位置を調節するようにしてもよい。
【0015】
上述した本発明の実施の形態の説明では、ナットランナーの場合について説明したが、ボルト締結時にボルトホルダーを使用する場合には、そのボルトホルダーに上述したソケット3およびサイズ可変金具4を使用するようにしてもよい。ナットランナーとボルトホルダーとは、ボルトまたはナットを保持することに関しては同一のものだからである。
【0016】
図2は、本発明のボルト締結機構を示す他の実施の形態であり、サイズ可変ナットを使用したものである。図2において、(A)は最大のボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(B)は図2(A)におけるB−B矢視断面図であり、(C)は最大のボルトよりも小さいボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(D)は図2(C)におけるD−D矢視断面図である。なお、図2(B),(D)においてボルトの図は省略している。
【0017】
この図に示すように、本発明のボルト締結機構は、ボルト締結機のナットランナーに設けられ(図3参照)、使用する最大のボルト7aに適合するナット8aを保持することができるソケット9と、そのナット8aと外形が同一で、最大のボルト7aよりも小さいボルト7bに螺合することができるタップ孔8tを有するサイズ可変ナット8bと、を備えたものである。
【0018】
例えば、トンネルの大部分をJIS規格表示でM42のボルトを使用し、その一部分においてのみJIS規格表示でM36のボルトを使用する場合について説明する。この場合、図2(A),(B)がM42のボルト7aを使用する場合の図、図2(C),(D)がM36のボルト7bを使用する場合の図であると見做すことができる。そして、図2(A),(C)に示すように、ナットランナーのソケット3には、M42のナット8aに密着して嵌合する最適なものを使用している。しかし、M42のボルト7aにはM42のナット8a、M36のボルト7bにはM36のナットを使用してしまうと、M36のナットとソケット3の直径差が6mmもあるため、M36のナットを保持・回転させることができない。そこで、M36のナットに代えてサイズ可変ナット8bを使用する。このサイズ可変ナット8bは、図2(D)に示すように、図2(A)に示したM42のナット8aと同一の外形(六角形)を有し、さらにM36のボルト7bに螺合できるようにM36のナットと同一のタップ孔8tを有している。したがって、セグメント間を締結するボルトサイズが変わっても、ナットをサイズ可変ナット8bに変更するだけで対処することができ、1つのボルト締結機ですべてのセグメント間を締結することができ、足場を設置する必要もない。
【0019】
上述した本発明の他の実施の形態の説明では、ナットランナーの場合について説明したが、ボルト締結時にボルトホルダーを使用する場合には、上述したサイズ可変ナット4と同様なヘッドを有するボルトを使用するようにしてもよいし、図1に示した実施の形態のようにサイズ可変金具4を使用するようにしてもよい。
【0020】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、ボルトサイズの種類に合わせて複数のサイズ可変金具4やサイズ可変ナット8bを使用するようにしてもよい、また磁石5を使用しなくてもよい、など本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明のボルト締結機構によれば、トンネルの構築に使用する最大のボルトに合わせてボルト締結機のナットランナー(またはボルトホルダー)のソケットを形成し、それよりも小さいボルトに合わせてサイズ可変金具やサイズ可変ナットを準備しておけば、セグメント間を締結するボルトサイズが変わっても、1つのボルト締結機でセグメント間を締結することができ、容易,迅速,安全かつ安価に対処することができる、などの優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボルト締結機構を示す実施の形態であり、サイズ可変金具を使用したものである。なお、(A)は最大のボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(B)は図1(A)におけるB−B矢視断面図であり、(C)は最大のボルトよりも小さいボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(D)は図1(C)におけるD−D矢視断面図である。
【図2】本発明のボルト締結機構を示す他の実施の形態であり、サイズ可変ナットを使用したものである。なお、(A)は最大のボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(B)は図2(A)におけるB−B矢視断面図であり、(C)は最大のボルトよりも小さいボルトに適合するナットを螺合する場合を示し、(D)は図2(C)におけるD−D矢視断面図である。
【図3】セグメントのボルト締結面に対して垂直な面でセグメントを切断したときの断面図である。
【符号の説明】
1a,7a M42のボルト(最大のボルト)
1b,7b M36のボルト(小さいボルト)
2a,8a M42のナット
2b M36のナット
3 ソケット
4 サイズ可変金具
4f フランジ部
5 磁石
6 止めボルト
8b サイズ可変ナット
8t タップ孔

Claims (4)

  1. トンネルを形成する複数のセグメントの境界面をボルトで締結するために、そのセグメントに設けられた箱穴にナットを保持および回転させるナットランナーを挿入してボルトにナットを螺合させるときのボルト締結機構であって、
    上記ナットランナーに設けられ、トンネルの構築に使用する最大のボルトに適合するナットを保持することができるソケットと、
    そのソケットに装着され、上記ボルトよりも小さいボルトに適合するナットを保持することができる矩形孔を有するサイズ可変金具と、
    を備えたことを特徴とするボルト締結機構。
  2. 上記ソケットの奥部に上記ナットを引き寄せる磁石を設け、その磁石のボルト軸方向の長さにより、上記ソケットに保持される上記ナットの位置を調節する、請求項1に記載のボルト締結機構。
  3. 上記箱穴と対峙する箱穴にボルトを保持するボルトホルダーを挿入する場合にも、上記ソケットおよび上記サイズ可変金具を使用する、請求項1または請求項2に記載のボルト締結機構。
  4. トンネルを形成する複数のセグメントの境界面をボルトで締結するために、そのセグメントに設けられた箱穴にナットを保持および回転させるナットランナーを挿入してボルトにナットを螺合させるときのボルト締結機構であって、
    上記ナットランナーに設けられ、トンネルの構築に使用する最大のボルトに適合するナットを保持することができるソケットと、
    上記ナットと外形が同一で、上記ボルトよりも小さいボルトに螺合することができるタップ孔を有するサイズ可変ナットと、
    を備えたことを特徴とするボルト締結機構。
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