JP3800560B2 - 抽出可能性及び揮発性物質の含量が少ない被覆光ファイバーの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、その輻射線硬化性被膜が抽出可能性及び揮発性物質の少ない含量を有する被覆光ファイバーに関する。
最近まで、光ファイバー産業は、光ファイバーを例えば渡洋ケーブル又は大陸間ケーブルのような長距離横断に用いる、いわゆる“長距離伝送”用途に重点を置いていた。このような用途では、光ファイバーは遮蔽された地下又は水中環境においてはかさ張る保護ケーブル材料による遮蔽を必要としたので、環境の危険に直接暴露されなかった。
光ファイバー市場における最近の傾向は、家庭へのファイバー使用のためのローカル・エリア・ネットワークにある。このような使用におけるファイバーは厳しい温度及び湿度の極値を含めて、グラスファイバーの従来の用途よりも非常に厳しい条件に直接暴露される。その結果、従来用いられた被膜はこのような不利な条件下では良好に機能しなかった。そのため、より高い性能の被膜を開発する必要性が存在する。このような被膜は上記条件に耐えること、即ち、熱安定性、酸化安定性及び加水分解安定性を有すること、及び長期間にわたって、即ち、25年間を越える期間にわたってファイバーを保護することができることが必要である。
延伸直後に非常に丈夫であり、本質的な欠陥を殆ど有さない、光伝導に用いられる光ファイバーを製造することができる。しかし、このような初期のファイバーは非常に傷つきやすく、ダスト及び水分を含めた環境条件への暴露によってひびが入りやすい。小さなひびさえもがファイバーの強度を一桁減じて、それを脆くし、弱い外部力によって破壊されやすくすることがある。それ故、先行技術では、光グラスファイバーはそれらの製造直後に少なくとも1種類の樹脂被膜によって被覆されており、被膜の最小必要条件はこのような外部力から下方の脆いファイバーを保護することである。
典型的に、少なくとも2つの被膜層、第1被膜層又はバッファー被膜層及び第2被膜層が用いられている。内部被膜、又は第1被膜は直接グラスファイバーに適用され、硬化時には、軟質ゴム状のコンプライアント物質を形成して、ファイバーをクッションで支え、ファイバーが曲げられ、ケーブルに形成されるか又はスプールに巻かれるときに生ずる応力を除去することによってファイバーを保護するためのバッファーとして役立つ。さもなくば、このような応力はファイバーの微細な曲げ(ミクロベンディング)を誘導して、ファイバーを通しての光伝導を減衰させ、結果として不充分なシグナル伝導を生じる。第2被膜は第1被膜上に適用され、硬質で強靭な保護外部層として機能して、加工及び使用中のグラスファイバーに対する損傷を保護しなければならない。
第1被膜層のためには、ある一定の特徴が望ましい。例えば、第1被膜層は熱的及び加水分解的エージング中にグラスファイバーに対する適当な粘着力を維持し、スプライシング(より継ぎ)のためにはファイバーからまだ剥離可能でなければならない。ファイバーに微細な曲げとその結果の不充分なシグナル伝導とを誘導しうる応力を容易に除去することによって、ファイバーをクッションで支え、保護するためには、第1被膜の引張り弾性率は低くなければならない。このクッション効果はファイバーがその耐用寿命を通して暴露されうる温度範囲を通して維持されなければならない;したがって、第1被膜が低いガラス転移温度(Tg)を有することが必要である。この低いガラス転移温度は、可能性のある使用温度範囲を通して被膜がそのゴム状態に留まることを保証する。
第1被膜は比較的大きい屈折率、即ち、被覆されるべきファイバーのクラッド材料の屈折率よりも大きい屈折率をも有するべきである。この大きい屈折率はガラスクラッドと第1被覆との間の屈折率差を可能にする。この差は誤った光シグナルをガラスコアから屈折させることを可能にする。
第1(バッファー)被膜の他の必要な性質は耐湿性である。水分は被膜自体の強度のみでなく、応力下にある下方のグラスファイバーの強度をも迅速に劣化させる。この反応は加水分解と応力腐食のいずれかである。水分は第1(バッファー)被膜のガラスへの粘着力にも不利に影響して、離層を生じる可能性がある。それ故、被膜が可能なかぎり疎水性であることが望ましい。第1被膜は好ましくは5重量%未満、より好ましくは2.5重量%未満の吸水値を有するべきである。更に、第1被膜は耐溶剤膨潤性であるべきである、即ち、第1被膜は、室温において約4時間ガソリン中に浸漬される場合に、約40%以上膨潤すべきでなく、幾つかの実施態様では、約10%以上膨潤すべきではない。
光ファイバー被膜の他の重要な性質は、硬化時に、それらが非結合物質の低い含量を有することである。紫外線硬化性物質はしばしば100%固体と呼ばれるが、それらは紫外線硬化後に化学的非結合物質の有意な量をまだ含有する可能性がある。この非結合物質は溶剤若しくは水によって抽出可能でありうるか、又はある一定の条件下で揮発性でありうる。光ファイバー製品中の抽出可能性又は揮発性成分の存在は、ファイバーにとって不利でありうる問題を惹起する可能性があり;このような可能な問題は光ファイバーの耐用寿命にわたって出現する可能性がある。
例えば、製造中に、化学的非結合物質はファイバー延伸塔(fiber draw tower)の紫外線硬化室中で経験される高熱の存在下で気化する可能性がある。このことは塔の中心管の内部に煙り又は霧を生成する可能性があり、硬化のために必要な紫外線の伝導を減じて、結果として光ファイバー被膜の不完全な硬化を生じる恐れがある。
硬化した光ファイバー被膜材料中に化学的非硬化非結合物質が存在するならば、これらの物質がファイバーの耐用寿命中に光ファイバー構造の他の部分に移動する可能性がある。例えば、硬化した第1被膜層が非結合物質を含有するならば、この非結合物質が時間が経過するうちにガラスと被膜の界面に移動若しくは浸出して、被膜粘着力特性に不利に影響しうるか、又は第2被膜方向に移動若しくは浸出して、第2被膜に入って、第2被膜を可塑化若しくは軟化させうる恐れがある。いずれの場合もファイバー性能に不利に影響しうる。同様に、第2被膜中に存在する化学的非結合物質は内側へ移動して、第1被膜の性質に不利に影響するか、又は外側に移動して、インクの第2被膜への粘着力に不利に影響する可能性がある。同様に、非結合物質が光ファイバーインク中に又はマトリックス材料中に存在するならば、これらの物質は動き回って、例えばリボン結合性(ribbon integrity)又はファイバーのブレークアウト(breakout)特性に害を与えうる。
化学的非結合物質の他の不利益点は非結合物質を除去した後の残留被膜の物理的性質に関する。光ファイバー製品がファイバーの耐用寿命中のある時点において化学的非結合物質を気化させる又は抽出することができる作用因子(例えば、熱、水、溶剤又は充填化合物)に暴露される可能性が非常にある。この場合に、被膜は収縮又は脆化を受ける可能性があり、これらの両方がファイバー上に応力を誘導し、微細曲げとシグナル減衰とを生じる可能性がある。更に、非結合物質が揮発性であるならば、貯蔵中に臭気問題が生ずる可能性がある。
硬化した紫外線硬化性被膜層、インク、接着剤又はマトリックス中の抽出可能性又は揮発性物質として現れる化学的非結合種の多くの可能な供給源が存在する。大抵のファイバーの光学的配合物はウレタンアクリレートベースであるので、これらは痕跡レベルの未反応ポリオール、非アクリレート化ウレタン、アルコール、残留水、溶剤、又はアクリレート物質を生成する反応の他の副生成物を含有することがありうる。
非結合物質の他の供給源は保存安定剤(shelf stabilizer)、光開始剤、酸化防止剤、表面張力調節剤、剥離剤、及び摩擦係数(COF)調節剤を包含する。化学的に反応した基を含有しない、完成配合物中に存在する如何なる物質も抽出可能性かつ揮発性でありうる。
他の化学的非結合物質は不完全な光硬化反応に由来し、抽出可能性又は揮発性であると考えられる、未反応モノマー、オリゴマー又は他の物質を包含しうる。また、原料物質が光副生成物(photo by-product)を生成するか、又は重合して、溶剤によって抽出可能である低分子量ポリマーになるに過ぎない可能性がある。また、紫外線硬化性配合物中に存在する光開始剤の有意な量が硬化中にポリマーネットワークに化学的に反応しないで、化学的未反応物質の他の供給源となる。
更に、平衡量の水が大気に暴露されるあらゆる被膜中に存在する。この水は揮発性物質としても発生する。
