JP3809934B2 - 車両の遠隔制御システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両のドアの施錠、解錠を無線方式で自動的に行なう車両の遠隔制御システム、より具体的にいえば、車両に固有のコ−ドを割り当てられた電子キーすなわちエントリキー(携帯送受信機付き)を携帯した使用者(運転者)が予定距離以上車両から離れたら車両のドアを自動的に施錠し、反対に予定距離範囲内に近付いたら、施錠されているドアを自動的に解錠する、車両の遠隔制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載した送信機から、当該車両を中心としたある予定範囲内で受信可能な(以下、「予定通信エリアを有する」ということがある)送信要求信号を送信しておき、その受信に応答して、車両毎に固有のコ−ドを割り当てられた返送信号を送信するエントリーキー(携帯送受信機付き)を携帯した使用者(運転者)が車両から予定距離範囲外に出て前記エントリーキーが前記送信要求信号を受信しなくなり、その返送信号を返送しなくなると車両のドアが自動的に施錠され、反対に前記エントリキーが予定距離範囲内に入ってきて前記送信要求信号を受信すようになり、返送信号を返送すると前記ドアが自動的に解錠されるようにした、いわゆる「ウェルカム機能」を備えた車両ドアの施錠/解錠遠隔制御システムが知られている。
【0003】
例えば特開平5−106376号公報や特開平10−25939号公報には、ある予定通信エリアを有する送信要求信号を、車両に設けた車載送信機から間欠的に送信し、車両の使用者が携帯するエントリキーが前記通信エリア内にあって前記送信要求信号が受信されると、これに応答して返送信号を返送させ、車両側の車載受信機がこの返送信号を受信すると、この返送信号が正規のものかどうかを判定し(ウェルカムコード判定)、正規の信号であるときは当該車両のドアを自動的に解錠し、一方前記返送信号が正規のものでないときや、前記エントリキーが前記通信エリア外にあって前記車載受信機が前記返送信号を受信しないときは前記ドアを施錠する、いわゆるウェルカム機能を備えた車両ドア施錠/解錠遠隔制御システムが開示されている。
【0004】
これによれば、車両の使用者はエントリキーを携帯しているだけで、何等の注意も操作もする必要なしに、車両から予定距離以上離れればドアが自動的に施錠され、反対に予定距離範囲内に近付けば自動的にドアが解錠されるので、ドアの施錠忘れを無くし、盗難などを効果的に防止できると共に、車両に戻ったときに解錠する手数が省けるという利便性が期待される。
【0005】
このような従来装置では、前記通信エリアを狭く(例えば、1m以内に)設定しておけば、降車時にドアが自動施錠されるのを確認することが容易であり、送信電力も小さくて済むのでバッテリの消耗が少なく、さらにIDコ−ド(車両に特有の識別コ−ド)が他人によって傍受されるのも確実に防止できる利点がある。なおドアの施錠は、ドアロック機構の作動音やシルコンスイッチのロック位置への移動などによって聴覚的、視覚的に確認される。
【0006】
また特開平10−153025号公報の装置では、前記送信要求信号送信用とは別に、中程度の広さの領域内への物体侵入を検知するための送信アンテナを車両側に付設し、物体すなわち運転者の前記領域への入来が検知されたときに狭い通信エリアの送信要求信号を車両側から送信し、運転者のエントリキーによる前記送信要求信号の受信を示す返送信号が返送されたときにドアを解錠する一方、ドアの施錠のためには広い通信エリアの別個の第2の通信手段を準備し、第2通信手段での交信が不能になった時点でドアを施錠するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術において、前記送信要求信号の通信エリアを広く設定した場合には、使用者が車両に近づいていることを車両側で早く検出することができるため、乗車時にドアをアンロンクさせる確実性が向上され、これによって、使用者は手動でドアアンロックを行なう必要がなくなり、ドアアウタハンドルを操作するだけで簡単に乗車できるので、利便性が向上する。
【0008】
しかし、通信エリアが広いため、使用者が車両から遠くに離れなければドアロックが行われなくなり、使用者はドアがロックされたことを確認しにくく(前述のように、通常ドアロック機構の作動音やロック位置に移動したシリコンSWで確認する)、また、エントリーキーを持った乗員が車両の近くで作業(トランクの荷物整理)しているときにはドアがロックされないので、第3者によってドアが開けられて車室内の物品が盗まれる可能性があるという問題点があった。
【0009】
特に、エントリーキーが車両から離れる場合には、乗員は、車両に背を向けており、予定通信エリアが大きいほど、降車後に解錠状態に保たれる時間が長くなるので、盗難に遭う危険性が多くなる。また、広い通信エリアに送信要求信号を送信するために大電力を必要とし、電力消費量が大きくなってバッテリの消耗が著しくなる。
【0010】
その対策として、前記送信要求信号の通信エリアを狭く設定した場合、例えば、特開平10−25939号公報に示されるように、各ドアのごく近傍(約1m)で送信要求信号が受信されなくなってドアがロックされる場合には、降車時のドアロックが確実に確認でき、またIDコード(認識番号)の傍受を防止することが可能となるとともに、送信出力を下げることができるので電力の消費量も抑えることができる。
【0011】
しかし、この場合は乗車時にドアをアンロックさせる確実性は低下する。すなわち、送信要求信号送信のための電力消費量を抑えるために、一般的に、車両から送信される起動信号は間欠送信されている。交信エリアが広ければ、送信間隔を長く設定しても交信エリア移動中の使用者との交信が可能であるから、乗員がドアの位置に到達したときにはドアのアンロックが完了されている。
【0012】
しかし、交信エリアが狭い揚合は、急いで乗車するために走ってきたときには、エントリキーと車両側送信機、受信機との間の交信が完了せず、乗員がドアの位置に到達したときにはドアがアンロックされていないため、何回もドアアウタハンドルを操作しなければならないという事態が発生する可能性があり、商品価値がなくなってしまうという問題点がある。この問題点を解決するために、送信要求信号の送信間隔を短く設定することも考えられるが、反って消費電力が増し、バッテリに負担がかかってしまう。
【0013】
一方、前記特開平10−153025号公報の装置では、送信要求信号送信のための電力消費量を低減できる可能性はあるが、物体侵入検知用の送信アンテナを別個に設ける必要があり、構造の複雑化とコスト高をもたらす傾向があり、さらにそのための電力消費が加算されるという問題がある。のみならず、当該車両のエントリキー(使用者)とは異なる第3者や物体が近付いたときにも送信要求信号を送信するので電力消費量の点で改善の余地がある。さらに解錠の前提要件として、エントリキーが正当なものであるかどうかを判定するための交信エリアが狭いので、運転者が急いで車両に近付くような場合には、車両に到達したときに未だドアが解錠されていないことがあり、折角の自動解錠機能が有効に機能しないという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、車両からエントリキーまでの距離に応じた適切な予定制御を車両のドアなどの車載機器に対して行うことのできる車両の遠隔制御システムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の車両の遠隔制御システムは、車両に搭載され、互いに異なる予定範囲内で受信可能な複数の送信要求信号を車外に向かって送信する送信機と、前記送信要求信号を受信して返送信号を送信する携帯送受信機と、車両に搭載され、前記携帯送受信機から返送された返送信号を受信する受信機と、前記受信機による前記返送信号の受信の有無に応じて、車載機器を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段が、最大の予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に対応する返送信号が前記受信機によって受信されることで、最大の予定範囲内に前記携帯送受信機が存在すると認識するとともに、最大の予定範囲内で受信可能な送信要求信号の他に、最大の予定範囲より小さい予定範囲で受信可能な送信要求信号を前記送信機に送信させ、最大の予定範囲より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に対応する返送信号が前記受信機によって受信されるか否かに応じて、車両のドアの解錠および施錠の少なくとも一方を制御する点に特徴がある。
【0016】
また本発明の請求項2に記載の車両の遠隔制御システムは、前記のような予定範囲内で受信可能な複数の送信要求信号をそれぞれ送信し、前記受信機による前記返送信号の受信時間間隔に基づいて、前記携帯送受信機がどの予定範囲内に位置しているかを判別し、前記携帯送受信機が位置する予定範囲に応じて予め決められた態様で車載機器の制御を実行することを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の車両の遠隔制御システムは、送信要求信号が間欠的に送信され、その際、より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号が、より大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信間隔の間に少なくとも1回送信されることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の車両の遠隔制御システムは、前記携帯送受信機から返送される前記の各返送信号が、どの予定範囲内で受信可能な送信要求信号に応答するものかに応じて、互いに識別可能であることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の車両の遠隔制御システムは、乗員が降車してエントリキーが車両から遠ざかっているときは、ある予定範囲内で受信可能な送信要求信号に対応する返送信号が車載受信機で受信されなくなることに応答して、それよりも大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を車載送信機から送信し、同様にして順次に大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の車両の遠隔制御システムは、エントリキーが遠方から車両に近付いているときは、ある予定範囲内で受信可能な送信要求信号に対応する返送信号が車載受信機で受信されるようになったときに、それよりも小さな予定範囲内で受信可能な送信要求信号を車載送信機が送信し、同様にして順次に小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信する点に特徴がある。
