JP3810060B2 - シートベルト巻取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータによってシートベルトを巻き取る機能を有するシートベルト巻取装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シートベルト巻取装置は、乗用車の衝突等の事故に際して乗員の安全を確保するために取り付けが義務付けられ、種々の方式のものが開発されている。そのうち最も構成が簡単なものの例を図10に示す。
【0003】
シートベルト巻取装置の一方の側の支持部であるスプリングカバー41には、軸受部41aが設けられ、それにスプール42の軸42aが嵌まりこんで回転すると同時に、スプリングにより巻き取り方向への付勢力を受けるようになっている。スプール42にはシートベルトが巻きつけられるようになっている。
【0004】
スプール42の内側には凹状の嵌合部(図示せず)が設けられ、その中にトーションバー43の一端が嵌まり込んでいる。トーションバー43の他端は、ロッキングベース44に設けられた凹状の嵌合部(図示せず)に嵌まりこんでいる。ロッキングベース44の軸44aは、ロックギア45の穴部45aを貫通し、シートベルト巻取装置の他の一方の側の支持部であるリテーナ46の軸受部(図示せず)に嵌まりこんでいる。
【0005】
このような機構により、スプール42は、結局スプリングカバー41とリテーナ46にその回転軸を支持されたような形態となって回転し、スプリングの付勢力によりシートベルトを巻き取るようになっている。そして、スプリングカバー41と、リテーナ46は、ベースフレーム48の両端に固定されており、スプール42はベースフレーム48の内部に収納されるようになっている。
【0006】
これらの構成要素のうち、ロッキングベース44とロックギア45は、所定量の相対回転が可能になっており、スプリング49によって、ロックギア45がロッキングベース44に対して相対的にシートベルトの引き出し方向に付勢されて、相対回転の限界に達するような状態になっている。
【0007】
通常の状態でシートベルトが引き出されるときは、ロックギア45の回転の抵抗となるものはないので、スプリング49の付勢力に打ち勝つことができず、ロックギア45はロッキングベース44と一体となって回転する。
【0008】
スプリングの力によりスプール42が巻き取られ、それにつれてロッキングベース44が巻き取り方向に回転しても、もともと、その回転方向には、前述のように、ロックギア45がロッキングベース44に対して相対回転の限界に達するような状態になっているので、ロックギア45はロッキングベース44と一体となって回転する。
【0009】
衝突等により、急激なシートベルトの引き出しが発生すると、ロックギア45の中に収納されているフライホイール50がスプリング51の付勢力に打ち勝って移動し、その結果、ロックギア45がリテーナ46に対して相対回転ができなくなり、回転が停止される。
【0010】
すると、ロッキングベース44がスプリング49の付勢力に抗して、ロックギア45に対して相対回転する。この相対回転によって、ロッキングベース44に収納されているパウル52が外側に飛び出すようにメカニズムが構成されており、外側に飛び出したパウル52のギアがベースフレーム48に形成されたギア部48aに係合し、これによりロッキングベース44の回転も停止される。この機構を「ロック機構」と呼ぶ。
【0011】
よって、トーションバー43の回転も停止し、スプール42はトーションバー43の捩れに対応するだけの回転のみが許されることになる。従って、以後は、シートベルトは、トーションバーの捩れ力に起因する張力を受けつつ引き出される。この機構を、「フォースリミッタ機構」と呼ぶ。
【0012】
以上の説明は、シートベルト巻取装置の概要を示したものであり、例えば、フライホイール50の移動によりロックギア45の回転を止める機構、パウル52を外側に押し出す機構には複雑な機構が用いられているが、シートベルト巻取装置は周知・慣用のものであり、当業者にとってこれ以上の詳しい説明は不要と思われるし、本発明の主要部分と関係がない事項なので、これ以上の詳しい説明を省略する。
【0013】
図10に示すシートベルト巻取装置には、上述のような機構の他に、火薬式プリテンショナと呼ばれるシートベルト引き込み装置が付属されている。これは、衝突等が実際に発生した場合に、火薬の力により急速かつ強力にシートベルトを巻き取り、乗員をシートに拘束するものである。
【0014】
以下、火薬式プリテンショナの構成を説明する。プリテンショナカバー61とプリテンショナープレート62の間には、パイプ63が設けられており、そのパイプ63の一端にはガス発生器64が取り付けられている。そして、パイプ63の内部にはストッパスプリング65、ピストン66、複数のボール67が設けられている。パイプ63の他の端近傍の側方は切り欠かれており、他端にはガイドブロック68が嵌め込まれている。
【0015】
プリテンションカバー61には2つのピン69が設けられており、それに、リングギア70が嵌め込まれて保持されている。そして、リングギア70の外歯とパイプ63の切り欠かれていない内壁の間にボール67の最先端のものが挟まって拘束されている。
【0016】
一方、スプール42においては、ギア71にピニオン72が嵌り込んでいる。通常の状態では、リングギア70とピニオン72は係合していないが、ガス発生器64からガスが発生した場合には、その圧力により、ピストン66を介してボール67が押され、その力でピン69が折れて、リングギア70がフリーとなり、ピニオン72と係合する。そして、その状態でボール67にリングギア70の外歯71aが押されてリングギア70が回転し、ピニオン72を介してスプール42を回転させる。このようにしてシートベルトにプリテンションがかけられる。このような機構も周知のものであるので、これ以上の説明を省略する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、このような従来のシートベルト巻取装置を改良し、衝突等の事故が実際に発生する前に、これらの発生が予想された段階で、モータによりシートベルトを巻き取り、シートベルトの弛みを取り除くと共に、ある程度の力で乗員をシートベルトに拘束する機能を有するシートベルト巻取装置の発明を行い、特願2001−12886号として特許出願した(以下、「第1先願発明」という)。