光ファイバー被膜中に典型的に主要量で存在するアクリレート末端オリゴマーの少なくとも一部の代わりに、高分子量のメルカプト末端オリゴマーを用いることによって、硬化した光ファイバー被膜の抽出可能性及び揮発性物質含量を顕著に減ずることができることが、判明した。
発明の概要
したがって、本発明は一実施態様において、Soxhlet抽出に供したときに約8%未満の抽出可能性%値を生じ、熱重量分析に供したときに3%未満の揮発性%値を生じるように配合された第1被膜層を包含する被覆光ファイバーである。別の言い方をすれば、本発明は抽出可能性及び揮発性物質の減少した含量を有する被覆光ファイバーであって、(a)光ファイバーと、(b)以下で説明するようなGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定して、少なくとも約3000ダルトン、好ましくは少なくとも約6000ダルトン、より好ましくは少なくとも約7000ダルトンの数平均分子量のメルカプト末端ウレタンオリゴマーを含む組成物の輻射線硬化反応生成物を含む第1被膜層とを含むことができる被覆光ファイバーである。
他の実施態様では、本発明は高分子量のメルカプト末端ウレタンオリゴマーを含む組成物、例えば、下記成分:
(1)少なくとも約3000ダルトンの数平均分子量(GPCによって測定して)のメルカプト末端ウレタンオリゴマー、約5〜約50重量%と;
(2)1種類以上のアクリレート又はメタクリレート末端ウレタンオリゴマー、約10〜約80重量%と;
(3)1種類以上のモノマー希釈剤、約10〜約75重量%と;
(4)硬化中に第1被膜組成物と結合する有機官能性(organofunctional)シラン定着剤(adhesion promoter)、約0〜約3重量%と;
(5)光開始剤、約0〜約10重量%(前記%の全ては、全成分の重量に基づく重量%である)と
を含む組成物の輻射線硬化反応生成物を含む第1被膜層でありうる。
更に他の実施態様では、本発明は下記成分を含む被覆光ファイバーの製造方法であって、
(1)光グラスファイバーに、下記成分:
(i)少なくとも約3000ダルトンの数平均分子量(GPCによって測定して)のメルカプト末端ウレタンオリゴマー、約5〜約50重量%と;
(ii)1種類以上のアクリレート又はメタクリレート末端ウレタンオリゴマー、約10〜約80重量%と;
(iii)1種類以上のモノマー希釈剤、約10〜約75重量%と;
(iv)硬化中に第1被膜組成物と結合する有機官能性シラン定着剤、約0〜約3重量%と;
(v)光開始剤、約0〜約10重量%(前記%の全ては、全成分の重量に基づく重量%である)と
を含む第1被膜組成物層を施用する工程と;
(2)前記被膜を現場で輻射線硬化する工程と
を含む方法である。
好ましい実施態様の説明:
本発明は、特定の輻射線硬化した第1被膜層組成物によって被覆された被覆光ファイバーに関する。被覆されるファイバーは例えばガラスコアと、ガラスクラッド層とを含みうる。コアは例えば、ゲルマニウム又はリンの酸化物によってドープされたシリカと、クラッド、例えばフルオロシリケートのような、純粋な又はドープされたシリケートとを含みうる。或いは、ファイバーはポリマー-クラッド(polymer-clad)シリカガラスコアを含みうる。このようなポリマークラッドの例は、例えばポリジメチルシロキサンのようなオルガノシロキサン又はフッ素化アクリルポリマーを包含する。第1被膜層は特に下記性質:耐湿性;被覆と剥離との容易さ;低い揮発物含量;ファイバーの耐用寿命にわたる低い弾性率(即ち、微細曲げによるシグナル減衰を防止するために、約50psi未満);及び長い貯蔵寿命を有するべきである。第1被膜層は、硬化して、以下で定義するような溶剤抽出に供したときに、約15%未満、好ましくは約11%未満、より好ましくは約8%以下の抽出可能性含量を有するべきである。更に、第1被膜層は以下で説明するようなTGA(熱重量分析)によって測定して、7%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは3%未満の揮発物含量を有するべきである。第2被膜は硬質保護層を形成すべきであり;比較的高い弾性率とガラス転移温度とを有するべきであり;耐湿性でもあるべきである。両方の被膜は透明であり;悪臭がなく;迅速硬化性であるべきであり;高温及び高湿度の環境中でのエージング時にも粘着性を維持するべきである。
下記成分が、硬化時に本発明の第1被膜層を形成する第1被膜層組成物を構成する。
(1)メルカプト末端ウレタンオリゴマー
本発明の第1被膜は、メルカプト末端を有し、好ましくはジメルカプト末端を有し、溶媒としてテトラヒドロフランを30℃において1.0ml/分の流速度及び100μlの注入量で用いる、かつポリスチレン規準とGPC PRO 3.13 IBM ATモジュールとを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して、少なくとも約3000ダルトン、好ましくは少なくとも約6000ダルトン、より好ましくは少なくとも約7000ダルトンの数平均分子量を有するウレタンオリゴマーを含む組成物の硬化した反応生成物を包含する。このメルカプト末端オリゴマー成分は全成分の総重量に基づいて組成物の約5〜約50重量%を構成する。好ましくは、この成分は未硬化被膜組成物の総重量に基づいて約5〜約40重量%、より好ましくは約10〜約40重量%を構成する。
約5重量%未満のこの成分を用いる場合には、硬化した被膜層の抽出可能性含量が高くなりすぎる可能性があり;50%より多くを用いる場合には、弾性率が低くなり過ぎ、柔らかすぎる被膜が得られる可能性がある。
メルカプト未満ウレタンオリゴマー(1)は典型的に(i)ポリオールと;(ii)ポリイソシアネートと;(iii)少なくとも1種のメルカプト末端を与えることができるエンドキャッピング(endcapping)モノマーとの反応生成物である。
ポリオール(i)は特に、ポリエーテルポリオール、炭化水素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネートポリオール、及びこれらの混合物でありうる。ポリエーテルポリオールは典型的に炭素数約1〜約12の直鎖、分枝鎖又は環状アルキレンオキシドに基づくものである。ポリエーテルジオールとトリオールは良好な耐溶剤性を与え、比較的安価であるので好ましい。このようなポリエーテルポリオールは、非限定的に、ポリテトラメチレンポリオール、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、これらの異性体、及びそれらの混合物を包含する。特に好ましいポリエーテルポリオールは少なくとも数単位のポリテトラメチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシドを含む。ポリエステルポリオールは加水分解的に不安定であるので、適切ではない。オリゴマーのポリオール部分は上述したようなGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定して、少なくとも約4000ダルトン、好ましくは少なくとも約6000ダルトン、より好ましくは少なくとも約7000ダルトンのオリゴマーの数平均分子量をもたらすほど充分に高い分子量を有するべきである。このような高分子量は、本発明の望ましい低い抽出可能物値を得るために重要である。
