JP3802014B2 - 音響解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響電気変換素子に係り、特にこの音響電気変換素子を用いて音響スペクトルを解析する音響解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声認識技術はコンピュータをはじめ、機械と人間のインターフェースとして非常に優れているが、話者或いは語彙、発声の要素よって認識の容易性が異なり、又、周囲のノイズに影響される。このため、認識率を向上させるためには、認識させる話者が、事前にコンピュータに対して学習させる必要があり、不特定多数の会話を認識することは難しい。このため、できるだけ精度の良い音声分析技術が求められている。
【0003】
標準的な音声認識方法は、図13に示すように、まず、入力された音声信号はステップS101の音声分析により特徴を抽出される。そしてステップS102で、時間軸に対して正規化された後、標準パターン104との比較により、ステップS103において、類似度判定されて、その結果が出力される。このうち、ステップS101における音声分析はハードウエア的に処理されるため、ハードウエアの能力に依存することになる。一方、音声分析以降のステップS102やステップS103はソフトウエア的に処理されるので、アルゴリズムや計算機の能力に依存することになる。
【0004】
一般的な音声分析システムは、図14に示すように、マイクロフォン201では振動板に入射してきた音波を電気信号に変換し、フィルタ−202により150Hz〜8kHzの音声周波数をフィルタリングした後、A/Dコンバータ203により22kHz程度のサンプリング・レートでデジタル化される。その後、FFT(高速フーリエ変換)装置204により求めた、パワースペクトルを用いてスペクトル分析を行っている。したがって、精度の良い音声分析を行うためには高分解能なA/Dコンバータ203及び高性能なFFT装置204が必要となるが、現状ではこれらの要求を十分に満足する装置を得ることは難しい。そこで、直接、音声信号を周波数分析することが考えられ、人間の耳を参考にいくつかの方法が考えられている。
【0005】
ところで、人間の鼓膜に入射した音波は耳小骨を通じて蝸牛に伝わる。蝸牛は基底板により2つの領域に分離されており、この2つの領域に生じる圧力差を音として感知するが、蝸牛基部では高音域、蝸牛頂部では低音域と、周波数に応じて感知する場所が異なっている。更に、最近の研究では、蝸牛にある外有毛細胞(OHC)の働きにより基底板の振動が増幅されるフィードバック機構によって、周波数弁別・選択が可能になることがわかってきた(非特許文献1参照。)。
【0006】
この蝸牛を模した例として、図15に示すような周波数分析用メカニカル・フィルタが提案されている(特許文献1参照。)。図15では、Si基板101の表面に設けたダイアフラム112に入射した音波は横梁(トランスバーサル・ビーム)115に伝わる。この横梁115は下端をダイアフラム112で固定され、上端を終端111でSi基板101の表面に固定している。横梁115には、それぞれ異なる共振周波数を持った振動子(共振器ビーム)113がフィッシュボーン形状に接続されており、入射した振動数と一致する振動子(共振器ビーム)113が共振し、その振幅を検出することで、周波数分析を行っている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6,079,274明細書
【0008】
【非特許文献1】
日本音響学会誌、59巻1号,2003年,p.40−45
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図15に示した周波数分析用メカニカル・フィルタでは、入射した音波エネルギーの一部しか振動子(共振器ビーム)113に伝わらないため、感度が低下してしまう不具合がある。
【0010】
更に、従来の音声認識技術では利用者毎に学習過程が必要であり、又、雑音の小さい場所でしか利用できず、このため使い勝手に問題がある。
上記問題点を鑑み、本発明は、音声入力等の音響入力に対してそれぞれの振動子の振幅及び位相情報が得られ、これにより、音響信号を直接周波数分析することが可能な音響解析装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、ノイズを除去することが容易な音響解析装置を提供することを目的とする。
【0012】
特に、音声入力の場合は、特定の話者に応じたスペクトルが得られて、音声認識率が改善された音響解析装置を提供することを目的とする。又、ノイズのある場所においても、特別な学習をさせることなく、不特定多数の会話を認識できる音響解析装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、(イ)音響入力によりそれぞれ振動する複数の振動子からなる振動子アレイと、(ロ)複数の振動子のそれぞれに接続された弾性梁と、(ハ)振動子の変位を検知する変位検知手段と、(ニ)振動子アレイの共振周波数を変化させる共振周波数制御手段とを備え、変位検知手段の出力により、音響入力のスペクトル解析を行う音響解析装置であることを要旨とする。
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、音声入力等の音響入力に対してそれぞれの振動子の振幅及び位相情報が得られる。このため、周波数毎の振幅が解析でき、ノイズの除去が容易になるとともに、音声入力の場合は、特定の話者に応じたスペクトルが得られて、音声認識率が改善される。特に、振動子アレイを、人間の耳と類似な構造にすることにより、音声信号を直接周波数分析することが可能になり、特別な学習をさせることなく、不特定多数の会話を認識できる。