【0018】
これは、モータによりシートベルトを巻き取る機構を有するシートベルト巻取装置であって、前記モータとシートベルトが巻回されたスプールと、結合時には前記スプールをシートベルト巻き取り方向にのみ回転させ、非結合時には前記スプールのいずれの方向への回転をも許容する動力伝達切替機構(ラチェット機構)とを有するものである。
【0019】
以下、第1先願発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図4は、第1先願発明の実施の形態の1例であるシートベルト巻取装置の概要を示す分解斜視図である。なお、図4に示す実施の形態においても、図10に示すようなロック機構、フォースリミッタ機構や、スプールを巻き取るスプリング(図示せず)等が設けられているが、先願発明と関係がないので説明を省略する。
【0020】
図4に示すように、このシートベルト巻取装置1においては、フレーム2の中にシートベルト3を巻き取るスプール4が収納され、それを軸支するトーションバー5の一端がリテーナ6に嵌まり込み、他端はスプール4の内部に嵌合している。スプール軸4aは、シートベルト巻き取り用スプリング(図示せず)が収納されたゼンマイユニット7の軸受に嵌まり込んでいる。リテーナ6とゼンマイユニット7はフレーム2に保持されており、これにより、スプール4が、リテーナ6とゼンマイユニット7に保持される形でフレーム2の中に収納されている。
【0021】
モータ8は第2リテーナ9に保持され、その軸に結合されたモータギア10が、コネクトギア11に噛合し、コネクトギア11が中間減速ギア12を介して減速ギア13と噛合している。減速ギア13は、その外径部に中間減速ギア12と噛合する大径歯部13aを有すると共に、その中心部にサンギア13bを有している。
【0022】
キャリアギア14の中心孔(スプライン孔)14cはスプール4のスプライン軸4bに嵌まり込んでおり、スプール4と一体に回転する。キャリアギア14には3個のネジ孔14dが設けられ、これにリダクションピン15の先端がネジ込まれている。リダクションピン15には、それぞれ1個づつのプラネタリギア16が回転自在に軸支され、リダクションプレート17により保持されている。
【0023】
インターナルギア18は図5に示すように円環状をしており、その外周部にはラチェット歯18aが、内周部にはプラネタリギア16と噛合する内歯18bが設けられている。すなわち、プラネタリギア16は、サンギア13bとインターナルギア18の内歯18bに挟まれて、リダクションピン15を中心に自転が可能になっていると共に、キャリアギア14の中心(スプール4の軸心)の周りに公転が可能とされている。
【0024】
このように構成されたシートベルト巻取装置のスプール4とモータ8の動力伝達経路を入り切りするための機構として、係止レバー21と、コネクトギア11と一体に回転可能で係止レバー21を保持するレバースプリング22と、スプリング保持部材23が設けられている。
【0025】
図6に、この機構を詳細に示す。スプリング保持部材23の軸方向側面には軸方向に延びる3本の突出ピン23aが設けられており、これらの突出ピン23aがコネクトギア11の3個の軸方向孔11cそれぞれ嵌合されることで、スプリング保持部材23がコネクトギア11に組み付けられる。また、スプリング保持部材23の外周面には、径方向に延びる3個の突起23bが周方向に等間隔に設けられている。そして、レバースプリング22が、その湾曲部22aがスプリング保持部材23の外周に位置するようにして配置されるとともに、この湾曲部22aがスプリング保持部材23の2個の突起23bとコネクトギア11との間に、回転方向に所定の摩擦を有して扶持されることでスプリング保持部材23に組み付けられる。
【0026】
また、係止レバー21は第2リテーナ9に設けられた溝に沿って平行移動し、平行移動によりインターナルギア18のラチェット歯18aに接離可能に設けられている。そして、係止レバー21は、その凹部21bに嵌まり込んだレバースプリング22によって、前記のように平行移動するように駆動される。
【0027】
以下、モータ8とスプール4間の動力伝達のメカニズムと、動力伝達の入り切りのメカニズムについて、図7〜図9を用いて説明する。
これらの図に示されるように、モータ8の回転はモータギア10から、コネクトギア11の歯11aを介してコネクトギア11に伝えられ、その歯11bと、中間減速ギア12の歯12aを介して中間減速ギア12に伝えられる。そして、中間減速ギア12の歯12bと減速ギア13の大径歯部13aを介して減速ギア13に伝達される。減速ギア13には、サンギア13bがその中心軸を同じにして一体に取り付けられている。よって、モータ8が回転すると、これらのギア群が一体となって回転する。
【0028】
一方、図4に示されるスプール4のスプライン軸4bには、前述のようにキャリアギア14の中心孔(スプライン孔)14cが嵌まり込んでいる。よって、スプール4が回転すると、キャリアギア14が一体に回転し、それにより3個のプラネタリギア16がスプール軸を中心として公転する。
【0029】
これら、モータ8に結合された動力伝達系と、スプール4に連結された動力伝達系の連結を入り切りするのが、インターナルギア18である。図7は、モータ8が回転していないときの様子を示す図である。このとき、レバースプリング22により、係止レバー21は、インターナルギア18のラチェット歯車18aとは係合しないような位置となっている。よって、インターナルギア18は完全にフリーな状態にあり、何の抵抗も受けずに回転できる。それに対し、サンギア13bと減速ギア13を回転させるためには、モータ8の回転抵抗に打ち勝たなければならない。