ポリオール部分(i)を約4〜20個の炭素原子を含有する、好ましくは脂肪族のポリイソシアネートと反応させる。芳香族ポリイソシアネートに基づくオリゴマーは硬化した被膜に黄変をもたらすので、脂肪族ポリイソシアネートが好ましい。適当な飽和ポリイソシアネートはイソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート;1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,5-ペンタメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;1,7-ヘプタメチレンジイソシアネート;1,8-オクタメチレンジイソシアネート;1,9-ノナメチレンジイソシアネート;1,10-デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-メチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート;2,2'-ジメチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート;3-メトキシ-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;3-ブトキシ-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;ω,ω'-ジプロピルエーテルジイソシアネート;1,4-シクロヘキシルジイソシアネート;1,3-シクロヘキシルジイソシアネート;トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン;1,4-ジイソシアナトブタン;ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット;ノルボルナンジイソシアナトメチル 2,5(6)-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン;及びこれらの混合物を包含する。イソホロンジイソシアネートが好ましい脂肪族ポリイソシアネートである。適当な(それほどは好ましくないとしても)芳香族ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネート;ジフェニルメチレンジイソシアネート;テトラメチルキシリレンジイソシアネート;1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン;p,m-フェニレンジイソシアネート;4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート;ジアニシジンジイソシアネート(即ち、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニルジイソシアネート);トリジンジイソシアネート(即ち、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニルジイソシアネート);及びこれらの混合物を包含する。芳香族ポリイソシアネートの中では、トルエンジイソシアネートが好ましい。
ポリオールとポリイソシアネートとの間の反応速度は例えば100〜200ppmの量の触媒の使用によって高めることができる。適当な触媒はジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジ-2-ヘキソエート、オレイン酸第1スズ、オクタン酸第1スズ、鉛オクタン(lead octane)、アセト酢酸第1鉄、及び例えばトリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエチルアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルラウリルアミン、及びこれらの混合物のようなアミンを包含する。好ましい触媒はジブチルスズジラウレートである。
エンドキャッピングモノマー(iii)はヒドロキシル末端脂肪族モノメルカプタン又は脂肪族ジメルカプタンである。このような適当なモノメルカプタンモノマーはヒドロキシエチルメルカプタン及びヒドロキシプロピルメルカプタンを包含する。適当なジメルカプタンはジメルカプトエタン又はジメルカプトプロパンを包含する。ポリオールと、ポリイソシアネートと、エンドキャッピングモノマーとのモル比率は、ジオールの場合には、好ましくは約1:2:2であり、又はトリオールの場合には、約1:3:3であり、その末端の各々にメルカプタン(チオール)基を有するオリゴマーを生じる。この場合にも、全オリゴマーは上述した方法によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して、少なくとも約3000ダルトン、好ましくは少なくとも約6000ダルトン、より好ましくは少なくとも約7000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する。
適当な、商業的に入手可能なメルカプト末端オリゴマーはPERMAPOL(登録商標)P2−805、PERMAPOL(登録商標)P2−850、PERMAPOL(登録商標)P2−935及びPERMAPOL(登録商標)P2−985を包含し、これらの全てはCourtaulds Aerospace(以前は、PRC)(カリフォルニア州、バーバンク)から供給される。PERMAPOL(登録商標)P2−935がこのグループのうちで最も好ましい。これらのオリゴマーはポリエーテルポリオールと、トルエンジイソオシアネートと、アルキレンジチオールとの反応生成物である。
これらのモノマーの性質を以下に要約する。
(2)(メタ)アクリレート末端ウレタンオリゴマー
メルカプト末端ウレタンオリゴマーを1種類以上のアクリレート又はメタクリレート末端オリゴマーと組み合わせて用いる。これらのアクリレート又はメタクリレート末端オリゴマーはホモ重合することができるが、本発明では、これらのアクリレート又はメタクリレート末端オリゴマーを上記メルカプト末端オリゴマーと少なくとも部分的に同時反応させて、本発明の第1被膜層を形成する。
更に詳しくは、このアクリレート末端又はメタクリレート末端成分は完全に脂肪族のウレタンアクリレート又はメタクリレートオリゴマーである。好ましくは、これは脂肪族ポリエーテルポリオールに基づくものであり、脂肪族ポリエーテルポリオールを脂肪族ポリイソシアネートと反応させ、アクリレート化又はメタクリレート化させる。或いは、これは硬化した被膜に不利に影響しない任意のバックボーンに基づくものであることができる。バックボーンの他の適当な例は、炭化水素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネートポリオール、及びこれらの混合物を包含する。しかし、ポリエーテルポリオールバックボーンが一般に良好な耐溶剤性を有し、比較的安価であるので、好ましい。
この成分は硬化した被膜に良好な熱的及び加水分解的性質を与え、ある程度非黄変性であるように選択される。
ウレタンアクリレート又はメタクリレートオリゴマーは、組成物(存在する、必要成分と任意成分との全て)の総重量に基づいて、未硬化第1被膜材料の約10〜約80重量%を構成する。好ましくは、この成分は全ての成分の総重量に基づいて、組成物の約15〜約170重量%、より好ましくは約20〜約60重量%を構成する。第10重量%未満のこの成分を用いる場合には、フレキシビリティ、破断点伸び及び総合靭性が劣化する。約80重量%より多くを用いる場合には、組成物の粘度が好ましくなく高くなるので、例えば施用ダイ(application die)を加熱するような、特定の準備をおこなわない限り、液体組成物の施用が困難になる。
本発明に用いられるアクリレート又はメタクリレート末端ウレタンオリゴマーは(i)脂肪族ポリオールと;(ii)脂肪族ポリイソシアネートと;(iii)アクリレート又はメタクリレートのいずれかの反応性末端を供給することができるエンドキャッピングモノマーとの反応生成物である。
ポリオール(i)は、硬化したときの組成物の性質に不利に影響しない脂肪族ポリオールでありうる。この場合にも例は、ポリエーテルポリオール;炭化水素ポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリイソシアネートポリオール;及びこれらの混合物を包含する。制限されるべき又は好ましくは除外されるべきであるポリオールは、ポリエステル又はエポキシバックボーンを包含する。
オリゴマー成分はポリエステルに基づくウレタンアクリレートのごく少量を含有することができるが、最適な長期間安定性のためには、上記種類のオリゴマーのみを含有することが好ましい。
代表的なポリエーテルポリオールは、炭素数1〜約12の直鎖、環状又は分枝鎖アルキレンオキシドに基づくものである。ポリエーテルポリオールは技術上公知の任意の方法によって製造することができる。好ましくは、ポリエーテルジオールは、それに基づく全オリゴマーに約6000ダルトン以下、好ましくは約5000ダルトン以下、より好ましくは約4000ダルトン以下の分子量を与えるために充分な、この場合にはASTM D−3592による蒸気圧オスモメトリー(VPO)によって測定した数平均分子量(Mn)を有する。このようなポリエーテルポリオールは、非限定的に、ポリテトラメチレンポリオール、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、これらの異性体、及びそれらの混合物を包含する。