本発明の第2の特徴は、(イ)上面に凹部を備えた支持基板と、(ロ)この支持基板の周辺部において、凹部を囲んで配置された固定枠と、(ハ)凹部と固定枠がなす空間に、振動子アレイを構成するように配置され、音響入力によりそれぞれ振動する複数の振動子と、(ニ)複数の振動子のうち固定枠に最近接となる端部振動子と固定枠とを接続し、且つ端部振動子と他の振動子とを相互に接続する弾性梁とを備え、複数の振動子のそれぞれと凹部の表面との間に印加する電圧により、振動子アレイの共振周波数を変化させ、且つ複数の振動子のそれぞれが凹部の表面となす容量の変化により複数の振動子のそれぞれの変位を検知し、この検知結果を用いて、音響入力のスペクトル解析を行う音響解析装置であることを要旨とする。
【0015】
本発明の第2の特徴によれば、第1の特徴と同様に、音響入力に対してそれぞれの振動子の振幅及び位相情報が得られる。このため、周波数毎の振幅が解析でき、ノイズの除去が容易になるとともに、音響入力が音声の場合は、特定の話者に応じたスペクトルが得られ、音声認識率が改善される。特に、振動子アレイを、マイクロマシン技術を用いて人間の耳と類似な構造にすることにより、音声信号を直接周波数分析することが可能になり、特別な学習をさせることなく、不特定多数の会話を認識できる。
【0016】
本発明の第3の特徴は、(イ)上面に凹部を備えた支持基板と、(ロ)この支持基板の周辺部において、凹部を囲んで配置された固定枠と、(ハ)固定枠に両端部を固定され、行方向及びこの行方向に直交する列方向にそれぞれ伸延し、凹部と固定枠がなす空間に格子を構成するように配置された複数の配線梁と、(ニ)格子の窓部にそれぞれ配置され、音響入力によりそれぞれ振動し、振動子アレイを構成する複数の振動子と、(ホ)複数の振動子のそれぞれと配線梁とを接続する弾性梁とを備え、複数の振動子のそれぞれと凹部の表面との間に印加する電圧により、複数の振動子の共振周波数を変化させ、且つ複数の振動子のそれぞれが凹部の表面となす容量の変化により複数の振動子のそれぞれの変位を検知し、この検知結果を用いて、音響入力のスペクトル解析を行う音響解析装置であることを要旨とする。
【0017】
本発明の第3の特徴によれば、第1及び第2の特徴と同様に、音響入力に対してそれぞれの振動子の振幅及び位相情報が得られる。このため、周波数毎の振幅が解析でき、ノイズの除去が容易になるとともに、音声入力の場合は、特定の話者に応じたスペクトルが得られ、音声認識率が改善される。特に、マイクロマシン技術を用いて、振動子アレイを、人間の耳と類似な構造にすることにより、音声信号を直接周波数分析することが可能になり、特別な学習をさせることなく、不特定多数の会話を認識できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0020】
図1の平面パターンに示すように、本発明の実施の形態に係る音響解析装置は、上面に凹部を備えた支持基板11aと、この支持基板11aの周辺部において、凹部を囲んで配置された固定枠12と、凹部と固定枠12がなす空間に、振動子アレイを構成するように配置され、音響入力によりそれぞれ振動する複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と、複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+ 1,・・・・・のうち固定枠12に最近接となる端部振動子と固定枠12とを接続し、且つ端部振動子と他の振動子とを相互に接続する弾性梁13とを備えている。弾性梁13は、端部振動子に接続された他の振動子と、更に他の振動子とを相互に接続することは勿論である。即ち、弾性梁13は、それぞれの振動子の相互間を順に接続している。本発明の実施の形態に係る音響解析装置は、更に、複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれと凹部の表面との間に印加する電圧により、振動子アレイの共振周波数を変化させ、且つ複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれが凹部の表面となす容量の変化により複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれの変位を検知し、この検知結果を用いて、音響入力のスペクトル解析を行うインテリジェント・マイクロフォンである。
【0021】
ここで、支持基板11aはシリコン基板等の半導体基板からなる。弾性梁13は、不純物を添加したポリシリコン(以下において「ドープドポリシリコン」という。)からなる構造を備える。図1では、各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・がそれぞれ、4本の弾性梁13で懸架されている状態を示す。
【0022】