【0030】
このような状態で、スプール4がどちらかの方向に回転すると、プラネタリギア16が公転する。そのとき、インターナルギア18の抵抗がないので、プラネタリギア16は、自転しながらサンギア13aの周りを公転し、インターナルギア18を回転させる。すなわち、サンギア13aは回転しない。よって、スプール4は、モータ8の回転抵抗を受けずに回転することができる。従って、特に、人間がシートベルトを引き出すとき、大きな抵抗力を受けることなく引き出しが可能となる(巻き取り用ゼンマイの力に抗するのみでよい)。
【0031】
図8は、モータ8がシートベルト巻き取り方向に駆動されたときの様子を示す図である。すなわち、モータ8が図のCW方向に回転すると、コネクトギア11がCCW方向に減速されて回転する。すると、前述のようにレバースプリング22の湾曲部22aがスプリング保持部材23の突起23bとコネクトギア11との間に回転方向に所定の摩擦を有して保持されているので、このコネクトギア11のCCW方向の回転で、レバースプリング22も同方向に一緒に回転する。
【0032】
これにより、係止レバー21がインターナルギア18に接近する方向に平行移動して、係止爪21aがインターナルギア18のラチェット歯18aの外周に当接して係合可能な係合位置となる。係止爪21aがラチェット歯18aの外周に当接した後は、レバースプリング22はそれ以上CCW方向には回転できなくなる。しかし、コネクトギア11とレバースプリング22との間にすべりが生じてコネクトギア11がレバースプリング22に対して相対回転する。これにより、モータ8は回転を継続することができる。
【0033】
同時に、コネクトギア11の回転が中間減速ギア12を介して減速されて減速ギア13に伝達され、減速ギア13がCCW方向に回転するので、サンギア13bが同方向に減速ギア13と同速度で回転する。このサンギア13bの回転で各プラネタリギア16がCW方向に自転し、インターナルギア18がCW方向に回転する。このとき、インターナルギア18が回転するため、各プラネタリギア16は公転しない。
【0034】
インターナルギア18がCW方向に回転すると、ラチェット歯18aと係止爪21aとが互いに係合し、インターナルギア18の回転が停止する。
インターナルギア18の回転が停止すると、前述のようにモータ8の駆動トルクで各プラネタリギア16が自転しているので、各プラネタリギア16はインターナルギア18の内歯18bに沿って、サンギア13bのまわりをCCW方向に減速されて公転するようになる。
【0035】
したがって、プラネタリギア16を保持するキャリアギア14が、各プラネタリギア16の公転速度でCCW方向に回転するので、スプール4がシートベルト巻き取り方向に回転する。
【0036】
図9は、モータ8がシートベルト引き出し方向に回転したときの様子を示す図である。モータ8が図のCCW方向に回転すると、コネクトギア11がCW方向に減速されて回転する。すると、前述のようにレバースプリング22の湾曲部22aがスプリング保持部材23の突起23bとコネクトギア11との間に回転方向に所定の摩擦を有して保持されているので、このコネクトギア11のCW方向の回転で、レバースプリング22も同方向に一緒に回転する。これにより、係止レバー21がインターナルギア18から遠ざかる方向に平行移動して、係止爪21aとインターナルギア18のラチェット歯18aの係合が外れる。すると、インターナルギア18の回転が自由になる。
【0037】
図8に示したと同じように、モータ8の回転により減速ギア13とサンギア13aが駆動され、サンギア13aの回転がプラネタリギア16に伝わってプラネタリギア16を自転させる。しかし、インターナルギア18が回転抵抗無く回転するので、プラネタリギア16は公転を行うことが無く、従って、モータ8の回転はスプール4には伝達されない。
【0038】
以上をまとめると、モータが巻き取り方向に回転したときは、その回転力によって駆動される係止レバーによってインターナルギアの回転が止められ、それによりモータとスプールとの間の動力伝達経路が結合される。その他の場合は、係止レバーとインターナルギアとの係合が無く、インターナルギアは自由に回転できるので、モータとスプールとの間の動力伝達経路は切り離される。
【0039】
なお、以上の実施の形態においては、係止レバーの駆動をモータの動力を使用して行っていたが、例えばソレノイド等により電気的に駆動し、インターナルギアと係合させたり係合を解いたりするようにしてもよい。
【0040】
以下、以上のように構成された第1先願発明の実施の形態であるシートベルト巻取装置の作動の例について説明する。この実施の形態においては、通常の状態では、動力伝達経路切替機構により、モータとスプール間の動力伝達経路をオフとしておく。シートベルトの巻き取りは、ゼンマイばねによって行われる。よって、乗員は、シートベルトを引き出す際に、ゼンマイばねの巻き取り力に抗する引き出し力のみで、シートベルトを引き出すことができる。
【0041】
そして、衝突予測装置等より、衝突等の事故が発生する可能性のあることを示す信号が与えられたとき、シートベルト巻取制御装置が、モータをシートベルト巻き取り方向に駆動すると共に、動力伝達経路切替機構によりモータとスプール間の動力伝達経路を結合する。これは、前述の実施の形態では、モータを巻き取り方向に駆動することにより、自然に行われる。よって、スプールにモータの巻き取り力が伝達され、スプールによりシートベルトが巻き取られる。このシートベルトの巻き取りは、従来のように、実際に衝突が発生してから行われるのでなく、衝突が予測された時点から開始されるので、確実に乗員をシートに拘束することができる。
【0042】
衝突等の発生が実際に起こらなかった場合は、モータの駆動を停止すると共に、前記動力伝達切替機構(ラチェット機構)の結合を解除することにより、スプールの回転が自由になり、人間が容易にシートベルトを引き出すことが可能となる。