使用可能である代表的な炭化水素ポリオールは、非限定的に、例えば完全若しくは部分的に水素化された1,2-ポリブタジエン;ヨウ素価9〜21まで水素化された1,2-ポリブタジエン;及び完全若しくは部分的に水素化されたポリイソブチレンのような、600〜4000分子量の直鎖若しくは分枝鎖炭化水素ポリマーに基づくものを包含する。不飽和炭化水素ポリオールは、それから製造されたオリゴマーが硬化時に酸化を受けやすいので、望ましくない。
典型的なポリカーボネートポリオールは、非限定的に、アルキレンエーテルジオールと任意に共重合した、ジアルキルカーボネートとアルキレンジオールとの反応生成物を包含する。
ポリイソシアネート成分(ii)は非芳香族である。芳香族ポリイソシアネートに基づくオリゴマーは、硬化した被膜に黄変を生じる。炭素数4〜20の非芳香族ポリイソシアネートを用いることができる。適当な飽和脂肪族ポリイソシアネートは、非限定的に、イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート;1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,5-ペンタメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;1,7-ヘプタメチレンジイソシアネート;1,8-オクタメチレンジイソシアネート;1,9-ノナメチレンジイソシアネート;1,10-デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート;2,2'-ジメチル-1,5-ペンタメチレンジイソシアネート;3-メトキシ-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;3-ブトキシ-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;ω,ω'-ジプロピルエーテルジイソシアネート;1,4-シクロヘキシルジイソシアネート;1,3-シクロヘキシルジイソシアネート;トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;及びこれらの混合物を包含する。ごく少量の芳香族ポリイソシアネートを用いることができるが;エージング時に長期間安定性が多少劣化する可能性がある。
ヒドロキシル末端ポリオールとジイソシアネートとの間の反応速度は、例えば100〜200ppm量の触媒の使用によって高めることができる。適当な触媒は、非限定的に、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジ-2-ヘキソエート、オレイン酸第1スズ、オクタン酸第1スズ、オクタン酸鉛、アセト酢酸第1鉄、及び例えばトリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエチルアミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルラウリルアミン、及びこれらの混合物のようなアミンを包含する。
エンドキャッピングモノマー(iii)は少なくとも1つの反応性末端を与えることができ、好ましくはアクリレート又はメタクリレート末端を与えるエンドキャッピングモノマーであることができる。エンドキャッピングモノマーとして使用可能である、適当なヒドロキシル末端化合物は、非限定的に、ヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレート、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等を包含する。
特に好ましいエンドキャッピングモノマーは、ヒドロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレートである。
ポリオールと、ジイソシアネートと、エンドキャッピングモノマーとのモル比率は、好ましくは約1:2:2である。
本発明の(メタ)アクリレート化オリゴマー成分に適した、幾つかの商業的に入手可能なオリゴマーは非限定的に下記を包含する:
1.Echo Resins and Laboratory(ミズリー州、ヴェルサイユ)からのEcho Resin ALU-350シリーズ樹脂、即ち、351、352、353及び354、全てがシリーズの番号の増加につれて、分子量と粘度とが増大し、弾性率が減少する、ポリテトラメチレンポリオールに基づくアクリル化脂肪族ウレタンオリゴマーである。この樹脂シリーズのある一定の物理的性質を下記に要約する:
これらのオリゴマーに関して、数平均分子量はUniversalプローブを用いて、40℃、9のゼロバランス(zero balance)及び8の範囲において3分間、溶媒としてトルエンを用いて、ベンジル、テトラコサン及びポリスチレン基準によってキャリブレートしたKnauer VPOを用いる蒸気圧オスモメトリー(VPO)によって測定した。
一般に、このシリーズの低分子量メンバーは、低ワックス性で、加工しやすいため、かつこれらを含む組成物が、それらが遭遇しうる溶剤と接触したときにあまり膨潤しないために好ましい。
これらのオリゴマーのメタクリレート同等物が同様に適切である。
2.Polymer Systems Corporation(フロリダ州、Orland)から入手可能な、PURELAST(登録商標)、ポリエーテルバックボーンに基づく脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー。適当なPURELAST(登録商標)オリゴマーは、566、566A、569、569A、586、586A、590、590A、595及び595Aを包含する。このオリゴマーシリーズは、シリーズ中の番号の増加と共に弾性率が増加する。これらのオリゴマーは二官能性(接尾語なし)又は単官能性(“A”接尾語)である。これらのオリゴマーの全てが純粋な状態で販売される。
これらのオリゴマーのメタクリレート類似体の全ても同様に適切である。
3.Sartomer Company(ペンシルバニア州、Exton)からの、SARTOMER CN980と981、両方ともポリエーテル−バックボーン脂肪族ウレタンアクリレート。
4.Bomar Specialties(コネチカット州、Winsted)からのBR-372、BR-543、BR-571、BR-582、全てポリエーテル-バックボーン脂肪族ウレタンアクリレート。
5.全てUCB Chemicals Corporation(ジョージア州、Smyrna)からの、EBECRYL(登録商標)8800、EBECRYL(登録商標)270及びEBECRYL(登録商標)4826、全てポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンジアクリレートオリゴマー。
EBECRYL(登録商標)8800オリゴマーはエトキシエトキシエチルアクリレートによって10%希釈されており;8000〜18000cpsの65℃における粘度と、2max.のGardner Color Indexとを有する。これの密度は8.75ポンド/ガロンであり;これの理論分子量は1700である。硬化したときに、これは3150psiの引張り強度と、83%の引張り伸びと、48℃のガラス転移温度とを有する。
以前にEBECRYL(登録商標)4826オリゴマーとして販売されたEBECRYL(登録商標)270オリゴマーは希釈剤モノマーを含有せず;60℃における2500〜3500cpsの粘度と2max.のGardner Color Indexとを有する。これの密度は8.91ポンド/ガロンであり;これの理論官能価は2であり、これの理論分子量は1500である。硬化したときに、これは1200psiの引張り強度と、87%の引張り伸びと、−27℃のガラス転移温度とを有する。
これらのオリゴマーのメタクリレート同等物も使用可能である。