図2は、図1のA−A方向から見た断面図であり、SOI基板上に作成した各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・・・・・・,Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が、弾性梁13によって互いに接続された振動子アレイの特定の行を示す(なお、より詳細な断面構造は図10に示す。)。振動子アレイの特定の行は、見かけ上、1次元の振動子チェーン(振動子鎖)を構成しているが、実際には、図1に示すような2次元の振動子アレイである。振動子アレイを構成する各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・は、SOI基板のSOI層からなる半導体層43を一部に有する。支持基板11aの周辺部の固定枠12の上部も、図2に示すように、SOI層(半導体層)43から構成されている。半導体基板11aは、比抵抗0,01Ω・cm〜0,02Ω・cmの低比抵抗のSi基板で、図2に示したそれぞれの振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と支持基板(半導体基板)11aが構成するコンデンサCi,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・・の一方の電極をなしている。ポリシリコン及び絶縁膜からなる各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が、コンデンサCi,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・・の対向する他方の電極をなしている。
【0023】
本発明の実施の形態に係る音響解析装置を構成する各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の質量は、約10-12kg程度であり、このときの弾性梁13のバネ定数kは10-2〜10N/m程度となっている。
【0024】
N個からなる振動子アレイの場合には、1次の横波の固有振動数(基本波振動数)fは振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の質量mと振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・を接続する弾性梁13のバネ定数k[N/m]により:
=1/2π×(k/m)1/2 ・・・・・(1)
と表される。ここで、
k=Ehw3/L3 ・・・・・(2)
m=Stρ ・・・・・(3)
であって、L,h,wはそれぞれ弾性梁13の長さ[m],厚さ[m]、幅[m]であり、S,tは振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の面積[m2],厚さ[m]であり、E,ρは弾性梁13に用いているシリコンのヤング率[Pa],密度[kg/m3]である。式(2)から弾性梁13の長さ,厚さ及び幅を変えることで、バネ定数kを変化させることができ、対象周波数範囲を所定の値に設定することができる。
【0025】
本発明の実施の形態に係る音響解析装置において、支持基板(半導体基板)11aと振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・との間に電圧Ψを印加すると、静電気力により振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が変位し、これにより、振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・を繋いでいる弾性梁13のバネ定数kが:
Δk=ε×S/d×Ψ ・・・・・(4)
だけ変化し、振動子アレイの1次の固有振動数(基本波振動数)fを変化させることができる。ここで、ε、dは、空気の誘電率及び支持基板(半導体基板)11aと振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・との間の距離である。即ち、本発明の実施の形態に係る音響解析装置の「共振周波数制御手段」は、このように、静電気力により振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・を変位させ、振動子アレイの共振周波数を変化させている。
【0026】
この状態で更に、音声が入力すると、各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・は音声の入力方向に対して変位する。例えば、特定の話者の音声の基本周波数F1に振動子アレイの1次の固有振動数fを設定しておけば、この特定の話者の音声が本発明の実施の形態に係る音響解析装置に入力すれば、この音声入力に対して高感度で応答したスペクトルが得られることになる。
【0027】
図3(a)及び(b)に示すように、7個の振動子からなる1次元振動子チェーン(振動子鎖)の横波の振動モードは、基本波モード(基本周波数f1)の場合には、音圧に応じて中央部分が腹となるように中央の振動子Vi,jの変位が大きい。
【0028】
一方、周波数f2の第2高調波の場合には、1次元振動子チェーンは図4のような横波の振動モードになる。図4では振動子チェーンを構成する中央の振動子Vi,jは節になり、その変位はゼロであるが、左側の振動子Vi,j-1,Vi,j-2及び右側の振動子Vi,j+1,Vi,j+2の変位が大きい。図示を省略しているが、周波数f3の第3高調波の場合には、振動子チェーンの中央の振動子Vi,jの変位が大きくなり、左側の振動子Vi,j-2及び右側の振動子Vi,j+2が節になり、その変位はゼロである。そして、左側の振動子Vi,j-3,Vi,j-1及び右側の振動子Vi,j+1,Vi,j+3の変位が大きくなる。
【0029】