【0043】
なお、以上の第1先願発明の説明においては、図面が煩雑になるのを避けるため、あえて図に示された火薬式プリテンショナの図示を省略し、その説明も省略したが、火薬式プリテンショナが、図4における第2リテーナ9の右側に設置されており、その場合における火薬式プリテンショナの作動と役割は、図に示した従来技術と同じである。
【0044】
また、第1先願発明においては、この他に、シートベルトをモータで巻き取った場合に、スプールがシートベルトの巻き取り方向にのみ回転し、引き出し方向には回転しないようにする機構が付属されているが、本願発明にはこの機構は関係ないのでその図示と説明を省略する。
【0045】
しかしながら、先願発明において、火薬式プリテンショナを有するものにおいては、以下のような事象が発生する場合がある。
すなわち、従来技術においては、実際に衝突が起こって火薬式プリテンショナが作動し、乗員をシートに強力に拘束した後、火薬による力が消滅すると、シートベルトが引き出されるようになっていた。この際、前述した「フォースリミッタ機構」が働き、シートベルトはトーションバーの捩れ力による張力を受けながら引き出されるようにされていた。
【0046】
ところが、第1先願発明の実施の形態を例にとると、火薬式プリテンショナが作動しても、ラチェット歯18aと係止爪21aとが互いに係合したままとなり、インターナルギア18の回転が停止したままの状態に保たれる可能性があった。そのようなことが発生すると、実際に衝突が起こって火薬式プリテンショナが作動し、乗員をシートに強力に拘束した後、火薬による力が消滅し、シートベルトが引き出される際に、モータがスプールに機械的に結合された状態のままとなるので、モータがシートベルト引き出し力の負荷となる場合がある。
【0047】
このような事象の発生を防止するために、本発明者等は、火薬式プリテンショナが作動するとほとんど同時に、モータ逆転させることによって、ラチェット歯18aと係止爪21aの係合を解除し、モータとスプールの機械的な結合(クラッチ機構)を解放することにより、「フォースリミッタ機構」作動時にモータが引き出し力の負荷となることを防止する方法を発明し、特願2001−133967号として特許出願した(以下、「第2先願発明」という)。この方法は、電気的にモータとスプールの機械的な結合を解放するものである。
【0048】
本発明は第2先願発明と目的を同じくするものであり、火薬式プリテンショナが作動した場合に、電気的手段を用いることなく、メカニズムにより、モータとスプールの機械的な結合(クラッチ機構)を解放することによって、「フォースリミッタ機構」を安定して作動させることができるシートベルト巻取装置を提供することを課題とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、モータによりシートベルトを巻き取る機構を有するシートベルト巻取装置であり、前記モータとシートベルトが巻回されたスプールと、結合時には前記スプールをシートベルト巻き取り方向にのみ回転させ、非結合時には前記スプールのいずれの方向への回転をも許容する動力伝達切替機構とを有してなり、かつ、シートベルトを急激に引き出すような力が働いたとき、シートベルトが巻き付けられているスプールのシートベルト引き出し方向への回転をトーションバーによる捩れ力に抗して行わせるフォースリミッタ機構と、衝突が検知されたときシートベルトを強制的に巻き取る火薬式プリテンショナを有するものであって、前記火薬式プリテンショナが作動したときに移動する火薬式プリテンショナの機構部の動きにより、前記動力伝達切替機構が非結合状態とされ、前記モータと前記スプールの機械的な結合が外れるようにされていることを特徴とするシートベルト巻取装置(請求項1)である。
【0050】
本手段においては、火薬式プリテンショナが作動したときに移動する火薬式プリテンショナの機構部の動きにより、前記動力伝達切替機構が非結合状態とされ、前記モータと前記スプールの機械的な結合が外れるようにされている(本明細書において、動力伝達切替機構が非結合状態とされているとは、モータとスプールとの機械的な動力伝達が働かないようにされていることであり、動力伝達切替機構が結合状態とされているとは、モータとスプールとの機械的な動力伝達が働くようにされていることである)。よって、火薬的プリテンショナが作動したとき、メカニズムのみにより、モータと前記スプールの機械的な結合を切り離し、その後に発生する「フォースリミッタ機構」作動時にモータが負荷となることを防止することができる。
【0051】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記動力伝達切替機構はラチェット歯車を有し、前記モータのシートベルト巻き取り方向への回転力により駆動される係止部と前記ラチェット歯車との噛み合いの有無により、結合状態と非結合状態が切り替わるものであり、前記係止部は、火薬式プリテンショナが作動したときに移動する火薬式プリテンショナの機構部の動きにより、前記ラチェット歯車との係合を解除されるようにされていることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0052】
本手段においては、動力伝達切替機構の結合、非結合が、モータの回転力で駆動される係止部とラチェット歯車の係合により行われるようになっており、かつ、前記係止部は、火薬式プリテンショナが作動したときに移動する火薬式プリテンショナの機構部の動きにより、前記ラチェット歯車との係合を解除されるようにされているので、構造が簡単になる。
【0053】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、前記モータの回転トルクで前記回動可能な制御レバーを備えており、当該制御レバーが前記係止部を駆動することにより係止部と前記ラチェット歯車との噛み合いが制御されるようにされていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0054】