【0021】
さらに請求項7に記載の車両の遠隔制御システムは、乗車検出手段による乗車操作検出に応答して、前記送信機が車内で受信可能な送信要求信号を送信することを特徴とする。
【0022】
請求項1の発明によれば、携帯送受信機(エントリキー)を所持する乗員から車両までの距離をきめ細かく判断することが可能になり、適切な距離の時に、ドアなどの車載機器を制御できるので、車両ドアの解錠、施錠などの車載機器制御の利便性と盗難防止機能の向上とを両立させることが可能になる。
【0023】
請求項2の発明によれば、互いに異なる複数の、予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に応答する携帯送受信機からの返送信号に含まれるコ−ドを異ならせなくても、返送信号の車両側での受信時間間隔に基づいて、携帯送受信機を所持する乗員から車両までの距離範囲を判別できるので、前記距離範囲に応じた適切な車載機器制御ができるのみならず、携帯送受信機の送信機の構造および車両側制御手段のコ−ド判別動作を一層簡略化することができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、携帯送受信機からの返送信号も間欠送信となり、請求項2の場合と同様の作用、効果が期待できる。
【0025】
請求項4の発明によれば、受信可能範囲の異なる送信要求信号の受信に応答して携帯送受信機から送信される返送信号が互いに異なるので、車両側の制御手段は受信した返送信号のみに基づいて、携帯送受信機から車両までの距離範囲を的確に判別できるので、前記距離範囲に応じた適切な車載機器制御を行うことができる。
【0026】
請求項5、6の発明によれば、乗員の降車時には、乗員が所持する携帯送受信機が車両から遠去かるにつれて、より大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信し、受信されなくなった、より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信は順次停止し、一方、携帯送受信機が十分遠方から車両に近付く時は最大予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に応答する返送信号が車両側で受信されるまでは、より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信は行なわれない。
【0027】
すなわち、携帯送受信機が前記最大予定範囲の外にあるときは、当該最大予定範囲内で受信可能な送信要求信号のみしか送信されず、最大の予定範囲で受信可能な送信要求信号に対応する返送信号が車両側で受信された場合のみ、より狭い予定範囲で受信可能で、実際に車両ドアのロック、アンロックなどを制御するための送信要求信号が送信されるので、送信要求信号の送信を必要最小限に抑えて車両バッテリの消費電力量を節減することができる。
【0028】
請求項7の発明によれば、携帯送受信機を所持する乗員が乗車して車内にいることを的確に判断でき、かつ車内で受信可能な送信要求信号の受信に応答する携帯送受信機からの返送信号に基づいて、車室内で操作される車載機器の制御が行なわれるので、盗難防止機能をさらに向上することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の一実施例を適用した車両用エントリキー装置を詳細に説明するが、具体的説明に入る前に、以下の説明および図面に使用する各種フラグ、ビットが1のときの意味、およびタイマの意味を列記して説明する。
AREC =Aコ−ド受信
ATM =A送信要求信号送信
BCHG =スモールB送信要求信号からラージB送信要求信号送信への切り換え判定開始
BLTM =ラージB送信要求信号送信
BREC =Bコ−ド受信
BSTM =スモールB送信要求信号送信
I(変数)=Aコードの連続受信回数
IMCHK=イモビチェックを開始
IMDONE=イモビチェック済
IMOK =イモビチェック結果
m(変数)=タイマT−OUTの設定値
MOD(n,m)=除算n/mの余り
n(変数)=送信すべき送信要求信号の種別設定用
OUT =A送信要求信号通信エリア外にある
RCHK =車両近傍不存在判定タイマT−OUTが始動済
RF1/2=リフレッシュ手順1/2の処理済
T−BCHG=B送信要求の変更設定タイマ
T−IMCHK=イモビチェック時間設定タイマ
T−OUT=A送信要求信号通信エリア外を判定する時間設定タイマ
T−WR1/2=受信間隔第1/第2タイマ
送信要求信号タイマ割込み許可ビット=送信要求信号送信のタイマ割込み許可
まず、図1のブロック図を参照して、本発明の一実施例を適用した車両遠隔制御システムについて説明する。
【0030】
スマートエントリユニット1は、車両のバッテリなどの電源回路2、LF送信回路9a〜9cに接続される入出力回路3、後述するイグニッションSWユニット10に通信線32を介して接続されるバス通信回路4、記憶回路5、MOSFET6、入力回路7、およびこれらに接続され種々の制御を行うCPU8から構成され、さらに該CPU8にはRF受信回路9fが接続されている。また、前記入力回路7には、後述するエントリキー50から、手動操作によって送信されるマニュアルコードのみに応答するマニュアルモードに設定するためのマニュアルSW7aの他、パーキングSW7b、4個のドアSW7c、エンジンフードSW7d、およびドアキーシリンダSW7eなどが接続されている。
【0031】
通常は車両の運転者が保持管理するエントリキー50は、RF信号をアンテナを介して送信するRF回路51、ブザーなどの警報、表示器52、前記LF送受信回路9a〜9cから発信されたLF信号を受信して信号処理をする整流トリガ(TRIG)回路53、CPU54、電池55、および手動でドアをロックしたり、アンロックしたりするマニュアルコードを送信するための手動スイッチ56、57、ならびにこのような手動操作を許容・禁止するためのスイッチ58等から構成されている。なお、前記スイッチ56、57を1個のスイッチに統合し、操作ごとにロック、アンロックが繰り返されるようにすることもできる。
【0032】
前記イグニッションSWユニット10は、スマートエントリユニット1との間で、通信線32を介して信号の送受信をするバス通信回路11、電源回路12、記憶回路13、イモビ(盗難防止機能)用アンテナ14、低周波(LF)送受信回路15、キーの着脱を検出するキーSW16、イグニッション(IGN)SW17、該IGNSW17の接点位置を検出するIGNポジション検知部18、前記IGNSW17の回転端子を駆動するモータ19、該モータ19を駆動するモータドライバ20、キーシリンダに抜き差しされる予備キー(または、緊急キー)21、該予備キー21の抜取りを制限するインターロックACT(アクチュエータ)22、該インターロックACT22を駆動するACTドライバ23、および前記各部の動作を制御するCPU24から構成されている。また、該CPU24には、エンジンを始動するためのクイックスタートSW31が接続されている。
【0033】
次に、前記スマートエントリユニット1とエントリキー50の動作の概要について、図2、図3のタイミングチャートおよび図13の概念図を参照して説明する。図2はエントリキー50を所持している人(以下では、単に「エントリキー」ということがある)が遠方から車両1に近づいて乗車する時の接近検知に、また図3はこれとは逆に降車後に車両1から離れていく時の離隔検知にそれぞれ応答して車両のドアの施錠・解錠を制御するウェルカム機能を説明する図である。これらの図において、各送信要求信号の高さは信号の強さすなわち通信(可能)エリアの大きさを表わしている。
【0034】
エントリキーが車外にあり、かつ車両から十分に離れていてドアがロックされている降車または駐車状態においては、図2の左端に示されているように、車両からA送信要求信号(例えば、100KHz)が、第1の予定時間間隔(y秒間隔)で、図13に符号Aで示す最大通信エリア(例えば、4〜5m)を有する強度で発信されている。エントリキーを所持している人が、車両からA送信要求信号の通信エリアA内の距離にまで接近してきて、該エントリキーが時刻t1 に前記A送信要求信号を受信すると、これに応答してエントリキーは、前記A送信要求信号の受信を示すAコードを含む返送信号(以下、単に「Aコード」ということがある)を返送する。返送信号のフォーマットについては、図15を参照して後述する。
【0035】
車両側でこの返送信号を受信し、正規の返送信号であると判定されると、車両からは時刻t2 にラージエリアB送信要求信号(図13に符号Bラージで示す、例えば約1mの通信エリアを有する:例えば、300KHz)を第2の予定時間(x秒)間隔で発信する。ここでy>xであり、図示の例ではy=3xに設定されている。時刻t3 で、エントリキーが前記Bラージ送信要求信号を受信すると、エントリキー50はこれに応答したBコードを含む返送信号(以下、単に「Bコード」ということがある)を返送する。該Bコードを含む返送信号が正規のものであると判定されると、車両のドアロックがアンロックにされる。
【0036】
そこで、時刻t4 にドアが開けられ(ドアSWオン)、次いで時刻t5 に該ドアが閉められると、乗員が乗車し終ったと判断され、当該車内を通信エリアとするI(イモビ)送信要求信号が発信される。エントリキーが該I送信要求信号に応答したIコード(イモビコード)を含む返送信号を送信すると、車両側ではその正当性を確認するイモビチェック(イモビコード判定)を実行し、Iコードが一致すると、I送信要求信号の送信が禁止されると共に、時刻t6 にFI−ECU33をエンジン作動可能状態にする。
【0037】
続いて時刻t7 に、イグニッションSW(IGN.SW)がON位置まで回転されると、AおよびB送信要求信号の送信が停止されると共に、後述するリフレッシュ2処理が実行される。なおAおよびB送信要求信号の送信停止は、Iコードの一致またはドアの開閉に伴うドアスイッチのオン・オフ変化に応答して実行することもできる。
【0038】