一般には、音声波形は基本波周波数F1,第2高調波周波数F2,第3高調波周波数F3,・・・・・のそれぞれの固有モードの重ね合わせとなる。このため、各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・はそれぞれ固有モードの振幅及び位相情報を持つ。
【0030】
図9は、本発明の実施の形態に係る音響解析装置の振動子の変位を検知する「変位検知手段」、即ち検出回路の一例を表している。図9では、図2に示したそれぞれの振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と支持基板(半導体基板)11a間の静電容量Ci,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・・を可変容量コンデンサC0で代表して示している。可変容量コンデンサC0には電源電圧Vbiasが印加されている。可変容量コンデンサC0の電位は、オペアンプ91の反転入力端子に入力される。オペアンプ91の反転入力端子と出力端子間にはコンデンサC1が接続され、反転入力端子側の寄生抵抗を利用して積分回路(積分器)を構成している。コンデンサC1にはスイッチSW1が並列接続されている。オペアンプ91の出力は、コンパレータ92の一方の入力端子に接続されている。コンパレータ92の他方の入力端子には、基準電圧Vrefが入力される。
【0031】
振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と支持基板(半導体基板)11a間の静電容量Ci,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・・は、振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と支持基板(半導体基板)11a間の距離がΔdi,jだけ変化すると、このΔdi,jが十分に小さければ、それぞれ:
ΔCi,j=ε×S/Δdi,j ・・・・・(5)
だけ変動すると近似できる。各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・にはドープドポリシリコンのバネ(弾性梁)13を通じて配線が施されている。このため、振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の変位に応じて電荷の移動が起こり、各端子からは変位に応じた電圧が発生する。静電容量Ci,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・と並列接続されたスイッチSW1を開放すると、静電容量Ci,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・の電位の時間積分がオペアンプ91で開始される。即ち、静電容量Ci,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・の電位をオペアンプ91で時間積分し、その積分出力となる出力電圧を基準電圧Vrefとコンパレータ92で比較する。例えば、図2に示された振動子アレイに基本波周波数F1が入力された場合には0011100、第2高調波周波数F2が入力された場合には00110110とデジタル出力される。よって、図9に示すようにコンパレータ92を用いると、フーリエ変換せず、周波数成分を直接デジタル化することができる。即ち、音声解析に、A/Dコンバータ及びFFTが不要となる。なお、特定話者のスペクトルと比較することで、音声認証にも使用することができる。
【0032】
図2では表面からのみエッチングを行っているため、半導体基板11aとしてのシリコン基板を貫通させる穴はないが、図5及び図6のように半導体基板11b,11cの裏面よりエッチングをすることで貫通穴を作成することも可能である。この場合、振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と半導体基板11b,11c間の静電容量Ci,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・を直接読み取ることが難しくなるため、横方向の静電容量やピエゾ抵抗、或いは光学的に振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の変位を測定する等の手法が採用できる。これによって、半導体基板11b,11cの裏面からも音波が出入りできるようになり、マイクロフォンの指向性を改善させることができ、周囲の雑音に対して抑圧すること、左右からの入力に対して音源を特定することができるようになる。
【0033】
図7及び図8は実際の平面パターンを示す。図7に示す本発明の実施の形態に係る音響解析装置は、上面に凹部を備えた支持基板(図示省略)の上に構成されている。即ち、この支持基板の周辺部において、凹部を囲んで配置された固定枠12と、固定枠12に両端部を固定され、行方向及びこの行方向に直交する列方向にそれぞれ伸延し、凹部と固定枠12がなす空間に格子を構成するように配置された複数の配線梁21と、格子の窓部にそれぞれ配置され、音響入力によりそれぞれ振動し、振動子アレイを構成する複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・と、複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれと配線梁21とを接続する弾性梁22とを備えている。図7の水平方向(行方向)の配線梁21にはワード線が埋め込まれている。それぞれのワード線は、固定枠12の内部に形成されたワード線ドライバ(図示省略)に接続されている。又、図7の垂直方向(列方向)の配線梁21にはビット線が埋め込まれている。それぞれのビット線は、固定枠12の内部に形成されたビット線ドライバ(図示省略)及びセンスアンプ(図示省略)に接続されている。弾性梁22も、図10に示すようにドープドポリシリコン膜からなる配線層が含まれている。そして、この配線梁21と弾性梁22を介して複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれと固定枠12とは電気的に接続されている。