本手段においては、モータが巻き取り方向に回転すると、そのトルクにより制御レバーが回動し、それにより係止部と前記ラチェット歯車とを噛み合わせて、モータとスプール間の動力の伝達を可能にする。モータが回転していない場合には、制御レバーは初期位置にあり、係止部と前記ラチェット歯車とを噛み合わせないので、モータとスプールは動力的に切り離され、スプールは自由に回転可能となる。よって、簡単な構成により、モータとスプール間の動力の伝達のオン・オフが可能となる。
【0055】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第2の手段又は前記第3の手段であって、前記モータの回転を減速して前記スプールに伝達する減速機構を備えており、この減速機構は、モータの回転が伝達されるサンギアと、回転可能に設けられ、外周にラチェット歯を有しかつ内周に内歯を有するリング状のインターナルギアと、これらのサンギアとインターナルギアとに噛合するプラネタリギアと、このプラネタリギアを自転可能に支持するとともにその公転を前記スプールに伝達するキャリヤとを有し、また、前記動力伝達切替機構は、更に、前記ラチェット歯に係合しない非係合位置と前記ラチェット歯に係合可能な係合位置との間で回動可能な係止レバーを備えており、前記制御レバーが回動しない通常時は前記係止レバーを非係合位置に設定して前記インターナルギアの回転を自由にし、前記制御レバーが回動したときは前記係止レバーを係合位置に設定して、前記ラチェット歯に前記係止レバーが係合することで前記インターナルギアの回転を禁止するようになっており、前記インターナルギアの回転が禁止されたときは、前記動力伝達切替機構が結合状態に設定され、前記インターナルギアの回転が自由であるときは、前記動力伝達切替機構が非結合状態に設定されるようになっていることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0056】
本手段においては、係止レバーがラチェット歯に係合していないときは、インターナルギアは無負荷に近い状態で回転可能となっている。この状態でモータが回転すると、それによりサンギアが回転される。すると、インターナルギアが無負荷に近い状態で回転可能であり、一方、プラネタリギアの公転はスプールの負荷を受けているので、各プラネタリギアは公転せず自転して、インターナルギアを回転させる。よって、モータの動力はスプールには伝達されない。
【0057】
この状態でスプールが回転すると、プラネタリギアは公転するが、サンギアにはモータの負荷がかかっているのに対し、インターナルギアは無負荷であるので、サンギアを回転させず、インターナルギアを回転させながら公転する。よって、スプールとモータの動力伝達は切られているので、シートベルトの引き出し、巻き取りは、モータの負荷をうけることなく自由に行われる。
【0058】
係止レバーがラチェット歯に係合すると、インターナルギアの回転が阻止される。この状態でモータが回転すると、それにより減速ギアとサンギアが回転される。すると、インターナルギアが回転できないので、プラネタリギアはサンギアによって自転させられると共に、インターナルギアによって公転力を受け公転する。よって、プラネタリギアに結合されているスプールが駆動力を受けて回転する。このときは、スプールが回転した場合も、プラネタリギアの公転によってサンギアが回転力を受け、モータが回転力を受ける。すなわち、モータとスプールの間の動力伝達経路が結合されていることになる。
【0059】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第2の手段又は前記第3の手段であって、前記モータの回転を減速して前記スプールに伝達する減速機構を備えており、この減速機構は、その回転をスプールに伝達するサンギアと、回転可能に設けられ、外周にラチェット歯を有しかつ内周に内歯を有するリング状のインターナルギアと、これらのサンギアとインターナルギアとに噛合するプラネタリギアと、このプラネタリギアを自転可能に支持するとともに前記モータの回転により前記プラネタリギアを公転させるキャリヤとを有し、また、前記動力伝達切替機構は、更に、前記ラチェット歯に係合しない非係合位置と前記ラチェット歯に係合可能な係合位置との間で回転可能な係止レバーを備えており、前記制御レバーが回動しない通常時は前記係止レバーを非係合位置に設定して前記インターナルギアの回転を自由にし、前記制御レバーが回動したときは前記係止レバーを係合位置に設定して、前記ラチェット歯に前記係止レバーが係合することで前記インターナルギアの回転を禁止するようになっており、前記インターナルギアの回転が自由であるときは、前記動力伝達切替機構が非結合状態に設定され、前記インターナルギアの回転が禁止されたときは、前記動力伝達切替機構が結合状態に設定されるようになっていることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0060】
本手段においては、サンギアがスプール側に結合され、プラネタリギア側がモータ側に結合されている点が前記第4の手段と異なるだけであり、その作動は前記第4の手段と同じである。よって、前記第4の手段と同じ作用効果を奏する。
【0061】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第2の手段から第5の手段のいずれかであって、火薬プリテンショナが作動したときに火薬の力を直接又は間接的に受けて回転し、その回転力をスプールに伝える回転体の動きを直接的又は間接的に利用することにより、前記係止部の、前記ラチェット歯車との係合を解除するものであることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0062】