次に、走行していた車両1が停車され、図3に示されているように、時刻t1 にIGN.SWがON位置からACC位置に回動されると、FI−ECU33はエンジン作動不能状態にされる。時刻t2 に、アンロック状態で、ドアSWがオフ(ドア閉)からオン(ドア開)になると、乗員が降車しようとしていると判断されてBスモール送信要求信号(図13に符号Bスモールで示し、例えば約0.5mの通信エリアを有する:例えば、300KHz)の送信が開始される。その後は予定の時間間隔(x秒)で、Bスモール送信要求信号が車両から送信される。さらに時刻t3 にドアSWがオンからオフ(ドア閉)に変化するのに応答して、I送信要求信号も予定の周期で送信され始める。
【0039】
エントリキーが車外に出ると、該エントリキーはI送信要求信号を受信しなくなる一方、前記Bスモール送信要求信号を受信するようになり、この受信に応答してBコードを含む返送信号を返送する。時刻t4 に、該Bコードを含む返送信号が受信されてその正当性が判定されると、A送信要求信号が出力され始める一方、I送信要求信号の送信が停止される。エントリキーは、AおよびBスモール送信要求信号を受信している間中は、その応答であるAおよびBコ−ドを返送しつづける。
【0040】
エントリキーが車両から次第に離れて、図13のBスモールエリアの外に出るとB送信要求信号は受信されなくなるので、Bコ−ドの返送はなくなる。車両側で、Aコードの受信とそのウェルカムコード判定のみが行われ、Bコードが予定期間の間受信されなくなると(実施例の場合は、Aコードが連続して受信される間、即ち、y秒間の間にBコードが一度も受信されないと)、最後のAコード判定時刻t7 においてドアがロックされる。
【0041】
エントリキーが車両から十分離れ、A送信要求信号も受信しなくなり、したがってAコードを返送しなくなってからT−OUTタイマの設定時間(m秒)が経過した時刻t8 以降は、A送信要求信号のみが予定周期y秒で間欠送信されるようになる。なお、変形例として、図3に点線で示すように、Bコ−ドが受信予想時刻に受信されなかった直後のAコ−ド受信時刻t5 でドアをロックしてもよい。
【0042】
次に、図4および図5のフローチャートを参照して、前記スマートエントリユニット1の動作の概要を説明する。
【0043】
当該システムに通電された時点で、システム全体の初期化が行われる(ステップS1)。ステップS2では、イグニッションスイッチ(以下、IGN.SW)がオンにされているか否かが判断される。図3のt1 時点で、停車のために乗員が該IGN.SWをオフにすると、手順はステップS3に進んでリフレッシュ1の処理、すなわちイモビ(盗難防止)システムに関する各種フラグの初期化が行われる。前記ステップS3の処理については、図7を参照して後述する。
【0044】
次のステップS5では、ドアがアンロック状態か否かの判断がなされ、ステップS6では、ドアSWがオンからオフに変化したか否か(すなわち車両のドアが開状態から閉じられたか)の判断がなされる。降車のためにドアを開閉するまでは、ステップS6の判断は否定であるから、処理はステップS9へジャンプし、ドアの施錠・解錠の手動スイッチ操作のみが可能なマニュアルモードに切換えるためのマニュアルSW7aがオンであるか否かが判断される。通常は、該マニュアルSW7aはオフにされている(すなわち、マニュアルモードが選択されていない)から、この判定は否定になる。ステップS10では、ドアSWがオフからオンに(すなわち、ドアが閉から開に)されたか否かが判断される。
【0045】
降車のために乗員がドアを開けると、ドアスイッチがオフからオンに変化するのでステップS10の判定が肯定になり、ステップS11においてBRECフラグが1かどうか(すなわち、Bコ−ドが受信されたかどうか)が判定される。初めは受信されないのでステップS12へ進んで、BSTMフラグが1に、また送信すべき送信要求信号の種別(A、Bスモール、Bラージのいずれか)を設定するための変数nが0にされる。
【0046】
該ステップS12は、どの送信要求信号を送信するかの選定をする処理であり、後述の説明から明らかなように、ここでは通信エリアの小さいBスモール送信要求信号送信を設定している。ステップS13では、送信要求信号送信処理の実行を許可するタイマ割込み許可ビットがセットされ、タイマ割込みによる前記送信要求信号送信が可能にされる。
【0047】
つぎのステップS14では、正規のIDコードが受信されたか否かが判断され、受信された場合は、次のステップS15で、機能コードが何であるかが判定される。すなわち、エントリキー50からの返送信号(AまたはBコード)、または手動操作のためのマニュアルコードが受信されたか否かの判定がなされる。最初は、ステップS14の判断は否定であるからステップS15Aへ進み、IMCHKフラグを参照してイモビチェックが行なわれているかどうかを判定する。この段階ではイモビチェックは行なわれていないから、処理はステップS30(図5)へジャンプするが、ステップS30の判断も否定になるのでフローS41に進む。フローS41の処理では、一定時間以上前記コードが受信されない時に、ウェルカム機能に関するフラグがイニシャライズされる。
【0048】
具体的には、ステップS31でOUTフラグを参照してエントリキーがA送信要求信号通信エリア外であるか否かの判断がなされる。最初は、A送信要求信号通信エリア外である旨の記録はされていない(すなわち、OUTフラグ=0)ので、ステップS32でRCHKフラグが1である(エントリキーが車両の近傍に存在しないことを判定する時間設定用のT−OUTタイマが始動されている)か否かの判断がなされ、この判断が否定の時にはステップS33に進んで、T−OUTタイマにm秒が設定される。このmは、m秒>y(=3x)秒≧z秒の関係を満足する大きさであるのが望ましい。ここで、図2に示されているように、yはA送信要求信号の送信間隔(または周期)、xはB送信要求信号の送信間隔であり、またzはI(イモビ)送信要求信号の送信間隔である。ステップS34では、RCHKフラグが1にされて前記T−OUTタイマが始動される。
【0049】
つぎのステップS35では、前記設定時間mが経過して前記T−OUTタイマが0になったか否かの判断がなされる。初めは上記時間mが経過していないのでステップS2へ戻る。
【0050】
乗員が降車し終ってドアが閉じられると、ドアスイッチがオンからオフに変化するのでステップS6の判断が肯定になり、ステップS7に進んでリフレッシュ1のフラグが0にされる。次のステップS8では、I送信要求信号送信処理が実行されるのを許可するタイマ割込み許可ビットがセットされ、タイマ割込みによるI送信要求信号の送信が可能になる。その後、処理はステップS14、S15A、S30およびフローS41を経てステップS2へ戻る。
【0051】
エントリキー50が車外へ移動されると、Bスモール送信要求信号が受信されるのでエントリキーはBコ−ドを返送する。エントリキー50から返送されるBコ−ドが車両側の受信機で受信されると、ステップS14の判断が肯定になる。これにより、処理はステップS15に進んで、受信したコードが、エントリキー50から送信された、ドアのロック・アンロック用手動スイッチの操作によるマニュアルコードであるか否かの判断がなされる。この判断が肯定の場合にはステップS16に進んでマニュアル処理(手動スイッチ操作によるコードを判定する処理:詳細説明は省略)がなされる。
【0052】
ここでは送信要求信号の受信に応答したBコードであるから、前記ステップS15の判断が否定になり、処理はステップS17に進んで前記マニュアルSWがオンにされているか否かが判断される。そして、該ステップS17の判断が肯定の時はステップS2に戻るが、ここでも否定になるのでステップS18に進んで、ウェルカムコード判定の結果に基づいて車両ドアのロック・アンロックを実行するウェルカム処理が実行される。
【0053】
次に図9および10を参照して、図4のステップS18のウェルカム処理の動作を、まず乗員がエンジンを停止して降車し、エントリキーが車両から遠ざかる場合について説明する。前述のように、乗員の降車が判定されると、ステップS12(図4)でBスモール送信要求信号送信が選択され、nが0にリセットされると共に、ステップS13でタイマ割込みによるB送信要求信号送信が可能化される。そして、対応するBコードの受信に応答してステップS18のウェルカム処理が始まる。
【0054】
まずステップS171では、エントリキーから返送されて車両側で受信されたAコードが一致したか否かの判断がなされるが、初めはA送信要求信号は送信されないので、この判定は否定になり、処理はステップS201へ進む。ステップS201で、受信したBコードが一致していると判断された時には、ステップS202に進んで、Bコ−ド受信を示すBRECフラグが1にされ、同時にAコ−ドの連続受信回数を示すIが0にされる。つぎのステップS204ではドアがアンロックされる。
【0055】
つぎのステップS209では、ARECフラグが1であるか否かの判断がなされるが、この時点ではAコ−ドは受信されておらず、この判断は否定になるのでステップS210に進んでATMフラグが1にされてA送信要求信号の間欠送信が可能になる。ステップS211では前記nが0にされる。ステップS212では、I送信要求信号タイマ割込み許可ビットをクリアしてI送信要求信号の送信を禁止する。ステップS214ではBCHGフラグを0にする。Bコ−ドが連続受信されている間は上記の処理が繰り返される。
【0056】
ここで前記A送信要求信号に応答してエントリキーから返送されたAコ−ドが受信されると、ステップS171の判定が肯定になるので、処理はステップS172に進み、ARECフラグを1にし、OUTフラグおよびRCHKフラグを0にして、エントリキー50がA送信要求信号通信エリア内にあることを登録し、タイマT−OUTをリセットする。ステップS173では、Aコードの連続受信回数を示す変数Iに1を加算して更新する(このとき、Iは1になる)。ステップS174では前記変数Iが2(1例として)になったかどうかを判定するが、最初は2にならないのでステップS180へジャンプする。
【0057】
ステップS180では、Bスモール送信要求信号の選択を指示するBSTMフラグが1であるか否かの判断がなされる。今はBSTMフラグは1であるのでこの判断は肯定となり、処理がステップS181に進んで、B送信要求信号のBスモールからBラージへの切り換えを開始するBCHGフラグが1であるか否かの判断がなされる。BCHGフラグは0にされているので、ステップS182に進んでBCHGタイマが例えば30秒に設定される。
【0058】