6.Morton Thiokol社、Morton Chemical Division(ニュージャージー州、Princeton)からのUVITHANE(登録商標)ZL−1178オリゴマー、ポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンアクリレート。このオリゴマーは120°F(48.9℃)における55〜75ポアズと78°F(25.6℃)における700〜800ポアズの粘度を有し、適切に硬化した時に、325psiの引張り強度と45%の極限伸びとを有する。
このモノマーのメタクリレート類似体も同様に使用可能である。
7.純粋な状態で販売される、シリコーン改質ポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンアクリレートであるEBECRYL(登録商標)4842と、シリコーン改質されていないが、ポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンアクリレートであり、反応性溶剤としての1,6-ヘキサンジオールジアクリレート約15重量%を含有するEBECRYL(登録商標)19-6264、両方ともUCB Chemicals Corporation(ジョージア州、Smyrna)から供給される。
8.例えば、出願人に発行された米国特許第5,146,531号に開示されているような、炭化水素ポリオールに基づく脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー。この特許の内容は特に本明細書に援用される。これらのオリゴマーは例えば完全若しくは部分的に水素化された1,2-ポリブタジエン;ヨウ素価9〜21まで水素化された1,2-ポリブタジエン;及び完全若しくは部分的に水素化されたポリイソブチレンのような、600〜4,000分子量の直鎖若しくは分枝鎖炭化水素ポリマーに基づくものである。
9.更に、上記で例示した種類の任意の脂肪族ウレタンアクリレート又はメタクリレートオリゴマーは、特許請求される組成物の望ましい性質が不利に影響されない限り、適切であると考えられる。
本発明の硬化した第1被膜は約5重量%未満、好ましくは約3%未満の吸水値を有する。更に、硬化した物質は室温において約4時間ガソリン中に浸漬した場合に、長さにおいて40%以上膨潤すべきでなく、幾つかの実施態様では、30%以上膨潤すべきでない。
(3)モノマー希釈剤
本発明の第1被膜層の製造において上記オリゴマーと反応するモノマー希釈剤成分は、上記オリゴマーと相容性である希釈剤成分であるように選択される。この希釈剤成分は上記オリゴマーの両方と反応性であるべきであり、好ましくは、モノマー1つにつき1つ以上のアクリレート又はメタクリレート部分を有する。モノマー希釈剤はこれを含有する硬化済み組成物のTg(ガラス転移温度)を下げることができ、未硬化(液体)組成物の粘度を、Brookfield粘度計、Model LVT、スピンドル速度#34によって25℃において測定して約1000〜約10000cps(センチポアズ)、好ましくは25℃において約4000〜約8000cpsの範囲内に下げることができる。約10000cpsより高い粘度が生ずる場合には、これを含む液体(未硬化)組成物は、ある種の加工改良(processing modification)(例えば、液体被膜組成物が施用されるダイを加熱する)がおこなわれるならば、まだ有用であることができる。
モノマー希釈剤は、組成物(全成分)の総重量に基づいて、未硬化(液体)組成物の約10〜約75重量%、好ましくは約15〜約70重量%、より好ましくは約20〜約65重量%を構成する。約10%未満のモノマーが存在する場合には、この場合にも、粘度は高くなり過ぎる可能性がある;これに反して、75%より多くが存在する場合には、粘度は低くなり過ぎると考えられる。
モノマー希釈剤の適当な例は、非限定的に、例えばフェノキシアルキルアクリレート若しくはメタクリレート(例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート);フェノキシアルキルアルコキシレートアクリレート若しくはメタクリレート(例えば、フェノキシエチルエトキシレート(メタ)アクリレート若しくはフェノキシエチルプロポキシレート(メタ)アクリレート)のような芳香族含有モノマー;又はそれを含有する組成物の屈折率を調節することが知られている、任意の他のこのようなモノマー希釈剤のいずれかを包含する。これらの1種類以上を包含する組合せも同様に適切である。あとのカテゴリーに属するこのようなモノマー希釈剤は、本明細書に援用される出願人の米国特許第5,146,531号に開示され、説明されており、例えば、(1)芳香族部分と;(2)反応性基(例えば、アクリル基又はメタクリル基)を与える部分と;(3)炭化水素部分とを含有しうる。
付加的に炭化水素特性(hydrocarbon character)とビニル基とを有する芳香族モノマー希釈剤の例は、非限定的に、例えばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルアクリレート若しくはポリプロピレングリコールノニルフェニルエーテルアクリレートのようなポリアルキレングリコールノニルフェニルエーテルアクリレート;例えばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート若しくはポリプロピレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレートのようなポリアルキレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート;及びこれらの混合物を包含する。
このようなモノマーは、例えば、Toagasei Chemical Industry Company社(日本、東京)から商品名ARONIX(登録商標)M111、M113、M114及びM117で、及びHenkel Corporation(ペンシルバニア州、Ambler)から商品名PHOTOMER(登録商標)4003で入手可能である。
他の適当なモノマー希釈剤は、更に、直鎖若しくは分枝鎖であり、アルキル部分に8〜18個の炭素原子を含有することができる炭化水素アルキルアクリレート若しくはメタクリレートを包含し、例えば、ヘキシルアクリレート;ヘキシルメタクリレート;エチルヘキシルアクリレート;エチルヘキシルメタクリレート;イソオクチルメタクリレート;オクチルアクリレート;オクチルメタクリレート;デシルアクリレート;デシルメタクリレート;イソデシルアクリレート;イソデシルメタクリレート;ラウリルアクリレート;ラウリルメタクリレート;トリデシルアクリレート;トリデシルメタクリレート;パルミチルアクリレート(palmitic acrylate);パルミチルメタクリレート(palmitic methacrylate);ステアリルアクリレート;ステアリルメタクリレート;セチルアクリレート;セチルメタクリレート;C14−C15炭化水素ジオールジアクリレート;C14−C15炭化水素ジオールジメタクリレート;及びこれらの混合物を包含する。これらのなかで、セチル、ラウリル及びステアリルアクリレート又はメタクリレートが最も望ましい。
例えばイソボルニルアクリレート;イソボルニルメタクリレート;ジシクロペンテニルアクリレート;ジシクロペンテニルメタクリレート;ジシクロペンテニルエトキシレートアクリレート;ジシクロペンテニルエトキシレートメタクリレート;テトラヒドロフルフリルアクリレート;テトラヒドロフルフリルメタクリレート;及びこれらの混合物のような環状モノマーも適切である。
不適切であるモノマーとしては、例えばn-ビニルピロリドン及びn-ビニルホルムアミドのような親水性モノマーがある。従来、光ファイバー被覆用途に広く用いられているN-ビニルピロリドンは、親水性であり、長期間水に浸漬すると、非常に不良な耐水性を与えるので、特に好ましくない。したがって、組成物はこれらのモノマーを実質的に含むべきではない。
好ましいモノマーは本明細書に開示するような屈折率調節型モノマーを単独で、又は例えばラウリルアクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレートと組合せて包含する。
他の成分
(4)定着剤
第1被膜層を構成する組成物中に、幾つかの実施態様では、定着剤も含めることができる。離層の危険性が大きい高湿度及び高温環境では、接着は特に重要な問題である。このような環境から保護される使用のためには、定着剤が必要になりうる。