通常の火薬プリテンショナには、その作動時に、火薬の力を直接又は間接的に受けて回転し、その回転力をスプールに伝える回転体が存在する。本手段においては、この回転体の動きを直接的又は間接的に利用することにより、前記係止部の、前記ラチェット歯車との係合を解除するようにしているので、構成が簡単になる。
【0063】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第6の手段であって、火薬プリテンショナは、火薬の力をパイプ中に入れられたボールに伝達し、ボールの力を歯車の外歯に伝えることより歯車を回転させてその回転力をスプールに伝えるものであり、定常状態においては当該歯車の外歯によってその形状を決められ、前記歯車が回転するとスプリング力により異なった形状となる第1の弾性体と、定常状態においては第1の弾性体によってその形状を決められ、第1の弾性体が前記異なった形状となったとき、スプリング力により異なった形状となる第2の弾性体を有し、第2の弾性体が異なった形状となるときの付勢力により、前記係止部の、前記ラチェット歯車との係合を解除するものであることを特徴とするもの(請求項7)である。
【0064】
本手段の作用については、後に実施の形態を例として詳細に説明する。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例であるシートベルト巻取装置の本発明に関する要部を示す分解斜視図である。以下の図においては、前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には原則的に同じ符号を付している。しかし、部品の設置位置や構成、形状が図4と少し変わっており、かつ、図10と同じように火薬プリテンショナが設けられ、プリテンショナカバー61とパイプ63が図示されている。この火薬プリテンショナは、図10で説明したものと同じである。
【0066】
以下、図1に示される実施の形態について、図4と異なる点を中心に説明する。モータ5の出力は、モータギア10から、2つの中間減速ギア12c、12dを介してコネクトギア11に伝えられる。コネクトギア11の、図で裏側になっていて図示されない軸部にはレバースプリング22が巻き付けてあり、コネクトギア11と共に回転するようになっている。しかしながら、レバースプリング22の回転を阻止するような一定以上の力が働くと、その力が、レバースプリング22がコネクトギア11に巻き付いているバネ力に打ち勝ち、レバースプリング22はその位置で停止し、コネクトギア11との間で相対回転が可能とされるようになっている。
【0067】
図4の係止レバー21に相当するクラッチパウル21は、クラッチパウルピン25により、第2リテーナ9に固定されているが、クラッチパウル21と第2リテーナ9の間にはスプリング26が配置され、クラッチパウル21が、インターナルギア18のラチェット歯車18aから離れるように、クラッチパウル21を付勢している。
【0068】
モータがシートベルト巻き取り方向に回転すると、レバースプリング22がコネクトギア11と共に図の反時計方向に回転し、後に詳しく説明するように、それにより、クラッチパウル21を図の時計方向に回転させる。すると、クラッチパウル21がインターナルギア18のラチェット歯車18aに係合し、インターナルギア18の回転を止める。
【0069】
このようにすると、モータの回転力が、スプール4に伝達されるようになるメカニズムは図4〜図9において説明したものと同じである。ただし、図1に示す実施の形態においては、リテーナベアリング23とキャリアベアリング24が設けられているが、これは本発明と直接の関係はない。また、図4〜図9においては、キャリアギア14には、その外周にラチェット歯が設けられているが、本実施の形態の図1においては、設けられておらず、単なるキャリア14となっているが、これは本発明と直接の関係はない。
【0070】
このように、図1に示す実施の形態では、インターナルギア11を停止させる機構が図4と異なっているので、図2により、さらに詳しく説明する。図2において、クラッチパウル21は第2リテーナ9に、クラッチパウルピン25により固定されており、クラッチパウルピン25の周りに回動可能とされている。クラッチパウル21は穴21dを有しており、この穴の中にレバースプリング22の折れ曲がった先端部22bが嵌り込んでいる。そして、クラッチパウル21は、一部が見えているスプリング26により、図の時計回りに付勢されており、通常は、インターナルギア18のラチェット歯18aから離れている。
【0071】
モータ5がシートベルト巻き取り方向に回転すると、インターナルギア11は時計方向に回転し、これに伴い、レバースプリング22が時計方向に回動する。すると、レバースプリング22の先端部22bが穴21dの縁に当たり、スプリング26の付勢力に逆らって、クラッチパウル21を反時計回りに回動させる。すると、クラッチパウル21の先端部がインターナルギア18のラチェット歯18aに係合し、インターナルギア18の回転を止める。
【0072】
モータ5がシートベルト引き出し方向に回転すると、インターナルギア11は反時計方向に回転し、これに伴い、レバースプリング22が反時計方向に回動する。すると、レバースプリング22の先端部22bが穴21dの縁に当たり、スプリング26の付勢力と協働して、クラッチパウル21を時計回りに回動させる。すると、クラッチパウル21の先端部がインターナルギア18のラチェット歯18aから離れて、インターナルギア18の回転が自由となる。
【0073】
また、本実施の形態においては、火薬プリテンショナが作動したとき、クラッチパウル21をインターナルギア18のラチェット歯18aから引き離すための機構として、ストッパ28とリリーススプリング29が図1の第2リテーナ9とプリテンショナカバー61の間に設けられている。
【0074】