この設定時間は、その間にエントリキーが車両から十分に離れてBラージ送信要求信号の通信エリア外へ出てしまうことが期待できるように、例えば経験的または実測に基づいて選定されることができる。その後、処理はステップS184に進んでBCHGフラグが1にされる。次に、ステップS185で、BCHGタイマが0になったか否かの判断がなされる。初めは0でないので、ステップS2へ戻る。
【0059】
エントリキーがBスモール送信要求信号の通信エリア(図13参照)外へ遠ざかると、車両側ではBコ−ドが受信されず、Aコ−ドのみが連続して受信されるようになるので、ウェルカム処理ではステップS171の判定のみが連続して肯定となるようになる。その結果、ステップS173で変数Iが2に更新されてステップS174の判定が肯定になり、処理はステップS176に進んでドアがロックされる。
【0060】
その後、エントリキーからのAコ−ドが受信されると、処理はステップS174からステップS180へジャンプし、さらにステップS181からステップS185へジャンプする。前にBCHGタイマに設定された時間(30秒)が経過するまではステップS185の判定が否定になるので直ちにステップS2へ戻るが、前記設定時間が経過すると、ステップS185の判定が肯定になる。
【0061】
その結果、処理はステップS186に進んでBスモール送信要求信号を選択する前記BSTMフラグが0にされ、ステップS187ではBラージ送信要求信号を選択するBLTMフラグが1にセットされる。その結果、タイマ割込みによってBラージ送信要求信号が送信されるようになるが、このときはエントリキーは十分に車両から離れてその通信エリア外へ出ているいるので、Bラージ送信要求信号を受信することはできず、したがって返送信号であるBラージコ−ドは返送されない。
【0062】
エントリキーがさらに車両から離れると、ついにはA送信要求信号も受信しなくなり、Aコ−ドの返送もなくなる。この状態での処理は、図4のステップS14の判定が否定になってステップS15Aから図5のS30へ進むようになり、フローS41で、前述したようなステップS31、S32の判定が行なわれ、ステップS33でT−OUTタイマにm秒が設定される。そしてステップS35の判定が否定の間はステップS2へ戻って循環する。
【0063】
Aコードの返送がなく、図5のフローチャートにおいて、T−OUTタイマに設定された時間m秒が経過して前記ステップS35の判断が肯定になると、すなわちエントリキー50からの返送コードがm秒間受信されないと、処理はステップS36〜S39に進んで、ウェルカム処理に関するフラグである、AREC,BREC,BLTM,BSTMフラグが、それぞれ、0にイニシャライズされると共に、ステップS40に進んで、OUTフラグが1にされ、エントリキー50がA送信要求信号通信エリア外であることが記録される。その後、最初のステップS2へ戻って前述の処理を繰り返す。
【0064】
このときはBLTMおよびBSTMフラグが共に0にされているので、図3のt8 より後、図2のt1 以前の状態に相当し、A送信要求信号のみが間欠送信されている。もちろん、この間はA送信要求信号はエントリキーによって受信されないので、Aコードは返送されない。
【0065】
つぎに、エントリキー50が遠方から車両に近付いて乗員が乗車する場合について説明する。エントリキーがA送信要求信号を受信しない遠距離位置から同信号の通信範囲内の位置にまで近付くとまずA送信要求信号が受信され、これに応答してエントリキーがAコ−ドを返送する。車両側ではAコ−ドが受信されるので、ステップS14の判定が肯定となって処理はステップS15に進み、受信したコードがマニュアルコードであるか否かの判断がなされる。
【0066】
この判断が肯定の場合にはステップS16に進んで、マニュアル処理がなされる。ここではマニュアルコ−ドの受信でないから、前記ステップS15の判断が否定になり、処理はステップS17に進んでマニュアルSWがオンにされているか否かが判断される。そして、該ステップS17の判断が肯定の時はステップS2に戻るが、ここでは否定になるのでステップS18に進んで図9のウェルカム処理が実行される。
【0067】
ウェルカム処理では、ステップS171の判定が肯定、ステップS174の判定は否定になるので、処理はステップS180へジャンプされる。この時はステップS180の判定も否定であるので、ステップS188でBLTMフラグが1かどうかを判定する。この段階では、BLTMフラグは1にされていないので、処理はステップS189へ進み、BLTMフラグが1にされてBラージ送信要求信号送信が選択され、さらにステップS190で変数nに1がセットされる。Aコ−ドのみが受信されている間は上記の処理が繰り返され(ただし、ステップS188の判定は肯定になるので、ステップS189及び190の処理はジャンプされる)、A送信要求信号およびBラージ送信要求信号がそれぞれ予定の周期で間欠送信される。
【0068】
使用者が乗車のためにさらに車両に近付くと、エントリキーは車両から発信されるBラージ送信要求信号をも受信するようになり、Bコードを返送するようになる。返送されたBコ−ドが車両側で受信されると、ステップS171の判定が否定、ステップS201の判定が肯定となり、ステップS204でドアがアンロックされる。このときは既にAコ−ドが受信されているのでステップS209の判定が肯定になり、ステップS212でI送信要求信号の送信を禁止する。
【0069】
乗員が車両のドアを開けて車内にはいり、ドアを閉めると、ステップS6(図4)の判定が肯定になり、ステップS8で、I送信要求信号の送信を許可するタイマ割込み許可ビットがセットされ、I送信要求信号の間欠送信のタイマ割込みが許可される。なおこの状態では、エントリキーはAおよびB送信要求信号を受信しないので(これらの送信要求信号は車外に向けて送信されるから)、車両側ではAコードおよびBコ−ドはいずれも受信されない。
【0070】
エントリキー50がこのI送信要求信号を受信してIコ−ドを返送し、これが車両側で受信されると、メインフローのステップS14、S15およびS17を経た後、図9のウェルカム処理に入る。そしてステップS171、S201の判定が否定になるので、図10のステップS221に進む。なお、前記図10の鎖線SCで囲まれた各処理は既知のイモビライザ機能の処理である。
【0071】
前記ステップS221では、イモビチェックが済んでいるかを示すIMDONEフラグが1であるか否かの判断がなされる。この時点では前記判断は否定であるからステップS222に進んでイモビチェックが行われる。このイモビチェックでは、図11を参照して詳細に後述するように、受信したIコ−ドが正当なものか否かが判定され、正当なものであるときは、これを示すIMOKフラグが1にされる。つぎのステップS223では、イモビチェックの結果がOKか否かの判断がIMOKフラグを参照して行なわれる。
【0072】
前記ステップS223の判断が否定の時には、ステップS227でエンジンを不作動状態にするが、判断が肯定の時にはステップS224に進んでエンジンの始動を許可する。ステップS225ではATMフラグが0にされ、さらにステップS226ではARECフラグが0にされる。つぎにIコ−ドが受信されたサイクルで、前述と同様にして処理がステップS221に達すると、この判断は肯定になるので、ステップS228へ進み、I送信要求信号のタイマ割込み許可ビットをクリアしてI送信要求信号の間欠送信を禁止する。
【0073】
なお前記IMOKフラグの情報は、通信線(バス)32を介してFI−ECU33へ伝送される(図1参照)。前記FI−ECU33は、前記IMOKフラグの値に応じて、すなわち、その値が1のときはエンジンを作動させるように、また反対に値が0のときはエンジンを不作動にするように、それぞれ燃料ポンプ、燃料噴射・供給装置、点火装置(いずれも図示せず)などを制御する。
【0074】
また、前記図9の鎖線SBで囲まれた各処理は、Bコード送信要求信号の通信エリアすなわち受信可能領域に、乗車時と降車時とでヒステリシスを持たせ、降車して車両から離れるときにはBスモール送信要求信号を選択して早期にドアロックを行ない、反対に乗車のために車両に近付くときには、可及的早目にドアのアンロックを行なうためにBラージ送信要求信号を選択するための処理である。したがって、後述するように前記ヒステリシスを持たせないときは、BスモールとBラージ送信要求信号間の切換えに関する処理ブロックが不要であることは、容易に理解されるであろう。
【0075】
乗員が乗り込んでIGN.SWがオンにされると、図4の前記ステップS2の判断が肯定になるのでステップS21へ進む。そして、後で図8を参照して詳述するリフレッシュ2の処理、すなわちウェルカム機能に関するフラグの初期化の動作が行われる。つづくステップS22では、IMOKフラグが1である(イモビチェックの結果が適正だった)か否かの判断がなされる。この判断が否定であるときは、ステップS24に進んで、エンジンを不作動にする処理が行われる。
【0076】
次のステップS25では、IMDONフラグが1である(イモビチェックが済んでいる)か否かの判断がなされる。この判断も否定であるときは処理がステップS26に進み、前記ステップS8と同様の処理である、I送信要求信号の送信を許可するタイマ割込み許可ビットがセットされる。つづくステップS27では、図11を参照して後述するイモビチェックの処理がなされる。その後処理はステップS2からステップS22へ進むが、イモビチェック処理においてイモビコ−ドが一致し、正当なキー操作であることが確認されるとIMOKフラグは1にされるからステップS22の判断が肯定になる。
【0077】
そしてステップS23ではエンジン始動可の処理が行われる。同様に前述のイモビチェック処理においてIMDONフラグも1にされるからステップS25の判定も肯定になり、ステップS28へ進んで、I送信要求信号のタイマ割込み許可ビットがクリアされて同信号の送信が禁止される。車両の運転中はIGN.SWがオンに保持されるので、前述の処理が循環される。
【0078】
IGN.SWがACCまたはOFF位置へ回動されてエンジンが停止されるとステップS2の判定が否定になり、処理はステップS3、S4の側へ進んで前述した降車時の処理が行われる。
【0079】
次に図6を参照して、前述したウェルカム処理で実行される送信要求信号の送信処理について説明する。該送信要求信号送信処理は、x秒毎のタイマ割込みで行われ、対応する送信要求信号送信選択フラグが1であることを条件に、AまたはB(BラージまたはBスモール)送信要求信号が間欠的に送信される。なお、A送信要求信号、Bラージ送信要求信号、Bスモール送信要求信号については、図2、図3および図13などを参照して前述したとおりである。
【0080】