酸-官能性(acid-functional)物質又は有機官能性シランのいずれかを用いて、ガラスへ樹脂を定着させることは技術上公知である。本明細書では酸-官能性物質は有効であるが、有機官能性シランが好ましい。いずれにせよ、酸-官能性物質は、材料に対するそれらの可能な腐食性と水分への暴露時にそれらがそれらの接着性を失う傾向とのために、あまり好ましくない。(一般に、酸-官能性物質は本発明の組成物において避けるべきである。)シランはこれらの要因を考慮して非常に適切である傾向であるので、選択されるべき定着剤である。更に、硬化中に系中に結合して、この場合にも、非結合揮発物の量を最少にする官能基(functionality)を有する定着剤を含むことが有用である。種々な適切な有機官能性シランは、非限定的に、アクリレート官能性シラン;アミノ官能性シラン;メルカプト官能性シラン;メタクリレート官能性シラン;アクリルアミド官能性シラン;アリル官能性シラン;及びビニル官能性シランを包含する。定着剤はまた、好ましくはメトキシ置換又はエトキシ置換される。好ましい有機官能性シランは、非限定的に、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン、(メタ)アクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、アミノアルキルトリアルコキシシラン、これらの混合物等を包含する。メタクリレート化シランは硬化した系と良好に結合する限りで望ましいが、系の硬化速度を遅延させる傾向がある。メルカプト官能性定着剤も硬化中に化学的に結合するが、これは系の硬化速度を知覚されうるほどに遅延されない。
湿気のある条件下で接着を強化する、幾つかの好ましい有機官能性シランは3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル-トリス(2-メトキシエトキシシラン)、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノ-プロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3-メルカプトプロピル(γ-メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、及びこれらの混合物を包含する。特に好ましい定着剤は3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。
シラン成分は、硬化して第1被膜層を形成する予定である組成物中に、基体(substrate)の表面への組成物の接着を強化するために少量ではあるが有効量で混入されるべきである。シラン成分は全成分の総重量に基づいて組成物の約0.1〜約3.0重量%を構成する。好ましくは、シランは組成物の総重量に基づいて約0.2〜約2.0%、より好ましくは約0.3〜約1.0%を占める。
(5)光開始剤
第1被膜層を構成する組成物の他の成分は、光開始剤でありうる。この成分の必要性は組成物の予定の硬化形成(envisioned mode of cure)に依存する:組成物が紫外線硬化される予定である場合には、光開始剤が必要である;組成物が電子ビームによって硬化される予定である場合には、材料は光開始剤を実質的に含まないことができる。
紫外線硬化実施態様では、光開始剤は輻射線硬化を促進するために少量であるが有効量で用いられる場合に、組成物の早期ゲル化を惹起することなく、妥当な硬化速度を生じなければならない。更に、光開始剤は硬化した被膜の光学的透明度を妨害してはならない。更になお、光開始剤はそれ自体で熱安定性、非黄変性かつ有効でなければならない。
適当な光安定剤は、非限定的に、下記を包含する:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;ヒドロキシメチル-フェニルプロパノン;ジメトキシフェニルアセトフェノン;2-メチル-1-[4-メチル(チオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパノン-1;1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン;1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン;4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン;ジエチオキシアセトフェノン;2,2-ジ-sec-ブトキシアセトフェノン;ジエトキシ-フェニルアセトフェノン;及びこれらの混合物。
光開始剤の好ましいクラスは、例えばトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF Corp.、Chemicals Division、(ノースカロライナ州、Charlotte)からLUCIRIN TPOとして入手可能);トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(BASFからLUCIRIN 8893として入手可能);ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド(Ciba-Geigy Corp.(ニューヨーク州、Ardseley)から入手可能);及びこれらの混合物のようなトリアシルホスフィンオキシドである。単独で又は特に組合せた、LUCIRIN TPO及びLUCIRIN 8893として市販されるBASFホスフィンオキシドが好ましい。
用いる場合の光開始剤は、好ましくは全組成物の重量に基づいて未硬化組成物の約0.5〜約10.00重量%を構成する。好ましくは、光開始剤の量は約1.0%〜約6.0%である。光開始剤は線量対弾性率(dose versus modulus)曲線において測定して、0.7J/cm2未満、好ましくは0.5J/cm2未満の硬化速度が得られるようなレベルで用いるべきである。
(6)安定剤
未硬化第1被膜組成物の貯蔵寿命(貯蔵安定性)を改良し、かつ硬化した第1被膜層の熱安定性及び酸化安定性を高めるために、組成物中に1種類以上の安定剤を含めることができる。適当な安定剤の例は、例えばジエチルエタノールアミン及びトリヘキシルアミンのような第3級アミン、ヒンダードアミン(hindered amine)、有機ホスフィット、ヒンダードフェノール、これらの混合物等を包含する。使用可能である酸化防止剤の幾つかの特定の例はオクタデシル-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート、及びテトラキス[メチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンを包含する。更に、ある一定のシランを安定剤として例えば0.0001重量%〜0.1重量%程度のような少量で用いることができる。このような適当なシランの例は、3-アミノプロピルトリメトキシシランである。
安定剤を用いる場合には、安定剤を組成物の重量に基づいて約0.0001重量%〜約3.0重量%の量で混入することができる。好ましくは、安定剤を全ての成分の総重量に基づいて約0.25重量%〜約2.0重量%の範囲内で、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲内で含める。安定剤の望ましい性質は(1)移動しないこと(恐らく、低極性によって強化)及び(2)塩基性(早期に重合を開始させる残留酸を中和するのに役立つことを可能にする)である。好ましい安定剤はチオジエチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート及び3-アミノプロピルトリメトキシシランである。
本発明の第1被膜層を構成する第1被膜組成物は技術上公知であるように第2被膜によって上塗りされることができる、又は場合によっては、そのために適切であるように調節されるならば、この第1被膜のみが必要である単一被膜(monocoat)であることもできる。用いる場合の適当な第2光ファイバー被膜は最適には良好な熱的、酸化的及び加水分解的安定性;硬度;高い弾性率;高いガラス転移温度;並びに高い屈折率を有する。
任意の第2被膜は本発明の第1被膜の上部に施用することができる。適当な第2被膜は技術上公知である被膜であり、非限定的に、出願人の米国特許第5,352,712号(1994年10月4日発行)(特に、本明細書に援用される)に開示されるものを包含する。