以下、火薬プリテンショナが作動したときの動きを、図1〜図3を参照しながら説明する。図3は、火薬プリテンショナの作動に伴って作用する主要部の部品の構成を示したもので、説明に関係のない部品の図示を省略している。また、図3は、図1における第2リテーナ9とプリテンショナカバー61の間にある部品を中心に示したもので、これらを実線で、図1においてプリテンショナカバー61の奥(右側)にある部品を破線で、第2リテーナ9より手前(左側)にある部品を2点鎖線で示している。
【0075】
図3において、バネ体であるストッパ28が凸部32に巻き付けられてプリテンショナカバー61に固定されており、その先端部28aは図1に示すように折れ曲がり、プリテンショナカバー61に設けられた弧状の長穴61aを貫通して、リングギア70(図10に示すものと同じもの)の外歯71aの片面に当接している。この状態でストッパ28はその付勢力に対して押し縮められたようになっており、リングギア70の外歯71aが、ストッパ28が広がるのを妨げている。
【0076】
このストッパ28の先端部28aに、リリーススプリング29の先端部が支えられている。リリースプリング29は、板バネ部材で構成されており、プリテンショナカバー61の凸部30、31に挟み込まれて固定されている。すなわち、ストッパ28の折れ曲がった先端部28aの先端部は、前述のようにリングギア70の外歯71aに当接しており、ストッパ28の先端部28aの根本部には、リリースプリング29が乗り上げるような形となっている。リリーススプリング29は、図3で時計回りに付勢されているが、ストッパ28の先端部28aのために、付勢力に抗して弾性的に曲げられた状態で固定されている。
【0077】
図10において説明したように、火薬プリテンショナが作動すると、リングギア70がフリーとなり、ピニオン72と係合する。そして、その状態でボール67に押されてリングギア70が回転し、ピニオン72を介してスプール42を回転させる。
【0078】
このとき、リングギア70は、図3において反時計回りに回転する。すると、ストッパ28の先端部28aを固定していた外歯70aが移動し、ストッパ28の先端部がフリーとなる。するとストッパ28は、その付勢力により開き、先端部28aが長穴61aの他端にくるまで移動し、図の28’のようになる。先端部は28a’の位置まで移動する(28’、28a’のように、最初の位置から動くものは、第2リテーナ9とプリテンショナカバー61の間にある部品であっても、動いた後の位置を2点鎖線で記述する)。
【0079】
すると、リリーススプリング29は、ストッパ28の拘束を受けなくなり、その付勢力により、図3の時計回りに回動する。図1に示されるように、クラッチパウル21は、ピン部21cを有し、このピン部21cは、第2リテーナ9に設けられた穴9aを貫通して、リリーススプリング29の位置まで達している。
【0080】
リリースプリング29が図3の時計回りに回動すると、リリーススプリング29がこのピン部21cに当接し、ピン部21cを押し下げる。この力は、レバースプリング22の力より大きくされている。よって、クラッチパウル21は、クラッチパウルピン25の周りに、図3で時計回りに回動し、図3の21’の位置となって、クラッチパウル21の先端部がインターナルギア18のラチェット歯18aから離れて、インターナルギア18の回転が自由となる。そのとき、リリーススプリングは29’で示される位置、クラッチパウルのピン部は21c’で示される位置となる。
【0081】
インターナルギア18の回転が自由となれば、モータとスプール4間の機械的な結合が切り離されるのは、前述の通りであるので、モータの負荷が「フォースリミッタ機構」に影響を及ぼすことはない。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メカニズムにより、火薬式プリテンショナが作動した場合に、「フォースリミッタ機構」の性能を安定して発揮させることができるシートベルト巻取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の1例であるシートベルト巻取装置の本発明に関する要部を示す分解斜視図である。
【図2】 図1における、インターナルギアを停止させる機構を詳細に示す図である。
【図3】 火薬プリテンショナの作動に伴って作用する主要部の部品の構成を示す図である。
【図4】 第1先願発明の実施の形態の1例であるシートベルト巻取装置の概要を示す分解斜視図である。
【図5】 図4に示す実施の形態における動力伝達経路切替機構の要部を示す概要図である。
【図6】 図4に示す実施の形態における動力伝達経路切替機構の要部を示す概要図である。
【図7】 図4に示す実施の形態における動力伝達経路切替機構の作動を説明する図である。
【図8】 図4に示す実施の形態における動力伝達経路切替機構の作動を説明する図である。
【図9】 図4に示す実施の形態における動力伝達経路切替機構の作動を説明する図である。
【図10】 従来のシートベルト巻取装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
1…シートベルト巻取装置、2…フレーム、4…スプール、4a…スプール軸、4b…スプライン軸、5…トーションバー、6…リテーナ、7…ゼンマイユニット、8…モータ、9…第2リテーナ、9a…長穴、9b…長穴、9c…案内部、10…モータギア、11…コネクトギア、11a…歯、11b…歯、11c…軸方向孔、12…中間減速ギア、12a…歯、12b…歯、12c…中間減速ギア、12d…中間減速ギア、13…減速ギア、13a…大径歯部、13b…サンギア、14…キャリア(キャリアギア)、14c…中心穴、14d…ネジ穴、15…リダクションピン、16…プラネタリギア、17…リダクションプレート、18…インターナルギア、18a…ラチェット歯、18b…内歯、21…係止レバー(クラッチパウル)、21a…係止爪、21b…凹部、22…レバースプリング、22a…湾曲部、22b…先端部、25…クラッチパウルピン、26…スプリング、27…カバー、28…ストッパ、28a…先端部、29…リリーススプリング、30…凸部、31…凸部、32…凸部、61…プリテンショナカバー、61a…長穴、63…パイプ、70…リングギア