まずステップS91では、MOD(n,3)=0が成立するか否かの判断がなされる。該MOD(n,3)は、先にステップS190やS211に関して説明した変数nを3で除算した時の余りを示す。MOD(n,3)=0が成立する時には、ステップS92に進んで、ATMフラグが1であるか否かの判断がなされる。この判断が肯定の時にはステップS93に進んで、A送信要求信号が送信される。
【0081】
一方、前記除算の余りが1または2で、前記ステップS91の判定が否定であるか、またはステップS92の判断が否定の時には、ステップS94に進んでBSTMフラグが1であるか否かの判断がなされる。この判断が肯定の時にはステップS95に進んでBスモール送信要求信号が送信される。ステップS94の判断が否定の時にはステップS96に進んでBLTMフラグが1であるか否かの判断がなされる。この判断が肯定の時にはステップS97に進んで、Bラージ送信要求信号が送信される。
【0082】
次に図7を参照して、ステップS3のリフレッシュ1(図4)の詳細について説明する。ステップS101では、リフレッシュ1の処理が既に済んでいることを示すRF1(リフレッシュ1)フラグが1が判定され、これが肯定、すなわち前記処理が終了している場合には、出口(EXIT)に進む。初めは前記判定が否定になる。次のステップS103では、該IMOKフラグが0にされ、ステップS104では、IMDONE(イモビチェック済み)フラグが0にされ、ステップS105では、IMCHK(イモビチェック開始)フラグが0にされる。
【0083】
この結果、イモビシステムに関するフラグの初期化が終了する。ステップS109では、前記RF1フラグが1にされてリフレッシュ1処理済みが登録され、ステップS110では、RF2フラグが0にされてリフレッシュ2未処理が登録される。
【0084】
次に図8を参照して、前記ステップS21のリフレッシュ2(図4)の処理動作の内容を具体的に説明する。ステップS121では、前記RF2フラグが1であるか否か、すなわちリフレッシュ2の処理が既に済んでいるか否かの判断がなされ、この判断が肯定の場合には、出口(EXIT)に進む。一方、否定の時には、ステップS122,S123,S124を順次実行し、それぞれのステップでATMフラグ、BLTMフラグ、BSTMフラグが0にされる。なお、これらの処理は、前述したように、A、Bラージ、Bスモール送信要求信号の送信を禁止する処理である。
【0085】
次のステップS125、S126では、それぞれARECフラグ、BRECフラグが0にされる。これらの処理は、車両側から送信した送信要求信号に応答してエントリキー50から返送されるコードが車両側の受信機で未だ受信されていないことを登録する処理である。ステップS128では、送信すべき送信要求信号の選定変数であるnが0にされる。
【0086】
ステップS129では、エントリキー50がA送信要求信号通信エリア外にあることを示すOUTフラグが0(否定)にされ、ステップS130では、エントリキー50がA送信要求信号通信エリア内にあるかどうかを検知する制限時間を設定するT−OUTタイマが未だ始動されていないことを表わすために、RCHKフラグが0にされる。ステップS131では送信要求信号送信タイマ割込み許可ビットがクリアされ、前記タイマ割込みが禁止される。
【0087】
以上の処理により、ウェルカム機能に関するフラグ等の初期化が終了する。次いで、ステップS135では、前記RF2フラグが1にされてリフレッシュ2処理済みが登録され、ステップS136では、RF1フラグが0にされてリフレッシュ1未処理が登録される。
【0088】
次に図11を参照して、前記ステップS222(図10)のイモビチェックの処理の詳細を説明する。まずステップS230では、イモビチェックが開始されたことを示すIMCHKフラグが1であるか否かの判断がなされる。イモビチェックが開始されておらず、前記判断が否定の時には、ステップS235に進んでイモビチェックタイマT−IMCHKにイモビチェック動作時間(例えば30秒)がセットされる。ステップS236ではIMCHKフラグが1にされる。
【0089】
イモビチェックが開始されており、前記ステップS230の判断が肯定の時にはステップS231に進み、エントリキーから送信されたイモビコードIが、予め車両側に記憶されたコ−ドと一致したか否かの判断がなされる。この判断が肯定の時には、ステップS232に進んでイモビコ−ド照合が確認されたことを示すIMOKフラグが1にされ、さらにステップS233へ進む。これにより、前述のように、FI−EUC33はエンジンが作動するように制御する。
【0090】
前記ステップS231の判断が否定の時には処理がステップS246へ進み、前記IMCHKタイマがタイムアップしたか否かの判断がなされる。この判断が否定ならばイモビチェック処理を抜け、一方前記ステップS246の判断が肯定の時にはステップS233に進む。ステップS233では、イモビチェックが終了したことを示すIMDONEフラグが1にされる。
【0091】
図12は、例えばステップS26(図4)でI送信要求信号タイマ割込み許可ビットがセットされた状態で、前記I送信要求信号を間欠送信する処理であり、例えばz秒毎にタイマ割込みがなされる。最初のステップS271でIMDONEフラグを参照してイモビチェックが済んでいるか否かを判定し、済んでいないときにはステップS272に進んでI送信要求信号が送信される。イモビチェックが済んでおり、前記ステップS271の判断が肯定のときは、そのまま何もしないでこの処理を抜ける。
【0092】
この実施例によれば、広い通信エリアで、送信間隔の大きいA送信要求信号をエントリキーが受信してその応答を車両に向かって返送し、この返送信号が正当なエントリキーからの応答であることが車両側のウェルカムコ−ド判定によって確認された場合のみ、狭い通信エリアのB送信要求信号が、A送信要求信号の送信間隔の間に送信される。換言すれば、正当なエントリキーを所持しない、当該車輛とは無関係の人物や物体が図13のA領域(A送信要求信号通信エリア)内に存在していても、前記B送信要求信号は送信されることがない。
【0093】
それ故に、実際にドアのロック、アンロックを制御するためのB送信要求信号の送信を必要最小限に抑えて車両バッテリの消費電力量を低減することができる。また、送信要求信号の送信間隔が実質的に小さくなるので、車両に対するエントリキーの位置を正確に判定できる。その結果、前記消費電力量をあまり増やさずに、比較的狭い最適な通信エリアと最適な送信時期(間隔)を有するB送信要求信号を送信し、車両からエントリキーまでの距離に応じて適切な車両ドアの自動アンロック、ロックなどの車載機器制御を的確に実施することができる。すなわち、省電力とエントリキーによる的確な車載機器の制御を両立させることができる。
【0094】
以上では、車両の全ドアに共通のB送信要求信号およびこれに応答する返送信号を用いる例を説明したが、この場合は、エントリキーが遠くから近付いて図13に符号B(ラージ)で示したような予定距離内に入ると、すべてのドアが同時にアンロックされてしまう。
【0095】
このような事態を避けるために、図14の概念図に示すように、左右の各ドア2a、2bおよび後部トランク2cごとに固有のB送信要求信号B1、B2、B3を送信するようにし、ドアのロックは、例えば、どれか1つのB送信要求信号が受信されなくなったときに全ドア同時に実行するが、反対にアンロック時には、どのドアに対応するB送信要求信号の返送信号(Bコ−ド)が車載受信機で受信されるかにしたがって、受信されたBコ−ドに対応する特定のドアのみをアンロックするようにすることができる。
【0096】
またこのように、ドアごとに固有のB送信要求信号および返送信号を用いる場合には、例えば図9のウェルカム処理フローにおいて、ステップS201でドアごとの固有コ−ドの一致を判定するように修正すれば良いことは、当業者には明らかであるので、その詳細フローの説明は省略する。なおこの場合も、ロック時とアンロック時とでB送信要求信号の通信エリアの大きさに、前述と同様のヒステリシス特性を持たせることができることは当然である。
【0097】
図15は、上述および後述する本発明の各実施例に好適な返送信号のフォーマット構成の1例を示す図である。同図において、CDAはスタートビット、CDBは識別コ−ド、CDIDは車両ごとに固有の1Dコ−ド、CDFは機能コ−ドであり、括弧内の数字はビット数を表している。4ビットの前記機能コ−ドは例えば、図13の場合はAコ−ド=[1000]、Bコ−ド=[1001]とし、また図14の場合はAコ−ド=[1000]、ドライバドア用Bコ−ド=[1001]、アシスタントドア用Bコ−ド=[1010]、トランク用Bコ−ド=[1011]とすることができる。
【0098】
図16は、同じく本発明の各実施例に好適なイモビ(盗難防止)用の返送信号のフォーマット構成の1例を示す図である。周知のように、イモビ用のコ−ド照合は盗難防止の上で極めて重要であるので、他のコ−ドとはその構成を異にするのが望ましい。同図において、CDAはスタートビット、CDBは識別コ−ド、CDIMはイモビ用IDコ−ドである。もちろん、上述のすべての返送信号を同一フォーマット構成としてもよい。
【0099】
以上では、施錠時と解錠時とでB送信要求信号の通信エリアの大きさにヒステリシス特性を持たせる例について述べたが、本発明においては、このようなヒステリシス特性を持たせることは必ずしも必要ではなく、図2、3のタイミングチャートおよび図13の概念図において、Bラージ送信要求信号とBスモール送信要求信号を共通の単一B送信要求信号とすることもできる。
【0100】
このように単一B送信要求信号を用いる本発明の実施例のメインフロー(図4、図5に相当する)を図17および図18に、またウェルカム処理(図9に相当する)のフローを図19に示す。以下にこれらの図を参照してこの実施例の動作を説明する。なおこれらの図において、図4、図5および図9と同一の符号は同一内容を表わすので、その説明は原則として省略し、相違する点のみを説明する。
【0101】
図17のステップS12Bでは、B送信要求信号送信選択フラグBTMを1にしてB送信要求信号のタイマ割込み送信を可能にし、図18のステップS38Bでは、同フラグBTMを0にしてB送信要求信号の送信を禁止する。図19のステップS186BではフラグBTMが0かどうかを判定し、ステップS188BではフラグBTMを1にしてB送信要求信号の送信を許可し、乗員が車両に近付いてくるときのドアアンロック処理に備える。エントリキーがさらに車両から離れてA送信要求信号も受信しなくなると、第1実施例の場合と同様に、A送信要求信号の間欠送信のみが継続される。
【0102】