【0034】
そして、複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれと凹部の表面との間に印加する電圧により、複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の共振周波数を変化させ、且つ複数の振動子のそれぞれが凹部の表面となす容量の変化により複数の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・のそれぞれの変位を検知し、この検知結果を用いて、音響入力のスペクトル解析を行い、インテリジェント・マイクロフォンとして機能する。
【0035】
このインテリジェント・マイクロフォンにおいては、センスアンプの出力が、図9に示したオペアンプ91に入力され、このオペアンプ91の出力電圧が基準電圧Vrefとコンパレータ92で比較される。したがって、固定枠12の内部にオペアンプ91及びコンパレータ92を集積化しても良い。
【0036】
図7では、配線梁21がなす格子の窓部にそれぞれ正方形の平面パターンの振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が配置されているが、振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の平面パターンは正方形に限定されるものではない。図7においては、それぞれの振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・のパターンの四隅とこの四隅に対向する配線梁21の窓の四隅のそれぞれの間にドープドポリシリコンからなる弾性梁22で接続されている。つまり、それぞれ、4本の弾性梁22で各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が配線梁21に対し懸架されている。格子状の配線梁21は配線機能と同時に弾性体としての機能も有するので、配線梁21と弾性梁22とで、図1に示した弾性梁13と等価な機能を実現している。即ち、配線梁21と弾性梁22との全体で図3及び図4に例示した振動モードを可能にしている。
【0037】
図8のパターンも図7のパターンと同様に、半導体基板の周辺部に設けられた固定枠12に格子状の配線梁21が設けられ、この配線梁21がなす格子の窓部にそれぞれ正方形の平面パターンの振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が配置されている。図8の水平方向(行方向)の配線梁21には、図7と同様に、ワード線が埋め込まれている。それぞれのワード線は、固定枠12の内部に形成されたワード線ドライバ(図示省略)に接続されている。又、図8の垂直方向(列方向)の配線梁21にはビット線が埋め込まれている。図8のC−C方向から見た断面図が、図10であり、図10の配線梁21にはメタル配線からなるビット線48が示されている。それぞれのビット線は、固定枠12の内部に形成されたビット線ドライバ(図示省略)及びセンスアンプ(図示省略)に接続されている。しかし、図8においては、周辺部の振動子・・・・・,Vi-3,j,・・・・・,Vi-2,j,・・・・・,Vi+ ,j,・・・・・Vi+3,j,・・・・・のパターンの四辺とこの四辺に対向する配線梁21の窓の四辺のそれぞれの間は、折れ曲り箇所がなく直線状の第1弾性梁22aで接続され、中央部の振動子Vi-1,j-1,・・・・・,Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・,Vi+1,j,・・・・・のパターンの四辺とこの四辺に対向する配線梁21の窓の四辺のそれぞれの間は、2箇所で90°に折れ曲った第2弾性梁22bで接続されている。
【0038】
第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bはそれぞれドープドポリシリコンから構成され、梁の長さ方向に垂直な断面形状も同じである。材料が同一であるので、第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bのヤング率E及び密度ρは同じであるが、第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bの長さLが異なるので、式(2)から明らかなように、第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bのバネ定数kは互いに異なる値である。第1弾性梁22a、第2弾性梁22b及び配線梁21の全体で、図3及び図4に例示した振動モードを可能にしている。但し、図8に示す構造では中央部と周辺部の第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bのバネ定数kが異なるように構成されているため、中央部と周辺部では共振周波数が異なる。マイクロフォンの感度を変化させることができ、周波数帯域(ダイナミックレンジ)を広げることが可能となっている。