このような第2被膜は、例えば、ポリエステル及び/又はポリエーテルに基づく、反応性末端を含有する脂肪族ウレタンオリゴマー、約10〜約90重量%と;このオリゴマーの反応性末端と反応することができる炭化水素粘度調節性成分、約20〜約60重量%と;任意に、光開始剤、約0.05〜約10.0重量%との反応生成物を含むことができる。
1つの好ましい第2被膜は、ポリエーテルバックボーンに基づく脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー混合物、約40〜約80重量%と;イソボルニルアクリレートとヘキサンジオールジアクリレートとの混合物、約25〜約50重量%と;ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン光開始剤、約2.0〜約7.0重量%との反応生成物を含むことができる。
被覆光ファイバーの製造
本発明は、抽出可能性及び揮発性物質の減少した含量を有する被覆光ファイバーの製造方法にも関する。この方法は下記工程:
(1)少なくとも3000ダルトンの数平均分子量のメルカプト末端ウレタンオリゴマーを含む第1被膜組成物層であって、例えば、下記成分:
(1)少なくとも約3000ダルトンの数平均分子量(GPCによる)のメルカプト末端ウレタンオリゴマー、約5〜約50重量%と;
(2)1種類以上のアクリレート末端又はメタクリレート末端ウレタンオリゴマー、約10〜約80重量%と;
(3)1種類以上のモノマー希釈剤、約10〜約75重量%と;
(4)硬化中に第1被膜組成物と結合する有機官能性シラン定着剤、約0〜約3重量%と;
(5)光開始剤、約0〜約10重量%(前記%の全ては全成分の重量に基づく重量%である)と
を含む組成物を光グラスファイバーに施用する工程と;
(2)前記被膜を現場で輻射線硬化させる工程と
を含む。
一実施態様では、この方法は本発明の第1被膜組成物のみを光ファイバーに施用して、この被膜を現場で輻射線硬化させることを含む。
他の実施態様では、本発明の第1被膜組成物の上部に第2被膜組成物を施用して、2つの被膜を連続的に又は同時に輻射線硬化させることができる。
第1被膜及び/又は第2被膜は技術上公知の任意の方法によって施用して、硬化させることができる。2つの被膜をウェット-オン-ウェット(wet-on-wet)で施用する、好ましい方法はAT&T Bell LaboiratoriesのC.Taylorへの米国特許第4,474,830号に開示されている。被膜(単数又は複数)を次に、好ましくは紫外線照射によって現場で硬化させて、硬化したポリマー被膜を得ることができる。或いは、第1被膜を施用して、硬化させ、その後に第2被膜を施用して、硬化させることができる。
本発明の第1被膜組成物
好ましい実施態様では、本発明は下記成分:
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して少なくとも約3000ダルトンの数平均分子量のメルカプト末端ウレタンオリゴマー、約5〜約50重量%と;
(2)1種類以上のアクリレート末端又はメタクリレート末端ウレタンオリゴマー、約10〜約80重量%と;
(3)1種類以上のモノマー希釈剤、約10〜約75重量%と;
(4)硬化中に第1被膜組成物と結合する有機官能性シラン定着剤、約0〜約3.0重量%と;
(5)光開始剤、約0〜約10.0重量%(前記%は全成分の重量に基づく重量%である)と
の硬化した反応生成物を、光ファイバーの第1被膜組成物に関する。
実施例
下記実施例は本発明をさらに詳しく説明するために役立つものである。これらの実施例中及び本明細書を通しての他の箇所において、全ての部と%は乾量基準の重量によるものであり、全ての温度は、特に別に指定しない限り、摂氏度である。実施例の全てにおいて、硬化線量(cure dose)はInternational Light IL 390ラジオメーターによって測定した。他に指定しない限り、本出願の実施例と以降において、“弾性率(modulus)”とは、ASTM-D882に従って、Instron Model 1122引張り試験機を用いて測定した、25℃における2.5%引張り弾性率を意味する
本明細書において報告した全ての抽出可能物%値は、以下で説明するSoxhlet抽出によって得たものである。側管を備えた、EM Science Omnisolve等級メチルエチルケトン(MEK)を含有するフラスコに、硬化フィルムのサンプルを含有する、予め秤量した33mmx30mm Whatman単一厚さセルロース抽出シンプル(extraction thimble)を取り付ける。各シンブルを約5個の3.5”x5”x6milドローダウン(drawdown)によって満たした。抽出溶剤である180mlのメチルエチルケトン(MEK)を、溶剤蒸気が側管を上昇して、その凝縮液がフィルムサンプル上に滴下して、抽出可能物を徐々に浸出させるように、穏やかに(即ち、約80℃において)沸騰させる。このプロセスを約16時間おこなって、この時間後に、サンプルを23±2℃と50±5%RHにおいて一定重量になるまで風乾させる。抽出可能物%値は、抽出及び乾燥の前後のサンプルの重量の差X100として算出する。
本明細書において報告する全てのTGA(熱重量分析)揮発物値は下記方法によって得たものである。硬化組成物のサンプルは23±2℃と50±5%相対湿度において少なくとも16時間状態調節した。TGA分析はPerkin Elmer TGS-2熱重量分析装置を用いておこなった。この分析は50cc/分の流速度で窒素下においておこなった。熱重量分析プログラムは25℃において1分間等温であり、35℃/分で200℃にまで加熱し、次に200℃において40分間等温に維持した。
数平均分子量は、他に指定しない限り、以下で説明する、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)又は蒸気圧オスモメトリー(VPO)のいずれかによって測定した。GPCによって測定する場合には、THF溶剤中で、1.0ml/分の流速度及び100μlの注入量において、GPC PRO 3.13 IBM ATモジュールを用いて測定をおこなった。VPOによって測定する場合には、Universalプローブを用いて40℃、9のゼロバランス及び8の範囲において3分間、溶剤としてトルエンを用いて、ベンジル、テトラコサン及びポリスチレン基準によって測定をおこなった。
本出願の以降と同様に、実施例における重量部は、必要成分であれ任意成分であれ、全ての成分を包含する、実施例中に述べる全組成物に関するものである。任意成分は実施例中で星印(★)によって同定する。本明細書は光開始剤が任意であると教示するが、紫外線硬化を用いる実施例の全てにおいて光開始剤が必要であることに注目すべきである。例示した被膜が光グラスファイバーのための商業的に入手可能な被膜の厳しい必要条件を満たすべきである場合には、他の成分は使用に関して不可欠であると考えられる。
実施例1
硬化時に約7.43%の抽出可能物と低含量の揮発物とを含む組成物
下記組成物を構成した:
上記未硬化組成物は8750cpsの粘度を有した。
この組成物の6mil被膜を平らなガラス板に、Conrad Hanovia Birdアプリケーターを用いて塗布して、200ワット/インチ中圧水銀蒸気ランプを用いて0.7J/cm2で空気中で硬化させた。ASTM-D882に従って、この被膜の214.5psiの引張り弾性率が測定された。上述された方法でSoxhlet抽出に供した場合に、第1被膜層の7.43の抽出可能物%値(2サンプルの平均値)が記録され、更に1.75%のTGA揮発物値が記録され、これらの両方は充分に本発明のパラメーターの範囲内である。
実施例2
低含量の抽出可能物と揮発物を有する被膜を生じる他の組成物
より多量のメルカプト官能性オリゴマーを包含し、また10重量%のラウリルアクリレートを包含すること以外は、実施例1に述べた組成物と同様な組成物を下記のように製造した:
上記未硬化組成物は上記パラメーターにおいてBrookfield粘度計を用いて測定して約9000cpsの粘度を有した。
実施例1の方法で硬化させたときに、207.4psiのASTM-D882による引張り弾性率が記録され、1.4797の屈折率が記録された。サンプルを室温においてガソリン中に4時間浸漬した場合に、サンプルは長さにおいて37.3%膨潤し、これは許容可能な耐溶剤性と見なされる。