エントリキー50が遠方から車両に近付く場合には、まずA送信要求信号がエントリキーによって受信され、Aコ−ドが返送されるようになる。車載受信機が前記Aコ−ドを受信すると、前述の実施例の場合と同様に、ステップS171の判定が肯定、ステップS174の判定が否定、さらにステップS186Bの判定が肯定となってステップS188BでB送信要求信号の送信が許可される。その後の動作は、前述の説明から容易に理解できるであろう。
【0103】
図20は、この実施例のウェルカム処理(図19)で行われるAおよびB送信要求信号のタイマ割込み送信動作のフローチャートである。同図は前述の図6に相当するものであり、同図の各ブロックのうち、図6と同一の符号は同一処理内容を表わすので、その説明は省略する。ステップS91Bでは、前記変数nを2で除算したときの余りMOD(n,2)が0であるかどうか(換言すれば、nが奇数か偶数か)を判定し、否定すなわちnが奇数のときはステップS94BでフラグBTMを1にしてB送信要求信号のタイマ割込み送信を許可するフラグBTMが1にされているかどうかを判定する。
【0104】
この判定が肯定ならステップS95BでB送信要求信号を送信してステップS98へ進む。一方、前記ステップS94Bの判定が否定ならステップS98でnを更新してこの処理を終わる。なお、ステップS91BやステップS91における除数「2」や「3」は、タイマ割込み設定間隔(x,x’秒)とのかねあいで、最適なタイミングで各送信要求信号が送信されるように適宜設定される。
【0105】
今までに述べた実施例では、車載送信機が送信する送信要求信号は通信エリアの広いA送信要求信号と狭い通信エリアのB送信要求信号の2種のみであったが、本発明では通信エリアの異なる3種以上の送信要求信号を用いることもできる。図21(a)、(b)は、3種の送信要求信号を用いる場合の各送信要求信号送信状態を示すタイムチャートである。
【0106】
同図において、最も広い通信エリアを有するA送信要求信号は最も長い周期yで間欠送信され、2番目に広い通信エリアを有するB送信要求信号は、例えば、エントリキーが遠方から車両に近づく場合は、前記A送信要求信号のエントリキーによる受信を示すAコ−ドの返送確認を条件に、互いに隣り合う2つのA送信要求信号の中間のタイミングで間欠送信される。
【0107】
また最も短い通信エリアのC送信要求信号は、前述のように、エントリキーが車両に近づいているときは、前記B送信要求信号のエントリキーによる受信を示すBコ−ドの返送確認を条件に、隣り合うA送信要求信号およびB送信要求信号の中間タイミングで間欠送信される。この場合の返送信号としては、例えば図15に示した機能コ−ドを、Aコ−ド=1000、Bコ−ド=1001、Cコ−ド=1011、Iコ−ド=0101のように設定することができる。
【0108】
反対に、乗員が降車してエントリキーが遠ざかる場合は、車両までの距離に応じて、まず最初に、通信エリアの狭いC送信要求信号に対応する返送信号がなくなり、つぎに中間の通信エリアのB送信要求信号に対応する返送信号、最後に、通信エリアの広いA送信要求信号に対応する返送信号が順次に受信されなくなる。このようにして、返送信号の受信間隔が段々に広くなる。
【0109】
この実施例では、通信エリアを異にする複数種の送信要求信号のどれをエントリキーの携帯送受信機が受信するかに応じて互いに異なる応答コ−ド(A〜Cコード)を含む返送信号が返送されるので、車両側の制御装置は車両に対するエントリキーの相対位置をきめ細かに認識することができ、返送された応答コ−ドに応じて、車両からエントリキーまでの距離に応じたた適切な車載機器の制御が可能になる。
【0110】
また図21のタイミングチャートから理解できるように、エントリキーが車両の近くにいるときほど応答コ−ドが短い周期または高い頻度で返送されるので、車両側での応答コ−ド受信周期または頻度に基づいて車両に対するエントリキーの相対位置を認識することもできる。さらに車両に近いほど、受信間隔が短いので車載機器制御の応答を迅速にすることが期待できる。
【0111】
前述の各実施例では、通信エリアおよび特性の異なる複数種の送信要求信号を車載送信器から送信し、エントリキーは受信した送信要求信号の種類または通信エリアの大小に応じて互いに異なる応答コ−ドを返送し、車両側では受信した応答コ−ドに基づいて車両に対するエントリキーの相対位置を認識したが、前記図21のように、車両側送信機が通信エリアを異にする複数種の送信要求信号を互いに異なる頻度または繰り返し周期で送信するときは、送信要求信号の特性および応答コ−ドを共通にしてそれぞれ1種類に統一し、構造を簡略化することができる。
【0112】
すなわち、車載受信機による返送信号(応答コ−ド)の受信間隔あるいは受信頻度または繰り返し周期のみに基づいて車両に対するエントリキーの相対距離範囲を弁別し、その距離範囲に応じて車載機器を適当に制御することができる。このような実施例を、以下に図22および図23を参照して詳細に説明する。これらの図において、送信要求信号であるWS、WL信号の高さは信号の強さ、すなわち通信(可能)エリアの相違のみを表わしている。
【0113】
図22はエントリキーを所持する乗員が降車して車両から遠方へ遠ざかるときの動作の概要を示すタイムチャートである。走行していた車両1が停車され、図22に示されているように、時刻t1 にIGN.SWがON位置からACC位置に回動され、つづいて時刻t2 に乗員が降車のためにドアを開けると、ドアSWがオフ(ドア閉)からオン(ドア開)になる。これにより、狭い通信エリアのWスモール送信要求信号WSの送信が開始される。その後は予定の時間間隔2uで、Wスモール送信要求信号が車載送信機から送信される。
【0114】
エントリキー50が車外に出て前記Wスモール送信要求信号WSを受信するようになると、この受信に応答してエントリキーはWコードを含む返送信号(以下、単に「Wコード」という)を返送する。該Wコードが車載受信機で受信され、時刻t3 にそのウェルカムコード判定が成立すると、受信間隔第1タイマTWR1に時間vを設定して起動すると共に、Wスモール送信要求信号よりも通信エリアの大きい(すなわち、送信出力がより大きく、他の特性は同じである)Wラージ送信要求信号WLの間欠送信を可能にする。
【0115】
この例では、Wスモール送信要求信号WSの間欠送信周期の丁度中間にWラージ送信要求信号WLが送信されるように図示されているから、Wラージ送信要求信号WLも2u秒ごとに間欠送信される。なお、前記タイマの設定時間vは、WS及びWLの送信要求信号が送信される最少送信間隔(u)に等しいのが望ましい。
【0116】
このことは好ましいことではあるが必ずしも必要ではなく、2つの送信要求信号が交互に送信されればよく、さらに一般的に言えば、Wラージ送信要求信号WLのみの送信間隔と、Wラージおよびスモール送信要求信号WL、WSの両方が送信されるときの両信号の送信間隔とが明確に区別できるように(なるべくは、後者の方が小さいように)設定されればよい。なお前記時間v秒は、実際には、装置のばらつきを考慮して(u+Δu)秒にするのが望ましい。
【0117】
次のWコードが受信されて時刻t4 にそのウェルカムコード判定が成立すると、受信間隔第2タイマTWR2に前記時間vを設定して起動すると共に、受信間隔第1タイマTWR1がタイムアップしているかどうかを判定する。前述のタイマ設定基準から分かるように、Wラージおよびスモール送信要求信号WL、WSの両方がエントリキーによって受信され、両方の返送信号が返送されている間はこれらのタイマはタイムアップしない。
【0118】
エントリキー50が車両から遠ざかってWスモール送信要求信号を受信できなくなると、車載受信機はその返送信号を受信しなくなるので、いずれかの受信間隔タイマTWR(この例では、第2タイマTWR2)がタイムアップしてその値が0になる(時刻t5 )。その後の時刻t6 に、つぎのWラージ送信要求信号WLに応答するWコ−ドを受信し、ウェルカムコード判定が成立すると、第1タイマTWR1が再起動されると共に第2タイマTWR2のタイムアップが判定される。
【0119】
これにより、Wコ−ドの受信間隔がv秒以上に長くなったこと、すなわちエントリキーがWスモール送信要求信号の通信エリアから外へ外れたことが判定され、車両のドアがロックされる。さらにその後m秒の予定設定時間の間返送Wコ−ドが受信されないと、Wスモール送信要求信号の送信が停止され、Wラージ送信要求信号のみの間欠送信が継続される。
【0120】
次に図23を参照して、乗員が遠方から車両1に近づいて乗車する時の接近検知時の状態を説明する。エントリキーが車外にあり、かつ車両から十分に離れていてドアがロックされている降車または駐車状態においては、図23の左端に示され、また前述したように、車両からは大きい通信エリアを有するWラージ送信要求信号WLが予定時間間隔(2u秒間隔)で発信されている。エントリキーを所持している乗員が、車両からこの送信要求信号WLの通信エリア内の距離にまで接近してくると、該エントリキーが時刻t1 に前記WL送信要求信号を受信する。
【0121】
この受信に応答してエントリキーは、前記WL送信要求信号の受信を示すWコードを返送する。車両側でこのWコ−ド信号を受信し、ウェルカムコード判定によって、時刻t2 に、正規のコードであると判定されると、車載制御装置は受信間隔第1タイマTWR1を起動すると共に、Wスモール送信要求信号を前記と同じ予定時間(2u秒)間隔で、連続する2つのWL送信要求信号の中間に発信し始める。
【0122】
エントリキーが前記Wスモール送信要求信号WSを受信するよりも前の時刻t3 に、エントリキーが前記Wラージ送信要求信号の受信に応答するWコードを返送し、その正当性がウェルカムコード判定されると、受信間隔第2タイマTWR2が起動される。このとき前記第1タイマTWR1は既にタイムアップしているのでドアのアンロックは行われない。
【0123】
エントリキー50が前記Wスモール送信要求信号WSを受信できる距離にまで近付くと、これに応答したWコードが返送される。時刻t4 に、該返送Wコードが正規のコードであることが判定されると共に第2タイマTWR2が起動され、かつ第1タイマTWR1がタイムアップしていないことが判定されると、車両のドアがアンロックされる。その後、ドアが開けられ(ドアSWオン)、次いで時刻t5 に該ドアが閉められると、乗員が乗車し終ったと判断され、当該車内を通信エリアとするI(イモビ)送信要求信号(図23では、図示を省略している)が発信される。
【0124】