【0039】
図8のC−C方向から見た断面図である図10においては、第2弾性梁22b中にドープドポリシリコン46が示されている。このドープドポリシリコン46は、図10の配線梁21において、メタル配線(ビット線)48の下層の配線としても存在する。図10の断面図には現れていないが、紙面の奥の配線梁21の内部でコンタクトホールを介して、上層のメタル配線(ビット線)48と下層のドープドポリシリコン配線46とは互いに接続されている。このため、ドープドポリシリコン46からなる配線は、それぞれの振動子・・・・・,Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が検出した容量値を電圧信号として、メタル配線(ビット線)48に伝達することができる。
【0040】
図8のC−C方向から見た断面図である図11及び図12を用いて、図10に示す本発明の実施の形態に係る音響解析装置の製造方法を示す。なお、以下に述べる音響解析装置の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である。
【0041】
(イ)まず、図11(a)に示すように、単結晶Siからなる半導体基板11上に埋め込み絶縁膜42、単結晶Si層からなる半導体層(SOI層)43が順次積層された、いわゆるSOI基板を準備する。半導体基板11は、比抵抗0,01Ω・cm〜0,02Ω・cmの低比抵抗のSi基板が好ましい。
【0042】
(ロ)次に、フォトリソグラフィー等の技術を用いて、図8に示す配線梁21,第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bの形成予定領域の半導体層(SOI層)43を、例えばRIE等の技術により選択的にエッチング除去し、溝部を形成する。この溝部に酸化膜44をCVD法等の技術により埋め込み、化学的機械研磨(CMP)法等の技術で図11(b)に示すように平坦化する。
【0043】
(ハ)更に、半導体層(SOI層)43の表面にCVD法により、厚さ50nm〜100nmの第1層間絶縁膜45を形成する。次に、第1層間絶縁膜45の上の全面にCVD法によりポリシリコン膜46を300nm〜600nm程度、例えば400nm堆積する。次にフォトレジスト膜(以下において、単に「フォトレジスト」という。)をポリシリコン膜46の表面にスピン塗布する。そして、フォトリソグラフィー技術により、フォトレジストをパターニングする。そして、このフォトレジストをマスクとして、RIE法等によりポリシリコン膜46を図11(c)に示すようにエッチングする。そして、パターニングしたポリシリコン膜46にヒ素イオン(75As)、燐イオン(31)或いは硼素イオン(11)等の不純物イオンをドーズ量1015cm−2のオーダーでイオン注入する。初めからこれらの不純物を添加したドープドポリシリコン膜46を第1層間絶縁膜45の上に堆積した後、図11(c)に示すようにエッチングしてパターニングしても良い。
【0044】
(ニ)次に図12に示すように、ポリシリコン膜46の表面にCVD法を用いて、第2層間絶縁膜47としてノンドープ酸化膜(NSG)、PSG膜、BSG膜、BPSG膜等の酸化膜を厚さ0.5μm〜1.0μm程度に形成する。そして、配線梁21形成予定のパターンの一部に、ポリシリコン膜46の一部を露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口は、フォトリソグラフィー技術とRIE法等によれば良い。そして、この第2層間絶縁膜47の上に、スパッタリング法又は電子ビーム真空蒸着法等によりチタン(Ti)、タングステン(W)等からなる金属膜を堆積する。金属膜は、配線梁21形成予定のパターンの一部に開口されたコンタクトホールの内部にも埋め込まれる。その後、フォトリソグラフィー技術等を用いたメタライゼーション技術により、金属膜をパターニングすれば、図12(a)に示すようなメタル配線48が形成される。メタル配線48は、図7及び図8に示した配線梁21に埋め込まれるワード線及びビット線を構成するが、メタル配線48とこの下層のポリシリコン膜46の配線とは、コンタクトホールを介して接続される。更に、メタル配線48及び第2層間絶縁膜47の上に、CVD法を用いて厚さ1.0μm程度のパッシベーション膜49を形成する。パッシベーション膜49としては、PSG膜、BSG膜、BPSG膜、若しくは窒化膜、或いはこれらの複合膜等を使用しても良い。そして、CMP法等を用いて図12(a)に示すように平坦化する。
【0045】
(ホ)更に、フォトリソグラフィー技術及びRIE法若しくはECRイオンエッチング法等で溝部51を形成し、図12(b)に示すように、配線梁21、第1弾性梁22a及び第2弾性梁22bを分離する。
【0046】
(ヘ)その後、このエッチングで露出した半導体基板11の表面の一部を、引き続き、単結晶Siの異方性エッチャント、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等の薬液を用いて、異方性エッチングを行えば、図10に示すような各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が配線梁21に対し懸架された構造ができる。更に、半導体基板11の裏面にCVD法で酸化膜を堆積し、フォトリソグラフィー技術を用いてドライ又はウエットで酸化膜をエッチングした後、この酸化膜をマスクとして、TMAHなどで半導体基板11を異方性エッチングすることで裏面溝52が形成され、図10に示した本発明の実施の形態に係る音響解析装置が完成する。