Soxhlet抽出に供した場合に、7.74の、2サンプルに基づいた平均抽出可能物%値が記録され、更に1.80%のTGA揮発物値が記録され、これらも充分に本発明のパラメーターの範囲内である。
比較例1
許容されない弾性率を有する以外は、許容可能な抽出可能物及び揮発物含量を有する被膜
メルカプト官能性ウレタンオリゴマーを有さず、非常に許容されない弾性率値以外は許容可能な抽出可能物と揮発物含量を有する他の被膜を下記のように構成した:
この組成物は硬化時に9.85%の、2サンプルに基づく平均MEK(Soxhlet)抽出可能物値を有した。しかし、硬化した組成物の引張り弾性率は736.6psiであったので、微細曲げを生じやすい許容されない被膜を生じると予想される。
実施例3
数平均分子量(GPC)9000ダルトンのメルカプト官能性ウレタンオリゴマーPERMAPOL(登録商標)P2−935を65:35の比率で(即ち、65.00%の比較例1組成物の、35.00%のP2−935に対する比率で)更に包含すること以外は、比較例1の組成物と同じ組成物を構成した。硬化時に、この組成物は337.5psiの引張り弾性率と、4.43%のTGA揮発物と、9.51の平均抽出可能物%値とを有する。
比較例2
平均メルカプト官能価2、数平均分子量(GPC)2300ダルトンのメルカプト官能性ウレタンオリゴマーPERMAPOL(登録商標)P2−795(これもCourtaulds Aerospaceから)を65:35の比率で(即ち、65.00%の比較例1組成物の、35.00%のPERMAPOL(登録商標)P2−935に対する比率で)更に包含すること以外は、比較例1の組成物と同じ組成物を構成した。硬化時に、この組成物は220.0psiの引張り弾性率と、18.4の抽出可能物%(平均)と、5.1%のTGA揮発物とを有した。この許容されない抽出可能物値はこのような低分子量のオリゴマーの使用に起因すると考えられる。
実施例4
高粘度の低弾性率被膜
この場合には、PERMAPOL(登録商標)P2−935メルカプト官能性ウレタンオリゴマーを比較例1組成物と共に50:50の比率で(即ち、50重量%の比較例1組成物と50重量%P2−935)更に包含すること以外は、比較例1の組成物と同様な、他の組成物を構成した。この組成物の粘度は非常に高かった(Brookfield粘度計で測定不能であった)が、硬化時に、被膜は219.4psiの引張り弾性率と、3.65のTGA揮発物と、9.82の平均抽出可能物%値とを有し、これらの全てが許容可能な値であった。
実施例5
非常に高分子のメルカプトオリゴマーに基づく被膜
ジメルカプト末端オリゴマー“X”を次のように製造した。四つ口の蓋を有する1リットル反応器にメカニカルスターラーと、添加とサンプリングのためのストッパーと、熱電対と、ガススパーシングのためのアダプターとを備え、Allihnコンデンサーを用いた。50.82gのイソホロンジイソシアネート(当量(eq.weight)111.0)と435.12gのポリテトラメチレンオキシドポリマー(当量1425.67)とを反応器に装入した。窒素パージを開始し、反応物を58℃にするように加熱しながら、混合を開始した。反応器の内容物が58℃に達したときに、5滴のスズ触媒を加えた。反応温度を60℃に制御し、イソシアネート含量が1.32%に達するまで反応を進行させた。約14gの3-メルカプト-1-プロパノール(当量92.16)と、さらに5滴の触媒とを加えた。赤外分光法で測定して、イソシアネート含量が実質的に零になるまで反応を進行させた。得られたオリゴマーはあとでGPC(30℃、流速度1.0ml/分においてTHF溶剤中;注入量100μl;GPC PRO 3.13 IBM ATモジュールを使用)によって測定して、27500ダルトンの数平均分子量(Mn)を有した。
このオリゴマーを下記成分と混合することによって、低抽出可能物の被膜組成物が構成された。
得られた組成物は5290cpsの粘度を有し、硬化時に、210.6psiの引張り弾性率を有し、Soxhlet抽出に供したときに、10.4%の抽出可能物を有した。
実施例6
まだ許容可能であるが高い抽出可能物と揮発物含量を有する被膜
異なるメルカプト官能性オリゴマーを用いて、下記組成物を構成した:
未硬化組成物は690cpsの粘度を有した。硬化時に、被膜の弾性率は214.0psiであり、その平均抽出可能物(2サンプルに基づく)含量は14.52%であり;そのTGA揮発物含量は6.52%であった。
実施例7
まだ許容可能であるが高い抽出可能物含量を有する他の被膜
他のジメチルカプト末端オリゴマー“Y”を次のように製造した。反応器(四つ口の蓋、メカニカルスターラー、ストッパー、熱電対、アダプター、およびコンデンサーを備える)に、63.8gのイソホロンジイソシアネートと410gのポリテトラメチレンポリオール(無水酢酸方法によって測定した数平均分子量2900ダルトン)とを28℃において装入した。窒素パージを開始し、混合を開始した。反応混合物が33℃に達したときに、3滴のスズ触媒を加えた。遊離イソシアネート含量が約2.54%に達するまで、約50℃において反応を続けた。この温度において、約26.5gの3-メルカプト-1-プロパノールを加え、さらにスズ触媒を定期的に加えながら、反応を進行させた。遊離イソシアネート含量が約0.0に達したときに、反応が完了した。続いてのGPCによる分析(30℃、流速度1.0ml/分においてTHF溶剤中;注入量100μl;GPC PRO 3.13 IBM ATモジュールを使用)は約8100ダルトンの分子量(Mn)を示した。
このオリゴマー“Y”を下記成分と混合した:
未硬化組成物は約5640cpsの粘度を有し、硬化すると、261.4psi引張り弾性率の被膜を形成した。Soxhlet抽出に供したときに、13.35%の平均抽出可能物値が測定された。
実施例8
低分子量メルカプトオリゴマーに基づく被膜
他のメルカプト末端オリゴマー“Z”を次のように製造した。先行合成実施例において述べた反応器を用いた。これに、304.8gのDUPont PTMO 1000ポリテトラメチレンオキシドポリエーテルポリオールと、138gのイソホロンジイソシアネートとを加えた。窒素パージを開始し、反応混合物を63℃までに加熱しながら、混合をおこない、この時点で2滴のスズ触媒を加えた。イソシアネート含量が5.89%に達するまで、反応を進行させた。57.3gの3-メルカプト-1-プロパノールと2滴のスズ触媒とを続けて加えた。温度を65〜72℃に上昇させ、反応をさらに約1.5時間続けさせ、この時間後に、イソシアネート含量は0.25%であると測定され、さらに5滴の触媒を加えた。さらに2時間反応させた後に、イソシアネート含量はIRスキャンによって0.0%であると測定された。得られたオリゴマーはあとでGPCによって測定して、3300ダルトンの数平均分子量(Mn)を有した。
上記オリゴマーを下記のように用いて、適当な低抽出可能物組成物を構成した:
未硬化組成物は3150cpsの粘度を有し、硬化すると、230.6psiの引張り弾性を有し、Soxhlet抽出に供したときに、12.4%の抽出可能物(2つの値の平均)を有した。
本発明を好ましい実施態様に関して説明したが、本発明がこれらの細部に限定されないことは理解されるであろう。種々な置換及び変更を上記説明の過程で述べたが、この他の置換及び変更は当業者に明らかであろう。このような置換及び変更の全ては添付請求の範囲で述べるような本発明の範囲内に入ることになる。
Claims (1)
- 被覆光ファイバーの製造方法であって、
(1)光ファイバーに、下記成分:
(i)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定して少なくとも約3000ダルトンの数平均分子量のメルカプト末端ウレタンオリゴマー約5〜約50重量%と;
(ii)1種類以上のアクリレート末端又はメタクリレート末端ウレタンオリゴマー約10〜約80重量%と;
(iii)1種類以上のモノマー希釈剤約10〜約75重量%と;
(iv)硬化中に第1被膜組成物と結合する有機官能性シラン定着剤約0〜約3.0重量%と;
(v)光開始剤約0〜約10.0重量%(前記%の全ては、全成分の重量に基づく重量%である)と
の混合物を含む第1被膜組成物層を施用する工程と;
(2)前記被膜を現場で輻射線硬化する工程と
を含む製造方法。
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