エントリキーが該I送信要求信号に応答してイモビコード(Iコード)を返送すると、車両側ではイモビコード判定をし、Iコードが一致すると、I送信要求信号の送信が禁止されると共に、エンジン作動が可能状態にされる。続いて時刻t6 に、イグニッションSWがON位置まで回転されると、Wスモールおよびラージ送信要求信号の送信が停止されると共に、後述するリフレッシュ2処理が実行される。
【0125】
なおこれらW送信要求信号の送信停止は、図示しないIコードの一致に応答して実行することもできる。またW送信要求信号は2種に限らず、図21に関して前述したように、互いに通信エリアおよび間欠送信間隔を異にする3種類以上を採用してもよい。
【0126】
つぎに本実施例の動作の詳細を、図24および図25のメインフロー、ならびに図26のウェルカム処理のフローを参照して説明する。なお、これらの図において、前述の図4、図5、および図9と同一符号のブロックで行われる処理内容は同一であるから説明は省略し、相違する部分のみについて説明する。
【0127】
図24において、乗員が降車のためにドアを開けると、処理がステップS10からステップS11Wに進み、WRECフラグが1かどうか、すなわちエントリキー50から返送されたWコ−ドが受信されたかどうかを判定する。降車時、この判定は否定であるから、次のステップS12WでWSTMフラグを1にしてWスモール送信要求信号送信を選択し、さらに次のステップS13で同送信要求信号のタイマ割込みによる間欠送信を可能にする。
【0128】
間欠送信のためのタイマ割込みは、前述の図22、23に関する説明から分かるように、u秒ごとに行われる。具体的には、図20のフローのAおよびB送信要求信号をWラージ、Wスモール送信要求信号で置き換えた処理となる。乗員すなわちエントリキーが車外へ移動されてエントリキーがWスモール送信要求信号を受信すると、Wコ−ドが返送される。これを車両側受信機が受信すると、ステップS14の判定が肯定になり、ステップS18のウェルカム処理が行われる。
【0129】
図26は前述の図10と組み合わされるウェルカム処理のフローチャートである。まず乗員が降車してエントリキーが車両から遠ざかる場合について説明する。車両から送信されるWスモール送信要求信号の受信に応答してエントリキーから返送されたWコ−ドが受信されるとステップS301の判定が肯定になり、処理はステップS302へ進む。なお前記判定が否定のときは、処理は前記図10のステップS221へ進む。ステップS302では、Wコ−ドの受信を示すWRECフラグが1にされる。
【0130】
後続のステップS303〜306では、Wコ−ドの受信回数を示すWカウンタの計数値を1だけ更新し(計数値は最初の受信で1になる)、Wラ−ジ送信要求信号の送信を選択するためにWLTMフラグを1にし、エントリキーがA送信要求信号通信エリア外にあることを示すOUTフラグを0にして同通信エリア内にあることを登録し、前記キーが車両近傍に存在しないことを検知する時間設定用のタイマTOUTをリセットする手順を順に実行する。
【0131】
つぎのステップS307では、Wカウンタの計数値が1かどうかを判定する。ここではこの判定は肯定であるので、ステップS308へ進んで受信間隔第1タイマTWR1に時間vを設定して起動し、図24のステップS2へ戻る。次にWコ−ドが受信されたサイクルからは、ステップS307の判定が否定になるので処理は309へ進むようになり、Wカウンタの計数値を2で除算した余りが0かどうか、換言すれば、Wカウンタの計数値が奇数か偶数かが判定される。
【0132】
ここでは前記計数値は2になっており、判定は肯定であるから、ステップS310で受信間隔第2タイマTWR2に前記と同じ時間vを設定して起動する。つぎのステップS311では、前記第1タイマTWR1がカウントアップしているかどうかを判定する。図22を参照して前述したように、降車してしばらくの間は、WラージおよびWスモール送信要求信号にそれぞれ応答するWコ−ドが返送されており、各タイマがカウントアップする前に後続の返送Wコ−ドが受信されるから、このステップS311の判定は否定になる。
【0133】
したがって、処理はステップS312へ進み、ドアはアンロック状態に保持される。つぎの返送Wコ−ド受信では、Wカウンタの計数値が3になるので、処理はステップS309からステップS314へ進んで第1タイマTWR1に時間vを設定して起動する。ステップS315では、前記第2タイマTWR2がカウントアップしているかどうかを判定する。
【0134】
エントリキーが車両から十分離れていないと、前述のようにこの判定は否定になるのでステップS312でドアがアンロック状態に保持されるが、エントリキーが車両から十分に離れ、Wスモール送信要求信号を受信しなくなると、この判定が肯定になり、ステップS316へ進んで車両のドアがロックされる。また、偶数回目の返送Wコ−ド受信でステップS311の判定が肯定になったときも、ステップS318で車両のドアがロックされる。
【0135】
エントリキー50がさらに車両から離れると、エントリキーはWラージ送信要求信号も受信しなくなり、車両側ではWコ−ドが全く受信されなくなる。そうすると図24のステップS14の判定が否定になるので、処理はステップS15A、S30からステップS35へ進み、S35の判定が肯定であるのでステップS36W〜ステップS39W、S40の初期化処理が行われる。すなわち、Wカウンタが0にリセットされ、第1および第2タイマTWR1、TWR2がリセットされ、WSTMフラグが0にリセットされ、OUTフラグが1にされる。
【0136】
つぎにキー50を所持する乗員が遠方から車両に近付いて乗車する場合のドアの自動アンロック手順を説明する。エントリキー50がWラージ送信要求信号の通信可能エリア内に入ってこれを受信するとWコ−ドを返送し始める。初めて受信したWコ−ドの一致が図26のステップS301で判定されると、ステップS302〜S307で前述と同様の処理が行われる。
【0137】
すなわち、Wコ−ドの受信回数を示すWカウンタの計数値を1にし、WLTMフラグを1にし、OUTフラグを0にしてエントリキーが通信エリア内にあることを登録し、タイマTOUTをリセットする。この段階では、つぎのステップS307の判定は肯定であるので、ステップS308で第1タイマTWR1に時間vを設定してウェルカム処理を終える。
【0138】
次にWコ−ドが受信されると、ステップS307の判定が否定、かつステップS309の判定が肯定になるから、ステップS310で受信間隔第2タイマTWR2に時間vを設定する。つぎのステップS311の判定は、エントリキー50がWラージ送信要求信号のみしか受信できず、W送信要求信号受信の間隔が大きい間は肯定になるので、車両ドアのロック状態が維持される。
【0139】
処理がステップS309からステップS314、S315へ進んだ場合も同様に、ステップS316で車両ドアのロック状態が維持される。エントリキーがさらに車両に近付いてWスモール送信要求信号をも受信するようになると、ステップS311またはステップS315の判定が否定になり、ドアがアンロックされる。
【0140】
乗員が車両のドアを開けて車内に入り、ドアを閉じるとステップS6(図24)の判定が肯定になり、ステップS8でI送信要求信号のタイマ割込み送信が可能化される。最初の実施例に関して前述したようなIコ−ドの照合が成立するとエンジン始動が可能化され、運転者がイグニッションスイッチIGN.SWをON位置へ回すとエンジンが始動されると共に、W送信要求信号およびI送信要求信号の送信が停止される。その後、フローS41(図25)で各種フラグなどの初期化が行われる。
【0141】
この実施例によれば、車載送信機から送信する送信要求信号の送信レベル(電力)の切換えのみでWラージ、スモールの切換えができるのみならず、エントリキーが返送する応答コ−ドも1種類で済むので、送信機および受信機の構造やコ−ド照合機能を大幅に簡略化できるのみならず、コスト低減と保守の簡略化を実現することができる。
【0142】
以上では車両のドアのロックおよびアンロックの両方を、車両側受信機による返送信号受信の有無に応じて自動制御する例について述べたが、これらの一方のみを自動制御するように変形して実施できることは明らかであろう。
【0143】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、携帯送受信機を所持する乗員から車両までの距離をきめ細かく判断することが可能になり、適切な距離の時に、ドアなどの車載機器を制御できるので、車両ドアの解錠、施錠などの車載機器制御の利便性と盗難防止機能の向上とを両立させることが可能になる。
【0144】
請求項2の発明によれば、互いに異なる複数の、予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に応答する携帯送受信機からの返送信号に含まれるコ−ドを異ならせなくても、車両側での返送信号の受信時間間隔に基づいて、携帯送受信機を所持する乗員から車両までの距離範囲を判別できるので、前記距離範囲に応じた適切な車載機器制御ができるのみならず、携帯送受信機の送信機の構造および車両側制御手段のコ−ド判別動作を一層簡略化することができる。
【0145】
請求項3の発明によれば、携帯送受信機からの返送信号も間欠送信となり、請求項3の場合と同様の作用、効果が期待できる。
【0146】
請求項4の発明によれば、受信可能範囲の異なる送信要求信号の受信に応答して携帯送受信機から送信される返送信号が互いに異なるので、車両側の制御手段は受信返送信号のみに基づいて、携帯送受信機から車両までの距離範囲を的確に判別できるので、前記距離範囲に応じた適切な車載機器制御を行うことができる。
請求項5、6の発明によれば、乗員の降車時には、乗員が所持する携帯送受信機が車両から遠去かるにつれて、より大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信し、受信されなくなった、より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信は順次停止し、一方、携帯送受信機が十分遠方から車両に近付く時は最大予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に応答する返送信号が車両側で受信されるまでは、より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信は行なわれない。
【0147】
すなわち、携帯送受信機が前記最大予定範囲の外にあるときは、当該最大予定範囲内で受信可能な送信要求信号のみしか送信されず、最大の予定範囲で受信可能な送信要求信号に対応する返送信号が車両側で受信された場合のみ、より狭い予定範囲で受信可能で、実際に車両ドアのロック、アンロックなどを制御するための送信要求信号が送信されるので、送信要求信号の送信を必要最小限に抑えて車両バッテリの消費電力量を節減することができる。