【0047】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0048】
例えば、図7で説明した実施の形態の説明においては、配線梁21が弾性体として機能し、配線梁21と弾性梁22との全体で図3及び図4に例示した振動モードを可能にする場合を説明したが、行方向の配線梁21の剛性を強くし、固定梁として機能させても良い。この場合、行方向に各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が弾性梁を介して相互に結合し、これにより振動子チェーン(振動子鎖)を構成し、各行毎に異なる共振周波数の振動子チェーンになるように弾性梁22のバネ定数若しくは、振動子の質量を異なるようにすれば、極めて広帯域の音響解析装置が提供できる。
【0049】
又、半導体基板11a,11b,11cを、低比抵抗のSi基板とし、それぞれのコンデンサCi,j-1,Ci,j,Ci,j+1,・・・・・に共通の電極となる例を示したが、半導体基板11a,11b,11c側に、各行に独立したメタル配線等の配線層を設け、各行毎に異なる電位を与え、各行をそれぞれ独立に共振周波数を制御可能なようにして、共振周波数制御手段を構成し、音響解析装置に学習可能な機能を付与させても良い。
【0050】
或いは、列方向の配線梁21の剛性を強くし、固定梁として機能させ、列方向に各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・が弾性梁を介して相互に結合し、これにより振動子チェーンを構成し、各列毎に異なる共振周波数の振動子チェーンになるように弾性梁22のバネ定数若しくは、振動子の質量を異なるようにしても良い。更に、半導体基板11a,11b,11c側に、各列に独立した配線層を設け、各列毎に異なる電位を与え、各列をそれぞれ独立に共振周波数を制御可能なように共振周波数制御手段を構成しても良い。
【0051】
更に、行方向及び列方向の配線梁21をともに固定梁として機能させ、各振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・を独立に振動させる振動モードも可能である。そして、2次元マトリクスとして配列された個々の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の共振周波数をすべて異なるようにし、或いは、個々の振動子Vi,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・の共振周波数をすべて独立に制御するように共振周波数制御手段を構成し、振動させても良い。
【0052】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、音響入力に対してそれぞれの振動子の振幅及び位相情報が得られ、周波数毎の振幅が解析でき、ノイズの除去が容易になる。この結果、音声入力の場合は、特定の話者に応じたスペクトルが得られて、音声認識率が改善された音響解析装置を提供できる。
【0054】
更に、本発明によれば、ノイズのある場所においても、特別な学習をさせることなく、不特定多数の会話を認識できる音響解析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る音響解析装置の振動子アレイの模式的な平面パターンである。
【図2】図1のA−A方向から見た模式的断面図である。
【図3】基本波モード(基本周波数f1)における本発明の実施の形態に係る音響解析装置の振動子アレイの振動モードを示す模式的断面図である。
【図4】第2高調波(周波数f2)における本発明の実施の形態に係る音響解析装置の振動子アレイの振動モードを示す模式的断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例に係る音響解析装置の振動子アレイの模式的断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の他の変形例に係る音響解析装置の振動子アレイの模式的断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る音響解析装置の振動子アレイの具体的構造を示す平面パターンである。
【図8】本発明の実施の形態に係る音響解析装置の振動子アレイの他の具体的構造を示す平面パターンである。
【図9】本発明の実施の形態に係る音響解析装置の検出回路の一例を示す回路図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例に係る音響解析装置の振動子アレイの具体的な断面図である。
【図11】図10に示した振動子アレイの製造方法を説明する工程断面図である(その1)。
【図12】図10に示した振動子アレイの製造方法を説明する工程断面図である(その2)。
【図13】従来の音声認識方法を説明するフローチャートである。
【図14】従来の音声分析システムを説明するブロック図である。
【図15】従来の周波数分析用メカニカル・フィルタの構造を説明する平面図である。
【符号の説明】
11,11a,11b,11c…半導体基板
12…固定枠
13,22…弾性梁
21…配線梁
22a…第1弾性梁
22b…第2弾性梁
42…絶縁膜
43…半導体層
44…酸化膜
45…第1層間絶縁膜
46…ポリシリコン膜(ドープドポリシリコン膜)