Claims (7)

  1. モータによりシートベルトを巻き取る機構を有するシートベルト巻取装置であり、前記モータとシートベルトが巻回されたスプールと、結合時には前記スプールをシートベルト巻き取り方向にのみ回転させ、非結合時には前記スプールのいずれの方向への回転をも許容する動力伝達切替機構とを有してなり、かつ、シートベルトを急激に引き出すような力が働いたとき、シートベルトが巻き付けられているスプールのシートベルト引き出し方向への回転をトーションバーによる捩れ力に抗して行わせるフォースリミッタ機構と、衝突が検知されたときシートベルトを強制的に巻き取る火薬式プリテンショナを有するものであって、前記火薬式プリテンショナが作動したときに移動する火薬式プリテンショナの機構部の動きにより、前記動力伝達切替機構が非結合状態とされ、前記モータと前記スプールの機械的な結合が外れるようにされていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  2. 請求項1に記載のシートベルト巻取装置であって、前記動力伝達切替機構はラチェット歯車を有し、前記モータのシートベルト巻き取り方向への回転力により駆動される係止部と前記ラチェット歯車との噛み合いの有無により、結合状態と非結合状態が切り替わるものであり、前記係止部は、火薬式プリテンショナが作動したときに移動する火薬式プリテンショナの機構部の動きにより、前記ラチェット歯車との係合を解除されるようにされていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  3. 請求項2に記載のシートベルト巻取装置であって、前記モータの回転トルクで前記回動可能な制御レバーを備えており、当該制御レバーが前記係止部を駆動することにより係止部と前記ラチェット歯車との噛み合いが制御されるようにされていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のシートベルト巻取装置であって、前記モータの回転を減速して前記スプールに伝達する減速機構を備えており、この減速機構は、モータの回転が伝達されるサンギアと、回転可能に設けられ、外周にラチェット歯を有しかつ内周に内歯を有するリング状のインターナルギアと、これらのサンギアとインターナルギアとに噛合するプラネタリギアと、このプラネタリギアを自転可能に支持するとともにその公転を前記スプールに伝達するキャリヤとを有し、また、前記動力伝達切替機構は、更に、前記ラチェット歯に係合しない非係合位置と前記ラチェット歯に係合可能な係合位置との間で回動可能な係止レバーを備えており、前記制御レバーが回動しない通常時は前記係止レバーを非係合位置に設定して前記インターナルギアの回転を自由にし、前記制御レバーが回動したときは前記係止レバーを係合位置に設定して、前記ラチェット歯に前記係止レバーが係合することで前記インターナルギアの回転を禁止するようになっており、前記インターナルギアの回転が禁止されたときは、前記動力伝達切替機構が結合状態に設定され、前記インターナルギアの回転が自由であるときは、前記動力伝達切替機構が非結合状態に設定されるようになっていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載のシートベルト巻取装置であって、前記モータの回転を減速して前記スプールに伝達する減速機構を備えており、この減速機構は、その回転をスプールに伝達するサンギアと、回転可能に設けられ、外周にラチェット歯を有しかつ内周に内歯を有するリング状のインターナルギアと、これらのサンギアとインターナルギアとに噛合するプラネタリギアと、このプラネタリギアを自転可能に支持するとともに前記モータの回転により前記プラネタリギアを公転させるキャリヤとを有し、また、前記動力伝達切替機構は、更に、前記ラチェット歯に係合しない非係合位置と前記ラチェット歯に係合可能な係合位置との間で回転可能な係止レバーを備えており、前記制御レバーが回動しない通常時は前記係止レバーを非係合位置に設定して前記インターナルギアの回転を自由にし、前記制御レバーが回動したときは前記係止レバーを係合位置に設定して、前記ラチェット歯に前記係止レバーが係合することで前記インターナルギアの回転を禁止するようになっており、前記インターナルギアの回転が自由であるときは、前記動力伝達切替機構が非結合状態に設定され、前記インターナルギアの回転が禁止されたときは、前記動力伝達切替機構が結合状態に設定されるようになっていることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  6. 請求項2から請求項5のうちいずれか1項に記載のシートベルト巻取装置であって、火薬プリテンショナが作動したときに火薬の力を直接又は間接的に受けて回転し、その回転力をスプールに伝える回転体の動きを直接的又は間接的に利用することにより、前記係止部の、前記ラチェット歯車との係合を解除するものであることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  7. 請求項6に記載のシートベルト巻取装置であって、火薬プリテンショナは、火薬の力をパイプ中に入れられたボールに伝達し、ボールの力を歯車の外歯に伝えることより歯車を回転させてその回転力をスプールに伝えるものであり、定常状態においては当該歯車の外歯によってその形状を決められ、前記歯車が回転するとスプリング力により異なった形状となる第1の弾性体と、定常状態においては第1の弾性体によってその形状を決められ、第1の弾性体が前記異なった形状となったとき、スプリング力により異なった形状となる第2の弾性体を有し、第2の弾性体が異なった形状となるときの付勢力により、前記係止部の、前記ラチェット歯車との係合を解除するものであることを特徴とするシートベルト巻取装置。
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