【0148】
請求項7の発明によれば、携帯送受信機を所持する乗員が乗車して車内にいることを的確に判断でき、かつ車内で受信可能な送信要求信号の受信に応答する携帯送受信機からの返送信号に基づいて、車室内で操作される車載機器の制御が行なわれるので、盗難防止機能をさらに向上することができる。
【0149】
以上を要約すると、本発明によれば、広い通信エリアの送信要求信号をエントリキーが受信してその応答を車両に向かって返送し、この返送信号が正当なエントリキーからの応答であることが車両側のウェルカムコ−ド判定によって確認された場合のみ、狭い通信エリアの送信要求信号を送信することができる。換言すれば、正当なエントリキーを所持しない、当該車輛とは無関係の人物や物体が図13のA領域内に存在していても、前記B送信要求信号は送信されることがない。
【0150】
それ故に、ドアのロック、アンロックを実際に制御するためのB送信要求信号の送信を必要最小限に抑えて車両バッテリの消費電力量を低減することができる。またその結果、前記消費電力量をあまり増やさずに、比較的狭い最適な通信エリアと最適な送信間隔を有する送信要求信号を送信し、車両からエントリキーまでの距離に応じて適切な車両ドアの自動アンロック、ロックなどの車載機器制御をきめ細かに実施することができる。すなわち、省電力とエントリキーによる的確な車載機器の制御を両立させることができる。より具体的には、消費電力量の増大を抑えながら、利便性に優れた盗難防止機能を実現することができる。
【0151】
また、車両からの送信要求信号を間欠的に送信させ、その際、通信エリアの大きい送信要求信号ほどその間欠送信間隔を長く設定しておけば、送信要求信号やその受信応答である返送信号を互いに識別可能にしなくても、車両側での返答信号の受信間隔時間のみによって、車両からエントリキーまでの距離を的確に把握でき、返送信号に応じた適切な車両ドアなどの車載機器制御が可能になるので、機器の構造や動作を一層簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の構造例を示すブロック図である。
【図2】本発明の1実施例において、エントリキーが車両に近付いて乗員が乗車する時のドアの自動アンロック作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明の1実施例において、乗員が下車してエントリキーが車両から遠ざかる時のドアの自動ロック作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の1実施例の動作を示すメインフローチャートの1部である。
【図5】本発明の1実施例の動作を示すメインフローチャートの残部である。
【図6】本発明の1実施例における送信要求信号のタイマ割込み送信処理を示すフローチャートである。
【図7】前記図4中のリフレッシュ1の処理を示すフローチャートである。
【図8】前記図4中のリフレッシュ2の処理を示すフローチャートである。
【図9】前記図4中のウェルカム処理の1部を示すフローチャートである。
【図10】前記図4中のウェルカム処理の残部を示すフローチャートである。
【図11】前記図4中のイモビチェック処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の1実施例におけるI送信要求信号のタイマ割込み送信処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の1実施例における車両からエントリキーまでの距離と各制御の関係を示す概念図である。
【図14】本発明の他の実施例における車両の各ドアからエントリキーまでの距離と各制御の関係を示す概念図である。
【図15】本発明に用いるのに好適な各種返送信号のフォーマット構成例を示す図である。
【図16】本発明に好適なイモビ用返送信号のフォーマット構成例を示す図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例の動作を示すメインフローチャートの1部である。
【図18】前記さらに他の実施例の動作を示すメインフローチャートの残部である。
【図19】前記図17中のウェルカム処理の1部を示すフローチャートである。
【図20】前記さらに他の実施例における送信要求信号のタイマ割込み送信処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明のさらに他の実施例における送信要求信号の送信状態例を示すタイムチャートである。
【図22】本発明のさらに別の実施例において、乗員が下車してエントリキーが車両から遠ざかる時のドアの自動ロック作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図23】本発明のさらに別の実施例において、エントリキーが車両に近付いて乗員が乗車する時のドアの自動アンロック作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図24】図22、23に示した別の実施例の動作を示すメインフローチャートの1部である。
【図25】前記別の実施例の動作を示すメインフローチャートの残部である。
【図26】図23におけるウェルカム処理の1部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…スマートエントリユニット、 3…入出力回路、 4、11…バス通信回路、 8、24、54…CPU、 9a,b,c…LF送信回路、 9f…RF受信回路、 10…イグニッションスイッチ、 50…エントリキー、 51…RF回路、 52…警報表示器、 53…整流トリガ回路、 56…手動ロックスイッチ、 57…手動アンロックスイッチ、 58…手動モード設定スイッチ
Claims (7)
- 車両に搭載され、予定範囲内で受信可能な送信要求信号を車外に向かって送信する送信機と、
前記送信要求信号を受信して返送信号を送信する携帯送受信機と、
車両に搭載され、前記携帯送受信機から返送された返送信号を受信する受信機と、
前記受信機による前記返送信号の受信の有無に応じて、車載機器を制御する制御手段とを具備し、
前記送信機は、互いに異なる予定範囲内で受信可能な複数の送信要求信号を送信し、
前記制御手段は、最大の予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に対応する返送信号が前記受信機によって受信されることで、最大の予定範囲内に前記携帯送受信機が存在すると認識するとともに、最大の予定範囲内で受信可能な送信要求信号の他に、最大の予定範囲より小さい予定範囲で受信可能な送信要求信号を前記送信機に送信させ、最大の予定範囲より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信に対応する返送信号が前記受信機によって受信されるか否かに応じて、車両のドアの解錠および施錠の少なくとも一方を制御する車両の遠隔制御システム。 - 車両に搭載され、予定範囲内で受信可能な送信要求信号を車外に向かって送信する送信機と、
前記送信要求信号を受信して返送信号を送信する携帯送受信機と、
車両に搭載され、前記携帯送受信機から返送された返送信号を受信する受信機と、
前記受信機による前記返送信号の受信の有無に応じて車載機器を制御する制御手段とを具備し、
前記送信機は、互いに異なる複数の、予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信し、
前記制御手段は、前記受信機による前記返送信号の受信時間間隔に基づいて、前記携帯送受信機がどの予定範囲内に位置しているかを判別し、前記携帯送受信機が位置する予定範囲に応じて予め決められた態様で車載機器の制御を実行することを特徴とする車両の遠隔制御システム。 - 前記送信機は送信要求信号をそれぞれ間欠的に送信し、
その際、より小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を、より大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信間隔の間に少なくとも1回送信することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の遠隔制御システム。 - 前記携帯送受信機から返送される返送信号は、どの予定範囲内で受信可能な送信要求信号に応答するものかに応じて、互いに識別可能であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の遠隔制御システム。
- 乗員の降車操作を検出する降車検出手段をさらに具備し、
乗員の降車が検出されたときは、前記送信機が最小の予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信し、
前記最小の予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信を示す返送信号が車載受信機によって受信されなくなったことに応答して、前記送信機は、その次に大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信を開始し、同様にして順次に大きい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の遠隔制御システム。 - 前記最大の予定範囲内で受信可能な送信要求信号の受信を示す返送信号が車載受信機によって受信されない状態の後に、当該返送信号が受信されたことに応答して、前記送信機は、その次に小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号の送信を開始し、同様にして順次に小さい予定範囲内で受信可能な送信要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の遠隔制御システム。
- 乗員の乗車操作を検出する乗車検出手段をさらに具備し、
前記乗車検出手段による乗車操作検出に応答して、前記送信機は車内で受信可能な送信要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両の遠隔制御システム。
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