47…第2層間絶縁膜
48…メタル配線
49…パッシベーション膜
51…溝部
52…裏面溝
91…オペアンプ
92…コンパレータ
101…Si基板
104…標準パターン
111…終端
112…ダイアフラム
115…横梁
201…マイクロフォン
203…コンバータ
204…FFT装置
0…可変容量コンデンサ
1…コンデンサ
bias…電源電圧
i,j-1,Vi,j,Vi,j+1,・・・・・…振動子
ref…基準電圧

Claims (13)

  1. 音響入力によりそれぞれ振動し、それぞれ同一質量を有した複数の振動子と、
    振動子チェーンを構成するように、前記複数の振動子の相互間を順に行方向に接続する複数の弾性梁と、
    前記振動子の変位を検知する変位検知手段と、
    静電気力により、前記複数の弾性梁のバネ定数を変化させ、前記振動子チェーンの共振周波数を変化させる共振周波数制御手段
    とを備え、前記変位検知手段の出力により、前記音響入力のスペクトル解析を行うことを特徴とする音響解析装置。
  2. 上面に凹部を備えた支持基板と、
    該支持基板の周辺部において、前記凹部を囲んで配置された固定枠と、
    前記凹部と前記固定枠がなす空間に、振動子チェーンの一部をなすように配置され、音響入力によりそれぞれ振動し、それぞれ同一質量を有した複数の振動子と、
    前記複数の振動子のうち前記固定枠に最近接となる端部振動子と前記固定枠とを接続し、且つ該端部振動子と他の振動子とを相互間を順に行方向に接続し、前記振動子チェーンを構成する複数の弾性梁
    とを備え、前記複数の振動子のそれぞれと前記凹部の表面との間に印加する電圧により、前記複数の弾性梁のバネ定数を変化させ、前記振動子チェーンの共振周波数を変化させ、且つ前記複数の振動子のそれぞれが前記凹部の表面となす容量の変化により前記複数の振動子のそれぞれの変位を検知し、該検知結果を用いて、前記音響入力のスペクトル解析を行うことを特徴とする音響解析装置。
  3. 各行毎に、互いに異なる共振周波数の振動子チェーンを列方向に複数本配列し、振動子アレイを構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の音響解析装置。
  4. 上面に凹部を備えた支持基板と、
    該支持基板の周辺部において、前記凹部を囲んで配置された固定枠と、
    前記固定枠に両端部を固定され、行方向及び該行方向に直交する列方向にそれぞれ伸延し、前記凹部と前記固定枠がなす空間に格子を構成するように配置された複数の配線梁と、
    前記格子の窓部にそれぞれ配置され、音響入力によりそれぞれ振動し、振動子アレイの一部を構成する複数の振動子と、
    前記複数の振動子のそれぞれと前記配線梁とを接続する弾性梁
    とを備え、前記複数の振動子のそれぞれと前記凹部の表面との間に印加する電圧により、前記複数の振動子の共振周波数を変化させ、且つ前記複数の振動子のそれぞれが前記凹部の表面となす容量の変化により前記複数の振動子のそれぞれの変位を検知し、該検知結果を用いて、前記音響入力のスペクトル解析を行うことを特徴とする音響解析装置。
  5. 前記配線梁と前記弾性梁を介して前記振動子と前記固定枠とは電気的に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の音響解析装置。
  6. 各行毎に、互いに異なる共振周波数の振動子の配列を構成し、前記振動子アレイを構成することを特徴とする請求項4又は5に記載の音響解析装置。
  7. 前記弾性梁は、
    前記振動子チェーンの一部に用いられる第1弾性梁と、
    前記振動子チェーンの他の一部に用いられ、且つ前記第1弾性梁とはバネ定数が異なる第2弾性梁
    とを含むことを特徴とする請求項に記載の音響解析装置。
  8. 前記弾性梁は、
    前記振動子チェーンの一部に用いられる第1弾性梁と、
    前記振動子チェーンの他の一部に用いられ、且つ前記第1弾性梁とはバネ定数が異なる第2弾性梁
    とを含むことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載の音響解析装置。
  9. 前記弾性梁は、
    前記振動子アレイの一部に用いられる第1弾性梁と、
    前記振動子アレイの他の一部に用いられ、且つ前記第1弾性梁とはバネ定数が異なる第2弾性梁
    とを含むことを特徴とする請求項〜6のいずれか1項に記載の音響解析装置。
  10. 前記支持基板には、前記振動子の下方から前記音声入力を印加するように前記支持基板を貫通する裏面溝を備えることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の音響解析装置。
  11. 前記容量の変化に伴う電圧の変化を入力するオペアンプと
    該オペアンプの出力と基準電圧とを比較するコンパレータ
    とを更に備えることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の音響解析装置。
  12. 前記オペアンプ及び前記コンパレータが前記固定枠に集積化されていることを特徴とする請求項11に記載の音響解析装置。
  13. 前記振動子は半導体層を少なくとも一部に有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の音響解析装置。
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